JP2009051716A - 層状珪酸塩化合物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩化ビニル樹脂などの樹脂と反応可能なビニル基が導入された層状珪酸塩化合物、及び該層状珪酸塩化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】ビニル基を有する有機化合物3が、層状珪酸塩2の層間部と結合している層状珪酸塩化合物1、並びに層状珪酸塩2を水に分散させて得られた懸濁液(A)と、ビニル基を有する有機化合物3を水に溶解させて得られた水溶液(B)とを攪拌混合し、混合液を得た後、該混合液から生じた沈降分離物を乾燥し、層状珪酸塩化合物1を得る層状珪酸塩化合物1の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、塩化ビニル樹脂などの樹脂と反応可能な官能基が導入された層状珪酸塩化合物、及び該層状珪酸塩化合物の製造方法に関する。
モンモリロナイト等のスメクタイトや、膨潤性マイカなどの層状珪酸塩が広く知られている。近年、層状珪酸塩を変質させ、層状珪酸塩に様々な性能を付与するための試みがなされてきている。例えば、下記の特許文献1には、層状珪酸塩に置換シリル基を結合させた構成が開示されている。特許文献1では、層状珪酸塩に置換シリル基が結合していることによって、アルコールに対して吸着能が高められるとされている。
特開2005−104780号公報
特許文献1に記載のような層状珪酸塩は、様々な樹脂中に分散されて用いられることが多い。ここで、層状珪酸塩を樹脂と反応させることができれば、層状珪酸塩が結合されている新たな樹脂材料を提供することができると考えられる。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、塩化ビニル樹脂などの樹脂と反応可能なビニル基が層状珪酸塩の層間に導入された層状珪酸塩化合物、及び該層状珪酸塩化合物の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、ビニル基を有する有機化合物が、層状珪酸塩の層間部と結合していることを特徴とする、層状珪酸塩化合物が提供される。
本発明に係る層状珪酸塩化合物のある特定の局面では、前記ビニル基を有する有機化合物は、下記式(1)で表されるビニルシラン化合物である。該ビニルシラン化合物は層状珪酸塩と効率的に結合するので、ビニルシラン化合物が層状珪酸塩に結合されている層状珪酸塩化合物をより一層容易に得ることができる。
CH=CH−SiR3−n (1)
上記式(1)中、Rは水素または炭素数3以下のアルキル基を示し、Xは炭素数3以下のアルコキシ基を示し、nは0〜2の整数を示す。nが2のとき複数のRは同一であってもよく、異なっていてもよい。nが0または1のとき複数のXは同一であってもよく、異なっていてもよい。
本発明に係る層状珪酸塩化合物の他の特定の局面では、前記ビニルシラン化合物は、トリメトキシビニルシランおよび/またはトリエトキシビニルシランである。これらのビニルシラン化合物を用いた場合には、ビニルシラン化合物が層状珪酸塩に結合されている層状珪酸塩化合物をさらに一層容易に得ることができる。
本発明に係る層状珪酸塩化合物の別の特定の局面では、前記層状珪酸塩は、スメクタイトまたはマイカである。これらの層状珪酸塩を用いると、ビニルシラン化合物が層状珪酸塩に結合されている層状珪酸塩化合物をさらに一層容易に得ることができる。
本発明に係る層状珪酸塩化合物の製造方法は、本発明の層状珪酸塩化合物の製造方法であって、層状珪酸塩を水に分散させて得られた懸濁液(A)と、ビニル基を有する有機化合物を水に溶解させて得られた水溶液(B)とを攪拌混合し、混合液を得た後、該混合液から生じた沈降分離物を乾燥し、層状珪酸塩化合物を得ることを特徴とする。
本発明に係る層状珪酸塩化合物によれば、ビニル基を有する有機化合物が層状珪酸塩の層間部と結合しているので、層間に存在しているビニル基に対して、例えばポリ塩化ビニル、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂などの樹脂を反応させたり、塩化ビニル、アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニルなどのビニル化合物を共重合させることができる。よって、本発明の層状珪酸塩化合物を用いることにより、層状珪酸塩化合物が樹脂等に結合している反応物を提供することができる。
本発明に係る層状珪酸塩化合物の製造方法によれば、ビニル基を有する有機化合物が層状珪酸塩の層間部と結合している層状珪酸塩化合物を得ることができる。得られた層状珪酸塩化合物の層間に導入されたビニル基の反応性を利用することにより、層状珪酸塩化合物が、例えば塩化ビニル樹脂などの樹脂等に結合している反応物を得ることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の一実施形態に係る層状珪酸塩化合物を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、層状珪酸塩化合物1は、結晶薄片状の複数の層状珪酸塩2が積層された構造を有する。層状珪酸塩化合物1では、ビニル基を有する有機化合物3が、層状珪酸塩2の層間部と結合されている。ビニル基を有する有機化合物3は、図1に矢印Xを付して示す位置で、層状珪酸塩2と結合されている。複数の層状珪酸塩2の対向し合う表面が、層間部である。
図2は、本発明の他の実施形態に係る層状珪酸塩化合物を模式的に示す斜視図である。図2に示されている層状珪酸塩化合物11では層状珪酸塩化合物1と同様に、ビニル基を有する有機化合物3が矢印Xを付して示す位置で、層状珪酸塩2の層間部と結合されている。層状珪酸塩化合物11では、層状珪酸塩2の層間に有機カチオン4が存在している。
層状珪酸塩化合物1,11は、後に詳述するが、層状珪酸塩2を水に分散させて得られた懸濁液(A)と、ビニル基を有する有機化合物2を水に溶解または懸濁させて得られた水溶液(B)とを攪拌混合し、混合液を得た後、該混合液から生じた沈降分離物を乾燥することにより得られる。
(ビニル基を有する有機化合物)
上記ビニル基を有する有機化合物としては特に限定されないが、ビニルシラン化合物、塩化ビニル、アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。なかでも、ビニルシラン化合物が好ましい。
上記ビニルシラン化合物としては、下記式(1)で表されるビニルシラン化合物が好ましい。該ビニルシラン化合物は層状珪酸塩と効率的に結合する。
CH=CH−SiR3−n (1)
上記式(1)中、Rは水素または炭素数3以下のアルキル基を示し、Xは炭素数3以下のアルコキシ基を示し、nは0〜2の整数を示す。nが2のとき複数のRは同一であってもよく、異なっていてもよい。nが0または1のとき複数のXは同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記ビニルシラン化合物の具体例としては、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリプロポキシビニルシラン、トリイソプロポキシビニルシラン、ジメトキシビニルシラン、ジエトキシビニルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシエチルビニルシラン、エチルジメトキシビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、メトキシビニルシラン、エトキシビニルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、エトキシジエチルビニルシラン、ジエチルメトキシビニルシラン、エトキシジメチルビニルシラン等が挙げられる。なかでも、層状珪酸塩と効率的に結合するので、トリメトキシビニルシランおよび/またはトリエトキシビニルシランが好ましい。
(層状珪酸塩)
上記層状珪酸塩としては、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スティブンサイト及びノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、マイカ、バーミキュライト、ハロイサイト等が挙げられる。これらは天然のものであってもよく、合成されたものであってもよい。なかでも、ビニル基を有する有機化合物と効率的に結合するので、スメクタイトまたはマイカが好ましい。これらの層状珪酸塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記層状珪酸塩の結晶形状としては特に限定されない。層状珪酸塩の平均長さは0.01〜3μmが好ましく、0.05〜2μmがより好ましい。層状珪酸塩の厚さは0.001〜1μmが好ましく、0.01〜0.5μmがより好ましい。層状珪酸塩のアスペクト比は20〜500が好ましく、50〜200がより好ましい。
上記層状珪酸塩の層間には交換性金属カチオンが存在する。該交換性金属カチオンとは、層状珪酸塩の薄片状結晶表面に存在するナトリウムやカルシウム等の金属イオンを意味する。これらの金属イオンは、カチオン性物質とのカチオン交換性を有するため、カチオン性を有する種々の物質、例えば有機カチオン等を上記層状珪酸塩の結晶層間に挿入(インターカレート)することができる。
上記層状珪酸塩のカチオン交換容量としては特に限定されないが、50〜200ミリ等量/100gである。カチオン交換容量が50ミリ等量/100g未満であると、カチオン交換により層状珪酸塩の結晶層間にインターカレートされるカチオン性物質の量が少なくなるために、結晶層間が充分に非極性化(疎水化)されないことがある。カチオン交換容量が200ミリ等量/100gを超えると、層状珪酸塩の結晶層間の結合力が強固になりすぎて、結晶薄片が剥離し難くなることがある。
上記層状珪酸塩の層間には、有機カチオンが存在することが好ましい。上記層状珪酸塩の層間に有機カチオンが存在させるために、上記層状珪酸塩は、化学処理されていることが好ましい。
上記化学処理としては、例えば、カチオン交換法と称されている化学修飾法により行われ得る。具体的には、層状珪酸塩の層間をカチオン性界面活性剤等の有機カチオンでカチオン交換する方法である。
上記カチオン性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられる。なかでも、層状珪酸塩の結晶層間を充分に疎水化できることから、炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオン、芳香族4級アンモニウムイオン又は複素環4級アンモニウムイオンが好ましい。
上記4級アンモニウム塩としては特に限定されず、例えば、トリメチルアルキルアンモニウム塩、トリエチルアルキルアンモニウム塩、トリブチルアルキルアンモニウム塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、ジブチルジアルキルアンモニウム塩、メチルベンジルジアルキルアンモニウム塩、ジベンジルジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルメチルアンモニウム塩、トリアルキルエチルアンモニウム塩、トリアルキルブチルアンモニウム塩;ベンジルメチル{2−[2−(p−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキシ)エトキシ]エチル}アンモニウムクロライド等の芳香環を有する4級アンモニウム塩;トリメチルフェニルアンモニウム等の芳香族アミン由来の4級アンモニウム塩;アルキルピリジニウム塩、イミダゾリウム塩等の複素環を有する4級アンモニウム塩;ポリエチレングリコール鎖を2つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を2つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール鎖を1つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を1つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩等が挙げられる。なかでも、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩等が好ましい。これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、例えば、ドデシルトリフェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、ラウリルトリメチルホスホニウム塩、ステアリルトリメチルホスホニウム塩、トリオクチルメチルホスホニウム塩、ジステアリルジメチルホスホニウム塩、ジステアリルジベンジルホスホニウム塩等が挙げられる。これらの4級ホスホニウム塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(層状珪酸塩化合物の製造方法)
本発明に係る層状珪酸塩化合物は、層状珪酸塩を水に分散させて得られた懸濁液(A)と、ビニル基を有する有機化合物を水に溶解させて得られた水溶液(B)とを攪拌混合し、混合液を得た後、該混合液から生じた沈降分離物を乾燥することにより得られる。
上記懸濁液(A)は特に限定されないが、好ましくは、水100重量部に、層状珪酸塩0.1〜10.0重量部を配合し、該層状珪酸塩を水に分散させることにより得られる。層状珪酸塩を水に分散させると、層状珪酸塩が膨潤し、層状珪酸塩の層間距離が大きくなる。上記水としては、イオン交換水、純水、地下水、水道水または工業用水等が用いられる。
上記水溶液(B)は特に限定されないが、好ましくは、水100重量部に、ビニル基を有する有機化合物0.1〜10.0重量部を配合し、該有機化合物を水に溶解させることにより得られる。
ビニル基を有する有機化合物としてトリメトキシビニルシランを用いる場合、水溶液(B)のpHは特に調整する必要はないが、ビニル基を有する有機化合物としてトリエトキシビニルシランを用いる場合、上記水溶液(B)は、pHが2〜6に調整されていることが好ましい。水溶液(B)のpHが2〜6であると、ビニルシラン化合物の水への溶解性がより一層よくなり、層状珪酸塩の層間部にビニル基を有する有機化合物をより一層効率的に結合させることができる。特に、層状珪酸塩が、マイカ、スメクタイトである場合に、層状珪酸塩の層間部にビニル基を有する有機化合物をさらに一層効率的に結合させることができる。
上記水溶液(B)のpHを2〜6に調整するには、例えば、ビニル基を有する有機化合物が配合される水に、予め酸を加えておけばよい。上記酸としては、シュウ酸、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸等の有機酸や、塩酸、燐酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、フッ酸等の無機酸等などが挙げられる。
上記懸濁液(A)と上記水溶液(B)とは、攪拌混合される。攪拌時間は、好ましくは、0.1〜100時間である。攪拌混合は、例えば室温(23℃)で行われる。
上記懸濁液(A)と上記水溶液(B)との混合液を例えば静置することにより、混合液中に沈降分離物が生じる。該沈降分離物は、例えば遠心分離処理等して回収することができる。回収された沈降分離物を乾燥することにより、本発明の層状珪酸塩化合物が得られる。沈降分離物の乾燥条件としては特に限定されないが、10〜80℃で1〜100時間乾燥することが好ましい。
(層状珪酸塩化合物)
本発明の層状珪酸塩化合物では、ビニル基を有する有機化合物が層状珪酸塩の層間部に結合されている。よって、層状珪酸塩化合物の層間には、ビニル基が導入されている。該ビニル基の反応性を利用して、層状珪酸塩化合物を他の物質と反応させることができる。
ビニル基と反応可能な物質としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、等の樹脂や、塩化ビニルモノマー、スチレンモノマー等のビニル化合物が挙げられる。
以下実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
イオン交換水100重量部に、モンモリロナイトCloisite Na(サザン クレイ プロダクツ社製)3.0重量部を加え、1時間攪拌し、モンモリロナイトが水に分散されている懸濁液(A)を得た。また、イオン交換水100重量部に、トリメトキシビニルシランS210(チッソ社製)1.0重量部を滴下し、2時間攪拌し、トリメトキシビニルシランが水に溶解されている水溶液(B)を得た。水溶液(B)のpHをpH試験紙(Machery−Nagel社製)で測定したところ、7.0であった。
上記懸濁液(A)と上記水溶液(B)とを室温(23℃)で2時間攪拌混合し、混合液を得た。しかる後、混合液を遠心分離することにより、沈殿分離物を回収した。回収した沈澱分離物を50℃のオーブンで乾燥した後、50℃の真空乾燥機にてさらに乾燥し、沈澱分離物から完全に水分を除去し、シラン処理モンモリロナイトを得た。
(実施例2)
懸濁液(A)を得る際に、モンモリロナイトCloisite Naの代わりに水膨潤性マイカME100(コープケミカル社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、シラン処理マイカを得た。
(実施例3)
懸濁液(A)を得る際に、水膨潤性マイカME100の代わりにスメクタイトSWN(コープケミカル社製)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、シラン処理スメクタイトを得た。
(実施例4)
水溶液(B)を得る際に、トリメトキシビニルシランの代わりにトリエトキシビニルシランS220(チッソ社製)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、シラン処理マイカを得た。
(比較例1)
何の処理も行わなかった未処理のモンモリロナイトCloisite Na(サザン クレイ プロダクツ社製)。
(比較例2)
何の処理も行わなかった未処理の水膨潤性マイカME100(コープケミカル社製)。
(評価)
(1)ビニル基の有無の確認
実施例及び比較例で得られた各試料の吸収スペクトルを、フーリエ変換赤外分光分析装置(FT−IR)を用いて測定し、ビニル基の吸収に相当する波長1,410cm−1及び1,600cm−1におけるピークの有無を確認した。結果を下記表1に示す。
(2)層状珪酸塩の層間におけるビニル基の有無の確認
実施例及び比較例で得られた各試料について、熱分解ガスクロマトグラフィーにより、ビニルシラン化合物の残留およびビニル基の残存を調べた。
熱分解装置として縦型ミクロ加熱炉分解装置ダブルショットパイロライザーPY−2010D(フロンティア・ラボ社製)を用いて、実施例及び比較例で得られた各試料について、逐次温度上昇により250℃で10分間熱抽出を行い、250℃抽出物を得た。引き続き実施例及び比較例で得られた各試料について、550℃にて10分間熱分解を行い、500℃分解物を得た。
得られた250℃抽出物のガスクロマトフラフィー測定を、ガスクロマトグラフィーGC−M2010(島津製作所社製)を用いて行うことにより、ビニルシラン化合物に由来するピークの有無を確認した。カラムとしてはデュラボンドDB−1(膜厚1μm、内径0.25mm、長さ30m)を用いた。キャリアーガスはヘリウムとし、流量は1mL/分とし、オーブン温度としては40℃から昇温速度10℃/分にて280℃まで上昇させた。
また、得られた500℃分解物の吸収スペクトルを、フーリエ変換赤外分光分析装置(FT−IR)を用いて測定し、ビニル基の吸収に相当する波長1,410cm−1及び1,600cm−1におけるピークの有無を確認した。結果を下記の表1に示す。
Figure 2009051716
上記表1に示す結果から、ビニル基を有するビニルシラン化合物が層状珪酸塩の層間部に結合しており、ビニル基が層状珪酸塩の層間に導入されているか否かを判断した結果を下記の表2に示す。
Figure 2009051716
実施例1〜4では、250℃抽出物においてビニルシラン化合物に由来するピークが見られず、かつ500℃分解物においてビニルシラン化合物のビニル基に由来するピークが見られたことから、ビニル基を有するビニルシラン化合物は層状珪酸塩の層間部に結合しており、ビニル基が層状硅酸塩の層間に導入されていることを確認した。比較例1,2では、ビニル基を有する有機化合物は層状珪酸塩の層間部に結合しておらず、ビニル基は層状珪酸塩の層間に導入されていなかった。
本発明の一実施形態に係る層状珪酸塩化合物を模式的に示す斜視図。 本発明の他の実施形態に係る層状珪酸塩化合物を模式的に示す斜視図。
符号の説明
1…層状珪酸塩化合物
2…層状珪酸塩
3…ビニル基を有する有機化合物
4…有機カチオン
11…層状珪酸塩化合物

Claims (5)

  1. ビニル基を有する有機化合物が層状珪酸塩の層間部と結合していることを特徴とする、層状珪酸塩化合物。
  2. 前記ビニル基を有する有機化合物が、下記式(1)で表されるビニルシラン化合物である、請求項1に記載の層状珪酸塩化合物。
    CH=CH−SiR3−n (1)
    上記式(1)中、Rは水素または炭素数3以下のアルキル基を示し、Xは炭素数3以下のアルコキシ基を示し、nは0〜2の整数を示す。nが2のとき複数のRは同一であってもよく、異なっていてもよい。nが0または1のとき複数のXは同一であってもよく、異なっていてもよい。
  3. 前記ビニルシラン化合物が、トリメトキシビニルシランおよび/またはトリエトキシビニルシランである、請求項2に記載の層状珪酸塩化合物。
  4. 前記層状珪酸塩が、スメクタイトまたはマイカである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の層状珪酸塩化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の層状珪酸塩化合物の製造方法であって、
    層状珪酸塩を水に分散させて得られた懸濁液(A)と、ビニル基を有する有機化合物を水に溶解させて得られた水溶液(B)とを攪拌混合し、混合液を得た後、該混合液から生じた沈降分離物を乾燥し、層状珪酸塩化合物を得ることを特徴とする、層状珪酸塩化合物の製造方法。
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