JP2005107178A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良を図るために、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けた電子写真感光体であっても、ゴースト現象の発生がより一層抑制された電子写真感光体を提供し、また、このような電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。
【解決手段】 支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体であって、該導電層が結着樹脂および導電性粒子を含有する電子写真感光体において、該導電性粒子の平均粒径が0.2〜0.6μmであり、該導電層の膜厚が0.5〜4.5μmであり、該導電層の体積抵抗率が2×10〜8×10Ω・cmである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
近年、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体(有機電子写真感光体)の研究開発が盛んに行われている。
電子写真感光体は、基本的には、支持体と該支持体上に形成された感光層とから構成されている。しかしながら、現状は、支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良などのために、支持体と感光層との間に各種層を設けることが多い。したがって、支持体と感光層との間に設けられる層には、被覆性、接着性、機械的強度、導電性、電気的バリア性などの多くの機能が要求される。
支持体と感光層との間に設けられる層としては、従来、以下のタイプのものが知られている。
(i)導電性材料を含有しない樹脂層。
(ii)導電性材料を含有した樹脂層。
(iii)上記(ii)の層の上に、上記(i)の層を積層したもの。
上記(i)の層は、導電性材料を含有しないため、層の抵抗が高い。しかも、表面平滑化処理が施されていない支持体表面の欠陥を被覆するためには、その厚さ(膜厚)を厚くしなければならない。
しかしながら、抵抗が高い上記(i)の層の膜厚を厚くすると、初期および繰り返し使用時の残留電位が高くなるという問題が生じる。
したがって、上記(i)の層の実用化のためには、支持体表面の欠陥を少なくし、かつ、その膜厚を薄くする必要がある。
一方、上記(ii)の層は、導電性粒子などの導電性材料を樹脂中に分散した層であり、層の抵抗を小さくすることが可能であるため、層の膜厚を厚くして、導電性の支持体や非導電性の支持体(樹脂製の支持体など)の表面の欠陥を被覆することが可能である。
しかしながら、上記(ii)の層の膜厚を厚くする場合は、薄くする上記(i)の層に比べて、層に十分な導電性を付与する必要があるため、上記(ii)の層は体積抵抗率の低い層となり、そのため、低温低湿から高温高湿の幅広い環境条件において、画像欠陥の原因となる支持体、上記(ii)の層から感光層への電荷注入を阻止するためには、電気的バリア性を有する層を上記(ii)の層と感光層との間に別途設けることが好ましい。電気的バリア性を有する層とは、上記(i)の層のように、導電性粒子を含有しない樹脂層である。
つまり、支持体と感光層との間に設けられる層は、上記(i)の層と上記(ii)の層とを積層した上記(iii)の構成であることが好ましい。
上記(iii)の構成は、複数の層を形成する必要があるため、それだけ工程が増えるが、支持体表面の欠陥の許容範囲が大きくなるため、支持体の使用許容範囲が大幅に広がり、生産性の向上が図れるという利点がある。
一般的に、上記(ii)の層は導電層と呼ばれ、上記(i)の層は中間層(下引き層、バリア層)と呼ばれる。
また、近年、帯電装置の帯電均一性が向上して、帯電ムラが出力画像に現れないようにするための帯電前除電手段(前露光装置など)の必要性が薄れてきており、省スペース化や低コスト化の観点から、これを省いた構成の電子写真装置のニーズが高まっている。
しかしながら、前露光装置などの帯電前除電手段を省いた場合、電子写真感光体の回転周期のゴースト画像(ハーフトーン画像上に、電子写真感光体の1回転前の露光履歴(ベタ黒画像など)が現れる現象)が顕著になる。
このゴースト現象は、電子写真感光体で静電潜像を形成するときに、電荷(キャリア)の流れが滞ることが一因と考えられており、導電層がある構成では、導電層がない構成に比べて層数が多いため、その分、電荷(キャリア)の流れが滞りやすくなる。
これまでは、前露光装置などの帯電前除電手段を設けて帯電前の電子写真感光体の表面電位を一様に小さくすることによって、ゴースト現象をほぼ消失させることができていたため、ゴースト現象が技術課題としてクローズアップされることが少なかった。つまり、前露光装置などの帯電前除電手段がない構成の場合に、ゴースト現象が顕著になることが近頃になってわかってきたのである。
導電層の構成からゴースト現象を改善する先行技術として、特開平07−271072号公報(特許文献1)には、酸化アンチモンをドープすることによって粉体抵抗率を小さくしたSnOをTiO粒子に被覆した導電性材料を用い、かつ、導電層の中の電荷(キャリア)の流れをスムーズにするために、導電性材料の含有量を高める技術が開示されている。
特開平07−271072号公報
しかしながら、特開平07−271072号公報(特許文献1)に開示された技術であっても、近年のより厳しい高画質化への要求に対して十分に応えることができない。
本発明の目的は、支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良を図るために、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けた電子写真感光体であっても、ゴースト現象の発生がより一層抑制された電子写真感光体を提供することである。
また、本発明の目的は、このような電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することである。
本発明者らは、導電層の膜厚を0.5〜4.5μmとし、かつ、導電層の体積抵抗率を2×10〜8×10Ω・cmとすることで、導電層の中の電荷(キャリア)の流れがスムーズになり、ゴースト現象の発生がより一層抑制されることを見いだした。
また、本発明者らは、導電層に上記特性を付与するためには、導電層に含有させる導電性粒子の平均粒径を0.2〜0.6μmとする必要があることも見いだした。導電層の体積抵抗率を上記範囲に収めようとするとき、導電性粒子の粒径が小さすぎると、導電性粒子の使用量を増やさなければならず、それだけ導電層が脆くなり、また、導電性粒子の使用量を増やすと、導電層表面で反射した光が干渉して出力画像に干渉縞が発生することを抑制するために好適な導電層の表面粗さ(Rzjis:1〜3μm)を達成することが難しくなる。一方、導電性粒子の粒径が大きすぎると、導電層の体積抵抗率は低下するものの、ゴースト現象の発生の抑制の効果は薄くなり、出力画像中の白地におけるカブリが目立つようになる。
すなわち、本発明は、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体であって、該導電層が結着樹脂および導電性粒子を含有する電子写真感光体において、
該導電性粒子の平均粒径が0.2〜0.6μmであり、
該導電層の膜厚が0.5〜4.5μmであり、
該導電層の体積抵抗率が2×10〜8×10Ω・cmである
ことを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、上記電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、電子写真感光体の表面の静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、電子写真感光体の表面のトナー像を転写材に転写するための転写手段、および、転写後に該電子写真感光体の表面に残留するトナーをクリーニングするためのクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、該帯電手段により帯電された電子写真感光体の表面に露光によって静電潜像を形成するための露光手段、該露光手段により形成された電子写真感光体の表面の静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、および、該現像手段により形成された電子写真感光体の表面のトナー像を転写材に転写するための転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
本発明によれば、支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良を図るために、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けた電子写真感光体であっても、ゴースト現象の発生がより一層抑制された電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明によれば、このような電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
上述のとおり、本発明の電子写真感光体は、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体である。そして、該導電層は結着樹脂および導電性粒子を含有する。
まず、導電層の体積抵抗率に関して説明する。
ゴースト現象は、電子写真感光体で静電潜像を形成するときに、電荷(キャリア)の流れが滞ることが一因と考えられるため、導電層の抵抗は低いことが好ましいが、十分にゴースト現象の発生を抑制するためには、導電層の抵抗が体積抵抗率で8×10Ω・cm以下である必要があることがわかった。一方、導電層の抵抗が低すぎると、逆に帯電能が低下するとともに、ゴースト現象が目立ってくることがわかった。具体的には、導電層の抵抗は体積抵抗率で2×10Ω・cm以上である必要があることがわかった。
本発明における導電層の体積抵抗率の測定方法は以下のとおりである。
まず、アルミニウムシート上に測定対象の導電層を2〜5μm程度の膜厚で形成し、さらに、この導電層上に金の薄膜を蒸着により形成して、アルミニウムシートと金薄膜の両電極間を流れる電流値をpAメーターで測定した。測定環境は23℃、60RH%であり、印加電圧は0.1Vである。電流値測定開始1分後の安定した値を読み取り、導電層の体積抵抗率を導き出した。
導電層の体積抵抗率を上記範囲に収めるためには、導電性粒子の粉体抵抗率は、1×10−2〜5×10Ω・cmであることが好ましく、特には1×10−2〜2.5×10Ω・cmであることがより好ましい。粉体抵抗率が高すぎると導電層の体積抵抗率を上記範囲の収めることが難しくなり、一方、粉体抵抗率が低すぎると帯電能が低下する場合がある。
本発明における粉体抵抗率の測定方法は以下のとおりである。
測定装置は、三菱化学(株)製の抵抗測定装置ロレスタAP(LorestaAp)を用いた。測定対象の粉体(=粒子)は、500kg/cmの圧力で固めて、ペレット状の測定用サンプルとした。測定環境は23℃、60%RHであり、印加電圧は100Vである。
本発明の電子写真感光体の導電層に用いられる導電性粒子は、各種の金属酸化物を用いた粒子である。具体的には、酸化スズ(以下、SnO)、酸化インジウム、ITO、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化マンガンなどを用いた粒子が挙げられる。その中でも、抵抗特性に優れるSnOには、通常の粉体抵抗率10〜10Ω・cmのものから、SnOの導電性材料の製造時に、酸化アンチモンなどのスズとは異なる価数の金属の化合物や非金属元素などを混合して(ドープして)、粉体抵抗率を1/1000〜1/100000に小さくしたものや、構成元素を増やさずにノンドープでSnOの抵抗をアンチモンドープと同程度に小さくした酸素欠損型SnOがある。
本発明の電子写真感光体の導電層に用いられる導電性粒子としては、酸素を欠損させることにより低抵抗化(粉体抵抗率で1/10000)を図ったSnO(酸素欠損型SnO)を被覆したTiO粒子が好ましい。酸素欠損型SnOは、アンチモンなどの異元素をドープしたSnOに比べてリユース性に優れる。
酸素欠損型SnOのみから構成される粒子ではなく、酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子が好ましい理由は以下のとおりである。
まず、芯材粒子を用いることにより、導電層における導電性粒子の分散性の向上を図ることができる。導電性粒子として酸素欠損型SnOのみを用いて導電層用塗布液を作製した場合、特に酸素欠損型SnOの含有比率が高い場合に、酸素欠損型SnOの凝集が発生しやすい。
また、芯材粒子としてTiO粒子を用いることにより、酸素欠損型SnOの酸素欠損部位とTiO粒子表面の酸化物部位の親和力により、酸素欠損型SnOの被覆層と芯材の結合を強化することができ、また、酸素欠損型SnOの酸素欠損部位を保護することができる。酸素欠損型は、ドープ型と異なり、酸素存在下で酸化して酸素欠損部位が消失し、導電性が低下(粉体抵抗率が増加)してしまう場合がある。
また、芯材粒子であるTiO粒子は、露光光(画像露光光)がレーザー光である場合、レーザー露光の際、支持体表面で反射した光が干渉して出力画像に干渉縞が発生することを抑制することができる。
なお、酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の製造方法(酸素欠損型SnOを作製する方法やTiO粒子に酸素欠損型SnOを被覆する方法)は、特開平07−295245号公報や特開平04−154621号公報に開示されている。
粉体抵抗率が上記範囲にある酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子を安定して得るためには、該粒子を製造する際の原材料配合比率を制御すればよい。例えば、スズ原材料から100%のSnOが得られると計算して、酸素欠損型SnOを被覆したTiOに対して40〜80質量%のSnOを生成するのに必要なスズ原材料を該粒子製造時に配合すればよい。換言すれば、TiOへの酸素欠損型SnOの被覆率は40〜80質量%が好ましい。
次に、導電性粒子の平均粒径に関して説明する。
導電層の組成が同一であっても、導電性粒子の平均粒径が大きくなるにしたがって該導電性粒子の粉体抵抗率が低下し、それとともに、導電層の体積抵抗率が低下する。
上述のとおり、導電性粒子の平均粒径が0.2μm未満の場合、導電層の体積抵抗率を上記範囲の収めるには、導電性粒子の使用量を増やす必要があるが、導電性粒子の使用量を増やした場合、導電層表面で反射した光が干渉して出力画像に干渉縞が発生することを抑制するために好適な導電層の表面粗さ(Rzjis:1〜3μm)を達成することが難しくなる。なお、Rzjisとは、JISB0601(1994年)でRzと定義されていたものである。JISB0601は、2001年の規格改訂でRzが改訂され、1994年時のRy(最大高さ)に置き換わった。1994年時のRzは区別のために、2001年にRzjisと名称変更された。
一方、導電性粒子の平均粒径が0.6μmを超える場合、導電層の体積抵抗率は低下するものの、ゴースト現象の発生の抑制の効果は薄くなり、出力画像中の白地におけるカブリが目立つようになる。
本発明における平均粒径の測定方法は以下のとおりである。
分散粒子は導電性粒子のみの組成の導電層用塗布液を液相沈降法にて測定した。具体的には、導電層用塗布液をそれに用いた溶剤で希釈して、(株)堀場製作所製の超遠心式自動粒度分布測定装置(CAPA700)を用いて平均粒径を測定した。
本発明において、導電層は、平均粒径0.2〜0.6μmの導電性粒子を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる導電層用塗布液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成する。分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。
導電層用塗布液に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコールや、アセトン、メチルエチルケトン、シクロへキサノンなどのケトンや、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテルや、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステルや、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。
上述のとおり、ゴースト現象の発生を抑制するという観点から、導電層の膜厚は0.5〜4.5μmである必要がある。
なお、本発明において、導電層を含む電子写真感光体の各層の膜厚は、(株)フィッシャーインストルメンツ社製のFISHERSCOPE mmsで測定した。
導電層の結着樹脂としては、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリビニールアセタール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは1種または2種以上用いることができる。また、各種樹脂の中でも、他層へのマイグレーション(溶け込み)の抑制、支持体への密着性、導電性粒子の分散性・分散安定性、成膜後の耐溶剤性などの観点から、導電層の結着樹脂は硬化性樹脂が好ましく、特には熱硬化性樹脂がより好ましい。具体的には、熱硬化性フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂などが好ましい。
また、平均粒径0.2〜0.6μmの導電性粒子(P)と結着樹脂(B)との質量比(P/B)は、3.5/1〜6/1であることが好ましい。質量比(P/B)が小さすぎると、導電層の体積抵抗率を上記範囲に収めることが難しくなり、質量比(P/B)が大きすぎると、導電層における平均粒径0.2〜0.6μmの導電性粒子の結着が難しくなる。
また、ゴースト現象の発生を抑制するためには、また、導電層表面で反射した光が干渉して出力画像に干渉縞が発生することを抑制するためには、導電性粒子の平均粒径(D[μm])と、平均粒径0.2〜0.6μmの導電性粒子(P)と結着樹脂(B)との質量比(P/B)とは、下記式(1)を満たす関係にあることが好ましい。
0.01×(P/B)+0.28≦D≦0.14×(P/B) ・・・(1)
上記式(1)は、導電性粒子の含有量が多くなるにしたがって干渉縞が発生しやすくなる一方で、導電層から感光層への局所的な電荷注入が起こりにくくなるため、導電層中の導電性粒子の含有量に合わせて導電性粒子の平均粒径を制御することが好ましいことを示している。なお、このような傾向は、質量比(P/B)が3.5/1以上の場合において顕著にみられた。
また、導電層表面で反射した光が干渉して出力画像に干渉縞が発生することを抑制するためには、導電層に、結着樹脂および平均粒径0.2〜0.6μmの導電性粒子に加えて、導電層表面を粗面化するための表面粗し付与材を添加することが好ましい。表面粗し付与材としては、平均粒径1〜3μmの樹脂粒子が好ましく、例えば、硬化性ゴム、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、アクリル−メラミン樹脂などの硬化性樹脂の粒子などが挙げられる。これらの中でも、凝集しにくいシリコーン樹脂の粒子が好ましい。樹脂粒子の比重(0.5〜2)は、金属酸化物を用いた導電性粒子の比重(5〜7)に比べて小さいため、導電層形成時に効率的に該導電層の表面を粗面化することができる。ただし、導電層中の表面粗し付与材の含有量が多いほど、導電層の体積抵抗率が上昇する傾向にあるため、導電層の体積抵抗率を上記範囲に収めるためには、導電層中の表面粗し付与材の含有量は、導電層中の結着樹脂に対して20〜35質量%であることが好ましい。
また、導電層の表面性を高めるためにレベリング剤を添加してもよく、また、導電層の隠蔽性を向上させるために、顔料粒子を導電層に含有させてもよい。
上述のように、導電層の体積抵抗率が2×10〜8×10Ω・cmである場合、帯電能の低下を抑制したり、導電層から感光層への電荷注入を阻止したりするために、電気的バリア性を有する中間層を導電層と感光層との間に設ける必要がある。中間層の体積抵抗率は1×10〜1×1013Ω・cmであることが好ましい。中間層の体積抵抗率が小さすぎると、電気的バリア性が乏しくなり、導電層からの電荷注入に起因するゴースト現象やカブリの発生が顕著になる傾向にある。一方、中間層の体積抵抗率が大きすぎると、画像形成時に電荷(キャリア)の流れが滞り、ゴースト現象の発生や残留電位の上昇(電位安定性の欠如)が顕著になる傾向にある。
本発明における中間層の体積抵抗率の測定方法は以下のとおりである。
まず、アルミニウムシート上に測定対象の中間層を2〜5μm程度の膜厚で形成し、さらに、この中間層上に金の薄膜を蒸着により形成して、アルミニウムシートと金薄膜の両電極間を流れる電流値をpAメーターで測定した。測定環境は23℃、60RH%であり、印加電圧は100Vである。電流値測定開始1分後の安定した値を読み取り、中間層の体積抵抗率を導き出した。
中間層は、結着樹脂を含有する中間層用塗布液を導電層上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。
中間層の結着樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリグルタミン酸、カゼイン、でんぷんなどの水溶性樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリグルタミン酸エステル樹脂などが挙げられる。電気的バリア性を効果的に発現させるためには、また、塗工性、密着性、耐溶剤性、抵抗などの観点から、中間層の結着樹脂は熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、熱可塑性ポリアミド樹脂などが好ましい。ポリアミド樹脂としては、溶液状態で塗布できるような低結晶性または非結晶性の共重合ナイロンなどが好ましい。また、中間層の膜厚は0.1〜2μmであることが好ましい。
また、中間層において電荷(キャリア)の流れが滞らないようにするために、中間層には、電子輸送物質(アクセプターなどの電子受容性物質)を含有させてもよい。
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
図1に示すように、本発明の電子写真感光体は、支持体101上に導電層102、中間層103、感光層104(電荷発生層1041、電荷輸送層1042)をこの順に有する電子写真感光体である。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層104であっても(図1(a)参照)、電荷発生物質を含有する電荷発生層1041と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層1042とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよいが、電子写真特性の観点からは積層型感光層が好ましい。また、積層型感光層には、支持体101側から電荷発生層1041、電荷輸送層1042の順に積層した順層型感光層(図1(b)参照)と、支持体101側から電荷輸送層1042、電荷発生層1041の順に積層した逆層型感光層(図1(c)参照)があるが、電子写真特性の観点からは順層型感光層が好ましい。
また、感光層104(電荷発生層1041、電荷輸送層1042)上に、保護層105を設けてもよい(図1(d)参照)。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製の支持体を用いることができる。アルミニウム、アルミニウム合金の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨(電解作用を有する電極と電解質溶液による電解および研磨作用を有する砥石による研磨)、湿式または乾式ホーニング処理したものも用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成された層を有する上記金属製支持体や樹脂製支持体(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、フェノール樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン樹脂など)を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を樹脂や紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチックなどを用いることもできる。
導電層の電荷(キャリア)をアースに流すためには、導電性の支持体の体積抵抗率は、また、支持体の表面が導電性を付与するために設けられた層である場合その層の体積抵抗率は、1×1010Ω・cm以下であることが好ましく、特には1×10Ω・cm以下であることがより好ましい。
なお、支持体が非導電性の支持体である場合には、本発明の電子写真感光体の導電層からアースを取る構成を採る必要がある。
支持体上には導電層が設けられ、導電層上には中間層が設けられる。導電層および中間層に関しては上述のとおりである。
中間層上には感光層が設けられる。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、シアニン染料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛などが挙げられる。これらの中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニンは、高感度である一方でゴーストが発生しやすい電荷発生物質であり、本発明がより効果的に作用するため好ましい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられる。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、10:1〜1:10(質量比)の範囲が好ましく、特には3:1〜1:1(質量比)の範囲がより好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
また、電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1〜2μmであることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。また、電荷発生層において電荷(キャリア)の流れが滞らないようにするために、電荷発生層には、電子輸送物質(アクセプターなどの電子受容性物質)を含有させてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。
感光層が積層型感光層である場合、電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、不飽和樹脂などが挙げられる。特には、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、2:1〜1:2(質量比)の範囲が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタンなどのエーテル、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素などが用いられる。
電荷輸送層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
電荷輸送層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることがより好ましく、さらには13〜19μmの範囲が帯電能と電界強度の観点からゴーストが発生しにくいためより一層好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
感光層が単層型感光層である場合、該単層型感光層は、上記電荷発生物質および上記電荷輸送物質を上記結着樹脂および上記溶剤と共に分散して得られる単層型感光層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
また、感光層上には、該感光層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、上述した各種結着樹脂を溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
保護層の膜厚は0.5〜10μmであることが好ましく、特には1〜5μmであることが好ましい。
図2に、本発明のプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図2において、1はドラム状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電手段3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。帯電手段3に印加する電圧は、直流電圧のみであってもよいし、交流電圧を重畳した直流電圧であってもよい。
電子写真感光体1の周面に形成された静電潜像は、現像手段5のトナーにより現像されてトナー画像となる。次いで、電子写真感光体1の周面に形成担持されているトナー画像が、転写手段(転写ローラー)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次転写されていく。
トナー画像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー画像転写後の電子写真感光体1の周面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残トナーの除去を受けて清浄面化される。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図2では、電子写真感光体1と、接触帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
(実施例)
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
23℃、60%RH環境下で熱間押し出しすることにより得られた、長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金のED管、昭和アルミニウム(株)製、シリンダー表面のRzjisが0.8μm)に、以下の条件で湿式ホーニング処理を施して((株)不二精機製造所製の湿式ホーニング装置を用いた)、シリンダー表面のRzjisが2.0μmとなったものを支持体とした。
−ホーニング条件−
研磨材砥粒:平均粒径30μmの球状アルミナビーズ(商品名:CB−A30S、昭和電工(株)製)
懸濁媒体:水
研磨材砥粒/懸濁媒体=1/9(体積比)
アルミニウムシリンダーの回転数:1.67s−1
エアー吹き付け圧力:0.165MPa
ガンの移動速度:13.3mm/s
ガンノズルとアルミニウムシリンダーとの距離:180mm
研磨材砥粒の吐出角度:45°
研磨液(研磨材砥粒および懸濁媒体)投射回数:1回
本発明において、Rzjisの測定は、JIS−B0601(1994)に準じ、小坂研究所(株)製の表面粗さ計サーフコーダーSE3500を用いて、送り速度0.1mm/s、カットオフλc0.8mm、測定長さ2.50mmの設定で行った。
次に、導電性粒子としての酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率80Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は50%)7.90部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分60%)3.30部、溶剤としてのメトキシプロパノール8.60部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散して、分散液を調整した。
この分散液における酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.43μmであった。
この分散液に、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)0.5部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.001部を添加して攪拌し、導電層用塗布液を調整した。
この導電層用塗布液を、23℃、60%RH環境下で、支持体上に浸漬コーティングし、140℃で30分間乾燥、熱硬化して、膜厚が3.0μmの導電層を形成した。導電層表面のRzjisを測定したところ、1.5μmであった。
また、別途、この導電層用塗布液をマイヤーバーでアルミニウムシート上に膜厚3.5μmの厚さに塗布して乾燥し、導電層体積抵抗率測定用サンプルを作製した。この導電層上に金の薄膜を蒸着により形成して、導電層の体積抵抗率を測定したところ、5.7×10Ω・cmであった。
次に、導電層上に、N−メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学産業(株)製)4部および共重合ナイロン樹脂(アミランCM8000、東レ(株)製)2部を、メタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶媒に溶解して得られた中間層用塗布液を浸漬コーティングし、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
また、別途、この中間層用塗布液をマイヤーバーでアルミニウムシート上に膜厚3μmの厚さに塗布して乾燥し、中間層体積抵抗率測定用サンプルを作製した。この中間層上に金の薄膜を蒸着により形成して、中間層の体積抵抗率を測定したところ、5×1011Ω・cmであった。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部およびシクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で1時間分散し、次に、酢酸エチル250部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬コーティングし、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.18μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有するアミン化合物10部、および、
Figure 2005107178
ポリカーボネート樹脂(商品名:Z400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部を、ジメトキシメタン30部/クロロベンゼン70部の混合溶媒に溶解して、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬コーティングし、120℃で30分乾燥して、膜厚が17μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体を、15℃、10%RH環境下にて、前露光ユニットの電源を切った状態のキヤノン(株)製レーザービームプリンターのLBP−2510に装着して、初期と3000枚通紙出力後の画像の評価と、電子写真感光体上の表面電位の測定を行った。詳しくは以下のとおりである。
LBP−2510のシアン色用のプロセスカートリッジに作製した電子写真感光体を装着して、シアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、評価を行った。
通紙時は各色の印字率2%の文字画像をレター紙にて20秒毎に1枚出力する間欠モードでフルカラープリント操作を行い、3000枚の画像出力を行った。
そして、評価開始時と3000枚終了時に4枚(ベタ白、ゴーストチャート、ベタ黒、桂馬パターンのハーフトーン画像)の画像評価用のサンプルを出力した。
なお、ゴーストチャートとは、プリント画像書き出し(紙上端10mm)位置から30mmの範囲をベタ白背景に25mm四方のベタ黒の正方形を等間隔かつ平行にプリント画像書き出し位置に4つ並べ、プリント画像書き出し位置から30mm以降は、桂馬パターンのハーフトーン(将棋の桂馬パターン(6マスに2ドット印字するパターン)を繰り返すハーフトーン画像)を印字するチャートである。
画像の評価の基準は以下のとおりである。
ゴーストの有無は、ゴーストチャートから、A:ゴーストが全くなし、B:ゴーストがほとんどなし、C:ゴーストがわずかに観測される、D:ゴーストが観測される、E:ゴーストがはっきりわかる、とした。
干渉縞の有無は、桂馬パターンのハーフトーン画像から、A:干渉縞が全くなし、C:干渉縞がわずかに観測される、D:干渉縞が観測される、とした。
カブリ、ポチに関しては、ベタ白画像から評価した。カブリ、ポチの発生がない場合は無記載である。
また、画像評価用のサンプルを出力後、電子写真感光体の表面電位を測定するための装置(プロセスカートリッジの現像ローラー位置に電子写真感光体の表面電位測定用のプローブを設置した装置(トナー、現像ローラー類、クリーニングブレードは外した))に、電子写真感光体を装着し、LBP−2510の静電転写ベルトユニットを外した状態でゴースト電位を測定した。
ゴースト電位の測定方法は以下のとおりである。
まず、レター紙サイズのゴースト電位測定用チャート(プリント画像書き出し(紙上端10mm)位置から25mmの範囲をベタ黒で、プリント画像書き出し位置から25〜30mmの範囲をベタ白で、プリント画像書き出し位置から30mm以降は、桂馬パターンのハーフトーンの繰り返し)の印字モードを、非通紙にて、シアンのプロセスカートリッジのステーションで電子写真感光体の表面電位を測定した。
次に、ベタ黒1回転後のハーフトーン電位とその前後のハーフトーン電位の差(ベタ黒1回転後のハーフトーン電位はベタ黒1回転後の直前直後のハーフトーン電位より小さい)をゴースト電位とした。
結果を表1に示す。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の使用量を7.63部に、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を3.75部に変更した。その結果、導電層表面のRzjisは1.7μmに、導電層の体積抵抗率は8×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の使用量を7.73部に、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を3.58部に変更した。その結果、導電層表面のRzjisは1.6μmに、導電層の体積抵抗率は9×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の使用量を8.40部に、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を2.46部に変更した。その結果、導電層表面のRzjisは1.5μmに、導電層の体積抵抗率は8×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の使用量を8.51部に、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を2.28部に変更した。その結果、導電層表面のRzjisは1.4μmに、導電層の体積抵抗率は2×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率40Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は60%)8.08部に変更し、また、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を3.00部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.46μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.5μmに、導電層の体積抵抗率は4×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率600Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は35%)7.90部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.22μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.05μmに、導電層の体積抵抗率は2×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率400Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は40%)7.90部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.30μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.15μmに、導電層の体積抵抗率は1.5×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率100Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は50%)7.90部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.33μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.2μmに、導電層の体積抵抗率は7×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率40Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は75%)7.90部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.55μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.6μmに、導電層の体積抵抗率は3×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の導電性粒子について10質量%の酸化アンチモンをドープしたSnOを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率0.5Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は85%)7.90部に変更した。この10質量%の酸化アンチモンをドープしたSnOを被覆したTiO粒子の平均粒径は0.58μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.65μmに、導電層の体積抵抗率は7×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の膜厚を0.6μmに変更した。その結果、導電層表面のRzjisは1.8μmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
まず、支持体を、熱間押し出しすることにより得られた、長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金のED管、昭和アルミニウム(株)製、シリンダー表面のRzjisが0.8μm)に変更した。
また、導電層の導電性粒子について特開平11−007145号公報に記載されたものと同様の酸化インジウム−酸化スズを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率0.05Ω・cm、酸化インジウム−酸化スズの被覆率(質量比率)は50%)7.90部に変更し、導電層の結着樹脂についてポリエステルポリウレタン(商品名:ニッポラン2304、日本ポリウレタン(株)製、固形分70%)3.30部に変更し、また、導電層の膜厚を3.5μmに変更した。この酸化インジウム−酸化スズを被覆したTiO粒子の平均粒径は0.45μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.5μmに、導電層の体積抵抗率は1.5×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
まず、支持体を以下の切削管に変更した。
熱間押し出しすることにより得られた、外径30.5mm、内径28.5mm、長さ260.5mm、振れ精度100μm、Rzjis10μmのアルミニウム素管(JIS−A6063)を旋盤に装着し、ダイヤモンド焼結バイトにて、外径30.0±0.02mm、振れ精度15μm、Rzjis0.5μmとなるように切削加工して、Rzjisが0.5μmの切削管を得た。なお、このときの主軸回転数は3000rpm、バイトの送り速度は0.3mm/revであり、加工時間は被加工物の着脱を除き24秒であった。
また、導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率80Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は50%)7.90部に変更し、また、導電層の膜厚を4.4μmに変更した。この酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径は0.45μmであった。
以上の結果、導電層表面のRzjisは1.5μmに、導電層の体積抵抗率は5.5×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子の使用量を0.38部に変更した。その結果、導電層表面のRzjisは0.95μmに、導電層の体積抵抗率は5.7×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子の使用量を0.41部に変更した。その結果、導電層表面のRzjisは1.1μmに、導電層の体積抵抗率は5.7×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子の使用量を0.68部に変更した。その結果、導電層表面のRzjisは1.8μmに、導電層の体積抵抗率は5.7×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の表面粗し付与材についてシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール145、GE東芝シリコーン(株)製)0.71部に変更した。このシリコーン樹脂粒子の平均粒径は4.5μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.9μmに、導電層の体積抵抗率は5.7×10Ω・cmとなった。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
中間層の膜厚を0.07μmに、電荷輸送層の膜厚を20μmに変更した。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
中間層の膜厚を0.15μmに、電荷輸送層の膜厚を18μmに変更した。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
中間層の膜厚を1.8μmに、電荷輸送層の膜厚を13μmに変更した。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
中間層の膜厚を2.2μmに、電荷輸送層の膜厚を12μmに変更した。
実施例1において、電荷輸送層の結着樹脂を下記式で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂(粘度平均分子量(Mv):42000)
Figure 2005107178
に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。また、上記式で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂は、テレフタル酸構造とイソフタル酸構造とのモル比(テレフタル酸構造:イソフタル酸構造)が50:50(モル比)のものである。
なお、粘度平均分子量(Mv)の測定方法は以下のとおりである。
まず、試料0.5gをメチレンクロライド100mlに溶解し、改良Ubbelohde型粘度計を用いて、25℃における比粘度を測定した。次に、この比粘度から極限粘度を求め、Mark−Houwinkの粘度式により、粘度平均分子量(Mv)を算出した。粘度平均分子量(Mv)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定されるポリスチレン換算値とした。
作製した電子写真感光体を、15℃、10%RH環境下にて、前露光装置を有さないキヤノン(株)製レーザービームプリンターのLBP−1760に装着して、初期と3000枚通紙出力後の画像の評価と、電子写真感光体上の表面電位の測定を行った。詳しくは以下のとおりである。
LBP−1760のプロセスカートリッジに作製した電子写真感光体を装着して、評価を行った。
通紙時は印字率2%の文字画像をレター紙にて15秒毎に1枚出力する間欠モードでプリント操作を行い、3000枚の画像出力を行った。
そして、評価開始時と3000枚終了時に4枚(ベタ白、ゴーストチャート、ベタ黒、桂馬パターンのハーフトーン画像)の画像評価用のサンプルを出力した。
なお、ゴーストチャート、桂馬パターンとは、実施例1と同様である。
画像の評価の基準は実施例1と同様である。
また、画像評価用のサンプルを出力後、電子写真感光体の表面電位を測定するための装置(プロセスカートリッジの現像スリーブ位置に電子写真感光体の表面電位測定用のプローブを設置した装置(トナー、現像スリーブ類、クリーニングブレードは外した))に、電子写真感光体を装着し、LBP−1760の転写ローラーを外し、非通紙の状態でゴースト電位を測定した。
ゴースト電位の測定方法は実施例1と同様である。
結果を表1に示す。
Figure 2005107178
(比較例1)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率0.5Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は80%)8.36部に変更し、また、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を2.53部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.6μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.4μmに、導電層の体積抵抗率は9.5×10Ω・cmとなった。
(比較例2)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率400Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は50%)7.41部に変更し、また、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を4.12部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.2μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは0.9μmに、導電層の体積抵抗率は1×10Ω・cmとなった。
(比較例3)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率800Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は40%)7.68部に変更し、また、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を3.66部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.18μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは0.85μmに、導電層の体積抵抗率は7×10Ω・cmとなった。
(比較例4)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率10Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は50%)7.90部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.63μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.6μmに、導電層の体積抵抗率は3×10Ω・cmとなった。
(比較例5)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
導電層の導電性粒子について特開平11−007145号公報に記載されたものと同様の酸化インジウム−酸化スズを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率0.5Ω・cm、酸化インジウム−酸化スズの被覆率(質量比率)は50%)7.68部に変更し、また、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を3.66部に変更し、また、導電層の膜厚を0.4μmに変更した。この酸化インジウム−酸化スズを被覆したTiO粒子の平均粒径は0.18μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.9μmに、導電層の体積抵抗率は1×10Ω・cmとなった。
(比較例6)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
まず、支持体を、熱間押し出しすることにより得られた、長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金のED管、昭和アルミニウム(株)製)に変更した。この支持体表面のRzjisを測定したところ、0.8μmであった。
また、導電層の導電性粒子について20質量%の酸化アンチモンをドープしたSnOを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率0.05Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は70%)7.90部に変更し、また、導電層の膜厚を4.7μmに変更した。この20質量%の酸化アンチモンをドープしたSnOを被覆したTiO粒子の平均粒径は0.62μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.2μmに、導電層の体積抵抗率は2×10Ω・cmとなった。
(比較例7)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
導電層の導電性粒子についてドープ処理も酸素欠損処理もされていないSnOを被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率80000Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は50%)7.90部に変更した。このドープ処理も酸素欠損処理もされていないSnOを被覆した硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.45μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.5μmに、導電層の体積抵抗率は6×1010Ω・cmとなった。
(比較例8)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOが凝集した粒子(粉体抵抗率0.5Ω・cm、芯材粒子なし)7.90部に変更した。この酸素欠損型SnOが凝集した粒子の平均粒径は0.65μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.6μmに、導電層の体積抵抗率は5×10Ω・cmとなった。
Figure 2005107178
なお、本発明において、膜厚、表面粗さとは、それぞれ、電子写真感光体の長手方向中央部±25mmの領域における平均値である。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良を図るために、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けた電子写真感光体であっても、ゴースト現象の発生がより一層抑制された電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明によれば、このような電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す。 本発明のプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
符号の説明
101 支持体
102 導電層
103 中間層
104 感光層
1041 電荷発生層
1042 電荷輸送層
105 保護層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段(一次帯電手段)
4 露光光(画像露光光)
5 現像手段
6 転写手段(転写ローラー)
7 クリーニング手段(クリーニングブレード)
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材(紙など)

Claims (9)

  1. 支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体であって、該導電層が結着樹脂および導電性粒子を含有する電子写真感光体において、
    該導電性粒子の平均粒径が0.2〜0.6μmであり、
    該導電層の膜厚が0.5〜4.5μmであり、
    該導電層の体積抵抗率が2×10〜8×10Ω・cmである
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記導電層における前記導電性粒子(P)と前記結着樹脂(B)との質量比(P/B)が3.5/1〜6/1である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記導電性粒子の粉体抵抗率が1×10−2〜5×10Ω・cmである請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記導電性粒子の平均粒径(D[μm])と、前記導電層における前記導電性粒子(P)と前記結着樹脂(B)との質量比(P/B)とが、下記式(1)を満たす関係にある請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
    0.01×(P/B)+0.28≦D≦0.14×(P/B) ・・・(1)
  5. 前記導電層に含有される結着樹脂が硬化性樹脂であり、かつ、前記導電層が樹脂粒子を該硬化性樹脂に対して20〜35質量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、電子写真感光体の表面の静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、電子写真感光体の表面のトナー像を転写材に転写するための転写手段、および、転写後に該電子写真感光体の表面に残留するトナーをクリーニングするためのクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、該帯電手段により帯電された電子写真感光体の表面に露光によって静電潜像を形成するための露光手段、該露光手段により形成された電子写真感光体の表面の静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、および、該現像手段により形成された電子写真感光体の表面のトナー像を転写材に転写するための転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
  8. 前記転写手段による転写の後、前記帯電手段による帯電の前に前記電子写真感光体の表面を除電するための帯電前除電手段を有さない請求項7に記載の電子写真装置。
  9. 前記露光手段が前記電子写真感光体の表面にレーザー露光によって静電潜像を形成するための手段である請求項7または8に記載の電子写真装置。
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