JP2005102373A - 振動モータ - Google Patents

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三郎 宮澤
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Abstract

【課題】振動量を十分確保しつつ、小型化、薄型化及び省電力化ができた新規の振動モータを提供することを目的とする。
【解決手段】偏心分銅を備えた電機子鉄心をマグネットの磁界内で回転させることにより振動を得る振動モータにおいて、前記マグネットは分割マグネットとされ、前記電機子鉄心は前記マグネットの磁束を受ける4個の第1〜第4突極が等間隔配置にしてその全周面に設けられたスロット型とされ、当該電機子鉄心の第1突極には第1電機子コイルが巻回され、前記第1突極の隣りの第2突極には第2電機子コイルが巻回され、第3突極及び第4突極は電機子コイル無しにされ、偏心分銅は電機子コイルが巻回された突極と軸方向において重なり合う配置にして備えられたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、振動で利用者に着信(受信)を知らせるためのバイブレータモード部を有する携帯電話やポケットベルなどの移動体通信機器に組み込んで用いる振動モータに関する。
近年、移動体通信機器として、携帯電話やPHS(パーソナル・ハンディホン・システム)等が広く普及してきている。そして、この移動体通信機器は基本的にはどのような場所、例えば会議の席上、電車内、静かな図書館、コンサート会場などで着信できるようになっている。しかし、着信に伴う呼び出し音が周囲の人に多大の迷惑を及す場合があった。
そこで、このような迷惑を防止するために、従来の移動体通信機器は、着信したときに呼び出し音を出さないようにしたサイレントモードや、振動によって着信を知らせるようにしたバイブレーションモードあるいは留守番電話機能モードなどで利用できる構造になっている。中でも、バイブレーションモードは、周囲の人に迷惑をかけることが少なく、利用者が着信を体感振動で確実に知ることができることから広く利用されている。
前記のバイブレーションモードは、通常、振動モータにより実現されている。この移動体通信機器に組み込まれた振動モータは、着信時に起動し、その振動で着信を利用者に知らせるようになっている。
前記の振動モータは、従来より種々のものが知られている。基本的な構造のものは、小型のDCモータの回転軸に金属などの分銅を偏心させて取り付けたものであった。これはモータが回転すると、前記の偏心分銅の慣性力により振動が発生する仕組みとなっているものであった。その他、特許文献1に開示されているような構造の振動モータ等が提供されている。
特開平08−37753号公報
前記特許文献1記載の振動モータは、電機子鉄心の半周側に存する突極が削除された構成であったために、軸受け部分に対する側圧が大きく、省電力化には構造上不向きであるという避けがたい問題を有していた。
また、最近の動向として、前記の携帯電話は、その便利さからか、その使用台数が格段に増えてきている。また同時に、薄型にデザインにされ且つカラー大画面/カメラ付き等各種機能が増設された形式のものが提供され、これらが主流になってきている。そのために、内部に使用される電子部品も小型化/薄型化/省電力化が要求されている。
前記電子部品として用いられる振動モータには、シリンダー型構造とコイン型構造の2種類があり、これら2種類とも大量に使用されている。この中でシリンダー型構造は、振動性能と価格等の面でコイン型構造に比べ優れているといわれている。そして、このように大量に使われているシリンダー型構造の振動モータも、他の電気部品と同じように小型化/薄型化/省電力化への要求が多くある。これら要求に応えるためには、その基本特性である振動特性を損なわずに、小型化/薄型化/省電力化された製品として提供する必要がある。また、同時に価格対応力も求められている。
しかしながら、シリンダー型の振動モータにおいて小型化/薄型化/省電力化への要望に応えるには次のような問題点がある。
問題1;振動量の確保
問題2;薄型化の困難性
問題3;定常電流の削減
<問題1について>
振動量は重心の位置が同じ場合、"分銅質量に比例し回転数の2乗に比例"するという高度な相関の関係がある。
小型/薄型化の進展中、分銅の小型化も必然的に発生する。そのために、振動量を確保する目的で、分銅の小型化をカバーする対策として、回転数をアップする設計方策が一般に採用される。そして、現在、その回転数も15.000rpm近辺までにきている。
このような、回転数のアップ対策には次のような問題点がある。
1)回転数をアップして行くと、軸受のフリクション損失、電磁気関係損失等の各種損失が生じて消費電流がアップし、省電力設計に逆行することになる。
2)「ブラシとコンミュテータ」や「軸受」等の信頼性の問題において、寿命面で不利となってくる。
これらのことから、回転数アップにも限界があり、設計的に限界に近づきつつある。
したがって、これら1)、2)の問題点を回避するためには、回転数をこれ以上アップさせずに振動量を確保する必要がある。
<問題2について>
現在、シリンダー型構造の振動モータは、直径4.0mm近辺のものが存在する。このような寸法の小型シリンダー型構造の振動モータの提供は、部品設計/生産技術関連の要素により大きく影響される。これら要素の中でも最も大きな要素は積層コア−の直径(金型/巻線技術)であり、またリング型マグネットの肉厚である。
現在のところ、2.7〜2.8mmまでの積層コア−が量産でき、0.4〜0.6mmまでのリング型マグネットが量産できるようになってきている。これらのことが前記直径4.0mmの小型シリンダー型構造振動モータの提供を可能にしているのである。
要するに、積み上げ的に計算すると、エアーギャップ等を考慮した時、直径4.0mmが、現在の技術では限界と言うことになる。
しかしながら、市場ではさらなる薄型化の要求や省電力化等の要求がある。
<問題3について>
定格電流の削減にあたっては、電流値を決定ずける、次の3つの大きな要素を考慮する必要がある。
(1)磁気回路に使用される内部体積の有効活用。
(2)軸受け材料のトルク損失の改善。
(3)側圧負荷による軸受のフリクション損失の増大の防止。
本発明は、前記要望に応える工夫及びその他の工夫を施した新規の振動モータ、具体的には振動量を十分確保しつつ、薄型化及び省電力化ができた新規の振動モータを提供することを目的とする。また、振動量の確保を図りながら電流値の増大を抑えるができた新規の振動モータを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明に係る振動モータは、偏心分銅を備えた電機子鉄心をマグネットの磁界内で回転させることにより振動を得る振動モータにおいて、マグネットは分割マグネットとされ、電機子鉄心はマグネットの磁束を受ける4個の第1〜第4突極が等間隔配置にしてその全周面に設けられたスロット型とされ、当該電機子鉄心の第1突極には第1電機子コイルが巻回され、前記第1突極の隣りの第2突極には第2電機子コイルが巻回され、第3突極及び第4突極は電機子コイル無しにされ、偏心分銅は電機子コイルが巻回された突極と軸方向において重なり合う配置にして備えられたものである。
さらに、第1電機子コイルの両端に結線された第1及び第2整流子片並びに第2電機子コイルの両端に結線された第3及び第4整流子片から構成されたコンミュテータと、当該コンミュテータの第1及び第2整流子片と第3及び第4整流子片とに交互に摺接して電気を供給するプラス側ブラシ及びマイナス側ブラシとが備えられたものである。
さらに、ケーシングが四角形シリンダー型にされ、電機子鉄心の支軸の両端がケーシングに支持され、当該支軸に偏心分銅が支持された状態にして当該偏心分銅がケーシング内に設けられ、偏心分銅が電機子鉄心の支軸と同電機子鉄心の側面に固定され、駆動方式が1相駆動しうるようにされたものである。
本発明の請求項1に係る振動モータは、電機子鉄心が、マグネットの磁束を受ける3個以上の突極が等間隔配置にしてその全周面に設けられたスロット型とされているので、バランスの取れた磁気回路を確保することが可能になり、安定した回転を得ることができる。また、電機子鉄心の半周以内の範囲に存する突極には電機子コイルが巻回され、半周以上の範囲に存する突極には電機子コイルを巻回されていないことによって、バランスの取れた安定状態の磁気回路を確保しつつ、振動を発生させることができる。さらに、偏心分銅は、電機子コイルが巻回された突極と軸方向において重なり合う配置にして備えられているので、電機子コイルによるアンバランスの方向を偏心分銅のアンバランス方向とを一致させることができる。これによって偏心分銅のアンバランスに電機子コイルのアンバランスが加わることとなり、振動の大きさをアップさせることができる。
請求項2に係る振動モータは、マグネットが分割マグネットとされたことを特徴とするので、外形形状の扁平化(薄型化)ができ、電磁気回路の内蔵に使用するスペースを大きくすることができ、また電機子鉄心の直径を大きくすることができる。
請求項3に係る振動モータは、電機子鉄心が4個の第1〜第4突極をもつ4スロット型とされ、当該電機子鉄心の第1突極には第1電機子コイルが巻回され、前記第1突極の隣りの第2突極には第2電機子コイルが巻回され、第3突極及び第4突極は電機子コイル無しにされ、偏心分銅は電機子コイルが巻回された突極と軸方向において重なり合う配置にして備えられたことを特徴とするので、効果的に磁気的アンバランスを抑えることができ、軸受け部分に対する側圧増加を防止できるものであって、振動量の確保及び省電力の面で優れている。
請求項4に係る振動モータは、第1電機子コイルの両端に結線された第1及び第2整流子片並びに第2電機子コイルの両端に結線された第3及び第4整流子片から構成されたコンミュテータと、当該コンミュテータの第1及び第2整流子片と第3及び第4整流子片とに交互に摺接して電気を供給するプラス側ブラシ及びマイナス側ブラシとを備えたことを特徴とするので、手間のかかる結線作業個所を少なくでき、低コスト化ができる。
請求項5に係る振動モータは、ケーシングが四角形シリンダー型にされたことを特徴とするので、当該ケーシングの平坦面を利用して携帯電話機本体の取り付け面に例えば両面接着テープ等を利用して簡単且つ容易に取り付けることができ、取り付けの簡易化/低価格化ができる。また、四角形シリンダー型の構造であるので、角部内等にはスペースが多く取れ、この部分に端子等を収納することができる。
請求項6に係る振動モータは、電機子鉄心の支軸の両端がケーシングに支持され、当該支軸に偏心分銅が支持された状態にして当該偏心分銅がケーシング内に設けられたことを特徴とするので、偏心分銅のアンバランスによる軸受部分の影響(側圧の増加)を減少させることができると共に、消費電流の削減(増加抑制)、振動量の確保、回転数のアップ、軸受け部分の信頼性のアップができる。また携帯電話機に内蔵される場合には他の内部部品との間に偏心分銅の回転スペースを確保する必要がなく、その分だけ全体の軸方向の長さを短くすることができる。
請求項7に係る振動モータは、偏心分銅が電機子鉄心の支軸と同電機子鉄心の側面に固定されたことを特徴とするので、偏心分銅が内蔵される場合には、偏心分銅と電機子鉄心との間にはギャップを設ける必要がない分だけ全体の軸方向の長さを短くすることができるのみならず前記のように偏心分銅は、電機子鉄心と一体化されているので、偏心分銅による支軸に対するひねりと、ロータの回転時の電機子コイルによる支軸に対するひねりとが同時に働き、支軸の回転がスムーズとなる利点がある。
請求項8に係る振動モータは、駆動方式が、1相駆動し得るようにされたことを特徴とするので、バランスの取れた磁気回路を確保でき、安定した回転を得ることができる。
図1〜図4は本発明の第1実施の形態に係る振動モータ1を示すものであって、図1は構成を示す概念図であり、図2は全体を示す斜視図であり、図3は図2のAーA線に沿う断面図であり、図4は図2のBーB線に沿う断面図である。尚、図1ではコミュテータと他の関係を分かりやすくするために、コミュテータを支軸の近傍ではなく、支軸から離れた外周に配置している。
前記第1実施の形態に係る振動モータ1は、ステータとしてN磁極、S磁極に磁化された一対の磁界形成用分割マグネット2、3を有し、これら磁界形成用分割マグネット2、3を当該分割マグネット2、3の磁路としても機能する四角形シリンダー型ケーシング4に収容する。
これとは別個に、ステータの内方にロータが配置される。ロータは、磁界形成用分割マグネット2、3の磁束を受ける4個の第1〜第4突極5、6、7、8を上下左右向きにもつ4スロット型の電機子鉄心9から構成され、前記第1突極5に第1電機子コイル11が巻回され、また前記第1突極5の隣りの第2突極6に第2電機子コイル12が巻回されている。当該電機子鉄心9は前記ケーシング4内に配置され、回転軸となる支軸10は軸受21、22に回転自在に支持されている。
また、前記第1電機子コイル11、第2電機子コイル12の端末を4個の第1〜第4整流子片13、14、15、16からなるコンミュテータ17に接続すると共に当該コンミュテータ17を支軸10に取り付ける。さらに、当該コンミュテータ17に摺接するプラス側ブラシ18及びマイナス側ブラシ19(図3では図示省略)を前記ケーシング4の所定の個所に固定する。
また、前記支軸10の一方端をケーシング4の外に延長し、当該延長端部に偏心分銅20を、前記第1突極5と第2突極6の間の個所とに対向する配置にして支承させる。すなわち偏心分銅20の周方向の中心と、第1突極5及び第2突極6の間隔の周方向の中心とが、軸方向に重なるようにされている。
なお、図5は、第2実施の形態に係る振動モータ24を示す。この第2実施の形態に係る振動モータ24は、偏心分銅20の取り付け個所に工夫を施したものである。すなわち、当該偏心分銅20がケーシング4内になるように構成したものである。したがって、その詳細な説明は、前記第1実施の形態の振動モータ1と同じ部位に同一の符号を付して省略する。
前記実施の形態に係る振動モータ1、24は、ニーズに応えるために、次のような事由にしたがって実施されている。
製造可能性を考慮した場合、電機子鉄心(積層コアー)9の直径(巻き線技術に関係)、ノイズフィルター23の直径を単純に小さくすれば小型化が可能であるとは限らなく、寧ろできないことが多いので、前記実施の形態に係る振動モータ1、24は、前記電機子鉄心9の直径(巻き線技術に関係)、ノイズフィルターの直径寸法を変更することを選択せずに分割マグネットの構造(形状)の方すなわちマグネットの直径方向の寸法を小さくする方を選択し、これにより有効性を得るようにした。この選択の根拠は、市場からの振動モータの形状に対する要求の中で、薄く/短くは重要視されるが、幅方向に関しては、比較的許容度があることを考慮して、リング型マグネットの両側を切除したような外形(図1参照)になる分割マグネットによる構成の方を採択した。
つまり、逆に考えると、電機子鉄心(積層コアー)の直径を所謂そのままの寸法にした状態で分割マグネットを採用することで、電機子鉄心(積層コアー)の直径を市場の要求から来る限られた寸法の中で、最大にすることができたことを意味している。
振動量が仕様によって決定されるために小型/薄型になってしまった分、分銅の大きさも質量も重心の位置も従来製品との対比において所謂不利な方になってしまうが、この不利になった減少分は次の2つの方法として、カバーできる。
* 従来知られている製品には、その回転数をアップさせると、軸受に加わる側圧が増大して消費電流の損失が大きくなるため、単純には回転数をアップさせることができない不都合があったが、前記実施の形態に係る振動モータ24は、分銅をモータに内蔵させることで分銅のアンバランスによる軸受への損失を回転部分の両側に配分することにより、消費電流の削減/回転数のアップ/軸受の信頼性のアップを達成するようにした。
* 分銅を外付けにした場合には、分銅とケーシングとのギャップ/分銅と携帯電話の内部構成部品との間の2つのギャップ管理が必要であるが、分銅内蔵タイプの振動モータ24は、モータ内部での、分銅とケーシングとのギャップ管理のみでよく有利である。
さらに、前記実施の形態に係る振動モータ1、24は、前記の通り分割マグネットを利用してあるので、周知のリング型マグネットを利用した振動モータに比較して、その肉厚寸法分だけ電機子鉄心の直径を結果として大きくでき、その分、電磁気回路の形成に使用できる利点があり、内部スペースを有効に活用することができる。
また、前記実施の形態に係る振動モータ1、24は、4スロット/2コイル構造とすると共に2つの突極のみに巻き線を巻回してアンバランス状態を確保するようにしたので、このアンバランスの方向を分銅のアンバランスの方向に一致させ、分銅の質量減少分を補うことができる。
また、前記実施の形態に係る振動モータ1、24は、4スロット構造としたので、3相で巻き線を減少させる場合のように磁気偏心(磁気的アンバランス)が発生して回転中の磁気的側圧増加になることがないものであって、側圧増加を防ぐことができ、軸受部分のフリクション損失の減少を達成することができ、軸受の信頼性を向上させることができる。しかも線積率が、3スロットに比較して4スロットの方が大きくできるので、有利である。
また、一般に巻き線の結線には、通常、巻線の束ね処理/巻線の皮膜剥がし/半田付け/切断という一連の非常に手間のかかる接続作業が必要であるが、前記本発明の実施の形態に係る振動モータ1、24は、当該接続作業個所が、2コイルの両端の合計4個所のみであるので、コモン結線(Y結線)作業個所、6結線(デルタ結線)作業個所等を必要とする3相の場合に比較してコスト的に有利である。
また、分割マグネットにて4スロット構造を実施するためには、以下の3つの条件が必要である。
* 量産性を考慮した時の磁気回路上のマグネット角度がマグネットのエッジの形状により決定されるので、設計をする時には、このマグネット角度を考慮しなければならない。このマグネットのエッジは量産上0.3mmが必要である。
* 積層コア−の先端角度は、あまり大きいと、巻線を巻くことができなくなるので、生産技術上の可能な範囲に限界がある。経験上ではスロット角度は75度程度が限界である。
* 積層コア−の先端角度は、2つの分割マグネットの間隔の角度よりも大きいこと。
次に、第3実施の形態に係る振動モータ31を図6〜図9を参照しながら説明する。なお、第1実施の形態と同一部材には同一符号を付すと共に、その説明を簡略または省略する。
この振動モータ31は、ステータとして、N磁極、S磁極に磁化された一対の磁界形成用分割マグネット2、3を有する。一方の磁界形成用分割マグネット2は、図7に示すように、ロータと対向する円弧状部32と、マグネットの欠けを防ぐため細くなる部分をカットすることで生じた2つのカット部33、33を有する柱状体とされている。他方の磁界形成用分割マグネット3も、円弧状部32と、カット部33、33とを有する柱状体とされている。これら2つの磁界形成用分割マグネット2、3は、同一形状で180度対称に配置されている。
この実施の形態では、カット部33の幅W1は0.3mmとされている。磁界形成用分割マグネット2、3の軸方向長さにもよるが、カット部33の幅W1を0.3mmより小さくすると、カット部33が欠け易くなり、好ましくない。また、この実施の形態では、軸方向長さL1が12.5mmで、高さ方向寸法L2が3.2mmで、幅方向寸法L3が5.0mmとなっている。そして、磁界形成用分割マグネット2、3の断面で最も狭くなる狭小部寸法W2は0.9mmとされている。また、円弧状部32の角度であるマグネット角度φ1は105度となっており、マグネット間角度φ2は75度となっている。
ステータに囲まれるようにして配置されるロータは、4個の同形状の第1突極5、第2突極6、第3突極7、第4突極8が均等間隔に配置される電機子鉄心9と、第1突極5および第2突極6に巻回される第1、第2電機子コイル11、12とから構成される。なお、図7、図8では電機子コイル11、12を省略している。
電機子鉄心9は、4つの突極5、6、7、8を有する鋼板からなる薄板が軸方向に積層された積層コアーとして形成されている。電機子鉄心9の突極角度φ3は75度とされ、突極間角度φ4は30度とされている。突極角度φ3は、マグネット間角度φ2以上、すなわち、φ1+φ3≧180度とするのがモータの起動上好ましい。これは、次の理由による。分割マグネットは、円周内においてマグネットが存在していない部分が生じるが、この部分の影響が出ると、回転中に非常にトルクの弱い部分が発生する。これは完全なデッドポイントでは無いので、回転機能上の支障は出ないが、起動時に問題が発生するリスクがある。このリスクを避けるためφ3≧φ2とするのが好ましい。
突極間角度φ4は30度以上が好ましい。これは30度より小さくすると電機子コイル11、12を第1突極5、第2突極6に巻回するとき、巻線作業の生産性が非常に落ちるためである。突極間角度φ4は、60度程度が好ましいが、30度でも生産性はそれ程落ちない。これらの点を考えると、90度>φ3であるが、75度≧φ3が好ましいと言える。なお、電機子鉄心9のコア直径φ5は2.7mmとされている。四角形筒状体43と電機子鉄心9との最小距離W3は、0.1mmとされている。
電機子鉄心9は、回転軸となる支軸10に固定され、支軸10と共に回転する。支軸10には、コンミュテータ17、偏心分銅20、ノイズフィルター23が支軸10と一体回転するよう取り付けられている。支軸10の両端は、円筒状の軸受21、22によって回転自在に支持されている。軸受21は、端部ケース41によって保持され、軸受22は、もう一方の端部ケース42によって保持されている。端部ケース41、42の外周の段部にはまるように四角形筒状体43が設置されて、四角形シリンダー型ケーシング4が構成されている。
この四角形筒状体43の外周の一部が切り欠かれ、2つの窓部44とされている。この窓部44は、ノイズフィルター23として大きめなものを使用したいときに、ノイズフィルター23と衝突しないようにするための逃がし部となっている。この実施の形態では、円板状のノイズフィルター23の直径は3.0mmとなっている。また、この窓部44は、偏心分銅20がどの位置にあるかを確認するためにも使用される。偏心分銅20の位置は、後述するように、第1、第2電機子コイル11、12と対応するように配置されるので、第1、第2電機子コイル11、12を見れば、偏心分銅20がどの位置にあるかを確認できる。
偏心分銅20は、図8に示すように、軸方向断面で扇形をしており、図6に示すように電機子鉄心9側に固定されている。この固定のために、偏心分銅20には後述する接着剤53の流出を防止する係合部51、51が設けられると共に、支軸10を囲むように支軸係合部52が設けられている。偏心分銅20と電機子鉄心9との間には、偏心分銅20を固定するための接着材53が充填されている。この接着剤53は係合部51によって流出しないようにされている。
図8に示すように偏心分銅20の周方向の中心M1は、第1突極5と第2突極6との周方向の中間位置M2と、同一位置となるようにされている。この実施の形態では、偏心分銅20の周方向の広がり角度φ6は105度とされている。この角度は振動発生のために45〜180度が好ましく、60〜140度がさらに好ましい。最も好ましいのは90〜130度である。なお、高速回転(12、000rpm以上)の際は80〜100度が好ましく、低速回転(10、000rpm以下)は110〜130度が好ましい。高速回転でも電流値を落とさない工夫をすれば110〜130度が好ましい。また、偏心分銅20の周方向の中心M1と、第1、第2突極5、6間の周方向の中心位置M2とは、一致させるのが好ましいが、45度ほどずれても振動の面で効果を有する。しかし、このずれ角度は、30度未満が好ましく、10度未満がさらに好ましい。
偏心分銅20は、電機子鉄心9と一体化されているため、偏心分銅20による支軸10に対するひねりと、ロータの回転時の第1、第2電機子コイル11、12による支軸10に対するひねりとが、同時に働き、支軸10の回転がスムーズとなる。偏心分銅20を電機子鉄心9に固定せず、支軸10にのみ固定するようにしても良いが、好ましくは、電機子鉄心9と一体化させるのが良い。
偏心分銅20は、非磁性体が好ましいが、磁性体としても良い。非磁性体としては、タングステンや銅等が上げられる。この実施の形態では、タングステンの粉とアルミシリコンの粉を混ぜ合わせている。偏心分銅20は、支軸10用の貫通孔を有する形状に成型される。組み立て時は、偏心分銅20の貫通孔に支軸10を圧入またはさし込み、偏心分銅20を電機子鉄心9および第1、第2電機子コイル11、12に接着剤53で固定する。
コンミュテータ17は、ブラシ(図示省略)が摺接するものであり、電気的に周方向に4分割されており(第1〜第4整流子片13、14、15、16)、対角位置にある2つの整流子片にブラシ18、19のプラス側(一方側)とマイナス側(他方側)が当接することで第1、第2電機子コイル11、12に電流が流れることとなる。この振動モータ31は、4極2相型であり、1相駆動される。
この駆動方式では、振動モータ31は次のように動作する。たとえば、整流子片14、16にブラシ18、19が接触し、第1電機子コイル11に電流が一方方向に流されると、第1突極5がN極に、第1突極5と対角位置になる第3突極7がS極に励磁される。その後、ロータが回転し、ブラシ18、19に当接する整流子片がそれぞれ隣のもの、すなわち整流子片15、17となると、第2電機子コイル12に電流が一方方向に流れる。すると、第2突極6がN極に、第4突極8がS極に励磁される。さらに、ロータが回転すると、ブラシ18、19に当接する整流子片は整流子片は14、15であるが、最初のときとは逆の関係になるため、第1電機子コイル11に他方方向の電流が流れることとなり、第1突極5がS極に、第3突極7がN極にそれぞれ励磁される。さらに、ロータが回転すると、ブラシ18、19に当接する整流子片は第2番目の状態と逆になり、第2電機子コイル12には、他方方向の電流が流れる。そのため、第2突極6がS極に、第4突極8がN極に励磁されることとなる。さらに、ロータが回転すると、最初の状態に戻り、以上のことが繰り返される。
以上のような駆動方法を磁界形成用分割マグネット2、3との関係において説明する。図9は、その関係を示す図である。
図9において、0度のときは第1電機子コイル11に電流が流され始める状態を示している。このとき、第1突極5はN極に、第3突極7がS極に励磁され、第1突極5は、N極の磁界形成用分割マグネット2と反発すると共にS極の磁界形成用分割マグネット3に吸引され図9で左方向に移動していく。一方、第3突極7は、S極の磁界形成用分割マグネット3と反発すると共にN極の磁界形成用分割マグネット2に吸引され、同様に図9において左方向に移動していく。
90度の位置にロータが来ると、第1電機子コイル11への電流は無くなり、第2電機子コイル12へ電流が流される。これにより第2突極6はN極に、第4突極8はS極に励磁される。すると、第2突極6はN極の磁界形成用分割マグネット2と反発すると共にS極の磁界形成用分割マグネット3に吸引され図9で左方向に移動していく。一方、第4突極8は、S極の磁界形成用分割マグネット3と反発すると共にN極の磁界形成用分割マグネット2に吸引され、同様に図9において左方向に移動していく。
以後、180度のとき、270度のときも同様な原理でロータは回転する。すなわち、図9では各突極は左方向に移動していく。そして、360度の所では、0度のときと同じ状態となり、ロータは1回転したこととなる。この後も、ロータは上述した原理で回転していく。
この振動モータ31は、支軸10の両端が軸受21、22で支持されており、偏心分銅20が軸受21、22の間に配置されている。この構成は、次のような3つの利点を有する。
第1の利点は、軸受け部分に対する側圧の増加抑止である。偏心分銅20が図2に示すような外付けの場合、回転数がアップすることにより軸受部分に加わる側圧が増加し、電流がアップし、消費電流の損失が大きくなるばかりでなく、回転数をアップさせることの障害となる。それに対し、偏心分銅20を軸受21、22の間に入れる構造とすることで、偏心分銅20のアンバランスによる軸受部分の影響(側圧の増加)を減少させることができる。このため、消費電流の削減(増加抑制)、回転数のアップ、軸受部分の信頼性のアップが達成される。
第2の利点は、次のとおりである。偏心分銅20が振動モータ31の四角形筒状体43等の内部に配置される場合、振動モータ31の軸方向の長さの面で有利となる。すなわち、軸方向の長さを短くできる。偏心分銅20が外付け(図2参照)の場合、偏心分銅20とケース(角形ケーシング4)とのギャップg1と、偏心分銅20とこの振動モータ31が内蔵される携帯電話機の他の内部部品とのギャップg2とが必要となる。このギャップg2は、偏心分銅20が回転するためどうしても必要となるもので、回転しないものである場合は、零でも良い場合がある。
偏心分銅20が内蔵される場合は、モータ内部での、偏心分銅20とモータ内部での他の部品とのギャップのみで良くなる。そのギャップも、偏心分銅20の電機子鉄心9側には不要であり、軸受21側のギャップg3のみ必要となる。この軸受21側のギャップg3は、元々、電機子鉄心9と軸受21側との間に必要とされたギャップであり、偏心分銅20の追加によって軸方向に長くなる長さは、偏心分銅20の長さのみとなる。
このように、この第3実施の形態の振動モータ31では、外付けのモータ、たとえば、第1実施の形態の振動モータ1に比べ、振動モータを取り付ける場合のスペースとしては、振動モータ1がg1+g2だけ振動モータ31に比べ大きくなる。また、偏心分銅20を電機子鉄心9に固定しないようにした場合であっても、振動モータ1はギャップg2分だけスペースを必要とする。
第3の利点は、ギャップg1、g2の管理が不要となる点である。ギャップg3の管理は必要であるが、これは、元々、振動モータ31にとって電機子鉄心9を配置するに当たり必要としていたギャップであり、管理すべきギャップの数としては増える訳ではない。
この第3実施の形態の振動モータ31は、第1及び第2実施の形態の振動モータ1、24と同様に、分割マグネット構造を採用している。このため次のような利点を有する。
すなわち、利点の第1は、モータ形状を扁平化できることである。同じ大きさの電機子鉄心9やノイズフィルター23を使用した場合、分割マグネット構造は、リング型のマグネットを使用した場合に比べ数%〜数10%薄型化できる。特に、振動モータの分野では、軸方向長さL1、高さ方向寸法L2は、より小さくすることを要求されているが、幅方向寸法L3は、L1、L2に比べ、小さくする要求がそれほど強くなく、その長さに関しては比較的に自由度がある。このため、分割マグネット構造は、振動モータの分野には好適なものとなる。
利点の第2は、電磁気回路に使用する内部スペースを大きくできる点である。リングマグネットの場合と比較すると、分割マグネットの場合は、電機子鉄心9の直径を大きくすることができ、結果として電磁気回路に使用する内部スペースを大きくできる。その結果、強力なモータを形成することができることとなる。
利点の第3は、利点の第2に付随するのであるが、電機子鉄心9の直径を大きくできるため、第1、第2電機子コイル11、12の重心位置の半径距離を長くすることができる。この結果、慣性エネルギーが増大し、振動量が大きくなる。
また、振動モータ31は、振動モータ1、24と同様に、4極4スロット2巻線型で、1相駆動のモータとしているので、4つの突極すべてに巻線が施され、1相駆動されるモータと同じように、バランスの取れた磁気回路となり、安定した回転が得られる。振動モータ1、24、31が、ステータが2極で4突極(4スロット)の通常のモータと異なる点は、2つの突極のみに巻線がなされていることであり、こうすることによって、磁気回路としては安定させつつ、振動を発生させることができる。しかも、振動モ−タ1、24、31では、電機子コイル11、12によるアンバランスの方向を偏心分銅20のアンバランス方向とを一致させているため、偏心分銅20のアンバランスに電機子コイル11、12のアンバランスが加わることとなり、振動の大きさをアップさせることができる。また、偏心分銅20を小型化しても、従来と同様の振動力を得ることができる。
また、分割マグネットを採用しつつ3極構造のモータを採用すると、分割マグネットと磁化されていないロータとの間で働く磁気力が、左右上下対称とはならず、磁気的にはアンバランスとなる。この磁気的アンバランスは、軸受部分に対する側圧増加になる。これに対し、4極構造のモータは、分割マグネットであっても磁気的アンバランスは抑えられるので、軸受部分に対する側圧増加を防止できる。
3極構造のモータを振動モータに採用しても良いが、巻線にアンバランスをもたせると、回転中の電気抵抗値が相によって異なることとなり、回転力の変動が発生するデメリットが生じる。また、4極、すなわち4スロット構造の方が、3極構造の場合に比べ、巻線コイルの線積率を大きくすることができ、この面でも4極構造の方が有利となる。また、2相モータの場合、ノイズフィルター23は、第1、第2電機子コイル11、12とコンミュテータ17との間、すなわち2ヶ所のみでよいのに比べ、3相モータではノイズフィルターは3ヶ所必要となる。また、2相モータの場合、コンミュテータ17の4つの整流子片13〜16に2つの電機子コイル11、12の各端末(計4つ)を1対1の関係で接続すればよく、構成が簡単となる。
以上の構造、すなわち、分銅内蔵型で分割マグネット型で4極2巻線型の振動モータの場合、振動量の確保(増大)が可能となると共に、省電力化が可能となる。また、分割マグネット型の場合、上述の効果に加え、さらに薄型化が可能になるという効果を有する。
次に、この振動モータ31を携帯電話機の内部に設置する場合について、図10および図11を参照しながら説明する。
振動モータ31の周囲にゴムからできたゴムケース61を配置する。ゴムケース61は、振動モータ31の端部ケース41、42の軸方向端面以外、すなわち、振動モータ31の両端の側面以外を覆うものである。ただし、振動モータ31が取り付けられるときの底部となる側が軸方向全体に切り欠かれており、切り欠き部62となっている。また、振動モータ31の窓部44、44に対応する位置は、厚さが薄くされた薄肉部63とされている。これは、ノイズフィルター23との接触を確実に回避するためである。
次に、第4実施の形態の振動モータ71を、図12および図13を参照しながら説明する。なお、第1から第3実施の形態における部材と同一部材または同種部材には同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
この振動モータ71は、第1実施の形態の振動モータ1と同様に、いわゆる偏心分銅が外付けのモータである。この振動モータ71は、軸方向の長さL1が10mmで、高さ方向寸法L2が4.0mmで、幅方向寸法L3が5.0mmとなっている。また、モータ自体の長さL4が6.0mmで、電機子鉄心9の軸方向長さL5が2.0mmとなっている。また、ゴムケース61を含めた軸方向寸法L6が6.0mmとされている。
この振動モータ71は、ケースも兼ねる軸受72、73に支軸10が回転自在に支持されている。支軸10には、電機子鉄心9と、平板型のコンミュテータ74と、偏心分銅20が支軸10と共に一体回転するよう取り付けられている。ノイズフィルターは図示されていないが、チップ型のバリスタがコンミュテータ74に設置されており、ノイズフィルターの役割を果たしている。
振動モータ71は、振動モータ1、24、31と同様に、N極、S極に着磁された分割型のマグネット(図示省略)を使用し、突極数は4個で、巻線はその中の隣接する2つのみにされている。巻線が施されている位置と偏心分銅20が取り付けられている位置とは、周方向で同一位置となっている。偏心分銅20の径方向距離L7は、ゴムケース61を含めた高さ方向寸法L8の半分となっている。径方向距離L7は、L2/2≦L7≦L8/2となる範囲が振動発生力と他の部材との衝突防止の面では好ましい。しかし、他の部材とのギャップを大きくできれば、L7>L8/2としても良い。偏心分銅20の広がり角度φ5は、150度とされているが、他の値としても良い。
以上の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更実施可能である。たとえば、上述の各実施の形態では分割マグネット構造の例を示したが、薄型化をそれほど要求されないときは、通常のリング型マグネットを使用しても良い。リング型マグネットとし、4極2巻線で偏心分銅20を巻線位置へ対応させる構成としたり、リング型マグネットとし、分銅内蔵型の構造としても良い。
すなわち、4極2巻線で巻線位置を偏心分銅20に合わせる構成は、その構成のみで振動量の確保や省電力の面で効果があり、この構成のみを採用しても良い。この構成だけでも従来構成に比し優位性を生ずる。また、分銅内蔵型、特に偏心分銅20を電機子鉄心9等の部材に固定する構成は、この構成のみで、省電力、振動量確保、小型化の面で効果があり、この構成だけを採用しても良い。
また、リング型マグネットを採用し、4極2巻線で巻線位置を偏心分銅20に合わせる構成と分銅内蔵型(特に分銅密着内蔵型)の構成を共に採用した構成にしても良い。この場合、薄型化の面で分割マグネットの場合より劣ることとなるが、他の面では分割マグネットと同様な効果を持つこととなる。リング型マグネットを採用した場合、振動モータのケースを断面四角形のシリンダー型ケース(四角形シリンダー型のケーシング4に相当するもの)にする必要はないが、リング型マグネットの場合でも四角形シリンダー型ケースとしても良い。
また、上述の各実施の形態では、ノイズフィルターを有するものとしているが、ブラシレスモータとする場合やノイズがそれほど生じない場合等においては、ノイズフィルターを使用しないようにしても良い。また、上述の各実施の形態ではコンミュテータ17を使用するブラシ付きモータとしているが、コンミュテータ17を使用しないブラシレスモータとしても良い。
また、上述の各実施の形態では、ステータを2極のマグネットで、ロータは、4つの突極で2相となるモータ構成で、しかも1相駆動する例を示したが、2相駆動としても良い。また、ステータを2極の分割マグネット(磁界形成用分割マグネット2、3に相当するもの)とし、ロータを6極(6スロット)とし、6個の突極のうち、隣接する3つの突極にのみ巻線を施し、1相駆動するようにしても良い。また、リング型マグネットを採用したときは、4極のマグネットで、ロータは8つの突極で4相となるモータ構成で、1相駆動としたり、2相駆動としたりしても良い。さらに、磁気的アンバランスをさほど考慮しなくても良いときは、突極が3つ、すなわちスロットが3つの3相モータとしても良い。3相モータの場合、巻線を同一のものとしても良いが、ロータ自体にアンバランスを持たせるためには、各突極に巻回されるコイルの量を異ならせる必要がある。
また、マグネット角度φ1は、105度の例を第3実施の形態で示したが、このマグネット角度φ1は、カット部33の幅が0.3mmより小さくできたり、四角形筒状体43の厚みをさらに薄くできればさらに大きくできる。また、ロータの径、すなわち、電機子鉄心9のコア直径φ5を小さくしたり、高さ方向寸法L2を大きくすれば、マグネット角度φ1を大きくできる。しかし、突極角度φ3を最大で75度とした場合、マグネット角度φ1は105度が最小となる。これを図で表すと、図14に示すとおりとなる。
図14は、マグネット角度φ1と突極角度φ3の関係を示すもので、斜線を施した領域が好ましいモータの製造可能領域となる。図14の符号Pで示す値は、図7で示す振動モータ31の場合を示し、コア直径φ5が2.7mm、カット部33の幅が0.3mm、高さ方向寸法L2が3.2mm(磁界形成用分割マグネット2、3の高さ方向寸法が2.9mm)のときに、マグネット角度φ1が105度となり、突極角度φ3が75度となる状態を示している。換言すれば、高さ方向寸法L2が3.2mm(磁界形成用分割マグネット2、3の高さ方向寸法が2.9mm)のときに、ぎりぎり、マグネット角度φ1と突極角度φ3の条件を満たすこととなる。
また、振動モータ1、24、31、71では、携帯電話機やポケットベルに使用する例を示したが、その他の移動性通信機器や目覚まし時計、各種の携帯装置等、振動によって知らせたり、その他の機能を行わせたりする全ての装置に適用できる。
本発明は、前記したように、専用のゴムケースを利用して電話機本体に固定でき、ノイズフィルターを外付けにすることができ、固体潤滑油付き軸受を採用することができる。また、ケーシングを丸型して実施することが可能であり、3スロットの電機子を採用して実施することが可能であり、積層コアの積み厚を増やすために平面構造のコンミュテータを採用して実施することが可能である。
本発明の第1実施の形態に係る振動モータの要部構成を示す概略図である。 図1の振動モータの外観を示す斜視図である。 図2のAーA線に沿う断面図である。 図2のBーB線に沿う断面図である。 本発明の第2実施の形態に係る振動モータを示す断面図である。 本発明の第3実施の形態に係る振動モータを示す断面図である。 図6のCーC線に沿う断面図である。 偏心分銅の取付け部を示す部分断面図である。 図6の振動モータ中の電機子コイルに電流が流された時の磁界形成用分割マグネットと各突極との関係を示す説明図である。 図6の振動モータにゴムケースを配置した状態を示す断面図である。 図6の振動モータにゴムケースを配置した状態の端面図である。 本発明の第4実施の形態に係る振動モータを示す断面図である。 図12の振動モータの端面図である。 各実施の形態におけるマグネット角度と突極角度の好ましい関係を示す説明図である。
符号の説明
1 第1実施の形態に係る振動モータ
2 磁界形成用分割マグネット
3 磁界形成用分割マグネット
4 四角形シリンダー型ケーシング
5 第1突極
6 第2突極
7 第3突極
8 第4突極
9 4スロット型の電機子鉄心
10 支軸
11 第1電機子コイル
12 第2電機子コイル
13 第1整流子片
14 第2整流子片
15 第3整流子片
16 第4整流子片
17 コンミュテータ
18 プラス側ブラシ
19 マイナス側ブラシ
20 偏心分銅
21 軸受
22 軸受
23 ノイズフィルター
24 第2実施の形態に係る振動モータ
31 第3実施の形態に係る振動モータ
32 円弧状部
33 カット部
41 端部ケース
42 端部ケース
43 四角形筒状体
44 窓部
53 接着材
61 ゴムケース
62 切り欠き部
63 薄肉部
71 第4実施の形態に係る振動モータ
72 軸受
73 軸受
74 コンミュテータ

Claims (8)

  1. 偏心分銅を備えた電機子鉄心をマグネットの磁界内で回転させることにより振動を得る振動モータにおいて、前記電機子鉄心は前記マグネットの磁束を受ける3個以上の突極が等間隔配置にしてその全周面に設けられたスロット型とされ、当該電機子鉄心の半周以内の範囲に存する突極は電機子コイルが巻回され、半周以上の範囲に存する突極は電機子コイル無しにされ、また前記偏心分銅は前記電機子コイルが巻回された突極と軸方向において重なり合う配置にして備えられたことを特徴とする振動モータ。
  2. 前記マグネットが分割マグネットとされたことを特徴とする請求項1記載の振動モータ。
  3. 前記電機子鉄心は4個の第1〜第4突極をもつ4スロット型とされ、当該電機子鉄心の第1突極には第1電機子コイルが巻回され、前記第1突極の隣りの第2突極には第2電機子コイルが巻回され、第3突極及び第4突極は電機子コイル無しにされたことを特徴とする請求項1または2記載の振動モータ。
  4. 前記第1電機子コイルの両端に結線された第1及び第2整流子片並びに前記第2電機子コイルの両端に結線された第3及び第4整流子片から構成されたコンミュテータと、当該コンミュテータの第1及び第2整流子片と第3及び第4整流子片とに交互に摺接して電気を供給するプラス側ブラシ及びマイナス側ブラシとを備えたことを特徴とする請求項3記載の振動モータ。
  5. 前記電機子鉄心と前記マグネットを覆うケーシングを四角形シリンダー型にしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の振動モータ。
  6. 前記電機子鉄心の支軸の両端が前記電機子鉄心と前記マグネットを覆うケーシングに支持され、当該支軸に前記偏心分銅が支持された状態にして当該偏心分銅が前記ケーシング内に設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の振動モータ。
  7. 前記偏心分銅が前記電機子鉄心の支軸と前記電機子鉄心の側面に固定されたことを特徴とする請求項6記載の振動モータ。
  8. 駆動方式が、1相駆動しうるようにされたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の振動モータ。
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