JP2014187235A - 太陽電池 - Google Patents

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恒二 小野満
Koji Yamaguchi
浩司 山口
Atsushi Kawarazuka
篤 河原塚
Miki Fujita
実樹 藤田
Jiro Nishinaga
滋郎 西永
Yoshiharu Horikoshi
佳治 堀越
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Abstract

【課題】Cu,In,およびSeを含む材料系を用いた太陽電池でより高い発電効率が得られるようにする。
【解決手段】この太陽電池は、基板101の上に形成された光吸収層102を備える。また、光吸収層102は、CuGaSe2(CGS)からなる第1半導体層121と、CuInSe2(CIS)からなる第2半導体層122とを交互に積層した超格子構造とされている。光吸収層102は、p型の化合物半導体からなるp型半導体層(不図示)と、n型の化合物半導体からなるn型半導体層(不図示)との間に挟まれて配置され、これらでpin接合型の太陽電池が構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、Cu,In,およびSeを含む材料系から構成された太陽電池に関する。
太陽電池は、典型的な自然エネルギー利用デバイスとして有力視されている。太陽電池が主要なエネルギー供給源として使われるためには、コストの低減および発電効率の向上が不可欠である。コスト低減のためには薄膜化が最も有効な手段である(非特許文献1,2参照)。これまでのCuIn1-xGaxSe2(CIGS)などを用いた太陽電池の開発情況は、上述した方向に沿ったものである(非特許文献3参照)。
CIS,CIGSは、光吸収係数が大きく薄膜でも充分な吸収効率が得られ、高い光電変換効率が得られる材料である。ところで、「Schockley−Queissor」の詳細平衡理論によれば、太陽電池の効率は、光吸収層などに用いる材料のバンドギャップエネルギーが約1.4eVのとき最大となる。これに対し、CISはバンドギャップが約1eVであるため、太陽電池にはあまり適していない。
一方、CIGSは、より高いバンドギャップとすることが可能であり、太陽電池に適用することが可能となる。CIGSはInに対するGaの組成比を大きくすることで、バンドギャップエネルギーを大きくすることができる。ただし、例えば、ガラス基板の上にスパッタ法などで形成するなど、簡便な方法で形成した薄膜では、この組成比が10%を超えると、結晶性が著しく劣化し、光電変換効率の低下を招く。このため、現在実用的に用いられているCIGSのバンドギャップエネルギーは、1.2eV程度である。なお、CIGSを、例えば、結晶基板を用いてエピタキシャル成長させれば、高い結晶品質の状態を維持した上で、Inに対するGaの組成比を大きくし、バンドギャップエネルギーを1.4eV程度にすることができる。
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しかしながら、エピタキシャル成長させたCIGSを用いたとしても、吸収効率は、CIGSが持つ固有の値を超えることはできす、変換効率を上げることはできない。このように、従来では、Cu,In,およびSeを含む材料系を用いた太陽電池で、より高い発電効率が得ることが容易ではないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、Cu,In,およびSeを含む材料系を用いた太陽電池でより高い発電効率が得られるようにすることを目的とする。
本発明に係る太陽電池は、基板の上に形成された光吸収層を備え、光吸収層は、CuGaSe2からなる第1半導体層と、CuInSe2からなる第2半導体層とを交互に積層した超格子構造とされている。
上記太陽電池において、基板の上に形成されたp型の化合物半導体からなるp型半導体層およびn型の化合物半導体からなるn型半導体層を備え、光吸収層は、p型半導体層とn型半導体層との間に挟まれて配置されているようにすればよい。
上記太陽電池において、第1半導体層および第2半導体層からなりn型とされたn型半導体構造と、CuGaSe2からなる第3半導体層と、CuInSe2からなる第4半導体層とを交互に積層した超格子構造からなりp型とされたp型半導体構造とを備え、光吸収層は、n型半導体構造およびp型半導体構造から構成されているようにしてもよい。
上記太陽電池において、n型半導体構造は、第1半導体層に、Si,Sn,Zn,Cdの少なくとも1つがn型不純物として添加されている。また、n型不純物は、第1半導体層および第2半導体層の少なくとも1つに添加されている。
上記太陽電池において、基板は、ガラス,金属,樹脂より選択された材料より構成されているようにしてもよい。
以上説明したことにより、本発明によれば、Cu,In,およびSeを含む材料系を用いた太陽電池でより高い発電効率が得られるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。 図2は、本実施の形態における超格子構造とした光吸収層における、光子エネルギーに対する吸収係数の変化を示す特性図である。 図3は、バルク構造のCuIn0.25Ga0.75Se2からなる光吸収層における光子エネルギーに対する吸収係数の変化を示す特性図である。 図4は、本実施の形態における超格子構造とした光吸収層におけるバンド構造および準位を示す特性図である。 図5は、CGSからなる層とCISからなる層とによる量子井戸構造のバンド構造を示すバンド図である。 図6は、光吸収層を、CGSからなる層厚3nmの第1半導体層と、CISからなる層厚1nm第2半導体層とを交互に10組積層した全層厚40nmの超格子構造としたpin接合構造の太陽電池における出力特性を示す特性図である。 図7は、CIS/CGS超格子と同じ平均組成を持つCIGSからなる層厚40nmのバルクの光吸収層を用いたpin接合構造の太陽電池における出力特性について示す特性図である。 図8は、Al0.3Ga0.7As/GaAs超格子構造の光吸収層を用いた太陽電池の吸収効率スペクトルの計算結果を示す特性図である。 図9は、Al0.3Ga0.7As/GaAs超格子太陽電池の量子効率のスペクトルを示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。この太陽電池は、基板101の上に形成された光吸収層102を備える。また、光吸収層102は、CuGaSe2(CGS)からなる第1半導体層121と、CuInSe2(CIS)からなる第2半導体層122とを交互に積層した超格子構造とされている。
例えば、光吸収層102は、p型の化合物半導体からなるp型半導体層(不図示)と、n型の化合物半導体からなるn型半導体層(不図示)との間に挟まれて配置されている。この場合、いわゆるpin接合構造の太陽電池である。
上述した実施の形態によれば、光吸収層102における吸収効率を、材料自体が持つ固有の値以上とすることが可能となり、変換効率をより向上させることができる。また、バンドギャップエネルギーを、容易に1.4eV程度にできるようになり、この点においても、太陽電池の効率を向上させることができる。なお、太陽電池としては、上述した構造を、2つの電極層で挟んで用いることになる。また、少なくとも一方の電極層は、透明な導電材料から構成する。
以下、吸収効率の向上およびバンドギャップエネルギーの最適化についてより詳細に説明する。
まず、吸収効率の向上について、図2,図3を用いて説明する。図2は、本実施の形態における超格子構造とした光吸収層における、光子エネルギーに対する吸収係数の変化を示す特性図である。図2では、CGSからなる第1半導体層の層厚を3nmとし、CISからなる第2半導体層の層厚を1nmとし、繰り返し数を10とし、全層厚を40nmとして、サブバンド構造の吸収係数を計算した結果を示している。また、図2において、(a)は、励起子吸収を考慮した吸収スペクトルであり、(b)は、サブバンド間の遷移による吸収スペクトルである。
一方、図3は、バルク構造のCuIn0.25Ga0.75Se2からなる光吸収層における光子エネルギーに対する吸収係数の変化を示す特性図である。図3では、光吸収層の層厚を40nmとしてサブバンド構造の吸収係数を計算した結果を示している。また、図3において、(a)は、励起子吸収を考慮した吸収スペクトルであり、(b)は、サブバンド間の遷移による吸収スペクトルである。
超格子構造とした実施の形態の光吸収層によれば、CGSの高い励起子束縛エネルギーを反映し、図2の(a)に示すように、励起子による強い吸収が得られ、吸収効率の向上が図れていることが分かる。これは、図3に示す結果との比較により明らかである。CIS/CGSの超格子構造とすることで、CIGSバルク構造に比較して、圧倒的に高い吸収効率が得られている。
次に、バンドギャップエネルギーの最適化について、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態における超格子構造とした光吸収層におけるバンド構造および準位を示す特性図である。図4において、符号401は、超格子構造の伝導帯、402は超格子構造の価電子帯、403は伝導帯不連続(ΔEc)、404は価電子帯不連続(ΔEv)、405は伝導帯の第1超格子サブバンド、406は価電子帯の第1超格子サブバンドである。
前述したように、バンドギャップ約1eVのCISにCGSを加え、CIGS混晶を形成することにより、バンドギャップの増大が可能である。しかしながら、CGS分率が10%を超えるとCIGSの結晶性が劣化する。この劣化を発生させないためには、バンドギャップは最大1.2eV程度にとどまることになり、理想の1.4eVは実現できない。
これに対し、図4に示すように、第1超格子サブバンド405と第1超格子サブバンド406のエネルギー差が、超格子構造の実質的なバンドギャップを与えることになり、この構造では約1.4eVとなる。このように、実施の形態によれば、結晶性の劣化を招くことなく、バンドギャップ最適化の目的が達成できる。
以上に説明したように、実施の形態によれば、光吸収効率の増大と、バンドギャップの最適化とを同時に実現できるようになる。
ところで、CIS,CIGSなどのCu,In,およびSeを含む材料では、良質な高濃度のn型結晶を得ることが容易ではない。これは、次に示すことを原因としている。これらの材料系では、Cu空格子点、およびIn格子点やGa格子点のCu原子による置換などアクセプター性の欠陥の生成エネルギーが低く、かつこのアクセプター性欠陥の生成エネルギーが、フェルミ準位の上昇に伴って(電子濃度の増加に伴って)ますます低くなるためである。このため、n型不純物を添加するとアクセプター生成が増加し、結果として、n型結晶は実現できない。これは、CIS,CIGSなどの材料は、単に不純物ドーピングによってn型化するのが困難であることを意味している。
この問題も、本実施の形態における、CGSからなる第1半導体層と、CISからなる第2半導体層とを交互に積層した超格子構造により解決できる。この超格子構造においては、図5に示すような量子井戸構造となるバンド構造の繰り返しとなる。図5において、符号501は、井戸となるCIS層、502は障壁となるCGS層、503は伝導帯不連続(ΔEc)、504は価電子帯不連続(ΔEv)、505はCGS中の深いドナー準位、506はCIS/CGS量子井戸内の量子準位、507はCGSの深いドナー準位からCIS井戸に落ちた電子である。
CISとCGSのヘテロ接合では、図5に示すように、バンドギャップ不連続がほとんど伝導帯側に存在する。実際に、ΔEcは、ΔEvより大きく600meVに達する。ここで、CGSのn型化が困難な理由の1つは、図5に示すように、n型不純物をドープしたCGS層502中に含まれるドナー準位505が極めて深いエネルギー位置にあることにある。これに対し、CGS/CISのヘテロ接合を形成すれば、大きなΔEcのためにCGS層502側の深いドナーの電子507がトンネル現象によってCIS層501側に落ち込み、CIS層501の伝導帯の電子濃度を増加させる。
これによって、高い電子濃度を持つCGS/CISへテロ構造、または超格子構造を実現することができる。このように、CGSからなる第1半導体層と、CISからなる第2半導体層とを交互に積層した超格子構造において、バンドギャップの大きい第1半導体層にn型不純物をドーピングしておくことで、実効的にn型の状態とすることができる。これは、AlGaAs/GaAsヘテロ接合において用いられる変調ドーピングの応用である。
ところで、上述したn型の状態とする効果は、CIS(CuInSe2)とCGS(CuGaSe2)とのヘテロ接合のみでも実現でき、超格子構造とする必要はない。このCISとCGSとのヘテロ接合で、CGSの層にn型不純物がドーピングされていれば、実効的にn型が発現される状態とすることができる。この構造を用いることで、太陽電池に限らず、Cu,In,およびSeを含むn型の半導体による様々な半導体装置が構成できるようになる。
この半導体装置は、n型不純物が導入されたCuGaSe2からなる第1半導体層と、CuInSe2からなる第2半導体層とから構成されたn型領域を備えるものとなる。例えば、n型不純物が導入されたCuGaSe2からなる第1半導体層と、CuInSe2からなる第2半導体層とから構成されたn型領域と、p型不純物が導入されたCIGSとにより、pn接合型の半導体装置が構成できる。
次に、光吸収層を、CGSからなる層厚3nmの第1半導体層と、CISからなる層厚1nm第2半導体層とを交互に10組積層した全層厚40nmの超格子構造としたpin接合構造の太陽電池における出力特性について、図6を用いて説明する。図6において(a)は、超格子の励起子遷移を考慮した吸収スペクトル、(b)はサブバンド間遷移のみを考慮に入れたスペクトルである。
また、比較のために、CIS/CGS超格子と同じ平均組成を持つCIGSからなる層厚40nmのバルクの光吸収層を用いたpin接合構造の太陽電池における出力特性について図7に示す。図7において、(a)は、光吸収層の励起子遷移を考慮した吸収スペクトル、(b)はバンド間遷移のみを考慮したスペクトルである。
いずれにおいても、励起子遷移の効果が大きいが、これはCGSの励起子束縛エネルギーが大きいためと考えられる。ただし、2つの結果を比較して最も顕著な差は、励起子遷移において見られ、超格子構造による効果が極めて大きい。具体的な数値としては、超格子構造では、全層厚が40nm程度の光吸収層においても、9.8%の効率が得られている。CIGSによるバルク構造の光吸収層においても大きい吸収効率を持つが、これに比べ、超格子構造では28%もの増感が得られることになる。
次に、本発明における超格子構造をAlxGa1-xAs−GaAs系に適用した場合について説明する。まず、図8に、Al0.3Ga0.7As/GaAs超格子構造の光吸収層を用いた太陽電池の吸収効率スペクトルの計算結果を示す。この太陽電池は、井戸層となる層厚5nmのGaAs層と、障壁層となる層厚2nmのAlGaAs層とを交互に積層した超格子構造を用い、pin接合構造としている。図8において、(a)は、超格子の励起子遷移を考慮した吸収スペクトル、(b)はサブバンド間遷移のみを考慮に入れたスペクトルである。
図8の(a)に示すように、励起子による強い双峰性のスペクトルが得られており、励起子を考慮しない図8の(b)の場合に比べ、強い吸収が得られる。実際に、同じ構造の太陽電池から得られる効率のスペクトルには、これを反映した強い双峰性が見られる。
次に、Al0.3Ga0.7As/GaAs超格子太陽電池の量子効率のスペクトルについて、図9を用いて説明する。図9は、分子線エピタキシー法により各層を形成して作製したAl0.3Ga0.7As/GaAs超格子太陽電池の量子効率のスペクトルを示す特性図である。図9の(a)は、量子効率の変化を示し、(b)は、対応するフォトルミネッセンス(PL)スペクトルを示す。
図9の(a)に示すように、量子効率スペクトルには、強い双峰性を示され、GaAsからなるバルクの吸収層を用いた太陽電池とは、際立った違いを示している。また、室温(27℃)におけるバルクの状態のバンド端発光は860nm付近に現れるが、図9の(b)に示すフォトルミネッセンススペクトルから分かるように、超格子構造のバンドギャップがバルクGaAsの値に比べ60nmほど短波長側(高エネルギー側)にシフトしたことが示されている。この例に示すように、超格子構造とすることによって効率の上昇とバンドギャップの調整が可能である。
ところで、前述した本発明のCGSからなる第1半導体層と、CISからなる第2半導体層とを交互に積層した超格子構造では、図2に示したように、サブバンド間の遷移による吸収スペクトル(b)に比較して、励起子吸収を考慮した吸収スペクトル(a)は、より高い値を示している。この図2に示す結果と、図8に示す結果とを比較すれば明らかなように、超格子構造にすることによる効率の上昇は、CIS/CGS超格子構造においてより顕著である。
以上に説明したように、本発明によれば、CuGaSe2からなる第1半導体層と、CuInSe2からなる第2半導体層とを交互に積層した超格子構造とした光吸収層を用いるようにしたので、Cu,In,およびSeを含む材料系を用いた太陽電池でより高い発電効率が得られるようになる。
ここで、太陽電池は、動作中比較的高温に達するため、温度上昇による半導体の特性が劣化する。このときの最大の問題は、半導体のバンドギャップEgの減少に伴う起電力Vocの減少である。太陽電池を構成する半導体の温度上昇に伴うEgの減少は不可避の現象であるが、超格子構造の場合、二次元電子構造の形成によりEgは量子化される。この成分は、バンドギャップに対して大きいものではないが、温度の上昇とともにVocが減少する問題を考えるとき、上述した超格子構造とすることによる効果は極めて大きいといえる。なお、超格子構造の形成に当たっては、太陽光照射によって超格子構造内に生じた励起子のエネルギーをできるだけ失わずに電極層に取り出す構造を用いることが重要となる。
また、例えば、基板をGaAsから構成した場合、このGaAs基板上にCIS/CGS超格子を成長させる場合を考える。ここで、GaAsの格子定数0.5653nmに対し、CISの格子定数は0.5784nmであり、CGSの格子定数は0.5614nmである。このため、GaAs基板は、CGSからなる第1半導体層に対しては引っ張り応力を与え、CISからなる第2半導体層に対しては圧縮応力を与える。従って、CGSからなる第1半導体層の層厚を3nmとし、CISからなる第2半導体層の層厚を1nmとした超格子構造では、引っ張り応力と圧縮応力とが均衡の取れた状態となり、歪補償型の超格子が実現できる。このように、本発明によれば、結晶基板を用い、各層の層厚を適宜に設定することで、超格子構造の結晶性を改善することが可能である。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、上述では、CGSからなる第1半導体層の層厚を3nmとし、CISからなる第2半導体層の層厚を1nmとした場合について説明したが、これに限るものではなく、第1半導体層および第2半導体層は、いわゆる超格子構造となる層厚に形成されていればよく、各層厚は適宜に設定すればよい。
例えば、用いる基板は、GaAsなどの結晶材料に限らず、ガラス,金属,樹脂より選択された材料より構成されていてもよい。これらの材料の上に形成する場合、第1半導体層および第2半導体層は、エピタキシャル成長ではなく、例えば、スパッタ法や真空蒸着法などにより形成し、適宜に各層厚を設定すればよい。この場合、形成される第1半導体層および第2半導体層は、例えば多結晶の状態となり、CGSの結晶とCISの結晶とからなる超格子構造が部分的に存在する構成となるが、この状態であっても、発電効率の向上が得られる。
また、例えば、本発明は、第1半導体層および第2半導体層からなりn型とされたn型半導体構造と、CuGaSe2からなる第3半導体層と、CuInSe2からなる第4半導体層とを交互に積層した超格子構造からなりp型とされたp型半導体構造とを備え、これらで光吸収層が構成されるpn接合構造の太陽電池であっても同様である。
この場合、n型半導体構造においては、CGSからなる第1半導体層に、Si,Sn,Zn,Cdの少なくとも1つがn型不純物として添加されていればよい。この場合、いわゆる変調ドープとなる。また、n型不純物は、第1半導体層および第2半導体層の両者に添加されているようにしてもよい。
また、pin接合構造において、3つの全ての部分をCGSからなる層とCISからなる層との超格子構造から構成してもよい。
101…基板、102…光吸収層、121…第1半導体層、122…第2半導体層。

Claims (6)

  1. 基板の上に形成された光吸収層を備え、
    前記光吸収層は、
    CuGaSe2からなる第1半導体層と、CuInSe2からなる第2半導体層とを交互に積層した超格子構造とされている
    ことを特徴とする太陽電池。
  2. 請求項1記載の太陽電池において、
    前記基板の上に形成されたp型の化合物半導体からなるp型半導体層およびn型の化合物半導体からなるn型半導体層を備え、
    前記光吸収層は、前記p型半導体層と前記n型半導体層との間に挟まれて配置されていることを特徴とする太陽電池。
  3. 請求項1記載の太陽電池において、
    前記第1半導体層および前記第2半導体層からなりn型とされたn型半導体構造と、
    CuGaSe2からなる第3半導体層と、CuInSe2からなる第4半導体層とを交互に積層した超格子構造からなりp型とされたp型半導体構造と
    を備え、
    前記光吸収層は、前記n型半導体構造および前記p型半導体構造から構成されていることを特徴とする太陽電池。
  4. 請求項3記載の太陽電池において、
    前記n型半導体構造は、前記第1半導体層に、Si,Sn,Zn,Cdの少なくとも1つがn型不純物として添加されていることを特徴とする太陽電池。
  5. 請求項4記載の太陽電池において、
    前記n型不純物は、前記第1半導体層および前記第2半導体層に添加されていることを特徴とする太陽電池。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載した太陽電池において、
    前記基板は、ガラス,金属,樹脂より選択された材料より構成されていることを特徴とする太陽電池。
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