JP2005098932A - 振動型角速度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 出力温度補正を振動子の駆動周期制御にて行なうとともに、温度検知入力に対する周波数変換制御を高精度に行なうことができ、周波数オフセットの温度に追従した制御も容易に行なうことができる振動型角速度センサを提供する。
【解決手段】 振動型角速度センサ1の駆動パルス信号発生部20は、直列接続された複数の反転回路群からなる遅延回路10を有する。該遅延回路10を構成する複数の反転回路から順次出力される参照パルス信号の位相差φを単位として、温度補正された適正周期Dinを有する駆動パルス信号を発生させる。また、基準パルス信号を発生させる基準パルス信号発生部53を有し、基準パルス周期演算部は、駆動パルス信号発生部20と共用化された遅延回路10を用い、該遅延回路10を構成する複数の反転回路から順次出力される参照パルス信号の位相差φを単位として、基準パルス信号の周期を符号化する。周期制御データ演算部51は、前記位相差φを単位として符号化された基準パルス信号の周期Dtを用い、前記適正周期Dinを演算する。
【選択図】 図2

Description

この発明は振動式の振動型角速度センサに関する。
特開平6−160100号公報 特開平11−281371号公報 特開2000−28363号公報 特開2002−228450号公報
角速度センサ(ジャイロセンサ)の方式には、回転体の歳差運動を利用する機械式、筐体内で周回するレーザー光の筐体回転に伴う受光タイミング変化を利用する光学式、筐体内でセンシング用のガスを熱線に噴射し、その噴射量が筐体の回転により変化するのを熱線温度で検知する流体式などが知られている。他方、カーナビゲーションシステム等における車両方向検知用の角速度センサの需要が近年急速に高まっており、上記各方式と比較してより安価で軽量な振動式角速度センサが主流となりつつある(特許文献1〜4)。振動式角速度センサは、予め定められた基準方向に振動する振動子に角速度が作用したとき、基準振動方向と直交する検出方向へのコリオリ力に基づく新たな振動成分(以下、角速度振動成分という)を検出し、該振動成分に基づいて角速度情報を出力するものである。例えば、カーナビゲーションシステムの場合、GPS(Global Positioning System)による現在位置のモニタリングは、車両のマクロな進行方向変化を検知することはできても、交差点などにおける急な方向変化には追従できないから、車両の旋回運動を角速度の形で検知し、その角速度の時間的積分値により方向転換角度を演算的にトレースする方式が用いられている。また、カーナビゲーションシステム以外では、ビデオカメラの手ぶれ補正装置などにも振動式角速度センサが用いられている。
ところで、上記の振動型角速度センサの出力は通常、温度によって変化する。特に、角速度ゼロの場合のセンサ出力であるゼロレベル信号は、図7に示すごとく、温度に対して敏感かつ複雑な変化挙動をとり、その補正精度を高めることは、角速度センサの感度確保の観点において重要である。また、ゼロレベル信号とは別に、センサ出力のゲイン(検出する角速度レベルに応じたセンサ出力のゼロレベルからの隔たり)も温度変化する。特許文献1〜4にはその温度補正方法につき、種々開示されている。
上記特許文献における振動式角速度センサの温度補正方式は、いずれもゼロレベル等の温度変化項を相当程度に含んだセンサ出力を一旦形成し、その後、その出力に補正係数を乗じたり、あるいは補正出力を重畳させたりして温特補正を行なっている。しかし、角速度センサの周囲温度が変化した場合のセンサ出力の温度変化には相応の遅れを生じやすく、別途設けられたサーミスタ等の温度センサによる温度モニタ結果を受けて出力段階で温度補正を行なっても、必ずしも補正精度を向上できない問題がある(特に、挙動が複雑なゼロレベルについてはその影響が顕著である)。他方、角速度センサの出力は、振動子の駆動周波数の変更により調整可能だから、出力温度変化を該駆動周波数の変更・調整により補償する方法も考えられる。この方法であると、温度変化が検知された場合、センサの駆動周波数変更の形で速やかに対応できるため、補正の遅れをより生じにくい利点がある。また、温特を反映した周波数補正情報を参照して、センサの駆動周波数を変更するだけでよいので、デジタル/アナログの方式に関係なく、センサ出力自体のゲインやゼロレベル補正のための複雑な信号処理回路が不要になるなど、装置構成の簡略化にも寄与する。
ところで、上記のような周波数補正によりセンサ出力の温度補正を行なう場合、周波数補正部は一般にはVCO(Voltage Controlled Oscillator)にて構成することが考えられる。具体的には、VCOの入力を温度センサの出力電圧で変調し、駆動周波数に変換して出力することになる。しかしながら、VCOの周波数出力は、入力電圧に対して一定のゲイン特性をもって変化するだけであるから、ゼロレベル出力補償を行なうためのオフセット設定が面倒であり、かつ、振動式角速度センサ特有の複雑なゼロレベル変動に周波数オフセットを追従制御することも困難である。
本発明の課題は、出力温度補正を振動子の駆動周期制御にて行なうとともに、温度検知入力に対する周波数変換制御を高精度に行なうことができ、周波数オフセットの温度に追従した制御も容易に行なうことができる振動型角速度センサを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するため、本発明の振動型加速度センサは、
予め定められた基準振動方向に振動する振動子と、
該振動子の駆動波形を周期的な駆動パルス信号として発生する駆動パルス信号発生部と、
振動子に角速度が加わるに伴い、基準振動方向と交差するように定められた角速度検出方向への角速度振動成分を検出し、該角速度振動成分に基づいて角速度検出情報を生成する角速度検出情報生成部と、
角速度検出情報の出力を温度補正するために、角速度センサの動作温度を検知する温度検知部と、
検知された動作温度に基づいて、発振部による駆動パルス信号の周期を、出力される角速度検出情報の温度誤差が減少する方向に調整するために、動作温度と駆動パルス信号の適正周期との関係を示す適正周期温特情報を記憶する適正周期温特情報記憶部と、
適正周期温特情報を参照して、検出された動作環境温度に対応する適正周期を演算する周期制御データ演算部とを備え、
駆動パルス信号発生部は、直列接続された複数の反転回路群を有し、該反転回路群を通過する予め定められた周期の参照パルス信号を、反転回路の互いに異なる結節点から各々分岐する複数の信号端子より、各反転回路が有する反転遅延時間と結節点の位置とに応じて定まる互いに異なる位相にて出力する遅延回路を有し、該遅延回路を構成する反転回路のうち予め定められた複数の反転回路から順次出力される参照パルス信号の位相差を単位として、適正周期を有した駆動パルス信号を発生させることを特徴とする。
上記本発明の振動型加速度センサの構成によると、デジタル制御が容易なパルス信号にて振動子を駆動するとともに、該駆動パルス信号の駆動周期(駆動周波数に一義的に対応する)を、サーミスタなどの温度検知部が検知するセンサの動作温度に基づき、適正周期温特情報を参照して、センサから出力される角速度検出情報の温度誤差が(補正しない場合と比較して)減少するように適正化された値に設定する。そして、その設定された駆動周期を有する駆動パルス信号を、直列接続された複数の反転回路(インバータ)群を有する遅延回路を用い、該遅延回路を構成する反転回路のうち予め定められた複数の反転回路から順次出力される参照パルス信号の位相差を単位として発生させる。つまり、隣接する反転回路の位相差を設定符号化の単位として、参照パルス信号の駆動周期をデジタル合成することができる。その結果、検知される動作温度に対し適正周期温特情報が示す駆動周期を、適正周期温特情報の内容に応じて、最適の温度補正効果が得られるよう柔軟に設定することができる。その結果、アナログ型VCOのごとき固定化されたゲイン特性の制約を受けにくいほか、アナログ型VCOでは設定困難だった、センサ出力の有する複雑なゼロレベルの温特挙動に追従したオフセット設定も容易に行なうことができる。
上記本発明の振動式角速度センサには、基準パルス信号を発生させる基準パルス信号発生部と、駆動パルス信号発生部と共用化された遅延回路を用い、該遅延回路を構成する反転回路のうち予め定められた複数の反転回路から順次出力される参照パルス信号の位相差を単位として、基準パルス信号の周期を符号化(エンコード)する基準パルス周期演算部とを設けることができ、周期制御データ演算部を、前記位相差を単位として符号化された基準パルス信号の周期を用いて、適正周期を演算するものとして構成することができる。基準パルス信号は、水晶発振子など、安定した周波数を有し、かつ温特変動も小さい振動子を用いたパルス発振回路を採用できる。
上記の構成では、共用化された遅延回路の位相差を媒介として、周波数(すなわち周期)の精度が一定レベルに担保された基準パルス信号の周期を、発生すべき駆動パルス信号の周期設定の基準値として用いることができ、ひいては、得られる駆動パルス信号の周期の設定精度、ひいては温度補正精度を大幅に向上することができる。具体的には、周期制御データ演算部は、動作温度毎に異なる温度補正係数を、符号化された基準パルス信号の周期に乗ずることにより適正周期を演算するものとすることができ、適正周期温特情報は、温度補正係数と動作温度との関係を、適正周期温特情報として記憶するものとして構成できる。
基準パルス周期演算部では、基準パルス信号の周期を、基準パルス周期演算部の遅延回路の位相差φによりエンコード(符号化)する。時間次元で表した基準パルス信号の周期をDt、位相差φにてエンコードした周期をτ0とすれば、
τ0=[Dt/φ] (ただし、[ ]は整数化を表すガウス記号) ‥(1)
であるが、Dtがφよりも十分に大きければ、事実上、
τ0=Dt/φ ‥(2)
である。一方、駆動パルス信号発生部では、時間次元で表した前述の適正周期Dinを、周期の時間的絶対値の精度が一定レベルに担保された基準パルス信号の周期Dtを用いて演算するようにしておく。すなわち、
Din=F・Dt ‥(3)
この場合、このFが適正周期温特情報を参照して決定される温度補正係数であり、動作温度毎に異なる値、すなわち検知される動作温度θの関数F(θ)(もちろん、関数値を離散的に与えるテーブルでもよい)として与えられる。これを用いれば (3)式は、
Din=F(θ)・Dt ‥(3)’
となる。
(3)'は、時間次元による表示なので、駆動パルス信号発生部側の遅延回路の位相差をφ’として、このφ’でエンコードした値に直すと、
Din/φ’=F(θ)・Dt/φ’ ‥(4)
となる。しかし、基準パルス周期演算部と駆動パルス信号発生部とは、同一の遅延回路を共用化しているので、
φ=φ’ ‥(5)
従って、(2)、(4)、(5)から、
Din/φ=F(θ)・Dt/φ ‥(6)
(6)式の意味は、以下の通りである。すなわち、駆動パルス信号発生部は、位相差φを単位として駆動パルス信号の波形をデジタル的に合成する機能を果たすので、駆動パルス信号の周期制御データは、位相差φにてエンコードした値、すなわち(6)式の左辺(Din/φ)の形で入力される。具体的には、その入力値は、
(6)式の右辺のごとく、位相差φでエンコードされた基準パルス信号の周期Dt/φと、φとは無関係な温度補正係数F(θ)とを用いて演算される。
遅延回路の位相差φは種々のハードウェア的な要因により変動しうるが、用いる基準パルス信号の周期Dt/φが、その変動する位相差φを用いてエンコードされた状態で演算に使用され、他方、得るべき適正周期Dinは、その演算結果を同じ位相差φを用いてデコードすることにより得られる。このデコードの操作は、(6)式の両辺に位相差φを再度乗ずることに相当するが、その結果は(3)’式である。すなわち、デコード後の適正周期Dinは、精度が一定レベルに担保された基準パルス信号の周期Dtと、事前の実験等により予め知れている温度補正係数F(θ)(適正周期温特情報)とによってのみ決定され、遅延回路の位相差φは全く関与していない。すなわち、駆動パルス信号発生部及び基準パルス周期演算部の、ハードウェア的な要因により生ずる位相差φのバラツキの影響を受けることなく、基準パルス信号の周期Dtを絶対的な時間分解能として、極めて高精度の周期設定が可能となることがわかる。
発明の実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態をなす振動型角速度センサ(以下、単に「角速度センサ」ともいう)1の全体構成を示す回路図である。振動型角速度センサ1の検知部は、予め定められた基準振動方向xにする振動子(錘)104aと、それら振動子104aに角速度が加わるに伴い、基準振動方向xと交差するように、本実施形態では直交するように定められた角速度検出方向yへの角速度振動成分を検出し、該角速度振動成分に基づいて角速度検出波形を生成する検出波形生成部(角速度検出情報生成部)115を備えたセンサユニット100を備える。検出波形生成部115は、振動検出用コンデンサ105aと、振動検出用コンデンサ105aに一定のバイアス電圧を印加するバイアス電源104vと、チャージアンプ120とを備える。具体的には、振動子104aは、y方向の振動支点を与える梁106により駆動フレーム103にy方向の振動が許容された形で弾性的に固定されている。また、駆動フレーム103は、x方向の振動支点を与える梁102により、x方向の振動が許容された形でセンサ枠110に弾性的に固定されている。振動子104aは駆動フレーム103と一体的にx方向に振動することとなる。
また、駆動フレーム3には、x方向の単位電極がy方向に一定間隔で配列した櫛歯状の可動電極101bが取り付けられている。センサ枠110側には、可動電極101bと単位電極間の隙間内に先端側が入り込んで位置するx方向の単位電極がy方向に一定間隔で配列した櫛歯状の固定電極101aが取り付けられている。可動電極101bと固定電極101aとの間に、駆動発振部152により一定振動数fの駆動電圧を印加すると、可動電極101bは固定電極101aに対し振動数fにてx方向に振動する。この振動力により、可動電極101bと一体化された駆動フレーム103ひいては振動子104aはx方向(基準振動方向)に加振される。この状態で振動子104aに検知すべき角速度が加わると、振動子104aにはコリオリ力により、その角速度の大きさに応じた振幅でy方向の角速度振動成分が発生する。
これにより、角振動検出用コンデンサ105aは速度振動成分に追従して電極間距離を変化させる。振動検出用コンデンサ105aには、振動子104aを介してバイアス電源104vにより、一定のバイアス電圧が印加されているので、その状態で振動検出用コンデンサ105aの電極間距離が変化すると、蓄えられる電荷量が変化する。チャージアンプ120は、この振動検出用コンデンサ105aの電荷量を電圧変換することにより角速度検出電圧波形として出力するものである。チャージアンプ120の構成は周知のものであり、オペアンプ120pに接続された負帰還コンデンサ120bには、振動検出用コンデンサ105aの電荷とバランスする電荷が蓄積され、その端子電圧が、電圧変換された電荷信号としてオペアンプ120pの反転入力端子に入力される。これにより、オペアンプ120pは、この負帰還コンデンサ120bとともに、振動検出用コンデンサ105aの電荷を、増幅された電圧信号として出力する電荷電圧変換回路を構成する。なお、負帰還抵抗120aは、振動検出用コンデンサ105aの発生電荷レベルが減少に転じたときに負帰還コンデンサ120bの放電を促し、ひいてはオペアンプ120pの出力飽和を防止する役割を果たす。なお、符号120vは、チャージアンプ120の増幅基準電圧を与える基準電源である。
図2は、駆動発振部152及びその周辺の具体的な回路構成を模式的に示すブロック図である。駆動発振部152は、振動子の駆動波形を周期的な駆動パルス信号として発生する駆動パルス信号発生部20と、周知の水晶発振回路等で構成された基準パルス信号発生部53からの基準パルス信号の周期を符号化(エンコード)する基準パルス周期演算部12とを有する。駆動パルス信号発生部12は、例えば図3に示すような遅延回路10を有して構成されている。該遅延回路10は、直列接続された複数の反転回路LI1〜LI15を有し、該反転回路群を通過する一定周期の参照パルス信号を、反転回路LI1〜LI15の互いに異なる結節点から各々分岐する複数の信号端子R1〜R15より、各反転回路LI1〜LI15が有する反転遅延時間と結節点の位置(信号伝播方向における順位)とに応じて定まる互いに異なる位相にて出力するものである。そして、該遅延回路10を構成する各反転回路LI1〜LI15から順次出力される(隣接する信号端子間の)参照パルス信号R1〜R15の位相差φを単位として駆動パルス信号を発生させる。
また、基準パルス周期演算部12は、駆動パルス信号発生部20と遅延回路10が共用化されており、該遅延回路10を構成する反転回路LI1〜LI15から順次出力される参照パルス信号R1’〜R15’(R1〜R15からそれぞれ分岐出力される)の位相差φを単位として、基準パルス信号の周期を符号化する。基準パルス周期演算部12と駆動パルス信号発生部20とは遅延回路10を共有しているのだから、参照パルス信号R1〜R15の位相差φと、参照パルス信号R1’〜R15’の位相差φとは当然同じである。
遅延回路10は、本実施形態ではいわゆるリングオシレータとして構成されており、制御信号PAがノンアクティブ(Lとする)のときには、NANDゲートLN1の出力が強制的にアクティブ(Hとする)となり、次段の反転回路LI2の出力がノンアクティブとなり、さらに次段の反転回路LI3の出力がアクティブとなるというように、各反転回路が順次反転し、NANDゲートLN1には、出力信号と同じレベルの信号が入力されることとなり、リングオシレータはこの状態で安定する。
そして、制御信号PAがアクティブに変化すると、NANDゲートLN1が反転動作を開始し、各反転回路での反転動作時間(即ち、各反転回路でのパルス信号の伝搬遅延時間)Tdに、反転回路の結合個数を乗じた値に相当する時間λが経過した時点で、NANDゲートLN1に出力信号と同一レベルの信号が入力され、再びNANDゲートLN1の出力レベルが反転する、といった動作を繰り返す。従って、このリングオシレータでは、パルス信号が各反転回路(NANDゲートLN1及び反転回路LI2〜LI15)により順次反転されて周回し、各反転回路からは、上記時間λ毎にレベル反転するパルス信号R1〜R15(R1’〜R15’)がそれぞれ出力されることになる。以上のごとく、リングオシレータは、時間λを周期とする参照パルス信号を自己生成するものである。
図4は、基準パルス周期演算部12の構成例を示すブロック図である。この回路は、特開平7−183800号公報や特開平7−283722号公報に、パルス位相差符号化回路として詳細に記載されており、ここでは簡単に説明する。基準パルス周期演算部12は、図3の遅延回路10とパルスセレクタ・エンコーダ回路16とデータ生成回路18とを有する。パルスセレクタ・エンコーダ回路16は、遅延回路10の信号端子R1〜R15のうちのいずれかより出力されるパルス信号Rnの立上りエッジをカウントすることにより、遅延回路10内を該エッジが何回周回したかをカウントし、そのカウント値を表すビットデータを出力するカウンタ14と、遅延回路10の各信号端子からのパルス信号R1〜R15を受け、外部からの基準パルス信号PBがノンアクティブからアクティブに変化した時(基準パルス信号PBの立ち上がりタイミング)に、パルス信号R1〜R15のうちのどのパルス信号がノンアクティブからアクティブに変化したかを検出する。そして、これにより、遅延回路10内で前記エッジがいずれの反転回路に到達しているかを検出し、その到達位置をデータに符号化して出力する。
また、データ生成回路18は、カウンタ14からのデータとパルスセレクタ・エンコーダ回路16からのデータとに基づき、基準パルス信号PBの立ち上がりから次の立ち上がりまでの時間(つまり基準パルス信号PBの周期)を表わすデータDOUTを生成して出力する。このような構成を有する基準パルス周期演算部12においては、遅延回路10が制御信号PAにより起動されて前述したようにパルス信号の周回動作を開始すると、カウンタ14が、遅延回路10内での前記エッジの周回回数をカウントするとともに、パルスセレクタ・エンコーダ回路16が、外部からの基準パルス信号PBが立ち上がる度に、遅延回路10内での前記エッジの到達位置を検出する。そして、データ生成回路18が、上記基準パルス信号PBが立ち上がる度に、カウンタ14からのデータとパルスセレクタ・エンコーダ回路16からのデータとに基づき、基準パルス信号PBが前回立ち上がってから今回立ち上がるまでの間に遅延回路10にて前記エッジが伝搬した反転回路の総数を表すデータを生成し、そのデータを基準パルス信号PBの周期Dtを表すデータDOUTとして出力する。よって、データDOUTの値にパルス信号R1〜R15の位相差時間φを乗じた値が、基準パルス信号PBの周期となる。このような基準パルス周期演算部12によれば、遅延回路10から出力されるパルス信号R1〜R15の位相差時間φを分解能として、基準パルス信号PBの周期Dtを符号化したデータDOUT(前述のDt/φ)を得ることができる。
図5は、駆動パルス信号発生部20の構成例を示すブロック図である。この回路は、特開平7−106923号公報や特開平7−183800号公報にデジタル制御発振回路として詳細に記載されているため、ここでは簡単に説明する。駆動パルス信号発生部20は、図3の遅延回路10と、遅延回路10の上記信号端子のうちのいずれかから出力されるパルス信号Rn’(パルス信号R1’〜R15’のうちのいずれか)の立上りエッジをカウントすることにより、遅延回路10内を該エッジが何回周回したかをカウントし、そのカウント値が予め設定されたカウントデータCDHの値に達するとアクティブの出力信号CNを出力するカウンタ22とを有する。また、パルスセレクタ24は、遅延回路10の各信号端子からのパルス信号R1’〜R15’を受け、その中からセレクトデータCDLに対応した信号端子からのパルス信号を選択して、その信号をセレクト信号PSOとして出力するものである。出力回路26は、カウンタ22からアクティブの出力信号CNが出力された後に、パルスセレクタ24からのセレクト信号PSOが立ち上がると、出力信号POUTを出力する。さらに、データ生成回路28は、外部から入力される周期制御データCDを受けて、出力回路26から、周期制御データCDと遅延回路10内の反転回路の反転動作時間Tdとで決定される一定周期(CD×Td)で出力信号POUTが繰返し出力されるように、上記カウントデータCDHとセレクトデータCDLを生成し、その生成した各データCDH,CDLを、カウンタ22とパルスセレクタ24へそれぞれ出力する。
このような構成を有する本実施例の駆動パルス信号発生部20においては、外部から周期制御データCDを入力するとともに、遅延回路10に制御信号PAを入力して、遅延回路10でのパルス信号の周回動作を開始させると、出力回路26から上記一定周期(CD×Td)毎にパルス信号POUTが出力される(つまり、周期制御データCDに対応する周期が位相差φを単位としてデコードされたものと見ることができる)。遅延回路10から出力されるパルス信号R1’〜R15’の位相差時間φを分解能として、外部から入力される周期制御データCDに対応した周期Dinを有する駆動パルス信号(出力信号POUT)を得ることができる。
周期制御データCDは、前述の(4)式に従い、位相差φにてエンコードされたデータとして演算される:
Din/φ=F(θ)・Dt/φ ‥(4)
この演算は、図1の周期設定部51(周期制御データ演算部)で行なわれる。詳細を図2に示している。まず、センサの動作温度θは、図2においてサーミスタ(及びその出力増幅回路)等の温度センサ50からの温度検知出力として取得され、A/D変換器51aにてデジタルデータとされる。基準パルス信号の周期Dtに乗じられている温度補正係数F(θ)は、演算回路51bに内蔵された適正周期温特情報記憶部内の適正周期温特情報を参照して決定される。図6に示すように、該記憶部には種々の動作温度θ1、θ2、‥、θn毎の温度補正係数F1,F2,‥,Fnがテーブルの形で記憶されており、温度検知出力θに対応する値が読み出されるか又は補間演算される。なお、F(θ)がθの関数式として記述できる場合は、上記のテーブルに代えて、その関数式を記憶しておくこともできる(例えば、ゲインとオフセットとを各々A,Bとして、F(θ)=A・θ+Bなど)。
このようなF(θ)は、例えば次のようにして作成されるものである。すなわち、使用する角速度センサを、恒温槽等を用いて設定温度θに保持し、一定の基準周期の駆動パルス信号を与えて動作させ、さらに、一定の角速度を与えてセンサ出力Qを実測する。そして、そのセンサ出力Qが、基準温度にて(上記基準周期で)予め測定した基準センサ出力Qとどの程度隔たっているかを検証し、その後、角速度と温度とは一定にして周期を変えながら測定を繰り返し、センサ出力Qが基準センサ出力Qに可及的に近づく周期を見出す。その周期を基準パルス信号の周期Dtにて除した値を、該温度θでのFとして採用する。このような実験を種々の温度で繰り返せば、各温度でのFの値を取得することができる。
周期設定部51は、検知した温度θに対応するFの値を、(符号化された)Dtの値に乗ずることで、(符号化された)適正周期Dinを演算する。なお、適正周期温特情報記憶部や乗算演算のためのハードウェアは周知のものであるから、詳細な説明は省略する。既に説明したごとく、基準パルス信号の周期Dtは、基準パルス周期演算部12にて位相差φを単位としてエンコードされた状態(τ0=Dt/φ)で演算回路51bに送られ、得るべき適正周期Din/φは、該τ0を用いて上記エンコード状態のまま演算される。そして、その演算結果は、遅延回路10を基準パルス周期演算部12と共用する駆動パルス信号発生部20にて、前記エンコードに使用したのと全く同じ位相差φを用いてデコードされ、駆動パルス信号として出力される。すなわち、デコード後の適正周期Dinは、精度が一定レベルに担保された基準パルス信号の周期Dtと、事前の実験等により予め知れている温度補正係数F(θ)(適正周期温特情報)とによってのみ決定され、遅延回路の位相差φのばらつき等の影響をほとんど受けなくなる。
本発明の振動式角速度センサの一例を示す説明図。 図1の駆動発振部及びその周辺の構成例を示す説明図。 遅延回路の一例を示す回路図。 基準パルス周期演算部の構成例を示すブロック図。 駆動パルス信号発生部の構成例を示すブロック図。 適正周期温特情報の概念図。 振動式角速度センサのゼロレベル信号の温特挙動を模式的に示す図。
符号の説明
1 振動型角速度センサ
10 遅延回路(リングオシレータ)
12 基準パルス周期演算部
20 駆動パルス信号発生部
50 温度センサ(温度検知部)
51 周期設定部(周期制御データ演算部)
53 基準パルス信号発生部
104a 振動子
105a 振動検出用コンデンサ
105 検出波形生成部(角速度検出情報生成部)
120 チャージアンプ
L1〜L15 反転回路
R1〜R15、R1’〜R15’ 信号端子

Claims (3)

  1. 予め定められた基準振動方向に振動する振動子と、
    該振動子の駆動波形を周期的な駆動パルス信号として発生する駆動パルス信号発生部と、
    前記振動子に角速度が加わるに伴い、前記基準振動方向と交差するように定められた角速度検出方向への角速度振動成分を検出し、該角速度振動成分に基づいて角速度検出情報を生成する角速度検出情報生成部と、
    前記角速度検出情報の出力を温度補正するために、角速度センサの動作温度を検知する温度検知部と、
    検知された前記動作温度に基づいて、前記発振部による前記駆動パルス信号の周期を、出力される前記角速度検出情報の温度誤差が減少する方向に調整するために、前記動作温度と前記駆動パルス信号の適正周期との関係を示す適正周期温特情報を記憶する適正周期温特情報記憶部と、
    前記適正周期温特情報を参照して、検出された動作環境温度に対応する適正周期を演算する周期制御データ演算部と、を備え、
    前記駆動パルス信号発生部は、直列接続された複数の反転回路群を有し、該反転回路群を通過する予め定められた周期の参照パルス信号を、前記反転回路の互いに異なる結節点から各々分岐する複数の信号端子より、各反転回路が有する反転遅延時間と前記結節点の位置とに応じて定まる互いに異なる位相にて出力する遅延回路を有し、該遅延回路を構成する前記反転回路のうち予め定められた複数の反転回路から順次出力される参照パルス信号の位相差を単位として、前記適正周期を有した駆動パルス信号を発生させることを特徴とする振動型角速度センサ。
  2. 基準パルス信号を発生させる基準パルス信号発生部と、
    前記駆動パルス信号発生部と共用化された前記遅延回路を用い、該遅延回路を構成する前記反転回路のうち予め定められた複数の反転回路から順次出力される前記参照パルス信号の位相差を単位として、前記基準パルス信号の周期を符号化する基準パルス周期演算部とを有し、
    前記周期制御データ演算部は、前記位相差を単位として符号化された前記基準パルス信号の周期を用いて、前記適正周期を演算するものである請求項1記載の振動型角速度センサ。
  3. 前記周期制御データ演算部は動作温度毎に異なる温度補正係数を、符号化された前記基準パルス信号の周期に乗ずることにより前記適正周期を演算するものであり、
    前記適正周期温特情報は、前記温度補正係数と前記動作温度との関係を、前記適正周期温特情報として記憶するものである請求項2記載の振動型角速度センサ。
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