JP2005102542A - 脱穀装置の排ワラ処理部構造 - Google Patents

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治男 馬場
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Abstract

【課題】 脱穀排ワラを脱穀フィードチェーンによって長ワラ放出経路に搬送して落下供給させるものでありながら、排ワラが脱穀フィードチェーンの戻り経路に巻きこまれることを阻止する脱穀装置の排ワラ処理部構造を提供する。
【解決手段】 脱穀フィードチェーン11から放出される排ワラを排出口に案内する排ワラ分離部材49の先端部を受止める受止め面58cと、その受止め面58cより上方部分に、脱穀フィードチェーン11の搬送経路より下方に入り込む鍔板部58Bを形成してある受止め台58を設けてある。
【選択図】 図8

Description

本発明は、脱穀フィードチェーンの終端位置に、脱穀処理済みの排ワラを細断する排ワラ細断装置を設け、前記排ワラ細断装置へ脱穀フィードチェーンから放出される排ワラを受け入れる排ワラ受け入れ口を閉塞する状態と開放する状態とに切換られる排ワラ分離部材を設けてある脱穀装置の排ワラ処理部構造に関する。
上記脱穀装置は、脱穀排ワラを脱穀フィードチェーンから排ワラ分離部材を介して直接に長ワラ放出経路に供給することにより、脱穀フィードチェーンから放出された排ワラを後方に搬送して長ワラ放出経路に供給する排ワラ搬送装置を備えるに比し、脱穀装置全体の前後長さを短く抑制しながら排ワラを長ワラ放出経路に供給するものである(特許文献1参照)。
特開2003−79236号公報(段落番号〔0019〕及び、図5,7)
上記構成において、排ワラ分離部材は、その先端部を脱穀フィードチェーンのスプロケットボス部や専用の受止め台に上方から当接して受け止める支持されており、その受け止め支持された状態でその上面を案内面として、排ワラを放出経路に案内するものであった。
しかし、機体振動等が大きくなると、排ワラ分離部材の先端部とその先端部を受けているボス部等との隙間に排ワラの株元が入り込み、脱穀フィードチェーンの戻り経路に巻き込まれることがあった。
本発明の目的は、脱穀フィードチェーンの戻り経路に巻き込まれることを抑制できるものを簡単な構造で提供する点にある。
請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
〔構成〕
本願発明の特徴構成は、前記排ワラ分離部材の上面を前記閉塞する状態で前記放出される排ワラを排出口に案内する案内面に形成し、前記脱穀フィードチェーンの終端位置でその横側方に、前記閉塞する状態にある前記排ワラ分離部材の先端部を受止める受止め台を設け、前記受止め台における、前記排ワラ分離部材の先端部を受止める受止め面より上方部分に、前記脱穀フィードチェーンの搬送経路より下方に入り込む鍔板部を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用〕
つまり、排ワラ分離部材の先端部を受け止める受止め台として、下側に先端部を受け止める受止め面を形成するとともにその上方に鍔板部を形成して、二段構成を採用した。しかも、鍔板部の設置位置を脱穀フィードチェーンの搬送経路より下方に入り込む状態に設けた。
これによって、脱穀フィードチェーンで搬送される排ワラが、鍔板部より下方側に移動することはなく、かつ、排ワラ分離部材の先端部が振動によって受止め面との間に間隙が生じても排ワラが入り込むことはない。
そして、鍔板部でガイドされる排ワラは排ワラ分離部材の上面を案内面として放出経路に誘導することができる。
〔効果〕
従って、脱穀排ワラを脱穀フィードチェーンの戻り側に戻さないで長ワラ放出経路に供給して能率よく作業できる。しかも、その割には、排ワラを受止め面とその下方に排ワラ分離部材を受止める受止め面を形成したもので対応できたので、簡単な改造のもので作業能率を高めるものを提供することができた。
図1、図2に示すように、クローラ式走行装置1、運転座席2を有する搭乗型運転部、運転座席2の下方に位置する原動部を備えた走行機体の機体フレーム3の前端側に位置する支持部に、刈取部4の刈取りフレーム4aの基端部を機体横向きの軸芯P1まわりで回動自在に連結し、前記原動部からのエンジン動力を刈取部4に伝達するとともに、前記原動部からのエンジン動力によって駆動されるねじ機構によって前記刈取りフレーム4aを揺動操作することによって、刈取部4を走行機体に対して昇降操作するように構成し、前記走行機体に脱穀装置10、及び、脱穀装置10からの脱穀粒を袋詰めする袋詰め部5を設けるとともに、脱穀装置10の後部に排ワラ細断装置30備えられた排ワラ処理部を設けて、コンバインを構成してある。
このコンバインは、稲・麦などの植立穀稈を刈取るとともに刈取り穀稈を脱穀処理し、この脱穀処理に伴って脱穀排ワラの細断放出や長ワラ放出の処理ができるものであり、詳しくは、次の如く構成してある。
すなわち、図1、図2に示すように、刈取部4は、刈取りフレーム4aの前端に固定されている分草具4bによって植立穀稈を刈取り対象と非刈取り対象とに分草するとともに2条の植付け列の刈取り対象穀稈を左右一対の引起こし経路に分けて導入し、各引起こし経路の植立穀稈を引起装置4cによって引起こし処理しながらバリカン型の刈取装置4dによって刈取り処理し、刈取装置4dからの刈取穀稈を株元側に作用する挟持搬送装置と穂先側に作用する係止搬送装置とで成る搬送装置4eによって機体後方向きに搬送する。
図1、図3に示すように、脱穀装置10には、脱穀機体の走行機体横方向での一端側に位置する脱穀フィードチェーン11、扱室12の内部に走行機体前後向きの軸芯13aまわりで駆動回動自在に位置する扱胴13などを有する脱穀部と、この脱穀部の受網14の下方に駆動揺動自在に位置する揺動選別装置15、この揺動選別装置15の一端側の下方に走行機体前後向きの軸芯16aまわりで駆動回動自在に位置する唐箕16を有する選別部と、この選別部の底部の走行機体横方向での中央部に走行機体前後向きの軸芯17aまわりで駆動回動自在に位置する一番スクリューコンベア17と、前記選別部の底部の走行機体横一端側に走行機体前後向きの軸芯18aまわりで駆動回動自在に位置する二番スクリューコンベア18と、扱室12の送塵口19に作用部が臨む掻出し手段23と、前記送塵口19の外側に位置する拡散オーガ24とを備えてある。
前記脱穀部は、刈取部4の搬送装置4eからの刈取穀稈の株元側を前記脱穀フィードチェーン11によって扱胴13の回動軸芯に沿わせて機体後方向きに挟持搬送しながら穂先側を扱室12に供給し、その穂先側を前記扱胴13と受網14とによって扱き処理し、穀粒などの脱穀処理物を受網14の目合いから落下させ、ワラ屑などの脱穀処理物を扱室12の後端側に位置する送塵口19から扱室12の横外側に排出し、脱穀排ワラを脱穀フィードチェーン12によって扱室4から扱胴回動軸芯に沿う方向に搬出する。
前記掻出し手段23は、揺動選別装置15の枠体に付設したワラ屑受け板に兼用の支持板23aの上面側に扱胴回動軸芯に沿う方向に並べて固定した複数枚のストローラック板で成り、揺動する揺動選別装置15によって平面視で扱胴回動軸芯に直交する方向に往復揺動するように駆動され、扱室12で発生して前記送塵口19に来たワラ屑を送塵口19から掻き出す。送塵口19から掻き出されたワラ屑は、回動駆動される前記拡散オーガ24によって揺動選別装置15の横幅方向に拡散されてこの揺動選別装置15の後端側に落下される。
前記選別部は、受網14から落下する脱穀処理物や送塵口19からのワラ屑を駆動揺動される前記揺動選別装置15によって平面視で扱胴回動軸芯に直交する方向に移送しながら、揺動選別と、前記唐箕16によって供給される走行機体横向きの選別風とによって穀粒と、ワラ屑などの塵埃とに選別し、穀粒を揺動選別装置15から落下させ、塵埃を選別風とともに排塵口20から脱穀装置10の外部に排出する。
前記一番スクリューコンベア17は、選別部からの1番穀粒を脱穀装置10の走行機体後方側の外部に搬出する。この一番スクリューコンベア17からの穀粒は、一番スクリューコンベア17の搬送終端部に接続しているスクリューコンベアで成る揚穀装置21によって前記袋詰め部5の上方に揚送して袋詰めシュート5aに供給される。
前記2番スクリューコンベア18は、選別部からの2番穀粒を脱穀装置10の走行機体後方側の外部に搬出する。この2番スクリューコンベア18からの穀粒は、2番スクリューコンベア18の搬送終端部に接続しているスロワー式の揚送筒22によって脱穀装置10の上部に揚送して扱室12に再度扱き処理されるように還元する。
図4及び図5に示すように、前記排ワラ処理部は、カッタケース37やこのカッタケース37の内部に位置する回転カッター39が備えられている前記排ワラ細断装置30と、前記カッタケース37の後側に機体上下向きに位置する長ワラ放出経路51を設けるとともに、前記脱穀フィードチェーン11と、このフィードチェーン11の上方に位置する搬送ガイドレール25とが扱室12から搬出した脱穀排ワラをさらに機体後方に、前記カッタケース37の上部に位置する排ワラ受け入れ部34の排ワラ受け入れ口33の上方まで挟持搬送するように構成し、前記排ワラ細断装置30の上方を覆うように形成したカッタカバー43の前端側を脱穀機体が有する支持部材45に連結軸44によって回動自在に取付けることによって構成してあり、前記カッタカバー43を開閉操作するとともに、排ワラ細断装置30が前記排ワラ受け入れ口33を開閉するように備えている蓋体41を開閉操作し、脱穀排ワラを細断して放出する細断放出処理を行なったり、長ワラのままで設定量ずつ放出する長ワラ放出処理を行なうことができる。
すなわち、排ワラ細断装置30は、前記カッタケース37の内部の前記排ワラ受け入れ口33の近くに、駆動自在な回転筒体31によってこの回転筒体31の回転軸芯とは偏芯した軸芯まわりで回転操作される複数本の掻込みフィンガー32と、駆動自在な掻込みロータ38とを有し、前記カッタケース37の内部の前記掻込みフィンガー32及び掻込みロータ38の下方に、前記回転カッター39を駆動自在に有するとともにカッタケース37に固定された固定刃40を有して成るシリンダ形の細断装置に構成してある。
排ワラ受け入れ口33の前記蓋体41は、この蓋体41の後端側をカッタケース37に回動自在に取付けている連結軸42の軸芯まわりで揺動操作することにより、図4に示す如くカッタケース37の上面上に倒伏して排ワラ受け入れ口33を閉じる状態と、図5に示す如くカッタケース37に対して起立して排ワラ受け入れ口33を開く状態とに切り換わる。前記閉じ状態になった蓋体41は、脱穀フィードチェーン11からの排ワラを背面で成るワラ落下案内面41aによって受け止めるとともに機体後方側に下降するように案内して前記長ワラ放出経路51に落下させる。蓋体41が開き状態になると、脱穀フィードチェーン11からの排ワラがカッタケース37の排ワラ受け入れ口33に落下する。
カッタカバー43の内面側に中間部が軸芯46aまわりで回動自在に連結している開閉レバー46をカッタカバー43に備えてあり、この開閉レバー46のカッタカバー43から外部に突出している操作部46bによってカッタカバー43を前記連結軸44の軸芯まわりで揺動操作することにより、カッタカバー43は、図4に示す如く排ワラ細断装置30から上方に離れた上昇開き位置と、図5に示す如く排ワラ細断装置30のカッタケース37の上面近くに下降した閉じ位置とに切り換わる。
カッタカバー43を上昇開き位置に切り換えた際、前記開閉レバー46の長孔46cに摺動自在に入り込むようにして前記支持部材45に固設してあるロックピン47を開閉レバー46の前記長孔46cの一端側に連通している切欠きに入り込ませることにより、開閉レバー46の突っ張り作用によってカッタカバー43を上昇開き位置に保持できる。
カッタカバー43を下降閉じ位置に切り換えた際、前記ロックピン47を開閉レバー46の前記長孔46cの他端側に連通している切欠きに入り込ませることにより、開閉レバー46の引っ張り作用によってカッタカバー43を下降閉じ位置に保持できる。このとき、カッタカバー43の内面側に基端側が固定されているワラガイド杆50の先端側がカッタケース37の排ワラ受け入れ口33に入り込み、脱穀フィードチェーン11からの排ワラを排ワラ受け入れ口33に案内する。
つまり、脱穀排ワラの細断放出処理を行なうには、カッタカバー43を下降閉じ位置に、蓋体41を開き状態にそれぞれ切り換え操作する。すると、脱穀フィードチェーン11によって搬送されて来て脱穀フィードチェーン11から外れた排ワラが前記搬送ガイド50によって案内されながら排ワラ細断装置30の排ワラ受け入れ口33に落下する。すると、排ワラ細断装置30が、その排ワラを掻き込みフィンガー32と掻き込みロータ38とによってカッタケース37の内部に掻き込むと共に二つ折りにして回転カッター39に供給し、この回転カッター39が備える回転刃39aと前記固定刃40とによって稈身方向に切断し、細断状態になったワラは、回転カッター39の回転力によって回転カッター39の後方に飛ばされ、ワラ放出口35のシャッター52を閉じばねに抗して押し開けてワラ放出口35から機体後方向きに出ていく。
脱穀排ワラの長ワラ放出処理を行なうには、カッタカバー43を上昇開き位置に、蓋体41を閉じ状態にそれぞれ切り換え操作する。すると、蓋体41のワラ落下案内面41aの方に連結ピン49aによって基端側が回動自在に連結している揺動自在な排ワラ分離部材49の先端部が後記する受止め台58に載って、排ワラ分離部材49が脱穀フィードチェーン11が搬送して来た排ワラを脱穀フィードチェーン11の戻り側に巻き込まれないように脱穀フィードチェーン11から分離させ、脱穀フィードチェーン11からの排ワラが蓋体41のワラ落下案内面41aによる落下案内によって長ワラ放出経路51に送り込まれ、機体後方に落下される。
排ワラ分離部材49に対する受け構造について説明する。図6〜図10に示すように、走行機体の左側面側に設けた支持フレーム55に駆動軸56を回転自在に支持するとともに、駆動軸56に脱穀フィードチェーン11の駆動スプロケット11Aを一体回転可能に取り付けてある。駆動軸56より脱穀フィードチェーン11の搬送上手側にその駆動軸56と平行に支持フレーム55よりパイプ状の支持軸57を延出してある。前記支持軸57から駆動スプロケット11Aの横側方に位置する状態で、排ワラ分離部材49を受止める受止め台58を設けてある。
図9及び図10に示すように、受止め台58における支持軸57に取り付け固定される基端部を断面コノ字状の形状に形成するとともに、そのコノ字状の下側フランジ面板58Aを先端側に向けて延出して、その下側フランジ面板58Aを駆動スプロケット11Aの横側方まで延出してある。下側フランジ面板58Aの上向き面を排ワラ分離部材49の受止め面58cを形成する。下側フランジ面板58Aの延出部分に対しては、上方から排ワラ分離部材49の嘴状先端部49Aが載置されて、排ワラ分離部材49が排ワラを案内する状態に設定できるようにしてある。
鍔板部としてのコノ字状の上側フランジ面板58Bは、駆動スプロケット11Aの横側方まで近接する状態で延出される細幅部分58aとその細幅部分58aより基端部側に位置する広幅部分58bとからなり、広幅部分58bを脱穀フィードチェーン11の搬送経路側を移動する搬送チェーン11の下方に入り込む状態に張り出せている。
このように、排ワラ分離部材49を受止める受止め面58cを形成する下側フランジ面板58Aとは別に上側フランジ面板58Bを設け、この上側フランジ面板58Bを搬送チェーン11の下方に入り込ませることによって、排ワラ分離部材49の上面を案内面としてその案内面で案内される予定の排ワラの株元側が、振動する排ワラ分離部材49と下側フランジ面板58Aとの間をすり抜けて脱穀フィードチェーン11の戻り経路側に入り込むのを阻止することができる構成となっている。
図中59は支持フレーム55の上方で排ワラの株元を案内するガイド板であり、このガイド板59は着脱自在である。
コンバイン全体の側面図 コンバイン全体の平面図 脱穀装置の縦断後面図 排ワラ処理部の長ワラ放出状態での縦断側面図 排ワラ処理部の細断放出状態での縦断側面図 細断装置の縦断前面図 細断装置の縦断後面図 排ワラ分離部材と受止め台との関係を示す側面図 図8における平面図 受止め台の斜視図
符号の説明
11 脱穀フィードチェーン
30 排ワラ細断装置
33 排ワラ受け入れ口
49 排ワラ分離部材
58 受止め台
58B 鍔板部
58c 受止め面

Claims (1)

  1. 脱穀フィードチェーンの終端位置に、脱穀処理済みの排ワラを細断する排ワラ細断装置を設け、前記排ワラ細断装置へ脱穀フィードチェーンから放出される排ワラを受け入れる排ワラ受け入れ口を閉塞する状態と開放する状態とに切換られる排ワラ分離部材を設けてある脱穀装置の排ワラ処理部構造であって、
    前記排ワラ分離部材の上面を前記閉塞する状態で前記放出される排ワラを排出口に案内する案内面に形成し、前記脱穀フィードチェーンの終端位置でその横側方に、前記閉塞する状態にある前記排ワラ分離部材の先端部を受止める受止め台を設け、前記受止め台における、前記排ワラ分離部材の先端部を受止める受止め面より上方部分に、前記脱穀フィードチェーンの搬送経路より下方に入り込む鍔板部を形成してある脱穀装置の排ワラ処理部構造。
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