JP2005109360A - ヘテロ接合太陽電池 - Google Patents

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昭政 山田
Sakae Niki
栄 仁木
Koji Matsubara
浩司 松原
Keiichiro Sakurai
啓一郎 櫻井
Fons Paul
フォンス ポール
Hiroya Iwata
拡也 岩田
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Abstract

【課題】 CIGS太陽電池において、光吸収層(p型CIGS)と背面電極層との接触の最適化により開放電圧VOCの増大を図り変換効率を向上させる。
【解決手段】 基板11上に調整背面電極層12を形成し、その上に光吸収層13、バッファ層14、窓層15、透明電極層16および反射防止層17を順次積層する。そして調整背面電極層12と透明電極層16とに、それぞれ光電変換電流を取り出すための陽極端子18、陰極端子19を形成する。ここで、調整背面電極層12は、少なくとも光吸収層13と接触する部位の材料が、その仕事関数が光吸収層材料のフェルミエネルギーに等しいかそれより大きいものに選定されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ヘテロ接合太陽電池に関し、特にヘテロ接合太陽電池の電極の接触を最適化する技術に関するものである。
本発明の原理は太陽電池一般に適用できるものであるが、CIGSを光吸収層とする太陽電池における光吸収層と背面電極の接触を例にとって説明する。CIGSを光吸収層とする太陽電池は、p型のCu(In1-xGax)Se2(二セレン化銅インジウムと二セレン化銅ガリウムを(1-x):xの比で合成した混晶)を光吸収層とし、ZnO(酸化亜鉛)を窓層とすることを基本とする太陽電池である(例えば、非特許文献1参照)。太陽電池においては光吸収層が最も重要な機能(光エネルギーを電子・正孔対に転換する)を果たすので、Cu(In1-xGax)Se2太陽電池はその材料を形成する元素名(Cu、In、Ga、Se)の頭文字を取ってCIGS太陽電池と呼ばれる。CIGS太陽電池の有用性についてはすでによく知られており販売も始まっている。
従来のCIGS太陽電池構造の断面を模式的に図9に示す。この太陽電池の基本的構成は、基板31上に、背面電極層32、光吸収層33、バッファ層34、窓層35、透明電極層36および反射防止層37を順次積層したものである。背面電極層32と透明電極層36とには、それぞれ光電変換電流を取り出すための陽極端子38と陰極端子39とが形成されている。各薄膜の典型的な材料と厚みは、基板31:数mm厚のガラス、背面電極層32:約1μmのMo、光吸収層33:約2μm厚のp型CIGS、バッファ層34:50〜100nm厚のCdS、窓層35:約100nmの低キャリア濃度n型ZnO、透明電極層36: III族元素を添加して高キャリア濃度n型とした1μm弱厚のZnO、反射防止層37:数十nm厚のMgF2である。透明電極層はZnOにIII族元素(Al、Ga、Bなど)を高濃度に添加して縮退したn型半導体としたものが一般的である。背面電極としてはAu、Niなどがよいことがわかっているが、機械的強度や経済的な理由から現在用いられている材料はほとんどMoのみである(例えば、非特許文献2参照)。
CIGS太陽電池において実現される変換効率は向上したとはいえ、理論的に期待される値よりかなり低い。低効率の原因はバッファ層を含めた窓層と光吸収層の接合の不完全さにあるとされて、その部分について重点的にこれまで研究・開発が進められてきた。しかし、効率が一定値に頭打ちになって接合部の最適化はほぼ十分とも考えられる現状でも理論値との差が大きいことは、この部分の他に解決しなければならない要因があることを示している。
小長井誠編著、「薄膜太陽電池の基礎と応用」第6章、オーム社(2001) R. J. Matson, O. Jamjoum, A. D. Buonaquisti, P. E. Russell, L. L.Kazmerski, P. Sheldon and R. K. Aqhrenkiel, Solar Cells 11 (1984) 301
太陽電池の性能評価は端的には変換効率(η)でなされるが、これは3つのパラメータすなわち開放電圧(VOC)、短絡電流(ISC)、曲線因子(FF)の積を、標準入射パワー密度(PIN)で除算したもので、次式で与えられる。
η=VOC・ISC・FF/PIN
これら3つのパラメータの中で、現在達成されている値が理論的に期待される値に対して最も比率の小さいものはVOCである。変換効率はVOCに正比例するから、現状のVOC=0.68
Vが理論的期待値0.84
Vに達すれば変換効率は19
%から23
%へ飛躍的に向上する。
後述するように、光吸収層と背面電極の接触は窓層と光吸収層の接合と同等に重要である。バッファ層を含めた窓層と光吸収層の接合部の最適化がほぼ一定水準に達している以上、開放電圧が低いことの主たる原因は光吸収層と背面電極の接触における両材料のキャリアエネルギーの不整合によるものと考えなければならない。
CIGS光吸収層とMo背面電極層との間には自然に生成されたMoSe2の層が観測されている。この物質は半導体であり、そのバンドギャップエネルギー(Eg)は1.15 eV、電子親和力(χ)は3.8
eV と報告されている[参考文献1]。図10は、実際に得られるVOC=0.68
Vに合うように描いたCIGS太陽電池の端子開放状態におけるエネルギーバンド整列を示す。CIGSのバンドギャップエネルギー(Eg1)=1.16 eV、電子親和力(χ1)=4.57 eVおよびMoの仕事関数(φm)として結晶方位(110)の値4.95 eVと方位(112)の値4.36 eVの相乗平均値4.65 eVを用いている。
CIGSとMoSe2の界面では、CIGSの価電子帯極大(VBM;電子親和力とバンドギャップエネルギーの和)がMoSe2のVBMより大きいのでCIGSの界面のエネルギーは大きい方(図では下)へ、MoSe2の界面のエネルギーは小さい方(図では上)へ曲げられる。同時にMoSe2とMoの界面では、MoSe2のVBMがMoの仕事関数より大きいのでMoSe2の界面のエネルギーは大きい方へ曲げられる。その結果、CIGSとMoSe2の界面ではCIGSに、また、MoSe2とMoの界面ではMoSe2に空乏層を発生し、いずれもショットキー接合になってキャリア伝導の障壁になると考えられる。図10中にEbで示すエネルギー差は光電流を担う正孔に対する障壁の高さを示す。すなわち、ショットキー障壁を形成すると、qを電荷素量としてEb/qだけ出力電圧が低下するのである。
図のようにMoSe2の曲がりは大きくならねばならず、そのためにはMoSe2のキャリア濃度が相当に低くなければならない。一方、MoSe2はもともと薄いが(たかだか100
nm程度)、の仕事関数より大きい部分の実効的な障壁厚みは大きなバンド曲がりのためにさらに薄くなる。それゆえ、容易にトンネル伝導を生じるので、MoSe2とMoの接触部位での損失は無視できる程度のものと考えられる。
もし、MoSe2が存在しないと、CIGSとMoが直接接触することになり、CIGSの電子親和力とMoの仕事関数が近いので、電圧出力は0.1
Vより小さくなってしまう。それゆえ、MoSe2の生成は偶然の僥倖である。しかし、MoSe2の生成を任意に制御することは難しいし、MoSe2そのものが最適な物質ではなくMoSe2との接触界面におけるCIGSのショットキー障壁はどうしても残る。そこで、自生的なMoSe2に代わって最適な接触を実現する技術が望まれる。
理想的なpn接合太陽電池は図11(a)に示すように熱平衡状態では両端のフェルミエネルギーが一致して、接合部に空乏層を生じる。これに光を照射すると、図11(b)に示すように、全体的にフェルミエネルギーはギャップの中心に近づき(擬フェルミエネルギー)、エネルギーバンドの差が小さくなって、両端に電位差を発生する。これが開放電圧VOCである。VOCは擬フェルミエネルギーからの両端のエネルギーの移動の差、すなわちVOC=ΔEFp-ΔEFnとなる。エネルギーバンドが完全に平坦になれば擬フェルミエネルギーはエネルギーギャップの中心に一致するから、VOCの極限はp型およびn型半導体のそれぞれのエネルギーギャップの中心からそれぞれのフェルミエネルギーまでのエネルギーの差になることがわかる。
図11は両端の電極の仕事関数がそれぞれの半導体のフェルミエネルギーに一致しているように描かれているが、現実にはこのようなことはまずあり得ない。この理想に近い状態にしようとすれば、両端ともオーム性接触にしなければならない。その条件での熱平衡状態および光照射状態のエネルギーバンドがそれぞれ図12(a)および図12(b)である。VOCの損失がないことが見てとれる。
一方、図13はn型半導体はオーム性接触になっているが、p型半導体はショットキー接合になっている状態を示している。図13(b)から明らかであるように、VOCは大きな損失を蒙っている。
図12に示すような好ましいバンド整列を得るためには、n型半導体に接触する電極材料の仕事関数をn型半導体の仕事関数(もしくは電子親和力)より小さくし、p型半導体に接触する電極材料の仕事関数をp型半導体の仕事関数(もしくは電子親和力とエネルギーギャップの和)より大きくすればよい。
本発明は、光入射側に透明電極層が、その反対側に高導電率電極層がそれぞれ配置され、前記透明電極層と前記高導電率電極層との間の前記高導電率電極層側に第1導電型の光吸収層が、その前記透明電極層側に第2導電型の窓層が配置されているヘテロ接合太陽電池であって、前記高導電率電極層の少なくとも光吸収層に接する部位の材料の仕事関数が光吸収層材料のフェルミエネルギーに等しいかそれより大きいことを特徴とする。
また、本発明は、光入射側に透明電極層が、その反対側に高導電率電極層がそれぞれ配置され、前記透明電極層と前記高導電率電極層との間の前記高導電率電極層側に第1導電型の光吸収層が、その前記透明電極層側に第2導電型の窓層が配置されているヘテロ接合太陽電池であって、光吸収層のうち高導電率電極層と接する側の薄い部位を縮退半導体化したことを特徴とする。
また、本発明は、光入射側に透明電極層が、その反対側に高導電率電極層がそれぞれ配置され、前記透明電極層と前記高導電率電極層との間の前記高導電率電極層側に第1導電型の光吸収層が、その前記透明電極層側に第2導電型の窓層が配置されているヘテロ接合太陽電池であって、光吸収層材料のフェルミエネルギーの自発的なピン止めを緩和して、価電子帯の近くに改めてピン止めしたことを特徴とする。
また、本発明は、光入射側に透明電極層が、その反対側に高導電率電極層がそれぞれ配置され、前記透明電極層と前記高導電率電極層との間の前記高導電率電極層側に第1導電型の光吸収層が、その前記透明電極層側に第2導電型の窓層が配置されているヘテロ接合太陽電池であって、光吸収層と高導電率電極層との間にその禁制帯内にフェルミエネルギーがピン止めされない半導体の層を介在させ、高導電率電極層材料の仕事関数が光吸収層材料のフェルミエネルギーに等しいかそれより大きいことを特徴とする。
また、本発明は、光入射側に透明電極層が、その反対側に高導電率電極層がそれぞれ配置され、前記透明電極層と前記高導電率電極層との間の前記高導電率電極層側に第1導電型の光吸収層が、その前記透明電極層側に第2導電型の窓層が配置されているヘテロ接合太陽電池であって、光吸収層と高導電率電極層との間に縮退半導体の層を介在させ、該縮退半導体材料の仕事関数が光吸収層材料のフェルミエネルギーに等しいかそれより大きいことを特徴とする。
本発明によれば、CIGS太陽電池の光吸収層材料に対する背面電極材料の仕事関数の不整合に起因する損失を減らして開放電圧VOCを最大限に上げることができ、理論的に最高の変換効率を実現できる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す断面図である。本実施の形態においては、基板11上に調整背面電極層12を形成し、その上に光吸収層13、バッファ層14、窓層15、透明電極層16および反射防止層17を順次積層する。そして調整背面電極層12と透明電極層16とに、それぞれ光電変換電流を取り出すための陽極端子18、陰極端子19を形成する。ここで、調整背面電極層12は、少なくとも光吸収層13と接触する部位の材料が、その仕事関数が光吸収層材料のフェルミエネルギーに等しいかそれより大きいものに選定されている。これにより、ΔEFpを最大限に広げることができ(光吸収層がp導電型であるとき)、高いVOCを実現できる。
図2は、本発明の第2の実施の形態を示す断面図である。図2において、図1に示した第1の実施の形態の部分と共通する部分には下1桁が共通する参照番号が付せられているので、重複する説明は省略するが、本実施の形態においては、基板21上には、Mo、Au、Al、Cuなどの通常の金属材料からなる背面電極層22が形成され、この背面電極層22と光吸収層23との間には、光吸収層−背面電極間のショットキー障壁を緩和する調整層20が介在せしめられている。この層の介在により、ΔEFpが広げられ(光吸収層がp導電型であるとき)、高いVOCを実現できる。
第3の実施の形態は、図示は省略するが、第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組み合わせたものである。すなわち、第3の実施の形態においては、調整層(20)と調整背面電極層(12)との双方が形成される。
以下に実施例としてCIGS太陽電池についての実施例を示す。
実施例1の断面図は図1に示される。ガラス製の基板11上に、調整背面電極層12を形成し、p型のCu(In0.7Ga0.3)Se2からなる光吸収層13、CdSからなるバッファ層14、低キャリア濃度のn型ZnOからなる窓層15、ZnOにAlを高濃度に添加して縮退化させた透明電極層16およびMgF2からなる反射防止層17を順次積層したものである。ここで、x=0.3としたp型のCIGSのフェルミエネルギーはほぼ5.6 eVであるので、調整背面電極層12はφmがこれより大きいPt〔φm=5.7 (111)〕、Pd〔φm=5.6 (111)〕、Ir〔φm=5.76 (111)〕などの金属材料を用いて形成する。なお、仕事関数は結晶方位依存性があるので各材料の仕事関数を結晶方位と共に示した。
実施例1のエネルギーバンド図を図3に示す。MoSe2のような中間物が形成されず、したがって光吸収層とMoSe2との間のショットキー障壁によって開放電圧が低下せしめされることがない。そして、φmが光吸収層のフェルミエネルギーより大きい金属材料によって背面電極を形成したことによって開放電圧VOCを極限にまで高めることができる。
Pt、Pd、Irなどは高価であるし、あるいはその他の理由でその使用量を減らしたい場合がある。実施例2はその場合に対処したものであって、調整背面電極層12の内、光吸収層と接触する部位の極薄い層のみを、φmが光吸収層のフェルミエネルギー(またはVBM)より大きい金属材料とし、残りをもっと安価な金属(たとえば、Cu、Alあるいは種々の合金)により形成する。
実施例2のエネルギーバンド図を図4に示す。実施例1より低コストで実施例1と同等の効果を得ることができる。
実施例3の断面図は図2に示される。光吸収層23のうち背面電極層22と接触する側の薄い層に高濃度のドーピングを施しその部位を調整層20となる縮退半導体にする。このように構成すると、背面電極材料のφmに関係なく大きな電圧出力を得ることができる。図5は、本実施例のエネルギーバンド図である。本実施例においては、光吸収層を成膜する初期の段階において、CIGS結晶格子のCu原子位置を空孔にするかInあるいはGaの位置をZnなどの2価元素の原子で置き換えることによって価電子帯における縮退を実現する。たとえば、背面電極上に同時蒸着法でCIGS膜を成長する例では成長初期にCu欠乏状態にするか、In、Gaあるいは両方の供給率をZnなどの2価の元素で部分的に置き換えればよい。
実施例4では、図2の調整層20として光吸収層23の表面処理層を形成し、これにより光吸収層のフェルミエネルギーのピン止めの調整を行う。半導体と金属の接触ではフェルミエネルギーのピン止めによって障壁高さは半導体の電子親和力と金属の仕事関数の単純な差とは異なることがむしろ普通である。p型半導体を光吸収層材料とする場合、このピン止めエネルギーがVBMの近くになれば背面電極材料の仕事関数に関係なく大きな電圧出力を得ることができ理想的である(n型半導体の場合は伝導帯近傍)。ピン止めは界面における原子の結合の異常が形成するトラップが源であるが、その機構は完全には解明されておらず自在に制御することは困難である。しかし、少なくとも、ピン止めを弱めることによってバンドオフセットや接触における障壁高さを計算値に近くすることができる。(NHS液によって半導体表面の陽極処理を行うことによりそのトラップ密度を下げピン止めを緩和することが知られており[参考文献2]、太陽電池において光吸収層と背面電極との界面に光吸収層の表面処理層を介在させることが有効である。
実施例4のエネルギーバンド図を図6に示す。なお、本実施例の太陽電池は、仮基板上に剥離層を介して反射防止層から背面電極層までを順次形成したのち基板上に成膜物を接着する。あるいは、ガラス基板上に反射防止層から背面電極層までを順次形成して基板入射型太陽電池とする。
本実施例は、第3の実施の形態に係る実施例である。すなわち、調整背面電極層の材料としてφmが光吸収層材料のVBMより大きい金属を用い、光吸収層と調整背面電極層との間に調整層を介在させて、バンドオフセットや接触における障壁を除く。この際の調整層に必要な条件は、調整層を形成する半導体の禁制帯内にフェルミエネルギーがピン止めされないことである。この場合のエネルギーバンド図を図7に示す。調整層用の半導体の電子親和力およびバンドギャップエネルギーは大きい方が好ましいがその要請は副次的なものである。CIGS太陽電池において介在させる具体的な半導体材料としては仕事関数の大きいGaInO、GaInSnO、ZnInO、ZnInSnOなどが挙げられる[参考文献3]。
実施例6では、図2の調整層20としてVBMエネルギーが光吸収層材料のVBMより大きい半導体材料の縮退層を介在させる。これにより、図8のエネルギーバンド図に示すように、背面電極材料のφmにかかわらず大きな電圧出力を得ることが可能となる。この場合にも介在させる半導体の電子親和力およびバンドギャップエネルギーは大きい方が好ましいがその要請は絶対的なものではない。CIGS太陽電池において介在させる具体的な半導体材料としてはGaInO、GaInSnO、ZnInO、ZnInSnOなどが挙げられる。
本発明の第1の実施の形態の断面図。 本発明の第2の実施の形態の断面図。 本発明の実施例1のエネルギーバンド図。 本発明の実施例2のエネルギーバンド図。 本発明の実施例3のエネルギーバンド図。 本発明の実施例4のエネルギーバンド図。 本発明の実施例5のエネルギーバンド図。 本発明の実施例6のエネルギーバンド図。 典型的なCIGS太陽電池の断面図。 従来のCIGS太陽電池のエネルギーバンド図。 理想的なpn接合太陽電池の熱平衡状態(a)と光照射状態(b)のエネルギーバンド図。 p型半導体、n型半導体とも電極とオーム性接触をしている場合のpn接合太陽電池の熱平衡状態(a)と光照射状態(b)のエネルギーバンド図。 n型半導体は電極とオーム性接触をしているがp型半導体はショットキー接触している場合のpn接合太陽電池の熱平衡状態(a)と光照射状態(b)のエネルギーバンド図。
符号の説明
11、21、31 基板
12 調整背面電極層
13、23、33 光吸収層
14、24、34 バッファ層
15、25、35 窓層
16、26、36 透明電極層
17、27、37 反射防止層
18、28、38 陽極端子
19、29、39 陰極端子
20 調整層
22、32 背面電極層
[参考文献]
[1] D. F.
Marron, A. Meeder, Th. Glatze, U. Bloeck, P. Schubert-Bischoff, R. Wurz, S. M.
Babu, Th. Dchedel-Niedrig, M. Ch. Lux-Steiner, L. Weinhardt, C. Heske and E.
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Kim, A. Salvador, S. N. Mohammad, O. Aktas and H. Morkoc, J. Appl. Phys. 78 (1995) 3920.
[3] T. J.
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Huang, P. Lee and N. R. Armstrong, Synthetic Metals 127 (2002) 29.

Claims (9)

  1. 光入射側に透明電極層が、その反対側に高導電率電極層がそれぞれ配置され、前記透明電極層と前記高導電率電極層との間の前記高導電率電極層側に第1導電型の光吸収層が、その前記透明電極層側に第2導電型の窓層が配置されているヘテロ接合太陽電池において、前記高導電率電極層の少なくとも光吸収層に接する部位の材料の仕事関数が光吸収層材料のフェルミエネルギーに等しいかそれより大きいことを特徴とするヘテロ接合太陽電池。
  2. 光入射側に透明電極層が、その反対側に高導電率電極層がそれぞれ配置され、前記透明電極層と前記高導電率電極層との間の前記高導電率電極層側に第1導電型の光吸収層が、その前記透明電極層側に第2導電型の窓層が配置されているヘテロ接合太陽電池において、光吸収層のうち高導電率電極層と接する側の薄い部位を縮退半導体化したことを特徴とするヘテロ接合太陽電池。
  3. 光入射側に透明電極層が、その反対側に高導電率電極層がそれぞれ配置され、前記透明電極層と前記高導電率電極層との間の前記高導電率電極層側に第1導電型の光吸収層が、その前記透明電極層側に第2導電型の窓層が配置されているヘテロ接合太陽電池において、光吸収層材料のフェルミエネルギーの自発的なピン止めを緩和して、導電帯(第1導電型がn型であるとき)または価電子帯(第1導電型がp型であるとき)の近くに改めてピン止めしたことを特徴とするヘテロ接合太陽電池。
  4. 光入射側に透明電極層が、その反対側に高導電率電極層がそれぞれ配置され、前記透明電極層と前記高導電率電極層との間の前記高導電率電極層側に第1導電型の光吸収層が、その前記透明電極層側に第2導電型の窓層が配置されているヘテロ接合太陽電池において、光吸収層と高導電率電極層との間にその禁制帯内にフェルミエネルギーがピン止めされない半導体の層を介在させ、高導電率電極層材料の仕事関数が光吸収層材料のフェルミエネルギーに等しいかそれより大きいことを特徴とするヘテロ接合太陽電池。
  5. 光入射側に透明電極層が、その反対側に高導電率電極層がそれぞれ配置され、前記透明電極層と前記高導電率電極層との間の前記高導電率電極層側に第1導電型の光吸収層が、その前記透明電極層側に第2導電型の窓層が配置されているヘテロ接合太陽電池において、光吸収層と高導電率電極層との間に縮退半導体の層を介在させ、該縮退半導体材料の仕事関数が光吸収層材料のフェルミエネルギーに等しいかそれより大きいことを特徴とするヘテロ接合太陽電池。
  6. 前記光吸収層が、Cu(In1-xGa)Se2(但し、0≦x≦1)により形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のヘテロ接合を有する太陽電池。
  7. 仕事関数が光吸収層材料のフェルミエネルギーに等しいかそれより大きい前記高導電率電極層の材料がPt、PdまたはIrのいずれかであることを特徴とする請求項1、4または6に記載のヘテロ接合太陽電池。
  8. 前記光吸収層の高導電率電極層と接する縮退化した半導体が、光吸収層結晶格子のCu原子位置を空孔にするかInあるいはGaの位置を2価元素の原子で置き換えたものであることを特徴とする請求項6に記載のヘテロ接合太陽電池。
  9. 前記光吸収層の高導電率電極層との間に介在させられた半導体層の材料が、GaInO、GaInSnO、ZnInO、ZnInSnOのいずれかであることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載のヘテロ接合太陽電池。
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