JP2005109069A - 積層電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より安定した電気的、機械的な接続状態を摩擦撹拌溶接により得ること。
【解決手段】 一部を接続部12a,12bとした陰極箔8と陽極箔7とを電気絶縁性セパレータ9を介して交互に積層し、該積層された前記各電極箔7,8の各々の接続部を、摩擦撹拌溶接にて電気的、機械的に接続、結束して成るコンデンサ素子5を、有底筒状の外装ケース2に収納するとともに、前記接続部12a,12bをそれぞれ正極外部端子4並びに負極外部端子4に接続し、該外装ケース2の開放端を封口部材3により封口する積層電解コンデンサ1の製造方法において、前記各電極箔7,8の接続部12a,12bが積層された積層体28を、少なくとも前記摩擦撹拌溶接を実施する溶接部14に位置する該積層体28内の各電極箔12a,12b間に間隙をほぼ有しない仮接合状態とし、該仮接合状態において前記摩擦撹拌溶接を実施する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、一部に接続部を有する陰極箔と陽極箔とを電気絶縁性セパレータを介して交互に複数積層または巻回して成るコンデンサ素子を、有底筒状の外装ケースに収納するとともに、前記接続部をそれぞれ正極外部端子並びに負極外部端子に接続し、該外装ケースの開放端を封口部材により封口する積層電解コンデンサの製造方法に関するものである。
従来の電解コンデンサにあっては、アルミニウム等の弁作用金属箔に、エッチング処理および化成処理を施した陽極箔と、エッチング処理のみを施した陰極箔とをセパレータを介して積層または巻回して形成され、これら積層または巻回された陽極箔や陰極箔は、電気的に内部端子に接続させるために、溶接等により、その突出部等において積層された各金属箔が一体化される。
これら化成処理による酸化皮膜をその表面に有する金属箔の積層体を一体化するための方法としては、従来より、超音波溶接やアーク溶接、コールドウェルド、ステッチ等があるが、電気的、機械的な接続状態としては不十分であるため、これら積層体をより良好な接続状態にて一体化するための方法として、近年においては、回転するスターロッドの先端に設けられたプローブを前記積層体に圧入した状態で移動することにより溶接を行う摩擦撹拌溶接が検討されてきている。
これら摩擦撹拌溶接においては、溶接される各金属箔間に間隙があると、その間隙部分が溶接欠陥となる場合があるため、これら溶接する周囲を押さえ部材等にて押さえつけた状態で摩擦撹拌溶接を実施するものがある。(例えば、特許文献1)
特開2003−154472号公報(第3頁、第3図)
これら電解コンデンサの電極箔としては、アルミニウム等の弁作用金属の薄い箔が使用され、これらの弁作用金属箔は弾性を有することから、溶接部の周囲を前記押さえ部材等にて押さえつけた場合には、図9に示すように、該押さえ部材24等にて押圧された部位の直下に位置する各金属箔は間隙を有することなく密着するものの、該押圧による弾性変形による撓みや歪みにより、実際に溶接にて接続する部位には間隙が残存してしまい、この間隙により溶接が良好に成されず、摩擦撹拌溶接による電気的、機械的な良好な接続状態が安定して得られない場合があるという問題があった。
また、前記電解コンデンサの電極箔には、エッチング処理により電極箔の表面には、微細な空隙が形成されており、特に低圧用に使用される電極箔は、その表面積が100倍以上あるため、電極箔の空隙率が大きくなり、積層した際の各電極箔間の当接部分が少ないとともに、該エッチング処理によるエッチング処理層の上に化成処理としてバリア型陽極酸化処理による陽極酸化皮膜が形成されており、この酸化皮膜は硬くかつ融点が非常に高く、また電解コンデンサにおける耐電圧に作用するため厚く形成されているため、前記積層された各電極箔を摩擦攪拌溶接をするにおいて、拘束治具により拘束するのみでは、前記電極箔のエッチング処理層の空隙や及び該エッチング処理層上に設けられた絶縁性の陽極酸化皮膜により、電気的、機械的に良好な接続が安定して得られない場合があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、摩擦撹拌溶接によって接続部を溶接する場合において、より安定した電気的、機械的な接続状態を得ることのできる積層電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の積層電解コンデンサの製造方法は、
一部を接続部とした陰極箔と陽極箔とを電気絶縁性セパレータを介して交互に積層し、該積層された前記各電極箔の各々の接続部を、摩擦撹拌溶接にて電気的、機械的に接続、結束して成るコンデンサ素子を、有底筒状の外装ケースに収納するとともに、前記接続部をそれぞれ正極外部端子並びに負極外部端子に接続し、該外装ケースの開放端を封口部材により封口する積層電解コンデンサの製造方法において、
前記各電極箔の接続部が積層された積層体を、少なくとも前記摩擦撹拌溶接を実施する溶接部に位置する該積層体内の各電極箔間に間隙をほぼ有しない仮接合状態とし、該仮接合状態において前記摩擦撹拌溶接を実施することを特徴としている。
この特徴によれば、積層体の実際に溶接にて接続される接続部に位置する各電極箔間に間隙をほぼ有しない仮接合状態にて摩擦撹拌溶接を実施することで、接続部に空隙等の溶接欠陥部を生じることを大幅に低減でき、よって摩擦撹拌溶接によって、より安定して良好な電気的、機械的な接続状態を得ることができる。
本発明の請求項2に記載の積層電解コンデンサの製造方法は、請求項1に記載の積層電解コンデンサの製造方法であって、
前記仮接合状態とする方法が、前記積層体の上下方向からの加圧による加締めであることを特徴としている。
この特徴によれば、予め積層体を上下方向から加圧して加締めることで、電極箔のエッチング処理層および酸化皮膜層を変形させて空隙を少なくできるとともに、各電極箔間の間隙を低減し、実際に溶接にて接続される接続部に位置する各電極箔間を良好に密接させることができるとともに、摩擦撹拌溶接における積層体に積層された電極箔の位置ずれ等による不良を大幅に低減できるばかりか、溶接以前の積層体の取り扱い性も大幅に向上でき、摩擦撹拌溶接における作業性を向上できる。
本発明の請求項3に記載の積層電解コンデンサの製造方法は、請求項1または2に記載の積層電解コンデンサの製造方法であって、
前記仮接合状態とする方法が、超音波溶接、コールドウエルド、アーク溶接のいずれかを含むことを特徴としている。
この特徴によれば、積層体に積層されている各電極箔同士が、超音波溶接、コールドウエルド、アーク溶接のいずれかにより加圧されて電極箔のエッチング処理層および酸化皮膜層を変形させて空隙を少なくでき、かつ各電極箔間の間隙を低減することができるとともに、仮接続が成されて比較的強固に固定されるため、積層体に積層された電極箔の位置ずれ等をより生じ難くなるとともに、溶接以前の積層体の取り扱い性もより一層向上できる。
本発明の請求項4に記載の積層電解コンデンサの製造方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の積層電解コンデンサの製造方法であって、
前記弁作用金属と同種の金属から成り、前記電極箔よりも大きな厚みを有する補強基材を前記積層体に当接配置し、該補強基材の一部を積層体とともに摩擦攪拌溶接にて溶接することを特徴としている。
この特徴によれば、前記摩擦撹拌溶接において、積層された各電極箔が、電極箔よりも厚みの大きな補強基材にて担持或いは挟持されるようになり、摩擦撹拌溶接における施工性を高めることができるとともに、該補強基材により、プローブを積層体に圧入する際のプローブの回転による積層体の変形、破断を防止することが可能となる。
本発明の請求項5に記載の積層電解コンデンサの製造方法は、請求項4に記載の積層電解コンデンサの製造方法であって、
前記補強基材の形状が、断面視ロ字状或いは断面視コ字状であることを特徴としている。
この特徴によれば、前記補強基材の形状を断面視ロ字状或いは断面視コ字状とすることで、積層体の積層方向の両端面に設けられる補強基材が一体とされることになり、特に溶接を実施する側と反対側となる面に配置された補強基材の脱落を防止することができる。
本発明の請求項6に記載の積層電解コンデンサの製造方法は、請求項4または5に記載の積層電解コンデンサの製造方法であって、
前記補強基材を前記積層体とともに仮接合状態としたことを特徴としている。
この特徴によれば、補強基材と積層体との間隙をほぼ無くすことができるとともに、該補強基材も仮固定されることから、これら補強基材の位置ずれを大幅に低減できる。また、補強基材の形状が断面視ロ字状或いは断面視コ字状である場合には、該補強基材により積層体が良好な仮接合状態に保持されるようになり、摩擦撹拌溶接以前に仮接合状態が解消されてしまうことを大幅に低減できる。
本発明の実施例を以下に説明する。
本実施例の積層電解コンデンサは、図1に示すように、積層コンデンサ素子(以下コンデンサ素子と略記する)5を収納可能な有底四角筒状とされた外装ケ−ス2の開口を、外部端子4が貫通して形成された封口部材3にて封口した一般的なコンデンサと同様の外観を有している。
前記本実施例にて用いた前記外装ケ−ス2は、前記コンデンサ素子に使用した陽極箔7並びに陰極箔8としてアルミニウムを使用していることから、有底四角筒状にアルミニウムにて形成されている。尚、本実施例では、使用するコンデンサ素子を四角状としていることから、外装ケ−ス2も四角筒状としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら使用するコンデンサ素子が巻回にて積層された円筒状のものであれば、外装ケ−スも円筒状のものとすれば良い。
この外装ケ−ス2内部に収納されるコンデンサ素子5は、図2に示すように、その表面に拡面処埋であるエッチング処理によるエッチング処理層、および該エッチング処理層の上にバリア型陽極酸化処理による陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム箔である陽極箔7と、拡面処埋であるエッチング処理によるエッチング処理層が形成された陰極箔8とが、該陽極箔7と陰極箔8との間に電気絶縁性セパレータとしての電解紙9を介在させて積層して形成したもので、四角柱状に形成されている。尚、該積層されたコンデンサ素子5の側部外周には、積層後における位置ずれを防止するために、図示しない固定テープが巻かれている。
また、該コンデンサ素子5には所定の電解液が含浸され、前記電解紙9に電解液が保持され、該電解液が前記陽極箔7と前記陰極箔8と接触した状態を形成するようにされており、本実施例では、0.1mmのものを使用している。
本実施例において陽極箔7と陰極箔8として用いたアルミニウム箔は、厚さが陽極箔7が約100μm程度、陰極箔8が50μm程度のもので、集電極としての機能を果たすとともに、前記積層等において必要とされる適宜な機械的強度を有していて、前記陽極箔7の表面は、表面積を拡大するための拡面処理であるエッチング処理された後、均一な酸化皮膜を形成するための化成処理が実施され、接続部であるリ−ドタブ12aが、打ち抜きによって各陽極箔7の外周に、その端辺中心部よりオフセットされた位置に突出形成されるようになっており、これら形成されたリ−ドタブ12aにもエッチング層並びに酸化皮膜層を有している。尚、陰極箔8は、表面積を拡大するための拡面処理であるエッチング処理された後、接続部であるリ−ドタブ12bが、打ち抜きによって各陰極箔8の外周に、その端辺中心部よりオフセットされた位置に突出形成されるようになっており、該リ−ドタブ12bにもエッチング処理によるエッチング層を有している。
このように本実施例では、陽極箔7と陰極箔8としてアルミニウム箔を使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら陽極箔7と陰極箔8としては、弁作用金属であるタンタルやチタンを使用しても良い。
このようにして打ち抜き形成された陽極箔7と陰極箔8は、図2に示すように前記電解紙9を介して積層される陽極箔7と陰極箔8のリ−ドタブ12a,12bの位置が互い違いとなるように、コンデンサ素子5の一方の積層端面より導出されるように積層される。
これら積層により形成された前記コンデンサ素子5の各陽極箔7と各陰極箔8のリ−ドタブ12a,12bは、それぞれの電極のリ−ドタブ12aとリ−ドタブ12b毎に集束、積層されて積層体28とされるとともに、図4(a)に示すように、該積層体28に断面視コ字状の補強基材31が装着される。そしてプレス台25上において該積層体28は、補強基材31とともにプレスヘッド26により、積層体の積層方向の上下方向からの加圧されて、図4(b)に示すように加締め部32が形成されて仮接合状態とされる。
そして、これら加締め部32が形成された積層体28は、必要に応じて、摩擦撹拌溶接される接合部を含む加締め部32が、超音波溶接、アーク溶接等による溶接や、コールドウエルド等を実施することで、補強基材31とリ−ドタブ12a,12bとがより強固に固定された仮接合状態とされる。尚、超音波溶接、アーク溶接等、コールドウエルドの内、2つ以上の処理を組み合わせて実施するようにしても良い。また、これら超音波溶接、アーク溶接等による溶接や、コールドウエルドを実施する際に、後述する内部電極13a,13bを補強基材31が仮接合された積層体28に固定するようにしても良い。
そして、これら加締め部32が形成され、必要に応じて超音波溶接、アーク溶接等による溶接や、コールドウエルドによりより強固な仮接合状態とされた積層体28は、図5に示すように、加工盤16上に配置された内部電極13a,13b上に配置された後、該加工盤16上において、積層体28の上面に位置する補強基材31の背面側から回転するスターロッド20の先端に設けられたプローブ21が所定深さまで圧入され、該圧入されたプローブ21が図6に示すように、接合線に沿って移動されることにより摩擦撹拌溶接が実施されて接続部14が形成され、補強基材31とリ−ドタブ12aまたはリ−ドタブ12bと内部電極13a,13bとが、電気的並びに機械的に接合される。尚、プローブ21は下側に配置された内部電極13a,13にまで圧入されることが望ましく、このようにすることで、内部電極13a,13bも摩擦撹拌溶接にて良好に接続、一体化される。
この摩擦撹拌溶接においては、前記圧入したプローブ21が回転することにより、補強基材31並びにリ−ドタブ12a,12bや内部電極13a,13bとの摩擦熱並びに加工熱が生じ、該摩擦熱並びに加工熱によって補強基材31やリ−ドタブ12a,12bや内部電極13a,13bとを構成する金属であるアルミが昇温、軟化されるとともに、該プローブ21による回転により該軟化したアルミが撹拌されることで、その表面に存在する酸化皮膜やエッチング層が破壊されてアルミの地金同士が軟化した状態で接触するようになり、該プローブ21の移動に伴って、その移動方向の後方位置にて固化することで、補強基材31とリ−ドタブ12a,12bと内部電極13a,13bとが強固に固相接続されるようになる。なお、実施例では、プローブを圧入して移動することで摩擦攪拌溶接を行っているが、プローブを圧入して一定時間回転させた後引き抜いて溶接を行うこともできる。
これら摩擦撹拌溶接においては、前記スターロッド20に前記プローブ21が先行するように、2〜5度の傾斜角θを設けるようにするのが好ましいが、これら傾斜角θは、使用する補強基材31の厚みや接続するリ−ドタブ12aまたはリ−ドタブ12bの枚数やスターロッド20の回転数、並びに圧入する量等から適宜に選択すれば良い。
また、プローブ21の形状等も使用する補強基材31や内部電極13a,13bの厚みや接続するリ−ドタブ12a,12bの枚数やスターロッド20の回転数、並びに圧入する量等から適宜に選択すれば良い。
また、スターロッド20の回転数、並びにプローブ21を圧入する量や、移動速度等も、使用する補強基材31や内部電極13a,13bの厚みや接続するリ−ドタブ12a,12bの枚数等から適宜に選択すれば良い。
これら補強基材31や内部電極13a,13bの材質としては、前記陽極箔7と陰極箔8並びにリ−ドタブ12aまたはリ−ドタブ12bとして用いたアルミニウムと同一の金属であるアルミニウムを用いており、このようにすることは、これら補強基材31や内部電極13a,13bとして異なる金属を使用した場合に、アルミニウムとの合金形成能が良好でなく、良好な接合強度が得られない不都合や、アルミニウムや異なる金属が他方の金属に拡散することによる接合部の劣化や、電池形成等によるアルミニウム或いは補強基材31や内部電極13a,13bとして使用した金属の腐食が生じる等問題を回避できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの問題を回避できる場合には、補強基材31や内部電極13a,13bとして前記陽極箔7と陰極箔8並びにリ−ドタブ12a,12bとして用いた金属と異なる金属を使用しても良い。
また、これら補強基材31の厚みとしては、前記リ−ドタブ12a,12bのアルミニウム箔よりも高い機械的強度を有するように、これらアルミニウム箔の厚みよりも厚く、且つその厚みが厚すぎると加締めによる加工性が悪化することから、十分な補強高度が得られる最小限の厚みとすることが好ましく、具体的には、この厚みが0.2mm以下となると、補強基材としての良好な強度を得られないとともに、該補強基材の背面から前記プローブ21を圧入して摩擦撹拌溶接を実施する場合に、スターロッド20の回転速度、移動速度、角度等の制御を行い難く、安定した摩擦撹拌溶接が難しくなり、逆にこの厚みが著しく厚くなると、加締めの加工性の低下に加えて、摩擦撹拌溶接に要する加工時間が長いものになってしまうことから、その厚みとしては0.2mmから1.0mmの範囲とすることが好ましい。
また、これら補強基材31の形状としては、本実施例では断面視コ字状のものを使用しており、このように断面視コ字状とすることは、これら補強基材の積層体28への装着を容易に実施できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図7に示すように、断面視ロ字状の補強基材33として積層体28に装着するようにしても良い。
また、これら断面視コ字状の補強基材31や断面視ロ字状の補強基材33を使用することは、積層体28の積層方向の両端面(上下面)に設けられる補強基材が一体とされることになり、特に溶接を実施する側と反対側となる面となる積層体28下面に配置された補強基材の脱落を防止することができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら補強基材として積層体28の積層方向の両端面(上下面)に板状の補強板を配置して、これら補強板を摩擦撹拌溶接にて積層体28と溶接、一体化しても良い。
このようにして図3に示すように、摩擦撹拌溶接により接続部14が形成されたコンデンサ素子5は、前記外装ケース2に収納されるとともに、前記摩擦撹拌溶接によりリ−ドタブ12aまたはリ−ドタブ12bに接合された内部電極13a,13bが各外部端子4と接続された後、封口部材3により該外装ケース2の開口が封口、密閉されてコンデンサとされる。
以上、本実施例のようにすれば、積層体28の実際に摩擦撹拌溶接にて接続される接続部14に位置する各電極箔であるリ−ドタブ12a,12b間に間隙をほぼ有しない仮接合状態にて摩擦撹拌溶接を実施することで、接続部に空隙等の溶接欠陥部を生じることを大幅に低減でき、よって摩擦撹拌溶接によって、より安定して良好な電気的、機械的な接続状態を得ることができる。
以上、本発明を図面に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での変更や追加があっても、本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば前記実施例では、超音波溶接またはアーク溶接等による溶接や、コールドウエルドをプレスによる加締めを実施した後に必要に応じて実施するようにしているが、このようにすることは、プレスによる加圧により、摩擦撹拌溶接の接続部14に位置する各電極箔であるリ−ドタブ12a,12b間の間隙を、十分に低減できるようになることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら超音波溶接またはアーク溶接等による溶接や、コールドウエルドをプレスによる加締めを実施することなく単独にて実施して、仮接合状態を得るようにしても良い。
また、前記実施例では、補強基材31を積層体28に装着した後にプレスによる加圧にて加締めを実施しており、このようにすることは、補強基材31と積層体28との間隙をほぼ無くすことができるとともに、該補強基材31も仮接合状態とされることから、これら補強基材31の位置ずれを大幅に低減できる。また、断面視コ字状の補強基材31や断面視ロ字状の補強基材33を用いた場合には、これら補強基材31、33により積層体28が良好な仮接合状態に保持されるようになり、摩擦撹拌溶接以前に仮接合状態が解消されてしまうことを大幅に低減できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら補強基材31、33を、積層体28を単体にてプレスによる加圧にて加締めた後に、積層体28に装着するようにしても良く、さらに該積層体28と補強基材31、33を加圧による加締めを実施しても良い。
また、前記実施例では、補強基材31と内部電極13a,13bとを個別の部材としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図8に示すように、補強基材31と内部電極13a,13bとを一体化した内部電極部36を有する補強基材35としても良い。
また、前記実施例では、補強基材としての内部電極13a,13bを積層体28に摩擦撹拌溶接にて接合し、該内部電極13a,13bを前記外部端子4に接続するようにしており、このようにすることは、内部電極13a,13bを別途に積層体28(補強基材31)に接続する必要がなく、部品点数を低減できるとともに、工程も簡素化できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、内部電極13a,13bを別途に積層体28(補強基材31)に接続するようにしても良い。
また、前記実施例では、前記プローブ21が圧入される積層体28の上面を覆う補強基材31を用いるようにしており、このようにすることは、前記摩擦撹拌溶接において、集束された接続部であるリ−ドタブ12a,12bと摩擦撹拌溶接を行う回転するスターロッドとの間に補強基材31が介在することから、積層体28の上部のリ−ドタブ12a,12bが回転するプローブにより変形、破断することによる不具合の発生を、大幅に低減することができる、摩擦撹拌溶接の施工性を高めることができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、リ−ドタブ12a,12bの積層枚数や使用する陽極箔7や陰極箔8の厚み等によっては、これら補強基材31を有しない構成としても良い。更には、これら摩擦撹拌溶接を、補強基材が未配置の面側から実施するようにしても良い。
また、集束されたリ−ドタブ12a,12bの間に補強基材としての補強板を介在させることもできる。この場合、主に中間位置に介在させるのが好ましく、これにより、摩擦撹拌溶接の際に、当該介在させた補強板の一部がリ−ドタブ12a,12bとともに接合され、機械的な接合強度を高めることができ、接続性の信頼性を向上ささせることができる。また、これら補強板を内部電極として用いるようにしても良い。
また、前記実施例では、積層体のリードタブ12a,12bの上面に配された補強基材31の背面側から溶接するようにしているが、このほかにも前記積層体28のリードタブ12a,12bの導出方向の先端側となる面に対してプローブを圧入・移動することで摩擦攪拌溶接を実施することもできる。この場合も、摩擦攪拌溶接を実施する溶接部、つまりリードタブ12a,12bの導出方向の先端側において、間隙をほぼ有しない仮接合状態とし、前述のように、積層されたリードタブ12a,12bの上下方向から加圧による加締め方法や、超音波溶接、コールドウェルド、アーク溶接方法を用いてなされる。なお、前記リードタブ12a,12bの導出方向の先端側となる面に補強基材を配してプローブを圧入・移動することで該リードタブ12a,12bの該プローブによる変形、破断を低減して摩擦攪拌溶接を行うこともできる。
また、前記実施例では、陰極箔8および陽極箔7から突出形成されたリードタブ12a、12bを接続部として、複数積層して摩擦攪拌溶接を実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、陰極箔7と陽極箔8とを一部ずらして積層または巻回し、該各電極箔のずらした部分を接続部として摩擦攪拌溶接を実施することもできる。
また、前記実施例では、通常の積層電解コンデンサを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記陽極箔7と陰極箔8をアルミニウム箔の両面に活性炭層が配置された分極性電極箔とした電気二重層コンデンサとしても良く、この場合は、接続部の活性炭層がプローブ21の圧入および移動により撹拌されてアルミニウム箔同士が溶接される。
また、前記実施例では、リ−ドタブ12a,12bもエッチング処理や化成処理(リ−ドタブ12aのみ)を実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらリ−ドタブ12a,12bとなるアルミニウム箔の部分を、予めマスキングしておき、これらエッチング処理や化成処理によるエッチング層や酸化皮膜を形成しないようにしたものにも、本発明を適用できることは言うまでもない。
本発明の実施例における積層電解コンデンサを示す一部破断斜視図である。 本発明の実施例にて用いたコンデンサ素子の構成を示す図である。 本発明の実施例にて用いたコンデンサ素子を示す外観斜視図である。 (a)、(b)は、本発明の実施例における加締め処理状況の説明図である。 本発明の実施例における摩擦撹拌溶接の実施状況を側方から見た図である。 本発明の実施例における摩擦撹拌溶接の実施状況を上方から見た図である。 本発明におけるその他の補強基材の実施形態を示す図である。 本発明におけるその他の補強基材の実施形態を示す図である。 従来における摩擦撹拌溶接の実施状況を示す図である。
符号の説明
1 積層電解コンデンサ
2 外装ケース
3 封口部材
4 外部端子
5 コンデンサ素子
7 陽極箔
8 陰極箔
9 電気絶縁性スペーサ
12a リードタブ(陽極)
12b リードタブ(陰極)
13a 内部電極(陽極)
13b 内部電極(陰極)
14 接続部
16 加工盤
20 スターロッド
21 プローブ
25 プレス台
26 プレスヘッド
28 積層体
31 補強基材
32 加締め部
33 補強基材

Claims (6)

  1. 一部を接続部とした陰極箔と陽極箔とを電気絶縁性セパレータを介して交互に積層し、該積層された前記各電極箔の各々の接続部を、摩擦撹拌溶接にて電気的、機械的に接続、結束して成るコンデンサ素子を、有底筒状の外装ケースに収納するとともに、前記接続部をそれぞれ正極外部端子並びに負極外部端子に接続し、該外装ケースの開放端を封口部材により封口する積層電解コンデンサの製造方法において、
    前記各電極箔の接続部が積層された積層体を、少なくとも前記摩擦撹拌溶接を実施する溶接部に位置する該積層体内の各電極箔間に間隙をほぼ有しない仮接合状態とし、該仮接合状態において前記摩擦撹拌溶接を実施することを特徴とする積層電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記仮接合状態とする方法が、前記積層体の上下方向からの加圧による加締めを含むことを特徴とする請求項1に記載の積層電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記仮接合状態とする方法が、超音波溶接、コールドウエルド、アーク溶接のいずれかを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の積層電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記弁作用金属と同種の金属から成り、前記電極箔よりも大きな厚みを有する補強基材を前記積層体に当接配置し、該補強基材の一部を積層体とともに摩擦攪拌溶接にて溶接することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記補強基材の形状が、断面視ロ字状或いは断面視コ字状であることを特徴とする請求項4に記載の積層電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記補強基材を前記積層体とともに仮接合状態としたことを特徴とする請求項4または5に記載の積層電解コンデンサの製造方法。
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