JP2002186902A - 直流モータ及びその電機子構造 - Google Patents

直流モータ及びその電機子構造

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JP2002186902A JP2000373386A JP2000373386A JP2002186902A JP 2002186902 A JP2002186902 A JP 2002186902A JP 2000373386 A JP2000373386 A JP 2000373386A JP 2000373386 A JP2000373386 A JP 2000373386A JP 2002186902 A JP2002186902 A JP 2002186902A
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実 真清
Sadatoshi Uno
禎倫 宇野
Takeshi Usuda
岳史 薄田
Toshiyuki Ogawa
俊之 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一層の小型化及び軽量化を図りつつ、十分な
振動が得られる直流モータを提供する。 【解決手段】 直流振動モータは、固定子1と、この固
定子1に回転自在に装着された回転子2と、回転子2を
密閉する円筒状のカバー3とにより構成されている。固
定子1は、環状に配置されて軸方向に着磁された4つの
永久磁石12を有する。回転子2は、回転軸21の周方
向の一部に偏心固定された電機子22を備える。電機子
22は、同軸巻回された第1のコイル24及び第2のコ
イル25からなる。また、第1及び第2のコイル24,
25が固定子1の磁極位置の真正面となる位置よりもず
れた位置で静止するように静止位置を規定する磁性体か
らなるピン28を備える。コイル24,25には、回転
方向に6分割された整流子23と90度の空間位相角を
もって配列されたブラシ14,15とにより電流が供給
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話の着信振
動発生装置等に使用される直流振動モータ等に適用さ
れ、特に小型化に適した直流モータ及びその電機子構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】小型の無線電話呼び出し装置や携帯電話
等に利用される偏平型直流振動モータとして、従来よ
り、例えば図15に示すように、回転子を偏心構造とし
たものが知られている(特開平6−205565号)。
この振動モータは、環状に配置されて軸方向に着磁され
た4つの永久磁石101からなる固定子102と、この
固定子102の永久磁石101と軸方向に対向する電機
子103を備えた回転子104とからなり、回転子10
4の電機子103が、電流が供給される3つのコイル1
05を周方向に近接配置させて全体が扇状となるように
構成することにより、回転子104を偏心構造としたも
のである。
【0003】これら3つのコイル105に整流子106
を介して電流が供給されると、その電流の向きと永久磁
石101からの磁力線の向きとによってフレミングの左
手の法則により回転子104の回転方向が決定される。
整流子106を介した電流は、2つ以上のコイル105
に同時に供給され、少なくともそのうちの2つのコイル
105は他のコイル105の影響より勝るため、回転子
104の停止位置に拘わらず、再起動が可能となる。
【0004】このように3つのコイル105を回転子1
04の一方に偏らせた配置とすることで、回転子104
が回転すると偏荷重により振動を発生する。このような
3コイルモータでは、2つのコイルに流れる電流の向き
が違う時でも、これらのコイルと相対する磁石の磁力方
向が異なるように3つのコイルを配置することで、起動
の方向を等しくすることができ、これにより回転子10
4の静止位置に拘わらずモータ起動を可能にすることが
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、携帯電話の
普及に伴い、電車内等での着信振動を携帯電話本体では
なく、いつも身につけている腕時計等で感じることがで
きるように、従来よりも更に小型の直流振動モータが望
まれている。しかし、上述した従来の偏平型直流振動モ
ータでは、周方向の一箇所に集中させるとは言うもの
の、三相コイルを周方向に並べて配置するので、回転子
は、周方向にある程度大きくならざるを得ず、大きな偏
心効果が得られないことから、人の身体に感じられる振
動の強さにも限界があった。このため、これまでに市販
されているこの種の振動モータの外径を小型化しようと
すると、振動モータとしての機能を十分に達成できない
という問題があった。
【0006】そこで、小型でより高い偏心効果を得るた
め、例えば図16に示すように、回転子201の電機子
202を、1又は2個のコイル203で構成した偏心直
流振動モータも提案されている(特開平10−3369
83号)。このモータでは、整流子203が周方向に4
分割され、対向する整流子分割体同士を共通接続すると
共に、隣接する整流子分割体にそれぞれコイル203の
始端と終端とを接続し、90°配列されたブラシを経由
して整流子分割体に電流を供給する。回転子201が回
転すると、回転角度90°毎にコイル203に流れる電
流の向きが反転し、コイル203と対向する永久磁石1
01のN/S極の吸引、反発作用と、コイル203の磁
気力とで回転子201が回転を持続する。
【0007】しかし、1コイル型のモータでは、コイル
203に流れる電流の向きが切り換わる点で、隣接する
整流子分割体がブラシによって瞬間的に短絡される機構
となっており、この場合、電源ショートになる。従っ
て、このような電源ショートを生じさせないように、ブ
ラシが何れの整流子にも接続されない無通電デッドポイ
ントを設けるようにしている。ところが、このデッドポ
イントで回転子201が停止した場合、次の回転時にコ
イル203に電流が流れないため、起動不能になる。そ
こで、このデッドポイントでの回転子の停止を防止し
て、確実な起動を確保するため、電機子202の一部に
静止位置を規定する磁性体の鉄ピン205を設けるよう
にしている。
【0008】しかし、鉄ピンによる起動位置規定を行う
としても、鉄ピンの存在自体が回転負荷となるうえ、ブ
ラシと整流子との間の経年的な接触摩擦抵抗の増加によ
り、この摩擦抵抗が鉄ピンと永久磁石との間の磁気力に
よる正規の静止位置への復帰力に勝ってしまうと、結
局、回転子は、デッドポイントで静止してしまうことに
なる。また、摩擦力よりも充分大きな磁気力が得られる
ように鉄ピンを配置すると、今度は回転子を始動させよ
うとするコイルの磁気力が鉄ピンと永久磁石との磁気力
を下回り、起動不能という事態を招来する。このため、
磁性体のピンにより静止位置へ規定させる方式では、磁
性体のピンやその配置の設定が難しいという問題があ
る。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、より一層の小型化及び軽量化を図
りつつ、十分な振動が得られ、しかもデッドポイントに
よる起動不能が発生することがない直流モータ及びその
電機子構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の直流
モータは、周方向の複数箇所に磁極を持つように軸方向
着磁された環状の又は環状に配置された永久磁石からな
る固定子と、この固定子に対して回転自在に設けられ前
記永久磁石の磁極面と対向する電機子が回転軸に偏心固
定された回転子と、この回転子の回転に伴って前記電機
子に極性が順次反転する電流を供給する電流路を形成す
る整流子及びブラシからなる電流路形成手段とを有する
直流モータにおいて、前記電機子が、空間位相が等しく
なるように配置された第1のコイル及び第2のコイルを
備え、前記電流路形成手段が、前記第1のコイル及び第
2のコイルに電気的位相を異ならせて電流を供給するも
のであることを特徴とする。
【0011】また、本発明に係る第1の直流モータの電
機子構造は、周方向の複数箇所に磁極を持つように軸方
向着磁された環状の又は環状に配置された永久磁石から
なる固定子に対して、回転子を回転自在に設けると共
に、前記回転子の前記永久磁石の磁極面と対向する電機
子が回転軸に偏心固定され、前記回転子の回転に伴って
前記電機子に極性が順次反転する電流を供給する電流路
を整流子及びブラシからなる電流路形成手段で形成した
直流モータにおける電機子構造において、空間位相が等
しくなるように配置された第1のコイル及び第2のコイ
ルを備え、これら第1のコイル及び第2のコイルが前記
電流路形成手段によって電気的位相を異ならせて電流を
それぞれ供給されるものであることを特徴とする。
【0012】本発明に係る第2の直流モータは、周方向
の複数箇所に磁極を持つように軸方向着磁された環状の
又は環状に配置された永久磁石からなる固定子と、この
固定子に対して回転自在に設けられ前記永久磁石の磁極
面と対向する電機子が回転軸に偏心固定された回転子
と、この回転子の回転に伴って前記電機子に極性が順次
反転する電流を供給する電流路を形成する整流子及びブ
ラシからなる電流路形成手段とを有する直流モータにお
いて、前記電機子は、空間位相が等しくなるように配置
された第1のコイル及び第2のコイルと、これら第1及
び第2のコイルと回転方向に隣接するように配置された
第3のコイルとを備え、前記電流路形成手段は、前記第
1乃至第3のコイルに電気的位相を異ならせて電流をそ
れぞれ供給するものであることを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る第2の直流モータの電
機子構造は、周方向の複数箇所に磁極を持つように軸方
向着磁された環状の又は環状に配置された永久磁石から
なる固定子に対して、回転子を回転自在に設けると共
に、前記回転子の前記永久磁石の磁極面と対向する電機
子が回転軸に偏心固定され、前記回転子の回転に伴って
前記電機子に極性が順次反転する電流を供給する電流路
を整流子及びブラシからなる電流路形成手段で形成した
直流モータにおける電機子構造において、空間位相が等
しくなるように配置された第1のコイル及び第2のコイ
ルと、これら第1及び第2のコイルと回転方向に隣接す
るように配置された第3のコイルとを備え、前記第1乃
至第3のコイルが前記電流路形成手段によって電気的位
相を異ならせて電流をそれぞれ供給されるものであるこ
とを特徴とする。
【0014】本発明の第1の直流モータ及びその電気構
造によれば、電機子が空間位相を等しくするように配置
された第1及び第2のコイルにより構成され、電流路形
成手段によって前記第1及び第2のコイルに電気的位相
が異なるように電流が供給されるので、電機子は、見か
け上1コイルモータと同様に構成することができ、偏心
効果を高めることができる。しかも、本発明によれば、
第1及び第2のコイルを設けたことにより、整流子とブ
ラシとの位置関係において、短絡電流が生じないため、
電気的無通電域(デッドポイント)がなく、電源供給さ
え確実に行えばいつでもスムーズな回転が得られる。
【0015】本発明に係る第1の直流モータ及び電気構
造の好ましい実施形態によれば、前記固定子は、例えば
周方向に4つの磁極を有し、前記電機子の第1及び第2
のコイルは、前記固定子の4つの磁極のうち1乃至2つ
の磁極を覆う大きさに同軸巻回されると共に、それらの
一端が共通接続され、前記電流路形成手段を構成する整
流子は、前記回転子に取り付けられて前記回転子の回転
方向に6分割されると共に、各対向する分割体が共通接
続されて各分割体の対が前記第1のコイル及び第2のコ
イルの各一端及び共通端にそれぞれ接続され、前記電流
路形成手段を構成するブラシは、前記固定子に取り付け
られて前記整流子に対して90度の空間位相差をもって
それぞれ接続される2つのブラシからなるものである。
【0016】なお、前記電機子は、前記第1及び第2の
コイルが前記固定子の1つの磁極位置の真正面となる位
置よりもずれた位置で静止するように静止位置を規定す
る磁性体からなる静止位置規定手段を備えていても良
い。
【0017】また、本発明に係る第2の直流モータ及び
その電機子構造によれば、電機子が空間位相を等しくす
るように配置された第1及び第2のコイルと、これら第
1及び第2のコイルと回転方向に隣接する第3のコイル
とにより構成され、電流路形成手段によって前記第1乃
至第3のコイルに電気的位相が異なるように電流が供給
されるので、電機子は、見かけ上2コイルモータと同様
に構成することができ、3コイルモータと比べて偏心効
果を高めることができる。しかも、本発明によれば、3
つのコイルに電気的位相が異なるように電流が供給され
るので、電気的無通電区間(デッドポイント)が存在せ
ず、常に確実な起動が可能である。磁性体のピンを使用
しないため、製造工程が簡単で、回転負荷も軽減でき、
起動時を含めて全体的な消費電力を低減することができ
るので、携帯電話のような低消費電力が要求される機器
に好適となる。
【0018】本発明に係る第2の直流モータ及びその電
機子構造の好ましい実施形態によれば、前記固定子は、
周方向に4つの磁極を有し、前記電機子の第1及び第2
のコイルは、前記固定子の4つの磁極のうち1乃至2つ
の磁極を覆う大きさに同軸巻回され、前記第3のコイル
は、前記第1及び第2のコイルが1つの磁極に正対する
ときに他の2つの磁極のほぼ中央に位置するように配置
され、前記第1乃至第3のコイルは、それらの一端が共
通接続され、前記電流路形成手段を構成する整流子は、
前記回転子に取り付けられて前記回転子の回転方向に6
分割されると共に、各対向する分割体が共通接続されて
各分割体の対が前記第1乃至第3のコイルの各他端にそ
れぞれ接続され、前記電流路形成手段を構成するブラシ
は、前記固定子に取り付けられて前記整流子に対して9
0度の空間位相差をもってそれぞれ接続される2つのブ
ラシからなるものである。
【0019】この場合、前記第1及び第2のコイルと、
前記第3のコイルとを、回転方向にほぼ135°の空間
位相差をもって配置するようにすると、第1及び第2の
コイルが、磁石と正対する位置、即ち回転方向のいずれ
の向きにも回転力が発生してしまう位置で回転子が停止
しても、第3のコイルは、必ず特定の回転の向きで起動
されることになるので、起動不能は発生しない。
【0020】なお、上記第1及び第2の直流モータおよ
びその電機子構造において、前記第2のコイルは前記第
1のコイルの内側に同軸巻回されたものであっても良い
し、前記第1及び第2のコイルは、2線コイルにより同
時に形成されたものであってもよい。いずれの場合でも
1コイル製造と製造工程は殆ど代わらないので、製造コ
ストを抑えることができる。
【0021】また、第1及び第2のコイルと回転方向に
隣接するように比重の大きな分銅を配置するようにする
と、第1及び第2のコイルが1箇所に集中して配置され
ていることから、第3のコイルを起動用として軽量化す
れば、コイルと分銅とを殆ど片側に寄せて配置すること
ができる。このため、外径寸法や厚みなどを増やすこと
なく、周方向の一部に電機子構造を集中させて高い偏心
効果を得ることができ、モータの小型化及び軽量化を図
りつつ、振動量を大幅に増加させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施例を参照
して、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の一実
施例に係る偏平型直流振動モータを示す分解斜視図、図
2は平面図である。この直流振動モータは、固定子1
と、この固定子1に回転自在に装着された回転子2と、
回転子2を密閉する円筒状のカバー3とにより、全体が
偏平円筒状となるように構成されている。固定子1は、
円盤状のプレート11と、このプレート11の上に、S
極とN極とが交互に並ぶように、環状に配置されて軸方
向に着磁された4つの永久磁石12と、プレート11の
中央から立ち上がる回転子2の支持用の支持軸13と、
周方向に隣接する永久磁石12の間の隙間からプレート
11の中心部に向かって延びる、90度の空間位相をも
って配置された2つのブラシ14,15とにより構成さ
れている。また、回転子2は、支持軸13に回転自在に
支持される回転軸21と、この回転軸21の周方向の一
部に偏心状態で固定された電機子22と、回転軸21の
外周面に配置された、周方向に6分割された整流子(コ
ンミテータ)23とを備えて構成されている。整流子2
3は、ブラシ14,15と共に電流路形成手段を構成す
る。電機子22は、同軸巻回された第1のコイル24
(外側のコイル)と、第2のコイル25(内側のコイ
ル)と、これらコイル24,25を一体的に支持する樹
脂フレーム27と、後述する位置規定用の磁性体のピン
28とを含む。
【0023】第1のコイル24及び第2のコイル25
は、例えば図3に示すように、スター結線される。整流
子23は、6分割された分割片のうち、対向する分割片
同士が接続され、これら接続された分割片のペアがそれ
ぞれ第1のコイル24の一端、第2のコイル25の一端
及び第1及び第2のコイル24,25の共通端にそれぞ
れ接続される。この整流子23に対して90度の空間位
相差をもって配置されたブラシ14,15から電流が供
給される。2つのブラシ14,15は、回転子2の回転
に伴って、第1及び第2のコイル24,25の各一端、
並びに共通端に接続された整流子23に順次接続され
る。これにより、同図(a)に示すように、回転子2が
回転して一方のブラシ14(又は15)が整流子23の
分割体の境界に位置したとき、電源からブラシ14→整
流子23→第1及び第2のコイル24,25→整流子2
3→ブラシ15→接地の経路で電流が流れる。また、同
図(b)に示すように、回転子2が回転してブラシ1
4,15が整流子23の各1つの分割体とそれぞれ接触
したとき、電源からブラシ14→整流子23→第1及び
第2のコイル24,25の少なくとも1つ→整流子23
→ブラシ15→接地の経路で電流が流れる。このよう
に、本発明では片方のブラシ14又は15が整流子23
の隣接する分割片の中間位置に位置し、隣接する分割片
がブラシ14又は15によって短絡されるようにして
も、2コイル式であるから電源ショートは発生しない。
【0024】図4は、この直流振動モータの動作を説明
するためのトルク波形図であり、図中斜線を示した部分
が電流供給区間を示している。図示のように、第1及び
第2のコイル24,25には、電気的位相を異ならせて
電流が供給される。コイルに電流が流れている時の発生
トルクは、コイルと磁極位置との位置関係及び電流値に
よって決定されるが、第1のコイル24と第2のコイル
25とは、空間的位相が等しいため、電流が供給されて
いる期間での発生トルクはほぼ等しい。
【0025】図中a〜fにおける回転子2と固定子1と
の位置関係を図5(a)〜(f)にそれぞれ対応して示
す。a区間では、図5(a)に示すように、ブラシ1
4,15と整流子23との位置関係により、第1及び第
2のコイル24,25に同じ向きの電流が流れる。2つ
のコイル24,25は、2つの永久磁石12を均等にま
たがる位置を通過するので、コイル24,25には共に
最も大きなトルクが発生する。
【0026】時刻bでは、図5(b)のように、第1の
コイル24については電流が継続的に流れるが、第2の
コイル25への電流供給が断たれる。以後、区間cで
は、同図(c)のように、第1のコイル24のみに電流
が流れ、第1のコイル24のみに発生するトルクによっ
て回転子2は回転する。
【0027】時刻dになると、同図(d)のように、第
1のコイル24への電流供給が断たれ、第2のコイル2
5への電流供給が開始されるが、その切り替わりの時点
で瞬間的に電流が断たれる。勿論、ブラシ14,15が
整流子23の2つの分割片に同時に接続される場合に
は、このような電流の瞬断はない。区間eでは、同図
(e)のように、第2のコイル25のみに電流が流れ、
次の磁極との関係で回転トルクが継続的に発生する。時
刻fでは、第1のコイル24への電流供給が開始され
る。
【0028】このように、この直流振動モータでは、電
機子22がどの角度にあってもいずれか1つ以上のコイ
ルにほぼ継続的に電流が流れる。第1,第2のコイル2
4,25に電流が流れると、永久磁石12の磁力線によ
ってフレミングの左手の法則に従った一定の向きの回転
トルクが発生する。もし第3のコイルを別個に設けて第
1及び第2のコイル24,25と同軸配置したとする
と、第3のコイルには、第1及び第2のコイル24,2
5とは別の向きの電流が流れ、磁力の向きが反対になる
ため、回転子2の回転負荷となることが予想されるが、
この実施例のモータのように、3相のうちの2相分につ
いてのみコイル24,25に電流を流し、他の1相分に
ついては省略しているので、上記のような回転負荷が生
じることもなく、スムーズな回転が可能になる。回転子
2が回転すると、電機子22が回転軸21に対して偏心
しているため、遠心力により振動が発生する。
【0029】このモータでは、整流子23の隣接分割片
間が短絡しても、必ず電源間には、コイル24又は25
が介在するので短絡電流は流れない。このため、隣接分
割片間を極力短くすることができ、電流が流れないデッ
ドポイントをゼロにすることができる。これにより、起
動時に電流が流れずに起動不能になるという現象は防止
することができる。
【0030】しかし、第1及び第2のコイル24,25
が1つの磁極の真上に位置した状態で停止すると、電機
子22は、どちらの向きにでも回転可能になり、回転方
向が定まらなくなる。このため、この実施例では、電機
子22に磁性体からなる位置規定用のピン28を周方向
に突出するように設けている。これにより、ピン28
は、永久磁石12と永久磁石12との間の位置に磁力を
受けて移動するので、電機子22の停止状態での位置
は、図2に示すように、必ず一方の回転トルクを受ける
位置に位置決めされることになる。この位置は図4及び
図5におけるdのポイントである。
【0031】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではない。上記実施例では、第1のコイル24
を外側巻線、第2のコイル25を内側巻線としたが、例
えば図6に示すように、第1のコイル31及び第2のコ
イル32を2重巻線で同時に形成するようにしても良
い。第1及び第2のコイル24,25をこのように2重
巻線で形成すると、両コイル31,32に均等な回転ト
ルクが発生するうえ、1巻コイルの作成と同様に作成す
ることができるので、製造工程も簡単になる。
【0032】また、図5に示した静止位置規制手段とし
てのピン28と同様の機能を有するものとして、図7に
示すように、ピン33を、第1及び第2のコイル24,
25と回転方向の端の位置で重なるように、且つ磁力線
の向きに沿うように少し傾けて配置するようにしてもよ
い。このようにすることで、電機子22をよりコンパク
トにすることができる。なおこの場合、ピン33の角度
は、静止位置及び回転駆動に影響を及ぼさない程度の磁
気吸引力を得るために適切な角度に決定すれば良い。
【0033】図8は、本発明の更に他の実施例に係る偏
平型直流振動モータを示す分解斜視図、図9は平面図で
ある。この直流振動モータは、電機子41の構造が図1
のものと異なっている。電機子22は、同軸巻回された
第1のコイル24(外側のコイル)及び第2のコイル2
5(内側のコイル)と、これらコイル24,25と周方
向に隣接するように配置された第3のコイル(起動コイ
ル)26と、これらコイル24,25及び26を一体的
に支持する樹脂フレーム42とを含む。
【0034】第1のコイル24、第2のコイル25及び
第3のコイル26は、例えば図10に示すように、スタ
ー結線される。整流子23は、6分割された分割片のう
ち、対向する分割片同士が接続され、これら接続された
分割片のペアがそれぞれ第1のコイル24の一端、第2
のコイル25の一端及び第3のコイル26の一端にそれ
ぞれ接続される。コイル24,25,26の他端は共通
接続される。この整流子23に対して90度の空間位相
差をもって配置されたブラシ14,15から電流が供給
される。2つのブラシ14,15は、回転子2の回転に
伴って、第1乃至第3のコイル24,25,26の各一
端に接続された整流子23に順次接続される。これによ
り、同図(a)に示すように、回転子2が回転して一方
のブラシ14(又は15)が整流子23の分割体の境界
に位置したとき、電源からブラシ14→整流子23→第
1乃至第3のコイル24,25,26→整流子23→ブ
ラシ15→接地の経路で電流が流れる。また、同図
(b)に示すように、回転子2が回転してブラシ14,
15が整流子23の各1つの分割体とそれぞれ接触した
とき、電源からブラシ14→整流子23→第1乃至第3
のコイル24,25,26の少なくとも2つ→整流子2
3→ブラシ15→接地の経路で電流が流れる。このよう
に、本発明では片方のブラシ14又は15が整流子23
の隣接する分割片の中間位置に位置し、隣接する分割片
がブラシ14又は15によって短絡されるようにして
も、3コイル式であるから電源ショートは発生しない。
【0035】図11は、この直流振動モータの動作を説
明するためのトルク波形図であり、図中斜線を示した部
分が電流供給区間を示している。図示のように、第1乃
至第3のコイル24,25,26には、電気的位相を例
えば異ならせて電流が供給される。コイルに電流が流れ
ている時の発生トルクは、コイルと磁極位置との位置関
係及び電流値によって決定されるが、第1のコイル24
と第2のコイル25とは、空間的位相が等しいため、電
流が供給されている期間での発生トルクはほぼ等しい。
【0036】図中a〜fにおける回転子2と固定子1と
の位置関係を図12(a)〜(f)にそれぞれ対応して
示す。a区間では、図12(a)に示すように、電源→
ブラシ14→整流子23→第2のコイル25の内側から
外側(時計回り)→第1のコイル24の内側から外側
(時計回り)→整流子23→接地の順に電流が流れる。
第1及び第2のコイル24,25は、同じ向きの電流が
流れた状態で2つの永久磁石12を均等にまたがる位置
を通過するので、コイル24,25には共に最も大きな
トルクが発生する。
【0037】時刻bでは、図12(b)のように、電源
につながるブラシ14が第2のコイル25の内側端につ
ながる整流子23と第3のコイル26の外側端につなが
る整流子23との境界に位置され、第3のコイル26の
外側から内側(反時計回り)に電流が流れ始めるから、
瞬間的に3つのコイル24〜26に電流が流れるが、直
後に第2のコイル25への電流供給が断たれる。以後、
区間cでは、同図(c)のように、第1のコイル24及
び第3のコイル26に電流が流れ、第1のコイル24及
び第3のコイル26に発生するトルクによって回転子2
は回転する。
【0038】時刻dになると、同図(d)のように、接
地につながるブラシ15が第1のコイル24の外側端に
つながる整流子23と第2のコイル25の内側端につな
がる整流子23との境界に位置するので、第2のコイル
25への電流供給が開始されるが、第1のコイル24に
流れる電流とは反対の向きの電流が流れ、直後に第1の
コイル24に流れる電流が断たれる。このとき、第1及
び第2のコイル24,25は、永久磁石12に正対する
位置にあり、この第1及び第2のコイル24,25によ
ってはトルクは発生しない。しかし、第3のコイル26
には電流が流れ続け、最大のトルクを発生する。区間e
では、同図(e)のように、第2のコイル25と第3の
コイル26に電流が流れ、次の磁極との関係で回転トル
クが継続的に発生する。時刻fでは、第1のコイル24
への電流供給が開始されるが、直後に第3のコイル26
への電流の供給が断たれる。第2のコイル25には電流
が流れ続ける。
【0039】このように、この直流振動モータでは、電
機子41がどの角度にあってもいずれか2つ以上のコイ
ルにほぼ継続的に電流が流れる。第1乃至第3のコイル
24,25,26に電流が流れると、永久磁石12の磁
力線によってフレミングの左手の法則に従った一定の向
きの回転トルクが発生する。もし第3のコイル26を第
1及び第2のコイル24,25と同軸配置したとする
と、第3のコイル26には、第1及び第2のコイル2
4,25とは別の向きの電流が流れ、磁力の向きが反対
になるため、回転子2の回転負荷となる。また、図12
(d)で示すように、コイル24,25が磁石と正対す
る位置では、いずれのコイルにもトルクが発生しないこ
とになるので、この位置で停止すると、起動不能になる
ことが予想される。しかし、この実施例のモータのよう
に、3コイルのうちの2コイル24,25についてのみ
同軸配置し、残りの1コイル26についてはこれらと空
間位相が異なるように配置しているので、回転負荷は生
じることがなく、また、同図(d)の位置で回転子21
が停止しても、第3のコイル26によってスムーズな起
動が可能になる。効率的な起動を行うためには、図9に
示すように、第1及び第2のコイル24,25と第3の
コイル26との空間位相を135°とすることが望まし
い。
【0040】回転子2が回転すると、電機子41が回転
軸21に対して偏心しているため、遠心力により振動が
発生する。このモータでは、2つのコイル24,25を
周方向の1箇所にまとめて配置しているため、高い偏心
効果を得ることができる。
【0041】また、このモータは、3コイル型であるか
ら、整流子23の隣接分割片間がブラシ14又は15を
介して短絡されても、必ず電源間には、コイル24,2
5,26のうちの少なくとも2つが介在するので短絡電
流は流れない。即ち、1コイル型の場合には、たまたま
コイルが存在しない二相間を介して電源〜接地間に短絡
電流が流れてしまうことがある。このため、1コイル型
の場合には、整流子23の隣接分割片間でブラシ14,
15による短絡が起こらないように周方向に隣接する分
割片の間隔をある程度広くする必要がある。このため、
電流が流れないデッドポイントが発生する。この点、こ
の実施例では、隣接分割片間が短絡しても電源〜接地間
で短絡電流は流れないので、隣接分割片間を極力短くす
ることができ、電流が流れないデッドポイントをゼロに
することができる。これにより、起動時に電流が流れず
に起動不能になるという現象は防止することができる。
【0042】図13は、本発明の更に他の実施例に係る
偏平型直流振動モータを示す分解斜視図である。この実
施例では、電機子51は、第1及び第2のコイル24,
25に隣接する位置に分銅29を設け、コイル24,2
5,26と分銅29とを樹脂フレーム52で一体化した
ものである。分銅29は、偏心効果を高めるためには、
例えばその比重ができるだけ高いこと(例えば10以
上)が望ましく、磁気力や渦電流による回転負荷を軽減
するためには、非磁性体で且つ非導電体であることが必
要である。分銅29の大きさは、例えば1つの永久磁石
12よりも僅かに大きめとし、極力、第1及び第2のコ
イル24,25の近傍に配置すると、より偏心効果を高
めることができる。
【0043】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではない。上記実施例では、第1のコイル24
を外側巻線、第2のコイル25を内側巻線としたが、例
えば図14に示すように、第1のコイル31及び第2の
コイル32を2重巻線で同時に形成するようにしても良
い。第1及び第2のコイル24,25をこのように2重
巻線で形成すると、両コイル31,32に均等な回転ト
ルクが発生するうえ、1巻コイルの作成と同様に作成す
ることができるので、製造工程も簡単になる。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように本発明の第1の直流モ
ータ及びその電機子構造によれば、電機子が空間位相を
等しくするように配置された第1及び第2のコイルによ
り構成され、前記第1及び第2のコイルの少なくとも1
つに電流を供給するように構成されているので、電機子
は、見かけ上1コイルモータと同様に構成することがで
き、偏心効果を高めることができる。また、第1及び第
2のコイルにはいつでも電流が流れるので、電気的無通
電域(デッドポイント)がなく、スムーズな起動が可能
である。
【0045】また、本発明の第2の直流モータ及びその
電機子構造によれば、電機子が空間位相を等しくするよ
うに配置された第1及び第2のコイルと、これら第1及
び第2のコイルと回転方向に隣接する第3のコイルとに
より構成され、電流路形成手段によって前記第1乃至第
3のコイルに電気的位相が異なるように電流が供給され
るので、電機子は、見かけ上2コイルモータと同様に構
成することができ、3コイルモータと比べて偏心効果を
高めることができる。しかも、本発明によれば、3つの
コイルに電気的位相が異なるように電流が供給されるの
で、電気的無通電区間(デッドポイント)が存在せず、
常に確実な起動が可能になる。また、第1及び第2のコ
イルと回転方向に隣接する第3のコイルとによる構成の
ため、その円周内に振動を大きくさせる分銅を配置でき
るスペースを確保することができ、振動モータとしての
振動量の増加対策上も有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る直流振動モータの分
解斜視図である。
【図2】 同直流振動モータの平面図である。
【図3】 同直流振動モータの回路図である。
【図4】 同直流振動モータの発生トルクと時間との関
係を示す図である。
【図5】 同直流振動モータのトルク発生原理を説明す
るための図である。
【図6】 本発明の他の実施例に係る直流振動モータの
平面図である。
【図7】 本発明の更に他の実施例に係る直流振動モー
タの平面図である。
【図8】 本発明の更に他の実施例に係る直流振動モー
タの分解斜視図である。
【図9】 同直流振動モータの平面図である。
【図10】 同直流振動モータの回路図である。
【図11】 同直流振動モータの発生トルクと時間との
関係を示す図である。
【図12】 同直流振動モータのトルク発生原理を説明
するための図である。
【図13】 本発明の更に他の実施例に係る直流振動モ
ータの分解斜視図である。
【図14】 本発明の更に他の実施例に係る直流振動モ
ータの平面図である。
【図15】 従来の3コイル型直流振動モータの平面図
である。
【図16】 従来の1コイル型直流振動モータの平面図
である。
【符号の説明】
1,102…固定子、2,104…回転子、3…カバ
ー、11…プレート、12,101…永久磁石、13…
支持軸、14…ブラシ、21…回転軸、22,41,5
1…電機子、23…整流子、24,31…第1のコイ
ル、25,32…第2のコイル、26…第3のコイル、
27,42,52…樹脂フレーム、28…ピン、29…
分銅。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 23/58 H02K 23/58 Z (72)発明者 真清 実 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 宇野 禎倫 青森県上北郡六戸町金矢2の2 株式会社 青森フジクラ内 (72)発明者 薄田 岳史 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 小川 俊之 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 5D107 AA02 BB08 CC09 DD08 5H603 AA01 BB01 BB04 CA02 CA05 CB02 CB11 CB18 CC02 CC06 CC14 CC18 CC19 CD01 CD04 CD21 EE09 EE10 5H607 BB01 BB04 BB13 CC01 DD02 EE58 JJ01 5H623 AA01 BB06 GG13 GG17 GG23 HH01 HH06 HH09 JJ01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周方向の複数箇所に磁極を持つように軸
    方向着磁された環状の又は環状に配置された永久磁石か
    らなる固定子と、 この固定子に対して回転自在に設けられ前記永久磁石の
    磁極面と対向する電機子が回転軸に偏心固定された回転
    子と、 この回転子の回転に伴って前記電機子に極性が順次反転
    する電流を供給する電流路を形成する整流子及びブラシ
    からなる電流路形成手段とを有する直流モータにおい
    て、 前記電機子は、空間位相が等しくなるように配置された
    第1のコイル及び第2のコイルを備え、 前記電流路形成手段は、前記第1のコイル及び第2のコ
    イルに電気的位相を異ならせて電流をそれぞれ供給する
    ものであることを特徴とする直流モータ。
  2. 【請求項2】 前記固定子は、周方向に4つの磁極を有
    し、 前記電機子の第1及び第2のコイルは、前記固定子の4
    つの磁極のうち1乃至2つの磁極を覆う大きさに同軸巻
    回されると共に、それらの一端が共通接続され、 前記電流路形成手段を構成する整流子は、前記回転子に
    取り付けられて前記回転子の回転方向に6分割されると
    共に、各対向する分割体が共通接続されて各分割体の対
    が前記第1のコイル及び第2のコイルの各一端及び共通
    端にそれぞれ接続され、 前記電流路形成手段を構成するブラシは、前記固定子に
    取り付けられて前記整流子に対して90度の空間位相差
    をもってそれぞれ接続される2つのブラシからなるもの
    であることを特徴とする請求項1記載の直流モータ。
  3. 【請求項3】 周方向の複数箇所に磁極を持つように軸
    方向着磁された環状の又は環状に配置された永久磁石か
    らなる固定子と、 この固定子に対して回転自在に設けられ前記永久磁石の
    磁極面と対向する電機子が回転軸に偏心固定された回転
    子と、 この回転子の回転に伴って前記電機子に極性が順次反転
    する電流を供給する電流路を形成する整流子及びブラシ
    からなる電流路形成手段とを有する直流モータにおい
    て、 前記電機子は、空間位相が等しくなるように配置された
    第1のコイル及び第2のコイルと、これら第1及び第2
    のコイルと回転方向に隣接するように配置された第3の
    コイルとを備え、 前記電流路形成手段は、前記第1乃至第3のコイルに電
    気的位相を異ならせて電流をそれぞれ供給するものであ
    ることを特徴とする直流モータ。
  4. 【請求項4】 前記固定子は、周方向に4つの磁極を有
    し、 前記電機子の第1及び第2のコイルは、前記固定子の4
    つの磁極のうち1乃至2つの磁極を覆う大きさに同軸巻
    回され、前記第3のコイルは、前記第1及び第2のコイ
    ルが1つの磁極に正対するときに他の2つの磁極のほぼ
    中央に位置するように配置され、前記第1乃至第3のコ
    イルは、それらの一端が共通接続され、 前記電流路形成手段を構成する整流子は、前記回転子に
    取り付けられて前記回転子の回転方向に6分割されると
    共に、各対向する分割体が共通接続されて各分割体の対
    が前記第1乃至第3のコイルの各他端にそれぞれ接続さ
    れ、 前記電流路形成手段を構成するブラシは、前記固定子に
    取り付けられて前記整流子に対して90度の空間位相差
    をもってそれぞれ接続される2つのブラシからなるもの
    であることを特徴とする請求項3記載の直流モータ。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2のコイルと回転方向に
    隣接するように配置された分銅を更に備えてなることを
    特徴とする請求項3又は4記載の直流モータ
  6. 【請求項6】 前記第1乃至第3コイルと分銅とは、樹
    脂フレームで一体に固定されていることを特徴とする請
    求項5記載の直流モータ。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2のコイルと、前記第3
    のコイルとは回転方向にほぼ135°の空間位相差をも
    って配置されていることを特徴とする請求項4記載の直
    流モータ。
  8. 【請求項8】 前記第2のコイルは前記第1のコイルの
    内側に同軸巻回されたものであることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれか1項記載の直流モータ。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2のコイルは、2線コイ
    ルにより同時に形成されたものであることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれか1項記載の直流モータ。
  10. 【請求項10】 周方向の複数箇所に磁極を持つように
    軸方向着磁された環状の又は環状に配置された永久磁石
    からなる固定子に対して、回転子を回転自在に設けると
    共に、前記回転子の前記永久磁石の磁極面と対向する電
    機子が回転軸に偏心固定され、前記回転子の回転に伴っ
    て前記電機子に極性が順次反転する電流を供給する電流
    路を整流子及びブラシからなる電流路形成手段で形成し
    た直流モータにおける電機子構造において、 空間位相が等しくなるように配置された第1のコイル及
    び第2のコイルを備え、これら第1のコイル及び第2の
    コイルが前記電流路形成手段によって電気的位相を異な
    らせて電流をそれぞれ供給されるものであることを特徴
    とする直流モータの電機子構造。
  11. 【請求項11】 周方向の複数箇所に磁極を持つように
    軸方向着磁された環状の又は環状に配置された永久磁石
    からなる固定子に対して、回転子を回転自在に設けると
    共に、前記回転子の前記永久磁石の磁極面と対向する電
    機子が回転軸に偏心固定され、前記回転子の回転に伴っ
    て前記電機子に極性が順次反転する電流を供給する電流
    路を整流子及びブラシからなる電流路形成手段で形成し
    た直流モータにおける電機子構造において、 空間位相が等しくなるように配置された第1のコイル及
    び第2のコイルと、 これら第1及び第2のコイルと回転方向に隣接するよう
    に配置された第3のコイルとを備え、 前記第1乃至第3のコイルが前記電流路形成手段によっ
    て電気的位相を異ならせて電流をそれぞれ供給されるも
    のであることを特徴とする直流モータの電機子構造。
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