JP2005101351A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 外装樹脂クラックやコンデンサ素子の電気的特性の劣化を抑制することができる、信頼性の高い固体電解コンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】 陽極導出部を具備し、かつ弁作用金属からなる多孔質体の表面に誘電体酸化皮膜、固体電解質層、陰極導電体層を順次積層して構成したコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の陽極導出部および陰極導電体層とそれぞれ接続する外部端子と、このコンデンサ素子と外部端子の一部を被覆する外装樹脂からなる固体電解コンデンサの製造方法において、コンデンサ素子と外部端子を接続した後に、このコンデンサ素子を200〜250℃の高温雰囲気中に所定時間放置し、さらにその後に樹脂外装を施す。この高温雰囲気は不活性ガスより構成されることが好ましく、この不活性ガスはフッ素含有不活性液の蒸気であることが好ましい。
【解決手段】 陽極導出部を具備し、かつ弁作用金属からなる多孔質体の表面に誘電体酸化皮膜、固体電解質層、陰極導電体層を順次積層して構成したコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の陽極導出部および陰極導電体層とそれぞれ接続する外部端子と、このコンデンサ素子と外部端子の一部を被覆する外装樹脂からなる固体電解コンデンサの製造方法において、コンデンサ素子と外部端子を接続した後に、このコンデンサ素子を200〜250℃の高温雰囲気中に所定時間放置し、さらにその後に樹脂外装を施す。この高温雰囲気は不活性ガスより構成されることが好ましく、この不活性ガスはフッ素含有不活性液の蒸気であることが好ましい。
Description
本発明は、固体電解コンデンサの製造方法に係り、特に、外装樹脂クラックやコンデンサ素子の電気的特性の劣化を抑制すべく改良を施した固体電解コンデンサの製造方法に関するものである。
固体電解コンデンサは、コンデンサ容量を大きくするために、陽極としてタンタル等の微細粒子をプレス成形後に粒子接点を軽く焼結させ、多孔質体とした焼結体に、陽極酸化による誘電体酸化皮膜を形成する。さらに、誘電体酸化皮膜層上に導電性高分子を固体電解質として形成し、銀ペースト等の陰極導電体層で陰極の引出しを行っている。
このコンデンサ素子を実装部品とするために、陽極側は外部電極引出し用の陽極導出線を陽極導出部に溶接し、陰極側は外部電極引出し用端子を陰極導電体層に銀接着剤で接合する。その後、一般的には成形金型を用いてエポキシ系の外装樹脂をトランスファーモールド成形する。
このような構成の固体電解コンデンサでは、固体電解コンデンサを基板に実装する際の熱により、コンデンサ素子内部の固体電解質の吸湿水が急激に気化して体積膨張を引き起こし、外装樹脂にクラックを生じさせるという問題点を有していた。また、このような体積膨張ストレスは、固体電解質と陰極導電体層界面の剥離や、誘電体酸化皮膜に欠陥を生じさせるという問題点も同時に有していた。これらの問題点は、固体電解コンデンサの抵抗特性や漏れ電流特性などの信頼性を損なう原因となっていた。
特に、固体電解質に導電性高分子を用いた固体電解コンデンサは、低抵抗であることを特徴とする製品であるにもかかわらず、外装樹脂にクラックが生じた場合には、コンデンサ素子中の導電性高分子が外部の空気中の酸素と反応して、抵抗特性が劣化するという性質を有している。そのため、固体電解質に導電性高分子を用いた固体電解コンデンサにおいては、上記の問題点はさらに重要なこととなる。
このような問題点を解決する手段としては、特許文献1に記載された技術が知られている。この特許文献1に示された技術は、コンデンサ素子内に存在する気体が行き来することのできる空隙を有した空気保持体を固体電解コンデンサの内部に設けることにより、その空隙が緩衝室の役割を果たし、固体電解質の吸湿水が急激に気化した場合でも、内部圧力の緩和が図られるというものである。
特開2001−126959号公報
しかしながら、近年、固体電解コンデンサの小形化の要求は大きく、固体電解コンデンサの内部に上記のような空気保持体を設けることは、固体電解コンデンサの小型化を阻害する要因となるため、好ましいものではなかった。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、基板実装する際の熱による水の気化体積膨張ストレスを緩和して、外装樹脂クラックやコンデンサ素子の電気的特性の劣化を抑制することができる、信頼性の高い固体電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、コンデンサ素子と外部端子を接続した後に、200〜250℃の高温雰囲気中に所定時間放置し、さらにその後に樹脂外装を施すと良好な結果が得られることを見出したものである。
すなわち、請求項1に記載したように、陽極導出部を具備し、かつ弁作用金属からなる多孔質体の表面に誘電体酸化皮膜、固体電解質層、陰極導電体層を順次積層して構成したコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の陽極導出部および陰極導電体層とそれぞれ接続する外部端子と、このコンデンサ素子と外部端子の一部を被覆する外装樹脂からなる固体電解コンデンサの製造方法において、コンデンサ素子と外部端子を接続した後に、200〜250℃の高温雰囲気中に放置し、さらにその後に樹脂外装を施すことにより、基板実装する際の熱による水の気化体積膨張ストレスを緩和することができ、その結果、外装樹脂クラックやコンデンサ素子の電気的特性の劣化を抑制することができることが分かった。
(高温雰囲気)
高温雰囲気は、後述するようなフッ素含有の不活性液を沸騰させた閉鎖空間、又は高温に設定した炉等の閉鎖空間として形成される。この高温雰囲気は、不活性ガスより構成するとより好ましい。その理由は、酸素が含まれると、固体電解質及び陰極層材料の急激な酸化劣化が進行するためである。また、この不活性ガスとしては、フッ素含有の不活性液を沸騰させることにより得られるものが好ましく、フッ素含有の不活性液としては、パーフルオロポリエーテル液、パーフルオロアルキルアミン液、パーフルオロエーテル液等が挙げられる。
高温雰囲気は、後述するようなフッ素含有の不活性液を沸騰させた閉鎖空間、又は高温に設定した炉等の閉鎖空間として形成される。この高温雰囲気は、不活性ガスより構成するとより好ましい。その理由は、酸素が含まれると、固体電解質及び陰極層材料の急激な酸化劣化が進行するためである。また、この不活性ガスとしては、フッ素含有の不活性液を沸騰させることにより得られるものが好ましく、フッ素含有の不活性液としては、パーフルオロポリエーテル液、パーフルオロアルキルアミン液、パーフルオロエーテル液等が挙げられる。
上記のようにして形成された高温雰囲気中にコンデンサ素子を投入し、そのコンデンサ素子の温度が、常温から高温雰囲気の温度と同じ温度(ピーク温度)に達した後、さらに所定時間、ピーク温度で放置する。この放置時間は、1秒から60秒が好ましい。なお、コンデンサ素子がピーク温度に達する時間は、コンデンサ素子のサイズにより若干異なるが、通常数秒〜十数秒である。
(金属ペレット)
陽極に使用する弁作用を有する金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンあるいはこれら金属を基質とする合金等の弁作用を有する金属を使用することができる。また、陽極は、これら金属の多孔質焼結体、エッチング等で表面処理された板(リボン、箔等を含む)、線等、その形状は特に限定されない。さらに、この金属ペレットの表面に誘電体酸化皮膜を形成する方法としては、従来から公知の方法を用いることができる。例えば、タンタル粉末の焼結体を使用する場合には、リン酸水溶液中で陽極酸化して、焼結体に酸化皮膜を形成することができる。
陽極に使用する弁作用を有する金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンあるいはこれら金属を基質とする合金等の弁作用を有する金属を使用することができる。また、陽極は、これら金属の多孔質焼結体、エッチング等で表面処理された板(リボン、箔等を含む)、線等、その形状は特に限定されない。さらに、この金属ペレットの表面に誘電体酸化皮膜を形成する方法としては、従来から公知の方法を用いることができる。例えば、タンタル粉末の焼結体を使用する場合には、リン酸水溶液中で陽極酸化して、焼結体に酸化皮膜を形成することができる。
(重合性モノマー)
固体電解質層を形成する重合性モノマーとしては、チオフェン又はその誘導体が好適である。チオフェン又はその誘導体は、ポリピロール又はポリアニリンと比較して導電率が高いと共に熱安定性が特に優れているため、低ESRで耐熱特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができるからである。なお、チオフェンの誘導体としては、次に掲げる構造のものを例示できる。
固体電解質層を形成する重合性モノマーとしては、チオフェン又はその誘導体が好適である。チオフェン又はその誘導体は、ポリピロール又はポリアニリンと比較して導電率が高いと共に熱安定性が特に優れているため、低ESRで耐熱特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができるからである。なお、チオフェンの誘導体としては、次に掲げる構造のものを例示できる。
また、重合性モノマー溶液は、上記のような重合性モノマーを所定の溶媒で希釈したものである。希釈することによって、重合性モノマー溶液の粘性が低くなり、コンデンサ素子の内部にまで重合性モノマーが浸透しやすくなる。溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の各種有機溶媒を用いることができるが、重合性モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを用いた場合には、イソプロピルアルコールが適当である。なお、重合性モノマー溶液としては、任意の濃度のものを用いることができる。
(酸化剤溶液)
本発明に用いられる酸化剤としては、硫酸、過硫酸、硫酸塩、過硫酸塩が好ましい。なかでも過硫酸や過硫酸に硫酸を加えた酸化剤が好適である。なお、酸化剤水溶液の濃度は、30〜60wt%が好適である。
本発明に用いられる酸化剤としては、硫酸、過硫酸、硫酸塩、過硫酸塩が好ましい。なかでも過硫酸や過硫酸に硫酸を加えた酸化剤が好適である。なお、酸化剤水溶液の濃度は、30〜60wt%が好適である。
(作用・効果)
上述したように、コンデンサ素子と外部端子を接続した後に、200〜250℃の高温雰囲気中に放置し、さらにその後に樹脂外装を施すことにより、外装樹脂クラックやコンデンサ素子の電気的特性の劣化を抑制することができるのは、以下の理由によると考えられる。
すなわち、コンデンサ素子と外部端子を接続した後に、200〜250℃の高温雰囲気中に放置することにより、コンデンサ素子の導電性高分子層、カーボン層、銀層、銀接着剤に含まれる水分を除去することができるため、残留水分の膨張に起因するマイクロクラックを防止することができるためであると考えられる。
上述したように、コンデンサ素子と外部端子を接続した後に、200〜250℃の高温雰囲気中に放置し、さらにその後に樹脂外装を施すことにより、外装樹脂クラックやコンデンサ素子の電気的特性の劣化を抑制することができるのは、以下の理由によると考えられる。
すなわち、コンデンサ素子と外部端子を接続した後に、200〜250℃の高温雰囲気中に放置することにより、コンデンサ素子の導電性高分子層、カーボン層、銀層、銀接着剤に含まれる水分を除去することができるため、残留水分の膨張に起因するマイクロクラックを防止することができるためであると考えられる。
本発明によれば、基板実装する際の熱による水の気化体積膨張ストレスを緩和して、外装樹脂クラックやコンデンサ素子の電気的特性の劣化を抑制することができる、信頼性の高い固体電解コンデンサの製造方法を提供することができる。
次に、より詳細な実施例及び比較例に基づき、本発明の作用効果について説明する。なお、以下の実施例及び比較例に用いる金属ペレット、モノマー溶液及び酸化剤溶液は以下の通りである。
すなわち、金属ペレットとしてタンタルペレット(サイズ:0.93×4.67×3.97mm、粉末CV:50k、化成電圧:11V)を用い、この金属ペレットをリン酸水溶液に浸漬して陽極酸化することにより、タンタルの表面に誘電体酸化皮膜を形成した。また、モノマー溶液として、50%EDTのイソプロピルアルコール溶液を用い、酸化剤溶液として、36%過硫酸アンモニウム水溶液(3%硫酸を含む)を用いた。
(実施例1)
上記のタンタルペレットを常温で2分間、上記の重合性モノマー溶液に浸漬して引き上げ、次に上記の酸化剤溶液に30分間浸漬した。その後、気中に金属ペレットを引き上げて、1時間放置して重合を行った。なお、上記の重合性モノマー溶液と酸化剤溶液に順次浸漬する工程を4回繰り返した。
次に、固体電解質層の上にカーボンペーストを塗布して乾燥し、さらに銀ペースト層を塗布した。さらに、タンタルペレットから導出された陽極導出線に陽極端子を溶接し、銀ペースト層に陰極端子を取り付けた。この後、ガルデン液(商品名:モンテフリオス社製のパーフルオロポリエーテル液)の飽和蒸気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表1に示したように、ピーク温度238℃、ピーク温度での放置時間は10秒であった。そして、この熱処理後に、トランスファーモールドにより樹脂封止し、固体電解コンデンサを完成した。
なお、ガルデン液による熱処理の際には、密閉槽の中でガルデン液を沸騰させた環境で熱処理を行った。
上記のタンタルペレットを常温で2分間、上記の重合性モノマー溶液に浸漬して引き上げ、次に上記の酸化剤溶液に30分間浸漬した。その後、気中に金属ペレットを引き上げて、1時間放置して重合を行った。なお、上記の重合性モノマー溶液と酸化剤溶液に順次浸漬する工程を4回繰り返した。
次に、固体電解質層の上にカーボンペーストを塗布して乾燥し、さらに銀ペースト層を塗布した。さらに、タンタルペレットから導出された陽極導出線に陽極端子を溶接し、銀ペースト層に陰極端子を取り付けた。この後、ガルデン液(商品名:モンテフリオス社製のパーフルオロポリエーテル液)の飽和蒸気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表1に示したように、ピーク温度238℃、ピーク温度での放置時間は10秒であった。そして、この熱処理後に、トランスファーモールドにより樹脂封止し、固体電解コンデンサを完成した。
なお、ガルデン液による熱処理の際には、密閉槽の中でガルデン液を沸騰させた環境で熱処理を行った。
(実施例2)
実施例1と同様にガルデン液の飽和蒸気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表1に示したように、ピーク温度238℃、ピーク温度での放置時間は20秒であった。その他の条件は実施例1と同様とした。
実施例1と同様にガルデン液の飽和蒸気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表1に示したように、ピーク温度238℃、ピーク温度での放置時間は20秒であった。その他の条件は実施例1と同様とした。
(実施例3)
乾燥大気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表1に示したように、ピーク温度250℃、ピーク温度での放置時間は10秒であった。その他の条件は実施例1と同様とした。
乾燥大気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表1に示したように、ピーク温度250℃、ピーク温度での放置時間は10秒であった。その他の条件は実施例1と同様とした。
(実施例4)
乾燥大気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表1に示したように、ピーク温度240℃、ピーク温度での放置時間は5分であった。その他の条件は実施例1と同様とした。
乾燥大気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表1に示したように、ピーク温度240℃、ピーク温度での放置時間は5分であった。その他の条件は実施例1と同様とした。
(比較例1)
上記のタンタルペレットを常温で2分間、上記の重合性モノマー溶液に浸漬して引き上げ、次に上記の酸化剤溶液に30分間浸漬した。その後、気中に金属ペレットを引き上げて、1時間放置して重合を行った。なお、上記の重合性モノマー溶液と酸化剤溶液に順次浸漬する工程を4回繰り返した。
この後、ガルデン液の飽和蒸気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表2に示したように、ピーク温度238℃、ピーク温度での放置時間は10秒であった。次に、固体電解質層の上にカーボンペーストを塗布して乾燥し、さらに銀ペースト層を塗布した。さらに、タンタルペレットから導出された陽極導出線に陽極端子を溶接し、銀ペースト層に陰極端子を取り付けた。そして、トランスファーモールドにより樹脂封止し、固体電解コンデンサを完成した。
上記のタンタルペレットを常温で2分間、上記の重合性モノマー溶液に浸漬して引き上げ、次に上記の酸化剤溶液に30分間浸漬した。その後、気中に金属ペレットを引き上げて、1時間放置して重合を行った。なお、上記の重合性モノマー溶液と酸化剤溶液に順次浸漬する工程を4回繰り返した。
この後、ガルデン液の飽和蒸気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表2に示したように、ピーク温度238℃、ピーク温度での放置時間は10秒であった。次に、固体電解質層の上にカーボンペーストを塗布して乾燥し、さらに銀ペースト層を塗布した。さらに、タンタルペレットから導出された陽極導出線に陽極端子を溶接し、銀ペースト層に陰極端子を取り付けた。そして、トランスファーモールドにより樹脂封止し、固体電解コンデンサを完成した。
すなわち、実施例と比較例の差異は、コンデンサ素子と外部端子を接続した後に熱処理を行うか、熱処理をした後にコンデンサ素子にカーボン層、銀ペースト層を形成し、さらに外部端子を接続するかの違いである。
(比較例2)
比較例1と同様にガルデン液の飽和蒸気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表2に示したように、ピーク温度238℃、ピーク温度での放置時間は20秒であった。その他の条件は比較例1と同様とした。
比較例1と同様にガルデン液の飽和蒸気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表2に示したように、ピーク温度238℃、ピーク温度での放置時間は20秒であった。その他の条件は比較例1と同様とした。
(比較例3)
乾燥大気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表2に示したように、ピーク温度250℃、ピーク温度での放置時間は10秒であった。その他の条件は比較例1と同様とした。
乾燥大気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表2に示したように、ピーク温度250℃、ピーク温度での放置時間は10秒であった。その他の条件は比較例1と同様とした。
(比較例4)
乾燥大気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表2に示したように、ピーク温度240℃、ピーク温度での放置時間は5分であった。その他の条件は比較例1と同様とした。
乾燥大気中で熱処理を行った。この熱処理条件は、表2に示したように、ピーク温度240℃、ピーク温度での放置時間は5分であった。その他の条件は比較例1と同様とした。
(試験結果1)
上記のようにして作成した実施例及び比較例の各固体電解コンデンサについて、半田リフロー条件と同等の熱負荷を加えて、その後の封止樹脂におけるマイクロクラックの発生頻度を調査したところ、表3に示すような結果が得られた。なお、従来例は、前述の熱処理を行わずに樹脂封止して完成した固体電解コンデンサである。
上記のようにして作成した実施例及び比較例の各固体電解コンデンサについて、半田リフロー条件と同等の熱負荷を加えて、その後の封止樹脂におけるマイクロクラックの発生頻度を調査したところ、表3に示すような結果が得られた。なお、従来例は、前述の熱処理を行わずに樹脂封止して完成した固体電解コンデンサである。
表3より明らかなように、実施例1、2、4、5では、リフローのピーク温度が250℃であっても、外装樹脂にマイクロクラックは発生しなかった。これに対し、比較例および従来例では、リフローのピーク温度が240℃でもマイクロクラックが発生しているものがあった。
また、リフローのピーク温度が245℃、250℃の場合、ガルデン液の飽和蒸気中で熱処理をすれば、処理時間(放置時間)が10秒ないし20秒と短時間でもマイクロクラックの発生が抑えられた(実施例1、実施例2)。これに対し、乾燥大気中で10秒程度熱処理をした実施例3の場合には、従来例に対してはマイクロクラック発生を抑制することができるものの、ガルデン液を用いた実施例1及び実施例2との対比では、マイクロクラックの発生を抑制する効果は小さかった。なお、乾燥大気中でも熱処理時間を5分程度まで行うことにより、ガルデン液飽和蒸気中での熱処理と同等のマイクロクラックの発生を抑制する効果が得られることが分かった。
表4の結果よりわかるように、乾燥大気で熱処理を行った実施例3および実施例4は、リフロー前後ともブランク(従来例)に対しESRが上昇してしまう。一方で、ガルデン液の蒸気中で熱処理を行った実施例1および実施例2は、リフロー後のESRの上昇も大きなものではなかった。この観点からも、ガルデン液のようなフッ素性不活性ガス雰囲気中で熱処理を行うことが好ましいと言える。
Claims (3)
- 陽極導出部を具備し、かつ弁作用金属からなる多孔質体の表面に誘電体酸化皮膜、固体電解質層、陰極導電体層を順次積層して構成したコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の陽極導出部および陰極導電体層とそれぞれ接続する外部端子と、このコンデンサ素子と外部端子の一部を被覆する外装樹脂からなる固体電解コンデンサの製造方法において、
コンデンサ素子と外部端子を接続した後に、200〜250℃の高温雰囲気中に放置し、さらにその後に樹脂外装を施すことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。 - 前記高温雰囲気が、不活性ガスよりなることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記不活性ガスが、フッ素含有不活性液の蒸気であることを特徴とする請求項2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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