JP2005105025A - グリース組成物及び転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】広温度範囲で優れた低トルク性と低トルクの持続性とを示し、且つ、焼付き寿命を向上させたグリース組成物を提供する。
【解決手段】基油と増ちょう剤とを含有するグリース組成物であって、下記一般式(I)と一般式(II)で示される化合物とを重量比で(I):(II)=70〜99.9:30〜0.1にて重合架橋化し、水、潤滑油または有機溶媒にてゲル化してなるN−ビニルアミド樹脂ミクロゲルを該グリース組成物全量に対して0.5〜10重量%添加してなることを特徴とする。CH=CRNRCOR・・・(I):CH=CRCO(OX)OR・・・(II)(式中、R〜Rは、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、Xは炭素数2または3のアルキレン基を表し、nは2〜30の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、比較的高速回転で使用される機器の軸受部、特に電気掃除機のクリーナモータや工作機械等の高速で回転する回転軸の支持部に好適な転がり軸受、並びに前記転がり軸受に封入されるグリース組成物に関する。
近年、電気掃除機の多機能化に伴い、内装されるクリーナモータに高性能化、小型化、軽量化が要求されている。そして、クリーナモータの回転軸の回転速度は、吸塵力アップのため、より高速になる傾向がある。また、高速になるほど軸受からの発熱も大きくなるので、使用される温度も上昇していく傾向にある。更に、クリーナモータの高速回転時のモータ効率を上げるため、軸受の回転トルクの低減化も重要になってきている。また、工作機械の主軸等でも、軸受トルクの変動による回転数の変化等は加工精度への影響が大きいため、トルク低減が望まれている。
これらの問題を解決するために、封入するグリース組成物の基油等に改善を施したものが提案されており、例えば、炭素数28〜32の炭化水素分子を含有する合成炭化水素油を含む基油を用いて低トルク性を図ったグリース組成物を封入することが知られている(特許文献1参照)。しかし、このグリース組成物は、使用温度が上昇した場合に低分子量成分が揮発もしくは分解し、早期に低トルク性能を失いやすい欠点がある。
特開2003−13972号公報
そこで、本発明は、広温度範囲で優れた低トルク性と低トルクの持続性とを示し、且つ、焼付き寿命を向上させたグリース組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、広温度範囲で優れた低トルク性と低トルクの持続性とを示し、且つ、焼付き寿命に優れ、特に電気掃除機のクリーナモータや工作機械等の高速で回転する回転軸の支持部に好適な転がり軸受を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明は下記のグリース組成物及び転がり軸受を提供する。
(1)基油と増ちょう剤とを含有するグリース組成物であって、下記一般式(I)で示さ
れる化合物と下記一般式(II)で示される化合物とを重量比で(I):(II)=70〜99.9:30〜0.1にて重合架橋化し、かつ水、潤滑油または有機溶媒にてゲル化してなるN−ビニルアミド樹脂ミクロゲルを該グリース組成物全量に対して0.5〜10質量%添加してなることを特徴とするグリース組成物。
CH2=CR1NR2COR3 ・・・(I)
CH2=CR4CO(OX)nOR5 ・・・(II)
(式中、R1〜R5は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、Xは炭素数2または3のアルキレン基を表し、nは2〜30の整数を表す。)
(2)内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配設された複数の転動体とを備え、前記内輪及び前記外輪の間に形成され前記転動体が配設された空隙部内に、上記グリース組成物が封入されていることを特徴とする転がり軸受。
本発明のグリース組成物は、N−ビニルアミド樹脂ミクロゲルが低トルクを維持しながら潤滑性能を高める作用があり、これを封入した軸受は広温度範囲での低トルク化が図られ、焼付き寿命も従来よりも格段に向上し、特に電気掃除機のクリーナモータや工作機械等の高速で回転する回転軸の支持部に使用される転がり軸受において顕著な効果が得られる。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
(グリース組成物)
本発明のグリース組成物は、基油と、増ちょう剤とを含み、更に下記一般式(I)で示
される化合物と下記一般式(II)で示される化合物とを重量比で(I):(II)=70〜99.9:30〜0.1にて重合架橋化してなるN−ビニルアミド樹脂を水、潤滑油または有機溶媒にてゲル化したN−ビニルアミド樹脂ミクロゲルを添加したものである。
CH2=CR1NR2COR3 ・・・(I)
CH2=CR4CO(OX)nOR5 ・・・(II)
尚、式中、R1〜R5は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、Xは炭素数2または3のアルキレン基を表し、nは2〜30の整数を表す。
具体的には、一般式(I)で示される化合物としてはN−ビニルホルムアミド、N−ビ
ニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド等が挙げられ、特にN−ビニルアセトアミドが好ましい。また、一般式(II)で示される化合物としてはメトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート(n=4〜30)等が挙げられ、特にメトキシポリエチレングリコールメタクリレートが好ましい。
N−ビニルアミド樹脂は、例えば特開平10−226715号公報に記載された方法により得られる。即ち、有機溶媒に一般式(I)で示される化合物、一般式(II)で示され
る化合物の単量体及び架橋剤を溶解し、溶存酸素を充分に除いて反応温度に昇温し、次いで、開始剤を加えて反応を行うことにより微細な粒子として溶媒中に析出させ、これを濾別、乾燥、解砕することにより粉末状のN−ビニルアミド樹脂が得られる。
上記の製造プロセスにおいて、溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の芳香族または脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の脂肪族ケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等のエステル、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアルキルアミド、ジメチルスルフォキサイド等のスルフォキサイド等を用いることができ、ベンゼン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルが好ましい。これらの使用量は、単量体と等量〜20倍、好ましくは5倍〜15倍、特に好ましくは5倍〜10倍(重量)である。
開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−アミルパーオキサイド、クミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、シクロヘキシルハイドロパーオキサイド、テトラリンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーアセテート、ビス(2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)を用いることができ、ベンゾイルパーオキサイド、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)が好ましい。これら開始剤の使用量は、単量体を基準として0.01〜5モル%、好ましくは、0.05〜3モル%、特に好ましくは0.1〜2モル%の範囲である。
重合開始温度は50℃〜溶媒の沸点が適当であり、反応時間は3〜8時間程度が適当である。
N−ビニルアミド樹脂は、次いで、水、潤滑油または有機溶媒によりゲル化されてN−ビニルアミド樹脂ミクロゲルとされる。潤滑油としては、N−ビニルアミド樹脂との相性が良く、安定なゲルが得られることからエステル油が好ましい。また、エステル油は、40℃での動粘度が0.5〜25mm2/sであることが好ましい。動粘度が0.5mm2/sを下回ると揮発性が強く、早期に効果を失いやすく、25mm2/sを越えるとゲルの安定性が低下するようになる。また、有機溶媒としては、同様にN−ビニルアミド樹脂との相性が良く、安定なゲルが得られることから炭素数1〜18のアルコールが好ましく、特にメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールが好ましい。更に、水を用いることにより、後述するように、水を放出することにより大きな冷却効果が得られるため、焼付き寿命を重視する場合に好適である。
ゲル化の方法には制限がないが、N−ビニルアミド樹脂の粉末を水、潤滑油または有機溶媒に浸漬する方法が簡便で、効率的である。ゲル化により、N−ビニルアミド樹脂は膨潤してミクロゲルとなる。N−ビニルアミド樹脂ミクロゲルは、飽和膨潤状態における平均粒径が5μm以下であることが好ましい。転がり軸受用のグリースでは一般に、2μmを超える大きさの粒子は異物として作用するが、N−ビニルアミド樹脂ミクロゲルは軟質であることから5μm以下であれば問題なく使用できる。但し、より好ましくは、前記した理由により2μm以下である。但し、微細すぎてもグリース中にうまく分散されないため、粒径の下限は0.01μmが適当である。このような粒径制御は、ゲル化前の乾燥状態にあるN−ビニルアミド樹脂粉末の粒径を調整することにより、容易に行うことができる。
また、N−ビニルアミド樹脂ミクロゲルの含有量はグリース全量の0.5〜10質量%であり、含有量が0.5質量%未満では潤滑性や焼付き寿命の向上に十分寄与せず、含有量が10質量%を超える場合は相対的に基油や増ちょう剤の含有量が減り、潤滑性能等に劣るようになる。また、N−ビニルアミド樹脂ミクロゲルの含有量は1〜7質量%がより好ましく、3〜5質量%が特に好ましい。
本発明のグリース組成物は従来よりも潤滑性能や焼付き寿命に優れるが、その理由は定かではないが、次のように推定している。即ち、N−ビニルアミド樹脂ミクロゲルがゲル化の際に用いた水、潤滑剤または有機溶剤を保持した状態でグリース中に分散しており、
潤滑部位の温度が上昇するとこれらを放出して温度を下げたり(特に水が効果的)、放出した潤滑剤が新たな潤滑剤として機能したり、あるいは、軌道面近傍に存在するグリースの基油を引き出す呼び水の役目を果たし、結果として潤滑部位の潤滑を良好に維持し、長寿命となる。また、N−ビニルアミド樹脂ミクロゲル、転動体や軌道面に比べて遙かに柔らかいのはもちろん、転動体と軌道面との間に挟まれて簡単に潰れてしまうため、トルクや音響への影響はない。そして、このような効果のため、転動部の油膜は好適に維持され、更にトルクの安定性が得られる。
本発明のグリース組成物において、基油には制限がないが、添加するN−ビニルアミド樹脂ミクロゲルの効果を得るためには、ミクロゲル内に保持されている同類の油種以外の潤滑油が好ましく、特に合成炭化水素油、鉱油または両者の混合油が好ましい。N−ビニルアミド樹脂ミクロゲルに保持された潤滑油を基油に使用した場合、拡散作用により両潤滑油が相互に混ざり合い、保持している潤滑油を放出し難くなる。
合成炭化水素油としてはポリαオレフィンを好適に使用でき、鉱油は減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を、適宜組み合わせて精製したものが好適である。
また、基油は、40℃での動粘度が20〜400mm2/sであることが好ましい。40℃での動粘度が20mm2/s未満では蒸発しやすく、400mm2/sを超えるとトルク性能を満足させにくくなる。さらに好ましくは、30〜350mm2/sとする。特に、クリーナのモータ等に使用される軸受では、グリースの基油粘度がトルクの絶対値をほぼ決めてしまうため、封入グリースの基油はより低粘度である方が好ましいが、耐熱性や油膜の厚さを考慮すると30〜80mm2/sが好ましい。
増ちょう剤にも制限はないが、高速での耐久性能とトルク性能を両立させるためにはジウレア化合物が好ましい。また、ジウレア化合物は、ウレア結合がN−ビニルアミド樹脂のアミド結合部分との相性が良いため、N―ビニルアミド樹脂が良く分散し、優れた耐水性が得られるという利点もある。
ジウレア化合物は、公知のものを使用できるが、脂肪族系及び脂環族系のジウレア化合物が好ましく、これらを単独もしくは複数の混合物として使用することが望ましい。更に好ましくは、両末端にシクロヘキシル基とオクタデシル基とが混在するジウレアである。ジウレアの末端基に芳香族基が導入されると、せん断安定性が向上するため、グリースが転動部に落ちたときのトルク変動や発熱が大きくなりやすく、またグリースが攪拌されたときにも発熱が大きくなるため、クリーナ等の高速軸受には好ましくない。
また、トルク性能をより重視する場合は、増ちょう剤としてリチウム石けん等の金属石けんを用いることが好ましい。上記のように、ウレア系グリースは一般にせん断安定性に優れるため、グリースが転動部に侵入したときのトルク変動が大きいが、金属石けん系グリースはこのようなトルク変動が比較的小さくなる。
増ちょう剤の含有量は、200〜350の混和ちょう度が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常グリース組成物全体の5〜30質量%である。5質量%未満であると、増ちょう剤が少なすぎてグリース形成が困難になってしまう。また、30質量%超過であると、基油の量が少なくなるため、潤滑性が不十分となる可能性が考えられる。このような問題をより生じにくくするためには、増ちょう剤の含有量は、グリース組成物全体の8〜25質量%とすることがより好ましい。更に好ましくは、増ちょう剤が上記好ましい脂環式ジウレア、脂肪族ジウレアである場合は、グリース組成物全体の10〜18質量%とする。
尚、ここでいう混和ちょう度とは日本工業規格(JIS)K2220に準じて測定した値をいう。混和ちょう度が200未満であると転がり軸受に封入した際にグリース組成物が硬すぎてトルク性能が悪くなり、350超過だとグリース組成物がもともと柔らかすぎてグリースが軸受の外部へ流出するおそれがある。特に、クリーナのモータ等に使用される軸受では、軸受内部でグリースが必要以上に攪拌されるとトルク変動や発熱が大きくなるので、やや硬めの200〜250の混和ちょう度とすることが好ましい。
本発明のグリース組成物には、各種性能を更に向上させるため、必要に応じ種々の添加剤を混合してもよい。例えば、アミン系、フェノール系、硫黄系、ジチオリン酸亜鉛等の酸化防止剤、石油スルフォン酸塩、カルシウムスルフォネート、ソルビタンエステル等の防錆剤、モリブデン系、リン系の極圧剤、脂肪酸、動植物油等の油性向上剤、ベンゾトリアゾール等の金属不活性化剤等が挙げられる。これらは単独、又は2種類以上組み合わせて用いることができる。なお、これらの添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない程度であれば特に限定されるものではない。
(転がり軸受)
本発明の転がり軸受として、例えば図1に断面図として示される玉軸受1を例示することができる。この玉軸受1は、内輪10と外輪11との間に、保持器12を介して複数の転動体である玉13を転動自在に保持し、更に、内輪10と外輪11と玉13とで形成される軸受空間Sに、上記のグリース組成物(図示せず)を充填し、シール部材14により封止して構成されている。従って、この玉軸受1は、広温度範囲にわたり低トルク化が図られ、焼付き寿命も大幅に改善され、特にクリーナや工作機械等の高速回転で使用される用途に好適である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜2)
表1に示した配合のグリース組成物を調製し、下記に示す(1)トルク試験、(2)トルク安定性試験及び(3)焼付き試験を行った。N−ビニルアミド樹脂ミクロゲルは次のようにして作製した。先ず、一般式(I)としてN−ビニルアセトアミドを用い、一般式
(II)としてメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=30)を用い、両者を酢酸エチルに溶解し沸騰させ、開始剤としてジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)1.0部を加え、そのまま沸騰の状態を5時間保持し、放冷後に析出物を吸引濾過し、50℃で24時間真空乾燥した後解砕してN−ビニル樹脂粉末を得た。次いで、N−ビニル樹脂粉末を表記のようにメタノール、エタノール、イソプロパノールまたは水に浸漬してゲル化してN−ビニルアミド樹脂ミクロゲルとし、遠心分離法により飽和膨潤状態の粒径で1〜2μmのものを分採した。
また、ジウレア化合物A及びジウレア化合物Bは、何れも下記一般式(III)で表され、ジウレア化合物Aは式中のR6、R8をシクロヘキシルアミン:ステアリルアミン=1:9としたものであり、ジウレア化合物Bは式中のR6、R8をステアリルアミン:オクチルアミン=7:3としたものである。R7は何れもMDI(4、4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート)である。
6−NHCO(R7)NH−R8 ・・・(III)
また、全てのグリース組成物には酸化防止剤(チバガイギー社製「イルガノックスL57」)0.9質量%、腐食防止剤(チバガイギー社製「イルガメット39」)0.1質量%及び防錆剤(KING社製「NASUL BSN」)1質量%を添加した。
また、比較例2として、市販のグリース(新日本石油(株)製「ENS」:ウレア−エステルグリース:基油粘度31mm2/s(40℃))を用いた。
(1)トルク試験
日本精工(株)製のゴムシール付き転がり軸受(呼び番号695VV;内径5mm、外径13mm、幅4mm)に各グリース組成物を10mg充填し(軸受空間容積の約10体積%)、1800min-1で30分回転させた後、室温で4時間放置し、その後に内輪回転速度300min-1で3分間回転させた直後の動トルク値を測定した。結果を、比較例2のグリースを封入したときのトルク値を1とする相対値にて表1に示した。
(2)トルク安定性試験
日本精工(株)製の深溝玉軸受(呼び番号6203;内径17mm、外径4mm、幅14mm)に各グリースグリース組成物を2g封入し、内輪回転速度20000min-1、室温、ラジアル荷重98N、アキシアル荷重98Nの条件で20時間ならし回転させた後、20時間連続して回転トルクを測定した。そして、回転中のトルクの最大値と最小値との差を求めた。結果を、比較例2のグリースを封入したときの値を1とする相対値にて表1に示した。
(3)焼付き試験
上記(2)トルク安定性試験を行った後の軸受を、100℃の雰囲気温度で連続回転させ、焼付きが生じて軸受外輪温度が105℃を越えたときに試験を終了し、それまでの時間を計測した。結果を、比較例2のグリースを封入したときの値を1とする相対値にて表1に示した。
表1から、各実施例のグリース組成物を封入した軸受は何れもトルク性能及び焼付き性能に優れていることがわかる。中でも、イソプロパノールでゲル化したN−ビニルアミド樹脂ミクロゲルを添加したグリース組成物がトルク性能及び焼付き性能共に最も良好であった。
Figure 2005105025
(4)トルク−温度特性試験
日本精工(株)製のゴムシール付き転がり軸受(呼び番号695VV;内径5mm、外径13mm、幅4mm)に実施例3のグリース組成物を10mg充填し(軸受空間容積の約10体積%)、回転速度一定(10000min-1)で雰囲気温度を変化させながらトルクを測定した。結果を、室温でのトルクを1とする相対値にて図2にグラフ化して示した。図示されるように、N−ビニルアミド樹脂ミクロゲルの作用により、測定温度範囲において安定したトルク性能を示すことがわかる.
転がり軸受の一例を示す断面図である。 トルク−温度特性試験の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 玉軸受
10 内輪
11 外輪
12 保持器
13 玉
14 シール部材

Claims (3)

  1. 基油と増ちょう剤とを含有するグリース組成物であって、下記一般式(I)で示される化合物と下記一般式(II)で示される化合物とを重量比で(I):(II)=70〜99.9:30〜0.1にて重合架橋化し、かつ水、潤滑油または有機溶媒にてゲル化してなるN−ビニルアミド樹脂ミクロゲルを該グリース組成物全量に対して0.5〜10質量%添加してなることを特徴とするグリース組成物。
    CH2=CR1NR2COR3 ・・・(I)
    CH2=CR4CO(OX)nOR5 ・・・(II)
    (式中、R1〜R5は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、Xは炭素数2または3のアルキレン基を表し、nは2〜30の整数を表す。)
  2. 前記潤滑油が、40℃での動粘度が5〜25mm2/sのエステル油であり、前記有機溶媒が炭素数1〜18のアルコールであることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
  3. 内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配設された複数の転動体とを備え、前記内輪及び前記外輪の間に形成され前記転動体が配設された空隙部内に、請求項1または2記載のグリース組成物が封入されていることを特徴とする転がり軸受。
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