JP2005104780A - 層状有機ケイ酸及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アルコールに対する吸着能を向上させると共に一般的な有機化合物を分離することができる層状有機ケイ酸及び層状有機ケイ酸の製造方法を提供する。
【解決手段】 置換シリル基が層状ポリケイ酸に結合した層状有機ケイ酸において、置換シリル基は、アルキル基を有し、アルキル基は、アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基を有する。層状ポリケイ酸塩をシラン化合物でシリル化して層状有機ケイ酸を得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、層状有機ケイ酸及び層状有機ケイ酸の製造方法に関する。
層状有機ケイ酸は、層状ポリケイ酸のシラノール基(≡Si−OH)の酸素原子に、アルキル基を有するシリル基が結合した化合物であり、様々な技術分野での応用が期待されている。層状有機ケイ酸の例としては、アルコールを選択的に吸着する多孔質の層状ポリケイ酸が特許文献に開示されている(例えば、特許文献1参照)。この多孔質の層状ポリケイ酸においては、層状ポリケイ酸の層に、直線部分の炭素数が6から20のアルキル基1個及び1又は2個の水酸基を有するシリル基が結合している。より詳しくは、上記の層状ポリケイ酸は、カネマイト、KHSi、マカタイト、マガディアイト、又はケニヤアイトであり、上記の直線部分の炭素数が6から20のアルキル基1個及び1又は2個の水酸基を有するシリル基は、式
Figure 2005104780
で表されるシリル基であり、上式におけるRは、炭素数6〜20のアルキル基であり、Xは、水酸基であり、Xは、水酸基、ハロゲン、炭素数2以下のアルコキシ基、及び炭素数1〜8のアルキル基から選択される。すなわち、この多孔質の層状ポリケイ酸は、層状ポリケイ酸の層に、1又は2個の水酸基及び1個のアルキル基を有するシリル基が結合した層状有機ケイ酸である。
また、この多孔質の層状ポリケイ酸の製造方法として、層状ケイ酸塩に第四級アルキルアンモニウム塩、アルキルアミン、又はアルキルホスホニウム塩をイオン交換により導入する第一工程、RSiX3−a(Rは、炭素数6〜20個のアルキル基、Xは、ハロゲン又は炭素数2以下のアルコキシ基、Yは、炭素数1〜8のアルキル基を示し、aは、0又は1である)で表される2乃至3官能性のアルキルシラン含有溶液中で、第四級アルキルアンモニウム塩、アルキルアミン、又はアルキルホスホニウム塩と交換反応させて層状ケイ酸の層中にシラン化合物を結合させる第二工程、水又は水/有機溶剤混合液中で2乃至3官能性のアルキルシランの残存X基をシラノール化させる第三工程を含む方法もまた開示されている。
特開2000−128521
しかしながら、上記の層状有機ケイ酸は、アルコールを選択的に吸着するが、アルコール以外の有機化合物に対する吸着能は、十分ではない。様々な有機化合物を分離するための分離基剤は、アルコールのみならずアルコール以外の有機化合物も選択的に吸着する特性を有することが望まれているが、上記の層状有機ケイ酸は、アルコール以外の有機化合物に対する吸着能は、十分ではない。
そこで、本発明は、アルコールに対する吸着能を向上させると共に一般的な有機化合物を分離することができる層状有機ケイ酸及び前記層状有機ケイ酸の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、置換シリル基が層状ポリケイ酸に結合した層状有機ケイ酸において、前記置換シリル基は、アルキル基を有し、前記アルキル基は、前記アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基を有することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、前記置換シリル基は、アルキル基を有し、前記アルキル基は、前記アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基を有するので、アルコールに対する吸着能を向上させると共に一般的な有機化合物を分離することができる層状有機ケイ酸を提供することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の層状有機ケイ酸において、前記アルキル基に含まれる炭素原子の数は、3個以上18個以下であることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、前記アルキル基に含まれる炭素原子の数は、3個以上18個以下であるので、アルコールに対する吸着能をより向上させると共に一般的な有機化合物をより効率良く分離することができる層状有機ケイ酸を提供することができることができる。
請求項3記載の発明は、置換シリル基が層状ポリケイ酸に結合した層状有機ケイ酸において、前記置換シリル基は、アルキレン基を有し、前記アルキレン基は、前記アルキレン基に結合する、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基からなる群より選択される原子団を有し、前記原子団は、アルキル基を有することを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、前記置換シリル基は、アルキレン基を有し、前記アルキレン基は、前記アルキレン基に結合する、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基からなる群より選択される原子団を有し、前記原子団は、アルキル基を有するので、アルコールに対する吸着能を向上させると共に一般的な有機化合物を分離することができる層状有機ケイ酸を提供することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の層状有機ケイ酸において、前記アルキル基は、前記アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基を有することを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、前記アルキル基は、前記アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基を有するので、アルコールに対する吸着能をより向上させると共に一般的な有機化合物をより効率良く分離することができる層状有機ケイ酸を提供することができる。
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の層状有機ケイ酸において、前記アルキル基に含まれる炭素原子の数及び前記アルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計は、3個以上18個以下であることを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、前記アルキル基に含まれる炭素原子の数及び前記アルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計は、3個以上18個以下であるので、アルコールに対する吸着能をさらに向上させると共に一般的な有機化合物をさらに効率良く分離することができる層状有機ケイ酸を提供することができる。
請求項6記載の発明は、層状ポリケイ酸塩をシラン化合物でシリル化して層状有機ケイ酸を得る層状有機ケイ酸の製造方法において、前記シラン化合物は、アルキル基を有し、前記アルキル基は、前記アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基を有することを特徴とする。
請求項6記載の発明によれば、前記シラン化合物は、アルキル基を有し、前記アルキル基は、前記アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基を有するので、アルコールに対する吸着能を向上させると共に一般的な有機化合物を分離することができる層状有機ケイ酸の製造方法を提供することができる。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の層状有機ケイ酸の製造方法において、前記アルキル基に含まれる炭素原子の数及び前記アルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計は、3個以上18個以下であることを特徴とする。
請求項7記載の発明によれば、前記アルキル基に含まれる炭素原子の数及び前記アルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計は、3個以上18個以下であるので、アルコールに対する吸着能をより向上させると共に一般的な有機化合物をより効率良く分離することができる層状有機ケイ酸の製造方法を提供することができる。
請求項8記載の発明は、層状ポリケイ酸塩をシラン化合物でシリル化して層状有機ケイ酸を得る層状有機ケイ酸の製造方法において、前記シラン化合物は、アルキレン基を有し、前記アルキレン基は、前記アルキレン基に結合する、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基からなる群より選択される原子団を有し、前記原子団は、アルキル基を有することを特徴とする。
請求項8記載の発明によれば、前記シラン化合物は、アルキレン基を有し、前記アルキレン基は、前記アルキレン基に結合する、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基からなる群より選択される原子団を有し、前記原子団は、アルキル基を有するので、アルコールに対する吸着能を向上させると共に一般的な有機化合物を分離することができる層状有機ケイ酸の製造方法を提供することができる。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の層状有機ケイ酸の製造方法において、前記アルキル基は、前記アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基を有することを特徴とする。
請求項9記載の発明によれば、前記アルキル基は、前記アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基を有するので、アルコールに対する吸着能をより向上させると共に一般的な有機化合物をより効率良く分離することができる層状有機ケイ酸の製造方法を提供することができる。
請求項10記載の発明は、請求項8又は9記載の層状有機ケイ酸の製造方法において、前記アルキル基に含まれる炭素原子の数及び前記アルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計は、3個以上18個以下であることを特徴とする。
請求項10記載の発明によれば、前記アルキル基に含まれる炭素原子の数及び前記アルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計は、3個以上18個以下であるので、アルコールに対する吸着能をさらに向上させると共に一般的な有機化合物をさらに効率良く分離することができる層状有機ケイ酸の製造方法を提供することができる。
請求項11記載の発明は、層状ポリケイ酸塩をシラン化合物でシリル化した層状有機ケイ酸を得る層状有機ケイ酸の製造方法において、層状ポリケイ酸塩を、アミノ基と結合したアルキレン基を有するシラン化合物でシリル化するステップと、カルボキシル基又はエポキシエチル基を有する化合物を、前記アミノ基と反応させるステップとを含むことを特徴とする。
請求項11記載の発明によれば、層状ポリケイ酸塩を、アミノ基と結合したアルキレン基を有するシラン化合物でシリル化するステップと、カルボキシル基又はエポキシエチル基を有する化合物を、前記アミノ基と反応させるステップとを含むので、アルコールに対する吸着能を向上させると共に一般的な有機化合物を分離することができる層状有機ケイ酸の製造方法を提供することができる。
請求項12記載の発明は、層状ポリケイ酸塩をシラン化合物でシリル化した層状有機ケイ酸を得る層状有機ケイ酸の製造方法において、層状ポリケイ酸塩を、水酸基と結合したアルキレン基を有するシラン化合物でシリル化するステップと、カルボキシル基を有する化合物を、前記水酸基と反応させるステップとを含むことを特徴とする。
請求項12記載の発明によれば、層状ポリケイ酸塩を、水酸基と結合したアルキレン基を有するシラン化合物でシリル化するステップと、カルボキシル基を有する化合物を、前記水酸基と反応させるステップとを含むので、アルコールに対する吸着能を向上させると共に一般的な有機化合物を分離することができる層状有機ケイ酸の製造方法を提供することができる。
本発明によれば、アルコールに対する吸着能を向上させると共に一般的な有機化合物を分離することができる層状有機ケイ酸及び前記層状有機ケイ酸の製造方法を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
まず、本発明の第一の実施形態による層状有機ケイ酸を図1と共に説明する。本発明の第一の実施形態による層状有機ケイ酸においては、置換シリル基が、粘度鉱物の一種である層状ポリケイ酸に結合している。すなわち、シラン化合物でシリル化された層状ポリケイ酸である。層状ポリケイ酸は、Si及びOが互いに結合することで形成される(組成式SiOの)複数の層の表面にシラノール基(≡Si−OH)を有する化合物である。また、シラノール基は、層状ポリケイ酸の層の間にも存在することが好ましい。
これらの層状ポリケイ酸に含まれるシラノール基(≡Si−OH)の酸素原子の少なくとも一つに、置換シリル基が結合する。ここで、置換シリル基とは、シリル基(−SiH)の水素原子が、後述する特定の置換基で置換された有機基である。
この置換シリル基は、少なくとも一つ(1個以上3個以下)のアルキル基を有する。すなわち、シリル基の水素原子の少なくとも一つ(1個以上3個以下)は、アルキル基で置換されている。また、上記アルキル基は、それぞれ、直鎖のアルキル基及び分岐のアルキル基のいずれであってもよい。具体的には、上記アルキル基は、それぞれ、メチル基、及びエチル基、並びに直鎖及び分岐のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及びイコシル基からなる群より選択される。
さらに、上記アルキル基は、それぞれ、そのアルキル基における置換シリル基のケイ素原子と反対側の末端に結合する置換基を有し(アルキル基の末端の炭素原子が置換基で置換されており)、上記置換基は、それぞれ、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される。
一方、シリル基のアルキル基で置換されない水素原子は、それぞれ、水酸基、クロロ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選択される置換基で置換されるか、又は上記置換シリル基が結合しているシラノール基と隣接する別のシラノール基の酸素原子への単結合である。
本発明の第一の実施形態による層状有機ケイ酸においては、上記アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基が、アルコールを含む様々な有機化合物を吸着する官能基として作用する。よって、アルキル基の末端に結合する置換基は、吸着しようとする有機化合物に応じて選択される。また、この置換基が、置換シリル基のケイ素原子に直接結合するのではなく、アルキル基における置換シリル基のケイ素原子と反対側の末端に結合しているため、置換基が、アルキル基によって遮蔽されず、対象とする有機化合物が、置換基と相互作用する(置換基に吸着される)確率が高くなる。よって、対象とする有機化合物を、より容易に、置換シリル基に吸着することができる。その結果、本発明の第一の実施形態による層状有機ケイ酸は、アルコールに対する吸着能を向上させることができ、様々な有機化合物を分離することができる。
なお、シリル基のケイ素原子に結合する個々のアルキル基に含まれる炭素原子の数は、好ましくは、3個以上18個以下である。ここで、上記アルキル基に含まれる炭素原子の数が、3個より少ないと、置換シリル基に含まれるアルキル基の長さが短く、層状ポリケイ酸の層間が十分に広がらない。このため、アルコールなどの有機化合物が、層状ポリケイ酸の層間に侵入することが困難であり、対象とする有機化合物が、置換シリル基のアルキル基の置換基と十分に相互作用することが困難になる。その結果、対象とする有機化合物を、置換シリル基に十分に吸着することが困難になる。一方、上記のアルキル基に含まれる炭素原子の数が、18個より多いと、置換シリル基に含まれるアルキル基の長さが長く、層状ポリケイ酸の層間の空間における一つの置換シリル基によって占められる空間の割合が高くなる。このため、層状ポリケイ酸の層に結合する置換シリル基の数が減少する。すなわち、層状ポリケイ酸の層間における、対象とする有機化合物と相互作用する(吸着する)アルキル基の置換基の数も減少する。また、アルキル基の置換基が、長いアルキル基によって遮蔽されてしまい、対象とする有機化合物が、置換シリル基のアルキル基の置換基と十分に相互作用することが困難になる。その結果、対象とする有機化合物を、置換シリル基に十分に吸着することが困難になる。すなわち、上記アルキル基に含まれる炭素原子の数が、8個以上18個以下であることにより、対象とする有機化合物を、効率良く置換シリル基と相互作用させ、置換シリル基に十分に吸着することができる。
本発明の第一の実施形態による層状有機ケイ酸の例を図1に示す。図1においては、層状ポリケイ酸は、…−O−Si−O−…で表され、置換シリル基で置換されたシラノール基がSi−O−で表されている。図1においては、置換シリル基は、一つのアルキル基を有し、このアルキル基は、一つの折れ線で表され、折れ線の頂点が、メチレン基(−CH−)を表している。すなわち、図1におけるアルキル基は、直鎖のペンチル基を表す。ここで、このアルキル基の末端の炭素原子は、置換基Aで置換されており、置換基Aは、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される。また、置換シリル基は、アルキル基以外の置換基X及びXを有し、置換基X及びXのそれぞれは、水酸基、クロロ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選択される置換基で置換されるか、又は上記置換シリル基が結合しているシラノール基と隣接する別のシラノール基の酸素原子への単結合である。
次に、本発明の第二の実施形態による層状有機ケイ酸を図2と共に説明する。本発明の第二の実施形態による層状有機ケイ酸においては、置換シリル基が、粘度鉱物の一種である層状ポリケイ酸に結合している。すなわち、シラン化合物でシリル化された層状ポリケイ酸である。層状ポリケイ酸は、Si及びOが互いに結合することで形成される(組成式SiOの)複数の層の表面にシラノール基(≡Si−OH)を有する化合物である。また、シラノール基は、層状ポリケイ酸の層の間にも存在することが好ましい。
これらの層状ポリケイ酸に含まれるシラノール基(≡Si−OH)の酸素原子の少なくとも一つに、置換シリル基が結合する。ここで、置換シリル基とは、シリル基(−SiH)の水素原子が、後述する特定の置換基で置換された有機基である。
この置換シリル基は、少なくとも一つ(1個以上3個以下)のアルキレン基を有する。すなわち、シリル基の水素原子の少なくとも一つ(1個以上3個以下)は、アルキレン基で置換されている。また、上記アルキレン基は、それぞれ、直鎖のアルキレン基及び分岐のアルキレン基のいずれであってもよい。具体的には、上記アルキレン基は、それぞれ、メチレン基、及びエチレン基、並びに直鎖及び分岐のトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、イコサメチレン基からなる群より選択される。
さらに、上記アルキレン基は、それぞれ、そのアルキレン基における置換シリル基のケイ素原子と反対側の末端に結合する原子団を有し、原子団は、それぞれ、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基(−OCHNH−)、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基((−OCHN−)からなる群より選択される。
また、上記原子団は、少なくとも一つ(1個以上2個以下)のアルキル基を有する。すなわち、原子団の原子価の少なくとも一つ(1個以上2個以下)は、アルキル基で置換されている。また、上記アルキル基は、それぞれ、直鎖のアルキル基及び分岐のアルキル基のいずれであってもよい。具体的には、上記アルキル基は、それぞれ、メチル基、及びエチル基、並びに直鎖及び分岐のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及びイコシル基からなる群より選択される。
なお、上記原子団における複数の原子価の各々は、上記アルキル基又は上記アルキレン基のいずれに結合してもよい。
一方、シリル基のアルキレン基で置換されない水素原子は、それぞれ、水酸基、クロロ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選択される置換基で置換されるか、又は上記置換シリル基が結合しているシラノール基と隣接する別のシラノール基の酸素原子への単結合である。
本発明の第二の実施形態による層状有機ケイ酸においては、上記アルキレン基及び上記アルキル基の間に存在する、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基からなる群より選択される原子団が、アルコールを含む様々な有機化合物を吸着する官能基として作用する。よって、上記アルキレン基及び上記アルキル基の間に存在する原子団は、吸着しようとする有機化合物に応じて選択される。また、この原子団が、置換シリル基のケイ素原子に直接結合していないため、原子団が、アルキル基及びアルキレン基によって遮蔽されず、対象とする有機化合物が、原子団と相互作用する(原子団に吸着される)確率が高くなる。よって、対象とする有機化合物を、より容易に、置換シリル基に吸着することができる。その結果、本発明の第一の実施形態による層状有機ケイ酸は、アルコールに対する吸着能を向上させることができ、様々な有機化合物を分離することができる。
なお、上記原子団に結合する一つのアルキル基に含まれる炭素原子の数及びシリル基のケイ素原子に結合する一つのアルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計は、好ましくは、3個以上18個以下である。ここで、上記アルキル基に含まれる炭素原子の数及び上記アルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計が、3個より少ないと、置換シリル基に含まれるアルキル基及びアルキレン基の合計の長さが短く、層状ポリケイ酸の層間が十分に広がらない。このため、アルコールなどの有機化合物が、層状ポリケイ酸の層間に侵入することが困難であり、対象とする有機化合物が、置換シリル基に含まれる原子団と十分に相互作用することが困難になる。その結果、対象とする有機化合物を、置換シリル基に十分に吸着することが困難になる。一方、上記アルキル基に含まれる炭素原子の数及び上記アルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計が、18個より多いと、置換シリル基に含まれるアルキル基及びアルキレン基の合計の長さが長く、層状ポリケイ酸の層間の空間における一つの置換シリル基によって占められる空間の割合が高くなる。このため、層状ポリケイ酸の層に結合する置換シリル基の数が減少する。すなわち、層状ポリケイ酸の層間における、対象とする有機化合物と相互作用する(吸着する)置換シリル基に含まれる原子団の数も減少する。また、置換シリル基に含まれる原子団が、アルキル基及びアルキレン基による長いアルキル鎖によって遮蔽されてしまい、対象とする有機化合物が、置換シリル基に含まれる原子団と十分に相互作用することが困難になる。その結果、対象とする有機化合物を、置換シリル基に十分に吸着することが困難になる。すなわち、上記一つのアルキル基に含まれる炭素原子の数及び上記一つのアルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計が、3個以上18個以下であることにより、対象とする有機化合物を、効率良く置換シリル基と相互作用させ、置換シリル基に十分に吸着することができる。
本発明の第二の実施形態による層状有機ケイ酸の例を図2に示す。図2においては、層状ポリケイ酸は、…−O−Si−O−…で表され、置換シリル基で置換されたシラノール基がSi−O−で表されている。図2においては、置換シリル基は、一つのアルキレン基を有し、このアルキレン基は、一つの折れ線で表され、折れ線の頂点が、メチレン基(−CH−)を表している。すなわち、図2におけるアルキレン基は、直鎖のペンタメチレン基を表す。ここで、このアルキレン基の末端の炭素原子には、原子団Bが結合しており、原子団Bは、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基からなる群より選択される。また、図2においては、原子団Bは、一つのアルキル基を有し、このアルキル基は、一つの折れ線で表され、折れ線の頂点が、メチレン基(−CH−)を表している。すなわち、図2におけるアルキル基は、直鎖のヘキシル基を表す。また、置換シリル基は、アルキル基以外の置換基X及びXを有し、置換基X及びXのそれぞれは、水酸基、クロロ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選択される置換基で置換されるか、又は上記置換シリル基が結合しているシラノール基と隣接する別のシラノール基の酸素原子への単結合である。
次に、本発明の第三の実施形態による層状有機ケイ酸を図3(a)及び(b)と共に説明する。本発明の第三の実施形態による層状有機ケイ酸においては、置換シリル基が、粘度鉱物の一種である層状ポリケイ酸に結合している。すなわち、シラン化合物でシリル化された層状ポリケイ酸である。層状ポリケイ酸は、Si及びOが互いに結合することで形成される(組成式SiOの)複数の層の表面にシラノール基(≡Si−OH)を有する化合物である。また、シラノール基は、層状ポリケイ酸の層の間にも存在することが好ましい。
これらの層状ポリケイ酸に含まれるシラノール基(≡Si−OH)の酸素原子の少なくとも一つに、置換シリル基が結合する。ここで、置換シリル基とは、シリル基(−SiH)の水素原子が、後述する特定の置換基で置換された有機基である。
この置換シリル基は、少なくとも一つ(1個以上3個以下)のアルキレン基を有する。すなわち、シリル基の水素原子の少なくとも一つ(1個以上3個以下)は、アルキレン基で置換されている。また、上記アルキレン基は、それぞれ、直鎖のアルキレン基及び分岐のアルキレン基のいずれであってもよい。具体的には、上記アルキレン基は、それぞれ、メチレン基、及びエチレン基、並びに直鎖及び分岐のトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、イコサメチレン基からなる群より選択される。
さらに、上記アルキレン基は、それぞれ、そのアルキレン基における置換シリル基のケイ素原子と反対側の末端に結合する原子団を有し、原子団は、それぞれ、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基(−OCHNH−)、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基((−OCHN−)からなる群より選択される。
また、上記原子団は、少なくとも一つ(1個以上2個以下)のアルキル基を有する。すなわち、原子団の原子価の少なくとも一つ(1個以上2個以下)は、アルキル基で置換されている。また、上記アルキル基は、それぞれ、直鎖のアルキル基及び分岐のアルキル基のいずれであってもよい。具体的には、上記アルキル基は、それぞれ、メチル基、及びエチル基、並びに直鎖及び分岐のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及びイコシル基からなる群より選択される。
なお、上記原子団における複数の原子価の各々は、上記アルキル基又は上記アルキレン基のいずれに結合してもよい。
さらに、上記アルキル基は、それぞれ、そのアルキル基における原子団と反対側の末端に結合する置換基を有し(アルキル基の末端の炭素原子が置換基で置換されており)、上記置換基は、それぞれ、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される。
一方、シリル基のアルキレン基で置換されない水素原子は、それぞれ、水酸基、クロロ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選択される置換基で置換されるか、又は上記置換シリル基が結合しているシラノール基と隣接する別のシラノール基の酸素原子への単結合である。
本発明の第三の実施形態による層状有機ケイ酸においては、上記アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基、並びに、上記アルキレン基及び上記アルキル基の間に存在する、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基からなる群より選択される原子団の両方が、アルコールを含む様々な有機化合物を吸着する官能基として作用する。ここで、アルキル基の末端に結合する置換基及び上記アルキレン基及び上記アルキル基の間に存在する原子団は、吸着しようとする有機化合物に応じて選択される。ここで、アルキル基の末端に結合する置換基及び上記アルキレン基及び上記アルキル基の間に存在する原子団の両方を選択することができるため、同一の有機化合物(群)に対して特に高い吸着能を高める層状有機ケイ酸を提供することもできるし、また、異なる有機化合物(群)に対して特に高い吸着能を有する層状有機ケイ酸を提供することができる。すなわち、本発明の第三の実施形態による層状有機ケイ酸によれば、対象とする有機化合物の吸着に関する選択性を向上させた層状有機ケイ酸を提供することができる。また、上記の置換基及び原子団が、置換シリル基のケイ素原子に直接結合するのではなく、置換基及び原子団が、アルキル基及びアルキレン基によって遮蔽されず、対象とする有機化合物が、置換基及び原子団と相互作用する(置換基及び原子団に吸着される)確率が高くなる。よって、対象とする有機化合物を、より容易に、置換シリル基に吸着することができる。また、対象とする有機化合物を置換基及び原子団の両方に吸着させることができるため、対象とする有機化合物を置換シリル基に吸着する効率を高めることができる。その結果、本発明の第三の実施形態による層状有機ケイ酸は、アルコールに対する吸着能をより向上させることができ、様々な有機化合物をより効率良く分離することができる。
なお、上記原子団に結合する一つのアルキル基に含まれる炭素原子の数及びシリル基のケイ素原子に結合する一つのアルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計は、好ましくは、3個以上18個以下である。ここで、上記アルキル基に含まれる炭素原子の数及び上記アルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計が、3個より少ないと、置換シリル基に含まれるアルキル基及びアルキレン基の合計の長さが短く、層状ポリケイ酸の層間が十分に広がらない。このため、アルコールなどの有機化合物が、層状ポリケイ酸の層間に侵入することが困難であり、対象とする有機化合物が、置換シリル基に含まれる置換基及び原子団と十分に相互作用することが困難になる。その結果、対象とする有機化合物を、置換シリル基に十分に吸着することが困難になる。一方、上記アルキル基に含まれる炭素原子の数及び上記アルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計が、18個より多いと、置換シリル基に含まれるアルキル基及びアルキレン基の合計の長さが長く、層状ポリケイ酸の層間の空間における一つの置換シリル基によって占められる空間の割合が高くなる。このため、層状ポリケイ酸の層に結合する置換シリル基の数が減少する。すなわち、層状ポリケイ酸の層間における、対象とする有機化合物と相互作用する(吸着する)置換シリル基に含まれる置換基及び原子団の数も減少する。また、置換シリル基に含まれる置換基及び原子団が、アルキル基及びアルキレン基による長いアルキル鎖によって遮蔽されてしまい、対象とする有機化合物が、置換シリル基に含まれる置換基及び原子団と十分に相互作用することが困難になる。その結果、対象とする有機化合物を、置換シリル基に十分に吸着することが困難になる。すなわち、上記一つのアルキル基に含まれる炭素原子の数及び上記一つのアルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計が、3個以上18個以下であることにより、対象とする有機化合物を、効率良く置換シリル基と相互作用させ、置換シリル基に十分に吸着することができる。
本発明の第三の実施形態による層状有機ケイ酸の例を図3(a)及び(b)に示す。図3(a)及び(b)においては、層状ポリケイ酸は、…−O−Si−O−…で表され、置換シリル基で置換されたシラノール基がSi−O−で表されている。図3(a)及び(b)においては、置換シリル基は、一つのアルキレン基を有し、このアルキレン基は、一つの折れ線で表され、折れ線の頂点が、メチレン基(−CH−)を表している。すなわち、図3(a)及び(b)におけるアルキレン基は、直鎖のペンタメチレン基を表す。ここで、このアルキレン基の末端の炭素原子には、原子団Bが結合しており、原子団Bは、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基からなる群より選択される。図3(a)においては、原子団Bは、アミド結合又はエステル結合であり、図3(b)においては、原子団Bは、N−オキシメチレンアミノ基又はN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基である。また、図3(a)においては、原子団Bは、一つのアルキル基を有し、このアルキル基は、一つの折れ線で表され、折れ線の頂点が、メチレン基(−CH−)を表している。すなわち、図3(a)におけるアルキル基は、直鎖のペンチル基を表す。一方、図3(b)においては、原子団Bは、二つのアルキル基を有し、これらのアルキル基は、それぞれ折れ線で表され、折れ線の頂点が、メチレン基(−CH−)を表している。すなわち、図3(b)における二つのアルキル基は、それぞれ、直鎖のペンチル基を表す。また、図3(a)においては、アルキル基の末端の炭素原子は、置換基Aで置換されており、置換基Aは、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される。一方、図3(b)においては、二つのアルキル基の末端における炭素原子は、それぞれ、置換基Aで置換されており、置換基Aは、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される。また、図3(a)及び(b)において、置換シリル基は、アルキル基以外の置換基X及びXを有し、置換基X及びXのそれぞれは、水酸基、クロロ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選択される置換基で置換されるか、又は上記置換シリル基が結合しているシラノール基と隣接する別のシラノール基の酸素原子への単結合である。
なお、本発明による層状有機ケイ酸は、例えばクロマトグラフィー用充填剤などの一般的な有機化合物を分離することができる分離基剤として使用することができる。
次に、本発明による層状有機ケイ酸の製造方法を図4、図5、及び図6と共に説明する。
まず、市販の層状ポリケイ酸塩を入手するか又は層状ポリケイ酸塩を公知の方法で合成する。本発明による層状有機ケイ酸の製造方法に使用される層状ポリケイ酸塩は、Si及びOが互いに結合して形成されている(SiOの)複数の層間に、≡Si−O基及びNa及びKから選択される対イオンを有する化合物である。層状ポリケイ酸塩としては、具体的には、カネマイト(NaHSi)、マカタイト(NaSi・xHO)、マガディアイト(NaSi1429・xHO)、及びケニヤアイト(KSi2041・xHO)が挙げられる(xは、水和水の数である)。このうち、特に好適な層状ポリケイ酸塩は、マガディアイトである。
次に、好ましくは、層状ポリケイ酸塩を、第四級アンモニウム塩(R)、アルキルアンモニウム塩(RNH )、及びアルキルホスホニウム塩(R)からなる群より選択される塩と反応させ、層状ポリケイ酸塩における陽イオン(Na,K)を、第四級アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン、アルキルホスホニウムイオンからなる群より選択される有機イオンでイオン交換する(なお、Rは、直鎖のアルキル基であり、Xは、ハロゲンである)。このように、層状ポリケイ酸塩における陽イオンを、上記のような有機イオンでイオン交換することによって、層状ポリケイ酸塩の層間の間隔を増加させることができる。これにより、後述するシラン化合物の層状ポリケイ酸塩に対する反応を促進することができる。なお、本発明による層状有機ケイ酸の製造方法においては、層状ポリケイ酸塩の陽イオンを、第四級アンモニウム塩であるアルキルトリメチルアンモニウム=ハリドでイオン交換することが好ましい。このアルキルトリメチルアンモニウム=ハリドに由来するアルキルトリメチルアンモニウムイオンは、窒素原子に結合する3つの短いメチル基及び1つの長いアルキル基を有するため、1つの長いアルキル基で層状ポリケイ酸塩の層間の間隔を増加させると共に、他の3つのメチル基は、アルキルトリメチルアンモニウムイオンによるイオン交換及びシラン化合物との反応を妨げない。また、上記の塩は、市販の製品を利用することができる。
次に、上記有機陽イオンでイオン交換した層状ポリケイ酸塩を、適切なシラン化合物でシリル化して層状有機ケイ酸を得る。有機陽イオンでイオン交換した層状ポリケイ酸塩をシリル化するシラン化合物を図4(a)、(b)及び(c)に示す。
上述した本発明の第一の実施形態による層状有機ケイ酸を得るためには、図4(a)に示すようなシラン化合物を使用する。すなわち、図4(a)に示すシラン化合物は、少なくとも一つ(1個以上3個以下)のアルキル基を有する。すなわち、シラン(SiH)の水素原子の少なくとも一つ(1個以上3個以下)は、アルキル基で置換されている。また、上記アルキル基は、それぞれ、直鎖のアルキル基及び分岐のアルキル基のいずれであってもよい。具体的には、上記アルキル基は、それぞれ、メチル基、及びエチル基、並びに直鎖及び分岐のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及びイコシル基からなる群より選択される。
さらに、上記アルキル基は、それぞれ、そのアルキル基におけるシラン化合物のケイ素原子と反対側の末端に結合する置換基を有し(アルキル基の末端の炭素原子が置換基で置換されており)、上記置換基は、それぞれ、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される。
一方、シランのアルキル基で置換されない水素原子は、それぞれ、水酸基、クロロ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選択される置換基で置換されている。
なお、シリル基のケイ素原子に結合する個々のアルキル基に含まれる炭素原子の数は、好ましくは、3個以上18個以下である。
図4(a)においては、シラン化合物は、一つのアルキル基を有し、このアルキル基は、一つの折れ線で表され、折れ線の頂点が、メチレン基(−CH−)を表している。すなわち、図4(a)におけるアルキル基は、直鎖のペンチル基を表す。ここで、このアルキル基の末端の炭素原子は、置換基Aで置換されており、置換基Aは、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される。また、シラン化合物は、アルキル基以外の置換基X、X、及びXを有し、置換基X、X、及びXのそれぞれは、水酸基、クロロ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選択される置換基である。
上述した本発明の第二の実施形態による層状有機ケイ酸を得るためには、図4(b)に示すようなシラン化合物を使用する。すなわち、図4(b)に示すシラン化合物は、少なくとも一つ(1個以上3個以下)のアルキレン基を有する。すなわち、シラン(SiH)の水素原子の少なくとも一つ(1個以上3個以下)は、アルキレン基で置換されている。また、上記アルキレン基は、それぞれ、直鎖のアルキレン基及び分岐のアルキレン基のいずれであってもよい。具体的には、上記アルキレン基は、それぞれ、メチレン基、及びエチレン基、並びに直鎖及び分岐のトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、イコサメチレン基からなる群より選択される。
さらに、上記アルキレン基は、それぞれ、そのアルキレン基におけるシラン化合物のケイ素原子と反対側の末端に結合する原子団を有し、原子団は、それぞれ、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基(−OCHNH−)、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基((−OCHN−)からなる群より選択される。
また、上記原子団は、少なくとも一つ(1個以上2個以下)のアルキル基を有する。すなわち、原子団の原子価の少なくとも一つ(1個以上2個以下)は、アルキル基で置換されている。また、上記アルキル基は、それぞれ、直鎖のアルキル基及び分岐のアルキル基のいずれであってもよい。具体的には、上記アルキル基は、それぞれ、メチル基、及びエチル基、並びに直鎖及び分岐のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及びイコシル基からなる群より選択される。
なお、上記原子団における複数の原子価の各々は、上記アルキル基又は上記アルキレン基のいずれに結合してもよい。
一方、シランのアルキレン基で置換されない水素原子は、それぞれ、水酸基、クロロ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選択される置換基で置換されている。
なお、上記原子団に結合する一つのアルキル基に含まれる炭素原子の数及びシラン化合物のケイ素原子に結合する一つのアルキレン基に含まれる炭素原子の数及びの合計は、好ましくは、3個以上18個以下である。
図4(b)においては、シラン化合物は、一つのアルキレン基を有し、このアルキレン基は、一つの折れ線で表され、折れ線の頂点が、メチレン基(−CH−)を表している。すなわち、図2におけるアルキレン基は、直鎖のペンタメチレン基を表す。ここで、このアルキレン基の末端の炭素原子には、原子団Bが結合しており、原子団Bは、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基からなる群より選択される。また、図4(b)においては、原子団Bは、一つのアルキル基を有し、このアルキル基は、一つの折れ線で表され、折れ線の頂点が、メチレン基(−CH−)を表している。すなわち、図4(b)におけるアルキル基は、直鎖のヘキシル基を表す。また、シラン化合物は、アルキル基以外の置換基X、X、及びXを有し、置換基X、X、及びXのそれぞれは、水酸基、クロロ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選択される置換基である。
上述した本発明の第三の実施形態による層状有機ケイ酸を得るためには、例えば、図4(c)に示すようなシラン化合物を使用する。ここでは、図3(c)に示すような層状有機ケイ酸を得るためのシラン化合物を図4(c)に示すと共に説明するが、図3(d)に示すような層状有機ケイ酸を得るためのシラン化合物も、図示しないが、同様に理解することができる。
図4(c)に示すシラン化合物は、少なくとも一つ(1個以上3個以下)のアルキレン基を有する。すなわち、シラン(SiH)の水素原子の少なくとも一つ(1個以上3個以下)は、アルキレン基で置換されている。また、上記アルキレン基は、それぞれ、直鎖のアルキレン基及び分岐のアルキレン基のいずれであってもよい。具体的には、上記アルキレン基は、それぞれ、メチレン基、及びエチレン基、並びに直鎖及び分岐のトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、イコサメチレン基からなる群より選択される。
さらに、上記アルキレン基は、それぞれ、そのアルキレン基におけるシラン化合物のケイ素原子と反対側の末端に結合する原子団を有し、原子団は、それぞれ、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基(−OCHNH−)、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基((−OCHN−)からなる群より選択される。
また、上記原子団は、少なくとも一つ(1個以上2個以下)のアルキル基を有する。すなわち、原子団の原子価の少なくとも一つ(1個以上2個以下)は、アルキル基で置換されている。また、上記アルキル基は、それぞれ、直鎖のアルキル基及び分岐のアルキル基のいずれであってもよい。具体的には、上記アルキル基は、それぞれ、メチル基、及びエチル基、並びに直鎖及び分岐のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及びイコシル基からなる群より選択される。
なお、上記原子団における複数の原子価の各々は、上記アルキル基又は上記アルキレン基のいずれに結合してもよい。
さらに、上記アルキル基は、それぞれ、そのアルキル基における原子団と反対側の末端に結合する置換基を有し(アルキル基の末端の炭素原子が置換基で置換されており)、上記置換基は、それぞれ、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される。
一方、シラン化合物のアルキレン基で置換されない水素原子は、それぞれ、水酸基、クロロ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選択される置換基で置換されている。
なお、上記原子団に結合する一つのアルキル基に含まれる炭素原子の数及びシラン化合物のケイ素原子に結合する一つのアルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計は、好ましくは、3個以上18個以下である。
図4(c)においては、シラン化合物は、一つのアルキレン基を有し、このアルキレン基は、一つの折れ線で表され、折れ線の頂点が、メチレン基(−CH−)を表している。すなわち、図4(c)におけるアルキレン基は、直鎖のペンタメチレン基を表す。ここで、このアルキレン基の末端の炭素原子には、原子団Bが結合しており、原子団Bは、一般には、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基からなる群より選択される。ただし、図4(c)においては、原子団Bは、アミド結合又はエステル結合である。また、図4(c)においては、原子団Bは、一つのアルキル基を有し、このアルキル基は、一つの折れ線で表され、折れ線の頂点が、メチレン基(−CH−)を表している。すなわち、図3(c)におけるアルキル基は、直鎖のペンチル基を表す。また、図4(c)においては、アルキル基の末端の炭素原子は、置換基Aで置換されており、置換基Aは、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される。また、図4(c)において、シラン化合物は、アルキル基以外の置換基X、X、及びXを有し、置換基X、X、及びXのそれぞれは、水酸基、クロロ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選択される置換基である。
上述のシラン化合物を使用して層状有機ケイ酸を得る方法を図5と共に説明する。上記のシラン化合物は、市販の製品を入手するか、又は公知の方法によって合成することができる。本発明による層状有機ケイ酸は、上述のようなシラン化合物で、有機陽イオンでイオン交換された層状ポリケイ酸塩のSi−O基をシリル化することによって得られる。有機陽イオンでイオン交換された層状ポリケイ酸塩のSi−O基をシリル化は、上述のようなシラン化合物のケイ素原子に結合するアルキル基又はアルキレン基以外の置換基が、Si−O基に対して高い反応性を有することを利用して、行われる。すなわち、上述のようなシラン化合物のケイ素原子に結合するアルキル基又はアルキレン基以外の置換基の少なくとも一つ(1個以上3個以下)が、取り除かれて、Si−O基の酸素原子に結合することによって、Si−O基のシリル化が達成される。ここで、Si−O基の酸素原子に結合しなかった、シラン化合物のケイ素原子に結合するアルキル基又はアルキレン基以外の置換基は、未反応のまま残留するか、又は水で処理されて水酸基に変化する。
例えば、図5(a)に示すような層状ポリケイ酸塩のNaのような陽イオンを、図5(b)に模式的に示すように、第四級アンモニウムイオンのような上記の有機陽イオンでイオン交換した後、図4(a)及び図5(c)に示すような上述のシラン化合物で、有機陽イオンでイオン交換された層状ポリケイ酸塩のSi−O基をシリル化する。図4(a)及び図5(c)に示すようなシラン化合物で、有機陽イオンでイオン交換された層状ポリケイ酸塩のSi−O基をシリル化すると、シラン化合物のケイ素原子に結合するアルキレン基以外の置換基の一つXが取り除かれて、Si−O基の酸素原子に結合する。図5(c)に示すようなシラン化合物によるシリル化で得られた層状有機ケイ酸を図5(d)に示す。シラン化合物のケイ素原子に結合する置換基X以外の置換基X及びXは、同様に取り除かれて、隣接するSi−O基の酸素原子に結合するか、未反応のまま残留するか、又は水で処理されて−OH基に変化する。図5(d)では、簡単のため、置換基Aを有するアルキレン基及びSi−O基に対する一つの結合以外には、Siの結合を省略して描いている。
上述した本発明による層状有機ケイ酸の製造方法においては、層状ポリケイ酸塩のSi−O基に結合した有機イオンを取り除いて、シラン化合物から生じる置換シリル基をSi−O基の酸素原子に結合させるだけで、所望の層状有機ケイ酸を得ることができる。すなわち、有機陽イオンでイオン交換された層状ポリケイ酸塩から、層状ポリケイ酸塩のSi−O基をシリル化する1ステップの反応で、層状有機ケイ酸を合成することができる。このため、シラン化合物から生じる置換シリル基が、層状ポリケイ酸塩のSi−O基に均一に結合し、層状ポリケイ酸塩のSi−O基がシラン化合物で均一にシリル化された層状有機ケイ酸を得ることができる。
なお、本発明の第二の実施形態及び第三の実施形態による層状有機ケイ酸は、上記の製造方法とは異なる方法で合成することもできる。本発明の第二の実施形態及び第三の実施形態による層状有機ケイ酸は、置換シリル基のアルキレン基及びアルキル基の間に、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基からなる群より選択される原子団を有する。
まず、上記の原子団としてアミド結合を有する層状有機ケイ酸を合成するためには、アルキレン基に結合する置換基Aがアミノ基である、図5(c)に示すシラン化合物を用意する。そして、このアルキレン基に結合する置換基Aがアミノ基である、図5(c)に示すシラン化合物を、上述のようにして、有機陽イオンでイオン交換された層状ポリケイ酸塩のSi−O基をシリル化する。次に、層状ポリケイ酸塩のSi−O基に結合した置換シリル基のアミノ基(置換基A)に対して、カルボキシル基を有する適切な化合物を加えて反応させる。これにより、置換シリル基のアミノ基と、加えた化合物のカルボキシル基との間でアミド化の反応が起こり、上記の原子団としてアミド結合を有する層状有機ケイ酸を合成することができる。
また、上記の原子団としてエステル結合を有する層状有機ケイ酸を合成するためには、アルキレン基に結合する置換基Aが水酸基である、図5(c)に示すシラン化合物を用意する。そして、このアルキレン基に結合する置換基Aが水酸基である、図5(c)に示すシラン化合物を、上述のようにして、有機陽イオンでイオン交換された層状ポリケイ酸塩のSi−O基をシリル化する。次に、層状ポリケイ酸塩のSi−O基に結合した置換シリル基の水酸基(置換基A)に対して、カルボキシル基を有する適切な化合物を加えて反応させる。これにより、置換シリル基の水酸基と、加えた化合物のカルボキシル基との間でエステル化の反応が起こり、上記の原子団としてエステル結合を有する層状有機ケイ酸を合成することができる。
さらに、上記の原子団としてN−オキシメチレンアミノ基又はN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基を有する層状有機ケイ酸を合成するためには、アルキレン基に結合する置換基Aがアミノ基である、図5(c)に示すシラン化合物を用意する。そして、このアルキレン基に結合する置換基Aがアミノ基である、図5(c)に示すシラン化合物を、上述のようにして、有機陽イオンでイオン交換された層状ポリケイ酸塩のSi−O基をシリル化する。次に、層状ポリケイ酸塩のSi−O基に結合した置換シリル基のアミノ基(置換基A)に対して、適切なエポキシエチル基を有する化合物(置換又は無置換のアルキル基などを有するエポキシエチレン化合物)を加えて反応させる。これにより、置換シリル基のアミノ基と、加えた化合物のエポキシエチル基との間で、エポキシエチル基の開環反応が起こる。すなわち、置換シリル基のアミノ基が、加えた化合物のエポキシエチル基における(置換又は無置換のアルキル基などと結合してない)炭素原子に結合し、エポキシエチル基の炭素原子間の結合が切断される。このようにして、上記の原子団としてN−オキシメチレンアミノ基又はN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基を有する層状有機ケイ酸を合成することができる。なお、置換シリル基のアミノ基に対して1当量のエポキシエチル基を有する化合物を反応させれば、上記の原子団としてN−オキシメチレンアミノ基を有する層状有機ケイ酸を得ることができ、置換シリル基のアミノ基に対して2当量のエポキシエチル基を有する化合物を反応させれば、上記の原子団としてN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基を有する層状有機ケイ酸を得ることができる。
次に、本発明の層状有機ケイ酸及び層状有機ケイ酸の製造方法に係る第一の実施例を図6と共に説明する。本発明の第一の実施例において、層状有機ケイ酸は、3−アミノプロピル基を有する置換シリル基がマガディアイトに結合して形成される層状有機ケイ酸である。
(a)粘土鉱物マガディアイトの合成
最初に、本発明の層状有機ケイ酸の製造方法で使用する層状ポリケイ酸塩としての粘土鉱物マガディアイトを合成した。具体的には、29.17%のSiO及び9.40%のNaOを含有する57gのケイ酸ソーダ(富士化学製・3号ケイ酸ソーダ)、28gのSiO(和光製薬)、並びに水215gの水を、オートクレーブ内に入れ、150℃で48時間、水熱合成を行って、固形物を得た。得られた固形物を水洗し、40℃で乾燥させて、マガディアイト(NaSi1429・xHO)を得た。
(b)アンモニウムイオンによる陽イオン交換(第一工程)
10gの合成したマガディアイトを、1000mlの0.05Nのオクタデシルトリメチルアンモニウム=クロリド水溶液中に分散させ、得られた分散液を室温で1日攪拌して、マガディアイトに含まれるNaを、オクタデシルトリメチルアンモニウムイオンでイオン交換させた。得られた分散液より固体をろ過し、その固体を水洗して乾燥させて、粉末を得た。層状ケイ酸塩である上記のマガディアイト及び上記のイオン交換により得られた粉末に関して、それぞれの結晶における(001)面の間隔(d001)をX線構造回折によって測定した。その結果、d001の値は、イオン交換前のマガディアイトに関する1.5nmからイオン交換後の粉末に関する3.2nmまで増加したことが確認された。
(c)シラン化合物によるシリル化(第二工程)
5gの上記の第一工程(アンモニウムイオンによる陽イオン交換)で得られた粉末を、35gのイソプロパノール水溶液(イソプロパノール:水=1:1)に分散させて、分散液を得た。得られた分散液に、5gの(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン(チッソ製のサイラエースS360)を加えた。図6(a)は、(3−アミノプロピル)トリメトキシシランを示し、Meは、メチル基を示す。(3−アミノプロピル)トリメトキシシランを加えた分散液を、80℃で24時間、還流させて、シリル化反応を行った。シリル化反応の終了後、分散液から固体をろ過した。その後、得られた固体をイソプロパノールで洗浄し、乾燥させて粉末を得た。得られた粉末に関して、粉末の結晶における(001)面の間隔(d001)をX線構造回折によって測定した。その結果、d001の値は、1.8nmであり、シリル化反応の前後で減少した。また、得られた粉末の赤外分光分析の結果より、得られた粉末におけるアミノ基の存在が確認された。よって、目的物である、3−アミノプロピル基を有する置換シリル基がマガディアイトに結合して形成される層状有機ケイ酸の合成を確認することができた。図6(b)は、合成された層状有機ケイ酸の概略図である。ここで、置換シリル基のSi原子は、3−アミノプロピル基以外には、置換シリル基のSi原子が結合しているO原子に隣接する層状ケイ酸のシラノール基のO原子に結合しているか、又は未反応のMeO基に結合しているか、又はMeOを水で処理して得られた水酸基に結合している。さらに、得られた層状有機ケイ酸を使用して、酸性タンパク質、アルブミン水溶液からアルブミンを分離することができた。
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、これら本発明の実施の形態を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
本発明は、アルコールに対する吸着能を向上させると共に一般的な有機化合物を分離することができる層状有機ケイ酸及び前記層状有機ケイ酸の製造方法に適用することができる。例えば、本発明による層状有機ケイ酸及び層状有機ケイ酸の製造方法は、クロマトグラフィー用充填剤などの分離基剤及び前記分離基剤の製造方法に適用することができる。また、本発明による層状有機ケイ酸及び層状有機ケイ酸の製造方法は、ゲル化剤及びゲル化剤の製造方法にも適用することができる。
本発明の第一の実施形態による層状有機ケイ酸を説明する図である。 本発明の第二の実施形態による層状有機ケイ酸を説明する図である。 (a)及び(b)は、本発明の第三の実施形態による層状有機ケイ酸を説明する図である。 (a)〜(c)は、本発明による層状有機ケイ酸の製造方法で使用されるシラン化合物を説明する図である。 (a)〜(d)は、本発明による層状有機ケイ酸の製造方法を説明する図である。 (a)及び(b)は、本発明の第一の実施例で使用したシラン化合物及び合成した層状有機ケイ酸を説明する図である。
符号の説明
な し

Claims (12)

  1. 置換シリル基が層状ポリケイ酸に結合した層状有機ケイ酸において、
    前記置換シリル基は、アルキル基を有し、
    前記アルキル基は、前記アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基を有することを特徴とする層状有機ケイ酸。
  2. 前記アルキル基に含まれる炭素原子の数は、3個以上18個以下であることを特徴とする請求項1記載の層状有機ケイ酸。
  3. 置換シリル基が層状ポリケイ酸に結合した層状有機ケイ酸において、
    前記置換シリル基は、アルキレン基を有し、
    前記アルキレン基は、前記アルキレン基に結合する、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基からなる群より選択される原子団を有し、
    前記原子団は、アルキル基を有することを特徴とする層状有機ケイ酸。
  4. 前記アルキル基は、前記アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基を有することを特徴とする請求項3記載の層状有機ケイ酸。
  5. 前記アルキル基に含まれる炭素原子の数及び前記アルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計は、3個以上18個以下であることを特徴とする請求項3又は4記載の層状有機ケイ酸。
  6. 層状ポリケイ酸塩をシラン化合物でシリル化して層状有機ケイ酸を得る層状有機ケイ酸の製造方法において、
    前記シラン化合物は、アルキル基を有し、
    前記アルキル基は、前記アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基を有することを特徴とする層状有機ケイ酸の製造方法。
  7. 前記アルキル基に含まれる炭素原子の数及び前記アルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計は、3個以上18個以下であることを特徴とする請求項6記載の層状有機ケイ酸の製造方法。
  8. 層状ポリケイ酸塩をシラン化合物でシリル化して層状有機ケイ酸を得る層状有機ケイ酸の製造方法において、
    前記シラン化合物は、アルキレン基を有し、
    前記アルキレン基は、前記アルキレン基に結合する、アミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基、及びN,N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基からなる群より選択される原子団を有し、
    前記原子団は、アルキル基を有することを特徴とする層状有機ケイ酸の製造方法。
  9. 前記アルキル基は、前記アルキル基の末端に結合する、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、及び水酸基からなる群より選択される置換基を有することを特徴とする請求項8記載の層状有機ケイ酸の製造方法。
  10. 前記アルキル基に含まれる炭素原子の数及び前記アルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計は、3個以上18個以下であることを特徴とする請求項8又は9記載の層状有機ケイ酸の製造方法。
  11. 層状ポリケイ酸塩をシラン化合物でシリル化した層状有機ケイ酸を得る層状有機ケイ酸の製造方法において、
    層状ポリケイ酸塩を、アミノ基と結合したアルキレン基を有するシラン化合物でシリル化するステップと、
    カルボキシル基又はエポキシエチル基を有する化合物を、前記アミノ基と反応させるステップとを含むことを特徴とする層状有機ケイ酸の製造方法。
  12. 層状ポリケイ酸塩をシラン化合物でシリル化した層状有機ケイ酸を得る層状有機ケイ酸の製造方法において、
    層状ポリケイ酸塩を、水酸基と結合したアルキレン基を有するシラン化合物でシリル化するステップと、
    カルボキシル基を有する化合物を、前記水酸基と反応させるステップとを含むことを特徴とする層状有機ケイ酸の製造方法。
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