JP2000007468A - 陶磁器の釉薬転写による加飾方法と、加飾用の転写紙 - Google Patents

陶磁器の釉薬転写による加飾方法と、加飾用の転写紙

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JP2000007468A JP18224598A JP18224598A JP2000007468A JP 2000007468 A JP2000007468 A JP 2000007468A JP 18224598 A JP18224598 A JP 18224598A JP 18224598 A JP18224598 A JP 18224598A JP 2000007468 A JP2000007468 A JP 2000007468A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来、セメント製品を基材とする構成であり、この
セメント基材に粒状フリット又は粒状釉と泥漿状釉薬との混合物
で凹凸、斑点模様等の加飾をする擬装陶磁器である。従
って、本発明の目的とする純粋な陶磁器とは異なる。ま
た文献は、粒状フリット又は粒状釉と泥漿状釉薬との混合物
による施釉であり、異色による凹凸模様の製造には、少
し困難である。 【構成】 請求項1の発明は、本焼成した陶磁器の施
釉面’に加飾用の転写紙を設け、これを略1000℃〜
略1200℃以上で高温焼成し、本焼成の施釉面に釉薬転写
層を膨出形成する構成である。従って、凹凸模様等の
加飾を、釉薬転写を使用し、美麗、確実かつ効率的に製
造できること、また一部又は全体に加飾が可能であり、
かつ滑らかで深みのある凹凸模様が製造できること、等
の特徴がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陶磁器の釉薬転写によ
る加飾方法と、加飾用の転写紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的に実施されている加飾方法
は、高温焼成の前に素地に下絵をして施釉する方法、素
地に撥水剤で下絵を手書き・印刷等をして、釉薬をはじ
く方法、又は焼成した陶磁器に700℃〜800℃、或いは11
50℃〜1250℃程度で呉須転写する方法、等があります。
但し、低温焼成では、食器の場合において、安全性に心
配があります。
【0003】また、従来技術として、次のような文献が
ある。特開平3-261684号の陶磁器製品の加飾方法(文
献1とする。)があり、陶磁器(セメント基材)に粒状フリット
又は粒状釉と泥漿状釉薬との混合物で凹凸、斑点模様等
の加飾をする方法である。特開平6-92089号の窯業製
品の上絵付け用の転写紙(文献2とする。)であり、窯
業製品表面に貼着し、乾燥後、焼成する上絵付け用転写
紙において、絵付け材を多層とすることと、この絵付け
材の亀裂、剥離防止のために、当該絵付け材の熱膨張率
を最適な数値とする構成である。 特開平6-183866号
の窯変調タイルの製造方法(文献3とする。)であり、第
1着色釉薬と第2着色釉薬で施釉する構成であって、前
記何れか一方がホ゛タ掛け施釉をする構成である。 特開
平6-345567号の窯業製品の上絵付け方法及びそれに用い
る転写紙であり、複数層の絵付け材を窯業製品表面に印
捺用型を用いて順次印捺形成し、乾燥後、焼成すること
からなる窯業製品の上絵付け方法、複数層の絵付け材を
転写紙用台紙の離型層表面に印捺用型を用いて順次印捺
形成するとともに何れかの層の絵付け材を樹脂層で被覆
した転写紙である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記文献1は、セメント製
品を基材とする構成であり、このセメント基材に粒状フリット又
は粒状釉と泥漿状釉薬との混合物で凹凸、斑点模様等の
加飾をする擬装陶磁器である。従って、本発明の目的と
する純粋な陶磁器とは異なる。また文献1は、粒状フリット
又は粒状釉と泥漿状釉薬との混合物による施釉であり、
異色による凹凸模様の製造には、少し困難と思われる。
【0005】前記文献2は、絵付け材の熱膨張率を窯業
製品表面の熱膨張率と近似し、かつ各絵付け材の熱膨張
率をそれぞれ絵付け材の熱膨張率と近似させる構成とな
っている。従って、各絵付け材の範囲が限定されるこ
と、及び手彫型紙を使用する構成であり、効率的な生産
に適さないこと、等の課題がある。
【0006】前記文献3は、タイル素地に熔解粘性の異な
る第一着色釉薬と第二着色釉薬を施釉し、かつ何れか一
方をホ゛タ掛け施釉する構成である。従って、同時に焼成
する構成であり、正確な凹凸模様の製造には、適さない
ものと思われる。また各着色釉薬の範囲が限定されるこ
と、及びホ゛タ掛け施釉を使用する構成であり、効率的な
生産に適さないこと、等の課題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、凹凸
模様等の加飾が、釉薬転写を使用し、美麗で、また確実
かつ効率的に製造すること、また一部又は全体に加飾が
可能であり、かつ滑らかで深みのある凹凸模様を製造す
ること、等を意図する。
【0008】請求項1は、本焼成した陶磁器の施釉面に
加飾用の転写紙を設け、略1000℃〜略1200℃以上の温度
で高温焼成し、本焼成の施釉面に釉薬転写層を膨出形成
することを特徴とする陶磁器の釉薬転写による加飾方法
である。
【0009】請求項2の発明は、陶磁器の一部又は全体
に加飾した凹凸模様等が、美麗で、また確実かつ滑らか
で深みのある釉薬転写柄にすることを意図する。
【0010】請求項2は、釉薬転写層が、釉薬転写柄で
ある陶磁器の釉薬転写による加飾方法である。
【0011】請求項3の発明は、陶磁器の一部又は全体
に加飾した凹凸模様等が、所望する凹凸感覚で、しかも
美麗で、また滑らかで深みのある釉薬転写柄にすること
を意図する。
【0012】請求項3は、釉薬転写層の厚みを、略500ミ
クロン程度である陶磁器の釉薬転写による加飾方法であ
る。
【0013】請求項4の発明は、陶磁器の一部又は全体
に加飾した凹凸模様等が、所望する凹凸感覚の釉薬転写
柄を、確実に加飾できること、又は美麗で、また滑らか
で深みのある釉薬転写柄にすることを意図する。
【0014】請求項4は、釉薬転写層の面方向の幅を、
略2mm以上とする陶磁器の釉薬転写による加飾方法であ
る。
【0015】請求項5の発明は、凹凸模様等の加飾が、
美麗で、また確実かつ効率的に製造できる加飾用の転写
紙、又は陶磁器の一部又は全体に加飾が可能であり、か
つ滑らかで深みのある凹凸模様が製造できる加飾用の転
写紙を提供することを意図する。
【0016】請求項5は、本焼成した陶磁器の施釉面に
高温焼成し、釉薬転写層を膨出形成する陶磁器の釉薬転
写による加飾方法に使用する加飾用の転写紙であって、
この加飾用の転写紙をスクリーン印刷法で形成したことを特
徴とする陶磁器の釉薬転写による加飾方法に使用する加
飾用の転写紙である。
【0017】請求項6の発明は、凹凸模様等の加飾が、
美麗で、また確実かつ効率的に製造できる加飾用の転写
紙、又は陶磁器の一部又は全体に加飾が可能であり、か
つ滑らかで深みのある凹凸模様が製造できる加飾用の転
写紙を、簡便かつ低コストに提供することを意図する。
【0018】請求項6は、加飾用の転写紙は、スクリーン印
刷法で重ね刷りして形成されている陶磁器の釉薬転写に
よる加飾方法に使用する加飾用の転写紙である。
【0019】
【発明の実施の形態】先ず、陶磁器の釉薬転写による加
飾方法に使用する加飾用の転写紙<釉薬を転写用材料に
する手段(方法)>と、この加飾用の転写紙を使用する
例<加飾用の転写紙を陶磁器(陶製品)に転写する手段
(方法)>を説明すると、 釉薬原料を調合する ↓ホ゛ールミル (A)にて湿式粉磨する (所要時間 3時間〜24時間程、材料にて粉磨時間の幅
がある) ↓メッシユ (略100目程度〜略200目程度)の細かいスーノ(B)を通
し粒度をそろえる ↓転写用 更に数時間(12時間)粉磨 ↓ 乾燥 ↓スクリーンオイル (C)にてよく混練 ↓ 略30メッシュ〜略120メッシュ程度のスクリーン(D)に印刷、(E)は混合
釉薬を示す ↓ 重ね刷り(立体感を出すため層を厚くする)、〜は
釉薬層で、略々800ミクロン程度の厚みとする。は転写紙
を示す ↓ 乾燥 ↓オーハ゛ーコート (材質 アクリル質)を印刷 ↓ 乾燥完成し、加飾用の転写紙が ↓ 水につけて転写紙を除く ↓ 本焼きを行った陶磁器(陶製品)に厚盛釉薬転写にて
加飾 ↓ 略1000℃〜略1200℃以上の温度で高温焼成し、本焼成の
施釉面に厚盛釉薬転写層を膨出形成する。尚、オーハ゛ーコ
ートは、略400℃で無くなります ↓ 加飾用の釉薬が、生地釉薬中に溶け込み厚盛釉薬転写層
が形成される ↓ 窯よりの取出す。尚、高温焼成による陶磁器に厚盛釉
薬転写層の加飾ができる。尚、加飾後の厚盛釉薬転写
層の厚みは略500ミクロン程度である。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0021】加飾用の転写紙は、転写紙にスクリーン(D)
印刷で重ね刷りした釉薬層〜と、この釉薬層〜
を保護するオーハ゛ーコートとで構成されている。 実施例と
して使用した加飾用の転写紙を、物件提出書で提出い
たしますので、その構造、形状及び厚み等をご覧下さ
い。そして、この加飾用の転写紙の幅は、少なくと
も、略2mm以上として、確実に釉薬転写層を膨出形成
する。尚、釉薬、及び釉薬原料は一般的なものを使用す
るが、その一例を説明すると、次のようになる。 :釉薬 透明釉、不透明釉、結晶釉、フリット釉、窯変釉、マット(つや
けし)釉 貫入釉、天然釉、生釉、色釉等とする。 :釉薬の原料 基本原料…長石、陶石、ヘ゜タライト等とする。 媒溶原料…木灰、石灰石、マク゛ネサイト、ト゛ロマイト、炭酸ハ゛リウ
ム、炭酸ストロンチウム 酸化チタン等とする。 粘土質原料…カオリン、蛙目粘土、朝鮮カオリン、中国カオリン、他
の粘土等 珪酸質原料…珪石、ワラ灰等とする。 着色材…二酸化マンカ゛ン、酸化第2鉄、酸化コハ゛ルト等とす
る。
【0022】本焼きを行った陶製品の施釉面’に厚
盛釉薬転写にて加飾し、略1000℃〜略1200℃以上の温度
で高温焼成して、本焼成の施釉面’に厚盛釉薬転写層
を膨出形成する。この厚盛釉薬転写層は、生地釉薬
中に溶け込み、厚みは略500ミクロン程度である。
【0023】
【発明の効果】請求項1の発明は、本焼成した陶磁器の
施釉面に加飾用の転写紙を設け、これを略1000℃〜略12
00℃以上で高温焼成し、本焼成の施釉面に釉薬転写層を
膨出形成する構成である。従って、凹凸模様等の加飾
が、釉薬転写を使用し、美麗で、また確実かつ効率的に
製造できること、また本焼成した全ての陶磁器製品の一
部又は全体に加飾が可能である利点、また滑らかで深み
のある凹凸模様が製造できること、また高温焼成による
加飾であり、ディシュウォツャー(食器洗い機器・装置
・包丁等)、電子レンヂの使用態様にも耐えれること
と、安全性の向上が期待できること、又は加飾、陶磁器
の施釉面等の耐久性、耐薬品性等の向上が期待できるこ
と(以下、共通する。)、等の特徴がある。
【0024】請求項2の発明は、釉薬転写層を、釉薬転
写柄とする構成である。従って、陶磁器の一部又は全体
に加飾した凹凸模様等が、美麗で、また確実かつ滑らか
で深みのある釉薬転写柄を形成できる特徴がある。
【0025】請求項3の発明は、釉薬転写層の厚みを、
略500ミクロン程度とする構成である。従って、陶磁器の一
部又は全体に加飾した凹凸模様等が、所望する凹凸感覚
で、しかも美麗で、また滑らかで深みのある釉薬転写柄
を形成できる特徴がある。
【0026】請求項4の発明は、釉薬転写層の幅を、少
なくとも略2mm以上とする構成である。従って、陶磁器
の一部又は全体に加飾した凹凸模様等が、所望する凹凸
感覚の釉薬転写柄を、確実に加飾できること、又は美麗
で、また滑らかで深みのある釉薬転写柄を形成できる特
徴がある。
【0027】請求項5の発明は、本焼成した陶磁器の施
釉面に高温焼成で、釉薬転写層を膨出形成する陶磁器の
釉薬転写による加飾方法に使用する加飾用の転写紙であ
って、この加飾用の転写紙をスクリーン印刷法で形成する構
成である。従って、凹凸模様等の加飾が、美麗で、また
確実かつ効率的に製造できる加飾用の転写紙、又は本焼
成した全ての陶磁器製品の一部又は全体の加飾に利用可
能な利点、また滑らかで深みのある凹凸模様が製造でき
る加飾用の転写紙を提供できる。更にはこの転写紙は、
高温焼成による加飾にも利用できるので、前述の安全
性、耐久性等の各効果が期待できる。
【0028】請求項6の発明は、加飾用の転写紙を、スク
リーン印刷法で重ね刷りした構成である。従って、凹凸模
様等の加飾が、美麗で、また確実かつ効率的に製造でき
る加飾用の転写紙、又は本焼成した全ての陶磁器製品の
一部又は全体の加飾に利用可能な利点、また滑らかで深
みのある凹凸模様が製造できる加飾用の転写紙を、簡便
かつ低コストに提供できる。更にはこの転写紙は、高温
焼成による加飾にも利用できるので、前述の安全性、耐
久性等の各効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加飾用の転写紙の製造工程を説明する模式図で
あり、釉薬を転写用材料にする手段(方法)を説明す
る。
【図2】加飾用の転写紙の製造工程を説明する拡大模式
図であり、転写紙に釉薬層を設けた一例を示す。
【図3】加飾用の転写紙の製造工程を説明する拡大模式
図であり、転写紙に釉薬層及びカハ゛ーコートを設けた一例を
示す。
【図4】加飾用の転写紙の一例を示す拡大斜視図であ
る。
【図5】図4の断面図である。
【図6】加飾用の転写紙より転写紙を剥離した一例を示
す拡大斜視図である。
【図7】本焼成した陶磁器の施釉面に加飾用の転写紙を
設けた一例を示す要部斜視図である。
【図8】図7の断面図である。
【図9】本焼成の施釉面に釉薬転写層を膨出形成した一
例を示す拡大斜視図である。
【図10】図9の断面図である。
【図11】カップの施釉面に使用する加飾用の転写紙の
斜視図である。
【図12】図11の加飾用の転写紙を使用してカップの
施釉面に釉薬転写層を膨出形成した一例を示す拡大斜視
図である。
【図13】カップの施釉面に使用する他の加飾用の転写
紙の斜視図である。
【図14】図13の加飾用の転写紙を使用してカップの
施釉面に釉薬転写層を膨出形成した一例を示す拡大斜視
図である。
【符号の説明】
(A) ホ゛ールミル (B) スーノ (C) スクリーンオイル (D) スクリーン (E) 混合釉薬 釉薬層 釉薬層 釉薬層 転写紙 オーハ゛ーコート 加飾用の転写紙 陶磁器 ’ 施釉面 厚盛釉薬転写層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本焼成した陶磁器の施釉面に加飾用の転
    写紙を設け、略1000℃〜略1200℃以上の温度で高温焼成
    し、本焼成の施釉面に釉薬転写層を膨出形成することを
    特徴とする陶磁器の釉薬転写による加飾方法。
  2. 【請求項2】 上記の釉薬転写層が、釉薬転写柄である
    請求項1に記載の陶磁器の釉薬転写による加飾方法。
  3. 【請求項3】 上記の釉薬転写層の厚みを、略500ミクロン
    程度である請求項1に記載の陶磁器の釉薬転写による加
    飾方法。
  4. 【請求項4】 上記の釉薬転写層の面方向の幅を、略2m
    m以上とする請求項1に記載の陶磁器の釉薬転写による
    加飾方法。
  5. 【請求項5】 本焼成した陶磁器の施釉面に高温焼成
    し、釉薬転写層を膨出形成する陶磁器の釉薬転写による
    加飾方法に使用する加飾用の転写紙であって、この加飾
    用の転写紙をスクリーン印刷法で形成したことを特徴とする
    陶磁器の釉薬転写による加飾方法に使用する加飾用の転
    写紙。
  6. 【請求項6】 上記の加飾用の転写紙は、スクリーン印刷法
    で重ね刷りして形成されている請求項5に記載の陶磁器
    の釉薬転写による加飾方法に使用する加飾用の転写紙。
JP18224598A 1998-06-29 1998-06-29 陶磁器の厚盛釉薬転写による厚盛加飾方法と、1000℃〜1200℃以上の温度による高温焼成による厚盛加飾用の厚盛釉薬転写紙 Expired - Lifetime JP3169581B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE112005003789T5 (de) 2005-12-09 2008-12-18 Gwang Bok Iksan Hwang Dekorationsverfahren für Keramik
JP2012025618A (ja) * 2010-07-23 2012-02-09 Noritake Co Ltd 白磁用鉄結晶窯変調転写紙および結晶窯変調模様を有する陶磁器
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