JP2005087884A - 塗布方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】可撓性支持体上に多層に、かつ均一に高速で塗布膜を形成し、しかも塗布層間の界面の乱れを極力抑制できる塗布方法を提供する。
【解決手段】可撓性支持体の表面に複数の塗布層を形成する塗布方法。連続走行する帯状の可撓性支持体Wの表面に、擬塑性流体である第1の塗布液F1を塗布し、未乾燥の第1の塗布液の上に第2の塗布液F2を塗布する。この第1の塗布液F1の粘度比η10/η10000 を200超とすることが好ましい。
【選択図】 図2

Description

本発明は塗布方法に係り、特に、ガイドローラなどの走行案内手段により支持されて連続走行する可撓性支持体上に塗布液を塗布し、2層以上の塗布層を形成する塗布方法に関する。
近年、磁気記録媒体、写真感光材料、電子材料、塗布型電池、反射防止膜、磁気テープ等の光学膜、研磨テープ、情報記録紙等の高機能化、高性能化が指向されており、これに対処すべく、可撓性支持体上に多層に、かつ均一に高速で塗布する技術が求められている。
たとえば、磁気記録媒体の製造においては、記録媒体の高密度化に対応すべく、磁気記録層の薄層化や磁気記録層の多層化が検討されている。特に、MRヘッド等の高感度の磁気ヘッドの普及に伴い、磁気記録層の薄層化の要求は急速に高まっている。この磁気記録層の厚さとして、具体的には、乾燥膜の状態で0. 02〜0. 2μm(湿潤状態で0. 2〜2. 0μm)のように極めて薄い膜の塗布技術が要求されている。このような極めて薄い膜の塗布技術については、従来より各種の提案がなされており(特許文献1等参照)、所定の効果が得られている。
特開2002−86050号公報
しかしながら、上記のような従来の技術においては、2層以上の塗布層を形成する塗布方法における塗布膜の薄層化に伴い、非磁性層と磁性層との界面の乱れが大きくなり、その結果、磁気記録媒体のノイズが上昇する傾向にあり、好ましい磁気記録媒体が得られないという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、可撓性支持体上に多層に、かつ均一に高速で塗布膜を形成し、しかも塗布層間の界面の乱れを極力抑制できる塗布方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、可撓性支持体の表面に複数の塗布層を形成する塗布方法において、連続走行する帯状の可撓性支持体の表面に、擬塑性流体である第1の塗布液を塗布する工程と、未乾燥の前記第1の塗布液の上に第2の塗布液を塗布する工程と、を含むことを特徴とする塗布方法を提供する。
本発明によれば、塗布された第1の塗布液が擬塑性流体であり、湿潤状態の擬塑性流体の上に第2の塗布液が塗布される。これにより、塗布層間の界面が平滑化し、塗布層間の界面の乱れを極力抑制できる。
なお、「擬塑性流体」とは、流体のせん断応力τと速度勾配du/dyとの関係を示す式、τ=K(du/dy)n において、このnが1未満である流体を言い、擬プラスチック流体(又はpseudoplastic fluid )とも称呼される。この擬塑性流体は、ずり変形率の増加と同時に見かけの粘性率又は粘稠性が減少する流体である。
本発明において、前記第1の塗布液の粘度比η10/η10000 を200超とすることが好ましい。第1の塗布液が、このような特性の擬塑性流体であれば、本発明の効果が一層発揮できる。
なお、η10とは、せん断速度が10sec-1の粘度であり、η10000 とは、せん断速度が10000sec-1の粘度である。
また、本発明において、前記第1の塗布液の乾燥後の厚さを、塗布時の厚さの75%超とすることが好ましい。このように、第1の塗布液の湿潤状態の厚さと乾燥後の厚さの変化を少なくすることにより、塗布膜の乾燥時の粒子の混合が抑止され、平滑な界面が得られ、本発明の効果が一層発揮できる。
更に、本発明の効果を発揮させるために、前記第1の塗布液と第2の塗布液のバインダーの種類、バインダーの濃度を略等しくすることが好ましい。このようにすることにより、塗布膜の乾燥までの相互拡散が抑止され、界面が乱れにくくなる効果が得られる。
また、本発明において、前記第2の塗布液には磁性体が含まれることが好ましい。このように、第2の塗布液に磁性体が含まれ、磁気記録媒体として製造した場合、ノイズが大幅に低減し、高密度化に好適に対応できる。
以上説明したように、本発明によれば、連続走行する帯状の可撓性支持体の表面に、擬塑性流体である第1の塗布液を塗布し、未乾燥の前記第1の塗布液の上に第2の塗布液を塗布する。塗布された第1の塗布液は擬塑性流体であり、この湿潤状態の擬塑性流体の上に第2の塗布液が塗布される。これにより、塗布層間の界面が平滑化し、塗布層間の界面の乱れを極力抑制できる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施態様の例について説明する。図1は、本発明に係る塗布方法に適用される塗布装置のうち、塗布ヘッド10の一部を切断して示す斜視図である。図2は、塗布ヘッド10の先端部分と可撓性支持体(以下、「ウェブ」と称する)Wとの位置関係を示す概略断面図であり、ウェブWを塗布ヘッド10に対してセットし、塗布液を塗布している状態を示す。
図1及び図2に示されるように、塗布ヘッド10は、2種類の塗布液を供給できるように独立した下記の液供給系が2組設けられている。以下、この2組の液供給系の構成について説明するが、上流側の液供給系については添え字Aを附し、下流側の液供給系については添え字Bを附して区別することとする。
塗布ヘッド10の本体12には、長手方向(ウェブWの幅方向)に延びた液溜め部14A、14Bと、液溜め部14A、14Bと連通するとともに、長手方向(ウェブWの幅方向)においてウェブWと対向し、開口部より塗布液を塗出するスリット16A、16Bと、液溜め部14A、14Bへ塗布液を供給する液供給口18A、18Bと、液溜め部14A、14Bから塗布液を引き抜く液排出口20A、20Bと、を備えている。
液溜め部14A、14Bは、「ポケット」又は「マニホールド」とも称され、その断面が略円形をなし、図1に示されるように、ウェブWの幅方向に略同一の断面形状をもって延長された液溜め機能を有する空洞部である。その有効長さは、通常、塗布幅と同等又は若干長く設定される。液溜め部14A、14Bの貫通した両端開口部は、図1に示されるように、本体12の両端部に取付けられる閉鎖板22、24により閉止されている。なお、既述の液供給口18A、18Bは閉鎖板22に、液排出口20A、20Bは閉鎖板24にそれぞれ設けられている。
スリット16A、16Bは、液溜め部14A、14BからウェブWに向け、通常、0. 01〜0. 5mmの開口幅をもって塗布ヘッド10の本体12内部を貫通し、かつ液溜め部14A、14Bと同じようにウェブWの幅方向に延長された比較的狭隘な流路であり、ウェブWの幅方向の開口長さは塗布幅と略同等に設定される。
なお、スリット16A、16BにおけるウェブWに向けた流路の長さは、塗布液の液組成、物性、供給流量、供給液圧、等の諸条件を考慮して適宜設定し得る。すなわち、塗布液がウェブWの幅方向に均一な流量と液圧分布をもって層流状にスリット16A、16Bから供給できればよい。
次に、スリット16A、16Bの開口部について、図2を参照しながら説明する。スリット16Aは、塗布ヘッド10の本体12(図1参照)のフロントエッジ26と第1ドクターエッジ28とにより形成される。スリット16Bは、塗布ヘッド10の本体12の第1ドクターエッジ28と第2ドクターエッジ30とにより形成される。また、塗布ヘッド10の本体12の上面(ウェブWと対向する面)には、上流側より、フロントエッジ面26a、第1ドクターエッジ面28a、第2ドクターエッジ面30aがそれぞれ形成されている。
図2に示されるように、フロントエッジ面26aは断面が略直線状に、第1ドクターエッジ面28aと第2ドクターエッジ面30aは、断面がそれぞれ所定の曲率半径R1、R2の円弧状に形成されている。また、フロントエッジ面26aの後端エッジ部と第1ドクターエッジ面28aの先端エッジ部とには所定の段差が設けられ、第1ドクターエッジ面28aの後端エッジ部と第2ドクターエッジ面30aの先端エッジ部とには所定の段差が設けられ、いずれも塗布液F1、F2の所定厚さの膜が形成できるようになっている。
次に、本発明に使用される各種材料について説明する。ウェブWとしては、樹脂フィルム、紙(レジンコーティッド紙、合成紙、等)、金属箔(アルミニウムウェブ等)等を使用できる。樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースダイアセテート等の公知のものが使用できる。これらのうち、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましく使用できる。
ウェブWの幅としては、0. 1〜3mが、ウェブWの長さとしては、1000〜100000mが、ウェブWの厚さとしては、0. 5〜100μmのものがそれぞれ一般的に採用される。但し、これ以外のサイズの適用も妨げられるものではない。
これらのウェブWは、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理などを行っておいてもよい。ウェブWの表面粗さRaはカットオフ値0.25mmにおいて3〜10nmが好ましい。
また、ウェブWには、あらかじめ接着層等の下地層を設け乾燥硬化させたもの、裏面に他の機能層があらかじめ形成されたもの、等を用いてもよい。
第2の塗布液により形成される磁性層に使用する強磁性粉末としては、特に制限されるべきものではないが、α−Feを主成分とする強磁性金属粉末、六方晶フェライト粉末が好ましい。これらの強磁性金属粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。特に、Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つをα−Fe以外に含むことが好ましく、Co、Y、Alの少なくとも一つを含むことが更に好ましい。
強磁性粉末には少量の水酸化物、又は酸化物が含まれてもよい。強磁性金属粉末は公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。1)複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、2)酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFe又はFe−Co粒子などを得る方法、3)金属カルボニル化合物を熱分解する方法、4)強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩又はヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、5)金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法、などである。
このようにして得られた強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法のいずれを施したものでも用いることができる。
第1の塗布液及び磁性体を含む第2の塗布液の液組成としては、目的に応じて公知の各種の組成が選択できる。第1の塗布液を擬塑性流体とすべく調整する手段としては、1)塗布液の固形分濃度を調整する、2)塗布液のバインダー分子量を調整する、3)官能基の種類を選択する、4)官能基の数を選択する、5)バインダーと溶剤の親和性を最適化する、等の手段のいずれか、又はこれらの複数の手段の組み合わせを採用できる。
第1の塗布液の乾燥後の厚さを、塗布時の厚さの75%超とする具体的な手段としては、第1の塗布液の固形分の形状、固形分の濃度を調整する方法が採用できる。なお、後述する実施例においては、厚さ収縮を収縮率(%)として表示する。ちなみに、「収縮率(%)=(塗布時の厚さ−乾燥時の厚さ)/塗布時の厚さ×100」の式で表示できる。
第1の塗布液により形成される層は、実質的に非磁性であればその構成は制限されないが、通常、少なくとも樹脂からなり、好ましくは、粉体、たとえば、無機粉末又は有機粉末が樹脂中に分散されたものが挙げられる。無機粉末は、通常、好ましくは非磁性粉末であるが、この層が実質的に非磁性である範囲で磁性粉末も使用され得る。
非磁性粉末としては、たとえば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機化合物から選択することができる。無機化合物としてはたとえばα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、ヘマタイト、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独又は組合せで使用される。
これらの非磁性粉末の表面には表面処理が施され、Al2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、Sb2 3 、ZnO、Y2 3 が存在することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 であるが、更に好ましいのはAl2 3 、SiO2 、ZrO2 である。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナを存在させた後にその表層をシリカで処理する方法、又はその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
次に、塗布ヘッド10を主体として、塗布装置を使用した塗布液の塗布について説明する。第1の塗布液F1、第2の塗布液F2は、連続的に、かつ一定の流量で送液可能な定量送液手段、一般的には定量ポンプ(図示略)により、図1に示されるように、液供給口18A、18Bを経て液溜め部14A、14Bに供給される。定量ポンプとしては、たとえば、プランジャポンプ、歯車ポンプ等の流量可変の送液手段が好ましく使用できる。
液溜め部14A、14Bに供給された第1の塗布液F1、第2の塗布液F2は、所定量がスリット16A、16Bの開口部より吐出され、残りの量が液排出口20A、20Bより排出され、定量送液手段に回収される。このような運転を行うことにより、第1の塗布液F1、第2の塗布液F2が液溜め部14A、14B内で著しく滞留することを防止できる。このような運転方法は、揺変性を有しかつ凝集し易い磁性塗布液に対しては極めて有効である。但し、液排出口20A、20Bを具備しない構造であり、スリット16A、16Bの開口部より吐出される所定量を液供給口18A、18Bより供給する構造であってもよい。
ガイドローラなどの走行案内手段(図示略)により支持されて連続走行するウェブWは、ガイドローラ等の各走行案内手段の間で略一定した張力をもって、かつその厚さ方向に若干湾曲可能な状態に装架され、図2に示されるように、塗布ヘッド10の上面(ウェブWと対向する面)に押し付けられながら図の矢印方向に所定速度で移動する。これにより、スリット16Aの開口部より吐出された第1の塗布液F1は、ウェブWの幅方向に均一な流量及び圧力分布をもって所定厚さに塗布される。そして、その下流において、スリット16Bの開口部より吐出された第2の塗布液F2は、ウェブWの幅方向に均一な流量及び圧力分布をもって、第1の塗布液F1の上に所定厚さに塗布される。
ウェブWの走行速度としては、一般的に30〜1500m/分の広い範囲で選択できるが、この範囲に限られるものではない。ウェブWの、塗布ヘッド10の上面に押し付けられる圧力が均一になるように、各走行案内手段の間でウェブWに加えられる張力としては、ウェブWの幅1mあたり49〜490N(5〜50kgf)が好ましい。この値は、塗布条件により、適宜調整することが好ましい。
このような塗布状態を実現するためには、既述したように、塗布ヘッド10の上下流側にそれぞれガイドローラなどの走行案内手段を設け、ウェブWの塗布面の反対側の面を走行案内手段に巻き掛けて走行させる。この走行案内手段と塗布ヘッド10との距離は50〜300mm程度に設定するのが好ましい。また、この走行案内手段は、ウェブWの塗布ヘッド10への進入角度や離脱角度を調整できるように、図2の上下方向に移動調整できる構成とすることが好ましい。
更に、剛性の低いウェブWの場合には、ツレシワの発生を抑止できるように、ウェブWの走行経路中にエキスパンダーロールや、クラウンロール、コンケーブロール等を設けることも好ましい。
以上、本発明に係る塗布方法の実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態の例では、図1及び図2に示されるエクストルージョン塗布方法を採用したが、このような塗布方法に限らず、各種の態様が採用できる。この例として、1種類の塗布液を供給できるような液供給系のエクストルージョン塗布ヘッドを2台直列に配して、第1の塗布液と第2の塗布液を連続して塗布する構成、3種類の塗布液を供給できるように独立した液供給系が3組設けられているエクストルージョン塗布ヘッドを使用して塗布液を連続して塗布する構成、連続して走行するウェブWにあらかじめ上流側で第1の塗布液を塗布しておき、その第1の塗布液の一部を塗布ヘッドの先端エッジで掻き落としながら、第2の塗布液を連続して塗布する構成等、いわゆるウェット・オン・ウェットの塗布手段であれば広く適用できる。
更に、塗布ヘッド10の構成は、エクストルージョン塗布方法に限られず、カーテン塗布方法等の各種方式も採用できる。
また、エクストルージョン塗布方法を採用する場合であっても、ウェブWを塗布ヘッド10に押し付ける構成とせず、ウェブWをバックアップローラに巻き掛け、ウェブWの表面と塗布ヘッド10の先端面との間に所定のクリアランスをもって塗布する構成も採用できる。
更に、実施形態の例では、第1の塗布液として非磁性の塗布液を、第2の塗布液として磁性体を含む塗布液を使用し、磁気記録媒体を製造する態様として説明したが、本発明は、磁気記録媒体の製造のみならず、これ以外の用途にも広く適用できる。
次に、本発明の実施例を、比較例と対比して説明する。なお、以下の各例において、「部」の表示は「重量部」 を意味する。以下の例において、磁性体を含まない第1の塗布液、及び磁性体を含む第2の塗布液の組成は以下のように調整した。
(1)磁性体を含まない第1の塗布液
非磁性粉体 α−Fe2 3 100部
平均長軸長 0.1μm
BET法による比表面積 48m2 /g
pH8、 Fe2 3 含有量 90%以上
DBP吸油量 27〜38ml/100g
表面被覆化合物 Al2 3
カーボンブラック 20部
平均1次粒子径 16μm
DBP吸油量 80ml/100g
pH8
BET法による比表面積 250m2 /g
揮発分 1. 5%
塩化ビニル共重合体 10部
日本ゼオン社製 MR−110
ポリエステルポリウレタン樹脂 図3の表参照
分子量 3.5万
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0.9/2.6/1
−SO3 Na基 1×10−4eq/g含有
シクロヘキサノン 図3の表参照
図3の表に示されるように、ポリエステルポリウレタン樹脂の量を5〜10部まで変化させ、シクロヘキサノンの量を60〜140部まで変化させ、各成分を連続ニーダーで混練し、その後サンドミルを使用して分散処理を行った。得られた分散液を1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、その後、メチルエチルケトンを100部加えて塗布液L1〜L8とした。
この塗布液L1〜L8それぞれについて、ロトビスコ粘度計によりη10、η10000 を測定し、粘度比η10/η10000 を算出した。それぞれの結果は、図3の表に示される。
また、塗布液L1〜L8それぞれについて、厚さ収縮率を算出した。この際、塗布時の膜厚は、定量送液手段(定量ポンプ)の供給液量より算出し、乾燥後の膜厚は、触針式の膜厚計により測定し、既述の式により収縮率を算出した。それぞれの結果は、図3の表に示される。
(2)磁性体を含む第2の塗布液
強磁性金属微粉末 組成:Fe/Co=80/20 100部
Hc 183kA/m(2300 Oe)
BET法による比表面積 54m2 /g
結晶子サイズ 16. 5nm
表面被覆化合物 Al2 3
粒子サイズ(長軸径) 0. 10μm
針状比 8
σs 150A・m2 /kg(emu/g)
塩化ビニル系重合体 5部
日本ゼオン社製 MR−110
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0. 9/2. 6/1
−SO3 Na基 1×10−4eq/g含有
αアルミナ(粒子サイズ 0. 1μm) 5部
カーボンブラック(粒子サイズ 0. 10μm) 0. 5部
ブチルステアレート 1. 5部
ステアリン酸 0. 5部
メチルエチルケトン 100部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 20部
各成分を連続ニーダーで混練し、その後サンドミルを使用して分散処理を行った。得られた分散液を1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、その後、メチルエチルケトンを100部加えて塗布液とした。
図1及び図2に示される塗布ヘッド10を使用して、ウェブWの表面に第1の塗布液(L1〜L8のいずれか)を塗布し、未乾燥の第1の塗布液の上に磁性体を含む第2の塗布液を塗布して磁気記録媒体を製造した。
なお、使用した塗布ヘッドは、図2に示される塗布ヘッド10と若干異なり、フロントエッジ面26aの断面形状を半径1mmの円弧状とした。また、第1ドクターエッジ面28aの曲率半径R1を2mmと、第2ドクターエッジ面30aの曲率半径R2を2mmとした。スリット16A、16Bの開口幅は、いずれも0. 2mmとした。
ウェブWとして、厚さ5.5μmのポリエチレンナフタレートを使用した。ウェブWの走行速度を200m/分とした。そして、第1の塗布液の層(図4の表では「下層液」と表示)の湿潤状態の厚さが6. 0μmに、乾燥後の第2の塗布液の層の湿潤状態の厚さを変化させるように、塗布液F1及びF2の吐出量を制御した。
乾燥後の各塗布膜(条件1〜11)を評価し、図4の表に示す。表において、第2の塗布液の層の膜厚(「上層厚さ」と表示)は、乾燥後の膜厚を触針式の膜厚計により測定して求めた。
図4の表の「界面粗さRa」は、ウェブWを切断し、第1の塗布液の層と第2の塗布液の層との界面をTEM(透過型電子顕微鏡)で撮影し、これより界面の粗さを読み取ってRaを算出した。
図4の表の「評価」は、上記界面粗さRaの値が5nm以下のものを◎と、Raの値が5nm超で10nm以下のものを○と、Raの値が10nm超のものを×と分類して表示した。
図4の条件1は、界面粗さが25. 3nmと大きく、評価が×であった。この例に使用された下層液L1の収縮率は85であり、収縮が少ないものの、粘度比η10/η10000 が56と小さく、これにより界面粗さが大きくなったものと推定される。
図4の条件2は、界面粗さが23. 5nmと大きく、評価が×であった。この例に使用された下層液L2の収縮率は81であり、収縮が少ないものの、粘度比η10/η10000 が96と小さく、これにより界面粗さが大きくなったものと推定される。
図4の条件3は、界面粗さが20. 4nmと大きく、評価が×であった。この例に使用された下層液L3の収縮率は82であり、収縮が少ないものの、粘度比η10/η10000 が182と、まだ小さく、これにより界面粗さが大きくなったものと推定される。
図4の条件4は、界面粗さが9.0nmと小さく、評価が○であった。この例に使用された下層液L4の収縮率は79であり、収縮が少なく、粘度比η10/η10000 が241と大きく、これにより界面粗さが小さくなったものと推定される。
図4の条件5は、界面粗さが4.0nmと非常に小さく、評価が◎であった。この例に使用された下層液L5の収縮率は75であり、収縮が少なく、粘度比η10/η10000 が284と大きく、これにより界面粗さが非常に小さくなったものと推定される。
図4の条件6は、界面粗さが21. 2nmと大きく、評価が×であった。この例に使用された下層液L6の収縮率は82であり、収縮が少ないものの、粘度比η10/η10000 が193と、まだ小さく、これにより界面粗さが大きくなったものと推定される。
図4の条件7は、界面粗さが8. 3nmと小さく、評価が○であった。この例に使用された下層液L7の収縮率は78であり、収縮が少なく、粘度比η10/η10000 が388と大きく、これにより界面粗さが小さくなったものと推定される。
図4の条件8は、界面粗さが3. 5nmと非常に小さく、評価が◎であった。この例に使用された下層液L8の収縮率は74であり、収縮が少なく、粘度比η10/η10000 が400と大きく、これにより界面粗さが非常に小さくなったものと推定される。
以上の条件1〜8の、第2の塗布液の層の膜厚(上層厚さ)は、全て0. 15μmとした。
図4の条件9〜11に使用された下層液L4は、条件4に使用されたものと同一である。ここでは、第2の塗布液の層の膜厚(上層厚さ)を変化させてあり、条件9〜11でそれぞれ、0. 2、0. 1、0. 05μmとした。条件9〜11は、界面粗さがそれぞれ、7. 9、8. 1、6. 5nmと、いずれも小さく、評価が○であった。この例に使用された下層液L4の収縮率は79であり、収縮が少なく、粘度比η10/η10000 が241と大きく、これにより界面粗さが小さくなったものと推定される。すなわち、条件4と略同様の結果であり、第2の塗布液の層の膜厚(上層厚さ)が0. 05〜0. 2μmの範囲では大差のない結果が得られている。
以上の結果より、本発明の効果が確認できた。
塗布装置のうち、塗布ヘッドの一部を切断して示す斜視図 塗布ヘッドの先端部分と可撓性支持体との位置関係を示す概略断面図 第1の塗布液の各値を示す表 実施例の結果を示す表
符号の説明
10…塗布ヘッド、12…本体、14…液溜め部、16…スリット、18…液供給口、20…液排出口、22、24…閉鎖板、26…フロントエッジ、28…第1ドクターエッジ、30…第2ドクターエッジ、F1…第1の塗布液、F2…第2の塗布液、W…可撓性支持体(ウェブ)

Claims (4)

  1. 可撓性支持体の表面に複数の塗布層を形成する塗布方法において、
    連続走行する帯状の可撓性支持体の表面に、擬塑性流体である第1の塗布液を塗布する工程と、
    未乾燥の前記第1の塗布液の上に第2の塗布液を塗布する工程と、
    を含むことを特徴とする塗布方法。
  2. 前記第1の塗布液の粘度比η10/η10000 を200超とする請求項1に記載の塗布方法。
  3. 前記第1の塗布液の乾燥後の厚さを、塗布時の厚さの75%超とする請求項1又は2に記載の塗布方法。
  4. 前記第2の塗布液には磁性体が含まれる請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗布方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013530812A (ja) * 2010-04-19 2013-08-01 北京京東方光電科技有限公司 接着剤塗布設備及び接着剤塗布方法

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