JP2005105450A - 複合繊維及びフェノール樹脂系極細繊維及びフェノール樹脂系極細炭素繊維及びフェノール樹脂系極細活性炭素繊維、それらの製造方法 - Google Patents

複合繊維及びフェノール樹脂系極細繊維及びフェノール樹脂系極細炭素繊維及びフェノール樹脂系極細活性炭素繊維、それらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性・難燃性・耐薬品性等に優れ、繊維直径が従来に比して著しく極細なるフェノール樹脂系極細繊維、及び該繊維を炭素化、あるいは更にその後賦活することで得られるフェノール樹脂系極細炭素繊維及びフェノール樹脂系極細活性炭素繊維、並びにそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】フェノール樹脂と、第二成分として熱可塑性樹脂を主体とし該フェノール樹脂に非相溶もしくは低相溶性樹脂を混合して得た複合樹脂を繊維化し、このうち海成分が第二成分樹脂であり、島成分がフェノール樹脂である複合繊維、及びこの複合繊維の第二成分樹脂のみ選択的に溶解除去して得られるフェノール樹脂系極細繊維、更に複合繊維を炭素化して得られるフェノール樹脂系極細炭素繊維、更にこれら複合繊維、フェノール樹脂系極細繊維、フェノール樹脂系極細炭素繊維を賦活して得られるフェノール樹脂系極細活性炭素繊維及びそれらの製造方法を提供する。

Description

本発明は耐熱性、難燃性及び耐薬品性に優れ、一般産業資材分野をはじめ幅広い分野で利用されるフェノール樹脂系繊維のうち、従来は極めて困難であった極細繊維を得るために好適な複合繊維、及びこの複合繊維から得られるフェノール樹脂系極細繊維、更にこれを炭素化更にその後賦活することで得られるフェノール樹脂系極細炭素繊維及びフェノール樹脂系極細活性炭素繊維及びそれらを生産性良く製造できる製造方法を提供するものである。
フェノール樹脂系繊維は耐熱性・難燃性・耐薬品性に優れていることが知られ、このため、これらの特性を要求される分野にて長年にわたり利用されてきた。また、このフェノール樹脂系繊維を炭素化することにより炭素繊維が得られることが知られている。この種の炭素繊維は他の炭素繊維、例えばポリアクリロニトリル系やピッチ系の炭素繊維に比べ、強度や弾性率が低いものの柔軟性に富み加工が容易である点、炭素化後の残存率が高い点や良好な潤滑性を示すという特徴が評価されて特定分野では不可欠の存在となっている。更にフェノール樹脂系繊維を賦活した活性炭素繊維は特定の有機溶剤に対して極めて高い吸着性を示すなど、こちらも必要不可欠の存在となっている。
このように多方面にわたり使用されているフェノール樹脂系繊維・炭素繊維・活性炭素繊維であるが、近年、フェノール樹脂系繊維については高密度織物や不織布、薄い紙の要望から、そして炭素繊維・活性炭素繊維については比表面積や吸着速度等の特性向上、あるいは高性能の触媒担体等、従来あるいは新規分野から極細化が求められている。
従来のフェノール樹脂系繊維は一般的には熱可塑性のノボラック樹脂を溶融紡糸し、その後、酸性触媒下、アルデヒド類と反応させることにより三次元架橋を行い、熱不融化する方法で作られている。しかしながら、この方法では原料となるノボラック樹脂は完全非晶質であるうえ、重合度が低く、繊維製造に供される他の熱可塑性樹脂に比べ紡糸が困難である。すなわち、粘度の温度依存性が高く、溶融紡糸後、周囲温度の低下に伴って急激な粘度上昇があり急速に固化するものの極めて脆い繊維となる。しかも、このようにして得られた架橋反応前の繊維は脆弱なるが故に従来からの熱可塑性繊維、例えばポリアミド系繊維やポリエステル系繊維のように延伸を加えることが不可能である。このため、細孔より溶融したノボラック樹脂を吐出させ、可塑変形領域にて一気に引き伸ばす高速ドラフトによる直接紡糸法が採られている。このような紡糸方法では紡糸条件が極めて狭い管理幅内に規制される上、たとえその管理幅内にあっても僅かな温度・紡糸速度の変動が原因で糸切れが頻発するため、実用上の微細化の限界は直径12μm程度であった。この理由は、細くするために口金からの吐出量を絞り、更に加えて紡糸速度を上げることを行うと溶融ノボラック樹脂が紡糸張力に耐えうることができなくなるためである。
この問題に対していくつかの対策も考えられる。例えば特許文献1のごとく、原料となるノボラック樹脂チップの水分率、遊離フェノール含有量及び形状を厳しく制限することにより紡糸性を向上させることができるが、その効果は目的を達成できるほどのものではない上、原料樹脂の製造、精製、選別に費用・労力を要し実用上の価値は殆ど無い。
特公昭51−7206号公報
一方、特許文献2ではノボラック樹脂にポリアミドを0.1〜5重量パーセント均一に混合することで、ノボラック樹脂本来の曳糸性の低さを改善せしめ紡糸速度も毎分1000m以上と通常のノボラック樹脂の溶融紡糸に比して高速化できることを開示している。この方法を応用すれば微細化の手段とは成り得るものの、その直径はせいぜい10μm程度であり、その効果は限定的である。しかも繊維中にポリアミドが残留するためフェノール繊維の優れた特性である熱不融性・難燃性を低下させる。たとえ熱不融性・難燃性を損なわない程度にポリアミドの混合比を制限したとしてもフェノール樹脂繊維の利用分野の一つである精密ケミカル分野においてはもはや異種の繊維と見なされることはやむを得ない。
特公昭52−12814号公報
近年、ポリビニルアルコール系ポリマーとポリビニルアルコール系ポリマーに非相溶なポリアクリロニトリル等のポリマーを共通溶媒にて溶解して、海島構造の紡糸原液から湿式紡糸法による微細なフィブリル化繊維を作る方法が、特許文献3あるいは特許文献4等に記載されているように公知となった。或いはポリスチレンとナイロンの組み合わせによる溶融紡糸法での海島相複合繊維で極細繊維を作る方法等も公知となっているが、いずれの方法もフェノール樹脂系極細繊維への工業的な応用は極めて困難であった。
特開平9−302525号公報 特開平10−310931号公報
フェノール樹脂系極細繊維及びフェノール樹脂系極細炭素繊維及びフェノール樹脂系極細活性炭素繊維は現代社会においてますます重要かつ不可欠な素材として、安価かつ高品質で供給されることが望まれているが、一方で従来の製造方法においては高品質の繊維を工業的に得ることが不可能であった事実に鑑み、本発明者らは鋭意検討を進めてきた結果、新たなる製造方法と、更にこの製造方法により該繊維を生産性良く得られることを見出し、遂に完成させることができたものである。即ち、その課題とするところは従来のフェノール樹脂系繊維と同等の耐熱性・難燃性・耐薬品性等の諸性能を有し、その繊維直径が従来に比して著しく極細なるフェノール樹脂系極細繊維を得るに好適な複合繊維、及び該複合繊維から得られるフェノール樹脂系極細繊維、更に該繊維を炭素化、あるいは更にその後賦活することで得られるフェノール樹脂系極細炭素繊維及びフェノール樹脂系極細活性炭素繊維、並びにそれらの製造方法を提供することにある。
本発明は従来にない特別なる方法を用いてなされるものである。即ち、本発明者らは酸性触媒の存在下にフェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、あるいは塩基性触媒の存在下にフェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂あるいはホウ素変性、ケイ素変性、リン変性、重金属変性、窒素変性、イオウ変性、油変性、ロジン変性等、公知の技法による各種変性フェノール樹脂またはこれらの混合物のフェノール樹脂を第一成分として、該フェノール樹脂に非相溶あるいは低相溶性の樹脂類及びこれら樹脂類の共重合物或いはこれらの混合物を第二成分とし、この両者を好適な方法を用いて混合した後、得られる複合樹脂を、海成分が第二成分樹脂であり、島成分が第一成分のフェノール樹脂であるように好適な紡糸法により複合繊維化し、更にこのうちフェノール樹脂を架橋化処理した後に海成分の第二成分樹脂のみ選択的に除去することにより繊維直径0.01〜2μmのフェノール樹脂系極細繊維を得る。更にこれを炭素化更にその後賦活することでフェノール樹脂系極細炭素繊維及びフェノール樹脂系極細活性炭素繊維を得るものである。
以上のごとく本発明によれば、従来いかなる特別な方法を用いても工業的には極めて製造が困難であったフェノール樹脂系極細繊維、フェノール樹脂系極細炭素繊維、フェノール樹脂系極細活性炭素繊維及びその前駆体である、第一成分としてフェノール樹脂/第二成分として熱可塑性樹脂を主体とし該フェノール樹脂に非相溶もしくは低相溶性樹脂を用いた海島型複合繊維を、安定した品質・繊維形状で、工程上の煩雑さもなく、低コストで生産できる方法を提供することができる。しかも従来のフェノール樹脂繊維において良好であった耐熱性・難燃性・耐薬品性等の諸性能を殆ど低下させることなくその繊維直径を従来に比して著しく極細なる形状で製造できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明に用いるフェノール樹脂を得るために使用されるフェノール類としては、アルデヒド類と酸性あるいは塩基性触媒下で反応させてフェノール樹脂が得られるフェノール類であれば以下に例示したフェノール類に限定されるものではないが、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、3,5−キシレノール、m−エチルフェノール、m−プロピルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、o−ブチルフェノール、レゾルシノール、ハイドロキノン、カテコール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、メチルハイドロキノン、2−メチルレゾルシノール、2,3−ジメチルハイドロキノン、2,5−ジメチルレゾルシノール、2−エトキシフェノール、4−エトキシフェノール、4−エチルレゾルシノール、3−エトキシ−4−メトキシフェノール、2−プロペニルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、2−イソプロポキシフェノール、4−ピロポキシフェノール、2−アリルフェノール、3,4,5−トリメトキシフェノール、4−イソプロピル−3−メチルフェノール、ピロガロール、フロログリシノール、1,2,4−ベンゼントリオール、5−イソプロピル−3−メチルフェノール、4−ブトキシフェノール、4−t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、4−t−ペンチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、2−フェニルフェノール、3−フェニルフェノール、4−フェニルフェノール、3−フェノキシフェノール、4−フェノキシフェノール、4−へキシルオキシフェノール、4−ヘキサノイルレゾルシノール、3,5−ジイソプロピルカテコール、4−ヘキシルレゾルシノール、4−ヘプチルオキシフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、ジ−sec−ブチルフェノール、4−クミルフェノール、ノニルフェノール、2−シクロペンチルフェノール、4−シクロペンチルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどがある。また使用にあたってはこれらフェノール類単体でも混合物でも良い。このうちフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、ビスフェノールA、2,3−キシレノール、3,5−キシレノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、o−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、レゾルシノールが好ましく、更にフェノールは最も好ましい。
次に本発明で用いるフェノール樹脂を得るために使用されるアルデヒド類としては以下に例示したアルデヒド類に限定されるものではないが、例えばホルムアルデヒド、トリオキサン、フルフラール、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、メチルヘミホルマール、エチルへミホルマール、プロピルへミホルマール、サリチルアルデヒド、ブチルヘミホルマール、フェニルへミホルマール、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o―メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド等、或いはこれらの混合物等が使用できる。このうち、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドが好ましく、特にホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが最も好ましい。
更に本発明で用いるフェノール樹脂を得るために使用される酸性触媒としては以下の例示に限定されるものではないが、例えば塩酸、硫酸、リン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸、酪酸、乳酸、ベンゼンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン酸、硼酸または塩化亜鉛や酢酸亜鉛のような金属との塩あるいはこれらの混合物が挙げられる。
また、本発明で用いるフェノール樹脂を得るために使用される塩基性触媒としては以下の例示に限定されるものではないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化リチウムのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物や水酸化アンモニウム、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミンのようなアミン類或いはこれらの混合物等が挙げられる。
次に本発明で用いる第二成分樹脂について説明する。本発明ではフェノール樹脂に非相溶もしくは低相溶性の第二成分樹脂を用いるが、その主体は熱可塑性樹脂である。これらは特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレートに代表されるアクリル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリ塩化ビニル系ポリマー、ポリ塩化ビニリデン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリアセタール系ポリマー、ポリブタジエン系ポリマー等が挙げられ、これらの単体あるいは混合物更にはこれらの樹脂を主体とする共重合体でも良い。また、一般的に加熱操作の結果、可塑性を示す以前に分解するような樹脂であっても、前述の熱可塑性樹脂と混合あるいは共重合等の操作で得られる樹脂が熱可塑性であっても良く、その代表がABS樹脂やAS樹脂等である。これ以外に、後述するように紡糸方法として湿式あるいは乾湿式あるいは乾式紡糸を用いる場合に一般的に行うように、原料樹脂を溶剤へ溶解させて用いるため可塑性を示す以前に分解するような樹脂、例えばポリビニルアルコール系ポリマー、セルロース系ポリマー、セルロースエステル系ポリマー、タンパク系ポリマー、ポリアクリロニトリル系ポリマー等を用いる事もできるうえ、これら単体だけでなく、混合物更にはこれらの樹脂を主体とする共重合体でも適宜選択して用いる事も出来る。
第二成分樹脂の選定に当たっては取り得る技法に応じて適宜選択すれば良いが、その分子量としては重量平均分子量で1万以上800万未満の範囲にあれば良く、好ましくは10万以上40万未満であり、最も好ましいのは15万以上30万未満である。これ以外に考慮すべき点としては、後の工程において複合繊維の中から第二成分樹脂を除去する際に熱分解法を用いる場合は熱分解されて消失する樹脂を選定する必要がある。
次いで、本発明で用いる複合樹脂について説明する。本発明では先ず、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂あるいは各種変性フェノール樹脂またはこれらの混合物のフェノール樹脂を第一成分とし、該フェノール樹脂に非相溶もしくは低相溶性樹脂第二成分として混合し、複合繊維の原料となる複合樹脂を得ることが必要である。その方法として例えば第一成分のフェノール樹脂類と第二成分樹脂の両者を溶解せしめる溶媒に溶解混合した後、溶媒を蒸発除去せしめ複合樹脂を得る方法を用いる場合、使用する溶剤は第一成分のフェノール樹脂類と第二成分樹脂の両者を溶解させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、含窒素系溶剤、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤などから適宜選択したものを単体、或いはこれら2種類以上の混合物として用いることができる。両成分の樹脂類を溶解するためには溶剤を攪拌しながら樹脂類を徐々に加えてゆくことが望ましい。この際、樹脂類が溶剤に溶けにくいようであれば加温する事が有効である。更には加圧する事で、常圧での溶剤の沸点以上に加温することが可能となり更に有効である。但し、高温に原料を曝すことで熱変性、劣化を及ぼす恐れがあることを考慮すれば、加熱は完全溶解させるまで限定的に用いるべきである。
溶剤に溶解する第一成分のフェノール樹脂類と第二成分樹脂の濃度については特に限定されるものではなく、原料の性状や後の紡糸方法により適宜選択される。
これらの方法のうち、後に溶剤を除去する場合には、後の工程で溶剤の回収に多大な時間とエネルギーを要することを考慮すれば、両樹脂類の溶解度を勘案し、出来得る限り高濃度にする事がより好ましい。
次に第一成分のフェノール樹脂類と第二成分樹脂両者を熱溶融して複合樹脂を得る場合、第二成分樹脂としては熱可塑性樹脂が相応しく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレートに代表されるアクリル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリ塩化ビニル系ポリマー、ポリ塩化ビニリデン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリアセタール系ポリマー、ポリブタジエン系ポリマー等の単体あるいは混合物更にはこれらの樹脂を主体とする共重合体が好適であり、前述したようにABS樹脂やAS樹脂等であっても良い。その方法は特に限定されるものではなく公知の混練装置を用いる事が出来る。混練装置としては例えば押出機型混練機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、高速二軸連続ミキサーなどが挙げられる。熱溶融混練温度については原料の性状等により適宜選択すれば良く特に限定されるものではない。但し、高温に原料を曝すことで熱変性、劣化を及ぼす恐れがあることを考慮すれば、混練温度は200℃以下がより好ましい。
第一成分のフェノール樹脂類と第二成分樹脂を混合する際の混率については重量比で、フェノール樹脂類:第二成分樹脂=1:9〜9:1が適用可能範囲であり、特には3:7〜7:3が好適である。
これ以外に、後の紡糸方法として乾式、或いは湿式、或いは乾・湿式を取り得る場合には第一成分のフェノール樹脂類と第二成分樹脂の両者を溶解せしめる溶媒に溶解混合し、複合樹脂溶液を得る、この溶液を直接紡糸原液として供する方法も可能である。
また両者を共に溶解または溶融しなくとも海成分の第二成分樹脂を溶解または溶融し、そこにフェノール樹脂類の微粒子を分散させる方法を用いても複合繊維の原料に供する複合樹脂を得る事が出来る。この場合の紡糸方法としては溶融紡糸法がより好ましい。
更に、いずれの複合樹脂或いは複合樹脂溶液を得る場合でも、必要に応じて公知の添加剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、浸透剤、増粘剤、防黴剤、染料、顔料、充填剤などを特定量加えることが可能である。特に、後述の溶融紡糸で第二成分樹脂の溶融粘度がフェノール樹脂類のそれに比べて極端に高い場合などは紡糸時に分離を生じたり、繊維径が不均一な複合繊維になることがあり、このような場合は可塑剤を使用することが望ましい。
本発明では前述の方法等により得られた原料を紡糸して複合繊維とする必要がある。その紡糸方法は公知の方法を適宜選択する事が出来る。例えば湿式紡糸、乾式紡糸、乾・湿式紡糸、溶融紡糸、ゲル紡糸、液晶紡糸などであるが特にこれらに限定されるものではない。これらの中からいずれの方法を選択するかは原料の性状を勘案し、適宜選択できる。代表例として溶融紡糸を使用した場合について解説する。
この場合、一般的な溶融紡糸装置が使用可能である。その溶融機器としてはグリッドメルター式や単軸押出し機方式、或いは2軸押出し機方式あるいはタンデム押出し機方式などが可能であり、更には溶融混合樹脂の酸化を防止するために窒素置換を行ったり、或いは微量の残留溶媒やモノマー類を除去するためにベントを具備した押出し機を使用するなど、通常行われている方法は本発明においても有効である。
紡糸時の温度は特に限定されるものではないが、好ましくは120℃以上200℃未満の範囲であり、より好ましくは140℃以上170℃未満である。紡糸口金としては特に限定されるものではなく、通常のものが使用可能であるが、好ましくは孔径を0.05mm以上1mm未満、より好ましくは0.1mm以上0.5mm未満とし、キャピラー部のL/Dは0.5以上10未満、より好ましくは1〜5である。
特別な用途の場合には、サイドバイサイド型やシースコア型、或いは海島型に第三成分のポリマーを組み合わせるコンジュゲート口金を使用することも何ら問題ない。
紡糸速度は特に限定されるものではないが、好ましくは50m/分以上3000m/分未満、より好ましくは100m/分以上1500m/分未満、更に好ましくは200m/分以上800m/分未満の範囲である。
更に得られた糸條を湿熱或いは乾熱にて延伸することも可能である。この操作は単糸が目的の太さとなるよう調整すると同時に、未硬化のフェノール樹脂を更に延伸させ均一な形状とすること、更に樹脂中の分子配列を均整化することである。湿熱で延伸する場合、例えば温水やエチレングリコールやプロピレングリコールなどの液に浸漬しながら常温から100℃の範囲、望ましくは30〜80℃の温度範囲において2倍から20倍程度に延伸することが良い。
乾熱延伸の場合には60℃〜120℃、好ましくは80℃〜100℃の雰囲気下で2倍から20倍程度に延伸することが望ましい。
次いでこの糸條は、第一成分のフェノール樹脂類の硬化を行うために硬化処理が必要である。用いたフェノール樹脂類がノボラック型の場合の処理方法についてはステープル状或いはトウ状で反応容器に入れてバッチ式で行う方法や、ボビン状やかせ状で処理をする方法や、或いはトウ状で連続的に処理するなど適宜選択して行えば良い。処理浴は触媒とアルデヒド類からなり、触媒としては例えば、塩酸、硫酸、リン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸、酪酸、乳酸、ベンゼンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン酸、硼酸または塩化亜鉛や酢酸亜鉛のような金属との塩あるいはこれらの混合物等の酸性触媒、或いは水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化リチウムのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物や水酸化アンモニウム、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミンのようなアミン類或いはこれらの混合物等の塩基性触媒が挙げられるがこれらに限定されるものではない。更に使用されるアルデヒド類としては以下に例示したアルデヒド類に限定されるものではないが、例えばホルムアルデヒド、トリオキサン、フルフラール、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、メチルヘミホルマール、エチルへミホルマール、プロピルへミホルマール、サリチルアルデヒド、ブチルヘミホルマール、フェニルへミホルマール、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o―メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド等、或いはこれらの混合物等が使用できる。このうち、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドが好ましく、特にホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが最も好ましい。
反応方法としては液相にて60℃以上110℃未満に3時間以上30時間未満加熱して硬化させることが一般的であるが、気相下で加熱して行っても良い。更には前述した通常硬化反応の後、水洗乾燥後、窒素・ヘリウム・炭酸ガス等の不活性ガス中100℃〜300℃の温度で加熱することにより硬化させる等、公知の硬化処理を行うことができる。この硬化処理が終了した時点で島を形成する第一成分のフェノール樹脂類が充分な強度を持った状態となり、本発明の複合繊維を得ることができる。
一方、特別な場合としてフェノール樹脂類としてレゾール型を使用する際は、湿熱あるいは乾熱法で加熱処理を行うことで硬化処理させることができる。熱処理条件は100℃〜220℃、好ましくは120℃〜180℃で5分から120分、好ましくは20分から60分行う方法が良い。但し、溶融紡糸を行う場合、レゾール型はノボラック型に比べて熱安定性が悪く、溶融時の加熱で容易に重合が進むため溶融機器内での固化が避けられず、このため長期の安定紡糸が困難である等の制限もある。従って工業的に製造する場合の工程の容易さ、汎用性を勘案してノボラック型を選択することが望ましい。
続いて海を形成する第二成分樹脂のみを選択的に溶解する溶媒に浸漬する等の処理を行うことにより本発明のフェノール樹脂系極細繊維を得ることができる。この場合、溶媒は第二成分樹脂の溶解性によって適宜選択すれば良く、例えば、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、含窒素系溶剤、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤などの単独或いは混合液に浸漬するなどの方法で容易に目的を達せられる。
次いで得られたフェノール樹脂系極細繊維の炭素化、さらにはその後の賦活処理について説明する。いずれの処理も従来の公知の方法に従えば良く、例えば、炭素化で使用される不活性ガスとしては窒素、アルゴン等が挙げられる。炭素化の温度は例えば600℃〜1200℃の範囲で、より好ましくは800℃〜1000℃の範囲で決定すれば良い。
本発明によるフェノール樹脂系極細炭素繊維を得るためには、海を形成する第二成分樹脂のみを溶解する等の溶解処理を行って得たフェノール樹脂系極細繊維を炭素化する方法は勿論、或いは第二成分樹脂を除去する前の複合繊維を直接炭素化するに伴い第二成分樹脂を熱分解除去せしめて、これを引き続き炭素化する方法のどちらでも良い。但し、複合繊維を直接炭素化する場合、複合繊維の海を形成する第二成分樹脂は不活性ガス中で炭素化温度よりも低い温度で熱分解する事が必要である。
また、更に賦活して活性炭素繊維とするためには、例えば、前述の通り窒素、アルゴン等の不活性ガス中で、600℃以上で炭素化した後、水蒸気、空気、一酸化炭素、二酸化炭素、塩化水素、酸素或はこれらを混合した賦活ガスを用いるガス賦活法や水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、或は水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物、或はホウ酸、リン酸、硫酸、塩酸などの無機酸、或は塩化亜鉛などの無機塩類などの存在下で賦活を行う薬剤賦活法などの賦活方法を用いて効率良く活性炭素繊維を得ることができる。
本発明によるフェノール樹脂系極細活性炭素繊維は、前述のフェノール樹脂系極細繊維を炭素化し、一旦フェノール樹脂系極細炭素繊維を得た後、これを賦活する方法は勿論、或いはフェノール樹脂系極細繊維を連続して炭素化、賦活しても良く、更には海を形成する第二成分樹脂を除去する前の複合繊維を直接炭素化するに伴い第二成分樹脂を熱分解除去せしめてこれを引き続き炭素化・賦活しても、或いは前記同様、複合繊維を炭素化し、一旦フェノール樹脂系極細炭素繊維を得た後、これを賦活する等、いずれによる方法においても得る事が出来る。
以下に実施例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
フェノール1000g、37%ホルマリン733g、シュウ酸5gを、還流冷却器を備えた反応容器に仕込み、40分間で常温から100℃に昇温させ、更に100℃で4時間反応させた後、200℃まで加熱して脱水濃縮した後、冷却してノボラック型フェノール樹脂を得た。
次に攪拌機を備えたフラスコにテトラヒドロフラン500mlを入れ、これにポリスチレン樹脂(エー・アンド・エム スチレン製679)50gと前述のノボラック型フェノール樹脂50gを徐々に加えた。これを攪拌しながら66℃まで加熱し、更に温度を保持しつつ、テトラヒドロフランを還流させながら樹脂が完全に溶解するまで攪拌を行った。30分後、溶解液を減圧式ロータリーエバポレーターに移し変え、温度を50℃、50KPaに減圧し、テトラヒドロフランを回収しながら樹脂溶液を濃縮した。樹脂溶液の樹脂濃度をおよそ30重量%になるまで濃縮を続けた。取り出した樹脂溶液の粘度は25℃において、150Pa・sであった。
この樹脂溶液を紡糸原液として、0.2mmのオリフィスを5個有する口金にて250m/分の速度で乾式紡糸を行った。紡糸筒内には180℃の窒素を上向に流し、テトラヒドロフランの蒸発を行った。
得られた糸條を51mmにカットし、これをフラスコに入れ、塩酸14%、ホルムアルデヒド8%の水溶液に常温で30分間浸漬した後、2時間で98℃まで昇温し、更に98℃で2時間保持した。繊維を取り出し、充分に水洗した後、3%アンモニア水溶液で60℃、30分の中和を行った後、再度充分に水洗した。これを90℃、30分間乾燥することで本発明のフェノール樹脂類とポリスチレン樹脂類の複合繊維を得ることができた。得られた繊維の直径は約14μ、2.5デニールの複合繊維であった。
実施例1で得られたフェノール樹脂類とポリスチレン樹脂類の複合繊維をビーカーに入れ、30℃のテトラヒドロフランに5分間浸漬し海成分のポリスチレン樹脂類を溶かした。容器の底に沈降した極細繊維を濾過して取り出し乾燥した。この繊維を顕微鏡にて観察したところ繊維直径0.1〜2μm、最長繊維長40mmのフェノール樹脂系極細繊維であることを確認した。得られたフェノール樹脂系極細繊維の中から長さが25mm以上の繊維を取り強度試験を行った結果を表1に示す。また、耐熱性・難燃性・耐薬品性の試験結果を表2に示す。
実施例2で得られたフェノール樹脂系極細繊維を試験炭素化炉に入れ、窒素気流中900℃、30分の条件で炭素化し繊維直径0.05〜1.5μm、繊維直径と繊維長の比が1:15〜1:3000のフェノール樹脂系極細炭素繊維を得た。得られた炭素繊維を取り出し、強度試験及び収率を測定した結果を表1に示す。また、耐熱性・難燃性・耐薬品性の試験結果を表2に示す。
実施例2で得られた極細フェノール樹脂系繊維を内径70mmの石英管に入れ室温から5℃/分の昇温速度で900℃まで昇温した。この時点で予め80℃に調整されている温水中に窒素ガスを導入し窒素・水蒸気の混合ガスを石英管に10分間導入した。続いて窒素のみを導入しながら冷却し、フェノール樹脂系極細活性炭素繊維を得た。得られたフェノール樹脂系極細活性炭素繊維の比表面積と収率を測定した結果を表1に示す。また、耐熱性・難燃性・耐薬品性の試験結果を表2に示す。
フェノール1000g、37%ホルマリン733g、シュウ酸5gを、還流冷却器を備えた反応容器に仕込み、40分間で常温から100℃に昇温させ、更に100℃で4時間反応させた後、200℃まで加熱して脱水濃縮した後、冷却してノボラック型フェノール樹脂を得た。
次にポリエチレン−ポリプロピレン共重合樹脂(出光石油化学(株)製Y2045GP)50gと前述のノボラック型フェノール樹脂50gを、二軸混練機を用いて150℃で50分間混練を行い、白化した混合樹脂のブロックが得られた。
次にこの樹脂を粗粉砕し200℃のメルターで溶融し、170℃に保った孔径0.1mm、ホール数10の紡糸口金から一定吐出量を保ちながら紡糸速度300m/分で紡糸した。
得られた糸條を70mmにカットし、これをフラスコに入れ、塩酸15%、ホルムアルデヒド8%の水溶液に常温で30分間浸漬した後、2時間で98℃まで昇温し、更に98℃で2時間保持した。繊維を取り出し、充分に水洗した後、3%アンモニア水溶液で60℃、30分の中和を行った後、再度充分に水洗した。これを90℃、30分間乾燥することで本発明のフェノール樹脂類とポリエチレンの複合繊維を得ることができた。得られた繊維の直径は約14μ、2.5デニールの複合繊維であった。
実施例5で得られた複合繊維を試験炭素化炉に入れ、窒素気流中900℃、30分の条件で炭素化し繊維直径0.05〜1.5μm、繊維直径と繊維長の比が1:15〜1:3000のフェノール樹脂系極細炭素繊維を得た。得られた炭素繊維を取り出し、強度試験及び収率を測定した結果を表1に示す。また、耐熱性・難燃性・耐薬品性の試験結果を表2に示す。
実施例5で得られた複合繊維を内径70mmの石英管に入れ室温から5℃/分の昇温速度で900℃まで昇温した。この時点で予め80℃に調整されている温水中に窒素ガスを導入し窒素・水蒸気の混合ガスを石英管に10分間導入した。続いて窒素のみを導入しながら冷却し、フェノール樹脂系極細活性炭素繊維を得た。得られたフェノール樹脂系極細活性炭素繊維の比表面積と収率を測定した結果を表1に示す。また、耐熱性・難燃性・耐薬品性の試験結果を表2に示す。
[比較例1] 実施例1のフェノール樹脂粗を粉砕し200℃のメルターで溶融し、170℃に保った孔径0.1mm、ホール数10の紡糸口金から一定吐出量を保ちながら最高速度である紡糸速度1500m/分での紡糸を試みたが、糸切れが多発したため、800m/分まで紡糸速度を落とし、出来得る限りの細い未硬化フェノール繊維を得た。得られた糸條を25mmにカットし、これをフラスコに入れ、塩酸15%、ホルムアルデヒド8%の水溶液に常温で30分間浸漬した後、2時間で98℃まで昇温し、更に98℃で2時間保持した。繊維を取り出し、充分に水洗した後、3%アンモニア水溶液で60℃、30分の中和を行った後、再度充分に水洗した。これを90℃、30分間乾燥した。得られた繊維の直径は約10.5μ、1デニールのフェノール繊維であった。この繊維の耐熱性・難燃性・耐薬品性の試験結果を表2に示す。
[比較例2] 比較例1で得られたフェノール繊維を実施例3と同条件にて炭素化しフェノール炭素繊維を得た。得られた炭素繊維を取り出し強度試験及び収率を行った結果を表1に示す。
[比較例3] 比較例1で得られたフェノール繊維を実施例4と同条件にて炭素化・賦活しフェノール樹脂活性炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の比表面積と収率を測定した結果を表1に示す。
Figure 2005105450
Figure 2005105450

Claims (8)

  1. 第1成分のフェノール樹脂と第2成分として該フェノール樹脂に非相溶もしくは低相溶性樹脂からなる複合樹脂を繊維化し、このうち海成分が第2成分樹脂であり、島成分がフェノール樹脂である海島型複合繊維であって、島成分のフェノール樹脂が架橋化処理されていることを特徴とする複合繊維。
  2. 請求項1に記載の複合繊維から海成分の第二成分樹脂のみ選択的に溶解除去することにより得られるフェノール樹脂系極細繊維。
  3. 請求項2のフェノール樹脂系極細繊維を炭素化することで得られるフェノール樹脂系極細炭素繊維。
  4. 請求項2のフェノール樹脂系極細繊維を炭素化・賦活することで得られるフェノール樹脂系極細活性炭素繊維。
  5. 請求項1に記載の複合繊維を炭素化する工程で海成分の第二成分樹脂のみ選択的に熱分解させることにより得られるフェノール樹脂系極細炭素繊維。
  6. 請求項1に記載の複合繊維を賦活する工程で海成分の第二成分樹脂のみ選択的に熱分解させることにより得られるフェノール樹脂系極細活性炭素繊維。
  7. 請求項1に記載の複合繊維が、フェノール類とアルデヒド類を反応させて得られるフェノール樹脂と、該フェノール樹脂に非相溶あるいは低相溶性樹脂の両者を溶解しうる溶剤に溶解した後、溶剤を除去して得られる複合樹脂を紡糸することにより得られることを特徴とする複合繊維の製造方法。
  8. 請求項1に記載の複合繊維が、フェノール類とアルデヒド類を反応させて得られるフェノール樹脂と、該フェノール樹脂に非相溶あるいは低相溶性樹脂の両者を溶融混合した後、得られる複合樹脂を紡糸することにより得られることを特徴とする複合繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111040375B (zh) * 2019-12-27 2022-11-18 华东理工大学 一种纳米孔抗氧化树脂基复合材料及其制备方法

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