JP2005108448A - 非水電解質二次電池用正極副活物質、非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極副活物質、非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
より一層厳しい使用環境下においても優れた電池特性を有する非水電解質二次電池用正極副活物質、非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法を提供する。
【解決手段】
非水電解質二次電池用正極活物質を、少なくともスピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解質二次電池用正極副活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有し、かつ、前記リチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する、構成とする。
【選択図】 なし

Description

本発明はリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池用正極副活物質(以下、単に「正極副活物質」ともいう。)、非水電解質二次電池用正極活物質(以下、単に「正極活物質」ともいう。)、非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法に関する。詳しくは、過放電特性、サイクル特性および負荷特性に優れる、スピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する正極副活物質、正極活物質、非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法に関する。
非水電解質二次電池は、従来のニッケルカドミウム二次電池などに比べて作動電圧が高く、かつエネルギー密度が高いという特徴を有し、電子機器の電源として広く利用されている。この非水電解質二次電池の正極活物質としてはLiCoO、LiNiO、LiMn等に代表されるリチウム遷移金属複合酸化物が用いられる。
なかでもLiMnは、構成元素であるマンガンが資源として多量に存在するため、原料が安価に入手しやすい。また環境に対する負荷も少ないという特徴がある。更にデインターカレーション反応によって、結晶中のLiイオンが全量脱離しても、結晶構造が安定に存在する。このためLiCoOおよびLiNiOに比べて、LiMnを用いた非水電解質二次電池は、熱安定性に優れる。
上述したような利点を有するLiMnを用いた非水電解質二次電池は、従来、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラ等に代表されるモバイル電子機器の用途に用いられてきており、これらの用途にとって十分な電池特性を発揮していた。
しかしながら、現在では、モバイル電子機器は、さまざまな機能が付与される等の高機能化や、高温や低温での使用等のため、要求特性がより一層厳しいものとなっている。また、電気自動車用バッテリー等の電源への応用が期待されている。
ところで、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池においては、従来、過放電を防止するため、電池内部に保護回路が組み込まれているが、この保護回路をなくすことができれば、そのスペースに活物質を入れることにより、高容量化することができる。また、保護回路を省略して、製造コストを下げることができる。したがって、保護回路をなくす手段が検討されている。
保護回路をなくすためには、過放電が起こった場合であっても、種々の問題が起こらないようにする必要がある。一般に、過放電が起こると、負極の電位が上昇し、負極の集電体として用いられているCuが溶出してしまい、電池特性が著しく劣化してしまう。Cuが溶出する理由を具体的に説明する。
図1は、リチウムイオン二次電池の充放電サイクル時の正極および負極の電位変化を模式的に示すグラフである。図1に示されるように、従来例において、電池を充電すると、正極の電位は矢印aの経路で上昇し、負極の電位は矢印bの経路で下降する。
充電後、放電すると、負極の電位は上昇するが、負極にはリテンション(リチウムイオンが放出されないで残存する現象)が生じるため、その経路は矢印cのようになる。一方、正極の電位は矢印dの経路で下降する。したがって、過放電が起こると点Aで正極と負極の電位が等しくなる。ここで、点Aの電位が、負極集電体として用いられるCuが溶出する電位より高いため、Cuが溶出してしまうのである。
これに対し、過放電した場合にもCuが溶出しない技術として、特許文献1には、負極集電体の電位よりも貴な電位を有する第1のリチウム化合物からなる主活物質と、負極集電体の電位よりも卑な電位を有する第2のリチウム化合物からなる副活物質とを含む正極活物質が記載されており、具体的には、LiCoOを主活物質とし、LiMoO(x=1〜2)を副活物質とする正極活物質が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている正極活物質では、過放電特性の改善はみられるものの、現在、モバイル電子機器に求められているサイクル特性、負荷特性等の改善を実現することができなかった。
特開平2−265167号公報
本発明の目的は、より一層厳しい使用環境下においても優れた電池特性を有する非水電解質二次電池用正極副活物質、非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法を提供することにある。即ち、優れた電池特性、特に過放電特性、サイクル特性、負荷特性等に優れる非水電解質二次電池用正極副活物質、非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(14)を提供する。
(1)少なくともスピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解質二次電池用正極副活物質であって、
前記リチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有し、かつ、
前記リチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する、非水電解質二次電池用正極副活物質。
(2)少なくともスピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解質二次電池用正極副活物質であって、
前記リチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在する硫黄の濃度は、前記リチウム遷移金属複合酸化物の内部に存在する硫黄の濃度より大きく、かつ、
前記リチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する、非水電解質二次電池用正極副活物質。
(3)第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物を有する副活物質とを有する非水電解質二次電池用正極活物質であって、
前記副活物質は、前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有し、かつ、
前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する、非水電解質二次電池用正極活物質。
(4)第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物を有する副活物質とを有する非水電解質二次電池用正極活物質であって、
前記副活物質は、前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在する硫黄の濃度が、前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の内部に存在する硫黄の濃度より大きく、かつ、
前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する、非水電解質二次電池用正極活物質。
(5)前記第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムが存在する3bサイトと、遷移金属もしくは遷移金属およびリチウムが存在する3aサイトと、酸素が存在する6cサイトからなる上記(3)または(4)に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
(6)前記第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムが存在する8aサイトと、遷移金属が存在する16dサイトと、酸素が存在する32eサイトからなる上記(3)または(4)に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
(7)前記第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物およびリチウムマンガン複合酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(3)または(4)に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
(8)第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物を有する副活物質とを有する非水電解質二次電池用正極活物質を有する正極と、
リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる負極活物質と負極集電体とを有する負極と、を具備する非水電解質二次電池であって、以下の関係式を満たし、前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有する、非水電解質二次電池。
第2のリチウム遷移金属複合酸化物の初回充電前電位(vsLi/Li)<負極集電体の酸化電位(vsLi/Li)<第1のリチウム遷移金属複合酸化物の初回充電前電位(vsLi/Li
(9)第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物を有する副活物質とを有する非水電解質二次電池用正極活物質を有する正極と、
リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる負極活物質と負極集電体とを有する負極と、
前記正極と前記負極の間に存在するセパレータと、
前記正極、前記負極およびセパレータを浸し漬ける電解質と、を具備する非水電解質二次電池であって、
前記非水電解質二次電池の電池電圧を0Vにしたとき、前記電解質に存在する前記負極集電体の元素の濃度が0〜20ppmであり、
前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有する、非水電解質二次電池。
(10)第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有し、かつ、前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する副活物質とを有する正極活物質を帯状正極集電体の少なくとも片面に形成させることにより帯状正極を製造する工程と、
リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる負極活物質を帯状負極集電体の少なくとも片面に形成させることにより帯状負極を製造する工程と、
前記帯状正極と前記帯状負極とを帯状セパレータを介して積層した状態で複数回巻回させて、前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成する工程と、を有する非水電解質二次電池の製造方法。
(11)第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在する硫黄の濃度が、前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の内部に存在する硫黄の濃度より大きく、かつ、前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する副活物質とを有する正極活物質を帯状正極集電体の少なくとも片面に形成させることにより帯状正極を製造する工程と、
リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる負極活物質を帯状負極集電体の少なくとも片面に形成させることにより帯状負極を製造する工程と、
前記帯状正極と前記帯状負極とを帯状セパレータを介して積層した状態で複数回巻回させて、前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成する工程と、を有する非水電解質二次電池の製造方法。
一般に、非水電解質二次電池は、過放電防止用の保護回路を有しない場合、過放電により電池電圧が0V付近まで低下すると、負極の電位が上昇し、負極集電体(例えばCu、Ni等)が析出するため、電池特性が著しく劣化する。
これに対し、本発明においては、正極副活物質として、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する正極副活物質を用いるので、8aサイトに存在するリチウムに加えて、16cサイトに存在するリチウムも、負極に供給されることとなる。したがって、16cサイトにリチウムが存在しない場合に比べて、多量のリチウムを供給することができる。よって、負極でリテンションが生じても、正極と負極の充放電効率のバランスを維持することができ、過放電時に負極の電位が上昇するのを抑制することができる。
図1において、充電後、放電すると、本発明例の負極の電位は従来例と同様に矢印cの経路で上昇するが、正極の電位は矢印eの経路で下降する。これは、従来例と比べて、正極の16cサイトにリチウムイオンが存在するためである。したがって、過放電が起こると点Bで正極と負極の電位が等しくなる。ここで、点Bの電位が、負極集電体として用いられるCuが溶出する電位より低いため、Cuの溶出が抑制されるのである。即ち、本発明の正極副活物質を用いた非水電解質二次電池は、過放電特性に優れる。
なお、図1を使用して集電体がCuの場合について説明しているが、集電体がCuの場合に限定されない。
しかしながら、16cサイトにリチウムが存在し、8aサイトに存在するリチウムに加えて16cサイトに存在するリチウムが負極のリテンション分として負極に供給されるだけでは、過放電時に負極の電位が上昇するのを抑制できるものの、正極副活物質のサイクル特性および負荷特性を向上させることは難しい。
そこで、本発明では、上記に加えて、リチウム遷移金属複合酸化物が、少なくとも表面に硫酸根を有するようにする。硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在することにより、リチウム遷移金属複合酸化物の周りの電子の移動抵抗が極めて小さくなり、その結果、電子の通りやすさが向上し、サイクル特性および負荷特性が向上するものと考えられる。したがって、過放電特性の向上を損なうことなく、サイクル特性および負荷特性を向上させることができる。
また、本発明では、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在することに加えて、リチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在する硫黄の濃度が、リチウム遷移金属複合酸化物の内部に存在する硫黄の濃度より大きくするようにする。リチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在する硫黄の濃度が、リチウム遷移金属複合酸化物の内部に存在する硫黄の濃度より大きいことで、リチウム遷移金属複合酸化物表面の電子の移動抵抗が極めて小さくなり、その結果、電子の通りやすさが向上し、サイクル特性および負荷特性が向上するものと考えられる。したがって、過放電特性の向上を損なうことなく、サイクル特性および負荷特性を向上させることができる。
第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物を有する副活物質とを有する正極活物質であって、副活物質は、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有し、かつ、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する、正極活物質であることで、過放電特性、サイクル特性および負荷特性が向上した正極活物質となる。
第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物を有する副活物質とを有する正極活物質であって、副活物質は、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在する硫黄の濃度が、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の内部に存在する硫黄の濃度より大きく、かつ、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する、正極活物質であることで、過放電特性、サイクル特性および負荷特性が向上した正極活物質となる。
前記第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムが存在する3bサイトと、遷移金属もしくは遷移金属およびリチウムが存在する3aサイトと、酸素が存在する6cサイトからなる上記(3)または(4)に記載の正極活物質であることで、さらにエネルギー密度の向上した正極活物質となる。
前記第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムが存在する8aサイトと、遷移金属が存在する16dサイトと、酸素が存在する32eサイトからなる上記(3)または(4)に記載の正極活物質であることで、過放電特性、サイクル特性および負荷特性だけでなく出力特性にも優れた正極活物質となる。
前記第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムコバルト複合酸化物および/またはリチウムニッケル複合酸化物である上記(3)または(4)に記載の正極活物質であることで、さらにエネルギー密度の向上した正極活物質となる。
前記第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムマンガン複合酸化物である上記(3)または(4)に記載の正極活物質であることで、過放電特性、サイクル特性および負荷特性だけでなく出力特性にも優れた正極活物質となる。
第1のリチウム遷移金属複合酸化物の初回充電前電位は負極集電体の酸化電位より高く、かつ、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の初回充電前電位は、負極集電体の酸化電位より低くすることで、充電時に主活物質および副活物質の両方からリチウムが負極に供給されることになる。したがって、負極に供給されるリチウムの量は、主活物質のリチウム量よりも過剰になる。よって、負極でリテンションが生じても、正極と負極の充放電効率のバランスを維持することができ、過放電時に負極の電位が上昇するのを抑制することができる。
しかしながら、第1のリチウム遷移金属複合酸化物の初回充電前電位は負極集電体の酸化電位より高く、かつ、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の初回充電前電位は、負極集電体の酸化電位より低くするだけでは、過放電時に負極の電位が上昇するのを抑制できるものの、非水電解質二次電池のサイクル特性および負荷特性を向上させることは難しい。
そこで、本発明では、上記に加えて、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有するようにする。硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在することにより、リチウム遷移金属複合酸化物の周りの電子の移動抵抗が極めて小さくなり、その結果、電子の通りやすさが向上し、サイクル特性および負荷特性が向上するものと考えられる。したがって、過放電特性の向上を損なうことなく、サイクル特性および負荷特性を向上させることができる。
非水電解質二次電池の電池電圧を0Vにしたとき、電解質に存在する負極集電体の元素の濃度を0〜20ppmとすることで、負極でリテンションが生じても、正極と負極の充放電効率のバランスを維持することができ、過放電時に負極の電位が上昇するのを抑制することができる。
しかしながら、非水電解質二次電池の電池電圧を0Vにしたとき、電解質に存在する負極集電体の元素の濃度を0〜20ppmとするだけでは、過放電時に負極の電位が上昇するのを抑制できるものの、非水電解質二次電池のサイクル特性および負荷特性を向上させることは難しい。
そこで、本発明では、上記に加えて、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有するようにする。硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在することにより、リチウム遷移金属複合酸化物の周りの電子の移動抵抗が極めて小さくなり、その結果、電子の通りやすさが向上し、サイクル特性および負荷特性が向上するものと考えられる。したがって、過放電特性の向上を損なうことなく、サイクル特性および負荷特性を向上させることができる。
第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有し、かつ、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する副活物質とを有する正極活物質を帯状正極集電体の少なくとも片面に形成させることにより帯状正極を製造する工程と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる負極活物質を帯状負極集電体の少なくとも片面に形成させることにより帯状負極を製造する工程と、帯状正極と帯状負極とを帯状セパレータを介して積層した状態で複数回巻回させて、帯状正極と帯状負極との間に帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成する工程と、を有する非水電解質二次電池の製造方法を使用することで、過放電特性、サイクル特性および負荷特性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。また、この製造方法は、製造工程が簡単であるとともに、正極活物質層および負極活物質層の割れや、帯状セパレータからの剥離を生じ難くすることができる。
第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在する硫黄の濃度が、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の内部に存在する硫黄の濃度より大きく、かつ、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する副活物質とを有する正極活物質を帯状正極集電体の少なくとも片面に形成させることにより帯状正極を製造する工程と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる負極活物質を帯状負極集電体の少なくとも片面に形成させることにより帯状負極を製造する工程と、帯状正極と帯状負極とを帯状セパレータを介して積層した状態で複数回巻回させて、帯状正極と帯状負極との間に帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成する工程と、を有する非水電解質二次電池の製造方法を使用することで、過放電特性、サイクル特性および負荷特性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。また、この製造方法は、製造工程が簡単であるとともに、正極活物質層および負極活物質層の割れや、帯状セパレータからの剥離を生じ難くすることができる。
以下、本発明に係る非水電解質二次電池用正極副活物質、非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法を具体的に説明する。初めに、本発明の正極副活物質について説明する。
本発明の正極副活物質は、少なくともスピネル構造(スピネル型の結晶構造)のリチウム遷移金属複合酸化物を有する。「スピネル構造」とは、複酸化物でAB型の化合物(AとBは金属元素)にみられる代表的結晶構造型の一つである。
図2は、スピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造を示す模式図である。図2において、リチウム原子1は8aサイトの四面体サイト16cサイトを占有し、酸素原子2は32eサイトを占有し、遷移金属原子3は16dサイトの八面体サイトを占有している。
スピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物としては、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムチタン複合酸化物、リチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物、リチウム・マンガン・コバルト複合酸化物等が挙げられる。中でも、リチウムマンガン複合酸化物が好ましい。
本発明の正極副活物質に用いられるリチウム遷移金属複合酸化物は、その結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する。16cサイトにリチウムが存在するため、8aサイトに存在するリチウムに加えて、16cサイトに存在するリチウムが、特に1回目の充電時に負極のリテンション分として負極に供給され、これにより、過放電により負極の電位が上昇し、負極集電体が溶出するのを防ぐことができる。
本発明において、リチウム遷移金属複合酸化物の16cサイトにリチウムが存在することを解析する方法としては、例えば、リートベルト解析法を用いることができる。
リチウムは、どのような状態で存在していてもよい。リチウム原子の状態で存在していても、リチウムイオンの状態で存在していてもよい。
本発明の正極副活物質においては、リチウム遷移金属複合酸化物の形態は、特に限定されない。リチウム遷移金属複合酸化物の形態としては、粒子、膜等が挙げられる。
本発明においては、リチウム遷移金属複合酸化物が粒子の形態であることが好ましい。リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に硫酸根を有することで、粒子の周りの電子の移動抵抗が極めて小さくなり、その結果、さらに電子の通りやすさが向上し、さらにサイクル特性および負荷特性が向上するものと考えられる。したがって、過放電特性の向上を損なうことなく、さらにサイクル特性および負荷特性を向上させることができる。
また、本発明においては、リチウム遷移金属複合酸化物が、一次粒子およびその凝集体である二次粒子の一方または両方からなる粒子の形態で存在してもよい。即ち、リチウム遷移金属複合酸化物は、粒子の形態で存在し、その粒子は、一次粒子のみからなっていてもよく、一次粒子の凝集体である二次粒子のみからなっていてもよく、一次粒子と二次粒子の両者からなっていてもよい。
本発明の正極副活物質においては、リチウム遷移金属の好適な態様として、以下の(i)〜(viii)が挙げられる。
(i)リチウム遷移金属複合酸化物が、アルミニウムおよび/またはマグネシウムとを有し、16cサイトにリチウムが存在するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
アルミニウムおよび/またはマグネシウムを含有すると、不均化反応を抑制するため、過放電特性および負荷特性を損なわずに、さらにサイクル特性が優れたものになる。
態様(i)においては、リチウムマンガン複合酸化物のLi、MnおよびOの組成比を一般式Li1+a+bMn2−b4+hで表したときに、aは16cサイトに存在するリチウムの組成比を表し、bは16dサイトに存在するリチウムの組成比を表し、aが0<a<1.0を満たす数を表し、bは−0.2≦b≦0.2を満たす数を表し、hが−0.5≦h≦0.5を満たす数を表すのが好ましい。後述する態様(ii)、態様(iv)、態様(vi)および態様(viii)においても同様である。
bは、0より大きいのが好ましく、また、0.15以下であるのが好ましい。化学量論比よりも過剰量のリチウムと、アルミニウムおよび/またはマグネシウムとの相乗効果によって、更に、不均化反応が抑制され、更に、サイクル特性が向上すると考えられる。
(ii)リチウム遷移金属複合酸化物が、アルミニウムおよび/またはマグネシウムと、ホウ素とを有し、16cサイトにリチウムが存在するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
ホウ素はフラックスとして作用し、結晶成長を促進させ、更に、サイクル特性および保存特性を向上させる。
(iii)リチウム遷移金属複合酸化物が、一般式Li1+a+bMn2−b−c4+h(Mはアルミニウムおよび/またはマグネシウムを表し、aは16cサイトに存在するリチウムの組成比を表し、bは16dサイトに存在するリチウムの組成比を表し、aは0<a<1.0を満たす数を表し、bは−0.2≦b≦0.2を満たす数を表し、cは0≦c≦0.2を満たす数を表し、fは0≦f≦0.02を満たす数を表し、hは−0.5≦h≦0.5を満たす数を表す。)で表される態様。
態様(iii)は、過放電特性、負荷特性、サイクル特性、保存特性および充放電容量に優れる。
態様(iii)において、bは、0より大きいのが好ましい。リチウムでマンガンの一部を置換することにより、サイクル特性が向上すると考えられる。
態様(iii)において、cは、0より大きいのが好ましく、0.05以上であるのがより好ましい。アルミニウムおよび/またはマグネシウムを含有すると、結晶構造が安定化するため、過放電特性を損なわずに、サイクル特性が優れたものになり、かつ、高温充電保存時における電池の膨れを更に抑制することができる。cは0.15以下であるのが好ましい。cが大きすぎると、放電容量が低下する。
態様(iii)において、fは、0より大きいのが好ましく、0.001以上であるのがより好ましい。ホウ素はフラックスとして作用し、結晶成長を促進させ、更に、サイクル特性および保存特性を向上させる。fは0.01以下であるのが好ましい。fが大きすぎると、サイクル特性が低下する。
(iv)リチウム遷移金属複合酸化物が、アルミニウムおよび/またはマグネシウムと、ホウ素と、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種とを有し、16cサイトにリチウムが存在するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を有することで、リチウムマンガン複合酸化物粒子の単位格子の格子定数は上昇し、粒子内のリチウムイオンの易動度は上昇しインピーダンスを低減することができると考えられる。このため過放電特性、サイクル特性および負荷特性を損なわずに、出力特性がさらに向上すると考えられる。
態様(iv)において、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種以外の元素を有する理由は、態様(i)〜(iii)と同様である。
(v)リチウム遷移金属複合酸化物が、一般式Li1+a+bMn2−b−c4+h(Mはアルミニウムおよび/またはマグネシウムを表し、Dはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、aは16cサイトに存在するリチウムの組成比を表し、bは16dサイトに存在するリチウムの組成比を表し、aは0<a<1.0を満たす数を表し、bは−0.2≦b≦0.2を満たす数を表し、cは0≦c≦0.2を満たす数を表し、dは0≦d≦0.1を満たす数を表し、fは0≦f≦0.02を満たす数を表し、hは−0.5≦h≦0.5を満たす数を表す。)で表される態様。
態様(v)において、dは、0より大きいのが好ましい。態様(iv)の場合と同様の理由による。
また、dは0.01以上であるのがより好ましく、0.03以上であるのがさらに好ましく、0.08以下であるのがより好ましく、0.05以下であるのがさらに好ましい。この範囲のとき、リチウムイオンの易動度が上昇することにより、インピーダンスが低減すると考えられる。dが大きすぎると、電池特性がほとんど変化せず好ましくない。
その他の点については、態様(iv)の場合と同様である。
(vi)リチウム遷移金属複合酸化物が、アルミニウムおよび/またはマグネシウムと、ホウ素と、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種とを有し、16cサイトにリチウムが存在するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
ハロゲン元素はリチウムマンガン複合酸化物の粉末を球状で粒度の揃った粉末にする効果がある。これにより、過放電特性、サイクル特性および負荷特性を損なうことなく、表面の平滑性に優れ、内部抵抗が低く、かつ、結着性に優れる正極塗布面を形成させることができる。ハロゲン元素としては、フッ素および/または塩素が好ましい。
(vii)リチウム遷移金属複合酸化物が、一般式Li1+a+bMn2−b−c・Li(Mはアルミニウムおよび/またはマグネシウムを表し、Xはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、aは16cサイトに存在するリチウムの組成比を表し、bは16dサイトに存在するリチウムの組成比を表し、aは0<a<1.0を満たす数を表し、bは−0.1≦b≦0.1を満たす数を表し、cは0<c≦0.2を満たす数を表し、qは0≦q≦0.1を満たす数を表し、rは0<r≦0.05を満たす数を表し、sは0<s≦0.02を満たす数を表し、tは0≦t<0.1を満たす数を表す。)で表される態様。
態様(vii)においては、リチウム遷移金属複合酸化物が、Li1+a+bMn2−b−cで表される立方晶スピネル型リチウムマンガン複合酸化物と、Liで表される、1種類以上の化合物からなる不純物相とで構成されるのが好ましい。
態様(vii)において、bは、0.02以上であるのが好ましく、また、0.08以下であるのが好ましい。態様(iii)の場合と同様の理由による。
態様(vii)において、Xは、フッ素および/または塩素であるのが好ましい。rは、0.01以上であるのが好ましく、また、0.03以下であるのが好ましい。態様(vi)の場合と同様の理由による。
態様(vii)において、sは0.001以上であるのが好ましく、また、0.01以下であるのが好ましい。態様(iii)の場合と同様の理由による。
(viii)リチウム遷移金属複合酸化物が、アルミニウムおよび/またはマグネシウムと、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ホウ素と、硫黄と、ナトリウムおよび/またはカルシウムとを有し、16cサイトにリチウムが存在するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
態様(viii)においては、ナトリウムおよび/またはカルシウムを含有することにより、ホウ素との相乗効果により、マンガンイオンの溶出をさらに抑制することができ、実用レベルの優れたサイクル特性を実現することができる。
態様(viii)において、ナトリウムおよび/またはカルシウム以外の元素を含有する理由は、態様(i)〜(vii)と同様である。
(ix)リチウム遷移金属複合酸化物が、一般式Li1+a+bMn2−b−c4+h(Mはアルミニウムおよび/またはマグネシウムを表し、Dはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Xはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Aはナトリウムおよび/またはカルシウムを表し、aは16cサイトに存在するリチウムの組成比を表し、bは16dサイトに存在するリチウムの組成比を表し、aは0<a<1.0を満たす数を表し、bは−0.2≦b≦0.2を満たす数を表し、cは0≦c≦0.2を満たす数を表し、dは0≦d≦0.1を満たす数を表し、eは0≦e≦0.05を満たす数を表し、fは0≦f≦0.02を満たす数を表し、hは−0.5≦h≦0.5を満たす数を表し、iは0≦i≦0.018を満たす数を表す。)で表される態様。
態様(ix)が好ましい理由は、態様(viii)と同様である。
態様(ix)において、iは、0.00004以上であるのが好ましく、また、0.015以下であるのが好ましい。
その他の点については、態様(viii)の場合と同様である。
リチウム遷移金属複合酸化物は、鉄の含有量が25ppm以下であるのが好ましく、20ppm以下であるのがより好ましく、18ppm以下であるのが更に好ましい。鉄の含有量が多すぎると、電池の内部短絡が起こる確率が高くなる場合がある。
本発明の正極副活物質を用いて高電圧電池(例えば、リチウム遷移金属複合酸化物としてLiMn1.5Ni0.5(0<x≦2.0)を用いた電池)とした場合、従来の高電圧電池において問題であった充電時における電解質の分解が抑制され、その結果、更に、サイクル特性が向上する。電解質の分解反応は、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子と電解質との界面において、リチウム遷移金属複合酸化物が触媒として起こると考えられているが、電解質を分解させる働きのない硫酸根でリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面の全部または一部が被覆されることにより、電解質と触媒との接触面積が減り、上記反応が抑制されると考えられる。
本発明において、硫酸根はリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面にどのような形で存在していても本発明の効果を発揮する。例えば、硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の全体を被覆している場合であっても、硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の一部を被覆している場合であっても、充放電特性、サイクル特性および負荷特性が向上する。
また、硫酸根は、少なくともリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在していればよい。したがって、硫酸根の一部がリチウム遷移金属複合酸化物の内部に存在していてもよい。
硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在しているかどうかは、種々の方法によって解析することができる。例えば、オージェ電子分光法(AES:Auger Electron Spectroscopy)、X線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)で解析することができる。
また、硫酸根の定量としては、種々の方法を用いることができる。例えば、誘導結合高周波プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)分光分析法、滴定法で定量することができる。
硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に存在しているかどうかについても、種々の方法によって解析することができる。例えば、オージェ電子分光法(AES:Auger Electron Spectroscopy)、X線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)で解析することができる。
本発明においては、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面および内部に存在する硫酸根の量が、リチウム遷移金属複合酸化物と硫酸根の合計に対して、0.03〜1重量%であるのが好ましい。硫酸根の量が0.16重量%以上、好ましくは0.2重量%以上であると、サイクル特性および負荷特性の両者がさらに優れたものとなり、また、熱安定性も優れたものとなる。硫酸根の量が0.6重量%以下、好ましくは0.3重量%以下であると、初期容量が優れたものとなる。硫酸根の量が0.03重量%より少ないと、電子の移動抵抗が低減しにくい場合がある。1重量%より多いと、水分吸着により高温充電保存時における電池の膨れが生じる場合がある。
本発明に用いられる硫酸根は、硫酸イオン、硫酸イオンからその電荷を除いた原子の集団およびスルホ基を含む。アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩、遷移金属の硫酸塩、有機硫酸塩ならびに有機スルホン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましい。
中でも、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましく、アルカリ金属の硫酸塩に基づくのがより好ましい。これらは、強酸強塩基の結合からなるため、化学的に安定だからである。
具体的には、無機化合物として、例えば、硫酸鉄、硫酸コバルト、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸リチウム、および、硫酸カリウムが挙げられる。中でも、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、および、硫酸カルシウムが好ましく、硫酸リチウム、および、硫酸ナトリウムがより好ましい。
また、有機化合物として、例えば、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸、1−ナフチルアミン−2−スルホン酸、1−ナフチルアミン−2,6−ジスルホン酸が挙げられる。
これらの硫酸塩は、無水物であってもよく、水和物であってもよい。
本発明において、粒子の表面および内部に存在する硫黄の濃度は、種々の方法によって解析することができる。例えば、オージェ電子分光法(AES:Auger Electron Spectroscopy)で解析することができる。
また例えば、オージェ電子分光法、誘導結合高周波プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)分光分析法、滴定法を組み合わせることで定量することができる。
本発明において、硫黄はどのような形で存在してもよい。例えば、硫酸根の形で存在していてもよい。
本発明の正極副活物質においては、比表面積が0.2〜1.5m/gであるのが好ましい。比表面積は、0.25m/g以上であるのがより好ましく、また、1.3m/g以下であるのがより好ましく、1.15m/g以下であるのがさらに好ましい。比表面積が小さすぎると、放電容量が低下する。比表面積が大きすぎると、高温サイクル特性が優れたものにならない。
比表面積は、窒素ガス吸着法により測定することができる。
本発明の正極副活物質は、製造方法を特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(4)のようにして製造することができる。
(1)原料混合物の作製
後述する化合物を各構成元素が所定の組成比となるように混合して、原料混合物を得る。原料混合物に用いられる化合物は、目的とする組成を構成する元素に応じて選択される。
混合の方法は、特に限定されず、例えば、粉末状の化合物をそのまま混合して原料混合物とする方法;水および/または有機溶媒を用いてスラリー状として混合した後、乾燥させて原料混合物とする方法;上述した化合物の水溶液を混合して沈降させ、得られた沈殿物を乾燥させて原料混合物とする方法;これらを併用する方法が挙げられる。
以下に、原料混合物に用いられる化合物を例示する。
リチウム化合物は、特に限定されないが、例えば、LiCO、LiOH、LiOH・HO、LiO、LiCl、LiNO、LiSO、LiHCO、Li(CHCOO)、フッ化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過酸化リチウムが挙げられる。中でも、LiCO、LiOH、LiOH・HO、LiO、LiCl、LiNO、LiSO、LiHCO、Li(CHCOO)が好ましい。
マンガン化合物は、特に限定されないが、例えば、マンガンメタル、酸化物(例えば、MnO、Mn、Mn)、水酸化物、硝酸塩、炭酸塩(MnCO)、塩化物塩、ヨウ化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガンが挙げられる。中でも、マンガンメタル、MnCO、MnSO、MnClが好ましい。
マグネシウム化合物は、特に限定されないが、例えば、MgO、MgCO、Mg(OH)、MgCl、MgSO、Mg(NO、Mg(CHCOO)、ヨウ化マグネシウム、過塩素酸マグネシウムが挙げられる。中でも、MgSO、Mg(NOが好ましい。
ホウ素化合物は、特に限定されないが、例えば、B(融点460℃)、HBO(分解温度173℃)、リチウムホウ素複合酸化物、オルトホウ酸、酸化ホウ素、リン酸ホウ素等が挙げられる。中でも、HBO、Bが好ましい。
フッ素化合物は、特に限定されないが、例えば、NHF、LiF、LiCl、LiBr、MnF、フッ化水素、フッ化酸素、フッ化水素酸、フッ化酸化塩素、フルオロ硫酸臭素が挙げられる。中でも、NHF、LiF、MnFが好ましい。
チタン化合物は、特に限定されないが、例えばフッ化チタン、塩化チタン、臭化チタン、ヨウ化チタン、酸化チタン、硫化チタン、硫酸チタン等が挙げられる。中でもTiO、TiO、Ti、TiCl、Ti(SOが好ましい。
ジルコニウム化合物は、特に限定されないが、例えば、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ヨウ化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム等が挙げられる。中でもZrF、ZrCl、ZrCl、ZrBr、ZrI、ZrO、ZrO、ZrS、Zr(OH)等が好ましい。
ハフニウム化合物は、特に限定されないが、例えば、フッ化ハフニウム、塩化ハフニウム、臭化ハフニウム、ヨウ化ハフニウム、酸化ハフニウム、炭酸ハフニウム等が挙げられる。中でもHfF、HfCl、HfBr、HfO、Hf(OH)、HfS等が好ましい。
ナトリウム化合物は、特に限定されないが、例えば、NaCO、NaOH、NaO、NaCl、NaNO、NaSO、NaHCO、CHCONaが挙げられる。
カルシウム化合物は、特に限定されないが、例えば、CaO、CaCO、Ca(OH)、CaCl、CaSO、Ca(NO、Ca(CHCOO)が挙げられる。
また、上述した各元素の2種以上を含有する化合物を用いてもよい。
以下に、原料混合物を得る好適な方法を、マグネシウムとホウ素とを有するリチウムマンガン複合酸化物である正極副活物質を例に挙げて、具体的に説明する。
上述したマンガン化合物およびマグネシウム化合物から調製した、所定の組成比のマンガンイオンおよびマグネシウムイオンを含有する水溶液を、かくはんしている純水中に滴下する。
ついで、炭酸水素アンモニウム水溶液を滴下し、マンガンおよびマグネシウムを沈殿させ、マンガンおよびマグネシウムの塩を得る。なお、炭酸水素アンモニウム水溶液の代わりに、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ溶液を用いることもできる。
つぎに、水溶液をろ過して沈殿物を採取し、採取した沈殿物を水洗し、熱処理した後、上述したリチウム化合物、ホウ素化合物と混合して、原料混合物を得る。
(2)原料混合物の焼成および粉砕
ついで、原料混合物を焼成する。焼成の温度、時間、雰囲気等は、特に限定されず、目的に応じて適宜決定することができる。
焼成温度は、650℃以上であるのが好ましく、700℃以上であるのがより好ましい。焼成温度が低すぎると、未反応の原料が正極活物質に残留し、正極活物質の本来の特徴を生かせない場合がある。また、焼成温度は、1100℃以下であるのが好ましく、950℃以下であるのがより好ましい。焼成温度が高すぎると、正極活物質の粒径が大きくなり過ぎて電池特性が低下する場合がある。また、LiMnO、LiMnO等の副生成物が生成しやすくなり、単位重量あたりの放電容量の低下、サイクル特性の低下、動作電圧の低下を招く場合がある。
焼成時間は、一般に、1〜24時間であるのが好ましく、6〜12時間であるのがより好ましい。焼成時間が短すぎると、原料粒子間の拡散反応が進行しない。焼成時間が長すぎると、拡散反応がほぼ完了した後の焼成が無駄となり、また、焼結による粗大粒子が形成されてしまう場合がある。
焼成は、複数の焼成工程に分けてもよい。例えば第一の焼成工程を350〜550℃で、1〜24時間行い、第二の焼成工程を650〜1000℃で、1〜24時間行うことができる。
焼成の雰囲気は、例えば、大気、酸素ガス、これらと窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスとの混合ガス、酸素濃度(酸素分圧)を制御した雰囲気、弱酸化雰囲気が挙げられる。中でも、酸素濃度を制御した雰囲気が好ましい。
焼成後、所望により、らいかい乳鉢、ボールミル、振動ミル、ピンミル、ジェットミル等を用いて粉砕し、目的とする粒度の粉体とすることもできる。このように、焼成後粉砕することによって、比表面積を上述した好適範囲とすることができる。
(3)硫酸根を含有する化合物の添加
本発明においては、上記で得られた焼成物またはその粉砕物に、硫酸根を含有する化合物を添加するのが好ましい。この方法によれば、簡単に粒子の表面に硫酸根を存在させることができる。硫酸根を含有する化合物の添加は、市販の混合機を使用して行うことができる。
また上記の原料混合物の作製の段階で、硫酸根を含有する化合物を使用してもよい。
(4)有機処理
得られたリチウム遷移金属複合酸化物をリチウムを含有する有機溶液と反応させる。その後、反応させて得られた溶液をろ過し、乾燥させて、本発明の正極副活物質が得られる。
乾燥は、空気中、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気および真空状態のいずれで行ってもよい。
本発明の正極副活物質は、後述する本発明の正極活物質に好適に用いられる。
つぎに、本発明の正極活物質について説明する。
本発明の正極活物質は、第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、第2のリチウム遷移金属複合酸化物を有する副活物質とを有する。
本発明の正極活物質の主活物質に用いられる第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、特に限定されない。
第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムが存在する3bサイトと、遷移金属もしくは遷移金属およびリチウムが存在する6cサイトと、酸素が存在する6cサイトからなることが好ましい。この構成の第1のリチウム遷移金属複合酸化物とすることで、過放電特性、サイクル特性および負荷特性の向上を損なうことなく、高充放電容量で、高エネルギー密度の正極活物質となる。
第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、少なくとも層状構造(層状の結晶構造)のリチウム遷移金属複合酸化物であることが好ましい。層状構造とは、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造が層状であることを意味する。層状構造は、特に限定されず、例えば、層状岩塩構造、ジグザグ層状岩塩構造が挙げられる。中でも、層状岩塩構造が好ましい。
図7は、層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造を示す模式図である。図7において、リチウム原子9は3bサイトを占有し、酸素原子8は6cサイトを占有し、遷移金属原子7は3aサイトを占有している。
第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムが存在する8aサイトと、遷移金属が存在する16dサイトと、酸素が存在する32eサイトからなることが好ましい。この構成の第1のリチウム遷移金属複合酸化物とすることで、過放電特性、サイクル特性および負荷特性の向上を損なうことなく、出力特性に優れた正極活物質となる。
第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、少なくともスピネル構造(スピネル型の結晶構造)のリチウム遷移金属複合酸化物を有することが好ましい。「スピネル構造」とは、複酸化物でAB型の化合物(AとBは金属元素)にみられる代表的結晶構造型の一つである。
図8は、スピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造を示す模式図である。図8において、リチウム原子1は8aサイトの四面体サイト16cサイトを占有し、酸素原子2は32eサイトを占有し、遷移金属原子3は16dサイトの八面体サイトを占有している。
第1のリチウム遷移金属複合酸化物としては、1種類のリチウム遷移金属複合酸化物に限定されない。
本発明の正極活物質において、第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムおよびニッケルコバルトアルミン酸リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
これにより、過放電特性、サイクル特性、負荷特性の向上だけでなく、更に充放電容量が上昇し、出力特性にも優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、2種以上の組み合わせからなる場合、コバルト酸リチウムとマンガン酸リチウム、コバルト酸リチウムとニッケルコバルトマンガン酸リチウム、コバルト酸リチウムとニッケルコバルトアルミン酸リチウム、マンガン酸リチウムとニッケルコバルトマンガン酸リチウム、マンガン酸リチウムとニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムとニッケルコバルトアルミン酸リチウムからなる群から選ばれる1種であるのが好ましい。
コバルト酸リチウムとしては、一般式Li1+xCoO(xは−0.5≦x≦0.5を満たす数を表す。)で表されるコバルト酸リチウムが好ましい。このコバルト酸リチウムは、その一部がマグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデンおよびスズからなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。
マンガン酸リチウムとしては、一般式LiMn3−a4+f(aは0.8≦a≦1.2を満たす数を表し、fは−0.5≦f≦0.5を満たす数を表す。)で表されるマンガン酸リチウムが好ましい。このマンガン酸リチウムは、その一部がマグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデンおよびスズからなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。
ニッケル酸リチウムとしては、一般式Li1+xNiO(xは−0.5≦x≦0.5を満たす数を表す。)で表されるニッケル酸リチウムが好ましい。このニッケル酸リチウムは、その一部がマグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデンおよびスズからなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。
リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物としては、一般式LiNiCo(1−y−z)(XはAlまたはMnを表し、xは0.95≦x≦1.10を満たす数を表し、yは0.1≦y≦0.9を満たす数を表し、zは0.1≦z≦0.9を満たす数を表し、wは1.8≦w≦2.2を満たす数を表す。)で表されるリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物が好ましい。このリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物は、その一部がマグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデンおよびスズからなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。
本発明の正極活物質において、第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、マンガン酸リチウムの量をAとし、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムおよびリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の量をBとした場合に0.2≦B/(A+B)≦0.8の範囲になるように混合するのが好ましい。
これにより、過放電特性、サイクル特性および負荷特性の向上だけでなく、さらに出力特性が向上した正極活物質を得ることができる。
特に、0.4≦B/(A+B)≦0.6の範囲になるように混合するのがより好ましい。この範囲であれば、負荷特性、出力特性の向上が著しいからである。
本発明の正極活物質において、第1のリチウム遷移金属複合酸化物であるマンガン酸リチウムは、16dサイトにリチウムが存在するのが好ましい。
第1のリチウム遷移金属複合酸化物の16dサイトにリチウムが存在することで、過放電特性、負荷特性の向上を損なうことなく、さらにサイクル特性が向上する。
リチウムは、どのような状態で存在していてもよい。リチウム原子の状態で存在していても、リチウムイオンの状態で存在していてもよい。
本発明の正極活物質に用いられる副活物質は、上述した本発明の正極副活物質である。
本発明の正極活物質における副活物質の量は、正極活物質の量に対して、1〜30重量%であるのが好ましい。副活物質の量は、3重量%以上であるのがより好ましく、また、15重量%以下であるのがより好ましい。副活物質の量が少なすぎると副活物質による効果が充分に発揮されず過放電時に負極集電体の溶出が起こる。副活物質の量が多すぎるとサイクル特性が劣化する。
本発明の正極活物質は、製造方法を特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(3)のようにして製造することができる。
(1)主活物質の作製
化合物を各構成元素が所定の組成比となるように混合して、原料混合物を得る。原料混合物に用いられる化合物は、目的とする組成を構成する元素に応じて選択される。
混合の方法は、特に限定されず、例えば、粉末状の化合物をそのまま混合して原料混合物とする方法;水および/または有機溶媒を用いてスラリー状として混合した後、乾燥させて原料混合物とする方法;上述した化合物の水溶液を混合して沈降させ、得られた沈殿物を乾燥させて原料混合物とする方法;これらを併用する方法が挙げられる。
ついで、原料混合物を焼成し、主活物質が得られる。焼成の温度、時間、雰囲気等は、特に限定されず、目的に応じて適宜決定することができる。
焼成後、所望により、らいかい乳鉢、ボールミル、振動ミル、ピンミル、ジェットミル等を用いて粉砕し、目的とする粒度の粉体とすることもできる。
(2)副活物質の作製
上述した本発明の正極副活物質の製造方法により、副活物質を得ることができる。
(3)主活物質と副活物質の混合
得られた主活物質と副活物質とを所定の重量比で混合し、本発明の正極活物質を得ることができる。
主活物質と副活物質の混合方法は特に限定されない。例えば、高速かくはん機で混合することができる。
本発明の正極活物質は、後述する本発明の非水電解質二次電池に好適に用いられる。
つぎに、本発明の非水電解質二次電池について説明する。
本発明の非水電解質二次電池に用いられる正極活物質は、第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物を有する副活物質とを有する。
また、本発明の非水電解質二次電池に用いられる副活物質は、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有する。
本発明の非水電解質二次電池に用いられる副活物質について説明する。
本発明の非水電解質二次電池においては、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の形態は、特に限定されない。第2のリチウム遷移金属複合酸化物の形態としては、粒子、膜等が挙げられる。
本発明の非水電解質二次電池においては、第2のリチウム遷移金属複合酸化物が粒子の形態であることが好ましい。第2のリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に硫酸根を有することで、粒子の周りの電子の移動抵抗が極めて小さくなり、その結果、さらに電子の通りやすさが向上し、さらにサイクル特性および負荷特性が向上するものと考えられる。したがって、過放電特性の向上を損なうことなく、さらにサイクル特性および負荷特性を向上させることができる。
また、本発明の非水電解質二次電池においては、第2のリチウム遷移金属複合酸化物が、一次粒子およびその凝集体である二次粒子の一方または両方からなる粒子の形態で存在してもよい。即ち、第2のリチウム遷移金属複合酸化物は、粒子の形態で存在し、その粒子は、一次粒子のみからなっていてもよく、一次粒子の凝集体である二次粒子のみからなっていてもよく、一次粒子と二次粒子の両者からなっていてもよい。
本発明の非水電解質二次電池においては、第2のリチウム遷移金属の好適な態様として、以下の(i)〜(viii)が挙げられる。
(i)第2のリチウム遷移金属複合酸化物が、アルミニウムおよび/またはマグネシウムとを有するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
アルミニウムおよび/またはマグネシウムを含有すると、結晶構造が安定化するため、過放電特性および負荷特性を損なわずに、さらにサイクル特性が優れたものになる。
態様(i)においては、リチウムマンガン複合酸化物のLi、MnおよびOの組成比を一般式Li1+bMn2−b4+hで表したときに、bは−0.2≦b≦1.2を満たす数を表し、hが−0.5≦h≦0.5を満たす数を表すのが好ましい。後述する態様(ii)、態様(iv)、態様(vi)および態様(viii)においても同様である。
(ii)第2のリチウム遷移金属複合酸化物が、アルミニウムおよび/またはマグネシウムと、ホウ素とを有するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
ホウ素はフラックスとして作用し、結晶成長を促進させ、更に、サイクル特性および保存特性を向上させる。
(iii)第2のリチウム遷移金属複合酸化物が、一般式Li1+bMn2−b−c4+h(Mはアルミニウムおよび/またはマグネシウムを表し、bは−0.2≦b≦1.2を満たす数を表し、cは0≦c≦0.2を満たす数を表し、fは0≦f≦0.02を満たす数を表し、hは−0.5≦h≦0.5を満たす数を表す。)で表される態様。
態様(iii)は、過放電特性、負荷特性、サイクル特性、保存特性および充放電容量に優れる。
態様(iii)において、cは、0より大きいのが好ましく、0.05以上であるのがより好ましい。アルミニウムおよび/またはマグネシウムを含有すると、結晶構造が安定化するため、過放電特性を損なわずに、サイクル特性が優れたものになり、かつ、高温充電保存時における電池の膨れを更に抑制することができる。cは0.15以下であるのが好ましい。cが大きすぎると、放電容量が低下する。
態様(iii)において、fは、0より大きいのが好ましく、0.001以上であるのがより好ましい。ホウ素はフラックスとして作用し、結晶成長を促進させ、更に、サイクル特性および保存特性を向上させる。fは0.01以下であるのが好ましい。fが大きすぎると、サイクル特性が低下する。
(iv)第2のリチウム遷移金属複合酸化物が、アルミニウムおよび/またはマグネシウムと、ホウ素と、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種とを有するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を有することで、リチウムマンガン複合酸化物粒子の単位格子の格子定数は上昇し、粒子内のリチウムイオンの易動度は上昇しインピーダンスを低減することができると考えられる。このため過放電特性、サイクル特性および負荷特性を損なわずに、出力特性がさらに向上すると考えられる。
態様(iv)において、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種以外の元素を有する理由は、態様(i)〜(iii)と同様である。
(v)第2のリチウム遷移金属複合酸化物が、一般式Li1+bMn2−b−c4+h(Mはアルミニウムおよび/またはマグネシウムを表し、Dはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、bは−0.2≦b≦1.2を満たす数を表し、cは0≦c≦0.2を満たす数を表し、dは0≦d≦0.1を満たす数を表し、fは0≦f≦0.02を満たす数を表し、hは−0.5≦h≦0.5を満たす数を表す。)で表される態様。
態様(v)において、dは、0より大きいのが好ましい。態様(iv)の場合と同様の理由による。
また、dは0.01以上であるのがより好ましく、0.03以上であるのがさらに好ましく、0.08以下であるのがより好ましく、0.05以下であるのがさらに好ましい。この範囲のとき、リチウムイオンの易動度が上昇することにより、インピーダンスが低減すると考えられる。dが大きすぎると、電池特性がほとんど変化せず好ましくない。
その他の点については、態様(iv)の場合と同様である。
(vi)第2のリチウム遷移金属複合酸化物が、アルミニウムおよび/またはマグネシウムと、ホウ素と、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種とを有するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
ハロゲン元素はリチウムマンガン複合酸化物の粉末を球状で粒度の揃った粉末にする効果がある。これにより、過放電特性、サイクル特性および負荷特性を損なうことなく、表面の平滑性に優れ、内部抵抗が低く、かつ、結着性に優れる正極塗布面を形成させることができる。ハロゲン元素としては、フッ素および/または塩素が好ましい。
(vii)第2のリチウム遷移金属複合酸化物が、一般式Li1+bMn2−b−c・Li(Mはアルミニウムおよび/またはマグネシウムを表し、Xはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、bは0<b≦1.1を満たす数を表し、cは0<c≦0.2を満たす数を表し、qは0≦q≦0.1を満たす数を表し、rは0<r≦0.05を満たす数を表し、sは0<s≦0.02を満たす数を表し、tは0≦t<0.1を満たす数を表す。)で表される態様。
態様(vii)においては、リチウム遷移金属複合酸化物が、Li1+bMn2−b−cで表される立方晶スピネル型リチウムマンガン複合酸化物と、Liで表される、1種類以上の化合物からなる不純物相とで構成されるのが好ましい。
態様(vii)において、Xは、フッ素および/または塩素であるのが好ましい。rは、0.01以上であるのが好ましく、また、0.03以下であるのが好ましい。態様(vi)の場合と同様の理由による。
態様(vii)において、sは0.001以上であるのが好ましく、また、0.01以下であるのが好ましい。態様(iii)の場合と同様の理由による。
(viii)第2のリチウム遷移金属複合酸化物が、アルミニウムおよび/またはマグネシウムと、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ホウ素と、硫黄と、ナトリウムおよび/またはカルシウムとを有するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
態様(viii)においては、ナトリウムおよび/またはカルシウムを含有することにより、ホウ素との相乗効果により、マンガンイオンの溶出をさらに抑制することができ、実用レベルの優れたサイクル特性を実現することができる。
態様(viii)において、ナトリウムおよび/またはカルシウム以外の元素を含有する理由は、態様(i)〜(vii)と同様である。
(ix)第2のリチウム遷移金属複合酸化物が、一般式Li1+bMn2−b−c4+h(Mはアルミニウムおよび/またはマグネシウムを表し、Dはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Xはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Aはナトリウムおよび/またはカルシウムを表し、bは−0.2≦b≦1.2を満たす数を表し、cは0≦c≦0.2を満たす数を表し、dは0≦d≦0.1を満たす数を表し、eは0≦e≦0.05を満たす数を表し、fは0≦f≦0.02を満たす数を表し、hは−0.5≦h≦0.5を満たす数を表し、iは0≦i≦0.018を満たす数を表す。)で表される態様。
態様(ix)が好ましい理由は、態様(viii)と同様である。
態様(ix)において、iは、0.00004以上であるのが好ましく、また、0.015以下であるのが好ましい。
その他の点については、態様(viii)の場合と同様である。
第2のリチウム遷移金属複合酸化物は、鉄の含有量が25ppm以下であるのが好ましく、20ppm以下であるのがより好ましく、18ppm以下であるのが更に好ましい。鉄の含有量が多すぎると、電池の内部短絡が起こる確率が高くなる場合がある。
本発明の非水電解質二次電池において、硫酸根は第2のリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面にどのような形で存在していても本発明の効果を発揮する。例えば、硫酸根が第2のリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の全体を被覆している場合であっても、硫酸根が第2のリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の一部を被覆している場合であっても、充放電特性、サイクル特性および負荷特性が向上する。
また、硫酸根は、少なくとも第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在していればよい。したがって、硫酸根の一部が第2のリチウム遷移金属複合酸化物の内部に存在していてもよい。
硫酸根が第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在しているかどうかは、種々の方法によって解析することができる。例えば、オージェ電子分光法(AES:Auger Electron Spectroscopy)、X線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)で解析することができる。
また、硫酸根の定量としては、種々の方法を用いることができる。例えば、誘導結合高周波プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)分光分析法、滴定法で定量することができる。
硫酸根が第2のリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に存在しているかどうかについても、種々の方法によって解析することができる。例えば、オージェ電子分光法(AES:Auger Electron Spectroscopy)、X線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)で解析することができる。
本発明においては、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面および内部に存在する硫酸根の量が、第2のリチウム遷移金属複合酸化物と硫酸根の合計に対して、0.03〜1重量%であるのが好ましい。硫酸根の量が0.16重量%以上、好ましくは0.2重量%以上であると、サイクル特性および負荷特性の両者がさらに優れたものとなり、また、熱安定性も優れたものとなる。硫酸根の量が0.6重量%以下、好ましくは0.3重量%以下であると、初期容量が優れたものとなる。硫酸根の量が0.03重量%より少ないと、電子の移動抵抗が低減しにくい場合がある。1重量%より多いと、水分吸着により電池の膨れが生じる場合がある。
本発明の非水電解質二次電池に用いられる硫酸根は、硫酸イオン、硫酸イオンからその電荷を除いた原子の集団およびスルホ基を含む。アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩、遷移金属の硫酸塩、有機硫酸塩ならびに有機スルホン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましい。
中でも、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましく、アルカリ金属の硫酸塩に基づくのがより好ましい。これらは、強酸強塩基の結合からなるため、化学的に安定だからである。
具体的には、無機化合物として、例えば、硫酸鉄、硫酸コバルト、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸リチウム、および、硫酸カリウムが挙げられる。中でも、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、および、硫酸カルシウムが好ましく、硫酸リチウム、および、硫酸ナトリウムがより好ましい。
また、有機化合物として、例えば、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸、1−ナフチルアミン−2−スルホン酸、1−ナフチルアミン−2,6−ジスルホン酸が挙げられる。
これらの硫酸塩は、無水物であってもよく、水和物であってもよい。
本発明の非水電解質二次電池において、粒子の表面および内部に存在する硫黄の濃度は、種々の方法によって解析することができる。例えば、オージェ電子分光法(AES:Auger Electron Spectroscopy)で解析することができる。
また例えば、オージェ電子分光法、誘導結合高周波プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)分光分析法、滴定法を組み合わせることで定量することができる。
本発明の非水電解質二次電池において、硫黄はどのような形で存在してもよい。例えば、硫酸根の形で存在していてもよい。
本発明の非水電解質二次電池において、副活物質は、比表面積が0.2〜1.5m/gであるのが好ましい。比表面積は、0.25m/g以上であるのがより好ましく、また、1.3m/g以下であるのがより好ましく、1.15m/g以下であるのがさらに好ましい。比表面積が小さすぎると、放電容量が低下する。比表面積が大きすぎると、高温サイクル特性が優れたものにならない。
比表面積は、窒素ガス吸着法により測定することができる。
本発明の非水電解質二次電池において、初回充電前電位および酸化電位は、リチウムを参照電極としてサイクリックボルタンメトリーで測定することができる。
本発明の非水電解質二次電池において、電解質に存在する負極集電体の元素は、負極集電体の成分となる元素のことをいう。例えば、負極集電体であるCuや、Ni等が挙げられる。好ましくは、Cuである。
負極集電体の元素は、イオンの状態で存在しても化合物の状態で存在してもよい。これらの元素が存在することで、活物質の導電率が上昇し、負荷特性がさらに向上した非水電解質二次電池となる。
本発明の非水電解質二次電池において、電解質に存在する負極集電体の元素の濃度は、0ppm以上であるのが好ましく、1ppm以上であるのがより好ましく、かつ、20ppm以下であるのが好ましく、15ppm以下であるのがより好ましい。電解質に存在する負極集電体の元素の濃度が大きすぎると、内部短絡や、サイクル特性の低下を引き起こすため好ましくない。
電解質に存在する負極集電体の元素の濃度は、種々の方法で測定することができる。例えば、誘導結合高周波プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)分光分析法、原子吸光分析法、蛍光X線分析法で定量することができる。
本発明の非水電解質二次電池は、過放電を防ぐための保護回路が存在しないことが好ましい。保護回路のスペースに上述した本発明の非水電解質二次電池における正極活物質を入れることができ、過放電特性、サイクル特性および負荷特性が向上するだけでなく高容量な非水電解質二次電池となる。
本発明の非水電解質二次電池において、第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質は、上述した本発明の正極活物質における第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質である。
本発明の非水電解質二次電池は、以下の(1)〜(3)のようにして製造することができる。
(1)正極の作製
第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有し、かつ、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する副活物質とを有する正極活物質を製造する。この正極活物質は、上述した本発明の正極活物質の製造方法により、得ることができる。
第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在する硫黄の濃度が、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の内部に存在する硫黄の濃度より大きく、かつ、第2のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する副活物質とを有する正極活物質を製造する。この正極活物質は、上述した本発明の正極活物質の製造方法により、得ることができる。
得られた正極活物質を用いた正極活物質層を帯状正極集電体の少なくとも片面に形成させることにより帯状正極を製造する。
このとき、得られた正極活物質を用いた正極活物質層を帯状正極集電体の両面に形成させることにより帯状正極を製造することが好ましい。両面に形成させることにより、過放電特性、サイクル特性および負荷特性の向上を損なうことなく、充放電容量が著しく向上する。
(2)負極の作製
リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる負極活物質を帯状負極集電体の少なくとも片面に形成させることにより帯状負極を製造する。
このとき、得られた負極活物質を用いた負極活物質層を帯状負極集電体の両面に形成させることにより帯状負極を製造することが好ましい。これにより、充放電容量に優れた非水電解質二次電池となる。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物を使用することができる。リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料としては、例えば、グラファイト,黒鉛等の炭素材料が挙げられる。リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物としては、例えば、酸化スズ、酸化チタン等の酸化物が挙げられる。
(3)非水電解質二次電池の作製
得られた帯状正極と得られた帯状負極とを帯状セパレータを介して積層した状態で複数回巻回させて、帯状正極と帯状負極との間に帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成して、本発明の非水電解質二次電池が得られる。
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン製、ポリプロピレン製等の多孔性膜等が挙げられる。
また、本発明の正極活物質は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池等の非水電解質二次電池に好適に用いられる。
非水電解質二次電池は、従来公知の非水電解質二次電池において、正極活物質の少なくとも一部として本発明の正極活物質とすればよく、他の構成は特に限定されない。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物を使用することができる。リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料としては、例えば、グラファイト,黒鉛等の炭素材料が挙げられる。リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物としては、例えば、酸化スズ、酸化チタン等の酸化物が挙げられる。
電解質としては、作動電圧で変質したり、分解したりしない化合物であれば特に限定されない。電解質には、電解液も含まれる。
電解液の溶媒としては、例えば、ジメトキシエタン,ジエトキシエタン,エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,エチルメチルカーボネート,メチルホルメート,γ−ブチロラクトン,2−メチルテトラヒドロフラン,ジメチルスルホキシド,スルホラン等の有機溶媒が挙げられる。これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
電解液のリチウム塩としては、例えば、過塩素酸リチウム,四フッ化ホウ酸リチウム,四フッ化リン酸リチウム,トリフルオロメタン酸リチウム等のリチウム塩が挙げられる。
上述した溶媒とリチウム塩とを混合して電解液とする。ここで、ゲル化剤等を添加し、ゲル状として使用してもよい。また、吸湿性ポリマーに吸収させて使用してもよい。
更に、無機系または有機系のリチウムイオンの導電性を有する固体電解質を使用してもよい。
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン製、ポリプロピレン製等の多孔性膜等が挙げられる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミドアクリル樹脂等が挙げられる。
本発明の正極活物質と、上述した負極活物質、電解質、セパレーターおよび結
着剤を用いて、定法に従い、リチウムイオン二次電池とすることができる。
これにより従来達成できなかった優れた電池特性が実現できる。
本発明の正極活物質を用いて正極を製造する好ましい方法を以下に説明する。
本発明の正極活物質の粉末に、アセチレンブラック、黒鉛等のカーボン系導電剤、結着剤および結着剤の溶媒または分散媒とを混合することにより正極合剤を調製する。得られた正極合剤をスラリーまたは混練物とし、アルミニウム箔等の集電体に塗布し、または担持させ、プレス圧延して正極活物質層を集電体に形成させる。
図33は、正極の模式的な断面図である。図3に示されているように、正極13は、正極活物質6を結着剤5により集電体12上に保持させてなる。
本発明の正極活物質は、導電剤粉末との混合性に優れ、電池の内部抵抗が小さいと考えられる。したがって、充放電特性、特に放電容量に優れる。
また、本発明の正極活物質は、結着剤と混練するときも、流動性に優れ、また、結着剤の高分子と絡まりやすく、優れた結着性を有する。
更に、本発明の正極活物質は、粗大粒子を含まず、球状であるため、作製した正極の塗膜面の表面が平滑性に優れたものになる。このため、正極板の塗膜面は結着性に優れ、剥がれにくくなる。また、表面が平滑で充放電に伴う塗膜面表面のリチウムイオンの出入りが均一に行われるため、サイクル特性において顕著な改善がみられる。
リチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されず、円筒型、コイン型、角型、ラミネート型等とすることができる。
図4は、円筒型電池の模式的な断面図である。図4に示されるように、円筒型電池20においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、集電体12上に負極活物質層を形成させた負極11とがセパレーター14を介して、繰り返し積層されている。
図5は、コイン型電池の模式的な部分断面図である。図5に示されるように、コイン型電池30においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、負極11とが、セパレーター14を介して、積層されている。
図6は、角型電池の模式的な斜視図である。図6に示されるように、角型電池40においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、集電体12上に負極活物質層を形成させた負極11とが、セパレーター14を介して、繰り返し積層されている。
正極、負極、セパレーターおよび非水電解質を有する非水電解質二次電池であって、下記Iを正極の正極活物質として、下記IIを負極の負極活物質として用いる非水電解質二次電池を得ることができる。
I:上述した本発明の正極活物質。
II:リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる非水電解質二次電池用負極活物質。
この非水電解質二次電池は、過放電特性、サイクル特性および負荷特性に優れる。
本発明の正極活物質を用いた非水電解質二次電池の用途は特に限定されない。例えばノートパソコン、ペン入力パソコン、ポケットパソコン、ノート型ワープロ、ポケットワープロ、電子ブックプレーヤ、携帯電話、コードレスフォン子機、電子手帳、電卓、液晶テレビ、電気シェーバ、電動工具、電子翻訳機、自動車電話、携帯プリンタ、トランシーバ、ページャ、ハンディターミナル、携帯コピー、音声入力機器、メモリカード、バックアップ電源、テープレコーダ、ラジオ、ヘッドホンステレオ、ハンディクリーナ、ポータブルコンパクトディスク(CD)プレーヤ、ビデオムービ、ナビゲーションシステム等の機器の電源として用いることができる。
また、照明機器、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、冷蔵庫、オーブン電子レンジ、食器洗浄器、洗濯機、乾燥器、ゲーム機器、玩具、ロードコンディショナ、医療機器、自動車、電気自動車、ゴルフカート、電動カート、電力貯蔵システム等の電源として用いることができる。
さらに、用途は、民生用に限定されず、軍需用または宇宙用とすることもできる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
1.正極副活物質の作製
〔実施例1〕
硫酸マンガンおよび硫酸マグネシウムを含有する水溶液に、炭酸水素アンモニウム水溶液を加えて沈殿させ、マンガンおよびマグネシウムの塩基性炭酸塩の沈殿物を得た。この液をろ過して沈殿物を採取し、採取した沈殿物を水洗し、乾燥させた後、炭酸リチウムと混合させた。得られた混合物を大気雰囲気中約800℃で約10時間焼成した。得られた焼成物を粉砕した。
得られた焼成物の組成はLi1.083Mn1.93Mg0.01であった。硫酸根の含有量は、リチウム遷移金属複合酸化物と硫酸根の合計に対して0.4重量%であった。水分の含有量は、正極活物質の全体に対して0.03重量%であった。
こうして得られた粉砕後の焼成物をヘキサン溶液中でn−ブチルリチウムと反応させた。得られた反応溶液をろ過し、窒素ガス雰囲気中で乾燥して、正極副活物質を得た。
〔実施例2〕
硫酸根を含有する電解二酸化マンガン、炭酸リチウムおよび水酸化マグネシウムを所定の組成比となるように秤量し、乾式混合した。得られた混合物を大気雰囲気中約800℃で約11時間焼成した。得られた焼成物を粉砕した。
得られた焼成物の組成はLi1.083Mn1.93Mg0.01であった。硫酸根の含有量は、リチウム遷移金属複合酸化物と硫酸根の合計に対して1.5重量%であった。水分の含有量は、正極活物質の全体に対して0.12重量%であった。
こうして得られた粉砕後の焼成物をヘキサン溶液中でn−ブチルリチウムと反応させた。得られた反応溶液をろ過し、窒素ガス雰囲気中で乾燥して、正極副活物質を得た。
〔比較例1〕
塩化マンガンおよび硫酸マグネシウムを含有する水溶液に、炭酸水素アンモニウム水溶液を加えて沈殿させ、マンガンおよびマグネシウムの炭酸塩の沈殿物を得た。この液をろ過して沈殿物を採取し、沈殿物を水洗し、乾燥させた後、炭酸リチウムと混合させた。得られた混合物を大気雰囲気中約800℃で約10時間焼成した。得られた焼成物を粉砕した。
得られた焼成物の組成はLi1.083Mn1.93Mg0.01であった。
こうして得られた粉砕後の焼成物をヘキサン溶液中でn−ブチルリチウムと反応させた。得られた反応溶液をろ過し、窒素ガス雰囲気中で乾燥して、正極副活物質を得た。
本発明の非水電解質二次電池用正極副活物質および非水電解質二次電池用正極活物質は、非水電解質二次電池に利用することができる。本発明の非水電解質二次電池の製造方法により非水電解質二次電池を製造することができる。
本発明の非水電解質二次電池は、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラ等のモバイル機器および電気自動車用バッテリー等の電源等に利用することができる。
図1は、リチウムイオン二次電池の充放電サイクル時の正極および負極の電位の変化を模式的に示すグラフである。 図2は、正極副活物質におけるスピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造を示す模式図である。 図3は、正極の模式的な断面図である。 図4は、円筒型電池の模式的な断面図である。 図5は、コイン型電池の模式的な部分断面図である。 図6は、角型電池の模式的な斜視図である。 図7は、層状構造の第1のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造を示す模式図である。 図8は、スピネル構造の第1のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造を示す模式図である。
符号の説明
1 8aサイト
2 32eサイト
3 16dサイト
4 16cサイト
5 結着剤
6 正極活物質
7 3aサイト
8 6cサイト
9 3bサイト
11 負極
12 集電体
13 正極
14 セパレーター
20 円筒型電池
30 コイン型電池
40 角型電池

Claims (11)

  1. 少なくともスピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解質二次電池用正極副活物質であって、
    前記リチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有し、かつ、
    前記リチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する、非水電解質二次電池用正極副活物質。
  2. 少なくともスピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解質二次電池用正極副活物質であって、
    前記リチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在する硫黄の濃度は、前記リチウム遷移金属複合酸化物の内部に存在する硫黄の濃度より大きく、かつ、
    前記リチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する、非水電解質二次電池用正極副活物質。
  3. 第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物を有する副活物質とを有する非水電解質二次電池用正極活物質であって、
    前記副活物質は、前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有し、かつ、
    前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する、非水電解質二次電池用正極活物質。
  4. 第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物を有する副活物質とを有する非水電解質二次電池用正極活物質であって、
    前記副活物質は、前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在する硫黄の濃度が、前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の内部に存在する硫黄の濃度より大きく、かつ、
    前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する、非水電解質二次電池用正極活物質。
  5. 前記第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムが存在する3bサイトと、遷移金属もしくは遷移金属およびリチウムが存在する3aサイトと、酸素が存在する6cサイトからなる請求項3または4に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  6. 前記第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムが存在する8aサイトと、遷移金属が存在する16dサイトと、酸素が存在する32eサイトからなる請求項3または4に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  7. 前記第1のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物およびリチウムマンガン複合酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項3または4に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  8. 第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物を有する副活物質とを有する非水電解質二次電池用正極活物質を有する正極と、
    リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる負極活物質と負極集電体とを有する負極と、を具備する非水電解質二次電池であって、以下の関係式を満たし、前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有する、非水電解質二次電池。
    第2のリチウム遷移金属複合酸化物の初回充電前電位(vsLi/Li)<負極集電体の酸化電位(vsLi/Li)<第1のリチウム遷移金属複合酸化物の初回充電前電位(vsLi/Li
  9. 第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物を有する副活物質とを有する非水電解質二次電池用正極活物質を有する正極と、
    リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる負極活物質と負極集電体とを有する負極と、
    前記正極と前記負極の間に存在するセパレータと、
    前記正極、前記負極およびセパレータを浸し漬ける電解質と、を具備する非水電解質二次電池であって、
    前記非水電解質二次電池の電池電圧を0Vにしたとき、前記電解質に存在する前記負極集電体の元素の濃度が0〜20ppmであり、
    前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有する、非水電解質二次電池。
  10. 第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に硫酸根を有し、かつ、前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する副活物質とを有する正極活物質を帯状正極集電体の少なくとも片面に形成させることにより帯状正極を製造する工程と、
    リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる負極活物質を帯状負極集電体の少なくとも片面に形成させることにより帯状負極を製造する工程と、
    前記帯状正極と前記帯状負極とを帯状セパレータを介して積層した状態で複数回巻回させて、前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成する工程と、を有する非水電解質二次電池の製造方法。
  11. 第1のリチウム遷移金属複合酸化物を有する主活物質と、少なくともスピネル構造の第2のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在する硫黄の濃度が、前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の内部に存在する硫黄の濃度より大きく、かつ、前記第2のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造の16cサイトにリチウムが存在する副活物質とを有する正極活物質を帯状正極集電体の少なくとも片面に形成させることにより帯状正極を製造する工程と、
    リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる負極活物質を帯状負極集電体の少なくとも片面に形成させることにより帯状負極を製造する工程と、
    前記帯状正極と前記帯状負極とを帯状セパレータを介して積層した状態で複数回巻回させて、前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成する工程と、を有する非水電解質二次電池の製造方法。
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