JP2005107516A - 対物レンズ - Google Patents

対物レンズ Download PDF

Info

Publication number
JP2005107516A
JP2005107516A JP2004263558A JP2004263558A JP2005107516A JP 2005107516 A JP2005107516 A JP 2005107516A JP 2004263558 A JP2004263558 A JP 2004263558A JP 2004263558 A JP2004263558 A JP 2004263558A JP 2005107516 A JP2005107516 A JP 2005107516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
objective lens
film
optical
reflection reducing
optical axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004263558A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4744832B2 (ja
Inventor
Daisuke Koreeda
大輔 是枝
Koichi Maruyama
晃一 丸山
Shuichi Takeuchi
修一 竹内
Naoto Sasaki
直人 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Pentax Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pentax Corp filed Critical Pentax Corp
Priority to JP2004263558A priority Critical patent/JP4744832B2/ja
Publication of JP2005107516A publication Critical patent/JP2005107516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4744832B2 publication Critical patent/JP4744832B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lenses (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

【課題】NAの大きいレンズであっても、光量の損失を低減すると共にサイドローブの強度の低減を実現できる対物レンズを提供する。
【解決手段】対物レンズは、単玉のレンズであって、少なくとも一方の面に反射低減膜が施されており、その面において、使用する光束に対して反射率が極大となる位置の光軸からの距離をh1、対物レンズにおいて、光軸から最大有効範囲までの距離をhmaxとしたとき、以下の条件式(1)を満たす構成にした。
0.60<h1/hmax<0.95 ・・・(1)
【選択図】図1

Description

この発明は、光ディスクに対する情報の記録または再生を行う光情報記録または再生装置や、光ディスクの原盤作成用の装置等に用いられる対物レンズに関する。
従来、光情報記録または再生装置は、光源から照射されたレーザ光束を対物レンズを介して光ディスクの記録面近傍に収束させることにより、該光ディスクに対する情報の記録または再生を実現している。情報の記録または再生を効率よく行うためには、記録面上に形成されるビームスポットの光量は、可能な限り多くしたほうがよい。そのため、例えば、以下に示す特許文献1のように、従来の対物レンズは、レンズ表面に反射低減膜を施している。
特開2001−52366号公報
一般に、対物レンズ表面に施された反射低減膜は、所定の波長の光束がレンズ面に対して直角に入射する(入射角0°)時の反射率が最小となるように構成される。以下の本文では、上記所定の波長を反射低減膜の設計基準波長という。該反射低減膜は、入射光束の波長が該所定の波長からずれるにつれて、反射率が高くなる(反射低減効果が下がる)傾向にある。また、対物レンズ表面の傾きにより、反射率が最小となる光束の波長が設計基準波長よりも短波長側にシフトしてしまう。つまり、設計基準波長と略同一の波長を持つレーザ光束を使用した場合、該対物レンズの曲面における周辺部に入射した光束の反射率が高くなってしまう。なお、以下の本文において、レンズの面における中心部とは光軸近傍の領域を意味し、周辺部とは該中心部よりも外側(周縁部側)の領域を意味する。
そこで上記特許文献では、反射低減膜の設計基準波長を、実際に使用される(つまり対物レンズに入射する)レーザ光束の波長よりも若干長めに設定する。これにより、レンズ周辺部における反射率を抑え、対物レンズの有効径内に入射する光束全体としての反射率を低減している。
近年、情報処理技術の進歩に伴い、従来の光ディスクよりも記録密度が高く記憶容量の大きい光ディスク、例えばDVD(digital versatile disc)が実用化されている。このような光ディスクに対して情報の記録または再生を行う場合、その記録密度の高さに対応して、従来の光ディスク使用時よりも小径のビームスポットを記録面上で形成する必要があり、NAの大きい対物レンズが使用される。また、記録密度が高い光ディスクは、互いに隣接するトラック間のピッチが短くなっている。従って、従来の光ディスク使用時にはさほど大きな問題とはされなかった、ビームスポットの周囲に発生するサイドローブの強度の低減も重要な課題の一つとなる。
上述したように、特許文献1に例示される従来の対物レンズは、DVDやCDなどを使用する場合に、該対物レンズに入射する光束の反射率を低減し、光量の損失を抑えることを主目的としている。しかし近年、DVDよりもさらに記録密度の高い光ディスク(例えば、Blu−ray Disc等)に対する情報の記録または再生を可能とする装置が実用化されつつある。このような装置において、記録密度のさらに高い光ディスクに対する高精度な情報の記録または再生を可能とするために、NAのより大きな対物レンズのさらなる改良が強く望まれていた。
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、例えば、より記録密度の高い光ディスクに対する情報の記録または再生に対応できる、NAの大きいレンズであっても、光量の損失を低減すると共にサイドローブの強度の低減を実現できる対物レンズを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の対物レンズは、単玉のレンズであって、少なくとも一方の面に反射低減膜が施されている。そして、その面において、使用する光束に対して反射率が極大となる位置の光軸からの距離をh1、対物レンズにおいて、光軸から最大有効範囲までの距離をhmaxとしたとき、以下の条件式(1)を満たすことを特徴とする。
0.60<h1/hmax<0.95 ・・・(1)
請求項1に記載の対物レンズによれば、レンズ面の中心部は反射率が低くなるように反射低減膜が施されている。これにより、該対物レンズを透過したレーザ光束が形成するビームスポットの中心は、高い光強度を有することになる。また、反射率が極大となる位置h1が、条件式(1)を満たすように反射低減膜を施すことにより、サイドローブの強度を低減させることができる。なお、h1/hmaxが条件式(1)の下限を下回ると、ビームスポットの中心強度が低下してしまうだけでなく、サイドローブ低減効果も小さくなる、または得られなくなる。また、上限を超えると、サイドローブ低減効果が小さくなる。
なお、上述した、使用する光束とは、例えば対物レンズを光ディスクに対する情報の記録または再生を行う光情報記録または再生装置に使用する場合は、使用する光ディスクの記録面上において、情報の記録または再生時に最適なビームスポットを形成することが可能な波長(設計波長)を有する光束のことをいう。もし、対物レンズが、記録密度や保護層厚が異なる複数規格の光ディスクに対して互換性を有するものである場合、設計波長は、最も記録密度の高い光ディスクに対応する波長に設定される。
ここで、反射低減膜が施された面の反射率を大きく設定すると、サイドローブの強度低減効果が高くなる。しかし、該反射率が大きくなると、対物レンズを透過した光束が形成するビームスポットの中心強度が落ちるという弊害もある。そこで、サイドローブの強度を低減する効果を奏しつつも、十分な光量を持つように、反射率の極大値Rexが以下の条件(2)、
((1-n)/(1+n))2<Rex<0.15 ・・・(2)
を満たすことが望ましい(請求項2)。
但し、nは対物レンズの屈折率を意味する。
対物レンズの面に施される反射低減膜を単層構造にすることにより、コストダウンを図ることができ、また反射低減帯域から使用波長が外れた場合に反射低減特性の劣化を小さく抑えることができる(請求項3)。また、該反射低減膜を多層構成にすると、反射低減帯域を広く設定することができる(請求項4)。従って、対物レンズを使用する用途や環境に応じて、単層か多層を選択することができる。
請求項5に記載の対物レンズによれば、対物レンズの光軸上における光学的膜厚をnd[nm]、使用する光束の波長(もし、該対物レンズが複数規格の光ディスクに対して互換性を有する光情報記録または再生装置に搭載されるのであれば、最も記録密度の高い光ディスク使用時に用いる光束の波長)をλ[nm]としたとき、反射低減膜は、以下の条件式(3)、を満たしていることが望ましい。
0.5λ<nd<1.1λ ・・・(3)
対物レンズの光軸上における光学的膜厚ndが条件式(3)を満たすことにより、サイドローブの強度を低減する効果を高めることができる。条件式(3)において、上限を超えると、サイドローブの低減効果が小さくなる。また、条件式(3)において、下限を超えると、サイドローブの強度が却って増大してしまう。
請求項6に記載の対物レンズによれば、反射低減膜は、対物レンズにおいて、少なくとも曲率が大きい方の面に施されることが望ましい。曲率が大きい面ほど、周辺部に入射する光線の入射角は大きくなる。入射角が大きくなれば、該光線に対する反射率も高くなる。そこで、曲率が大きい方の面に上記の特徴を持つ反射低減膜を施すことにより、周辺部の方が中心部に比べて反射率が必然的に高くなり、サイドローブの強度をより一層低減することが可能になる。
請求項7に記載の発明によれば、反射低減膜が施される面の周辺部における光学的膜厚tが、該光学的膜厚tを求める位置での光軸に対する面の法線の角度をθとしたとき、以下の条件式(4)、
(nd)cosθ<t<nd ・・・(4)
を満たすように反射低減膜を施し、かつhmaxの位置での光軸に対する面の法線の角度をθmaxとしたとき、該反射低減膜が、以下の条件式(5)、
0.68λ<(nd)/(sin(θmax))<0.98λ ・・・(5)
を満たすように構成することが望ましい。条件式(4)を満たすように反射低減膜を施した対物レンズの光軸上における光学的膜厚ndが条件式(5)を満たすことにより、対物レンズはサイドローブの強度の低減効果を高めることができる。条件式(5)の上限を超えると、サイドローブの低減効果が小さくなる。また条件式(5)の下限を超えると、サイドローブの強度が却って増大してしまう。
また請求項8に記載の発明によれば、反射低減膜が施される面の周辺部における光学的膜厚tが、該膜厚tを求める位置での光軸に対する面の法線の角度をθとしたとき、以下の条件式(6)、
(nd)cos5θ<t≦(nd)cosθ ・・・(6)
を満たすように反射低減膜を施し、かつhmaxの位置での光軸に対する面の法線の角度をθmaxとしたとき、該反射低減膜は、以下の条件式(7)、
0.98λ≦(nd)/(sin(θmax))<1.38λ ・・・(7)
を満たすように構成しても、上記請求項7に記載の構成と同様の効果を奏する。なお、条件式(7)の上限を超えると、サイドローブの低減効果が小さくなり、下限を超えると、サイドローブの強度が却って増大してしまう。
なお、上述した面の周辺部とは、具体的には、光軸上および該光軸近傍以外の全ての領域を意味する。
請求項9に記載の発明によれば、上記の対物レンズは、光ディスクに対する情報の記録または再生に適した高い光強度を持つとともにサイドローブの強度が低く抑えられたビームスポットを形成することができる。
以上のように、本発明によれば、少なくとも一面に、該面の周辺部の方が高い反射率を有するように反射低減膜を施すことにより、Blu−ray Discに例示される、より記録密度の高い光ディスクに対する情報の記録または再生に対応するためにNAを高く設定しても、光量の損失を抑えてビームスポットの中心強度を高く維持しつつ、サイドローブの強度を有効に低減することができる対物レンズが提供される。
以下、この発明に係る対物レンズを光ディスク用対物レンズとして構成した実施例を3例説明する。図1は、本発明の各実施例の光ディスク用対物レンズ10、および該対物レンズ10を用いて情報の記録または再生が行われる光ディスクD1を示す図である。
実施例1の光ディスク用対物レンズ10は、光ディスクD1に対して情報の記録または再生が可能な光情報記録または再生装置に搭載される。光情報記録または再生装置は、図1中左側に配置された光源(不図示)から照射されたレーザ光束をコリメートレンズ(不図示)によって平行光束に変換し、対物レンズ10、光ディスクD1の保護層Pを介して光ディスクD1の記録面上に収束させる。これにより、該装置は光ディスクD1に対する情報の記録または再生を実現している。なお、対物レンズには平行光束が入射するため、トラッキングシフトした場合であっても、コマ収差が発生しない。
対物レンズ10は、図1中左側、つまり光源側から順に第一面10aと第二面10bを有する。対物レンズ10の焦点距離fは1.77mmである。光ディスクD1に対する情報の記録または再生に必要な開口数NAは0.85、光軸からレンズの最大有効範囲までの距離hmaxは1.50mmである。また、光ディスクD1に対する情報の記録または再生時に使用するレーザ光束の波長、つまり設計基準波長λは407nmである。対物レンズ10を用いて光ディスクD1に対して情報の記録または再生を行う場合における、対物レンズ10および光ディスクD1の具体的数値構成を表1に示す。
Figure 2005107516
表1中、rは各光学部材における面の曲率半径(単位:mm)、dはレンズ厚またはレンズ間隔(単位:mm)、nは光ディスクD1に対する情報の記録または再生時に使用するレーザ光束の波長λでの屈折率、備考は各面番号が示す光学部材を表す。以下に示す各表においても同様である。
対物レンズ10の第一面10aおよび第二面10bはともに非球面である。その形状は光軸からの高さがhとなる非球面上の座標点の非球面の光軸上での接平面からの距離(サグ量)をX(h)、非球面の光軸上での曲率(1/r)をC、円錐係数をK、4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数をA、A、A、A10、A12として、以下の式で表される。
Figure 2005107516
各非球面を規定する円錐係数と非球面係数は、表2に示される。なお、表2における表記Eは、10を基数とし、Eの右の数字を指数とする累乗を表している。以下に示す各表においても同様である。
Figure 2005107516
なお、表1に示した具体的数値構成、および表2に示した各係数を含め、上述した実施例1の対物レンズ10の構成は、後述する実施例2や実施例3の対物レンズ10も同一である。
上記構成の対物レンズ10において、曲率が大きな第一面10aには反射低減膜11が施されている。反射低減膜11の具体的数値構成を表3に示す。なお、図1に示す反射低減膜11は、説明の便宜上、実際の厚みよりも厚く示している。
Figure 2005107516
表3中、ndは第一面10aの中心、つまり第一面10aと光軸とが交わる位置における光学的な膜厚(単位:nm)を示す。なお、本明細書において、膜厚は全てレンズ面の法線方向の厚みとする。反射低減膜11は、光ディスクD1に対する情報の記録または再生時に使用するレーザ光束の波長λ、ここでは407nmを設計基準波長としている。また、θmaxは、対物レンズ10における光軸から最大有効範囲までの距離hmaxの位置での光軸に対する面の法線の角度(単位:degree)である。
また、反射低減膜11の膜厚分布を示すグラフを図2に示す。図2において、横軸が光軸からの距離、縦軸が第一面10aでの光軸上の膜厚ndに対する周辺部の膜厚tの比(以下、光学的膜厚比という)t/(nd)を、それぞれ表す。図2中、実線は反射低減膜11の膜厚分布を、点線は光軸上に対する周辺部での光学的膜厚比がcosθの場合の膜厚分布を、一点鎖線は光軸上に対する周辺部での光学的膜厚比がcosθの場合の膜厚分布をそれぞれ表す。後述する、膜厚分布について表した各図についても同様である。図2より、実施例1の対物レンズ10は、光学的膜厚比がcosθより大きい、すなわち、対物レンズ10の周辺部における膜厚tが従来の対物レンズの周辺部に施される反射低減膜の一般的な膜厚(nd)cosθより厚く、対物レンズ10の光軸上の膜厚ndよりも薄いことがわかる。つまり、実施例1の対物レンズ10において、反射低減膜11は、条件式(4)を満たすように施されている。
図3は、反射低減膜11を施した第一面10aに設計基準波長の光束が入射したときにおける反射率分布を示すグラフである。図3に示すグラフにおいて、横軸が光軸からの距離、縦軸が第一面10aでの反射率を、それぞれ表す。以下に示す、反射率分布について表した各図についても同様である。図3に示すように、反射低減膜11は、第一面10a中心部では反射率が極めて小さく、周辺部では、反射率が中心部から離れるにつれて徐々に大きくなる。そして、光軸からの距離が約1.2mmの位置に入射した光線に対する反射率が極大かつ最大となるように施されている。
図3に示す反射率分布を持つ対物レンズ10を透過したレーザ光束が光ディスクD1の記録面上に形成するビームスポットの光強度分布を表したのが図4である。図4において、実線は、対物レンズ10を透過したレーザ光束が形成したビームスポットの光強度分布を表す。また、図4において、点線は、比較例として示す基準の対物レンズである。基準の対物レンズとは、入射瞳位置の如何を問わず反射率が一定であるレンズを想定している。以下に示す、ビームスポットの光強度分布を表す各図においても同様である。図4に示すように、実施例1の対物レンズ10を使用すると、スポット中心そばに現れるサイドローブが基準の対物レンズ使用時よりも抑えられていることがわかる。具体的には、実施例1の対物レンズ10を使用すると、基準の対物レンズに比べてサイドローブの強度を約6.9%低減することができる。
実施例2の対物レンズ10も、実施例1と同様、曲率が大きな面(第一面10a)に反射低減膜11が施されている。実施例2の反射低減膜11の具体的数値構成を表4に示す。
Figure 2005107516
また、反射低減膜11の膜厚分布を示すグラフを図5に示す。図5より、光学的膜厚比がcosθより小さくcosθより大きい、すなわち、周辺部における光学的膜厚が(nd)cosθよりも薄く(nd)cosθより厚いことがわかる。つまり、実施例2の対物レンズ10において、反射低減膜11は条件式(6)を満たすように施されている。
図6は、反射低減膜11を施した第一面10aに設計基準波長(407nm)の光束が入射したときにおける反射率分布を示すグラフである。図6に示すように、反射低減膜11は、入射瞳高さが0.5mm程度までの領域に相当する中心部の反射率が比較的小さく光軸からの距離が約1.0mmの位置に入射した光線に対する反射率が極大に、また、光軸からの距離が1.5mmで最大になるように施されている。
図6に示す反射率分布を持つ対物レンズ10を透過したレーザ光束が光ディスクD1の記録面上に形成するビームスポットの光強度分布を表したのが図7である。図7に示すように、実施例2の対物レンズ10を使用すると、スポット中心そばに現れるサイドローブが基準の対物レンズ使用時よりも抑えられていることがわかる。具体的には、実施例2の対物レンズ10を使用すると、基準の対物レンズに比べてサイドローブの強度を約5.1%低減することができる。
実施例3の対物レンズ10も、実施例1と同様、曲率が大きな面(第一面10a)に反射低減膜11が施されている。反射低減膜11の具体的数値構成を表5に示す。
Figure 2005107516
表5に示すように、実施例3の対物レンズ10に施される反射低減膜11は、他の実施例とは異なり、多層構成になっている。詳しくは、反射低減膜は、面10aから第一層、第二層の順にコーティングされている。なお実施例3では、表5における第一層のndと第二層のndの和が反射低減膜11の膜厚ndである。同様に、周辺部の膜厚tも、第一層と第二層の膜厚の和で求まる。
また、反射低減膜11の膜厚分布を示すグラフを図8に示す。図8より、実施例3の対物レンズ10においては、光学的膜厚比がcosθと同じ、すなわち、周辺部における光学的膜厚が(nd)cosθと同じであることがわかる。つまり、実施例3の対物レンズ10において、反射低減膜は条件式(6)を満たすように施されている。
なお、実施例3のように、反射低減膜11を多層構成にすることにより、反射を低減する波長の範囲を広く確保できる。
図9は、反射低減膜11を施した第一面10aに設計基準波長の光束が入射したときにおける反射率分布を示すグラフである。図9に示すように、反射低減膜11は、入射瞳高さが0.5mm程度までの領域に相当する中心部付近の反射率が極めて小さく光軸からの距離が約1.0mmの位置に入射した光線に対する反射率が極大かつ最大となるように施されていることがわかる。
図9に示す反射率分布を持つ対物レンズ10を透過したレーザ光束が光ディスクD1の記録面上に形成するビームスポットの光強度分布を表したのが図10である。図10に示すように、実施例3の対物レンズ10を使用すると、スポット中心そばに現れるサイドローブが基準の対物レンズ使用時よりも抑えられていることがわかる。具体的には、実施例3の対物レンズ10を使用すると、基準の対物レンズに比べてサイドローブの強度を約8.5%低減することができる。
なお、多層構造の反射低減膜11を施した実施例3の対物レンズ10は、図8に示すように、光学的膜厚比t/(nd)がcosθと略同じになっているが、この特性はあくまで一例であって、多層構造の反射低減膜が有する反射低減特性の範囲を限定するものではない。つまり、多層構造であっても、各層の膜厚等を適切に設計することにより、上記実施例1、2と同様の効果を奏することは可能である。
表6に、各実施例1〜3の対物レンズと上述した条件式(1)、(2)、(3)、(5)および(7)との関係を示す。なお、条件式(2)において((1−n)/(1+n))はいずれの実施例も0.069である。表6に示すように、各実施例の対物レンズは、各条件式を満たすように反射低減膜を施すことにより、サイドローブの強度を効果的に抑えつつも、情報の記録または再生に十分な光量を確保していることがわかる。
Figure 2005107516
以上が本発明の実施形態である。なお、上記の各実施例1〜3において反射低減膜を施す面はどれも曲率の大きい面であると説明した。しかし本発明に係る光ディスク用対物レンズにおいて、反射低減膜は、必ずしも曲率の大きな面に施す必要はない。また、該反射低減膜を対物レンズの両面に設けても良い。
以上のように、本発明に係る対物レンズは、NAを大きくしても、光量の損失を有効に抑えることができる。また、サイドローブの低減にも寄与する。そのため本発明に係る対物レンズは、上記実施形態のように、光ディスクに対する情報の記録または再生装置における光ピックアップに好適である。さらに、本発明に係る対物レンズは、NAを大きくしてより小径なスポットの形成が要求される装置、例えば光ディスクの原盤作成用の装置といった、様々な装置に使用することができる。
本発明の実施例1〜3の対物レンズ、および各光ディスクを示す図である。 本発明の実施例1の対物レンズにおける反射低減膜の膜厚分布を示すグラフである。 本発明の実施例1の対物レンズにおける反射低減膜の反射率分布を示すグラフである。 本発明の実施例1の対物レンズを透過した光束が形成するビームスポットの光強度分布を示すグラフである。 本発明の実施例2の対物レンズにおける反射低減膜の膜厚分布を示すグラフである。 本発明の実施例2の対物レンズにおける反射低減膜の反射率分布を示すグラフである。 本発明の実施例2の対物レンズを透過した光束が形成するビームスポットの光強度分布を示すグラフである。 本発明の実施例3の対物レンズにおける反射低減膜の膜厚分布を示すグラフである。 本発明の実施例3の対物レンズにおける反射低減膜の反射率分布を示すグラフである。 本発明の実施例3の対物レンズを透過した光束が形成するビームスポットの光強度分布を示すグラフである。
符号の説明
10 対物レンズ
11 反射低減膜
D1 光ディスク

Claims (9)

  1. 単玉の対物レンズであって、
    少なくとも一方の面に反射低減膜が施されており、前記一方の面において、光束に対して反射率が極大となる位置の光軸からの距離をh1、前記対物レンズにおいて、前記光軸から最大有効範囲までの距離をhmaxとしたとき、以下の条件式(1)、
    0.60<h1/hmax<0.95 ・・・(1)
    を満たすことを特徴とする対物レンズ。
  2. 請求項1に記載の対物レンズにおいて、
    前記反射低減膜が施された面に対して、前記対物レンズの屈折率をnとすると、前記反射率の極大値Rexが以下の条件(2)、
    ((1-n)/(1+n))2<Rex<0.15 ・・・(2)
    を満たすことを特徴する対物レンズ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の対物レンズにおいて、
    前記反射低減膜は、単層であることを特徴とする対物レンズ。
  4. 請求項1または請求項2に記載の対物レンズにおいて、
    前記反射低減膜は、多層であることを特徴とする用対物レンズ。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の対物レンズにおいて、
    前記対物レンズの光軸上における光学的膜厚をnd[nm]、使用する光束の波長をλ[nm]としたとき、前記反射低減膜は、以下の条件式(3)、
    0.5λ<nd<1.1λ ・・・(3)
    を満たしていることを特徴とする対物レンズ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の対物レンズにおいて、
    前記反射低減膜は、前記対物レンズにおいて、少なくとも曲率が大きい方の面に施されることを特徴とする対物レンズ。
  7. 請求項5を引用する請求項6に記載の対物レンズにおいて、
    前記反射低減膜が施される面の周辺部における、前記反射低減膜の光学的膜厚tを求める位置で、前記光軸に対する面の法線の角度をθとしたとき、前記周辺部における光学的膜厚tが、以下の条件式(4)、
    (nd)cosθ<t<nd ・・・(4)
    を満たすように前記反射低減膜を施し、かつ前記hmaxの位置での光軸に対する面の法線の角度をθmaxとしたとき、前記反射低減膜は、以下の条件式(5)、
    0.68λ<(nd)/(sin(θmax))<0.98λ ・・・(5)
    を満たすことを特徴とする対物レンズ。
  8. 請求項5を引用する請求項6に記載の対物レンズにおいて、
    前記反射低減膜が施される面の周辺部における、前記反射低減膜の光学的膜厚tを求める位置で、前記光軸に対する面の法線の角度をθとしたとき、前記周辺部における光学的膜厚tが、以下の条件式(6)、
    (nd)cos5θ<t≦(nd)cosθ ・・・(6)
    を満たすように前記反射低減膜を施し、かつ前記hmaxの位置での光軸に対する面の法線の角度をθmaxとしたとき、前記反射低減膜は、以下の条件式(7)、
    0.98λ≦(nd)/(sin(θmax))<1.38λ ・・・(7)
    を満たすことを特徴とする対物レンズ。
  9. 光ディスクに対して情報の記録または再生を行う光情報記録または再生装置に用いられることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の対物レンズ。
JP2004263558A 2003-09-12 2004-09-10 対物レンズ Expired - Fee Related JP4744832B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004263558A JP4744832B2 (ja) 2003-09-12 2004-09-10 対物レンズ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003320813 2003-09-12
JP2003320813 2003-09-12
JP2004263558A JP4744832B2 (ja) 2003-09-12 2004-09-10 対物レンズ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005107516A true JP2005107516A (ja) 2005-04-21
JP4744832B2 JP4744832B2 (ja) 2011-08-10

Family

ID=34554364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004263558A Expired - Fee Related JP4744832B2 (ja) 2003-09-12 2004-09-10 対物レンズ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4744832B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009199708A (ja) * 2008-01-23 2009-09-03 Panasonic Corp 対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP2009211795A (ja) * 2008-02-06 2009-09-17 Panasonic Corp 対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP2010066704A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Canon Inc 光学素子、光学系及び光学機器

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004145003A (ja) * 2002-10-24 2004-05-20 Victor Co Of Japan Ltd 反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズ

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004145003A (ja) * 2002-10-24 2004-05-20 Victor Co Of Japan Ltd 反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009199708A (ja) * 2008-01-23 2009-09-03 Panasonic Corp 対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP2009211795A (ja) * 2008-02-06 2009-09-17 Panasonic Corp 対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP2010066704A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Canon Inc 光学素子、光学系及び光学機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4744832B2 (ja) 2011-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4822175B2 (ja) 対物レンズ、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置
JP5049149B2 (ja) 光ピックアップ用対物レンズ
JP4170231B2 (ja) 光ディスク用対物レンズ
JP5300308B2 (ja) 光ピックアップ用対物レンズ
JP4828303B2 (ja) 光情報記録再生装置用対物レンズおよび光情報記録再生装置
JP4744832B2 (ja) 対物レンズ
JP2004145003A (ja) 反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズ
JP2009123316A (ja) 対物レンズ、これを備えた光ピックアップ装置、およびこの光ピックアップ装置を搭載した光記録媒体記録および/または再生装置
JP4849979B2 (ja) 光情報記録再生装置用対物レンズおよび光情報記録再生装置
JP2003156681A (ja) 光ヘッドの光学系および光ヘッド用対物レンズ
JP2010113745A (ja) 光情報記録再生装置用対物レンズ、および光情報記録再生装置
JP4448661B2 (ja) 光ディスク用対物レンズ
JP2005116147A (ja) 光学部品及び光ピックアップ装置
JP2009123317A (ja) 対物レンズ、これを備えた光ピックアップ装置、およびこの光ピックアップ装置を搭載した光記録媒体記録および/または再生装置
CN1466752A (zh) 信息记录介质和信息记录/再现装置
JP4148509B2 (ja) 光ディスク用対物レンズ
JP5584552B2 (ja) 光情報記録再生装置用対物レンズ、及び光情報記録再生装置
JP2009123315A (ja) 対物レンズ、これを備えた光ピックアップ装置、およびこの光ピックアップ装置を搭載した光記録媒体記録および/または再生装置
KR20090119707A (ko) 대물 렌즈, 광 픽업 장치, 광 기록·재생 장치
JP2010281847A (ja) 対物レンズ
JP4443293B2 (ja) 光ディスク用光学系および光ディスク用対物レンズ
JP2004301881A (ja) 光記録媒体用対物レンズおよびこれを用いた光ピックアップ装置
JP4849905B2 (ja) 光ピックアップ光学系、対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP4384549B2 (ja) 光ディスク用光学系
US7280276B2 (en) Objective lens

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070802

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110401

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110421

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110511

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees