JP2005100694A - 燃料電池の暖機システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 加熱手段を燃料電池の高効率電力で駆動し、駆動のための発電に使用する燃料消費量を低減できる燃料電池の暖機システムを提供する。
【解決手段】 燃料電池12の発電電力を蓄える蓄電池13を備え、燃料電池温度センサ9rが所定温度以下を検出した場合であって、蓄電池13の残電力量が少ない(所定量以下)場合には、燃料電池12の発電する電力により電動圧縮機17の駆動を行うとともに蓄電池13の充電を行い、蓄電池13の残電力量が所定量より多い場合には蓄電池13の電力を使用して電動圧縮機17を駆動する。そして、電動圧縮機17で高温高圧となった冷媒が水冷媒熱交換器24で第2冷却水循環経路15bの冷却水を加熱し、加熱された冷却水が燃料電池12内循環中に燃料電池12に熱を伝えて燃料電池12を暖機する。
【選択図】 図1

Description

本発明は燃料電池の暖機システムに関し、特に燃料電池が発電をしていない時の暖機に関する。
冬季等の気温が低い場合に燃料電池内において、電極近傍に存在している水分が凍結すると反応ガスの拡散を阻害したり、電解質膜の電気伝導率が低下したりするために燃料ガスを供給しても電気化学反応が進行せず、燃料電池が起動しないという問題が生じる。この問題を解消するため、特許文献1の車両用暖房装置のように、ヒートポンプサイクル中の圧縮機で高圧となった冷媒の熱により燃料電池の暖機を行うシステムが知られている。
この特許文献1の暖房装置には、図10に示すように冷媒の循環経路31が備えられている。この冷媒循環経路31には、気相冷媒を圧縮して高温高圧状態にする圧縮機17が配置され、圧縮機17の冷媒流れ下流側には、高温高圧となった気相冷媒が室内に吹き出す空気へ放熱する放熱器51が配置されている。
さらに、放熱器51の冷媒流れ下流側には冷媒を減圧膨脹して低温低圧の液相冷媒にする減圧器54が配置され、減圧器54の冷媒流れ下流側には低温低圧となった液相冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する蒸発器52が配置されている。さらに、蒸発器52の冷媒流れ下流側には冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して余剰冷媒を蓄えるとともに、分離した気相冷媒を圧縮機53の吸入側に流出させるアキュムレータ25が配置されている。
これによると、減圧器54で低温低圧となった液相冷媒が蒸発器52で室外空気から吸熱して蒸発し、一方、圧縮機53で高温高圧となった冷媒が放熱器51で室内への吹き出し空気を加熱するため、車室内への吹き出し空気の加熱、つまり車室内の暖房をすることができる。
また、燃料電池12の作動時には電気エネルギと共に熱が発生するが、効率よく発電するためには、燃料電池12を適切な温度に維持する必要がある。そのため、特許文献1の暖房装置には燃料電池12と、熱媒体である冷却水の熱を放熱する放熱器14a、14bとの間で冷却水を循環させる2つの冷却水循環経路15a、15bが備えられている。
より詳しく述べると、第1循環経路15aでは、燃料電池12から吸熱して高温になった冷却水が外気に熱を放熱する放熱器であるラジエータ14aと燃料電池12の間を循環する。一方、第2循環経路15bでは、燃料電池12から吸熱して高温になった冷却水が車室内への空気を加熱する温水ヒータ14bと燃料電池12の間を循環する。なお、この循環経路15a、15bには循環手段である水ポンプ55が備えられている。
ところで、特許文献1では、冷媒循環経路31のうち圧縮機53と放熱器51の間の部位には、圧縮機53から吐出される高圧冷媒と第2循環経路15bの冷却水を熱交換させる水冷媒熱交換器24が配置されている。この水冷媒熱交換器24では圧縮機53で高温高圧となった冷媒が冷却水循環経路15bの冷却水を加熱する。さらに、加熱された冷却水が燃料電池12内循環中に燃料電池12に熱を伝えることにより、燃料電池12を加熱、つまり暖機することができる。
特開2002−098430号公報
ところで、燃料電池のシステム効率は発電電力(燃料電池出力)が変化すると図7に示すように変化する。ここで、図7の縦軸のシステム効率とは概略すると発電電力を使用水素量で割ったものであり、システム効率が低いほど水素の消費量が増えることを意味している。図7の横軸は、燃料電池の最高発電電力に対する発電電力の比率を示しており、最高発電電力時が100%となる。
図7中の領域Aは、システム効率が高い燃料電池の発電電力領域を示しており、この高効率の発電電力域Aは、燃料電池の発電電力が最高発電電力の約7%〜約70%の範囲である。以下、システム効率が高い発電電力領域Aを高効率領域と称し、この高効率領域での発電電力を高効率電力と称す。
本発明者らは、特許文献1の車両用暖房装置の水ポンプ55、圧縮機53および減圧器54を燃料電池12の発電電力により駆動して燃料電池12の暖機を行うことを検討した。車両用の燃料電池12は最高発電電力が約100kW程度であり、車両用空調装置に使われるヒートポンプにおける圧縮機53および減圧器54ならびに冷却水循環のための水ポンプ55の合計消費電力は約3kWである。
この時、燃料電池の暖機のためのヒートポンプの駆動を燃料電池12の発電電力により行うと、燃料電池の発電を高効率電力以外である約3%の発電電力で行うことになる(図7中黒三角印)。そのため、発電に水素を多く消費してしまい、例えば燃料がタンク等に一定量しかない燃料電池車両の場合には燃料電池12の発電可能時間が短くなってしまうという問題が本発明者らの検討により判った。
本発明は、上記点に鑑み、加熱手段により燃料電池を暖機するシステムにおいて、加熱手段を燃料電池の高効率電力で駆動し、駆動のための発電に使用する燃料消費量を低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、水素と酸素との反応により発電する燃料電池(12)と、燃料電池(12)の温度を検出する温度検出手段(9g、9r)と、
燃料電池(12)を加熱する加熱手段(24、32)と、燃料電池(12)の発電した電力を蓄える蓄電手段(13)とを備え、
温度検出手段(9g、9r)が所定温度(T1)以下を検出した場合であって、蓄電手段(13)の残電力量が所定量(B2)より多い場合には、蓄電手段(13)の電力を使用して加熱手段(24、32)を駆動し、
温度検出手段(9g、9r)が所定温度(T1)以下を検出した場合であって、蓄電手段(13)の残電力量が所定量(B2)以下の場合には、燃料電池(12)の発電する電力により、加熱手段(24、32)を駆動するとともに蓄電手段(13)の充電を行う燃料電池の暖機システムを特徴としている。
これによると、燃料電池(12)の発電電力により、加熱手段(24、32)を駆動するとともに蓄電手段(13)の充電を行う、換言すると発電電力の一部を加熱手段(24、32)の駆動に使用し、残りを蓄電池(13)の充電に使用するため、燃料電池(12)を高効率電力(燃料電池のシステム効率が高い領域での発電電力)で発電させることができる。
そのため、加熱手段(24、32)の消費電力が燃料電池(12)のシステム効率が低い電力の場合であっても、燃料電池(12)を高効率電力で発電させることができ、加熱手段(12)駆動のための発電に使用する燃料の消費量を低減することができる。
なお、蓄電手段(13)の残電力量が所定量(B2)より多い場合には、蓄電手段(13)の電力を使用して加熱手段(24、32)を駆動する。この時、燃料電池(12)は加熱手段(24、32)の駆動のための発電を行わないため、当然に燃料は消費しない。
また、請求項2に記載の発明のように、請求項1において、冷媒が循環する冷媒循環経路(31)を有し、冷媒循環経路(31)に、冷媒と室外空気を熱交換させる室外熱交換器(18)と、冷媒と室内に吹き出す空気を熱交換させる室内熱交換器(19)と、燃料電池(12)または蓄電手段(13)の電力により駆動され、冷媒を高圧状態に圧縮する電動圧縮機(17)と、高圧冷媒を減圧する減圧手段(22、23)とが配置されるヒートポンプを備え、電動圧縮機(17)から吐出された高圧冷媒の熱により燃料電池(12)を加熱してもよい。
また、請求項3の発明では、請求項2において、燃料電池(12)は燃料電池(12)を冷却する冷却水の循環経路(15a、15b)を備えており、加熱手段は電動圧縮機(17)から吐出された高圧冷媒と冷却水を熱交換させる熱交換器(24)であり、
熱交換器(24)が冷却水を介して燃料電池(12)を加熱するようになっている燃料電池の暖機システムを特徴としている。
これによると、熱交換器(24)は、電動圧縮機(17)から吐出された高圧冷媒の熱を使用して循環経路(15a、15b)の冷却水を加熱し、この冷却水が燃料電池(12)内を循環中に燃料電池(12)を加熱するため、燃料電池(12)の暖機を行うことができる。
また、請求項4に記載の発明のように、請求項1において、加熱手段に通電により発熱する電気ヒータ(32)を使用して燃料電池(12)を加熱してもよい。
ところで、従来の燃料電池の暖機システムにおいても、燃料電池(12)の高効率領域の消費電力を有する電気ヒータ(32)を使用すれば、燃料電池(12)の発電を高効率電力(燃料電池の最高発電電力の約7%〜約70%の電力)で行うことが可能である。ところが、最高発電電力が大きい燃料電池(12)の場合には、当然に消費電力が大きい電気ヒータ(32)を使用することになる。電気ヒータ(32)は、消費電力が大きくなるに従って大型化するため、最高発電電力が大きい燃料電池(12)の場合には、電気ヒータ(32)を搭載する空間が増加してしまうという問題がある。
しかし、請求項5によると、請求項1で述べた理由により消費電力が小さい加熱手段、つまり電気ヒータ(32)が使用できるため、電気ヒータ(32)の搭載空間の増加を防止することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る燃料電池の暖機システムを電気自動車用燃料電池に適用したものであり、図1は本実施形態の燃料電池の暖機システムの模式図である。
本実施形態では、電気自動車を走行用電動モータ11の駆動により走行させており、この電動モータ11駆動のための電力は、酸素と水素とを化学反応させることにより発電する燃料電池(FCスタック)12から供給されている。本実施形態では、比較的低温(例えば60〜80℃)で効率良く発電動作する高分子膜電解質タイプの燃料電池12を採用している。なお、燃料電池12における空気給排気系および水素給排気系の図示は省略している。さらに、燃料電池12には、燃料電池12で発電した電力を蓄える蓄電手段である蓄電池13が接続されている。なお、本実施形態の燃料電池12の最高発電電力は約100kWである。
ところで、燃料電池12の発電時には電気エネルギと共に熱が発生する。効率よく発電させるためには、燃料電池12を冷却して適切な温度(本実施形態では約80℃、図6中でのT3に相当する)に維持する必要がある。そのため、本実施形態には燃料電池12と、冷却水の熱を放熱する放熱器14a、14bとの間で冷却水を循環させる2つの冷却水循環経路15a、15bが備えられている。
より詳しく述べると、冷却水は第1循環経路15aでは、燃料電池12と高温になった冷却水から外気に熱を放熱する放熱器であるラジエータ14aとの間を循環する。一方、冷却水は第2循環経路15bでは、燃料電池12と高温になった冷却水が車室内への空気を加熱する温水ヒータ14bとの間を循環している。ラジエータ14aおよび温水ヒータ14bは、高温になった冷却水と空気とを熱交換する熱交換器であり、周知の車両用エンジン冷却水を冷却するラジエータとほぼ同様の構造を持っている。
さらに、第2循環経路15bのうち、燃料電池12と温水ヒータ14bとの間の部位には、水冷媒熱交換器24が配置されている。この水冷媒熱交換器24については後述する。また、冷却水循環経路15a、15bのうち燃料電池12への冷却水入口(流入)側部位には、冷却水を循環させる循環手段である電動式水ポンプ16が配置されている。
ところで、燃料電池12発電時とは逆に、燃料電池12停止時で例えば冬季の朝等には燃料電池12の温度が氷点下になる場合がある。このような場合には、燃料電池12内において、電極近傍に存在している水分が凍結して反応ガスの拡散を阻害したり、電解質膜の電気伝導率が低下したりするため燃料ガスを供給しても電気化学反応が進行せず、燃料電池12が起動しないという問題が生じる。したがって、作動可能温度T1(0℃以上の温度で燃料電池12が発電可能な温度、本実施形態では約5℃)以上まで燃料電池12を加熱(暖機)する必要がある。
そのため、本実施形態では、電気自動車の室内空調を行う車両用空調装置の熱を利用して燃料電池12を暖機している。本実施形態の車両用空調装置を図1に基づいて説明すると、本実施形態ではヒートポンプを使用して空調を行っており、このヒートポンプには冷媒が循環する冷媒循環経路31が備えられている。そして、この冷媒循環経路31には、電動圧縮機17、水冷媒熱交換器24、切替弁21、減圧器22、23、2つの熱交換器18、19、内部熱交換器20およびアキュムレータ25が配置されている。
電動圧縮機17は冷媒循環経路31の冷媒を吸入圧縮するポンプ手段であり、本実施形態では電動圧縮機17にインバータ制御方式の電動圧縮機を採用している。なお、本実施形態では二酸化炭素を冷媒として使用している。
室外熱交換器18は、冷媒循環経路31の冷媒と室外空気とを熱交換する熱交換器であり、室内熱交換器19は室内に吹き出す空気と冷媒循環経路31の冷媒とを熱交換する熱交換器である。内部熱交換器20は電動圧縮機17に吸引される低圧冷媒と第1減圧器22で減圧される前の高圧冷媒とを熱交換する熱交換器である。
切替弁21は電動圧縮機17から吐出される高圧冷媒を室外熱交換器18側に循環させる場合(後述の冷房運転モード)と室内熱交換器19側に循環させる場合(後述の暖房運転モード)とを切り替えるバルブである。第1減圧器22および第2減圧器23は、電気式のアクチュエータにより圧力損失が殆ど発生しない全開状態から冷媒を減圧膨脹させる所定開度まで連続的に絞り開度を変化させることができるようになっている。
水冷媒熱交換器24は、電動圧縮機17から吐出される高温高圧の冷媒と燃料電池12から流出した冷却水のうち、温水ヒータ14bに供給される冷却水とを熱交換する熱交換器である。なお、図1では、水冷媒熱交換器24において冷媒と冷却水とは並行流となっているが、実際の水冷媒熱交換器24では、両者を対向流として熱交換効率を高めている。
また、アキュムレータ25は、冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して余剰冷媒を液相冷媒として蓄えるとともに、気相冷媒を電動圧縮機17の吸入側に供給するものである。
ところで、空調ケーシング26は室内に吹き出す空気の通路を形成しており、空調ケーシング26内には室内熱交換器19が収納されている。この空調ケーシング26内のうち室内熱交換器19よりも空気流れ下流側部位には、冷却水を熱源として室内に吹き出す空気を加熱する温水ヒータ14bが配置されている。
また、エアミックスドア27は、室内熱交換器19を通過した空気のうち温水ヒータ14bを通過して加熱される温風と温水ヒータ14bを迂回して流れる冷風との風量割合を調節することにより室内に吹き出す空気の温度を調節するものである。
また、空調ケーシング26の空気流れ最上流側の部位には、空調ケーシング26内に導入する室内空気量と室外空気量と調節する内外気切換ユニット28および室内に空気を送風する送風機29が配置されている。一方、空調ケーシング26の空気流れ最下流側の部位には、車室内へ空調空気を吹出す吹出口を選択開閉する吹出モード切換装置(図示せず。)が配置されている。
次に本実施形態の電子部品を図1と図2を使用して説明すると、本実施形態には電動圧縮機17から吐出する冷媒の温度を検出する吐出冷媒温度センサ9a、電動圧縮機17から吐出する冷媒の圧力検出する吐出冷媒圧力センサ9b、水冷媒熱交換器24から流出する冷媒の温度を検出する中間熱交換器冷媒温度センサ9c、室外熱交換器18から流出する冷媒の温度を検出する室外熱交換器冷媒温度センサ9d、室内熱交換器19から流出した冷媒の圧力を検出する室内熱交換器冷媒圧力センサ9e、室内熱交換器19から流出した冷媒の温度を検出する室内熱交換器冷媒温度センサ9f、水冷媒熱交換器24に流入する冷却水の温度を検出する水温センサ9g、車室外空気温度を検出する外気温センサ9h、車室外空気の相対湿度を検出する外気湿度センサ9j、室内空気温度を検出する内気温センサ9k、室内に注がれる日射を検出する日射センサ9m、車室内空気の相対湿度を検出する内気湿度センサ9n、室内熱交換器19通過直後の空気温度を検出する室内熱交換器空気温度センサ9pおよび燃料電池12の温度を検出する燃料電池温度センサ9rが配置されている。
そして、これらの電子部品9a〜9rの検出値は電子制御装置(ECU)30に入力される。この入力値に基づいて電子制御装置30は、電動式水ポンプ16の送水量、電動圧縮機17の回転数、切替弁21の流路、両減圧器22、23の絞り開度、エアミックスドア27のドア開度、内外気切換ユニット28、送風機29の送風量および吹出モード切換装置を制御する。なお、30aは燃料電池12の発電電力による駆動回路を示しており、30bは蓄電池13の電力による駆動回路を示している。
次に、本実施形態における燃料電池12の加熱時(暖機時)の作動を図3の電子制御装置30の制御流れ図に基づいて説明する。まず、ステップS100では、電気自動車のIG(イグニッションスイッチ)がオフ、つまり燃料電池12の発電が停止する。次に、ステップS110で燃料電池温度センサ9rの検出した燃料電池(FC)12温度がT1以下か否かを判断する。ステップS110がNOの場合はステップS110を繰り返し、YESの場合はステップS120へ進む。
ステップS120では、蓄電池13の残電力量がB2以下か否かを判断し、YESの場合にはステップS130へ進む。ステップS120がNOの場合は後述する。なお、電子制御装置30による蓄電池13の残電力量の判定方法は以下のようなものである。蓄電池13の充電・放電の各電流値と、充電時間・放電時間とを積算することにより充電残量を算出(推定)する方法、または蓄電池13の電解液の比重変化を検出するセンサを設け、この比重検出センサの検出信号に基づいて充電残量の判定する方法等を用いることができる。また、本実施形態では蓄電池としてリチウムイオン電池を使用しているが、鉛蓄電池、ニッケル水素電池等を使用してもよい。
ステップS130では燃料電池12が起動し、さらにステップS140では電動水ポンプ16と、加熱手段、本実施形態での電動圧縮機17、切替弁21および減圧器22、23が起動する。この時、燃料電池12の発電力により、電動水ポンプ16および加熱手段が駆動しており、それと同時に燃料電池12の発電力による蓄電池13への充電も行われている。なお、S140の作動は、図2中の燃料電池12発電電力による駆動回路30aにより駆動制御されている。
ここで、図1の構成模式図を使用して燃料電池12が加熱(暖機)されるメカニズムについて説明すると、まず電動圧縮機17の起動により高温高圧となった冷媒が水冷媒熱交換器24に流入する。水冷媒熱交換器24では、第2循環経路の冷却水が冷媒により加熱されて高温となる。この冷却水は電動水ポンプ16により第2循環経路15bを循環し、燃料電池12内を循環中に燃料電池12に熱を伝えることにより、燃料電池12を加熱、つまり暖機を行っている。この時、切替弁21および減圧器22、23は後述の暖房運転モード時と同様の作動をしているが、送風機29は車室内に送風をする必要が無いので駆動していない。
そして、ステップS150では燃料電池温度センサ9rの検出した燃料電池12の温度がT2以上か否かを判断し、NOの場合にはステップS120〜ステップS150を繰り返す。ステップS150がYESの場合には、ステップS160へ進み、電動水ポンプ16および加熱手段、本実施形態では電動圧縮機17、切替弁21および減圧器22、23をオフにする。さらにステップS170で燃料電池12をオフにしてステップS110へと戻る。
一方、ステップS120での判断がNO、つまり蓄電池13の残電力量がB2より多い場合には、ステップS210へと進み、電動水ポンプ16と、加熱手段、本実施形態での電動圧縮機17、切替弁21および減圧器22、23を起動する。この時、蓄電池13の電力により、電動水ポンプ16および加熱手段が駆動している。なお、S210の作動は、図2中の蓄電池13の電力による駆動回路30bにより駆動制御されている。
そして、ステップS220で燃料電池温度センサ9rの検出した燃料電池12の温度がT2以上か否かを判断し、YESの場合には、ステップS240へ進み電動水ポンプ16および加熱手段、本実施形態では電動圧縮機17、切替弁21および減圧器22、23をオフにしてステップS110へ戻る。
一方、ステップS220の判断がNOの場合にはステップS230へ進み、蓄電池13の残電力量がB1以下か否かを判断する。なお、このB1は前述のB2よりも小さい値である。ステップS230の判断がNO(蓄電池13の残電力量がB1より多い)の場合には、S210〜S230を繰り返し、一方YESの場合には、ステップS240へ進み電動水ポンプ16および加熱手段、本実施形態では電動圧縮機17、切替弁21および減圧器22、23をオフにしてステップS110へと戻る。
なお、図4は温度T1以下で加熱手段が起動し、T2で加熱手段がオフするという加熱手段の制御特性を示している。また、図5は蓄電池13の残電力量がB2以上の場合には、蓄電池13の電力により加熱手段を駆動し、残電力量がB1以下の場合には、燃料電池12の発電電力により加熱手段を駆動するという加熱手段の電源制御特性を示している。なお、残電力量がB1以下の場合には、燃料電池12の発電力による加熱手段の駆動とともに蓄電池13への充電も行われている。
上述した作動による燃料電池12の温度の変化の一例を図6に示す。図6中FC−OFFは燃料電池12停止時を、FC−ONは燃料電池12発電時を示している。燃料電池12は、発電を開始(A1)すると発電時に発生する熱により温度が上昇する。本実施形態では前述したように燃料電池12が所定温度(T3、本発明では約80℃)を超えないように冷却水循環経路を15a、15bを配置して燃料電池12がT3を超えて温度上昇することを防止している。
燃料電池12が発電を停止(A2)すると、温度は下降していく。燃料電池12の温度が所定温度(T1、本発明では約5℃)よりも低くなると、加熱手段、本実施形態では電動圧縮機17、切替弁21および減圧器22、23ならびに電動水ポンプ16が駆動する。そして、水冷媒熱交換器24において高温高圧の冷媒で加熱された冷却水により燃料電池12が加熱(暖機)される(A3〜A4間)。燃料電池12の温度が所定温度T2まで上昇すると加熱を止める(A4)ため、燃料電池12の温度が下降していく(A4〜A3)。そして、燃料電池12の温度が所定温度(T1、本発明では約5℃)よりも低くなると、再び加熱手段による加熱を開始する。
本実施形態では、上述のように燃料電池12の過熱を防止する冷却水とヒートポンプを使用した車両用空調装置を利用して燃料電池12の暖機を行ったが、この車両用空調装置は、燃料電池12の暖機のために備えられているのではなく、本来、電気自動車の車室内の空調を行うものである。そこで、車両用空調装置の作動を説明する。
1.冷房運転モード
外気温センサ9h、内気温センサ9kおよび日射センサ9mの検出値ならびに乗員が設定入力した希望室内温度(設定温度)等に基づいて算出された目標吹出温度TAOが所定温度以下のときに実行されるもので、エアミックスドア27にて温水ヒータ14bのコア面を閉じて温水ヒータ14bに流れ込む風量を0とした状態で、冷媒を電動圧縮機17→水冷媒熱交換器24→第2減圧器23→切替弁21→室外熱交換器18→内部熱交換器20→第1減圧器22→室内熱交換器19→切替弁21→アキュムレータ25→内部熱交換器20→電動圧縮機17の順で循環させている。
このとき、第2減圧器23は冷媒が減圧されないように第2減圧器23の絞り開度を全開とする。同時に、第1減圧器22は吐出冷媒圧力センサ9bでの検出圧力が室外熱交換器冷媒温度センサ9dによって決定される目標高圧圧力Poとなるように第1減圧器22の絞り開度を制御する。これにより、冷媒は室内熱交換器19では室内に吹き出す空気から吸熱して蒸発し、その熱を水冷媒熱交換器24および室外熱交換器18にて放熱する。
なお、エアミックスドア27により温水ヒータ14bのコア面が閉じられているので、冷媒が室内熱交換器19で吸熱した熱のうち水冷媒熱交換器24で放熱した熱は、室内に吹き出す空気中に放出されることなく、ラジエータ14aに放熱される。
ちなみに、目標高圧圧力Poとは蒸気圧縮式冷凍機の成績係数が略最大となる圧力であり、この目標高圧圧力Poは高圧側での放熱能力によって変化するため、冷房運転時では、室外熱交換器冷媒温度センサ9dの検出温度に基づいて決定する。
また、室内熱交換器空気温度センサ9pの検出温度が目標吹出温度TAOとなるように電動圧縮機17の回転数が制御される。
2.暖房運転モード
冷房運転とは逆に目標吹出温度TAOが所定温度以上ときに実行されるもので、エアミックスドア27を開いて室内への空気を温水ヒータ14bへ導いている状態で、冷媒を、電動圧縮機17→水冷媒熱交換器24→第2減圧器23→切替弁21→室内熱交換器19→第1減圧器22→内部熱交換器20→室外熱交換器18→切替弁21→アキュムレータ25→電動圧縮機17の順に循環させる。
このとき、第2減圧器23は冷媒が減圧されないように第2減圧器23の絞り開度を全開とする。同時に、第1減圧器22は室内熱交換器冷媒圧力センサ9eでの検出圧力が室内熱交換器冷媒温度センサ9fによって決定される目標高圧圧力Poとなるように第1減圧器22の絞り開度を制御する。これにより、冷媒は室外熱交換器18にて室外空気から吸熱して蒸発し、その熱を水冷媒熱交換器24および室内熱交換器19にて放熱する。このため、室内に吹き出す空気は室内熱交換器19および温水ヒータ14bにて加熱されて室内に吹き出される。
また、温水ヒータ14bに供給される冷却水(温水)は、燃料電池12および水冷媒熱交換器24にて加熱されており、温水ヒータ14bに供給される冷却水の温度は水冷媒熱交換器24の加熱能力で決定されることから、本実施形態では温水ヒータ14bに供給される冷却水の温度が目標吹出温度TAOに温水ヒータ14bでの熱交換効率γを乗じた目標水温TWO(=TAO×γ)となるように電動圧縮機17の回転数を制御している。
具体的には、目標水温TWOと水温センサ9gの検出温度との温度差および温度差の変化率からファジー理論に基づいて電動圧縮機17の回転数変化量Δfを決定するものである。なお、内部熱交換器20の電動圧縮機17側および第1減圧器22側には、共に減圧後の冷媒が流れるため、実質的に熱交換が行われない。
ちなみに、目標水温TWOと水温センサ9gの検出温度との温度差が所定温度以下のとき、または水温センサ9gの検出温度が目標水温TWO以上であるときには、電動圧縮機17を停止して蒸気圧縮式冷凍機による暖房補助、つまり蒸気圧縮式冷凍機によって温水ヒータ14bに流入する冷却水を加熱することは行わない。
3.第1除湿暖房モード
室外空気温度(外気温センサ9hの検出温度)が所定温度(例えば、20℃)以上で空調負荷が比較的に小さいときであって、目標吹出温度TAOが所定温度以上のときに実行されるもので、エアミックスドア27を開いて室内への空気を温水ヒータ14bへ導いている状態で、冷媒を冷房運転時と同様な経路で循環させる。
具体的には、電動圧縮機17→水冷媒熱交換器24→第2減圧器23→切替弁21→室外熱交換器18→内部熱交換器20→第1減圧器22→室内熱交換器19→切替弁21→アキュムレータ25→電動圧縮機17の順である。
このとき、第2減圧器23の絞り開度を調節することにより室外熱交換器18での冷媒からの放熱量を調節し、第1減圧器22の絞り開度を調節することにより室内熱交換器19の冷媒温度を調節して冷却除湿量を調節する。ちなみに、電動圧縮機17の制御は、冷房運転時と同じである。
これによると、水冷媒熱交換器24にて冷却水を介して間接的に室内に吹き出す空気を加熱するとともに、室内熱交換器19にて冷媒を蒸発させて室内に吹き出す空気を冷却することができるので、室内熱交換器19にて除湿冷却された空気が温水ヒータ14bにて再加熱されるため、除湿しながら暖房を行うことができる。
4.第2除湿暖房モード
室外空気温度(外気温センサ9hの検出温度)が所定温度(例えば、20℃)未満で空調負荷が比較的に大きいときであって、目標吹出温度TAOが所定温度以上のときに実行されるもので、エアミックスドア27を開いて室内への空気を温水ヒータ14bへ導いている状態で、冷媒を暖房運転時と同様な経路で循環させる。
具体的には、電動圧縮機17→水冷媒熱交換器24→第2減圧器23→切替弁21→室内熱交換器19→第1減圧器22→内部熱交換器20→室外熱交換器18→切替弁21→アキュムレータ25→電動圧縮機17の順である。
このとき、第2減圧器23の絞り開度を調節することにより室内熱交換器19の冷媒温度を調節して冷却除湿量を調節し、第1減圧器22の絞り開度を調節することにより室外熱交換器18での冷媒の吸熱量を調節する。ちなみに、電動圧縮機17の制御は、暖房運転時と同じである。
これにより、水冷媒熱交換器24を介して間接的に室内に吹き出す空気を加熱するとともに、室内熱交換器19にて冷媒を蒸発(冷媒に吸熱)させて室内に吹き出す空気を冷却することができ、さらに室内熱交換器19では除湿冷却された空気が温水ヒータ14bにて再加熱されるため、除湿しながら暖房を行うことができる。
5.エアミックスモード
本実施形態に係る空調装置は、原則的に温水ヒータ14bのコア面を全閉または全開とした状態で、電動圧縮機17の回転数および減圧器22、23の絞り開度を調節することにより室内に吹き出す空気の温度を調節するが、例えば冷房運転から暖房運転に切り替わった直後等の過渡期や目標吹出温度TAOが急変したときには、エアミックスドア27の開度を調節することにより室内に吹き出す空気の温度を調節する。
具体的には、目標吹出温度TAOが急変したときには、目標吹出温度TAOと室内熱交換器空気温度センサ9pの検出温度TEとの温度差(TAO−TE)と、温水ヒータ14bを通過した直後の空気温度TGOと室内熱交換器空気温度センサ9pの検出温度TEとの温度差(TAG−TE)との比(=(TAO−TE)/(TAG−TE))に基づいてエアミックスドア27の開度を調節する。
次に、上述の構成による作用効果を列挙すると(1)燃料電池12の暖機のための発電を高効率電力で行うことができるため、使用する燃料の消費を抑えることができる。
従来、燃料電池12の発電電力により加熱手段24を駆動して、燃料電池12の暖機を行う場合があった(図7中黒三角)。本実施形態における加熱手段(ヒートポンプを使用した車両用空調装置のうち、主として電動圧縮機17、切替弁21および減圧器22、23ならびに第2循環経路15bの冷却水を循環させる電動水ポンプ16)の駆動による消費電力は、約3kWである。本実施形態の燃料電池12の最高発電電力は約100kW程度であるため、加熱手段の消費電力は最高発電電力の約3%となり、図7に示すようにシステム効率が低い(燃料の消費が多い)。
しかし、本実施形態では燃料電池12の発電した電力を蓄える蓄電池13を備え、蓄電池13の残電力量が少ない(電力量がB2以下)場合には、燃料電池12をシステム効率が高い約7kWで発電し(図7中黒丸印)、そのうちの約3kWで加熱手段を駆動に使用し、残りを蓄電池13の充電に使用している。
そのため、加熱手段の消費電力が燃料電池12のシステム効率が低い約3kWであっても、燃料電池12を高効率電力約7kWで発電させることができ、加熱手段駆動、つまり燃料電池12暖機のための発電に使用する燃料の消費量を低減することができる。
なお、蓄電池13の残電力量が多い(残電力量がB2より多い)場合には、加熱手段は蓄電池13の電力により駆動されるため当然に燃料は消費しない。
(2)燃料電池12の暖機のための部品を追加することなく燃料電池12を暖機することができる。より詳しく述べると、本実施形態のようなヒートポンプを使用した車両用空調装置では、電動圧縮機17で圧縮された高温高圧の冷媒が発生する。一方、燃料電池12には発電時の過熱を防止する冷却水の循環経路15a、15bが備えられている。本実施形態には、後述する作用効果(4)を発揮させるために、電動圧縮機17からの吐出冷媒(高温高圧)と冷却水とを熱交換させる水冷媒熱交換器24が配置されている。
そして、燃料電池12の暖機時には電動圧縮機17の駆動により冷媒を高温高圧にし、水冷媒熱交換器24で冷媒が循環経路15a、15bの冷却水を加熱する。さらに、この冷却水が燃料電池12内の循環中に燃料電池12に熱を伝えることにより、燃料電池12を加熱、つまり暖機することができる。したがって、特別な部品や構成要素を追加せずに燃料電池12の加熱(暖機)を行うことができる。
(3)水冷媒熱交換器24を冷媒流れにおいて電動圧縮機17の次に配置し、電動圧縮機17での圧縮により冷媒経路中で最も高温高圧となった冷媒が流入するようにしたため、より早く冷却水の加熱、つまり燃料電池12の加熱(暖機)を行うことができる。
(4)第2除湿モードを備えているため、外気温度が低く空調負荷が大きいときであっても、十分な暖房能力を発揮させながら、室内に吹き出す空気を除湿することができる。
本実施形態において第1除湿運転時には、冷媒の圧力が室内熱交換器19で最も低圧となるのに対して、第2除湿運転時では、室内熱交換器19では室外熱交換器18より高圧となる。
したがって、第2除湿運転時では、室内熱交換器19の温度を室外熱交換器18の温度より高く設定することができるので、室内熱交換器19をフロストしないような温度(例えば、2℃〜3℃)に制御しても室外熱交換器18にて室外空気から吸熱させることができ、室外熱交換器18および室内熱交換器19で吸熱された熱が水冷媒熱交換器24、つまり温水ヒータ14bから室内に吹き出す空気中に放出される。
一方、第1除湿運転時では、室内熱交換器19が最も低圧側に位置するので、特許文献1に記載の発明と同様に、室外熱交換器18の温度が室内熱交換器19より高くなるため、外気温度が0℃程度の場合には、室外熱交換器18の温度が室外空気温度より高くなるため、室外熱交換器18は、吸熱器として稼動することなく、放熱器として稼動してしまう。
以上に述べたように、本実施形態では、外気温度が低く空調負荷が大きいときには、第2除湿運転とすることで、十分な暖房能力を発揮させながら、室内に吹き出す空気を除湿することができる。
また、外気温度が比較的に高く空調負荷が小さいときには、第1除湿運転とすることで、十分な暖房能力を発揮させながら、室内に吹き出す空気を除湿することができる。
(第2実施形態)
本実施形態は、第1実施形態と同構成であるが、第1実施形態では燃料電池温度センサ9rが直接的に行っている燃料電池12の温度の検出を、冷却水循環経路15a、15b中に配置した水温センサ9gにより間接的に行っている。
図8は、本実施形態における燃料電池12の加熱時(暖機時)の電子制御装置30の制御流れ図で、第1実施形態との違いは、ステップS110での水温検出および判断の前にステップS105で電動水ポンプ16を起動している部分である。この電動水ポンプ16の起動により循環経路15a、15b内の冷却水を循環させ、水温センサ9gが配置されている配管(温度が低下しやすい)と燃料電池12(温度が低下しにくい)との温度差が少なくなるようにしている。
これによると、燃料電池12の温度を冷却水循環経路15bに配置されている水温センサ9gにより検出できるため、第1実施形態のように直接燃料電池12の温度を検出する温度センサ9rを廃止することができる。
なお、本実施形態においても第1実施形態で述べた作用効果(1)〜(4)を発揮することができる。
(第3実施形態)
本実施形態は、燃料電池12を暖機する加熱手段として通電により発熱する電気ヒータ32を使用している。本実施形態では第1、第2実施形態とは異なり、燃料電池12が断熱構造の筐体である断熱ケース33内に配置されており、燃料電池12を保温することができるようになっている。
燃料電池12には、燃料電池12を加温あるいは冷却するための冷却水を燃料電池12の外部に循環するための循環回路(冷却水循環回路)15aが配置されている。循環回路15aには、循環回路15a内に冷却水を循環する循環手段としてのポンプ17と、冷却水から熱を外部に放出する放熱手段としてのラジエータ14aとが設けられている。
循環回路15aの最上流側部には、燃料電池12から流出する冷却水の温度を検出する温度検出手段としての水温センサ9gが配置されている。水温センサ9gは、冷却水の温度を電子制御装置(ECU)30に出力するようになっている。また、循環回路15aのポンプ17およびラジエータ14a配置部位より下流側には、冷却水を加熱する加熱手段である電気ヒータ32が備えられている。
燃料電池12の図示しない端子には配線が延設されており、この配線を介して、車両に搭載されたモータ11、燃料電池12が発電した電力を蓄える蓄電手段としての蓄電池13および前述の電気ヒータ32等が接続している。なお、モータ11、蓄電池13、電気ヒータ32等は、燃料電池12に電気的に常時接続しているのではなく、図示しないスイッチ手段により、電気回路は適宜開閉されるようになっている。
本実施形態では、電子制御装置30が第2実施形態と同様の制御(図8参照)を行うことにより、燃料電池12の暖機を行っている。ここで図8中の加熱手段は当然に電気ヒータ32となる。
次に、本実施形態の作用効果を述べると、第1実施形態の作用効果(1)と同様の理由により、燃料電池12を高効率電力で発電させることができ、加熱手段の駆動、つまり燃料電池12暖機のための発電に使用する燃料の消費量を低減することができる。
さらに、燃料電池12の暖機に必要な最小限の消費電力の電気ヒータ32を加熱手段として使用できる。電気ヒータ32は、消費電力に比例して搭載空間が変化するため、消費電力が小さい電気ヒータ32を使用すれば電気ヒータ32の搭載空間を小さくすることができる。
また、燃料電池12を断熱ケース33内に配置したため、燃料電池12が低温環境下に置かれたとしても、外部に放熱しにくい。したがって、燃料電池12の温度を所定温度以上に保つことが容易となる。
(他の実施形態)
上述の第1、第2実施形態では、中間熱交換器で高温高圧の冷媒の熱を使用して冷却水を加熱し、この冷却水が燃料電池に熱を伝えて燃料電池の暖機を行った例を示したが、例えば、ラジエータのように高温高圧の冷媒の熱を空気へ放熱し、その空気で燃料電池を加熱するものであってもよい。
また、第1〜第3実施形態では蓄電手段として蓄電池を使用した例を示したが、電力を蓄える手段であればよく、例えばキャパシタ等を使用してもよい。また、キャパシタ等に一時的に電力を蓄え、その電力を最終的に蓄電池に充電するものであってもよい。
また、第1〜第3実施形態では蓄電手段に燃料電池の発電電力を蓄電する例を示したが、燃料電池の発電電力に加えて、ブレーキ時に発生する回生電力等を蓄電してもよいのは当然である。
また、第1〜第3実施形態では燃料電池の作動可能温度T1が約5℃の例を示したが、T1は0℃以上で燃料電池の起動が可能な温度であれば何℃でもよい。また、燃料電池の限度温度T3が約80℃の例を示したが、燃料電池の発電効率が落ちない温度であればよい。
また、第1、第2実施形態においても、第3実施形態と同様に燃料電池を断熱ケース内に配置してもよい。
また、第1〜第3実施形態では燃料電池を電源とする電気自動車に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、燃料電池の発電電力を他の目的に利用するものにも適用することができる。
また、第1、第2実施形態では、ヒートポンプを使用して車室内を空調する空調装置の例を示したが、ヒートポンプを使用した空調装置は車両用のものに限られるものではない。また、空調装置は冷媒循環経路を切替える切替弁を備えずに室内熱交換器から放熱のみを行う暖房装置、室内熱交換器から吸熱のみを行う冷房装置であってもよい。この時の冷媒を減圧する減圧器は、電気式のアクチュエータにより連続的に絞り開度を変化させるものに限らず、固定した絞り開度を有するものであってもよい。
また、第1、第2実施形態では、第1除湿暖房運転と第2除湿暖房運転とを有していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも第2除湿暖房運転を備えていればよい。
また、第1、第2実施形態では、第1除湿運転時に第2減圧器23にて室外熱交換器18に流入する冷媒を減圧したが、空調負荷によっては第2減圧器23にて冷媒を減圧しなくてもよい。
また、上述の、第1、第2実施形態では、第2除湿運転時に第1減圧器22にて室外熱交換器18に流入する冷媒を減圧したが、空調負荷によっては第1減圧器22にて冷媒を減圧しなくてもよい。
また、上述の、第1、第2実施形態の内部熱交換器20を廃止してもよい。
第1実施形態に係る燃料電池の暖機システムを示す模式図である。 図1の暖機システムの電気制御ブロック図である。 図1の暖機システムにおける電子制御装置の制御を示す流れ図である。 第1実施形態での燃料電池の温度による加熱手段の制御を示す制御特性図である。 第1実施形態での蓄電池の残電力量による加熱手段の電源制御を示す制御特性図である。 第1実施形態の暖機システムの作動と燃料電池の温度との関係を示す図である。 燃料電池の発電電力の違いによるシステム効率の変化を示す特性図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池の暖機システムの電子制御装置の制御を示す流れ図である。 本発明の第3実施形態に係る燃料電池の暖機システムを示す模式図である。 特許文献1に係る燃料電池の暖機システムを示す模式図である。
符号の説明
9g…水温センサ(温度検出手段)、9r…燃料電池温度センサ(温度検出手段)、
12…燃料電池、13…蓄電池(蓄電手段)、15a、15b…冷却水循環経路、
17…電動圧縮機、18…室外熱交換器、19…室内熱交換器、
22…第1減圧器(減圧手段)、23…第2減圧器(減圧手段)、
24…水冷媒熱交換器(加熱手段)、31…冷媒循環経路、
32…電気ヒータ(加熱手段)。

Claims (4)

  1. 水素と酸素との反応により発電する燃料電池(12)と、
    前記燃料電池(12)の温度を検出する温度検出手段(9g、9r)と、
    前記燃料電池(12)を加熱する加熱手段(24、32)と、
    前記燃料電池(12)の発電した電力を蓄える蓄電手段(13)とを備え、
    前記温度検出手段(9g、9r)が所定温度(T1)以下を検出した場合であって、前記蓄電手段(13)の残電力量が所定量(B2)より多い場合には、前記蓄電手段(13)の電力を使用して前記加熱手段(24、32)を駆動し、
    前記温度検出手段(9g、9r)が所定温度(T1)以下を検出した場合であって、前記蓄電手段(13)の残電力量が所定量(B2)以下の場合には、前記燃料電池(12)の発電する電力により、前記加熱手段(24、32)を駆動するとともに前記蓄電手段(13)の充電を行うことを特徴とする燃料電池の暖機システム。
  2. 冷媒が循環する冷媒循環経路(31)を有し、
    前記冷媒循環経路(31)において、前記冷媒と室外空気を熱交換させる室外熱交換器(18)と、
    前記冷媒と室内に吹き出す空気を熱交換させる室内熱交換器(19)と、
    前記燃料電池(12)または前記蓄電手段(13)の電力により駆動され、前記冷媒を高圧状態に圧縮する電動圧縮機(17)と、
    前記高圧冷媒を減圧する減圧手段(22、23)とが配置されるヒートポンプを備え、
    前記加熱手段は、前記電動圧縮機(17)から吐出された前記高圧冷媒の熱により前記燃料電池(12)を加熱するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の暖機システム。
  3. 前記燃料電池(12)は、前記燃料電池(12)を冷却する冷却水の循環経路(15a、15b)を備えており、
    前記加熱手段は、前記電動圧縮機(17)から吐出された前記高圧冷媒と前記冷却水を熱交換させる熱交換器(24)であり、
    前記熱交換器(24)が前記冷却水を介して前記燃料電池(12)を加熱するようになっていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池の暖機システム。
  4. 前記加熱手段は、通電により発熱する電気ヒータ(32)であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の暖機システム。
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