JP2005104752A - シリコンセラミックスコンポジットおよびシリコンセラミックスコンポジットの製造方法 - Google Patents

シリコンセラミックスコンポジットおよびシリコンセラミックスコンポジットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 シリコンセラミックスコンポジットは含浸したシリコンが冷却して結晶化する際に体積膨張して製品表面から吹き出して製品表面に付着するため、これを除去するのにコストがかかり、またこれを除去する際に製品表面が削られるためニアネットシャイプ製造が不可能であった。
【解決手段】 本発明では、シリコン合金を含浸させる工程を備えることによりシリコンの吹き出しを防止し、シリコンセラミックスコンポジットのニアネットシェイプ製造を可能とした。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリコンセラミックスコンポジット、及びその製造方法に係り、特に表面からのシリコン吹出し防止に好適なシリコンセラミックスコンポジットに関する発明である。
シリコンセラミックスコンポジットは、シリコン含浸炭化珪素をその代表例としてセラミックス複合材料として広範囲に利用されている。シリコン含浸炭化珪素には、炭化珪素粉末を再結晶焼結させた炭化珪素多孔質焼結体に熔融シリコンを含浸させるタイプのもの(例えば、特許文献1参照)、炭化珪素粉末と炭素分を焼結させた多孔質焼結体に熔融シリコンを含浸させるタイプのもの(例えば、特許文献2参照)、炭化珪素粉末と炭素分からなる成形体に熔融シリコンを反応含浸させてシリコンと炭素分を反応させて炭化珪素とし全体として炭化珪素マトリックスに炭素分と反応しなかったシリコンが含浸した構造を形成するタイプのもの(例えば、特許文献3参照)が開発されている。
このようなシリコン含浸炭化珪素には含浸前の工程ではほとんど収縮が生じず、含浸時にも炭素と反応して炭化珪素が生成する場合を含めてほとんど収縮が生じないためニアネットシェイプ製造が可能であるという利点があり、これはモノリシックな炭化珪素焼結体にはない利点である。
このシリコン含浸工程においては炭化珪素の生成を伴う場合も含めてほとんど収縮が発生しないという利点を生かして、反応焼結窒化珪素にシリコンを含浸させるという試みもなされている。反応焼結窒化珪素とはシリコンの成形体を窒素雰囲気で焼結させることにより窒化珪素を生成させるものであり、この窒化焼結反応も焼成収縮を伴わなわず、窒化珪素多孔質焼結体を製造することができる。しかしながら窒化珪素は炭化珪素に比べるとシリコンとの濡れ性に劣ることは周知であり、例えば反応焼結窒化珪素多孔体上に珪素球を載置して珪素の融点以上に加熱するという手段により珪素と基板材料(反応焼結窒化珪素)との接触角を測定して両者の濡れ性を評価するという研究が数多く行なわれている(例えば非特許文献1参照)。また珪素・カルシウム・アルミニウムの合金を用いることにより反応焼結窒化珪素多孔体への含浸に成功したという報告もある(例えば非特許文献2参照)。また反応焼結窒化珪素多孔体を珪素中に完全浸漬して超高圧を負荷することによりようやく含浸に成功したといった例もある(例えば非特許文献3参照)。
また上記炭化珪素・窒化珪素以外にも、各種のセラミック粉をフィラーとしてシリコンを含浸させたシリコンセラミックスコンポジットは基本的には焼結過程というものがないため、ニアネットシェイプ製造が可能であるという利点があり、シリコンセラミックスコンポジットはセラミックス複合材料として広く工業部材に用いられている。
特許公報昭54−10825号(第2−4頁) 特開2000−103677号公報(第2−8頁) 特開昭56−129684号広報(第2−3頁) J. G. Li, H. Hausner 著J.Euro.Ceram.Soc., 9, pp101-105, (1992) W.G. Schmidt 著 NATO Advanced Study Institute Series. E. Applied Science. pp447-453, (1983) N. A. Travitzky, N. Claussen 著 J.Euro.Ceram.Soc., 9, pp61-65, (1992)
しかしながら従来の技術には次のような問題点があった。
シリコンセラミックスコンポジットを製造するにあたり、セラミックス成形体またはセラミックス焼結体にシリコンを含浸させる必要がある。この工程はシリコンの融点以上に加熱した熔融シリコンを含浸させた後に冷却してシリコンを結晶化させる必要があるが、この結晶化の工程においてシリコンは体積膨張する。
したがって体積膨張したシリコンはシリコンセラミックスコンポジットの表面から吹き出すことになり、この吹き出したシリコンはシリコンセラミックスコンポジットの表面に付着する。この表面に付着したシリコンを取り除くのにはサンドブラストなどの手法が用いられるが、その付着シリコン除去工程にはコストがかかり、またその工程においてシリコンセラミックスコンポジットの表面層は必然的に除去されてしまう。またマイクロ穴や微細構造を有する製品においては、シリコンの除去工程を施すことが難しいものもある。したがって従来のシリコンセラミックスコンポジットでは、真のニアネットシャイプ製造技術が確立されているとはいえなかった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、シリコン吹き出しがなく真のニアネットシェイプ製造が可能であるシリコンセラミックスコンポジットを提供することをその目的とする。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明として、炭化ケイ素を含むセラミックスとシリコンとからなるシリコンセラミックスコンポジットの製造方法であって、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、イットリウム、マンガン、鉄から選ばれる少なくとも一種と、シリコンとの合金を含浸させる工程を備えたことを特徴とするシリコンセラミックスコンポジットの製造方法を提供する。
シリコンと上記金属との合金を含浸させることによりシリコンセラミックスコンポジット表面からのシリコン吹き出しを防止することができる。
また、請求項2記載の発明として、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、イットリウム、マンガン、鉄から選ばれる少なくとも一種と、シリコンとの合金を含浸させるときの合金の温度がシリコンの融点未満であることを特徴とする請求項1に記載のシリコンセラミックスコンポジットの製造方法を提供する。シリコン合金を含浸させるときの合金の温度がシリコンの融点未満であることにより、シリコンセラミックスコンポジット表面からのシリコン吹き出しをより効果的に防止することができる。
また、請求項3記載の発明として前記シリコン以外の金属がカルシウムであることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコンセラミックスコンポジットの製造方法を提供する。カルシウムとの合金化によってシリコンの融点を低下させることができる。
また、請求項4記載の発明として前記シリコンセラミックスコンポジットが、シリコンと炭化珪素と窒化珪素とのコンポジットであることを特徴とする請求項1乃至3に記載のシリコンセラミックスコンポジットの製造方法を提供する。この製造方法によりシリコン含浸炭化珪素窒化珪素コンポジットのニアネットシェイプ製造が可能となる。
また、請求項5記載の発明として前記シリコン含浸がシリコンと炭素との反応による炭化珪素の生成を伴うものである請求項1乃至4に記載のシリコンセラミックスコンポジットの製造方法を提供する。含浸させるシリコンの一部を炭素とを反応させて炭化珪素を生成させることにより、セラミックスとシリコンとをより強固に結合させることが可能となる。
また、請求項1乃至5のシリコン含浸セラミックスの製造方法により製造されたシリコンセラミックスコンポジットも本発明が提供する新規な構成であり、請求項6として提供する。
また、請求項7記載の発明として表面の全部または一部が窯出し状態のままの非加工面でありシリコンの付着がないことを特徴とするシリコンセラミックスコンポジットを提供する。このシリコンセラミックスコンポジットはシリコン吹き出しがないためシリコン除去工程が必要でなく、表面の一部または全部を窯出し状態のままで研削などの後加工を施していない真のニアネットシェイプセラミックスを製造することができる。
また、請求項8記載の発明として請求項6または7に記載のシリコンセラミックスコンポジットを製造するためのセラミックス成形体または多孔質セラミックス焼結体を提供する。このセラミックス成形体または多孔質セラミックス焼結体に本発明の手法を用いてシリコンを含浸させることにより、シリコンセラミックスコンポジットのニアネットシェイプ製造が可能となる。
本発明によれば、シリコンセラミックスコンポジットの製造工程におけるシリコン吹き出しを防止することができ、後工程の吹き出したシリコンの除去工程をなくすことができるともに真のニアネットシェイプ製造を可能とするという効果がある。
まず以下に本発明におけるシリコンセラミックスコンポジットの構成要素について説明する。本発明におけるシリコンセラミックスコンポジットとは、シリコンとセラミックスの複合材料であり、コンポジットを構成するセラミックの一部または全部が炭化珪素である。シリコンとセラミックスの体積分率は任意であるが、セラミックスの体積分率が30%を下回ると、コンポジットの機械特性が金属であるシリコンの物性に近くなってセラミックスの持つ優れた機械特性、耐熱性、耐薬品性などが発現できなる不具合がある。また物性上はセラミックスの体積分率に上限はないが、セラミックスの体積分率が90%を超えるものは、たとえシリコンの一部を炭素と反応させてセラミックである炭化珪素を生成させる場合においてもシリコンの含浸が難しくなる。
本発明におけるセラミックスには特に制限がなく、炭化珪素以外の成分として、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コ−ジェライト、シリカ、ベリリア、チナニア、マグネシア、カルシア、アルミノ珪酸塩質、陶器質、磁器質、粘土質などの酸化物セラミックスや、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化硼素、窒化硼素、硼化チタン、炭化チタン、窒化チタン、サイアロン、硼化ジルコニウムなどの非酸化物セラミックス、またはそれらの混合物などを用いることができる。
これらのセラミックスはセラミックス粉体を成形した成形体にシリコンを含浸させることによりシリコンセラミックスコンポジットとすることもできるし、またセラミックス粉体を仮焼した多孔質セラミックス焼結体にシリコンを含浸させることによりシリコンセラミックスコンポジットとすることもできる。含浸したシリコンの一部とセラミックス粉体成形体または多孔質焼結体の有する炭素分の一部または全部とを反応させて炭化珪素を生成させることもできるし、含浸させるシリコンとセラミックスとは実質的に未反応であってもよい。
本発明を炭化珪素質セラミックスに応用する場合には炭化珪素粉末を再結晶焼結させた炭化珪素多孔質焼結体に熔融シリコンを含浸させてもよく、炭化珪素粉末と炭素分を焼結させた多孔質焼結体に熔融シリコンを含浸させてシリコンの一部と炭素分を反応させることにより炭化珪素を生成させてもよく、炭化珪素粉末と炭素分からなる成形体に熔融シリコンを含浸させてシリコンの一部と炭素分を反応させて炭化珪素を生成させてもよく、いずれの方法を用いてもシリコン炭化珪素コンポジットを製造することができる。また単純・ローコストな手法として炭化珪素粉成形体にシリコンを含浸させる手法を採用することもできるが、この場合はコンポジット中の炭化珪素の割合が小さくなるために機械特性などの物性がやや劣ることになる。
また本発明をシリコン・炭化珪素・窒化珪素コンポジットに応用する場合にはシリコン粉と炭素または炭素前駆体を主成分とする成形体を窒素雰囲気中で反応焼結させた多孔質窒化珪素反応焼結体にシリコンを含浸させることによりシリコンと炭素を反応させて炭化珪素を生成させ、シリコン・炭化珪素・窒化珪素コンポジットを製造することができる。反応焼結時に少々シリコンが残留していても後から含浸するシリコンと一体化するため差し支えない。また炭素前駆体としてバインダーとしても機能も発現する樹脂分を加えておくと、該樹脂バインダーが蒸し焼きにされて生じた炭素分が含浸したシリコンと反応して炭化珪素を生成する。
本発明においてはシリコン合金を含浸させるときの温度をシリコンの熔融温度以下とすることによりシリコンの吹き出しを防止することができる。なおここでいうシリコン合金を含浸させるときの温度とはシリコン合金の含浸開始時以降の全工程の最高温度であり、シリコンが実質的にほぼ含浸した後にソーキング工程を設ける場合にはその温度も含んだ最高温度である。シリコンの融点は1412℃であるが、好ましいシリコン合金の含浸温度は1400℃以下である。なお好ましいシリコンの含浸温度の下限については後述する。
本発明ではシリコン合金を熔融・含浸させる手法を用いて、シリコンの融点未満で含浸させる。シリコンと合金を形成する好ましい他金属とは、シリコンの融点を低下させるとともに、含浸工程において実質的に蒸散してなくなるものであることが好ましく、候補としてはカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、イットリウム、マンガン、鉄などがあげられ、その中でも特に好適なものとしてはカルシウムをあげることができる。なお上記はシリコンと他主成分金属元素との関係であり、その他の微量成分元素を含むことは差し支えなく、特に鉄は低コストシリコン原料の主要不純物として通常含まれている。以下の量比に関してはシリコンと他主成分金属元素のみを取り上げて議論する。なおシリコンと他金属の合金を含浸させる効果としては、合金化により融点を下げる以外にシリコン単独では濡れ性が悪いセラミックス成形体またはセラミックス多孔質焼結体にシリコンを含浸させるために合金化により濡れ性を向上させるという効果もあげることができる。
シリコン・カルシウムの合金系においては好ましい含浸させるシリコン合金の量比は初晶域がシリコンであるところのものであり、モル比でシリコン69.4%以上、カルシウム30.6%以下である。また好ましいカルシウムのモル分率の下限についてはシリコン含浸温度との関係で規定される。すなわち含浸開始時、すなわちシリコン合金の熔融開始時にはシリコン合金の初期組成の融点以上でなければならない。例えば前記のモル比でシリコン69.4%、カルシウム30.6%の時にはその融点は1023℃でありその温度以上の含浸温度が必要とされる。そしてシリコン合金の初期組成がシリコン単独に近づくほど必要な含浸温度は高くなる。含浸が進むほど組成がシリコン単独に近くなるため含浸温度を高くしてもよい。
本発明の方法によりシリコンの吹き出しが防止される理由は、以下のように推定されるが、特に以下の理由に拘束されるわけではない。熔融したシリコン合金は冷却過程においてシリコン結晶が析出しその分組成が、カルシウムとの合金を例にとるならば、カルシウムリッチになる。カルシウムリッチになった熔融シリコン合金はその温度では結晶化せず、したがって冷却工程が進みさらに低温になってはじめて結晶化する。したがって熔融シリコン合金の結晶化は冷却が進むにつれて緩やかに進行することになり、この緩やかな結晶化が急激な結晶化に起因するシリコンの吹き出しを防ぐことができる理由だと思われる。
以上本発明における好ましいシリコンシリコンセラミックスコンポジットについて説明してきたが、本発明の効果によりシリコンの吹き出しを防止することにより、シリコンの除去工程をなくすことができ真のニアネットシェイプ製造を達成することができる。したがって表面の一部または全部をシリコン含浸窯からの窯出し状態のままで、シリコンの付着もなく、研削加工も施されていないニアネットシェイプ状態の製品が可能となる。これは外形が非常に精密・複雑な形状で後加工を施すことが不可能な製品に好適に適用できるのはもちろん、寸法精度がそれほど要求されないので後加工で寸法精度を出す必要がない製品にも適用でき、また後加工の廃止によるコストダウンにも貢献できる。
以下の方法により比較例1−3、実施例1−5のシリコンセラミックスコンポジットを作成した。
金属シリコン粉末(平均粒径2.04μm、Si含有量98.5wt%、Fe含有量0.47Wt%)100重量部に、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム塩(花王株式会社製 ポイズ532A)0.1重量部、分散媒として水を65重量部、バインダー兼炭化珪素前駆体としてフェノール樹脂(旭有機材工業株式会社製 KI3710)を8重量部混合してスラリーを作成した。得られたスラリーについて、2MPaの加圧排泥鋳込成形により5mmの厚みになるまで着肉させた。排泥後0.3MPaの圧力により土締めを行った後脱型した。得られた着肉体を120℃で乾燥させた後、2mmの厚みに切断してこれを成形体とした。
上記成形体を窒素常圧雰囲気下で以下のヒートカーブにより窒化処理した。常温―1100℃ 4時間、1100℃ソーキング 3時間、1100℃−1400℃ 4時間、1400℃ソーキング 10時間、1400℃―常温 8時間。
上記窒化焼結体を用いて、比較例1−3、実施例1−4のシリコン含浸試験を行った。
また炭化珪素粉体乾式プレス成形体(α炭化珪素平均粒径3.2μm、粒子充填率60%、厚み5mm)を用いて比較例4、実施例5のシリコン含浸試験を行った。
含浸したシリコンは比較例1、比較例4においては金属シリコン(粒度1mmアンダー、Si含有量98.9wt%、Fe含有量0.37Wt%)であり、比較例2、比較例3、実施例1−3、実施例5においてはカルシウムシリコン(粒度1mmアンダー、Si含有量63.1Wt%、Ca含有量32.5Wt%、Fe含有量1.0Wt%)であり、実施例4においてはカルシウムシリコン(粒度1mmアンダー、Si含有量92.3Wt%、Ca含有量5.5Wt%、Fe含有量1.0Wt%)であった。
シリコン含浸は、BN粉をコーティングした黒鉛炉材を用い、上記窒化焼結体または炭化珪素成形体をシリコン浴により真空雰囲気で下面から一方向含浸させた。シリコン含浸のヒートカーブは下記の通りである。
比較例1、比較例2、比較例4においては、常温―1100℃ 4時間、1100―1300℃ 5時間、1300−1450℃ 5時間、1450℃ソーキング 3時間、1450−1100℃ 5時間、1100℃−常温4時間である。
比較例3においては常温―1100℃ 4時間、1100―1300℃ 5時間、1300℃ソーキング 10時間、1300−1450℃ 5時間、1450℃ソーキング 3時間、1450−1100℃ 5時間、1100℃−常温4時間である。
実施例1、実施例5においては常温―1100℃ 4時間、1100―1300℃ 5時間、1300℃ソーキング 10時間、1300−1100℃ 3時間、1100℃−常温4時間である。
実施例2においては常温―1100℃ 4時間、1100―1200℃ 3時間、1200℃ソーキング 20時間、1200−1100℃ 2時間、1100℃−常温4時間である。
実施例3においては常温―1100℃ 4時間、1100―1200℃ 3時間、1200℃ソーキング 5時間、1200−1300℃ 3時間、1300℃ソーキング3時間、1300−1100℃ 3時間、1100℃−常温4時間である。
実施例4においては常温―1100℃ 4時間、1100―1370℃ 3時間、1370℃ソーキング 8時間、1370−1100℃ 3時間、1100℃−常温4時間である。
シリコン含浸後のシリコンセラミックスコンポジットの状態を目視で観察した。比較例2−4についてはシリコン浴に接していない面からシリコンの吹き出しが生じているのに対し、実施例1−5についてはシリコンの吹き出しは生じていなかった。比較例1についてはシリコンは全く含浸していないことが切断面の顕微鏡観察によりわかった。またシリコン含浸前後の寸法変化をマイクロメーターで測定したところ、すべての比較例・実施例で0.1%以下の膨張であった。
また実施例1−5のシリコンセラミックスコンポジットの結晶組成を、回折X線分析(RINT2200V,理学電子製、線源Cu,波長1.54056Å、管電圧40.0KV、管電流200.0mA)により評価した。実施例1−4では得られた結晶ピークはα窒化珪素、β窒化珪素、シリコン、炭化珪素、及び極微量のFeSi2であった。また実施例5では得られた結晶ピークは炭化珪素、シリコン、及び極微量のFeSi2であった。また実施例において含浸したカルシウムシリコンの組成がそのまま保たれれば当然結晶として現れるはずのCaSi2の結晶ピークが全く現れないため、実施例1−5のシリコンセラミックスコンポジットの切断面をSEM−EPMAで観察してカルシウムの分布状態を観察したところ、カルシウムは存在するもののその定量検出限界以下(大凡1Wt%以下)となっていることがわかった。
以上実施例・比較例を対比すると明らかなように本発明に関わるシリコンセラミックスコンポジットは、シリコンの含浸方法をシリコンと他金属の合金を含浸させる方法にすることにより、シリコンの吹き出しを防止し、真のニアネットシェイプ製造を達成することができた。
本発明のシリコンセラミックスコンポジットはシリコンの吹き出しを防止することにより、シリコンの除去工程をなくすことができ真のニアネットシェイプ製造を達成することができ、したがって各種のセラミック構造材料・機能材料に応用できる。例えば外形が非常に精密・複雑な形状で後加工を施すことが不可能な製品、例えばマイクロ穴を有する多芯フェルールではこのような微細穴にシリコンが詰まったのではこれを除去することは不可能に近いため好適に応用できる。また例えば寸法精度がそれほど要求されないので後加工で寸法精度を出す必要がないがシリコンの付着は防止する必要がある製品、例えば機械部品の内面で他部材との取り合いがないため精度は必要としないが内部を流体が通過するためシリコンの付着があると困る製品にも適用できる。また後加工の廃止によるコストダウンの要求が強い製品、例えば大型ステージ用セラミック部材などに好適に応用できる。

Claims (8)

  1. 炭化ケイ素を含むセラミックスとシリコンとからなるシリコンセラミックスコンポジットの製造方法であって、
    カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、イットリウム、マンガン、鉄から選ばれる少なくとも一種と、シリコンとの合金を含浸させる工程を備えたことを特徴とするシリコンセラミックスコンポジットの製造方法。
  2. 前記カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、イットリウム、マンガン、鉄から選ばれる少なくとも一種と、シリコンとの合金を含浸させるときの合金の温度がシリコンの融点未満であることを特徴とする請求項1に記載のシリコンセラミックスコンポジットの製造方法。
  3. 前記シリコン以外の金属がカルシウムであることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコンセラミックスコンポジットの製造方法。
  4. 前記シリコンセラミックスコンポジットが、シリコンと炭化珪素と窒化珪素とのコンポジットであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載のシリコンセラミックスコンポジットの製造方法。
  5. 前記シリコン含浸がシリコンと炭素との反応による炭化珪素の生成を伴うものである請求項1乃至4いずれか一項に記載のシリコンセラミックスコンポジットの製造方法。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載のシリコンセラミックスコンポジットの製造方法により製造されたシリコンセラミックスコンポジット。
  7. 表面の全部または一部が窯出し状態のままの非加工面でありシリコンの付着がないことを特徴とするシリコンセラミックスコンポジット。
  8. 請求項6または7に記載のシリコンセラミックスコンポジットを製造するためのセラミックス成形体または多孔質セラミックス焼結体。


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