JP2005110361A - 回転電機用電機子 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも大電流化を実現でき、しかも引出し線や接続線を簡素化できる回転電機用電機子を提供することである。
【解決手段】
回転電機用電機子の電機子鉄心のスロットは、U相、V相及びW相スロット群を含み、各相スロット群にそれぞれセグメント導体の挿入部が4以上の偶数本挿入されている。電機子巻線はU相、V相及びW相巻線を含む。各相巻線は並列接続された第1から第4巻線(U1からU4等)から成り、第1巻線は直列接続された第1一方巻線部U11及び第1他方巻線部U12等を含む。第2巻線、第2巻線及び第4巻線についても同様である。一方巻線部は第1スロット群又は第2スロット群の半分のスロットに、他方巻線部は第2スロット群又は第1スロット群のスロットの半分に巻装され、各スロット内の挿入部の本数の半分を占める。第1巻線、第2巻線、第3巻線及び第4巻線は合成ベクトルが等しい。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両で使用される回転電機の電機子に関する。
近年、車両では電気負荷が増加しており、車両用交流発電機には高出力化(電機子巻線の許容電流アップ)が求められている。また、発電機をインバータ駆動することにより、スタータ機能(電動機能)を付加することがある。電動機として使用する場合、良好な始動性能をえるためには、許容電流のアップが必要である。
車両用交流発電機の電機子巻線(ステータコイル)として、図10及び図11に示すように、この電機子(ステータ)のX相を構成する巻線(X相巻線)が、並列接続された2つの部分巻線100及び105を有するものが知られている。このうち、第1部分巻線100は、ステータコアの第1スロット群(例えば第4スロット)に収容された複数のセグメント導体から成る巻線101と、第1スロット群と隣接する第2スロット群(例えば第5スロット)に収容された複数のセグメント導体から成る巻線102とを直列接続して構成されている。第2部分巻線105は第1スロット群(例えば第10スロット)に収容された巻線106と第2スロット群(例えば第11スロット)に収容された巻線107とを直列接続して成る。
セグメント導体の一対の挿入部(直線部)が各スロット群に収容されている。第1部分巻線100及び第2部分巻線105は、それぞれ、第1スロット群に収容された挿入部の半分と、第2スロット群に収容された挿入部の半分とを有しており、それらの端部における電気的な位相が等しくなっている。つまり、各スロット群に2本ずつ挿入部が挿入された導体セグメントを接合した巻線で並列スター結線を実現している。
特開2001−169490号公報
従来のステータでは、互いに隣接する第1スロット群及び第2スロット群に2本ずつ収容される合計4つの巻線101,102,106及び107をたすきがけ状に接続している。これにより、2つの巻線101及び102と、2つの巻線106及び107とが直列接続されて成る相巻線(部分巻線100及び105)を並列接続して、通電電流の倍増を意図している。
しかし、従来のステータには以下の2つの点で改良の余地がある。第1に、通電電流の上昇に限界がある。許容電流をアップさせるためには電機子巻線の抵抗を下げれば良く、そのためには導体セグメント(平角銅線)の断面積を増やすことが考えられる。しかし、断面積が大きくなると、セグメント導体の表面に電流が集中する表皮効果のため、電流の増加は頭打ちになってしまう。
第2に、引出し線等の製作が困難である。ステータコアの端面において巻線101の他端は引出し線111によりX点に接続され、巻線102の他端は接続線114により中性点Nに接続されている。巻線107の他端は引出し線113によりX点に接続され、巻線106の他端は接続線114により中性点Nに接続されている。
各スロット群に2本ずつの挿入部を有する巻線で並列スター結線するには、図11に示すように、各相の引出し線111,113及び接続線112,114は互いに離れた2箇所から1つに括る必要がある。これらの引出し線111,113及び接続線112,114が長くしかも形状が複雑で製作が難しかった。
更に、電機子巻線の抵抗を下げるべく導体セグメントの断面積を大きくすると(太くすると)、引出し線111,113や接続線112,114の曲げ加工が困難になる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、更なる大電流化を実現でき、しかも引出し線や接続線を簡素化できる回転電機用電機子を提供することを目的とする。
本発明は、ステータコアの各スロットにセグメント導体の挿入部を4本(以上)挿入し、各相巻線において、1極当り8本のスロット導体により第1並列巻線から第4並列巻線を構成する、即ち電気的に等価な4つの並列回路を構成することを基本的な技術思想とする。
本発明による回転電機用電機子は、請求項1に記載したように、複数のスロットを持つ電機子鉄心と、スロットに巻装された一対の挿入部を有する複数のセグメント導体を接合して成る電機子巻線と、から成る回転電機用電機子において、
(イ)スロットは、互いに隣接するU相第1スロット群とU相第2スロット群、互いに隣接するV相第1スロット群とV相第2スロット群、及び互いに隣接するW相第1スロット群とW相第2スロット群を含み、各スロット群のスロット内にセグメント導体の挿入部が4以上の偶数本挿入されている。
(ロ)電機子巻線はU相第1スロット群及びU相第2スロット群に収容されるU相巻線、V相第1スロット群及びV相第2スロット群に収容されるV相巻線、並びにW相第1スロット群及びW相第2スロット群に収容されるW相巻線を含み、U相巻線、V相巻線及びW相巻線は同じ構成を持つ。
各相巻線は互いに並列接続された第1巻線、第2巻線、第3巻線及び第4巻線から成り、第1巻線は互いに直列接続された第1一方巻線部及び第1他方巻線部を含み、第2巻線は互いに直列接続された第2一方巻線部及び第2他方巻線部を含み、第3巻線は互いに直列接続された第3一方巻線部及び第3他方巻線部を含み、第4巻線は互いに直列接続された第4一方巻線部及びU相第4他方巻線部を含む。
(ハ)各相第1一方巻線部及び第1他方巻線部の導体セグメントの挿入部はそれぞれ各相第1スロット群及び第2スロット群の各半数のスロットに巻装され、スロット当たり半数の挿入部から成り、各相第2一方巻線部及び第2他方巻線部の導体セグメントの挿入部はそれぞれ各相第2スロット群及び第1スロット群の各半数のスロットに巻装され、スロット当たり半数の挿入部から成り、各相第3一方巻線部及び第3他方巻線部のセグメント導体の挿入部はそれぞれ各相第1スロット群及び第2スロット群の各半数のスロットに巻装され、スロット当たり半数の挿入部から成り、各相の第4一方巻線部及び第4他方巻線部のセグメント導体の挿入部はそれぞれ各相第2スロット群及び第1スロット群の各半数のスロットに巻装され、スロット当たり半数の挿入部から成る。
(ニ)第1巻線、第2巻線、第3巻線及び第4巻線は合成ベクトルが等しい。
このように、ステータコアのスロットは第1スロット群と第2スロット群とを含み、各スロットにはセグメント導体の挿入部が4以上の偶数本挿入されている。各相巻線は同じ構成を持ち、互いに並列接続された第1巻線乃至第4巻線を含み、各巻線は互いに直列接続された一方巻線部及び他方巻線部を含む。
4つの一方巻線部は第1スロット群又は第2スロット群のスロットの半分に、4つの他方方巻線部は第2スロット群又は第1スロット群のスロットの半分に、巻装されている。第1巻線乃至第4巻線は合成ベクトルが等しい。
請求項2の回転電機用電機子は、請求項1において、各相第1一方巻線部は各相第1スロット群に収容されステータコアを第1方向に半周し、各相第1他方巻線部は各相第2スロット群に収容されステータコアを第1方向に残り半周し、各相第2一方巻線部は各相第2スロット群に収容されステータコアを第1方向に半周し、各相第2他方巻線部は各相第1スロット群に収容されステータコアを第1方向に残り半周している。
各相第3一方巻線部は各相第1スロット群に収容されステータコアを第2方向に半周し、各相第3他方巻線部は各相第2スロット群に収容されステータコアを第2方向に残り半周し、各相第4一方巻線部は各相第2スロット群に収容されステータコアを第2方向に半周し、各相第4他方巻線部は各相第1スロット群に収容されステータコアを第2方向に残り半周している。
請求項3の回転電機用電機子は、請求項2において、各相第1一方巻線部と各相第1他方巻線部とは各相第1接続部で、各相第2一方巻線部と各相第2他方巻線部とは各相第2接続部で、各相第3一方巻線部と各相第3他方巻線部とは各相第3接続部で、各相第4一方巻線部と各相第4他方巻線部とは各相第4接続部で、それぞれ接続され、
各相第1接続部、各相第2接続部、各相第3接続部及び各相第4接続部は、セグメント導体とは異なるスロットピッチの一対の挿入部を持つ異形セグメント導体から成る。
請求項4の回転電機用電機子は、請求項2において、各相第1巻線の第1一方巻線部の巻始め端と各相第3巻線の第3一方巻線部の巻始め端とは前記各相第1スロット群の同じスロットから延び出て、各相第2巻線の第2一方巻線部の巻始め端と各相第4巻線の第4一方巻線部の巻始め端とは第各相第2スロット群の同じスロットから延び出て、
各相第1巻線の第1他方巻線部の巻終り端と各相第3巻線の第3他方巻線部の巻終り端とは各相第2スロット群の同じスロットから延び出て、各相第2巻線の第2他方巻線部の巻終り端と各相第4巻線の第4他方巻線部の巻終り端とは各相第1スロット群の同じスロットから延び出ている。
請求項5の回転電機用電機子は、請求項2において、各相第1巻線の第1一方巻線部の巻始め端と各相第2巻線の第2一方巻線部の巻始め端とは各相第1スロット群の一スロットとこのスロットに隣接する第2スロット群のスロットから延び出て、各相第3巻線の第3一方巻線部の巻始め端と各相第4巻線の第4一方巻線部の巻始め端とは各相第1スロット群の一スロットとこのスロットに隣接する各相第2スロット群のスロットから延び出ており、
各相第1巻線の第1他方巻線部の巻終り端と各相第2巻線の第2他方巻線部の巻終り端とは各相第1スロット群の一スロットとこのスロットに隣接する各相第2スロット群のスロットにから延び出て、各相第3巻線の第3他方巻線部の巻終り端と各相第4巻線の第4他方巻線部の巻終り端とは各相第1スロット群の一スロットとこのスロットに隣接する各相第2スロット群のスロットから延び出ている。
請求項6の回転電機用電機子は、請求項2において、各相第1巻線の第1一方巻線部及び第1他方巻線部、並びに各相巻線の第2一方巻線部及び第2他方巻線部は重ね波巻きを含み、重ね波巻きを構成するセグメント導体の挿入部が、スロットに収容された挿入部の半分を占めている。
この回転電機用電機子によれば、高出力化可能である。各相巻線を互いに合成ベクトルが等しい第1巻線乃至第4巻線で並列接続したからである。各巻線の合成ベクトルは、一方巻線部と他方巻線部とで収容スロットを変更することにより調整できる。また、各スロットに4本以上の挿入部を挿入したので、断面積の小さいセグメント導体の剛性が小さくでき、第1巻線乃至第4巻線の巻始め側及び巻終り側での配回しが容易になる。
請求項2の回転電機用電機子によれば、第1巻線乃至第4巻線の各々が互いに同一方向に半周ずつ巻装された一方巻線部及び他方巻線部により構成され、第1から第4の各巻線がステータコアに1周ずつ巻装されているので、第1巻線乃至第4巻線を電気的磁気的にバランスさせることができる。
請求項3の回転電機用電機子によれば、一方巻線部と他方巻線部とを異形導体セグメントで接続することにより所定の合成ベクトルを持つ第巻線1乃至第4巻線を形成できる。異形セグメント導体は、通常のセグメント導体とスロットピッチが異なるのみであるので、スロットへの挿入及び接合を通常のセグメント導体と同様に同様に行うことができる。
請求項4及び5の回転電機用電機子によれば、第1巻線乃至第4巻線の巻始め側でも巻終り側でも、第1巻線及び第3巻線を第1スロット群の同じスロットから、第2巻線及び第4巻線を第1スロット群に隣接する第2スロット群の同じスロットから引き出せるので、配回し作業が容易である。請求項6の回転電機用電機子によれば、第1巻線及び第2巻線の一部が重ね波巻きを含むことにより、巻始め側及び巻終り側で第1から第4巻線の引出し線を近接させることができる。
(1)回転電機(発電機・電動機)
回転電機はハウジング、ステータ、ロータ及び制御装置を含む。回転電機を発電機として使用するときは、外力(例えばエンジンの補機駆動ベルト)によりプーリを介してロータを回転する。電機子に発生した交流電力を制御装置で直流電力に変換して直流電源に充電する。これに対して、回転電機を電動機として使用するときは、直流を制御装置で交流に変換してステータに供給する。回転するロータの回転力を利用して負荷を駆動する。例えぱプーリ22を介して補機駆動ベルトによりエンジンを始動する。
(2)ステータ
ステータは少なくとも電機子鉄心と電機子巻線とから成る。更に、電機子巻線を電機子鉄心から絶縁するインシュレータを含むことができる。電機子鉄心は内周面に複数のスロットを備えている。スロットは、U相スロット群、V相スロット群及びW相スロット群から成り、より詳しくはU相第1スロット群及びこれに隣接するU相第2スロット群、V相第1スロット群及びこれに隣接するV相第2スロット群、W相第1スロット群及びこれに隣接するW相第2スロット群から成る。各相第1スロット群のスロット数と各相第2スロット群のスロット数とは等しい。
交流発電機をべ一スとする場合、例えば極数が16より、スロット数は96(極数の3×2倍)としている。
(3)電機子巻線
電機子巻線は、U相巻線、V相巻線及びW相巻線から成り、各相巻線は複数の松葉形状のセグメント導体を接合して構成される。セグメント導体はステータコアのスロットに挿入される一対の挿入部と、ステータコアの一端面から突出するU字形状のターン部と、ステータコアの他端面から突出し接合される一対の接合部とを含む。各スロット内にはセグメント導体の挿入部が4本以上の偶数本(4本、6本、8本・・)ずつ挿入される。例えばU相スロット群の場合、一対の挿入部は何れもU相第1スロット群又はU相第2スロット群に挿入される。
各相巻線は第1巻線乃至第4巻線から成る。たとえばU相巻線はU相第1巻線、U相第2巻線、U相第3巻線及びU相第4巻線を含む。第1巻線乃至第4巻線は、それぞれ直列接続され、ステータコアをそれぞれ半周する各相一方巻線部及び各相他方巻線部を含む。たとえば、U相第1巻線は、U相第1スロット群に第1(右)周回方向に半周巻装されたU相第1一方巻線部と、U相第2スロット群に第1周回方向に半周巻装されたU相第1他方巻線部とを直列接続して成る。即ち、始めの半周と残りの半周とでは収容されるスロット群が異なる。
各相第1巻線と各相第2巻線とはステータコアの第1スロット群及び第2スロット群のスロットに第1周回方向に巻装され、各相第3巻線と各相第4巻線とは第1スロット群及び第2スロット群のスロットに第2周回方向に巻装される。
各相第1一方巻線部及び第3一方巻線部のセグメント導体の挿入部が各相第1スロット群の半分のスロットに、各相第1他方巻線部及び第3他方巻線部のセグメント導体の挿入部が第2スロット群の半分のスロットに収容されている。そして、各相第2一方巻線部及び第4一方巻線部のセグメント導体の挿入部が各相第2スロット群の半分のスロットに、各相第2及他方巻線部び第4他方巻線部のセグメント導体の挿入部が第1スロット群の半分のスロットに収容されている。
各相第1巻線乃至第4巻線の始めの半周と残りの半周とでセグメント導体の挿入部が収容されるスロット群を変更するため、第1乃接続部至第4接続部を設けている。例えばU相第1一方巻線部とU相第1他方巻線部とはU相第1接続部で接続され、第1接続部には異形セグメント導体を利用できる。異形セグメント導体は通常のセグメント導体と比べて挿入部間のピッチが異なり、両方の挿入部は同相の異なるスロット群に挿入される。
第1接続部及び第3接続部用の異形セグメント導体と、第2接続部及び第4接続部用の異形セグメント導体とではスロットピッチが異なる。なお、接続部はステータコアの円周方法で引出し部と正反対(直径方向で対向する位置)に配置することが望ましいが、正反対位置から何れかの円周方向にずれていても良い。
各相巻線の第1巻線乃至第4巻線の巻始めの引出し線は出力端子に接続される。たとえば、U相第1巻線乃至第4巻線部の巻始めの引出し線はU相出力端子に接続される。その際、各相第1巻線及び各相第3巻線を同じ(第1)スロット群から引き出し、各相第2巻線及び各相第4巻線を同じ(第2)スロット群から引き出すことができる。各相第1巻線と第2巻線、第3巻線と第4巻線は、隣接するスロット群から引き出されることになる。
各相巻線の第1巻線から第4巻線の巻終り引出し線は中性点に接続される。例えば、U相巻線の第1巻線乃至第4巻線部の巻終わり引出し線は第1中性点乃至第4中性点に別々に接続される。各相第1巻線及び各相第3巻線を同じ(第2)スロット群から引き出し、各相第2巻線及び各相第4巻線を同じ(第1)スロット群から引き出すことができる。
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明する。
(構成)
a.全体
図1に示す回転電機はハウジング10、電機子(ステータ)30及びロータ25、制御装置90等を含む。ハウジング10のそれぞれ一端が開口した左方ハウジング11及び右方ハウジング16内にステータ30及びロータ25が配置されている。即ち、左方ハウジング11の端壁及び右方ハウジング16の端壁に軸受12及び17を介して回転軸20が回転可能に支持されている。左方の端壁から突出した軸部分にプーリ22が固定され、中間部にロータ25が取り付けられている。
ロータ25は一対のロータコア26a、26bと、両ロータコア間に巻かれた界磁コイル27とを含む。左方ハウジング11の周壁部に取り付けられたステータ30は、電機子鉄心(ステータコア)32とそのスロットに挿入された電機子巻線(ステータコイル)35とを含み、ロータ25と対向している。ステータ30については後述する。
ロータ25の左側面の外周寄りにファン28aが形成され、これに対向して左方ハウジング11に通気孔13a、13bが形成されている。ロータ25の右側面にはファン28bが形成され、これに対応して右方ハウジング16に通気孔18a、18bが形成されている。ハウジング10に取り付けられたケーシング80は樹脂材料から成り、全体としてドーナツ形状を持ち、その中空部にブラシホルダ82が配置されている。
ブラシホルダ82により保持されたブラシ83が、回転軸20の右端に取り付けたスリップリング19に接触している。ケーシング80の空間内に、直流を交流に変換するトランジスタや、交流を直流に整流するダイオードが装備されている。外周面には出力端子84が立設されている。ブラシホルダ82やケーシング80により制御装置90が構成される。
b.ステータ
次に、ステータ30の概略について説明する。図1及び図2から分かるように、ステータ30はステータコア32とステータコイル35とから成る。ステータコア32は全体的にリング形状を呈し、その内周面に軸方向に延びる多数のスロット33が所定ピッチで形成されている。各スロット33は同じ形状で、所定幅及び所定深さを持ち、開口側は幅(円周方向寸法)が小さくなっている。
後述するように、ステータコア32のスロット33はU相コイルが巻回されるU相第1スロット群US1及びU相第2スロット群US2、V相コイルが巻回されるV相第1スロット群VS1及びV相第2スロット群VS2、そしてW相コイルが巻回されるW相第1スロット群WS1及びW相第2スロット群WS2の6つに分類される(図5参照)。各スロット群は6スロットピッチ離れた複数のスロット33を含む。
各スロット33にインシュレータ31を介して、ステータコーイル35の各相巻線を構成する、内側セグメント導体37及び外側セグメント42(正確にはその挿入部38a、38b、43a及び43b)が挿入されている。図3に示すように、内側セグメント導体37は一対の平行な挿入部(直線部)38a及び38bと、その一端のU字形のターン部39と、他端の一対の接合部41a及び41bとを含む。接合部41a及び41bは幅方向で互いに近づく方向に屈曲している。
外側セグメント導体42は一対の平行な挿入部(直線部)43a及び43bと、その一端のU字形のターン部44と、他端の一対の接合部45a及び45bとを含む。接合部45a及び45bは幅方向で互いに離れる方向に屈曲している。なお、破線で示したのはセグメント導体37及び42に接続される他セグメント導体の対応部分である。
図1において、内側導体セグメント37の挿入部38a及び38bと、外側導体セグメント42の挿入部43a及び43bとがスロット33に挿入されている。一端のターン部39及び44はステータコア32の一端面から、他端の接合部41a、41b、45a及び45bは他端面から、それぞれ軸方向に突出している。
次に、ステータコイル35のベクトル図、及びそれを実現するための各相巻線の形成(具体的には複数のセグメント導体37及び42の各相スロット33への挿入、引出し及び接続)につき、図4から図9を参照しつつ説明する。なお、図5、図6、図7及び図9において各相スロット33の径方向に挿入された4本の挿入部のうち、内径側から第1層を一点鎖線、第2層を破線、第3層を実線、そして第4層を二点鎖線で、それぞれ示している。
c.ベクトル図
図4にステータコイル35のベクトル図を示す。説明の都合及び理解の容易化のためステータコイル35は並列接続された2つのスター結線S1及びS2から成るものとする。並列接続されたU相第1巻線U1及びU相第2巻線U2と、並列接続されたV相第1巻線V1及びV相第2巻線V2と、並列接続されたW相第1巻線W1及びW相第2巻線W2とが第1スター結線S1を構成している。
このうち、U相第1巻線U1は直列接続された巻線部(U相第1一方巻線部)U11と巻線部(U相第1他方巻線部)U12とを含み、U相第2巻線U2は直列接続された巻線部(U相第2一方巻線部)U22と巻線部(U相第2他方巻線部)U21とを含む。また、V相第1巻線V1は直列接続された巻線部V11と巻線部V12とを含み、V相第2巻線V2は直列接続された巻線部V22巻線と巻線部V21とを含む。更に、W相第1巻線W1は直列接続された巻線部W11と巻線部W12とを含み、W相第2巻線W2は直列接続された巻線部W22と巻線部W21とを含む。
並列接続されたU相第3巻線U3及びU相第4巻線U4と、並列接続されたV相第3巻線V3及びV相第4巻線V4と、並列接続されたW相第3巻線W3及びW相第4巻線W4とが第2スター結線S2を構成している。第2スター結線S1は第1スター結線S1と同じ構造を持ち、第1スター結線S1と並列接続されている。その結果、たとえばU相巻線は4つの並列接続されたU相第1巻線U1、U相第2巻線U2、U相第3巻線U3及びU相第4巻線U4から成る。
この事情はV相第3巻線V3及びV相第4巻線V4、W相第3巻線W3及びW相第4巻線部W4についても同様である。図4のベクトル図に対応するステータコイル35の全体図は図5に示す通りである。
U相巻線、V相巻線及びW相巻線は上記内側導体セグメント37及び外側導体セグメント42を接合して成る。各相巻線につき事情は同じであるので、以下U相巻線を例にとって説明する。複数のセグメント導体37及び42のU相スロット(33)への挿入、接続及び端部の接合によるU相巻線の形成につき、図6、図7、図8及び図9を参照しつつ説明する。なお、説明上の都合及び理解の容易化のため、図6のU相巻線を、図7及び図8のU相第1巻線U1及びU相第2巻線U2と、図9のU相第3巻線U3及びU相第4巻線U4とに分けて説明する。
また、巻線図(図5,6,7,9)はここでは4極(24スロット)として説明しているが、本発明は他の極数でも実施可能である。回転電機を例えば車両用交流発電機に適用する場合は、多極(16極又は12極)とすることが高出力化の点で好ましい。
d.U相第1巻線
図7及び図8に示すように、U相第1スロット群US1及びU相第2スロット群US2に、1スロット分(電気角で30度)ずらしてU相巻線を構成するセグメント導体37,42の挿入部38a、38b,43a及び43bが巻装されている。
U相第1巻線U1は、U相第1スロット群US1に巻始め側から右周回方向に半周巻装された巻線部U11と、U相第2スロット群US2に途中から右周回方向に半周巻装された巻線部U12と、巻線部U11と巻線部U12とを接続するU相第1接続部Uc1とから構成される。
詳しくは、巻線部U11は、U相第1スロット群である第15スロットの第1層、第9スロットの第2層・・に挿入されたセグメント導体37、42から成り、図7において右周回方向に始めの半周巻装されている。一方、巻線部U12は、U相第2スロット群である第4スロットの第1層、第22スロットの第2層・・に挿入されたセグメント導体37、42から成り、右周回方向に残りの半周巻装されている。
つまり、U相第1巻線U1は右回りの始めの半周(巻線部U11)はU相第1スロット群(第15、9スロット)に挿入され、残りの半周(巻線部U12)はU相第2スロット群(第4、22スロット)に挿入されている。
U相第1スロット群US1とU相第2スロット群US2とは1スロットピッチずれているので、巻線部U11とU22との電気角は30度である。このスロット群の変更に使用する異形セグメント導体55については後述する。
なお、巻線部U11及びU12は、いわゆる重ね波巻きを含む。たとえば巻線部U11は第15スロットと第9スロットとの間に、巻線部U12は第4スロットと第22スロットとの間に、重ね波巻きが存在する。その結果、第15スロットと及び第9スロット、並びに第22スロット及び第4スロットでは4本の挿入部の内2本は第1巻線U1の挿入部が占める。
e.U相第2巻線
U相第2巻線U2は、U相第2スロット群US2に右方向に半周巻装された巻線部U22と、U相第1スロット群US1に右周回方向に半周巻装された巻線部U21と、巻線部U22と巻線部U21とを接続するU相第2接続部Uc2とから構成される。
詳しくは、巻線部U22は、U相第2スロット群である第16スロットの第1層、第10スロットの第2層・・に挿入されたセグメント導体37、42から成り、右周回方向に始めの半周巻装されている。一方、巻線部U21は、U相第1スロット群である第3スロットの第1層、第21スロットの第2層・・に挿入されたセグメント導体37、42から成り、右周回方向に残りの半周巻装されている。巻線部U22は第16スロットと第10スロットとの間に、巻線部U21は第3スロットと第21スロットとの間に、重ね波巻きが存在する。
つまり、巻線部U2は右回り始めの半周(巻線部U22)はU相第2スロット群(第16、10スロット)に挿入され、残りの半周(巻線部U21)ではU相第1スロット群(第3、21スロット)に挿入される。巻線部U22とU21との間で電気角が30度変化する。収容するスロット群の変更に利用しているU相第2接続部Uc2としての異形セグメント導体60については後述する。
f.U相第3巻線
図9において、U相第3巻線U3は、U相第1スロット群US1に左周回方向に半周巻装された巻線部U31と、U相第2スロット群US2に左周回方向に半周巻装された巻線部U32と、巻線部U31と巻線部U32とを接続するU相第3接続部Uc3とから構成される。
詳しくは、巻線部U31は、U相第1スロット群である第15スロットの第2層、第21スロットの第1層・・に挿入されたセグメント導体37、42から成り、左周回方向に始めの半周巻装されている。一方、巻線部U32は、U相第2スロット群である第4スロットの第2層、第10スロットの第1層・・に挿入されたセグメント導体37、42から成り、左周回方向に残りの半周巻装されている。U相第3接続部Uc3を構成する異形導体セグメント65については後述する。
g.U相第4巻線
U相第4巻線は、U相第2スロット群US2に左周回方向に半周巻装された巻線部U42と、U相第1スロット群US1に左周回方向に半周巻装された巻線部U41と、巻線部U42と巻線部U41とを接続するU相第4接続部Uc4とから構成される。
巻線部U42は、U相第2スロット群である第16スロットの第2層、第22スロットの第1層・・に挿入されたセグメント導体37、42から成り、左周回方向に始めの半周巻装されている。一方、巻線部U41は、U相第1スロット群である第3スロットの第2層、第9スロットの第1層・・に挿入されたセグメント導体37、42から成り、左周回方向に残りの半周巻装されている。U相第4接続部Uc4を構成する異形導体セグメント70については後述する。
第15及び第16スロット、並びに第21及び第22スロットの第1層は外側セグメント導体42の一方挿入部43aから成り、第2層は内側セグメント導体37の一方挿入部38aから成る。第3層は内側セグメント導体37の他方挿入部38bから成り、第4層は外側セグメント導体42の他方挿入部43bから成る。
図4において,U相第1一方巻線部U11とU相第3一方巻線部U31と、及びU相第1他方巻線部U12とU相第3他方巻線部U32とは同じベクトル成分を持つ。U相第2一方巻線部U22とU相第4一方巻線部U42と、及びU相第2他方巻線部U21とU相第4他方巻線部U41とは同じベクトル成分を持つ。よって、U相第1巻線U1と、U相第2巻線U2と、U相第3巻線U3と、U相第4巻線U4とで、合成ベクトルは同じである。
以上まとめると、第3スロットの第1層が巻線部U21、第2層が巻線部U41、第4スロットの第1層が巻線部U12、第2層が巻線部U32である。第9スロットの第1層が巻線部U41、第2層が巻線部U11、第10スロットの第1層が巻線部U32、第2層が巻線部U22である。第15スロットの第1層が巻線部U11、第2層が巻線部U31、第16スロットの第1層が巻線部U22、第2層が巻線部U42である。そして、第21スロットの第1層が巻線部U31、第2層が巻線部U21、第22スロットの第1層が巻線部U42、第2層が巻線部U12である。
h.V相コイル、W相コイル
図5において、U相スロット群にV相スロット群が隣接し、V相スロット群にW相スロット群が隣接している。詳しくは、U相第2スロット群US2にV相第1スロット群VS1が隣接し、V相第2スロット群VS2にW相第1スロット群WS1が隣接している。V相スロット群VS1,VS2にV相巻線が収容され、W相スロット群WS1,WS2にW相巻線が収容されている。V相巻線及びW相巻線のV相スロット群VS1,VS2及びW相スロット群WS1,WS2への収容方法は上記U相巻線のU相スロット群US1,US2への収容方法と同じである。
U相スロット群のU相巻線とV相スロット群のV相巻線とは互いに4スロット分(電気角で120度)ずらして巻装されている。V相スロット群のV相巻線とW相スロット群WS1のW相巻線とも同様である(図5参照)。
i.接続部
次に、上記U相第1接続部Uc1からU相第4接続部Uc4を構成する異形導体セグメント55,60,65及び70について図6をもとに説明する。U相第1接続部Uc1及びU相第3接続部Uc3は、異形セグメント導体55及び65により構成されている。この異形セグメント導体55及び65はターン部56及び66を有し、その両挿入部57a,57b、67a及び67bがU相第1スロット群の一つである第9スロット及びU相第2スロットの一つである第4スロットから対をなして延び出ている。この異形セグメント導体55及び65の挿入部間のピッチである「後ピッチ」は、他のセグメント導体37,42の後ピッチが6スロットピッチであるのに対して、5スロットピッチとされている。このように、1スロットピッチ短くすることにより隣のスロットへ所謂転位をしている。
見方を変えれば、U相第1巻線U1の巻線部U11の終端及び巻線部U12の始端をU相第1接続部Uc1が構成している。これは、以下のU相第2巻線U2、U相第3巻線U3及びU相第4巻線U4についても同様である。
一方、U相第2接続部Uc2及びU相第4接続部Uc4は、異形セグメント導体60及び70により構成されている。この異形セグメント導体60及び70はターン部61及び71を有し、その両挿入部62a及び62b,72a及び72bが第2U相スロットの一つである第10スロット及び第1U相スロットの一つである第3スロットから対をなして延び出ている。この異形セグメント導体60及び70の後ピッチは、他のセグメント導体37,42の後ピッチ(6)よりも長い7スロットピッチとされている。このように、1スロットピッチ長くすることにより、隣のスロットへ転位をしている。
j.引出し
次に、内側導体セグメント37及び外側導体セグメント42のターン部39及び44側から引き出された巻始め側及び巻終り側の引出し線について図4、図6、図7及び図9をもとに説明する。U相第1巻線U1の巻線部U11の巻始め側引出し線U1a(図7)、及びU相第3巻線U3の巻線部U31(図9)の巻始め側引出し線U3aは、U相第1スロット群の一つである第15スロットから対をなして延び出ている。
また、U相第2巻線U2の巻線部U22の巻始め側引出し線U2a(図7)、及びU相第4巻線U4の巻線部U42の巻始め側引出し線U4a(図9)は、U相第2スロット群の一つである第16スロットから対をなして延び出ている。見方を変えると、巻線部U1aと巻線部U2aとは隣接するスロットから引き出され、巻線部U3aと巻線部U4aとは隣接するスロットから引き出されている。
そして、4つの巻始め側引出し線U1aからU4aは一つに束ねられ、出力端子Uに接続されている。つまり、図5から分かるように、引出し線U1a及びU2aと引出し線U3a及びU4aとは直接1つに結束されており、これら4本の引出し線を接続する接続線は存在しない(図4のベクトル図では引出し線U1a及びU2aと引出し線U3a及びU4aとの間に接続線が引いてあるが、これは説明の都合による)。
なお、図5から分かるように、V相巻線の巻始め側引出し線は第11スロット及び第12スロットから延び出ており、W相巻始め側引出し線は第7スロット及び第8スロットから延び出ている。
一方、U相第1巻線U1の巻線部U12の巻終り側引出し線U1b(図7)、及びU相第3巻線U3の巻線部U32の巻終り側引出し線U3b(図9)は、U相第2スロット群の一つである第22スロットから対をなして引き出されている。また、U相第2巻線U2の巻線部U21及びU相巻線の巻線部U41の巻終り側引出し線U2b及びU4bは、U相第1スロット群の一つである第21スロットから対をなして引き出されている。見方を変えると、巻線部U1bと巻線部U2bとは隣接するスロットから引き出され、巻線部U3bと巻線部U4bとは隣接するスロットから引き出されている。そして、巻終り側引出し線U1bからU4bは中性点Nに接続されている(図5)。
図5から分かるように、V相巻線の巻終り側引出し線は第17スロット及び第18スロットから延び出ており、W相巻線の巻終り側引出し線は第13スロット及び第14スロットから延び出ている。
また、図5から分かるように、中性点Nを構成する4つの結合点は、各々3つの引出し線を含む。例えば第1結合点N1は第22スロット第4層(U相)、第18スロット第4層(V相)及び第14スロット第4層(W相)からの引出し線から成る。なお、中性点Nは必ずしも図5のように4つ別々に結合する必要はなく、4つまとめて結合しても良いし、2つずつまとめて結合しても良い。ただし、セグメント導体が太くなる程、別々に結合(接合)した方が、溶接による場合は製作しやすく好ましい。
(作用効果)
この実施例の作用は公知であり、しかも本発明と直接関係ないので、説明を割愛する。
この実施例によれば、以下の効果が得られる。
第1に、ステータコイル35を構成するU相巻線、V相巻線及びW相巻線に大きな電流を流すことができる。各相巻線が4つの並列接続された第1から第4巻線から成ることによる。たとえば、U相巻線は4つの並列接続されたU相第1巻線U1,U相第2巻線U2、U相第3巻線U3及びU相第4巻線U4から成る。しかも、これらの合成ベクトルは等しく、ステータコア32への一周の巻装で完結している(前記従来例では2周で完結している)。この事情は、V相巻線及びW相巻線についても同様である。
ここで、各相巻線を構成する内側導体セグメント37の挿入部38a、38b、及び外側導体セグメント42の挿入部43a、43bを、各スロット33に半径方向に4本ずつ挿入した。断面積の増加を抑えているので、表皮効果による電流増加の頭打ちの心配はない。
第2に、各相巻線を構成する内側導体セグメント37及び外側導体セグメント42から出力端子U、V及びW相出力端子への引出し線、及び中性点Nへの引出し線の接続が容易である。これは一つには、各相巻線において4つの引出し線の引出し位置が近いからである。例えば、U相巻線の巻始め側では4本の引出し線Ua1からUa4を隣接する第15スロット及び第16スロットの第1層、第2層から引き出している。V相巻線の4本の引出しは第11、第12スロットから引き出され、W相巻線の4本の引出しは第7、第8スロットから引き出されている。
また、巻終り側では、例えばU相巻線の4つの引出し線U1bからU4bが隣接する第21、第22スロットの第3層、第4層から引き出されている。V相巻線の4本の引出し線は第17、第18スロットから、W相巻線の4本の引出し線は第13、第14スロットから引き出されている。その結果、並列巻線数が4つと多いにも拘わらず、巻き始め側でも巻き終り側でも引出し線が短く、全体的にシンプルになる。
もう一つには、内側導体セグメント37及び外側導体セグメント42の断面積が比較的小さいからであり、引出し線の整形作業(配回しや屈曲)が容易になる。
第3に、例えば、各相巻線の第1から第4巻線を構成する一方巻線部及び他方巻線部の合成ベクトルの調整、即ち収容スロット群の変更が容易である。例えば、U相第1から第4巻線U1からU4の接続部Uc1からUc4を異形セグメント導体55、60、65及び70で構成している。例えばU相第1接続部Uc1を構成する異形導体セグメント55は、外側セグメント導体42と同じ構成で、両方の挿入部57a、57b間のピッチが異なるのみである。よって、スロットへの挿入及び接合部の接合は外側セグメント導体42と同様に簡単に行うことができる。
本発明の実施例を示す縦断面図である。 図1における要部断面図である。 上記実施例のセグメント導体の斜視図である。 上記実施例の電機子巻線のベクトル図である。 セグメント導体とスロットとの関係を示す巻線図である。 セグメント導体とスロットとの関係を示すU相巻線図である。 セグメント導体とスロットとの関係を示すU相第1巻線U1及びU相第2巻線U2の巻線図である。 U相第1巻線U1及びU相第2巻線U2の巻線状態を示す模式図(側面図)である。 セグメント導体とスロットとの関係を示すU相第3巻線U3及びU相第4巻線U4の巻線図である。 従来例の結線図である。 従来例の巻線図である。
符号の説明
10:ハウジング 25:ロータ
30:ステータ 32:ステータコア
33:スロット 35:ステータコイル
37:内側セグメント導体 42:外側セグメント導体
U1からU4:第1から第4巻線
U11、U22:一方巻線部 U12、U21:他方巻線部
U、V、W:出力端子 N:中性点
Ua1からUa4:巻始め側引出し線
Ub1からUb4:巻終り側引出し線
Uc1からUc4:第1から第4接続部
55,60,65,70:異形セグメント導体

Claims (6)

  1. 複数のスロットを持つ電機子鉄心と、スロットに巻装された一対の挿入部を有する複数のセグメント導体を接合して成る電機子巻線と、から成る回転電機用電機子において、
    前記スロットは、互いに隣接するU相第1スロット群とU相第2スロット群、互いに隣接するV相第1スロット群とV相第2スロット群、及び互いに隣接するW相第1スロット群とW相第2スロット群を含み、該各スロット群のスロット内に前記セグメント導体の挿入部が4以上の偶数本挿入され、
    前記電機子巻線は前記U相第1スロット群及びU相第2スロット群に収容されるU相巻線、前記V相第1スロット群及びV相第2スロット群に収容されるV相巻線、並びに前記W相第1スロット群及びW相第2スロット群に収容されるW相巻線を含み、該U相巻線、該V相巻線及び該W相巻線は同じ構成を持ち、
    前記各相巻線は互いに並列接続された第1巻線、第2巻線、第3巻線及び第4巻線から成り、該第1巻線は互いに直列接続された第1一方巻線部及び第1他方巻線部を含み、該第2巻線は互いに直列接続された第2一方巻線部及び第2他方巻線部を含み、該第3巻線は互いに直列接続された第3一方巻線部及び第3他方巻線部を含み、該第4巻線は互いに直列接続された第4一方巻線部及びU相第4他方巻線部を含み、
    前記各相第1一方巻線部及び第1他方巻線部の導体セグメントの挿入部はそれぞれ前記各相第1スロット群及び第2スロット群の各半数の前記スロットに巻装され、該スロット当たり半数の挿入部から成り、前記各相第2一方巻線部及び第2他方巻線部の導体セグメントの挿入部はそれぞれ前記各相第2スロット群及び第1スロット群の各半数の前記スロットに巻装され、該スロット当たり半数の挿入部から成り、
    前記各相第3一方巻線部及び第3他方巻線部のセグメント導体の挿入部はそれぞれ前記各相第1スロット群及び第2スロット群の各半数の前記スロットに巻装され、該スロット当たり半数の挿入部から成り、前記各相の第4一方巻線部及び第4他方巻線部のセグメント導体の挿入部はそれぞれ前記各相第2スロット群及び第1スロット群の各半数の前記スロットに巻装され、該スロット当たり半数の挿入部から成り、
    前記第1巻線、前記第2巻線、前記第3巻線及び前記第4巻線は合成ベクトルが等しい、ことを特徴とする回転電機用電機子。
  2. 前記各相第1一方巻線部は前記各相第1スロット群に収容され前記ステータコアを第1方向に半周し、前記各相第1他方巻線部は前記各相第2スロット群に収容され該ステータコアを第1方向に残り半周し、前記各相第2一方巻線部は前記各相第2スロット群に収容され前記ステータコアを第1方向に半周し、前記各相第2他方巻線部は前記各相第1スロット群に収容され該ステータコアを第1方向に残り半周し、
    前記各相第3一方巻線部は前記各相第1スロット群に収容され前記ステータコアを第2方向に半周し、前記各相第3他方巻線部は前記各相第2スロット群に収容され該ステータコアを第2方向に残り半周し、前記各相第4一方巻線部は前記各相第2スロット群に収容され前記ステータコアを第2方向に半周し、前記各相第4他方巻線部は前記各相第1スロット群に収容され該ステータコアを第2方向に残り半周している請求項1に記載の回転電機用電機子。
  3. 前記各相第1一方巻線部と前記各相第1他方巻線部とは各相第1接続部で、前記各相第2一方巻線部と前記各相第2他方巻線部とは各相第2接続部で、前記各相第3一方巻線部と前記各相第3他方巻線部とは各相第3接続部で、前記各相第4一方巻線部と前記各相第4他方巻線部とは各相第4接続部で、それぞれ接続され、
    該各相第1接続部、該各相第2接続部、該各相第3接続部及び該各相第4接続部は、前記セグメント導体とは異なるスロットピッチの一対の挿入部を持つ異形セグメント導体から成る請求項2に記載の回転電機用電機子。
  4. 前記各相第1巻線の第1一方巻線部の巻始め端と前記各相第3巻線の第3一方巻線部の巻始め端とは前記各相第1スロット群の同じスロットから延び出て、前記各相第2巻線の第2一方巻線部の巻始め端と前記各相第4巻線の第4一方巻線部の巻始め端とは前記第各相第2スロット群の同じスロットから延び出て、
    前記各相第1巻線の第1他方巻線部の巻終り端と前記各相第3巻線の第3他方巻線部の巻終り端とは前記各相第2スロット群の同じスロットから延び出て、前記各相第2巻線の第2他方巻線部の巻終り端と前記各相第4巻線の第4他方巻線部の巻終り端とは前記各相第1スロット群の同じスロットから延び出ている、請求項2に記載の回転電機用電機子。
  5. 前記各相第1巻線の第1一方巻線部の巻始め端と前記各相第2巻線の第2一方巻線部の巻始め端とは前記各相第1スロット群の一スロットと該スロットに隣接する前記第2スロット群のスロットから延び出て、前記各相第3巻線の第3一方巻線部の巻始め端と前記各相第4巻線の第4一方巻線部の巻始め端とは前記第各相第1スロット群の一スロットと該スロットに隣接する前記第各相第2スロット群のスロットから延び出て、
    前記各相第1巻線の第1他方巻線部の巻終り端と前記各相第2巻線の第2他方巻線部の巻終り端とは前記各相第1スロット群の一スロットと該スロットに隣接する前記各相第2スロット群のスロットから延び出て、前記各相第3巻線の第3他方巻線部の巻終り端と前記各相第4巻線の第4他方巻線部の巻終り端とは前記各相第1スロット群の一スロットと該スロットに隣接する前記各相第2スロット群のスロットから延び出ている、請求項2に記載の回転電機用電機子。
  6. 前記各相第1巻線の前記第1一方巻線部及び第1他方巻線部、並びに前記各相巻線の前記第2一方巻線部及び第2他方巻線部は重ね波巻きを含み、該重ね波巻きを構成するセグメント導体の挿入部が、前記スロットに収容された挿入部の半分を占めている請求項2に記載の回転電機用電機子。
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