JP2005104737A - セラミック製手袋型用表面処理剤、セラミック製手袋型およびその製造方法、ならびに手袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高さなどの均一性に優れた凹凸模様を形成することで、ピンホールが発生することなく機械的強度に優れたゴム手袋を製造するためのセラミック製手袋型、それに用いる表面処理剤を提供する。
【解決手段】 素焼きのセラミック製手袋元型の表面にひび割れ模様の乾燥塗膜を発生させる表面処理剤は、ガラス質形成無機成分に高乾燥収縮性成分が配合されてなり、セラミック製手袋型は表面に凹凸模様を有し、その凹凸模様が素焼きのセラミック製手袋元型の表面に塗布され、乾燥することにより発生する上記表面処理剤のひび割れ模様を焼成して得られる。
【選択図】図1
【解決手段】 素焼きのセラミック製手袋元型の表面にひび割れ模様の乾燥塗膜を発生させる表面処理剤は、ガラス質形成無機成分に高乾燥収縮性成分が配合されてなり、セラミック製手袋型は表面に凹凸模様を有し、その凹凸模様が素焼きのセラミック製手袋元型の表面に塗布され、乾燥することにより発生する上記表面処理剤のひび割れ模様を焼成して得られる。
【選択図】図1
Description
本発明は、セラミック製手袋型用表面処理剤、セラミック製手袋型およびその製造方法、ならびにセラミック製手袋型を用いて得られる天然ゴム、合成ゴムまたはビニル製等の弾性体からなる手袋(以下、ゴム手袋と略称する)に関する。
手袋型を用いて製造されているゴム手袋は、該手袋型の表面にゴム等のラテックス薄膜を加硫形成した後、反転脱型することにより得られる。
このようなゴム手袋に種々の凹凸模様をつける場合、従来、次のような方法が採用されている。(1)表面に彫刻による模様を入れた手袋型を用いる方法、(2)表面に吹き付け加工等により凹凸模様を形成した手袋型を用いる方法、(3)泥しょうに化学処理等を施して模様を入れる方法がある。また、得られたゴム手袋自身の表面に化学処理等を施して模様を入れる方法がある。
しかし、(1)の方法の場合、セラミック製手袋型の量産においては、石膏型にセラミック原料を鋳込むことにより手袋型を成形しているため、反転模様を石膏型に形成しているが、初回の手袋型と例えば20回後の手袋型では模様の鮮明さの違いが生じる。一般に約20回の石膏型使用が限度である。さらに、この方法は模様を石膏型に入れるため、種類や形状等模様の範囲が限定されるという問題がある。
(2)の方法の場合、具体的には手袋型にガラスビーズ等を打ち付ける方法や、吹き付ける方法とがある。しかし、いずれもこの凹凸の形状によって突起が生じるため、手袋の肉厚にムラができて強度が落ちる。また、手袋にピンホールが発生する原因にもなるなどの問題がある。
(3)の方法の場合、泥しょうに化学処理等を施こすという製造工程が増加するという問題がある。
また、ゴム手袋自身の表面に化学処理をする場合は、手袋の生産工程で薬品処理等により模様を形成するが、薬品処理のため、凹凸模様の高さなどの均一性が得られないなどの問題がある。
このようなゴム手袋に種々の凹凸模様をつける場合、従来、次のような方法が採用されている。(1)表面に彫刻による模様を入れた手袋型を用いる方法、(2)表面に吹き付け加工等により凹凸模様を形成した手袋型を用いる方法、(3)泥しょうに化学処理等を施して模様を入れる方法がある。また、得られたゴム手袋自身の表面に化学処理等を施して模様を入れる方法がある。
しかし、(1)の方法の場合、セラミック製手袋型の量産においては、石膏型にセラミック原料を鋳込むことにより手袋型を成形しているため、反転模様を石膏型に形成しているが、初回の手袋型と例えば20回後の手袋型では模様の鮮明さの違いが生じる。一般に約20回の石膏型使用が限度である。さらに、この方法は模様を石膏型に入れるため、種類や形状等模様の範囲が限定されるという問題がある。
(2)の方法の場合、具体的には手袋型にガラスビーズ等を打ち付ける方法や、吹き付ける方法とがある。しかし、いずれもこの凹凸の形状によって突起が生じるため、手袋の肉厚にムラができて強度が落ちる。また、手袋にピンホールが発生する原因にもなるなどの問題がある。
(3)の方法の場合、泥しょうに化学処理等を施こすという製造工程が増加するという問題がある。
また、ゴム手袋自身の表面に化学処理をする場合は、手袋の生産工程で薬品処理等により模様を形成するが、薬品処理のため、凹凸模様の高さなどの均一性が得られないなどの問題がある。
一方、彩飾や表面加飾などの表面処理の分野において、釉薬として貫入釉を施釉して焼成後に、素地と釉との応力の違いにより釉の表面にひび割れを入れる釉薬が古くから知られている。
また、表面に凹凸を形成する釉薬として、釉薬中の水系溶媒に対して自発的に分散する性質を有する顔料と撥水機能を有する顔料とを配合した釉薬が知られている(特許文献1参照)。
しかし、上記釉薬の場合、いずれも焼成時における素地と釉薬とのの収縮率の違いによりひび割れを入れるため、均一な凸部の高さを有する凹凸模様を形成することが困難であるという問題がある。
特開平11−268977号公報
また、表面に凹凸を形成する釉薬として、釉薬中の水系溶媒に対して自発的に分散する性質を有する顔料と撥水機能を有する顔料とを配合した釉薬が知られている(特許文献1参照)。
しかし、上記釉薬の場合、いずれも焼成時における素地と釉薬とのの収縮率の違いによりひび割れを入れるため、均一な凸部の高さを有する凹凸模様を形成することが困難であるという問題がある。
解決しようとする問題点は、高さなどの均一性に優れた凹凸模様を形成することで、ピンホールが発生することなく機械的強度に優れたゴム手袋を製造するためのセラミック製手袋型、それに用いる表面処理剤が開発されていないという点である。
本発明のセラミック製手袋型用表面処理剤は、素焼きのセラミック製手袋元型の表面にひび割れ模様の乾燥塗膜を発生させる表面処理剤であって、該表面処理剤はガラス質形成無機成分に高乾燥収縮性成分が配合されてなることを特徴とする。
本発明のセラミック製手袋型は表面に凹凸模様を有し、その凹凸模様が素焼きのセラミック製手袋元型の表面に塗布され、乾燥することにより発生する表面処理剤のひび割れ模様を焼成して得られることを特徴とする。
また、そのセラミック製手袋型の製造方法は、セラミック製手袋元型を成形して予備焼成する工程と、予備焼成されたセラミック製手袋元型の表面に塗布乾燥することでひび割れ模様を発生させる表面処理剤を塗布する工程と、表面にひび割れ模様が発生したセラミック製手袋元型を焼成する工程とを備えることを特徴とする。
また、そのセラミック製手袋型の製造方法は、セラミック製手袋元型を成形して予備焼成する工程と、予備焼成されたセラミック製手袋元型の表面に塗布乾燥することでひび割れ模様を発生させる表面処理剤を塗布する工程と、表面にひび割れ模様が発生したセラミック製手袋元型を焼成する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の手袋は、表面に凹凸模様を有する手袋であって、本発明に係るセラミック製手袋型表面に形成されたラテックス層を加硫または硬化させて得られた手袋を反転脱型することにより得られることを特徴とする。
本発明のセラミック製手袋用表面処理剤は、高乾燥収縮性成分を配合することで、表面処理剤の吸水性が高まるので、塗布乾燥すると手袋元型の表面に平坦なひび割れ模様が容易にできる。このひび割れ模様を焼成するので、凸部の高さが均一、平滑で、かつ凸部の角がR形状の凸面を有する、さめ肌状態の凹凸模様を容易に形成できる。
本発明のセラミック製手袋型は、上記表面処理剤を用いて製造するので、手袋のフィルムの肉厚にムラができない。そのため、機械的強度が高く、かつピンホールが発生しないゴム手袋を製造できる。
本発明のゴム手袋は、凸部の高さが均一な凸面を有するさめ肌状態の凹凸模様を有する手袋型を用いるので、反転脱型が容易にできる。反転脱型後は凹凸部の高さが略一定のマスク状の凹凸模様が形成される。そのため、機械的強度が高く、かつピンホールが発生しない。
従来は、薄手のゴム手袋に、手袋型の凹凸模様が反転されて形成された凹凸模様があると、その凹凸模様がゴム手袋の強度を落とすことになったが、本発明のゴム手袋は、凸部の角がR形状の凸面を有する手袋型を用いるので、ゴム手袋の強度が向上する。また偏肉が少なくなる。さらに、材質によらず優れた強度、偏肉のないゴム手袋が得られる。
本発明のセラミック製手袋型は、上記表面処理剤を用いて製造するので、手袋のフィルムの肉厚にムラができない。そのため、機械的強度が高く、かつピンホールが発生しないゴム手袋を製造できる。
本発明のゴム手袋は、凸部の高さが均一な凸面を有するさめ肌状態の凹凸模様を有する手袋型を用いるので、反転脱型が容易にできる。反転脱型後は凹凸部の高さが略一定のマスク状の凹凸模様が形成される。そのため、機械的強度が高く、かつピンホールが発生しない。
従来は、薄手のゴム手袋に、手袋型の凹凸模様が反転されて形成された凹凸模様があると、その凹凸模様がゴム手袋の強度を落とすことになったが、本発明のゴム手袋は、凸部の角がR形状の凸面を有する手袋型を用いるので、ゴム手袋の強度が向上する。また偏肉が少なくなる。さらに、材質によらず優れた強度、偏肉のないゴム手袋が得られる。
本発明のセラミック製手袋型用表面処理剤に用いられるガラス質形成無機成分は、主としてさめ肌模様を形成する骨格を作る成分である。ガラス質形成無機成分は、ガラス質を形成する物質、マット釉などの釉薬を形成する物質が使用できる。例えば、SiO2、Al2O3、K2O、Na2O、CaO、MgO、ZnO、ZrO2等を一種以上含む無機物質が使用できる。例えば、長石、陶石、ロー石、粘土、珪石、珪砂、カオリン、アルミナ、フリット等、焼成により焼結できる無機物質が挙げられる。また、焼成条件を調節するソーダ、カリ、石灰などのアルカリ成分を混合できる。
長石類は、ガラス質形成成分に必要とされるカリ、ソーダ、アルミナ、珪酸等を含んでいるので、本発明に好適である。長石類の具体例としては、大平長石、福島長石、釜戸長石、平津長石等が挙げられる。
長石類は、ガラス質形成成分に必要とされるカリ、ソーダ、アルミナ、珪酸等を含んでいるので、本発明に好適である。長石類の具体例としては、大平長石、福島長石、釜戸長石、平津長石等が挙げられる。
表面処理剤の骨格となるガラス質形成無機成分に、必須成分として配合される高乾燥収縮性成分は、含水釉しょう泥状態から風乾されて低水分含有状態になるときの表面塗膜の乾燥収縮により、乾燥塗膜にひび割れ模様を発生させる成分であれば使用できる。高乾燥収縮性成分の具体例としては、ベントナイト、コロイダルシリカ、伊勢珪砂、アルミナゾル、ポリ塩化アルミニウム、水ガラス、ゼオライト、シラス、セピオライト、石灰、消石灰、マグネサイト、珪そう土等が挙げられる。
ベントナイトまたはコロイダルシリカは水中で高い膨潤性を示し、容易に分散して安定なコロイド分散液となり、乾燥塗膜になるときの収縮率が大きくなるので本発明に好適である。
なお、ベントナイトの中でも交換性陽イオンとしてのナトリウムイオンを主とするモンモリロナイト分の多いNa−ベントナイトが好ましい。このNa−ベントナイトは、水中でベントナイト2gが20ml以上の膨潤容積を示す。
ベントナイトまたはコロイダルシリカは水中で高い膨潤性を示し、容易に分散して安定なコロイド分散液となり、乾燥塗膜になるときの収縮率が大きくなるので本発明に好適である。
なお、ベントナイトの中でも交換性陽イオンとしてのナトリウムイオンを主とするモンモリロナイト分の多いNa−ベントナイトが好ましい。このNa−ベントナイトは、水中でベントナイト2gが20ml以上の膨潤容積を示す。
セラミック製手袋型用表面処理剤は、骨格となるガラス質形成無機成分と高乾燥収縮性成分とを微粉末に粉砕して水けん濁液とすることにより得られる。また、必要に応じて増粘剤などを配合できる。粉砕方法としては、3〜20時間、ボールミルを用いて粉砕する。ガラス質形成無機成分および高乾燥収縮性成分は、例えば、メジアン径として10μm以下が好ましい。微粉末の粒子径が大きすぎるとひび割れ模様ができ難くなる。
配合割合は高乾燥収縮性成分100重量部に対して、ガラス質形成無機成分を10〜200重量部配合する。ガラス質形成無機成分が10未満では焼成による表面膜が十分に形成できず、200重量部をこえるとひび割れ模様の発生が困難になる。
けん濁液として得られるセラミック製手袋型用表面処理剤は、ボーメ度で測定した濃度が10Be〜60Beとなるように水で希釈される。この表面処理剤は、セラミック製手袋元型に塗布、吹き付けして用いる方法で、あるいはセラミック製手袋型をこの表面処理剤に浸漬する浸漬法として用いられる。浸漬法が表面処理剤のロスもなく、かつ均一の厚さに塗布できるので好ましい。また、使用開始時に十分撹拌して使用することが好ましい。
本発明のセラミック製手袋型は、上記表面処理剤を素焼きのセラミック製手袋元型の表面に塗布・乾燥することにより発生する表面処理剤のひび割れ模様を焼成して得られる。
セラミック製手袋型の完成図を図1に示す。図1は表面に凹凸模様を有する手袋型の斜視図である。また、図1におけるA部の表面拡大図を図2に示す。
セラミック製手袋型1は、図2に示すように、粒状の小突起が密に分布しているさめ肌状の凹凸模様を、その表面に有する。さめ肌模様は、密に分布している小突起である凸部2の周りに溝となる凹部3が形成されている。このため、このセラミック製手袋型1を用いてゴム手袋を製造すると、さめ肌状の凹凸模様が反転されて該ゴム手袋の表面に網目模様が形成される。
凹凸模様の目の粗さ、凸部2の高さ等は素焼きのセラミック製手袋元型の吸水性、上述した本発明の表面処理剤の濃度、塗布厚さ等により変化する。
セラミック製手袋型の完成図を図1に示す。図1は表面に凹凸模様を有する手袋型の斜視図である。また、図1におけるA部の表面拡大図を図2に示す。
セラミック製手袋型1は、図2に示すように、粒状の小突起が密に分布しているさめ肌状の凹凸模様を、その表面に有する。さめ肌模様は、密に分布している小突起である凸部2の周りに溝となる凹部3が形成されている。このため、このセラミック製手袋型1を用いてゴム手袋を製造すると、さめ肌状の凹凸模様が反転されて該ゴム手袋の表面に網目模様が形成される。
凹凸模様の目の粗さ、凸部2の高さ等は素焼きのセラミック製手袋元型の吸水性、上述した本発明の表面処理剤の濃度、塗布厚さ等により変化する。
素焼きのセラミック製手袋元型は、素地の出発原料として、アルミナ、長石、陶土、粘土等の原料をボールミルで8〜70時間湿式混合して微粉砕の泥しょう状の調合物とする。この調合物をフィルタープレス等によりプレスケーキとする。このケーキに、水、分散剤、バインダーを混合して鋳込用泥しょうとし、石膏型に鋳込むことにより未焼成の手袋型が得られる。次いで60℃程度の温度で十分に乾燥され、700〜900℃の温度で焼成されて多孔質な素焼きのセラミック製手袋元型となる。この多孔質な素焼きのセラミック製手袋元型は上記表面処理剤中の水分を吸収するのに十分な吸水性を有している。気孔率としては10〜50%である。
素焼きのセラミック製手袋元型を用いた手袋型の製造方法を図3により説明する。図3は製造工程図である。
素焼きのセラミック製手袋元型4を準備する(図3(a))。この手袋元型4の表面に表面処理剤5を塗布する(図3(b))。表面処理剤5を塗布する方法としては、浸漬法、スプレー法、はけ塗り法等が挙げられる。これらの中で均一に塗布できる浸漬法が好ましい。
表面処理剤5は、素焼きの元型4に水分が吸収され、また、乾燥するに従い、高乾燥収縮性成分の大きな収縮率により、表面処理剤5自身が収縮する。その結果表面処理剤5にひび割れ模様6が発生する(図3(c))。ひび割れ模様6が発生した元型4を1200〜1400℃の酸化または還元雰囲気で約24時間焼成することにより表面にさめ肌状の凹凸模様を有するセラミック製手袋型が得られる(図3(d))。
素焼きのセラミック製手袋元型4を準備する(図3(a))。この手袋元型4の表面に表面処理剤5を塗布する(図3(b))。表面処理剤5を塗布する方法としては、浸漬法、スプレー法、はけ塗り法等が挙げられる。これらの中で均一に塗布できる浸漬法が好ましい。
表面処理剤5は、素焼きの元型4に水分が吸収され、また、乾燥するに従い、高乾燥収縮性成分の大きな収縮率により、表面処理剤5自身が収縮する。その結果表面処理剤5にひび割れ模様6が発生する(図3(c))。ひび割れ模様6が発生した元型4を1200〜1400℃の酸化または還元雰囲気で約24時間焼成することにより表面にさめ肌状の凹凸模様を有するセラミック製手袋型が得られる(図3(d))。
セラミック製手袋型におけるさめ肌状の表面凹凸模様は、凸部2の高さhと単位表面積当りの凸部の個数およびその表面形態で表される。
本発明において、凸部2の高さhは乾燥塗膜から形成されるのでそれぞれが略等しくなる。また、凸部2の角部2aは焼成により溶融されて丸くR形状となる。その結果、手袋型として使用するときに、反転脱型しやすくなり、また形成される網目模様の網目部分が均一な高さになり、ゴム手袋のすべり止め性能が向上する。
凸部2の高さhは表面処理剤の塗布厚さに依存する。表面処理剤の塗布厚さは表面処理剤の濃度で調節できる。表面処理剤の濃度が高くなると手袋型の表面に付着する表面処理剤の層が厚くなる。表面処理剤の濃度はボーメ度で表され、本発明においてはボーメ度10Be〜60Beが好ましい。また、表面処理剤層の厚さが厚くなると大きなひび割れ模様が発生し、薄くなると小さな点状のひび割れ模様となる。このため、大きな網目形状のゴム手袋用セラミック製手袋型を製造する場合には、表面処理剤層の厚さを厚くすることで対処できる。
本発明において、凸部2の高さhは乾燥塗膜から形成されるのでそれぞれが略等しくなる。また、凸部2の角部2aは焼成により溶融されて丸くR形状となる。その結果、手袋型として使用するときに、反転脱型しやすくなり、また形成される網目模様の網目部分が均一な高さになり、ゴム手袋のすべり止め性能が向上する。
凸部2の高さhは表面処理剤の塗布厚さに依存する。表面処理剤の塗布厚さは表面処理剤の濃度で調節できる。表面処理剤の濃度が高くなると手袋型の表面に付着する表面処理剤の層が厚くなる。表面処理剤の濃度はボーメ度で表され、本発明においてはボーメ度10Be〜60Beが好ましい。また、表面処理剤層の厚さが厚くなると大きなひび割れ模様が発生し、薄くなると小さな点状のひび割れ模様となる。このため、大きな網目形状のゴム手袋用セラミック製手袋型を製造する場合には、表面処理剤層の厚さを厚くすることで対処できる。
本発明のセラミック製手袋型におけるさめ肌状の表面凹凸模様は、表面処理剤層のひび割れ模様を焼成して得られるので、ブラスト法で表面凹凸模様を形成する場合のように不均一な模様とならない。また、ひび割れ部分の凹部分が網目模様の網部分となるので、均一な高さを有する連続した網目模様が形成できる。
このセラミック製手袋型をゴムまたはビニルを主成分とするラテックスの懸だく液中に浸漬し、その表面にゴムまたはビニル層を形成する。
ラテックスとしては、天然ゴムあるいは合成ゴムラテックスが使用できる。合成ゴムラテックスとしては、アクリル変性ブタジエン系ゴム、ポリウレタン系ゴム、アクリロニトリルブタジエン系ゴム、クロロプレン系ゴム等が挙げられる。これらのゴムラテックスには加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、安定化剤等が配合されている。また、ポリ塩化ビニルを主成分とするラテックスも使用できる。
表面にラテックス層を形成後、定法に従いゴムを加硫、あるいはビニルを硬化させる。加硫または硬化させ手袋を反転脱型することによりゴム手袋等が得られる。表面の凹凸模様が均一でかつ平滑なので反転脱型が容易にできる。
このセラミック製手袋型をゴムまたはビニルを主成分とするラテックスの懸だく液中に浸漬し、その表面にゴムまたはビニル層を形成する。
ラテックスとしては、天然ゴムあるいは合成ゴムラテックスが使用できる。合成ゴムラテックスとしては、アクリル変性ブタジエン系ゴム、ポリウレタン系ゴム、アクリロニトリルブタジエン系ゴム、クロロプレン系ゴム等が挙げられる。これらのゴムラテックスには加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、安定化剤等が配合されている。また、ポリ塩化ビニルを主成分とするラテックスも使用できる。
表面にラテックス層を形成後、定法に従いゴムを加硫、あるいはビニルを硬化させる。加硫または硬化させ手袋を反転脱型することによりゴム手袋等が得られる。表面の凹凸模様が均一でかつ平滑なので反転脱型が容易にできる。
実施例1
以下の配合、方法で表面処理剤を得た。
(1)ガラス質形成無機成分 180重量部
内訳:アルミナ 31.5重量部
長石 136.5重量部
カオリン 10 重量部
石灰 1 重量部
マグネサイト 1 重量部
(2)高乾燥収縮性成分 100重量部
内訳:コロイダルシリカ 100重量部
上記をそれぞれ混合して、所定の水を加えてボールミルで20時間湿式混合する。その後、さらに水を加えてボーメ度30Beに調整した。
以下の配合、方法で表面処理剤を得た。
(1)ガラス質形成無機成分 180重量部
内訳:アルミナ 31.5重量部
長石 136.5重量部
カオリン 10 重量部
石灰 1 重量部
マグネサイト 1 重量部
(2)高乾燥収縮性成分 100重量部
内訳:コロイダルシリカ 100重量部
上記をそれぞれ混合して、所定の水を加えてボールミルで20時間湿式混合する。その後、さらに水を加えてボーメ度30Beに調整した。
一方、アルミナ、長石、陶土、粘土等の原料より得られた鋳込用泥しょうを石膏型に鋳込み、800℃の温度で焼成して多孔質な素焼きのセラミック製手袋元型を得た。
この素焼きのセラミック製手袋元型を上記表面処理剤中に浸漬して引き上げ、風乾することで表面処理剤のひび割れ模様を形成した。この手袋元型を1400℃で24時間本焼成した。
得られたセラミック製手袋型は表面処理剤が塗布された部分にさめ肌模様が形成されていた。
この素焼きのセラミック製手袋元型を上記表面処理剤中に浸漬して引き上げ、風乾することで表面処理剤のひび割れ模様を形成した。この手袋元型を1400℃で24時間本焼成した。
得られたセラミック製手袋型は表面処理剤が塗布された部分にさめ肌模様が形成されていた。
この手袋型をアクリル変性ブタジエン系ゴムけんだく液に浸漬して、表面に生ゴム層を形成した後、加硫することで、加硫ゴム手袋を得た。この加硫ゴム手袋を反転脱型することにより表面に網目模様を有するゴム手袋が得られた。このゴム手袋は網目の高さも均一で平滑であった。
表面をブラスト法で凹凸をつけたセラミック製手袋型を用いて上記と同様の方法で作製したゴム手袋と比較して、本発明のゴム手袋は、均一な網目模様を有し、すべり止め効果が向上した。
表面をブラスト法で凹凸をつけたセラミック製手袋型を用いて上記と同様の方法で作製したゴム手袋と比較して、本発明のゴム手袋は、均一な網目模様を有し、すべり止め効果が向上した。
実施例2
以下の配合、方法で表面処理剤を得た。
(1)ガラス質形成無機成分 255.7重量部
内訳:アルミナ 85.1重量部
長石 83.6重量部
カオリン 21.3重量部
石灰 31.2重量部
珪石 34.5重量部
(2)高乾燥収縮性成分 100重量部
内訳:ポリ塩化アルミニウム 100重量部
上記をそれぞれ混合して、所定の水を加えてボールミルで20時間湿式混合する。その後、さらに水を加えてボーメ度30Beに調整した。
実施例1と同様にして多孔質な素焼きのセラミック製手袋元型を成形して、上記表面処理剤中に浸漬して引き上げ、風乾することで表面処理剤のひび割れ模様を形成した。この手袋元型を1400℃で24時間本焼成した。
得られたセラミック製手袋型は表面処理剤が塗布された部分にさめ肌模様が形成されていた。
以下の配合、方法で表面処理剤を得た。
(1)ガラス質形成無機成分 255.7重量部
内訳:アルミナ 85.1重量部
長石 83.6重量部
カオリン 21.3重量部
石灰 31.2重量部
珪石 34.5重量部
(2)高乾燥収縮性成分 100重量部
内訳:ポリ塩化アルミニウム 100重量部
上記をそれぞれ混合して、所定の水を加えてボールミルで20時間湿式混合する。その後、さらに水を加えてボーメ度30Beに調整した。
実施例1と同様にして多孔質な素焼きのセラミック製手袋元型を成形して、上記表面処理剤中に浸漬して引き上げ、風乾することで表面処理剤のひび割れ模様を形成した。この手袋元型を1400℃で24時間本焼成した。
得られたセラミック製手袋型は表面処理剤が塗布された部分にさめ肌模様が形成されていた。
本発明のセラミック製手袋用表面処理剤は、均一で平滑なさめ肌状態の凹凸模様を容易に形成できるので、強度およびすべり止め特性に優れ、ピンホールのない手袋を製造する分野に利用できる。
1 セラミック製手袋型
2 凸部
3 凹部
4 手袋元型
5 表面処理剤
6 ひび割れ模様
2 凸部
3 凹部
4 手袋元型
5 表面処理剤
6 ひび割れ模様
Claims (4)
- 素焼きのセラミック製手袋元型の表面にひび割れ模様の乾燥塗膜を発生させる表面処理剤であって、該表面処理剤はガラス質形成無機成分に高乾燥収縮性成分が配合されてなることを特徴とするセラミック製手袋型用表面処理剤。
- 表面に凹凸模様を有するセラミック製手袋型であって、
前記凹凸模様が素焼きのセラミック製手袋元型の表面に塗布され、乾燥することにより発生する表面処理剤のひび割れ模様を焼成して得られることを特徴とするセラミック製手袋型。 - セラミック製手袋元型を成形して予備焼成する工程と、
予備焼成されたセラミック製手袋元型の表面に塗布乾燥することでひび割れ模様を発生させる表面処理剤を塗布する工程と、
表面にひび割れ模様が発生したセラミック製手袋元型を焼成する工程とを備えることを特徴とする表面に凹凸模様を有するセラミック製手袋型の製造方法。 - 表面に凹凸模様を有する手袋であって、
請求項2記載のセラミック製手袋型表面に形成されたラテックス層を加硫または硬化させて得られた手袋を反転脱型することにより得られることを特徴とする手袋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003320671A JP2005104737A (ja) | 2003-09-12 | 2003-09-12 | セラミック製手袋型用表面処理剤、セラミック製手袋型およびその製造方法、ならびに手袋 |
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