JP2005111306A - 塗布方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2層以上の塗布層を形成する塗布方法において、塗布時の不安定現象を排除でき、膜厚分布が均一であり、表面が平滑な塗布層を形成でき、かつ、稼働率の向上、歩留りの向上が達成できる塗布方法を提供する。
【解決手段】連続走行する帯状の可撓性支持体Wの表面に第1の塗布装置で第1の塗布液F1を塗布し、この第1の塗布液を乾燥させて下層を形成する工程と、下層の表面に第2の塗布装置10で第2の塗布液F2を塗布し上層を形成する工程と、を有する塗布方法。上層を形成する工程において、可撓性支持体Wの、下層の塗布開始部分F1Sが第2の塗布装置10を通過した後に第2の塗布液の塗布を開始させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は塗布方法に係り、特に、ガイドローラなどの走行案内手段により支持されて連続走行する可撓性支持体上に磁気記録層等を塗布するのに好適に使用される塗布方法に関する。
写真感光材料や磁気記録媒体は、連続走行する帯状の支持体(以下、「ウェブ」という)上に磁性液等の所定の塗布液を塗布して塗布膜を形成する塗布工程を経て製造される。特に、磁気記録テープ等の磁気記録媒体は、近年、放送用やコンピュータ用として急速に容量、記録密度が向上しており、膜厚が極薄く、膜厚分布が均一であり、かつ表面が平滑な磁性層を得ることのできる塗布技術が求められている。
このような市場の要求に対応すべく、本出願人により色ムラや縦スジの発生を効果的に抑えることができ、従来以上に高品質な塗布層が形成でき、電磁変換特性にすぐれた磁気記録媒体を製造可能とする塗布方法(特許文献1、2参照)等の提案がなされている。
この技術は、エクストルージョン方式の塗布装置を使用した塗布方法において、各種の工夫を加え、これにより塗布欠陥を低減できるとするものであり、特許文献1は、塗布ヘッドとウェブとの接触のタイミングに合わせて塗布を開始させるものであり、特許文献2は、塗布を開始する際に瞬時に所定の塗布液流量とするものである。
特公平6−091980号公報 特公平6−009672号公報
しかしながら、上記のような従来の技術においても、解決しきれていない問題点があった。すなわち、2層以上の塗布層を形成する塗布方法における従来技術は、連続走行するウェブの表面に下層となる塗布液を塗布し、直後に、その上に上層となる塗布液を塗布する、いわゆる「ウェット・オン・ウェット」方式であった。そして、この方式では、上層となる塗布液を塗布する際に外乱を生じると、塗布ヘッドの先端部に形成された塗布液のメニスカスが壊れ、これにより塗布状態が不安定となる問題点があった。
特に、塗布の開始時に、下層となる塗布液の塗布開始部分が上層となる塗布液の塗布ヘッドを通過すると、塗布開始部分の急激な厚さ変化や、急激な塗れ性変化により、上層となる塗布液のメニスカスが壊れ、これにより、上流部に液が掻き戻り、スジ状の塗布厚さムラを生じさせることが多い。これにより、稼働率の低下、歩留りの低下等の不具合となることより、改善が強く求められていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、2層以上の塗布層を形成する塗布方法において、塗布時の不安定現象を排除でき、膜厚分布が均一であり、表面が平滑な塗布層を形成でき、かつ、稼働率の向上、歩留りの向上が達成できる塗布方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、連続走行する帯状の可撓性支持体の表面に第1の塗布装置で第1の塗布液を塗布し、該第1の塗布液を乾燥させて下層を形成する工程と、前記下層の表面に第2の塗布装置で第2の塗布液を塗布し上層を形成する工程と、を有する塗布方法において、前記可撓性支持体の、前記下層の第1の塗布液の塗布開始部分が前記第2の塗布装置を通過した後に前記第2の塗布液の塗布を開始させることを特徴とする塗布方法を提供する。
本発明によれば、乾燥された下層を有するウェブ(可撓性支持体)に第2の塗布液を塗布し上層を形成する。そして、下層の塗布開始部分が第2の塗布装置を通過した後に第2の塗布液の塗布を開始する。したがって、第2の塗布液の塗布開始時には、外乱となる段差部等が通過することはなく、第2の塗布液のメニスカスが壊れることもない。これにより、塗布時の不安定現象を排除でき、膜厚分布が均一であり、表面が平滑な塗布層を形成でき、かつ、稼働率の向上、歩留りの向上が達成できる。
本発明において、前記第2の塗布装置の塗布液供給部に前記可撓性支持体を押し付けて塗布を行なうことが好ましい。このような塗布方法を行なう際に本発明の効果が好適に発揮できる。
また、本発明において、前記第2の塗布液による上層を形成する工程において、前記可撓性支持体の、前記下層の第1の塗布液の塗布終了部分が前記第2の塗布装置を通過する前に前記第2の塗布液の塗布を終了させることが好ましい。塗布終了時においても、このような方法を採用すれば、外乱となる段差部等が通過することはなく、本発明の効果が一層発揮できる。
また、本発明において、前記下層の第1の塗布液の塗布開始部分が前記第2の塗布装置を通過してから0. 2秒以上後に前記第2の塗布液の塗布を開始させることが好ましい。このような条件を採用することにより、後述するような本発明の効果が好適に発揮できる。
また、本発明において、前記下層の第1の塗布液の塗布終了部分が前記第2の塗布装置を通過する0. 5秒以上前に前記第2の塗布液の塗布を終了させることが好ましい。このような条件を採用することにより、後述するような本発明の効果が好適に発揮できる。
また、本発明において、前記第2の塗布装置の塗布液供給部には、前記支持体の幅方向において前記支持体と対向し、開口部より塗布液を吐出するスリットが設けられ、該スリット開口部の上流側エッジの曲率半径が5μm以下となっていることが好ましい。このような構成の塗布装置を使用することにより、膜厚分布が均一であり、かつ表面が平滑な塗布層を形成できる。
以上説明したように、本発明によれば、ウェブ(可撓性支持体)の表面に第1の塗布液を塗布し、この第1の塗布液を乾燥させて下層を形成し、この下層を有するウェブに第2の塗布液を塗布し上層を形成する。そして、下層の塗布開始部分が第2の塗布装置を通過した後に第2の塗布液の塗布を開始する。したがって、第2の塗布液の塗布開始時には、外乱となる段差部等が通過することはなく、第2の塗布液のメニスカスが壊れることもない。これにより、塗布時の不安定現象を排除でき、膜厚分布が均一であり、表面が平滑な塗布層を形成でき、かつ、稼働率の向上、歩留りの向上が達成できる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施態様の例について説明する。図1は、本発明に適用される塗布装置のうち、塗布ヘッド10の一部を切断して示す斜視図である。図2は、塗布ヘッド10の先端部分と可撓性支持体(以下、「ウェブ」と称する)Wとの位置関係を示す概略断面図であり、ウェブWを塗布ヘッド10に対してセットし、塗布液を塗布している状態を示す。
図1及び図2に示されるように、塗布ヘッド10は、塗布液を供給できるような下記の液供給系が設けられている。すなわち、塗布ヘッド10の本体12には、長手方向(ウェブWの幅方向)に延びた液溜め部14と、液溜め部14と連通するとともに、長手方向(ウェブWの幅方向)においてウェブWと対向し、開口部より塗布液を塗出するスリット16と、液溜め部14へ塗布液を供給する液供給口18と、液溜め部14から塗布液を引き抜く液排出口20と、を備えている。
液溜め部14は、「ポケット」又は「マニホールド」とも称され、その断面が略円形をなし、図1に示されるように、ウェブWの幅方向に略同一の断面形状をもって延長された液溜め機能を有する空洞部である。その有効長さは、通常、塗布幅と同等又は若干長く設定される。液溜め部14の貫通した両端開口部は、図1に示されるように、本体12の両端部に取付けられる閉鎖板22、24により閉止されている。なお、既述の液供給口18は閉鎖板22に、液排出口20は閉鎖板24にそれぞれ設けられている。
スリット16は、液溜め部14からウェブWに向け、通常、0. 05〜1.0mmの開口幅をもって塗布ヘッド10の本体12内部を貫通し、かつ液溜め部14と同じようにウェブWの幅方向に延長された比較的狭隘な流路であり、ウェブWの幅方向の開口長さは塗布幅と略同等に設定される。なお、スリット16におけるウェブWに向けた流路の長さは、塗布液の液組成、物性、供給流量、供給液圧、等の諸条件を考慮して適宜設定し得る。すなわち、塗布液がウェブWの幅方向に均一な流量と液圧分布をもって層流状にスリット16から供給できればよい。
次に、塗布ヘッド10の先端部分について、図2を参照しながら説明する。スリット16は、塗布ヘッド10の本体12(図1参照)のフロントエッジ26とバックエッジ28とにより形成される。塗布ヘッド10の本体12の上面(ウェブWと対向する面)には、上流側より、フロントエッジ面26a、バックエッジ面28aがそれぞれ形成されている。
図2に示されるように、フロントエッジ面26aは断面が略直線状に、バックエッジ面28aは、断面が山型に形成されている。また、フロントエッジ面26aの後端エッジ部26bとバックエッジ面28aの先端エッジ部28bとには所定の段差が設けられ、塗布液Fの所定厚さの膜が形成できるようになっている。
このスリット16の開口部の上流側エッジに該当する後端エッジ部26bの曲率半径は、5μm以下となっている。このような後端エッジ部26bを有する塗布装置10を使用することにより、膜厚分布が均一であり、かつ表面が平滑な塗布層を形成できる。
なお、図2に示されるフロントエッジ面26a、バックエッジ面28aの断面形状は一例であり、他の断面形状、たとえば円弧状、放物線状等、各種の形状が採用できる。
スリット16の、液溜め部14との境界部から開口部までの距離(ウェブWに向けた流路の長さ)は、スリット16のウェブWの幅方向の開口長さ、塗布液の液組成、物性、供給流量、供給液圧、等の諸条件により異なるが、スリット16のウェブWの幅方向の開口長さが1000〜1200mm程度の場合には30〜80mmの範囲が好ましく採用できる。
次に、本発明に使用される各種材料について説明する。ウェブWとしては、樹脂フィルム、紙(レジンコーティッド紙、合成紙、等)、金属箔(アルミニウムウェブ等)等を使用できる。樹脂フィルの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースダイアセテート等の公知のものが使用できる。これらのうち、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましく使用できる。
ウェブWの幅としては、0. 1〜3mが、ウェブWの長さとしては、1000〜100000mが、ウェブWの厚さとしては、0. 5〜100μmのものがそれぞれ一般的に採用される。ただし、これ以外のサイズの適用も妨げられるものではない。
これらのウェブWは、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理などを行っておいてもよい。ウェブWの表面粗さRaはカットオフ値0.25mmにおいて3〜10nmが好ましい。
また、ウェブWには、あらかじめ接着層等の下地層を設け乾燥硬化させたもの、裏面に他の機能層があらかじめ形成されたもの、等を用いてもよい。
磁性体を含む塗布液を使用し、磁性層を形成する場合には、磁性層に使用する強磁性粉末としては、特に制限されるべきものではないが、α−Feを主成分とする強磁性金属粉末、六方晶フェライト粉末が好ましい。これらの強磁性金属粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。特に、Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つをα−Fe以外に含むことが好ましく、Co、Y、Alの少なくとも一つを含むことが更に好ましい。
強磁性粉末には少量の水酸化物、又は酸化物が含まれてもよい。強磁性金属粉末は公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。1)複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、2)酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFe又はFe−Co粒子などを得る方法、3)金属カルボニル化合物を熱分解する方法、4)強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩又はヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、5)金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法、などである。
このようにして得られた強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法のいずれかを施したものでも用いることができる。
塗布液の液組成としては、目的に応じて公知の各種の組成が選択できる。
磁性体を含まない塗布液を使用し、非磁性層を形成する場合には、塗布液に含まれる非磁性の構成は制限されないが、通常、少なくとも樹脂からなり、好ましくは、粉体、たとえば、無機粉末又は有機粉末が樹脂中に分散されたものが挙げられる。無機粉末は、通常、好ましくは非磁性粉末であるが、この層が実質的に非磁性である範囲で磁性粉末も使用され得る。
非磁性粉末としては、たとえば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機化合物から選択することができる。無機化合物としてはたとえばα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、ヘマタイト、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独又は組合せで使用される。
これらの非磁性粉末の表面には表面処理が施され、Al2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、Sb2 3 、ZnO、Y2 3 が存在することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 であるが、更に好ましいのはAl2 3 、SiO2 、ZrO2 である。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナを存在させた後にその表層をシリカで処理する方法、又はその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
次に、塗布ヘッド10を主体として、塗布装置を使用した塗布方法について説明する。塗布液Fは、連続的に、かつ一定の流量で送液可能な定量送液手段、一般的には定量ポンプ(図示略)により、図1に示されるように、液供給口18を経て液溜め部14に供給される。定量ポンプとしては、たとえば、プランジャポンプ、歯車ポンプ等の流量可変の送液手段が好ましく使用できる。
液溜め部14に供給された塗布液Fは、所定量がスリット16の開口部より吐出され、残りの量が液排出口20より排出され、定量送液手段に回収される。このような運転を行うことにより、塗布液Fが液溜め部14内で著しく滞留することを防止できる。このような運転方法は、揺変性を有しかつ凝集し易い磁性塗布液に対しては極めて有効である。ただし、液排出口20を具備しない構造であり、スリット16の開口部より吐出される所定量を液供給口18より供給する構造であってもよい。また、液供給口をウェブWの幅方向の両端部に設け、両方の液供給口より略等量の塗布液を供給する構造であってもよい。この場合に、液排出口を他の箇所に設ける構成であっても、液排出口を設けない構成であっても可能である。
ウェブWには、あらかじめ他の塗布手段(第1の塗布装置)により第1の塗布液を塗布し、この第1の塗布液を乾燥させて下層が形成されている。図2に示される下層は、第1の塗布液により形成されているが、1層に限られる訳ではなく、2層以上よりなる下層であってもよい。要は、塗布ヘッド10により塗布液(第2の塗布液)を塗布して上層を形成する際に、下層が乾燥されている状態(いわゆる、「ウェット・オン・ドライ」方式)であればよい。
また、3層以上に塗布膜を形成する場合、このウェット・オン・ドライ方式の塗布方法がいずれかの層の形成に導入されていれば、本発明の効果が得られる。
他の塗布手段(第1の塗布装置)による第1の塗布液の塗布、及び、第1の塗布液の乾燥による下層の形成は、本塗布装置の上流側に設けられる連続生産手段であってもよいし、オフライン、たとえば他のラインで製造された下層形成済みのウェブWをロール状に巻回した原反ロールより、このウェブWを繰り出して走行させながら、塗布ヘッド10に供給する生産方式であってもよい。
ガイドローラなどの走行案内手段(図示略)により支持されて連続走行するウェブWは、ガイドローラ等の各走行案内手段の間で略一定した張力をもって、かつその厚さ方向に若干湾曲可能な状態に装架され、図2に示されるように、塗布ヘッド10の上面(ウェブWと対向する面)に押し付けられながら図の矢印方向に所定速度で移動する。これにより、スリット16の開口部より吐出された塗布液Fは、ウェブWの幅方向に均一な流量及び圧力分布をもって所定厚さに塗布される。
ウェブWの走行速度としては、一般的に30〜1500m/分の広い範囲で選択できるが、この範囲に限られるものではない。ウェブWの、塗布ヘッド10の上面に押し付けられる圧力が均一になるように、各走行案内手段の間でウェブWに所定の張力を加える構成が好ましい。加えられる張力としては、ウェブWの幅1mあたり49〜490N(5〜50kgf)の範囲が好ましく採用できる。この値は、塗布条件により、適宜調整することが好ましい。
このような塗布状態を実現するためには、既述したように、塗布ヘッド10の上下流側にそれぞれガイドローラなどの走行案内手段を設け、ウェブWの塗布面の反対側の面を走行案内手段に巻き掛けて走行させる。この走行案内手段と塗布ヘッド10との距離は50〜300mm程度に設定するのが好ましい。また、この走行案内手段は、ウェブWの塗布ヘッド10への進入角度や離脱角度を調整できるように、図2の上下方向に移動調整できる構成とすることが好ましい。
更に、剛性の低いウェブWの場合には、ツレシワの発生を抑止できるように、ウェブWの走行経路中にエキスパンダーロールや、クラウンロール、コンケーブロール等を設けることも好ましい。
図2において、ウェブWのうち、下層(第1の塗布液F1)が形成された塗布層の塗布開始部分F1Sが、塗布ヘッド10、より正確にはスリット16を通過後に、塗布ヘッド10で第2の塗布液F2の塗布が開始されている。
このような塗布方法を採用すれば、第2の塗布液F2の塗布開始時には、外乱となる段差部等(塗布開始部分F1S)が通過することはなく、第2の塗布液F2のメニスカスが壊れることもない。これにより、塗布時の不安定現象を排除でき、膜厚分布が均一であり、表面が平滑な塗布層を形成でき、かつ、稼働率の向上、歩留りの向上が達成できる。
すなわち、このような塗布ヘッド10で塗布する際のメニスカス部において、1)ウェブWに同伴される空気により発生する圧力、2)第2の塗布液F2に発生している圧力、3)第2の塗布液F2の表面張力、の3者が力学的にバランスすることにより、安定した塗布がなされる。そして、この力学的なバランスが崩れることにより、メニスカスが壊れ、これにより、上流部に液が掻き戻り、スジ状の塗布厚さムラを生じさせる。ところが、本発明によれば、このような現象を排除できることとなる。
なお、ウェブWが巻回されたウェブ供給ロールを新規のウェブ供給ロールと交換する際には、以下の2種類の方法が採用される。1)製造ラインを停止させ、終了後のウェブ供給ロールを新規のウェブ供給ロールと交換し、ウェブWの後端部と新規ウェブWの先端部とを接続し、製造ラインの運転を再開する。2)製造ラインを停止させずに、ウェブWの後端部と新規ウェブWの先端部とを自動的に接続させる。
特に、上記2)の方法を採用する場合、ウェブWの接続部が塗布ヘッド10のスリット16の開口部と接触し、塗布ヘッド10を損傷させるおそれがある。したがって、この場合には(ウェブWの接続部が塗布ヘッド10を通過する際には)、一旦塗布を停止させ、ウェブWを塗布ヘッド10より離間させ、ウェブWの接続部が塗布ヘッド10を通過した後に塗布を再開させることが好ましい。
以上、本発明に係る塗布方法の実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態の例では、図1及び図2に示されるエクストルージョン塗布方法を採用したが、このような塗布方法に限らず、各種の態様が採用できる。この例として、1種類の塗布液を供給できるような液供給系のエクストルージョン塗布ヘッドを2台直列に配して、第1の塗布液と第2の塗布液を連続して塗布する構成、3種類の塗布液を供給できるように独立した液供給系が3組設けられているエクストルージョン塗布ヘッドを使用して塗布液を連続して塗布する構成等広く適用できる。
このうちの代表例を図3及び図4に示す。図3及び図4に示されるように、塗布ヘッド10’は、2種類の塗布液を、いわゆる「ウェット・オン・ウェット」方式で供給できるように独立した液供給系が2組設けられている。それぞれの構成要素に附されている番号は、図1及び図2の塗布ヘッド10と同様であることより、その詳細な説明は省略する。ただし、上流側の液供給系については部材番号の後にAを附し、下流側の液供給系については部材番号の後にBを附して区別することとする。
図4に示されるように、塗布ヘッド10’の本体12の上面(ウェブWと対向する面)には、上流側より、フロントエッジ面26a、第1のバックエッジ面28a、第2のバックエッジ面30aがそれぞれ形成されている。フロントエッジ面26aは断面が略直線状に、第1のバックエッジ面28a及び第2のバックエッジ面30aは、断面がそれぞれ曲率半径R1、R2の円弧状に形成されている。
また、フロントエッジ面26aの後端エッジ部と第1のバックエッジ面28aの先端エッジ部とには所定の段差が設けられ、塗布液F1の所定厚さの膜が形成できるようになっている。同様に、第1のバックエッジ面28aの後端エッジ部と第2のバックエッジ面30aの先端エッジ部とには所定の段差が設けられ、塗布液F2の所定厚さの膜が形成できるようになっている。
なお、ウェブWには、あらかじめ下層F0が形成されており、いわゆる「ウェット・オン・ドライ」方式の塗布が可能となっている。
次に、採り得る他の態様について説明する。塗布ヘッド10を使用する構成として、上記実施形態の例のように、ウェブWを塗布ヘッド10に押し付ける構成とせず、ウェブWをバックアップローラに巻き掛け、ウェブWの表面と塗布ヘッド10の先端面との間に所定のクリアランスをもって塗布する構成も採用できる。
更に、塗布ヘッド10の構成は、エクストルージョン塗布方法に限られず、グラビアコート方法、ロールコート方法、ディップコート方法、スライドコート方法、バーコート方法、カーテンコート方法等も採用できる。
更に、実施形態の例では、塗布液として磁性体を含む塗布液を使用し、磁気記録媒体を製造する態様として説明したが、本発明は、磁気記録媒体の製造のみならず、これ以外の用途にも広く適用できる。
更に、本実施形態の例では、液溜め部14を円筒状の空洞部としたが、このような円筒状のものに限らず、角形、船底形、等の各種の態様が採用できる。要は、ウェブWの幅方向に液圧分布を均一可能とする形状であれば、特に限定されない。
本発明の実施例を、比較例と対比して説明する。なお、以下の各例において、「部」の表示は「重量部」 を意味する。以下の各例(実施例1〜実施例4)において、3種の塗布液(塗布液1〜3)を使用した。各塗布液の組成は以下のように共通とした。
(1)塗布液1
非磁性粉体 α−Fe2 3 80部
平均長軸長 0.1μm
BET法による比表面積 48m2 /g
pH8、 Fe2 3 含有量 90%以上
DBP吸油量 27〜38ml/100g
表面被覆化合物 Al2 3
カーボンブラック 20部
平均1次粒子径 16μm
DBP吸油量 80ml/100g
pH8
BET法による比表面積 250m2 /g
揮発分 1. 5%
塩化ビニル共重合体 10部
日本ゼオン社製 MR−110
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
分子量 3.5万
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0.9/2.6/1
−SO3 Na基 1×10−4eq/g含有
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 100部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 50部
(2)塗布液2
強磁性金属微粉末 組成:Fe/Co=80/20 100部
Hc 183kA/m(2300 Oe)
BET法による比表面積 54m2 /g
結晶子サイズ 16. 5nm
表面被覆化合物 Al2 3
粒子サイズ(長軸径) 0. 10μm
針状比 8
σs 150A・m2 /kg(emu/g)
塩化ビニル系重合体 5部
日本ゼオン社製 MR−110
ポリエステルポリウレタン樹脂 3部
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0. 9/2. 6/1
−SO3 Na基 1×10−4eq/g含有
αアルミナ(粒子サイズ 0. 1μm) 5部
カーボンブラック(粒子サイズ 0. 10μm) 0. 5部
ステアリン酸 0. 5部
メチルエチルケトン 90部
シクロヘキサノン 30部
トルエン 60部
(3)塗布液3
強磁性金属微粉末 100部
組成:Co置換バリウムフェライト
BET法による比表面積 35m2 /g
平均粒子径 0. 06μm
板状比 5
塩化ビニル系重合体 9部
日本ゼオン社製 MR−110
CrO2 (粒子サイズ 0. 3μm) 7部
ポリエステルポリウレタン樹脂 10部
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0. 9/2. 6/1
ステアリン酸 0. 5部
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
シクロヘキサノン 60部
上記の塗布液(塗布液1〜3)については、各成分を連続ニーダーで混練し、その後、スチールボールを使用したサンドミルを使用して6時間分散処理を行った。得られた分散液にポリイソシアネートを3部加え、更に、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンとの混合溶媒を適宜添加し、ブルックフィールド粘度計にて1〜50P(ポアズ)になるように粘度調整した。粘度調整後の粘度は、それぞれ、塗布液1を10.7P(ポアズ)、塗布液2を32.5P(ポアズ)、塗布液3を3.4P(ポアズ)、とした。
先ず、ウェット・オン・ドライ方式の塗布を行うためのウェブWを準備した。すなわち、塗布ヘッド10と同一仕様の塗布ヘッドを使用して、下層(第1層目)として、あらかじめ塗布液1による塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥させた。塗布・乾燥後のウェブWをロール状に巻回した原反ロールとし、この原反ロールよりウェブWを繰り出して走行させながら、塗布ヘッド10に供給する方式とした。
ウェブWとして、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートを使用した。ウェブWの走行速度を200m/分とした。そして、塗布液1の層の湿潤状態の厚さが10. 0μmになるように、塗布液F1の吐出量を制御した。塗布ヘッド10のスリット16の開口幅(ギャップ)は、0.2mmとした。フロントエッジ面26a(図2参照)は、断面を直線状とし、ウェブWの入射角度に対し5度の傾斜を持たせた。バックエッジ面28aは、断面を曲率半径が3mmの円弧状とし、先端エッジ部28bがウェブWの退出角度と平行になるようにした。なお、ウェブWの裏面には、あらかじめバック層を塗布形成しておいた。
バック層には、平均一次粒子サイズが30nm以下の導電性カーボンブラックと、平均一次粒子サイズが30nm以上で、平均一次粒子サイズの標準偏差σが平均粒子径の30%以下で、かつ、平均一次粒子サイズがバック層の厚さの25〜100%の非磁性無機質粉末が含有されることが好ましい。
この非磁性無機質粉末としては、平均一次粒子サイズ、平均一次粒子サイズの標準偏差σが上記範囲のもので、アルミナ、シリカ、酸化クロム、α−酸化鉄等の金属酸化物、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の塩類、メラミン、ベンゾグアナミン等の樹脂粒子、カーボンブラック粒子を使用できる。これらの非磁性無機質粉末の平均一次粒子サイズは、30〜500nmが好ましく、80〜300nmがより好ましい。
また、これらの非磁性無機質粉末の平均一次粒子サイズは、バックコート層の厚さの20〜100%が好ましく、35〜85%がより好ましい。更に、これらの非磁性無機質粉末の平均一次粒子サイズの標準偏差σは、平均一次粒子径の30%以下が好ましく、25%以下がより好ましい。
非磁性無機質粉末の添加量は、本願の請求項1を満たすべく、バックコートの厚さ、粒子サイズ等により最適化できるが、平均一次粒子サイズが30nm以下の導電性カーボンブラック100部に対して約2〜20部の範囲が好ましい。バックコートの厚さは、通常0.2〜1μmに設定する。
微粒子状カーボンブラックの具体的な商品名として、以下のものが列挙できる。RAVEN2000B(18mμ)、RAVEN1500B(17mμ)(以上、コロンビアカーボン社製)、BP800(17mμ)(キャボット社製)、PRINTEX90(14mμ)、PRINTEX95(15mμ)、PRINTEX85(16mμ)、PRINTEX75(17mμ)(以上、デグサ社製)、#3950(16mμ)(三菱化成工業社製)。
更に、バックコートにモース硬度が5〜9の硬質無機質粉末を添加することにより、強度を向上させることも可能である。この場合も、前記の非磁性無機質粉末のサイズに合致したものを使用することが好ましい。
[実施例1]
図1及び図2に示される塗布ヘッド10を使用して、塗布液2の塗布を行った。ウェブWの走行速度を200m/分とした。そして、塗布液2の層の湿潤状態の厚さが1〜5μmになるように、塗布液2の吐出量を制御した。塗布ヘッド10のスリット16の開口幅(ギャップ)は、0.15mmとした。フロントエッジ面26a(図2参照)は、断面を直線状とし、ウェブWの入射角度に対し5度の傾斜を持たせた。バックエッジ面28aは、断面を曲率半径が1.5mmの円弧状とし、先端エッジ部28bがウェブWの退出角度と平行になるようにした。
塗布層1の塗布開始部分(図2におけるF1S)が塗布ヘッド10のスリット16の開口を通過した後に塗布ヘッド10で塗布液2の塗布を開始するまでの時間(後述する図5の表では、「塗布液1通過後から塗布液2を塗り始めるまでの時間」と表示)、を−0.3〜1.2秒まで変化させ、このときの塗布状態を評価した。なお、この時間が負になっているものは、塗布層1の塗布開始部分F1Sが塗布ヘッド10のスリット16の開口を通過する前に、塗布ヘッド10で塗布液2の塗布を開始することを意味する。結果を図5の表に示す。
塗布状態の評価は、スリット16の開口部上流側のメニスカス部での塗布液の掻き取り状態の有無を、目視により観察することにより行った。同一条件で塗布を3回繰り返し行い、2回以上掻き取り状態が発生したものを×と、1回掻き取り状態が発生したものを△と、1回も掻き取り状態が発生しなかったものを○と分類した。
なお、塗布液2の層の湿潤状態の厚さは、定量送液手段(定量ポンプ)よりの給液配管中に流量計を設け、給液量を実測し、塗布面積(ウェブWの幅と、ウェブWの走行速度より算出)で除して算出した。
また、塗布開始部分F1Sがスリット16の開口を通過後に塗布液2の塗布を開始するまでの時間は、スリット16の開口の上流側に光学センサを設け、塗布開始部分F1Sの通過タイミングを検知するとともに、図示しない塗布ヘッド10の制御部により、塗布液2の塗布開始タイミングを検知することにより求めた。
図5の表に示される結果によれば、比較例(例4、8、9)は、いずれも、塗布開始部分F1Sがスリット16の開口を通過した後に塗布液2の塗布を開始するまでの時間が−0.3秒のものであり、評価は△又は×であった(○ではなかった)。ただし、この3者のうち、最も塗布厚さの小さい例9(塗布厚さが1.3μm)は評価が△であり、塗布しやすい条件であると言える。
塗布開始部分F1Sがスリット16の開口を通過した後に塗布液2の塗布を開始するまでの時間が0.1秒の例3は評価が○であり、例7は評価が△であり、いずれも同一塗布厚さの比較例より良好な結果であった。ただし、この2者のうち、塗布厚さの小さい例3(塗布厚さが3.2μm)は評価が○であり、塗布厚さの大きい例7(塗布厚さが5.1μm、評価が△)より塗布しやすい条件であると言える。
塗布開始部分F1Sがスリット16の開口を通過した後に塗布液2の塗布を開始するまでの時間が1.2秒の例1、0.5秒の例2、5、0.2秒の例6は、いずれも評価が○であり、いずれも同一塗布厚さの比較例より良好な結果であった。
[実施例2]
図1及び図2に示される塗布ヘッド10を使用して、塗布液3の塗布を行った。ウェブWの走行速度を200m/分とした。そして、塗布液3の層の湿潤状態の厚さが1〜5μmになるように、塗布液3の吐出量を制御した。塗布ヘッド10のスリット16の開口幅(ギャップ)は、0.15mmとした。フロントエッジ面26a(図2参照)は、断面を直線状とし、ウェブWの入射角度に対し5度の傾斜を持たせた。バックエッジ面28aは、断面を曲率半径が1.5mmの円弧状とし、先端エッジ部28bがウェブWの退出角度と平行になるようにした。
塗布層1の塗布開始部分(図2におけるF1S)が塗布ヘッド10のスリット16の開口を通過した後に塗布ヘッド10で塗布液3の塗布を開始するまでの時間(後述する図6の表では、「塗布液1通過後から塗布液3を塗り始めるまでの時間」と表示)、を−0.3〜1.2秒まで変化させ、このときの塗布状態を評価した。なお、実施例1と同様に、この時間が負になっているものは、塗布層1の塗布開始部分F1Sが塗布ヘッド10のスリット16の開口を通過する前に、塗布ヘッド10で塗布液3の塗布を開始することを意味する。結果を図6の表に示す。
塗布状態の評価及び塗布厚さの測定は、実施例1と同様に行った。
図6の表に示される結果によれば、比較例(例15、19、20)は、いずれも、塗布開始部分F1Sがスリット16の開口を通過した後に塗布液3の塗布を開始するまでの時間が−0.3秒のものであり、塗布厚さの大小にかかわらず(塗布厚さが1.3〜5.1μm)評価は×であった。
塗布開始部分F1Sがスリット16の開口を通過した後に塗布液3の塗布を開始するまでの時間が0.1秒の例14、18は評価が△であり、いずれも同一塗布厚さの比較例より良好な結果であった。
塗布開始部分F1Sがスリット16の開口を通過した後に塗布液3の塗布を開始するまでの時間が1.2秒の例11、0.5秒の例12、16、0.2秒の例13、17は、いずれも評価が○であり、いずれも同一塗布厚さの比較例より良好な結果であった。
[実施例3]
図3及び図4に示される塗布ヘッド10’を使用して、塗布液2及び塗布液3の塗布を行った。ウェブWの走行速度を200m/分とした。そして、塗布液2の層の湿潤状態の厚さが約7μmになるように、塗布液2の吐出量を制御し、塗布液3の層の湿潤状態の厚さが約2μmになるように、塗布液3の吐出量を制御した。塗布ヘッド10’のスリット16A、16Bの開口幅(ギャップ)は、いずれも0.15mmとした。なお、ウェブWの下層F0(図4参照)は塗布液1により形成されている。
フロントエッジ面26a(図4参照)は、断面を直線状とし、ウェブWの入射角度に対し5度の傾斜を持たせた。第1のバックエッジ面28aは、断面を曲率半径が2mmの円弧状とし、第2のバックエッジ面30aは、断面を曲率半径が3mmの円弧状とし、先端エッジ部がウェブWの退出角度と平行になるようにした。
塗布層1の塗布開始部分が塗布ヘッド10’のスリット16Aの開口を通過した後に塗布ヘッド10’で塗布液2の塗布を開始するまでの時間(後述する図7の表では、「塗布液1通過後から塗布液2及び3を塗り始めるまでの時間」と表示)、を−0.3〜1.2秒まで変化させ、このときの塗布状態を評価した。なお、実施例1、2と同様に、この時間が負になっているものは、塗布層1の塗布開始部分F1Sが塗布ヘッド10’のスリット16Aの開口を通過する前に、塗布ヘッド10’で塗布液2の塗布を開始することを意味する。結果を図7の表に示す。
塗布状態の評価及び塗布厚さの測定は、実施例1、2と同様に行った。
図7の表に示される結果によれば、比較例(例25)は、塗布開始部分F1Sがスリット16Aの開口を通過した後に塗布液2の塗布を開始するまでの時間が−0.3秒のものであり、評価は×であった。
塗布開始部分F1Sがスリット16Aの開口を通過した後に塗布液2の塗布を開始するまでの時間が0.1秒の例24は評価が×であった。塗布開始部分F1Sがスリット16Aの開口を通過した後に塗布液2の塗布を開始するまでの時間が1.2秒の例21、0.5秒の例22、0.2秒の例23は、いずれも評価が○であり、いずれも同一塗布厚さの比較例より良好な結果であった。
また、塗布の状況を目視観察した結果によれば、塗布液2が安定的に広がるまでに0.2秒かかっており、塗布開始部分F1Sがスリット16Aの開口を通過した後に塗布液2の塗布を開始するまでの時間が0.1秒の場合では、塗布液2が安定的に広がるまでに、塗布開始部分F1Sがスリット16Aに到達していることが確認された。この観察結果は、上記の図7の表に示される実験結果と一致する。
以上の実施例1〜3の結果より、以下のことが導ける。
1)上層の塗布開始後に、下層の塗布開始部分F1Sが塗布手段を通過すると、上層となる塗布液のメニスカスが壊れ、これにより、上流部に液が掻き戻り、スジ状の塗布厚さムラを生じさせることが多い。
2)上層の塗布液の粘度が低い程、上層の塗布層の厚さが大きい程、上記現象は顕著となる。
3)エクストルージョン塗布方法による2層同時塗布の場合も、上記1)、2)と同様の結果である。
[実施例4]
既述の実施例1〜3は、ウェブWの表面に第1の塗布液を塗布・乾燥させた下層の表面に第2の塗布液を塗布する工程において、下層の塗布開始部分が第2の塗布装置を通過した後に第2の塗布液の塗布を開始させる塗布方法の効果を確認するための実験であった。これに対し、本実施例4は、下層の塗布終了部分が第2の塗布装置を通過する前に第2の塗布液の塗布を終了させる塗布方法の効果を確認するための実験である。
図1及び図2に示される塗布ヘッド10を2組(10Aと10B)使用して、塗布液1及び塗布液2の塗布を行った。塗布ヘッド10A、10Bの距離は十分に離し、中間に乾燥手段を設け、塗布液2の塗布前に塗布液1の乾燥が終了するようにした。なお、ウェブWには下層の塗布を行っていないものを使用した。
ウェブWの走行速度を200m/分とした。そして、塗布液1の層の湿潤状態の厚さが約10μmになるように、塗布液1の吐出量を制御し、塗布液2の層の湿潤状態の厚さが約3. 2μmになるように、塗布液2の吐出量を制御した。塗布ヘッド10Aのスリット16開口幅(ギャップ)を0.2mmとし、塗布ヘッド10Bのスリット16開口幅(ギャップ)を0.15mmとした。
塗布ヘッド10Aのフロントエッジ面26a(図2参照)は、断面を直線状とし、ウェブWの入射角度に対し5度の傾斜を持たせた。塗布ヘッド10Aのバックエッジ面28aは、断面を曲率半径が3mmの円弧状とし、先端エッジ部がウェブWの退出角度と平行になるようにした。塗布ヘッド10Bのフロントエッジ面26a(図2参照)は、断面を直線状とし、ウェブWの入射角度に対し5度の傾斜を持たせた。塗布ヘッド10Bのバックエッジ面28aは、断面を曲率半径が1. 5mmの円弧状とし、先端エッジ部がウェブWの退出角度と平行になるようにした。
このように、下層の塗布終了部分が塗布装置を通過する前に塗布液の塗布を終了させる条件を変える実験を行った。図8は、実施例4の構成を示す概念図であり、図9は、実施例4の動作を示すタイミングチャートである。
図8において、ウェブWが巻回され、ウェブWを送り出すウェブ供給ローラ36のウェブWが僅少となった際には、新規のウェブ供給ローラ38に自動的に交換される。この際、ウェブWの終端部は、新規のウェブ供給ローラ38のウェブWの先端部と自動的に接合される。連続供給されるウェブWは、塗布ヘッド10A、第一の乾燥手段40、塗布ヘッド10B、第二の乾燥手段42の順で処理が行われ、ウェブ巻き取りローラ44に収納される。図9のタイミングチャートには、このウェブWの接合時前後における塗布のタイミングが示されている。
ウェブWの接合部が塗布ヘッド10A、10Bを通過する際には、塗布は行われていない。塗布ヘッド10Bにおいて、ウェブWの接合部の通過時前において、塗布ヘッド10Bによる塗布が終了される、そして、その5秒後であり、ウェブWの接合部の通過時後において、塗布ヘッド10Aによる塗布が開始され、更にその0.5秒後に塗布ヘッド10Bによる塗布が開始される。
下層の塗布終了部分が塗布ヘッド10A、10Bのスリット16の開口を通過した後に塗布ヘッド10での塗布液の塗布を終了するまでの時間(後述する図10の表では、「下層端通過後から上層塗布を終了させるまでの時間」と表示)、を−3〜0.5秒まで変化させ、このときの塗布状態を評価した。なお、実施例1〜3と同様に、この時間が負になっているものは、下層の塗布終了部分が塗布ヘッド10A、10Bのスリット16の開口を通過する前に、塗布ヘッド10A、10Bで塗布液の塗布を終了させることを意味する。結果を図10の表に示す。
塗布状態の評価は、図9のタイミングチャートに示した太矢印で示されるタイミング以降に、塗布後に発生したスジの本数を、目視観察で計測することにより行った。
図10の表に示される結果によれば、比較例(例31、32)は、下層の塗布終了部分が塗布ヘッド10A、10Bのスリット16の開口を通過した後に塗布ヘッド10での塗布液の塗布を終了させたものであり。スジの本数は、それぞれ7本、9本であり不良状態にある。このスジの発生は、下層の塗布終了部分による段差によって、スリット16の開口近傍に汚れやかすが付着し、これによる影響で発生するものと考えられる。
例33は、下層の塗布終了部分が塗布ヘッド10A、10Bのスリット16の開口を通過した瞬間に塗布ヘッド10での塗布液の塗布を終了させたものであり、例34は、下層の塗布終了部分が塗布ヘッド10A、10Bのスリット16の開口を通過する0. 2秒前に塗布ヘッド10での塗布液の塗布を終了させたものであり、スジの本数は、いずれも3本であり、比較例よりはましなものの、不良状態にある。
例35は、下層の塗布終了部分が塗布ヘッド10A、10Bのスリット16の開口を通過する0. 5秒前に塗布ヘッド10での塗布液の塗布を終了させたものであり、スジの本数は1本であり、例33、34より改善されている。
例36、37は、それぞれ、下層の塗布終了部分が塗布ヘッド10A、10Bのスリット16の開口を通過する1秒前、3秒前に塗布ヘッド10での塗布液の塗布を終了させたものであり、スジの発生は見られず、良好な状態にある。
以上の結果より、下層の塗布終了部分が塗布ヘッド10A、10Bのスリット16の開口を通過する0. 5秒以上前に塗布ヘッド10での塗布液の塗布を終了させることが好ましいといえる。
なお、実施例1〜4において、バック層の塗布開始部分及び塗布終了部分の影響も観察したが、塗布膜の性能との相関は見られなかった。
以上の結果より、本発明の効果が確認できた。
塗布装置のうち、塗布ヘッドの一部を切断して示す斜視図 塗布ヘッドの先端部分と可撓性支持体との位置関係を示す概略断面図 塗布装置のうち、塗布ヘッドの一部を切断して示す斜視図 塗布ヘッドの先端部と可撓性支持体との位置関係を示す概略断面図 実施例1の結果を示す表 実施例2の結果を示す表 実施例3の結果を示す表 実施例4の構成を示す概念図 実施例4の動作を示すタイミングチャート 実施例4の結果を示す表
符号の説明
10…塗布ヘッド、12…本体、14…液溜め部、16…スリット、18…液供給口、20…液排出口、22、24…閉鎖板、26…フロントエッジ、26a…フロントエッジ面、26b…後端エッジ部、28…バックエッジ、28a…バックエッジ面、28b…先端エッジ部、F1…第1の塗布液、F2…第2の塗布液、W…可撓性支持体(ウェブ)

Claims (6)

  1. 連続走行する帯状の可撓性支持体の表面に第1の塗布装置で第1の塗布液を塗布し、該第1の塗布液を乾燥させて下層を形成する工程と、
    前記下層の表面に第2の塗布装置で第2の塗布液を塗布し上層を形成する工程と、を有する塗布方法において、
    前記可撓性支持体の、前記下層の第1の塗布液の塗布開始部分が前記第2の塗布装置を通過した後に前記第2の塗布液の塗布を開始させることを特徴とする塗布方法。
  2. 前記第2の塗布装置の塗布液供給部に前記可撓性支持体を押し付けて塗布を行なう請求項1に記載の塗布方法。
  3. 前記第2の塗布液による上層を形成する工程において、前記可撓性支持体の、前記下層の第1の塗布液の塗布終了部分が前記第2の塗布装置を通過する前に前記第2の塗布液の塗布を終了させる請求項1又は2に記載の塗布方法。
  4. 前記下層の第1の塗布液の塗布開始部分が前記第2の塗布装置を通過してから0. 2秒以上後に前記第2の塗布液の塗布を開始させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗布方法。
  5. 前記下層の第1の塗布液の塗布終了部分が前記第2の塗布装置を通過する0. 5秒以上前に前記第2の塗布液の塗布を終了させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗布方法。
  6. 前記第2の塗布装置の塗布液供給部には、前記支持体の幅方向において前記支持体と対向し、開口部より塗布液を吐出するスリットが設けられ、該スリット開口部の上流側エッジの曲率半径が5μm以下となっている請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗布方法。
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