JP2005105236A - 難燃性ポリエステルの製造方法 - Google Patents

難燃性ポリエステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
重合反応性および色調が良好であり、紡糸時に発煙がなく、難燃性に優れたポリエステルを効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】
式(1)〜式(3)のいずれをも含み、かつ式(3)の割合が10.0重量%以下であるリン化合物を、得られるポリエステルに対しリン原子として0.05〜5重量%含有するようにポリエステル反応系に添加することを特徴とする難燃性ポリエステルの製造方法。
【化1】
Figure 2005105236

【化2】
Figure 2005105236

【化3】
Figure 2005105236

(ここで、式(1)〜式(3)のR1 は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性ポリエステルの製造方法に関するものである。さらに詳しくは重合反応性および色調が良好であり、紡糸時に発煙がなく、かつリン残存率が高いため難燃性に優れたポリエステルを効率よく製造する方法に関する。
ポリエステルはその機能性の有用さから多目的に用いられており、例えば、衣料用、資材用、医療用に用いられている。その中でも、汎用性、実用性の点でポリエチレンテレフタレートが優れ、好適に使用されているが、火災予防等の観点から、種々のポリエステル成形品に難燃性を付与することが要望されている。特にポリエステル繊維は、衣料、寝具、カーテン、カーペット等に多く用いられているものの、難燃性の面では不十分であることから、この点の改良について様々な努力が払われてきた。
従来、ポリエステルに難燃性を付与する方法としては、(1)難燃剤を成形品の表面に付着、又は内部までしみ込ませる方法(後加工法)、(2)難燃剤をポリエステルの製造時、又は成形時に練り込む方法(ブレンド法)、(3)難燃剤をポリエステルの製造時に添加し、共重合する方法(共重合法)等の方法が提案されている。
これらの方法の中で、後加工法は風合いが粗雑になったり、洗濯、摩擦により難燃剤が脱落して性能が低下したりする欠点がある。また、ブレンド法では成形物の製造工程において難燃剤のしみ出しが起こり、トラブルを引き起こす原因となる。それに対してポリマー製造時に難燃剤を共重合させる方法は、上述したような欠点を克服できることから、最も工業的価値が高く、好適に用いられる方法である。
一方、共重合法において使用できる難燃剤としては、エステル形成性官能基を有するハロゲン化合物やリン化合物が知られているが、着色が少なく、耐光性に優れた成型品が得られること、および燃焼時に有毒ガスは発生しないことから、リン化合物が優れている。
この共重合法において用いられるリン化合物として、リン酸エステルを用いる方法(特許文献1)があるが、この方法では添加量を多くすると3次元化によってポリエステルのゲル化が生じるためリン化合物を多量に共重合できないという問題がある。また、ホスホン酸化合物を用いる方法(特許文献2)もあるが、ポリマー製造時にリン化合物の飛散が多く、また、重合反応性が低いためにリン化合物を多量に共重合できないという問題がある。
さらに、ホスフィン酸化合物を共重合する方法(特許文献3、特許文献4)や低純度のホスフィン化合物および/または亜ホスホン酸化合物を含有するホスフィン酸化合物を共重合する方法(特許文献5)、特定の化学構造を有する有機リン化合物を共重合する方法(特許文献6)等も開示されている。これらの方法は上記したような3次元化や飛散といった問題が少ない点で有利な方法ではあるものの、重合反応の遅延や得られるポリマーの色調が黄味を帯びたりする問題や紡糸時に発煙があったり、また、難燃性能の向上等についても更なる改善が求められていた。
特公昭38−7244号公報 特公昭36−20771号公報 特開昭50−56488号公報 特開平7−102418号公報 特開平6−287414号公報 特公昭55−41610号公報
本発明の目的は上記従来の問題を解消し、重合反応性および色調が良好であるだけでなく、紡糸時に発煙がなく、かつ、リン残存率が高いため難燃性に優れたポリエステルを効率よく製造する方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者らは、ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、ジオール又はそのエステル形成性誘導体を主たる出発原料としてポリエステルを製造するに際し、式(1)〜式(3)のいずれをも含み、かつ式(3)の割合が10.0重量%以下であるリン化合物を、得られるポリエステルに対しリン原子として0.05〜5重量%含有するようにポリエステル反応系に添加することを特徴とする難燃性ポリエステルの製造方法によって達成できる。
Figure 2005105236
Figure 2005105236
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(ここで、式(1)〜式(3)のR1 は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基を表す。)
重合反応性および色調が良好であり、紡糸時に発煙がなく、かつリン残存率が高いため難燃性に優れたポリエステルを効率よく製造することができる。
本発明のポリエステルは、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成される。ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体として、具体的には、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体などをあげることができる。これらの2種以上を併用してもよいが、テレフタル酸およびそのエステル形成性誘導体を得られるポリエステルにおける全ジカルボン酸成分に対して80モル%以上を用いることが耐熱性の点から好ましい。また、ジオールおよびそのエステル形成性誘導体として、具体的には、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオキシ化合物などをあげることができる。これらの2種以上を併用してもよいが、エチレングリコールを得られるポリエステルにおける全ジカルボン酸成分に対して80モル%以上を用いることが耐熱性の点から好ましい。
本発明のポリエステルは、例えば、ジカルボン酸とジオールを主たる出発原料とする場合にはこれらの原料をエステル化し、またはジカルボン酸の低級エステル化合物とジオールを出発原料とする場合はエステル交換して、低重合体を合成した後、その低重合体をさらに高温減圧下で重縮合反応することによって製造する。
本発明においては、式(1)〜式(3)のリン化合物を添加し、かつ式(3)のリン化合物の割合が10.0重量%以下とし、得られるポリエステルに対しリン原子として0.05〜5重量%含有するように反応系に添加する。
Figure 2005105236
Figure 2005105236
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(ここで、式(1)〜式(3)のR1 は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基を表す。)
式(1)で示されるリン化合物としては具体的には、下記式(4)〜式(7)等のホスフィン酸化合物を挙げることができ、これらの2種以上からなってもよい。また、式(2)で示されるリン化合物として具体的には、式(8)〜式(11)等のホスフィン酸化合物を挙げることができ、これらの2種以上からなってもよい。
Figure 2005105236
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さらに、式(3)で示されるリン化合物として具体的には、式(12)〜式(15)等のホスフィン酸化合物を挙げることができ、これらの2種以上からなってもよい。
Figure 2005105236
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なかでも、ポリエステルの重縮合時における粘度上昇が比較的速やかであること、得られるポリエステルの機械的物性低下が少ないことなどから、式(1)〜式(3)で示されるリン化合物におけるR1 は、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基であるホスフィン酸化合物が好ましい。
本発明において使用するリン化合物式(3)の含有量は10.0重量%以下であることが必要である。10.0重量%以下であると重合反応の遅延がなくポリマーの色調が良好であり、紡糸時の発煙がなく好ましく、5.0重量%以下がより好ましい。
リン化合物式(3)の含有量が多くなるに従って重合反応の遅延やポリマー色調の悪化、さらに紡糸時の発煙等が引き起こされる。この原因は明らかでないが、ポリエステル重合反応系に添加されたリン化合物の中で特に式(3)は、式(1)又は式(2)のリン化合物に比べて重合反応時に着色成分を生起させやすいこと、また共重合反応性に劣るためにポリエステル重合後のポリマー中に残存した式(3)を主体とする成分が紡糸時に発煙現象を引き起こすものと推定される。
なお、式(3)のリン化合物の含有量を0.1重量%未満にすることは蒸留、再結晶などの繁雑な精製操作を行わなければ安定して得ることができないので、それを使用することは効率の面から好ましくない。
本発明において用いられるリン化合物は、得られるポリエステルに対しリン原子換算として0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%含有するよう添加する必要がある。0.05重量%以上とすることにより十分な難燃性能が発現する。また、5重量%以下であると重合反応時の遅延やポリエステル本来の物理的性質の低下がなく、また、ポリエステル繊維を製造する際の操業性低下もなく好ましい。
本発明の式(1)〜式(3)のリン化合物は、下記割合で添加することによって紡糸時に発煙がなく、かつ、ポリエステル中におけるリン残存率が高くなり、さらに難燃性能がアップすることから好ましい。
式(1)65.0〜94.9重量%
式(2) 5.0〜25.0重量%
式(3) 0.1〜10.0重量%
なかでもリン化合物における式(1)〜式(3)の添加割合は、重合反応の遅延がなく、安定して共重合されるため下記であることがさらに好ましい。
式(1)74.5〜85.0重量%
式(2)14.5〜24.5重量%
式(3) 0.1〜 5.0重量%
なお、本発明において用いられる式(1)〜式(3)で表されるリン化合物以外のリン化合物を併用して、ポリエステルの反応系に添加してもよい。
本発明において用いられる式(1)〜式(3)のリン化合物は式(1)〜式(3)の混合物として、165℃で5時間加熱処理した後の着色度(APHA)が50以下であると得られるポリマーの色調が良好となることから好ましい。リン化合物の耐熱性が劣ると着色を生じるが、これは加熱処理によって不純物や着色性物質が生成し、特に高温場である重合反応系において着色が増大されるためにポリマーの色調を一段と悪化させるものと考えられる。このような観点から加熱処理後のリン化合物混合物の着色度(APHA)は30以下がより好ましい。
上記した本発明におけるリン化合物の反応系への添加時期は任意でよく、添加したリン化合物の反応系への飛散が比較的少ないこと、および重合時間が比較的短くなることから、エステル交換反応又はエステル化反応開始から重合反応が進行して反応物の極限粘度が0.3に達するまでの間に添加することが好ましい。
また、本発明において用いられる式(1)〜式(3)のリン化合物は個別に添加してもよいが、混合物としてそのまま反応系に添加してもよく、また、グリコールに分散させたスラリーやグリコールで希釈した溶液などの形態で反応系へ添加してもよい。
本発明のポリエステルには、従来公知のエステル化又はエステル交換触媒、エーテル結合生成抑制剤、着色防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、着色剤、結晶化促進剤などを重合反応が完結するまでの任意の段階で添加することもできる。
本発明の難燃性ポリエステルは繊維化して織物、ネット状、シート状等とし、養生メッシュシート、安全ネット、ロープなどの産業用資材、あるいはカーテンなどのインテリア、椅子張、寝具等に利用される。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の各特性値は以下に述べる方法で測定した。
(1)リン化合物の混合物組成
1H−NMRおよび31P−NMRにより求めた。
(2)着色度(APHA)
リン化合物の混合物を100ml標線付き比色管に標線まで入れ、165±0.5℃に調整したオイルバス中に浸積する。空気中の酸素の影響を除外するため比色管内を窒素ガスで微加圧(1×105Paゲージ圧)状態として5時間加熱処理した後、直ちに比色管を取り出し、付着したオイルを拭き取った後、標準溶液(JIS K1527−1978)の色相と比較して加熱処理後の着色度(APHA)を求めた。
(3)極限粘度IV
オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。
(4)ポリエステル中のリン元素含有量
蛍光X線元素分析装置(堀場製作所社製、MESA−500W型)により求めた。
(5)色調
スガ試験機(株)社製の色差計(SMカラーコンピューター型式SM−3)を用いて、ハンター値として測定した。L値は白度を表し、b値が増す程、黄味が強くなる。
(6)延伸糸の強度、伸度
東洋ボードウイン社製テンシロン引張試験機を用いて、試料長25cm、引張速度30cm/分でS−S曲線を求め、強伸度を算出した。
(7)繊維の難燃性能
糸を筒編み地として、その1gを長さ10mmの針金コイル中に挿入し、45度の角度に保持して下端から点火し、火源を遠ざけて消火した場合は再び点火を繰り返すことにより、全試料を燃焼し尽くすのに要する点火回数を求め、5個の試料について測定した平均の点火回数で表した。接炎回数3回以上を合格とする。
接炎回数:5回以上 ◎
3以上〜5回未満 ○
3回未満 ×
実施例1
高純度テレフタル酸(三井化学社製)100kgとエチレングリコール(日本触媒社製)45kgのスラリーを、予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約120kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×105Paに保持されたエステル化反応槽に4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行い、このエステル化反応生成物の107kgを重縮合槽に移送した。引き続いて、エステル化反応生成物が移送された前記重縮合反応槽にリン化合物の混合物(式(4)80.5wt%、式(8)16.8wt%、式(12)2.7wt%、着色度(APHA)10)を生成ポリマーに対してリン原子として1.0重量%となるように反応系へ添加し、10分間撹拌した後、重縮合触媒として、三酸化アンチモン(生成ポリマーに対して0.042重量%)を添加した。その後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻し重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてペレットを得た。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間(重合時間)は2時間47分であった。
得られたポリエステルペレットの極限粘度は0.75、色調L値は52.4、b値は4.4であり、リン元素含有量は0.972重量%(リン元素残存率97.2%)であった。
このペレットを乾燥した後、210℃で固相重合を行い、極限粘度1.03のチップを得た。この固相重合チップをエクストルーダー型紡糸機に供給し、紡糸温度300℃にて溶融紡糸した。この際、フィルターとして絶対ろ過径15μmの金属不織布を用い、口金は0.6mmφの丸孔を用いた。引き続き250℃の温度で延伸熱処理した後、リラックス処理して巻取り、1100dtex144フィラメントの延伸糸を得た。紡糸時の発煙はほとんどなく、また、糸切れ、ろ圧上昇、および延伸時の糸切れもなかった。この延伸糸の強度は7.4cN/dtex、伸度18%であり、良好な物性を有していた。また、この延伸糸の平均点火回数は5.6回であり、良好な難燃性能を有していた。
実施例2〜7および比較例1
実施例2〜7はリン化合物の混合物(式(4)、式(8)、式(12))の組成が異なるものを用いた以外は、いずれも実施例1と同様にして重合を行い、固相重合後のチップを用いて紡糸・延伸した。
表1から明らかなとおり、本発明の範囲を満たす実施例2〜7はいずれも重合反応性は良好であり、得られたポリエステルペレットの色調b値は良好であった。
また、紡糸・延伸性、および繊維物性は問題なく、難燃性能に優れていた。なお、式(12)の含有量が多い実施例4は紡糸時にやや発煙がみられたものの、許容範囲内である。
一方、表2に示したようにリン化合物混合物における組成の中で式(12)が本発明の範囲外であるものを用いた比較例1は重合時に遅延がみられ、得られたポリエステルペレットの色調は黄味が強いものであった。また、紡糸時に発煙がみられた。
実施例8〜11および比較例2〜3
リン化合物の混合物(式(4)、式(8)、式(12))の添加量を変更した以外は、いずれも実施例1と同様にして重合を行い、固相重合後のチップを用いて紡糸・延伸した。表1から明らかなとおり、本発明の範囲を満たす実施例8〜11は、いずれも重合反応性は良好であり、得られたポリエステルペレットの色調も良好であった。また、紡糸・延伸性および繊維物性は問題なく、難燃性能は優れていた。
一方、表2に示したように添加するリン化合物量の少ない比較例2は、重合反応性、およびポリエステルペレットの色調は良好であったものの、難燃性能に劣っていた。また、添加するリン化合物量の多い比較例3は重合反応時に遅延が見られ、得られたポリエステルペレットの色調は黄味を帯びたものであり、繊維の強度が劣っていた。
実施例12、13
加熱処理後の着色度(APHA)が異なるリン化合物の混合物を使用した以外、いずれも実施例1と同様にして重合を行い、固相重合したチップを用いて紡糸・延伸した。表2から明らかなとおり、本発明の範囲を満たす実施例12および実施例13での重合反応性は良好であり、得られたポリエステルペレットの色調はやや黄味を帯びていた。また、紡糸・延伸性および繊維物性についても問題はなく、難燃性能は優れていた。
実施例14および比較例4
リン化合物の混合物の種類を変更(式(5)、式(9)、式(13))した以外は、いずれも実施例1と同様にして重合を行い、固相重合したチップを用いて紡糸・延伸した。表3から明らかなとおり、本発明の範囲を満たす実施例14は重合反応性は良好であり、得られたポリエステルペレットの色調も良好であった。また、難燃性能に優れていた。
一方、リン化合物混合物における式(13)の組成が本発明の範囲外であるものを用いた比較例4は重合遅延がみられ、得られたポリエステルペレットの色調は黄味が強いものであった。また、紡糸時に発煙がみられた。
比較例5、6
リン化合物の混合物(式(5)、式(9)、式(13))の添加量を変更した以外は、いずれも実施例1と同様にして重合を行い、固相重合後のチップを用いて紡糸・延伸した。表3に示したように添加するリン化合物量の少ない比較例5は重合反応性、およびポリエステルペレットの色調は良好であったものの、難燃性能が劣っていた。
また、リン含有量の多い比較例6は重合反応時に遅延が見られ、得られたポリエステルペレットの色調は黄味を帯びたものであり、繊維の強度が劣っていた。
Figure 2005105236
Figure 2005105236
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Claims (5)

  1. ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、ジオール又はそのエステル形成性誘導体を主たる出発原料としてポリエステルを製造するに際し、式(1)〜式(3)のいずれをも含み、かつ式(3)の割合が10.0重量%以下であるリン化合物を、得られるポリエステルに対しリン原子として0.05〜5重量%含有するようにポリエステル反応系に添加することを特徴とする難燃性ポリエステルの製造方法。
    Figure 2005105236
    Figure 2005105236
    Figure 2005105236
    (ここで、式(1)〜式(3)のR1 は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基を表す。)
  2. 式(1)〜式(3)のリン化合物を混合物で添加することを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリエステルの製造方法。
  3. 式(1)〜式(3)のリン化合物の割合が下記であることを特徴とする請求項1または2記載の難燃性ポリエステルの製造方法。
    式(1)65.0〜94.9重量%
    式(2) 5.0〜29.5重量%
    式(3) 0.1〜10.0重量%
  4. 式(1)〜式(3)のR1 が炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の難燃性ポリエステルの製造方法。
  5. 式(1)〜式(3)のリン化合物が混合物として、165℃で5時間加熱処理した後の着色度(APHA)が50以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の難燃性ポリエステルの製造方法。
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