JP2005104994A - 無機薄膜成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチックフィルムのような耐熱性の低い基材であっても、低温で緻密な無機薄膜を成膜できるようにする。
【解決手段】加水分解性を有する金属化合物と前記金属化合物中の金属を化学修飾する有機化合物(化学修飾剤)とを混合したものを含む原料の気化ガスを、基材中に含ませた水分と基材表面近傍において反応させることにより基材表面上に金属酸化物膜を形成し、その直後に前記金属酸化物膜を熱処理することにより緻密化する。このように、加水分解性を有する金属化合物と化学修飾剤とを混合したガス成分を、基材中に含ませた水分と基材表面近傍において反応させることで、耐熱性の低い基材の表面であっても無機薄膜を安定して成膜することでき、さらに成膜直後に熱処理を行うことで膜が緻密化して膜の屈折率が向上する。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性の低いプラスチックフィルムなどの基材上に、例えば光学特性、電気特性及び機械特性に優れた無機薄膜を形成するための無機薄膜成膜方法に関する。
基材表面に金属酸化物膜を形成することによって、光触媒機能、ハードコート機能、ガスバリア性機能あるいは導電性機能を付与することができる。
基材表面に金属酸化物膜を形成する方法としては、溶液を用いるゾルゲル法、気相反応による成膜法であるCVD法、蒸着法、スパッタ法などが知られている。しかしながら、ゾルゲル法では、成膜した後において膜中の不純物を除去するために高温の熱処理が必要であり、使用できる基材が限定されるといった問題点がある。また、蒸着法及びスパッタ法は真空系の成膜法であるため、使用する成膜装置が処理チャンバーや真空ポンプ等の大型設備及び高度減圧下での煩雑な作業を要するといった問題点がある。
このような真空系設備等の問題を排除した金属酸化物薄膜の成膜法として、大気開放型CVD法が着目されている。
大気開放型CVD法は、加水分解性のある金属化合物を含む原料ガスをノズルから大気中に放出し、金属化合物が大気中の水分と反応することによって、高温に加熱された基材表面に金属酸化物膜を形成する方法である。このような成膜方法における成膜速度は水分量すなわち大気中の湿度に依存するため、常に一定条件で生産を行うことができない。
そこで、原料ガスを湿度コントロールされた環境中に放出する方法、あるいは、原料ガスを基材中に含ませた水分と基材表面近傍において反応させる方法などによって、連続して一定条件で同一性能の金属酸化物薄膜を成膜する試みがなされている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−38671号公報
しかしながら、前記した従来の技術のように、原料ガスが放出される環境の湿度をコントロールする場合、微量の水分量の違いにより原料の反応性が大きく異なるため、原料が大気中に放出されると同時に、水分と過剰な気相反応を起こし微粒子化してしまうことがあり、得られた膜が多孔質となってしまい緻密な膜を得ることが困難である。さらに、従来の技術のように、原料ガスを基材中に含ませた水分と基材表面近傍において反応させる成膜方法の場合、原料の反応が不足しがちになることがあり、基材表面上に十分に反応した金属酸化物膜を得ることも困難である。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、原料と水分との反応により微粉化させることなく基材上に緻密な無機薄膜を形成することが可能であり、しかも、プラスチックフィルムなどの耐熱性の低い基材に無機薄膜を形成することが可能な無機薄膜成膜方法の提供を目的とする。
本発明の無機薄膜成膜方法は、加水分解性を有する金属化合物と前記金属化合物中の金属を化学修飾する有機化合物(以下、「化学修飾剤」という)とを混合したものを含む原
料の気化ガスを、基材中に含ませた水分と基材表面近傍において反応させることにより基材表面上に金属酸化物膜を形成し、その直後に前記金属酸化膜を熱処理することにより緻密化することを特徴としている。
本発明の無機薄膜成膜方法において、前記化学修飾剤として、前記金属化合物中の金属とキレート錯体を形成するものを使用することが好ましい。
次に、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明は、加水分解性を有する金属化合物と化学修飾剤とを混合したものを含む原料の気化ガスを、基材中に含ませた水分と基材表面近傍において反応させることにより基材表面上に金属酸化物膜を形成し、その直後に金属酸化物膜を熱処理することを特徴とする無機薄膜成膜方法である。
上記加水分解性を有する金属化合物としては、常圧,150℃において1Pa以上の蒸気圧を有する金属アルコキシド、金属アセチル化物、金属錯体、金属ハロゲン化物、金属アルキル化物、金属アルキル化物、金属アミノ化物、金属水素化物またはそれらの複合化物の中から選ばれる1種以上の化合物であり、さらに10ppm以上の水分を含む環境中に1g滴下したときに、水分と反応し白煙を生じる程度の反応性が必要である。具体的な金属化合物としては、例えばチタニウムの金属化合物の場合、テトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチタニウム、テトラノルマルプロポキシチタニウム、テトライソプロポキシチタニウム、テトラノルマルブトキシチタニウム、テトライソブトキシチタニウム、テトラセカンダリーブトキシチタニウム、テトラターシャリーブトキシチタニウム、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)チタニウム、テトラキスジメチルアミノチタニウム、テトラジエチルアミノチタニウム、シクロペンタジエニルシクロオクタテトラエニルチタニウム、ジシクロペンタジエニルビスジメチルアミノチタニウム、四塩化チタニウム、四臭化チタニウム、ジ(イソプロキシ)ビス(ジアセチルアセトネート)チタニウム、ジ(ノルマルブトキシ)ビス(ジアセチルアセトネート)チタニウム、ジ(イソプロポキシ)ビス(ジピロバイルメタネート)チタニウムなどが挙げられる。
上記加水分解性を有する金属化合物と混合する化学修飾剤は、原料である金属化合物中の金属原子に配位結合するものであり、特にキレート錯体を形成するものが好ましい。これに加えて、常圧,150℃において1Pa以上の蒸気圧を有する液体材料であることが好ましい。具体的には、例えば、金属化合物としてテトライソプロポキシチタニウムの場合、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、2−アミノエタノール、ジエタノールアミン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらのうち、本発明の成膜プロセスにおいて必要とされる原料の気化性及び金属との配位能力の観点から2−メトキシエタノールを用いることが特に好ましい。
上記加水分解性を有する金属化合物と化学修飾剤の混合比は、[金属化合物]:[化学修飾剤]=1:x(0<x≦4、モル比)とすることが好ましい。化学修飾剤の割合をこれ以上大きな配合とすると、成膜速度が著しく低下するため、成膜に使用する条件としては好ましくない。
上記原料ガスは、金属化合物と化学修飾剤の混合物とそれを希釈するキャリアガスからなるガス成分である。
上記原料ガス中の金属化合物の混合比は、0.01〜20体積%の範囲内であることが好ましい。金属化合物の混合比が20%を超えると、金属化合物量が多くなりすぎ、水分
と気相中での反応が進行した際に粉化してしまう。また、金属化合物の混合比が0.01%未満であると、ほとんど成膜が進行しない。
上記キャリアガスとしては、含有水分量が5ppm以下である不活性ガスもしくは金属化合物と反応しないガスが挙げられる。具体的なキャリアガスとしては、例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、酸素、二酸化炭素などが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記金属酸化物としては、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム錫、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化ニオブ、酸化イットリウムなどが挙げられる。
上記無機薄膜成膜用の基材としては、特に限定されるものではないが、例えばプラスチック、シリコンウェハー、ガラス基板などが挙げられる。プラスチックの場合、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチルメタアクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ノルボルネン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、再生セルロース、アルカリ処理されたトリアセチルセルロースなどが挙げられる。これらの形状としては、板状、フィルム状などのものが挙げられるが、特に限定されるものではない。また、これらのプラスチック基材の片側表面にはハードコート、プロテクトフィルム、貼り合わせ用の糊付きのものなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。また、基材の厚さについても特に限定されるものではない。
また、基材としてプラスチックフィルムを使用する場合、表面にハードコートが塗工されているものが一般的に用いられる。そのハードコートの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば5μm程度である。
上記基材中の成膜に必要とされる水分検知は以下の方法を用いて行う。
70mm×100mmの基材を、密閉された容器でN2ガスにより満たされたステンレス製の円筒型容器(内径25mm、長さ100mm)の内部に配置し、成膜時の基材温度において裏面を1分間保持した後、容器内部の露点を露点計により測定し、露点・水分濃度換算表から水分量を換算する水分検知法にて10ppm以上の水分濃度が存在することを確認する。
本発明の無機薄膜成膜方法を実施する装置は、特に限定されるものではないが、基材搬送部、原料ガスを供給するノズル、及び、原料ガスを排気するノズルからなる装置が好ましい。また、原料ガスを供給するノズルと基材搬送部の配置方式としては、例えば、平行平板型、円筒対向平板型、球対向平板型、双曲面対向平板型、同軸円筒型構造などが挙げられる。
具体的な装置としては、例えば、図1に示すように、基材搬送用の平板1及びこの平板1に平行に対向配置された平板2からなる平行平板10と、それら一対の平板1,2間に原料ガスを供給する給気ノズル3と、原料ガスを排気する排気ノズル4とを備えた装置が挙げられる。
また、原料ガスを供給する給気ノズルの構造に関しては、特に限定されるものではないが、基本的にスリット状の吹き出し口から成膜空間に向けてガスを吹き出す構造であればよい。排気ノズルについても給気ノズルと同じ構造であってもよい。各ノズルの材質とし
ては、耐熱性物質であることが求められ、好ましくは、ステンレス鋼、アルミニウムなどが挙げられる。
原料ガスを給気ノズルから、例えば平行平板間に供給する場合、原料ガスは平行平板内の全域にわたって供給され周囲に漏れのないことが好ましい。また、平行平板内への外気の流入を防ぐことが好ましい。これらを実現する方式は、特に限定されるものではないが、例えば、平行平板のガス及び基材フィルムの進入をシールする方式、あるいは成膜装置周囲を、希釈用キャリアガスに用いるものと同様のガスで置換する方式が挙げられる。
原料ガスの供給方式としては、原料である金属化合物が室温で液体の場合、例えば図2に示すように、原料供給容器11にて加圧・供給された液体を、液体マスフローコントローラ12に導いて液量を制御した後に、気化器13において加熱・気化し、この加熱・気化したガスと、マスフローコントローラ14にて流量制御したキャリアガスとを混合して原料ガスとし、給気ノズルから供給する方式を挙げることができる。
また、金属化合物が室温で固体の場合は、(1)溶媒で溶液にして、図2の方式で供給する方法、あるいは、(2)金属化合物を加熱し昇華させキャリアガスと混合する手法が用いられるが、原料制御の観点からは、(1)の溶液状態での供給方式が好ましい。
本発明の無機薄膜成膜方法において、成膜時の基材表面温度は、原料である金属化合物が熱分解して成膜されないようにするために熱分解温度以下とする必要があり、これに加えて、基材の耐熱温度も考慮して設定する必要がある。例えば、原料としてテトライソプロポキシチタニウム、基材としてトリアセチルセルロースフィルムを用いる場合、基材表面温度は50〜90℃程度が好ましい。
本発明の無機薄膜成膜方法において実施する上記金属酸化物膜の熱処理方法は、特に限定されるものではないが、例えば熱風処理、熱線処理、加熱された金属面への接触処理が挙げられる。
上記金属酸化物膜の熱処理に使用される装置としては、温度調節機能付きの平板型の基材搬送部と前記基材搬送部に対して垂直方向から熱風を吹き付けることが可能なノズルを備えた装置が好ましい。具体的には、例えば、成膜に使用される図1に示す成膜装置において、原料ガス供給用の給気ノズル3及び排気用の排気ノズル4を利用して、基材搬送用の平板1及びこの平板1に平行に対向配置された平板2に、それら給気ノズル3及び排気ノズル4の各ノズルから熱風ガスを供給する装置つまり成膜装置を加熱処理に兼用することが可能な成膜・熱処理装置を用いることが好ましい。
上記熱処理に用いる熱風ガスの種類としては、特に限定されるものではなく、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、酸素、二酸化炭素、空気等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明によれば、プラスチックフィルムのような耐熱性の低い基材に対して、基材の耐熱温度以下で緻密な無機薄膜の成膜が可能となり、基材表面に光学機能、光触媒機能、ハードコート機能、ガスバリア性機能、あるいは導電性機能などの機能を付与することが可能である。その中でも光学機能としては、例えば光透過機能、反射防止機能、反射機能あるいは選択反射機能が可能となり、それらの性能を活かした各種用途製品を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明は、前記した図1の成膜・熱処理装置を用い、加水分解性を有する金属化合物と前記金属化合物中の金属を化学修飾する有機化合物とを混合したものを含む原料の気化ガスを、基材中に含ませた水分と基材表面近傍において反応させることにより基材表面上に金属酸化物膜を形成し、その成膜直後に金属酸化物膜を熱処理することにより緻密化することを特徴とする無機薄膜成膜方法である。
この無機薄膜成膜方法において、上記化学修飾する有機化合物として、当該金属とキレート錯体を形成するものを使用することが好ましい。
以下、本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
図1に示した成膜・熱処理装置を用いて、以下の条件で成膜を行った。
[装置構成]
図1の成膜・熱処理装置の平板1と平板2との間隔を2mmに設定し、平板1の表面温度は70℃とするとともに、平板2と幅150mmの給気ノズル3及び排気ノズル4とを温度調節することにより、給気ノズル3から供給されるガス温度を100℃となるように設定した。また、平行平板10内(平板1と平板2との間)に外気が侵入しないように、周囲を窒素ガスにて置換した。
[基材]
厚み75μm、幅100mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)上にハードコートが塗工されたものを基材Sとし、そのPETフィルムに水分量が20mg/m3以上検知される水分を含有させたものを成膜に用いた。
ただし、基材(PETフィルム)の水分検知には、70mm×100mmの基材を、密閉された容器でN2ガスにより満たされたステンレス製の円筒型容器(内径25mm、長さ100mm)の内部に配置し、成膜時の基材温度において裏面を1分間保持した後、容器内部の露点を露点計により測定し、露点・水分濃度換算表から水分量の換算する方法を用いた。
[原料]
加水分解性の金属化合物としてテトライソプロポキシチタン、化学修飾剤として2−メトキシエタノールを選択し、[テトライソプロポキシチタン]:[2−メトキシエタノール]=1:2(モル比)の割合で液体状態にて混合したものを原料として用いた。
[成膜条件]
前記PETフィルムを、図1の成膜・熱処理装置の平板1上に密着させた状態で、走行速度1m/分にてPETフィルムを走行させた。また、給気ノズル3から水分が10mg/m3未満である[アルゴン]:[加水分解性の金属化合物と有機溶媒の混合物]=100:0.05(体積比)の原料ガスを、平行平板10内(平板1と平板2との間)に30slm導入するとともに、排気ノズル4にて40slmの排気を行って、PETフィルム上に酸化チタン膜(TiO2膜)を成膜した。
[熱処理条件]
上記酸化チタンの成膜後、図1の成膜・熱処理装置において、給気ノズル3から100
℃のアルゴンガスのみを30slm導入し、排気ノズル4にて40slm排気を行って、平板を走行速度1m/分で搬送させ酸化チタン膜の熱処理を行った。
以上の成膜・熱処理で得られた試料の光学特性を以下の方法で評価した。
[光学特性]
まず、上記酸化チタンを成膜したPETフィルムを5cm角に切り抜き、裏面を#400のサンドペーパーで荒らした後に、黒インクにて直径2cm程度の大きさに塗りつぶしてサンプルを作製した。この裏面処理したサンプルについて、波長380〜780nmの反射率スペクトルを分光光度計(島津製作所社製、型式「UV−3101PC」)を用いて測定した。この反射率スペクトルを、光学特性計算ソフト(J.A.Woollam社
V.A.S.E. for Windows(R))にて解析して、初期膜厚及び波長550nmにおける初期屈折率を算出した。その各結果を下記の表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、テトライソプロポキシチタンと2−メトキシエタノールとを液体状態で混合したものを原料として用いるのではなく、それぞれを別々に気化し混合したガスを原料としたこと以外は、実施例1と同じとした。
得られた試料(酸化チタン膜)について実施例1と同じ評価を行った。その評価結果を下記の表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、酸化チタン膜形成後の熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同じとした。
得られた試料(酸化チタン膜)について実施例1と同じ評価を行った。その評価結果を下記の表1に示す。
<比較例2>
実施例1において、原料としてテトライソプロポキシチタンのみを用いたこと以外は、実施例1と同じとした。
得られた試料(酸化チタン膜)について実施例1と同じ評価を行った。その評価結果を下記の表1に示す。
<比較例3>
実施例1において、原料としてテトライソプロポキシチタンのみを用いたこと、及び、酸化チタン膜形成後の熱処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同じとした。
得られた試料(酸化チタン膜)について実施例1と同じ評価を行った。その評価結果を下記の表1に示す。
Figure 2005104994
<実施例及び比較例の検討>
表1の実施例1、2の各結果と比較例1,2,3の各結果を比較すると、成膜直後に熱処理を行うことで、膜の屈折率が向上していることがわかる。さらに、熱処理することに加えて、キレート化剤との混合物に原料を変更することより、膜の屈折率がさらに向上することがわかる。これは、熱処理によって膜中の未反応部が反応する緻密化と、キレート化剤による原料の微粒子化防止による膜の緻密化による複合効果であると考えられる。
本発明の成膜方法は、プラスチックフィルムのような耐熱性の低い基材の表面に、光透過、反射防止/反射または選択的反射などの光学機能、光触媒機能、ハードコート機能、ガスバリア性機能、あるいは導電性機能などの機能を付与するのに有効に利用することができる。
本発明の無機薄膜成膜方法を実施する成膜・熱処理装置の一例を模式的に示す図である。 原料ガス供給系の構成を模式的に示す図である。
符号の説明
1,2 平板
3 給気ノズル
4 排気ノズル
10 平行平板
11 液体原料容器
12 液体マスフローコントローラ
13 気化器
14 マスフローコントローラ
S 基材

Claims (2)

  1. 加水分解性を有する金属化合物と前記金属化合物中の金属を化学修飾する有機化合物とを混合したものを含む原料の気化ガスを、基材中に含ませた水分と基材表面近傍において反応させることにより基材表面上に金属酸化物膜を形成し、その直後に前記金属酸化物膜を熱処理することにより緻密化することを特徴とする無機薄膜成膜方法。
  2. 前記化学修飾する有機化合物として、前記金属化合物中の金属とキレート錯体を形成するものを使用することを特徴とする請求項1記載の無機薄膜成膜方法。

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