JP4205223B2 - 多孔質層状珪酸及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔質層状珪酸及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは本発明は、層状珪酸の層間に、直鎖部分の炭素数が6から20のアルキル基1個と1ないし2個の水酸基を有するシリル基が結合又は配位してなり、アルコールを選択的に吸着する多孔質層状珪酸及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
層状結晶(ホスト)の層間に原子、分子、イオン(ゲスト)を挿入(インターカレーション:intercalation)して層間化合物とすることは、従来より良く知られている。ホストとゲストの種類の組み合わせの多様なことから、層間化合物には極めて多種類の物質が知られている。層状結晶としては、珪酸塩もその一つであり、モンモリロナイトやカオリナイトのような層状粘土鉱物、マガディアイトやケニヤアイトのような構造にAlを含まない層状珪酸又は層状珪酸塩などが知られている。
【0003】
これらの層状化合物は、ゲスト種のインタカーレションによって物性の変化、制御が期待でき、新しい機能発現の可能性を有しており、注目を集めている。
特に、層状珪酸あるいは層状珪酸塩は、その構造にAlが含まれずSiO2のユニットだけで構成されており、また層表面にシラノール基(≡Si−O−H)が存在する。これらの点から層状粘土鉱物とは異なり、本発明者らは以前より注目をしてきた。
【0004】
本発明者らは以前より、層表面のシラノール基に着目し、有機誘導体型層間化合物を合成してきた。シラノール基の活性水素をトリメチルシリル基で修飾することであり、反応式は以下のようである。
【0005】
【化2】
【0006】
また、その他のシリル化剤をインタカレートするために、アルキルアンモニウム型の層状珪酸有機層間化合物を合成し、これをアルキルトリメチルクロロシランやアルキルジメチルジクロロシランでシリル化する方法を提案している (Reactivity of Solids, 5, 167 (1988)。
また、一方、従来アルコールの分離方法としては、様々研究されているが、主に結晶性アルミノシリケートを用いるもので、例えば炭素数8ケからなる芳香族異性体を分離する方法(特開昭52−87123号公報)、パラクレゾールを分離する方法(特開昭51−108025号公報)、アルコールの吸着分離法(特開昭58−216132号公報)、選択吸着による多価アルコールの分離(特開昭60−87234号公報)などが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記問題に鑑み、選択的なアルコール吸着能を有する新規層状珪酸を開発してきたところ、層状珪酸塩よりアルキルオニウム型の層状珪酸有機層間化合物を合成し、これをアルキルトリクロロシラン等の2ないし3官能性アルキルシランでシリル化し、次いで水又は水−有機溶剤混合液でシラノール化することにより得られる多孔質層状珪酸がアルコールを選択的に吸着することを見出し、発明を完成させた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、その第1は、その構造にAlが含まれずSiO 2 のユニットだけで構成されている層状珪酸の層間に、直鎖部分の炭素数が6から20のアルキル基1個と1ないし2個の水酸基を有するシリル基が結合又は配位していることを特徴とする多孔質層状珪酸を提供するものである。
また本発明の第2は、その構造にAlが含まれずSiO 2 のユニットだけで構成されている層状珪酸塩に第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルアミン又はアルキルホスホニウム塩をイオン交換により導入する第一工程、
次いで一般式(2): R SiX3
(R は炭素数6〜20個のアルキル基、Xはハロゲン又は炭素数2以下のアルコキシ基)で表される2ないし3官能性のアルキルシラン含有溶液中で、第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルアミン又はアルキルホスホニウム塩と交換反応させて層状珪酸の層状中にシラン化合物を結合又は配位させる第二工程、
次いで水又は水・有機溶剤混合液中で、2ないし3官能性アルキルシランの残存X基(Xは前記と同義を示す)をシラノール化させる第三工程を行い、多孔質層状珪酸を得ることを特徴とする多孔質層状珪酸の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の多孔質層状珪酸は、新規化合物である。
係る多孔質層状珪酸は、その構造にAlが含まれずSiO 2 のユニットだけで構成されている層状珪酸塩の層間に、直鎖部分の炭素数が6から20のアルキル基1個と1ないし2個の水酸基を有するシリル基が結合又は配位しているものである。
係る直鎖部分の炭素数が6から20のアルキル基1個と1ないし2個の水酸基を有するシリル基は、下記一般式(1):
【0010】
【化3】
【0011】
(式中、Rは炭素数6〜20のアルキル基、X1は水酸基、X2は水酸基又はハロゲン又は炭素数2以下のアルコキシ基から選ばれる1種以上である)で表される有機基である。
Rは、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などの直鎖状のアルキル基が好ましく、X2は水酸基又はハロゲンが好ましい。
【0012】
多孔質層状珪酸の原体となる層状珪酸塩は、カネマイト(NaHSi2O5・3H2O)、KHSi2O5、マカタイト(Na2Si4O9・xH2O)、マガディアイト(Na2Si14O29・xH2O)、ケニヤアイト(K2Si20O41・xH2O)であるが、好ましくはマガディアイトである。
【0013】
図1に本発明の多孔質層状珪酸の形態の模式図を示す。
【0014】
本発明の多孔質層状珪酸の有機修飾量であるシリル化量は、直鎖部分の炭素数が6から20のアルキル基1個と1ないし2個の水酸基を有するシラン化合物を層状珪酸の化学式量当たり1〜2個である。ここで言う層状珪酸の化学式量とは、前記珪酸塩の組成式からイオン交換カチオンを除いたもので、例えばカネマイトであれば組成式がNaHSi2O5・3H2Oであるから、化学式量はSi2O5・3H2Oで定義され、同様にして、マガディアイトではSi14O29・xH2Oであり、ケニヤアイトではSi20O41・xH2Oである。
【0015】
前記の多孔質層状珪酸は、例えば上記の構造モデル図(1)の単位層の複数個の積み重ねで構成されるものである。
上記、多孔質層状珪酸は、アルコールに対して吸着能を有している。吸着するアルコールは、例えばn−ブタノール、n−プロパノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−デカノール、n−ドデカノール、2−メチルプロパノール等のアルコールである。この機序を示すモデル図を図2に示す。これは例えばn−オクタンなどの炭化水素中に含まれるアルコールを吸着分離することなどに利用することができる。
【0016】
図2において、1は層状珪酸、2は修飾したシリル基、3は吸着されたn−アルコールである。図2から判るように、層状珪酸とアルコールのOH基が向い合ってシリル基とアルコールのアルキル基が配列するため強い吸着が起こるものと推定される。
【0017】
すなわち、本発明の多孔質層状珪酸を用いると2−メチルプロパノールと1−メチルプロパノール、n−ブタノールとt−ブタノールなどの異性体を容易に分離することが可能となる。アルコールの吸着は、XRD、29Si−NMR,IR、CHN元素分析で確認することができる。
本発明の多孔質層状珪酸の製造方法は、層状珪酸塩に第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルアミン、又はアルキルホスホニウム塩をイオン交換により導入する第一工程、
次いで一般式(2): R SiX3
(R は炭素数6〜20個のアルキル基、Xはハロゲン又は炭素数2以下のアルコキシ基を示す)で表され2ないし3官能性のアルキルシラン含有溶液中で第4級アルキルアンモニウム塩又はアルキルアミン、アルキルホスホニウム塩と交換反応させて層状珪酸の層状中にシラン化合物を結合又は配位させる第二工程、
次いで水又は水・有機溶剤混合液中で、2ないし3官能性アルキルシランの残存X基(Xは前記と同義を示す)をシラノール化させる第三工程を行い、多孔質層状珪酸を得ることを特徴とするものである。
【0018】
第一工程で使用する第4級アルキルアンモニウム塩は、一般式(3):
[R4N]+[X]− (式中、Rは直鎖アルキル基、Xはハロゲンを示す。)で表される第4級テトラアルキルアンモニウム塩である。
アルキルアミンは一般式(4):[RNH3]+[X]− (式中、Rは直鎖アルキル基、Xはハロゲンを示す。)で表されるアルキルアミン塩である。
アルキルホスホニウムは、一般式(5):[R4P]+[X]− (式中、Rは直鎖アルキル基、Xはハロゲンを示す。)で表されるアルキルホスホニウム塩である。前記一般式における直鎖アルキル基は、炭素数8〜17が好ましい。
本発明の目的には一般式(6):[R(CH3)3N]+[X]−(式中、Rは炭素数8〜17のアルキル基、XはCl、Brを示す。)で示される第4級アルキルトリメチルアンモニウムハライドが好適に用いられる。
【0019】
第一工程においては、層状珪酸塩のイオン交換可能なカチオンの大半を第4級アルキルアンモニウム塩、又はアルキルアミン、又はアルキルホスホニウム塩とイオン交換させればよい。その方法は、層状珪酸塩粉末の水性懸濁液を調製しておき、第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルアミン、又はアルキルホスホニウム塩の水またはアルコール溶液等に分散させてイオン交換反応を行うものである。反応温度は、室温から50℃で0.1〜24時間撹拌した後、ろ過や沈降分離などの方法で分離し、必要に応じて洗浄と乾燥を行う。
【0020】
第二工程は、第一工程で得られた有機層状珪酸化合物に一般式(2)R SiX3(R は炭素数6〜20個のアルキル基、Xはハロゲン又は炭素数2以下のアルコキシ基を示す)で表される2ないし3官能性アルキルシラン溶液を加えて第4級アルキルアンモニウムイオン、アルキルアミン、又はアルキルホスホニウムイオンと置換反応させて層状珪酸の層状中にシラン化合物を結合又は配位させる反応である。
【0021】
一般式(2)の化合物 R SiX3は、例えばヘキシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ヘキシルジクロロメトキシシランなどが挙げられる。
反応方法は、第一工程で得られた有機層状珪酸化合物の粉末又は水性懸濁体にオクチルトリクロロシラン等の2ないし3官能性アルキルシランの有機溶媒溶液を添加する。使用する有機溶媒は、2ないし3官能性アルキルシランが溶解すれば何れでもよいが、例えばトルエン、ベンゼン、キシレン、アルコール類等である。反応温度は特に限定はなく溶剤の沸点以下でよく、窒素などの不活性雰囲気下がよいが、大気中でもよい。反応時間は温度により異なるが0.1〜72時間である。反応終了後、ろ過や沈降分離などの方法で分離し、必要に応じて洗浄と乾燥を行う。
【0022】
第三工程は、第二工程で得られた粉末又は水性懸濁体に水又は水と有機溶媒混合液を加えて反応させ、結合又は配位させた2ないし3官能性アルキルシランの残存X基(Xは前記と同義を示す)をシラノール化させるものである。水又は水・有機溶剤混合液中で室温で1時間〜6日間撹拌させて、2ないし3官能性アルキルシランの残存X基をシラノール化することができる。反応終了後、多孔質層状珪酸を分離し、常法により乾燥して本発明の多孔質層状珪酸を得る。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に説明するが、これらに限定されるものではない。
実施例1
マガディアイト(Na2Si14O29・xH2O)の合成
J Ceramic Society of Japan, Vol.100, No.3, 326-331 (1992) に記載の方法でマガディアイトを合成した。すなわち、SiO2が30%のコロイダルシリカ(日本化学工業株製品シリカドール30)200gと試薬級NaOH9.2g、水193gをオートクレーブに仕込み、150℃で48時間の水熱合成を行い、固形物を濾過水洗し、40℃で乾燥し、マガディアイト(Na2Si14O29・xH2O) を得た。
【0024】
第一工程:
合成したマガディアイト10gを0.2Nのドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(C12H25(CH3)3NCl、以下DTMA−Clと記す)水溶液1000mlに分散させ、室温で24時間撹拌して、NaとDTMAをイオン交換させた。分散液より固体をろ過分離し水洗し乾燥した。得られた粉末はXRDによりd001がイオン交換前の1.5nmから2.8nmに拡大しており、また化学分析より(DTMA)1.8・ Si14O29・xH2Oである有機層状珪酸化合物が得られたことを確認した。
【0025】
第二工程:
得られた有機層状珪酸化合物を0.2Nのオクチルトリクロロシラン(C8H17SiCl3)トルエン溶液1000mlに分散させ、沸点の温度で48時間還流加熱してシリル化反応を行った。反応終了後、分散液より固体をろ過分離しアセトンで洗浄した。
【0026】
第三工程:
第二工程で得られた2ないし3官能性アルキルシランを層状中に結合又は配位させた化合物を、水/アセトン(1:1)混合液1000mlに分散させ室温で24時間反応させて2ないし3官能性アルキルシランの残存Cl基をOH基に置換させた。反応終了後、分散液より固体をろ過分離し水洗し乾燥して、本発明の多孔質層状珪酸粉末を得た。
この粉末はXRDによりd001が2.2nmであり、元素分析によりN元素は存在しないことから、DTMAは3官能性アルキルシランに置換され、C元素量及びIRスペクトルの3690cm−1付近にOH基の吸収があることより、(C8H17SiO(2−n)/2(OH)n)1.8・Si14O29・xH2O (nは1〜2)である多孔質層状珪酸化合物が得られたことを確認した。
この多孔質層状珪酸化合物は、n−オクタノールに浸漬するとオクタノールを強く吸着し、XRDで確認されるd001が3.2nmに広がった。しかしながら、この多孔質層状珪酸化合物をn−オクタンに浸漬するとd001に変化がなく、強い吸着はなかった。
【0027】
実施例2
J Ceramic Society of Japan, Vol.100, No.3, 326-331 (1992) に記載の方法でケニヤアイトを合成した。すなわち、SiO2が30%のコロイダルシリカ(日本化学工業株製品シリカドール30)200gと試薬のKOH15.1g、水193gをオートクレーブに仕込み、185℃で16時間の水熱合成を行い、固形物を濾過水洗し、40℃で乾燥し、K−ケニヤアイト(K2Si20O41・xH2O)を得た。この粉末10gを0.2NのDTMA−Cl水溶液1000mlに分散させ、室温で24時間撹拌して、KとDTMAをイオン交換させた。分散液より固体をろ過分離し水洗し乾燥した。得られた粉末はXRDによりd001がイオン交換前の2.0nmから3.5nmに拡大しており、また化学分析より(DTMA)1.7・Si20O41・xH2Oである有機層状珪酸化合物が得られたことを確認した。
【0028】
次いで、有機層状珪酸化合物を0.2Nのデシルトリメトキシシラン(C10H21Si(OCH3)3)エタノール溶液1000mlに分散させ、35%塩酸を滴下してpHを3.0とし、40℃で48時間撹拌を行い、シリル化反応を行った。反応終了後、分散液より固体をろ過分離し水/アセトン(1:1)混合液で洗浄した。
この粉末はXRDによりd001が3.0nmであり、元素分析によりN元素は存在しないことから、DTMAは3官能性アルキルシランに置換され、C元素量及びIRスペクトルの3690cm−1付近にOH基の吸収があることより、(C10H21SiO(2−n)/2(OH)n)1.4・Si20O41・xH2O (nは1〜2)である多孔質層状珪酸化合物が得られたことを確認した。
【0029】
実施例3
カリフォルニア産天然マガディアイトを用いた他は、実施例1と同様に行った結果、本発明の多孔質層状珪酸粉末を得た。この粉末はXRDによりd001が2.2nmであり、元素分析によりN元素は存在しないことから、DTMAは3官能性アルキルシランに置換され、C元素量及びIRスペクトルの3690cm−1付近にOH基の吸収があることより、(C8H17SiO(2−n)/2(OH)n)1.8・Si14O29・xH2O (nは1〜2)である多孔質層状珪酸化合物が得られたことを確認した。
この多孔質層状珪酸化合物はn−オクタノールに浸漬するとd001が3.2nmに広がりオクタノールを強く吸着したが、n−オクタンに浸漬するとd001に変化がなく強い吸着はなかった。
【0030】
比較例1.
実施例1の0.2Nのオクチルトリクロロシラン(C8H17SiCl3)トルエン溶液1000mlを0.2Nのオクチルジメチルクロロシラン(C8H17Si(CH3)2Cl)トルエン溶液1000mlに代えた以外は実施例1と全く同じ方法で多孔質層状珪酸化合物を作成した。この粉末はXRDによりd001が2.3nmであり、元素分析によりN元素は存在しないことから、DTMAは1官能性アルキルシランに置換され、C元素量及びIRスペクトルの3690cm−1付近にOH基の吸収がないことより、(C8H17(CH3)2Si)1.9・Si14O29・xH2O であるOH基を有しない多孔質層状珪酸化合物が得られたことを確認した。
この多孔質層状珪酸化合物はn−オクタノールに浸漬するとd001が2.3nmのまま変化がなく強い吸着はなかった。
【0031】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成したので、層状珪酸の層間に、直鎖部分の炭素数が6から20のアルキル基1個と1ないし2個の水酸基を有するシリル基が結合又は配位してなり、アルコールに対する吸着能を有する多孔質層状珪酸及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔質層状珪酸の化学構造を模式的に示す図である。
【図2】本発明の多孔質層状珪酸にアルコールが吸着される状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 層状珪酸
2 シラノール基
3 アルコール
Claims (6)
- その構造にAlが含まれずSiO 2 のユニットだけで構成されている層状珪酸の層間に、直鎖部分の炭素数が6から20のアルキル基1個と1ないし2個の水酸基を有するシリル基が結合又は配位していることを特徴とする多孔質層状珪酸。
- 層状珪酸は、カネマイト、KHSi2O5、マカタイト、マガディアイト、ケニヤアイト由来のものである請求項1又は2記載の多孔質層状珪酸。
- 直鎖部分の炭素数が6から20のアルキル基1個と1ないし2個の水酸基を有するシリル基を層状珪酸の化学式量当たり1〜2個結合又は配位していることを特徴としている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の多孔質層状珪酸。
- アルコールに対する選択的吸着能を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の多孔質層状珪酸。
- その構造にAlが含まれずSiO 2 のユニットだけで構成されている層状珪酸塩に第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルアミン又はアルキルホスホニウム塩をイオン交換により導入する第一工程、
次いで一般式(2): R SiX3
(R は炭素数6〜20個のアルキル基、Xはハロゲン又は炭素数2以下のアルコキシ基)で表される2ないし3官能性のアルキルシラン含有溶液中で、第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルアミン又はアルキルホスホニウム塩と交換反応させて層状珪酸の層状中にシラン化合物を結合又は配位させる第二工程、
次いで水又は水・有機溶剤混合液中で、2ないし3官能性アルキルシランの残存X基(Xは前記と同義を示す)をシラノール化させる第三工程を行い、多孔質層状珪酸を得ることを特徴とする多孔質層状珪酸の製造方法。
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