JP2005104294A - アクティブニーボルスター - Google Patents

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Abstract

【課題】 エネルギ吸収部材の厚さを薄くし、且つ下肢との衝突時にエネルギ吸収部材を大きく変形させる。
【解決手段】 アクティブニーボルスター24はフロントシートに着座した乗員の下肢を拘束する下肢拘束部30と、下肢拘束部30を肢拘束位置へ移動するための作動装置としてのアクチュエータ32とで構成されている。アクティブニーボルスター24の下肢拘束部30には、乗員28の下肢(特に、膝部)28Aと当接する矩形状のパネル30Aが配設されており、パネル30Aの反拘束面側(車体前方側面)にはエネルギ吸収部材としてのリブ30Bが配設されいる。リブ30Bはパネル30Aの中心から外方へ伸びる連続した渦巻き形状となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明はアクティブニーボルスターに係り、特に、自動車等の車両に搭載されるアクティブニーボルスターに関する。
従来、自動車等の車両に搭載されるアクティブニーボルスターにおいては、乗員の下肢を拘束するエネルギ吸収部材からなる下肢拘束部を作動装置によって乗員側へ移動させる構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特公平06−2456号公報
しかしながら、前記特許文献1の構成におけるアクティブニーボルスターでは、乗員の下肢を拘束するエネルギ吸収部材が、ウレタンフォーム等の弾性変形または塑性変形する部材で構成されており、下肢との衝突時にエネルギ吸収部材を大きく変形させエネルギ吸収効果を上げるためには、エネルギ吸収部材の厚さを厚くする必要がある。このため、重量増加及びコストアップとなる。
本発明は上記事実を考慮し、エネルギ吸収部材の厚さを薄くし、且つ下肢との衝突時にエネルギ吸収部材を大きく変形させることができるアクティブニーボルスターを得ることが目的である。
請求項1記載の本発明のアクティブニーボルスターは、乗員の下肢を拘束する下肢拘束部と、
該下肢拘束部に配設され乗員の下肢と当接する板部材と、
該下肢拘束部における前記板部材の反拘束面に配設されたエネルギ吸収部材と、
前記下肢拘束部を下肢拘束位置へ移動するための作動装置と、
を有し、
前記エネルギ吸収部材は前記板部材の中心から外方へ伸びる連続したリブであることを特徴とする。
従って、作動装置によって下肢拘束部が下肢拘束位置へ移動し、下肢拘束部の板部材が乗員の下肢と当接すると、板部材が反拘束面側に変形する。この際、下肢拘束部における板部材の反拘束面に配設されたエネルギ吸収部材が、板部材の中心から外方へ伸びる連続したリブであるため、板部材の中心に大きな荷重が作用した場合には、リブの中心側がリブの外方に比べて荷重の作用方向へ大きく且つ容易に変形する。この結果、エネルギ吸収部材は通常時の厚さより大きく変形できる。このため、エネルギ吸収部材の厚さを薄くし、且つ下肢との衝突時にエネルギ吸収部材を大きく変形させることができる。
請求項2記載の本発明は、請求項1記載のアクティブニーボルスターにおいて、前記リブは渦巻き形状であることを特徴とする。
従って、作動装置によって下肢拘束部が下肢拘束位置へ移動し、下肢拘束部の板部材が乗員の下肢と当接すると、板部材が反拘束面側に変形する。この際、下肢拘束部における板部材の反拘束面に配設されたエネルギ吸収部材が、板部材の中心から外方へ伸びる連続した渦巻き形状のリブであるため、板部材の中心に大きな荷重が作用した場合には、リブは渦巻きの軸芯方向に沿って伸びる方向に変形するが、厚さ方向に潰れる変形はしない。このため、リブの中心側がリブの外方に比べて荷重の作用方向へ大きく且つ容易に変形する。この結果、エネルギ吸収部材は通常時の厚さより大きく変形できる。このため、エネルギ吸収部材の厚さを薄くし、且つ下肢との衝突時にエネルギ吸収部材を大きく変形させることができる。
請求項3記載の本発明は、請求項1、2の何れか1項に記載のアクティブニーボルスターにおいて、前記作動装置は前記板部材を支持しており、前記リブの反板部材側には前記リブの変形を可能とする空間が形成されていることを特徴とする。
従って、請求項1、2の何れか1項に記載の内容に加えて、リブの中心側がリブの外方に比べて荷重の作用方向となるリブの反板部材側に形成された空間内へ大きく変形できる。この結果、エネルギ吸収部材は通常時の厚さより大きく変形できる。このため、エネルギ吸収部材の厚さを薄くし、且つ下肢との衝突時にエネルギ吸収部材を大きく変形させることができる。
請求項1記載の本発明のアクティブニーボルスターは、乗員の下肢を拘束する下肢拘束部と、下肢拘束部に配設され乗員の下肢と当接する板部材と、下肢拘束部における板部材の反拘束面に配設されたエネルギ吸収部材と、下肢拘束部を下肢拘束位置へ移動するための作動装置と、を有し、エネルギ吸収部材は板部材の中心から外方へ伸びる連続したリブであるため、エネルギ吸収部材の厚さを薄くし、且つ下肢との衝突時にエネルギ吸収部材を大きく変形させることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明は、請求項1記載のアクティブニーボルスターにおいて、リブは渦巻き形状であるため、エネルギ吸収部材の厚さを薄くし、且つ下肢との衝突時にエネルギ吸収部材を大きく変形させることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明は、請求項1、2の何れか1項に記載のアクティブニーボルスターにおいて、作動装置は板部材を支持しており、リブの反板部材側にはリブの変形を可能とする空間が形成されているため、エネルギ吸収部材の厚さを薄くし、且つ下肢との衝突時にエネルギ吸収部材を大きく変形させることができるという優れた効果を有する。
本発明における乗員保護装置の一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印UPは車体上方方向を示す。
図5に示される如く、本実施形態のアクティブニーボルスターは、車体10の減速度を検知し車体10の衝突を検出する衝突検出手段としての加速度センサ12を備えている。また、加速度センサ12は左右のフロントサイドメンバにそれぞれ配設されており、加速度センサ12はマイクロコンピュータを備えた制御手段としての制御回路14に接続されている。
車体10のインストルメントパネル18には、運転席及び助手席である左右のフロントシート20(図5では助手席を示す)の前方となる部位に、それぞれアクティブニーボルスター(下肢拘束手段)24が配設されており、アクティブニーボルスター24は、フロントシート20に着座した乗員28の左右の下肢(特に、膝部)28Aに対向して配設されている。
また、左右一対のアクティブニーボルスター24は、フロントシート20に着座した乗員28の左右の各下肢28Aを車体前方斜め上側から拘束する下肢拘束部30と、下肢拘束部30を乗員28の下肢28A側の下肢拘束位置へ移動するための作動装置としてのアクチュエータ32とで構成されている。
図1に示される如く、アクティブニーボルスター24の下肢拘束部30には、乗員28の下肢(特に、膝部)28Aと当接する板部材としての矩形状のパネル30Aが配設されている。また、パネル30Aの反拘束面(車体前方側面)にはエネルギ吸収部材としてのリブ30Bが配設されいる。
図3に示される如く、リブ30Bはパネル30Aの中心から外方へ伸びる連続した渦巻き形状となっており、リブ30Bの厚さH及び幅Wは一定となっている。
なお、図5に示される如く、パネル30Aは、インストルメントパネル18の一般面18Aの一部を構成している。
図2に示される如く、アクティブニーボルスター24のアクチュエータ32は、インパネリインフォース36に形成された取付部36Aに、ブラケット38を介して固定されている。ブラケット38の前壁部38Aは、インパネリインフォース36の取付部36Aに、ボルト、ナット等の締結部材40によって固定されている。また、ブラケット38の下壁部38Bには、アクチュエータ32のアッパレール42が、ボルト、ナット等の締結部材41によって固定されている。
アクチュエータ32のアッパレール42は、軸方向となる略車体前後方向から見た断面形状が開口部を下方へ向けたコ字状となっており、開口両端外側には、車体前後方向に沿ってガイド部42Aが形成されている。一方、アクチュエータ32のロアレール44は、軸方向となる略車体前後方向から見た断面形状が開口部を上方へ向けたコ字状となっており、開口両端内側には、車体前後方向に沿ってガイド部44Aが形成されている。また、ロアレール44のガイド部44Aは、アッパレール42のガイド部42Aに車体前後方向へ移動可能に係合しており、アッパレール42とロアレール44とによって矩形状の閉断面構造が形成されている。
アクチュエータ32のアッパレール42には、シリンダ46が車体前後方向に沿って固定されており、シリンダ46はアッパレール42とロアレール44とによって形成された閉断面内に配設されている。また、シリンダ46の前端部にはインフレータ48(図5参照)が配設されており、シリンダ46の後端部にはロック49が配設されている。なお、インフレータ48は制御回路14(図5参照)に接続されたスクイブにより作動し、発生したガスがシリンダ46内に放出されると、シリンダ46の軸芯に配設されたピストンロッド50が乗員方向(図2の矢印A方向)へ直線移動するようになっている。また、ピストンロッド50はロック49を貫通しており、ロック49はピストンロッド50が逆方向(矢印Aと反対方向)へ移動するのを防止している。
ピストンロッド50の後端部50Aには、ピストンストッパ52が固定されており、ピストンストッパ52はロアレール44の後端部44Bに固定されている。また、ロアレール44の後端部44Bには矩形板状のブラケット60が固定されており、ブラケット60の四隅には、車体後方へ向かって脚部60Aが立設されている。これらの脚部60Aの先端部に、下肢拘束部30のパネル30Aの四隅が固定されている。
従って、アクチュエータ32のロアレール44はブラケット60を介して下肢拘束部30のパネル30Aを支持しており、リブ30Bの反パネル30A側には、リブ30Bの変形を可能とする空間33が形成されている。
また、アクチュエータ32のロアレール44の前端部44Cには図示を省略したスライドストッパが固定されている。
なお、本実施形態では、図5に示される如く、インストルメントパネル18の上部18C及びステアリングホイール(図示省略)に、助手席用及び運転席用のエアバッグ装置76が配設されており(図5では助手席用のエアバッグ装置のみを示している)、これらのエアバッグ装置76のエアバッグ袋体78をフロントシート20に着座した乗員28の上半身28Bに向って膨張展開させるインフレータ80は、それぞれ制御回路14に接続されている。また、図5の符号82はシートベルトを示している。
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、車体が衝突した際に、制御回路14は、先ず、左右のフロントサイドメンバにそれぞれ配設された加速度センサ12からの入力信号に基づいて、車体10が衝突したか否かを判定する。
車体10が衝突したと判定した場合には、制御回路14はアクティブニーボルスター24のアクチュエータ32のインフレータ48を作動する。この結果、インフレータ48から発生したガスによって、アクチュエータ32のアッパレール42に固定されたシリンダ46のピストンロッド50が乗員方向(矢印A方向)へ直線移動し、ピストンロッド50と一体的にロアレール44と下肢拘束部30が、格納位置から図5に示す下肢拘束位置方向へ移動する。
図2に示される如く、下肢拘束部30のパネル30Aが乗員28の下肢28Aに当接すると、パネル30Aが反拘束面側(車体前方側)に変形する。この際、図4に示される如く、下肢拘束部30におけるパネル30Aの反拘束面に配設されたリブ30Bは、パネル30Aの中心から外方へ伸びる連続した渦巻き形状であるため、パネル30Aの中心に、膝の中央部が当接し、大きな荷重が作用した場合には、リブ30Bは渦巻きの軸芯方向(矢印B方向)に沿って伸びる方向に変形するが、厚さH方向に潰れる変形はしない。このため、リブ30Bの中心側がリブ30Bの外方に比べて荷重の作用方向となるリブ30Bの反パネル側(車体前方側)に形成された空間33内へ大きく且つ容易に変形する。
この結果、リブ30Bは通常時(格納状態)の厚さ(図3のH)より大きく変形できる。このため、リブ30Bの厚さHを薄くし、且つリブ30Bを下肢衝突方向(矢印B方向)へ大きく変形させることができる。よって、重量増加及びコストアップを抑制できると共に、下肢拘束部30によって乗員28の下肢(特に、膝部)28Aを包み込む形で確実に拘束できる。
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、リブ30Bをパネル30Aの中心から外方へ伸びる連続した渦巻き形状としたが、リブの形状はこれに限定されず、例えば、図6に示される如く、リブ30Bをパネル30Aの中心から外方へ伸びる連続した上下方向に長い渦巻き形状としても良い。また、図7に示される如く、リブ30Bをパネル30Aの中心から外方へ伸びる連続した十字の渦巻き形状としても良い。
また、上記実施形態では、加速度センサ12を使用し衝突を判定したが、これに代えて、図5に符号90で示すカメラ、レダー等を衝突判定手段として使用することで衝突前に車体の衝突を感知し、即ち、衝突予知を行い、アクティブニーボルスターを作動させる構成とし、アクティブニーボルスター24のアクチュエータ32をモータ、ナット、スクリュー等で構成しても良い。
また、上記実施形態では、本発明のアクティブニーボルスターをフロントシート(運転席及び助手席)に適用したが、本発明のアクティブニーボルスターはリヤシート等のフロントシート以外のシートにも適用可能である。
本発明の一実施形態に係るアクティブニーボルスターの要部の格納状態を示す車体斜め後方から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係るアクティブニーボルスターの要部の作動状態を示す車体斜め後方から見た分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るアクティブニーボルスターの下肢拘束部の格納状態を示す車体斜め前方から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係るアクティブニーボルスターの下肢拘束部の変形状態を示す車体斜め前方から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係るアクティブニーボルスターが適用された車室前部を示す概略側断面図である。 本発明の他の実施形態に係るアクティブニーボルスターの下肢拘束部を示す車体前方から見た平面図である。 本発明の他の実施形態に係るアクティブニーボルスターの下肢拘束部を示す車体前方から見た平面図である。
符号の説明
24 アクティブニーボルスター
30 アクティブニーボルスターの下肢拘束部
30A 下肢拘束部のパネル(板部材)
30B 下肢拘束部のリブ(エネルギ吸収部材)
32 アクティブニーボルスターのアクチュエータ(作動装置)
33 空間

Claims (3)

  1. 乗員の下肢を拘束する下肢拘束部と、
    該下肢拘束部に配設され乗員の下肢と当接する板部材と、
    該下肢拘束部における前記板部材の反拘束面に配設されたエネルギ吸収部材と、
    前記下肢拘束部を下肢拘束位置へ移動するための作動装置と、
    を有し、
    前記エネルギ吸収部材は前記板部材の中心から外方へ伸びる連続したリブであることを特徴とするアクティブニーボルスター。
  2. 前記リブは渦巻き形状であることを特徴とする請求項1に記載のアクティブニーボルスター。
  3. 前記作動装置は前記板部材を支持しており、前記リブの反板部材側には前記リブの変形を可能とする空間が形成されていることを特徴とする請求項1、2の何れか1項に記載のアクティブニーボルスター。
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