JP2008216050A - センサドリフト補正装置及び補正方法 - Google Patents

センサドリフト補正装置及び補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振動センサをオン状態としたから時間の経過に伴って発生する時間変動ドリフト成分を補正することができるセンサドリフト補正装置を提供する。
【解決手段】発振部22を含むセンサ本体と、該センサ本体の出力信号を検出する信号検出部7とを有する振動型センサ1と、前記発振部22の駆動信号が入力され、少なくとも前記振動型センサ1で発生する時間の経過に伴う時間変動ドリフト成分を発生させるドリフト成分発生部30と、前記時間変動ドリフト成分を前記信号検出部で検出される検出信号から除去するドリフト除去部50とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動ジャイロ素子及び振動子を有する振動型ジャイロセンサ等の発振器を有する振動型センサのセンサドリフトを補正するセンサドリフト補正装置及び補正方法に関する。
従来の振動ジャイロセンサとしては、例えば本出願人が先に提案した温度補正機能を有するジャイロセンサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このジャイロセンサは、振動ジャイロ素子を駆動させる第1の駆動回路と、振動ジャイロ素子に加わる角速度を検出する検出回路と、振動子を駆動させる第2の駆動回路と、振動ジャイロ素子の駆動信号と振動子の駆動信号を掛け合わせる掛算回路と、掛算回路で合成した信号において駆動信号の差分周波数の信号を出力するローパスフィルタと、差分周波数の信号を電圧に変換するF/V変換回路と、F/V変換回路の出力信号に基づいて補正を行い、補正された角速度信号を出力する温度補正回路とを備えている。
特開2006−189353号公報(第1頁、図1)
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、ジャイロセンサの使用環境の温度変化があっても正確な角速度を検出することができるものであるが、ジャイロセンサをオン状態としてから時間の経過に伴って発生する時間変動ドリフト成分を補正することはできないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、振動型センサをオン状態としてから時間の経過に伴って発生する時間変動ドリフト成分を補正することができるセンサドリフト補正装置及び補正方法を提供することを目的としている。
上記未解決の課題を解決するために、第1の形態に係るセンサドリフト補正装置は、発振部を含むセンサ本体と、該センサ本体の出力信号を検出する信号検出部とを有する振動型センサと、前記発振部の駆動信号が入力され、少なくとも前記振動型センサで発生する時間の経過に伴う時間変動ドリフト成分を発生させるドリフト成分発生部と、前記時間変動ドリフト成分を前記信号検出部で検出される検出信号から除去するドリフト除去部とを備えたことを特徴としている。
この第1の形態によると、ドリフト成分発生部で、少なくとも信号検出部から出力される検出信号に含まれる時間の経過に伴って発生する時間変動ドリフト成分を発生し、この時間変動ドリフト成分をドリフト除去部で信号検出部から出力される検出信号から除去するので、検出信号に含まれる時間変動ドリフト成分がドリフト成分発生部で発生される時間変動ドリフト成分で相殺されて、時間変動とリフト成分を除去した検出信号を得ることができる。
また、第2の形態に係る角速度検出装置は、上記第1の形態に係るセンサドリフト補正装置おいて、前記時間変動ドリフト成分は、前記駆動信号と、自己相関関数値及びアラン分散の測定によって決定されるパラメータとに基づいて前記振動型センサのセンサ誤差の数値モデルにおけるセンサバイアスを演算するように構成されていることを特徴としている。
この第2の形態によると、ドリフト成分発生部で自己相関関数の測定によって決定される時定数及びアラン分散の測定によって決定されるセンサバイアスの白色ノイズ等のパラメータを有し、振動型センサのセンサ誤差の数値モデルに含まれるセンサバイアスで表される時間変動ドリフト成分を演算するので、信号検出部で発生する時間変動ドリフト成分をより正確に発生させることができる。
さらに、第3の形態に係るセンサドリフト補正装置は、第1又は第2の形態に係るセンサドリフト補正装置において、前記ドリフト成分発生部は、前記検出信号の自己相関関数値を測定して決定された時定数を記憶する時定数記憶部と、前記時定数と前記駆動信号とに基づいて、指数関数を演算する関数演算部とで構成されていることを特徴としている。
この第3の形態によると、検出信号の自己相関関数を測定して決定された時定数とに基づいて関数演算部で時間の経過に伴う時間変動ドリフト成分をより正確に発生させることができる。
さらにまた、第4の形態に係るセンサドリフト補正装置は、前記第1又は第2の形態に係るセンサドリフト補正装置において、前記ドリフト成分発生部は、前記検出信号の自己相関関数値を測定して決定された時定数を記憶する時定数記憶部と、アラン分散によって算出されるセンサバイアスの白色ノイズを記憶する白色ノイズ記憶部と、前記時定数と前記発振部の駆動信号とに基づいて、指数関数を演算する関数演算部と、前記センサバイアスの白色ノイズと前記時定数とを乗算する乗算部と、前記アラン分散によって算出されるセンサ白色ノイズを記憶するセンサ白色ノイズ記憶部と、前記指数関数と前記乗算部の演算結果と前記センサ白色ノイズとを加算する加算部とで構成されていることを特徴としている。
この第4の形態によると、時間間隔が小さいときにアラン分散が白色ノイズ成分を表し、時間間隔が大きくなるにつれて時間変動ドリフト成分となるセンサバイアスが大きくなることを演算して、より正確な検出信号を得ることができる。
なおさらに、第5の形態に係る電子機器は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセンサドリフト補正装置を備えたことを特徴としている。
この第5の形態によると、電子機器に設けたセンサのドリフトを正確に除去した検出信号を得ることができ、この検出信号を使用した処理を行うことができる。
また、第6の形態に係るセンサドリフト補正方法は、発振部及び前記発振部の出力信号を検出する信号検出部とを有する振動型センサに生じる時間変動ドリフト成分を補正するセンサドリフト補正方法であって、前記発振部の駆動信号が入力され、少なくとも前記振動型センサで発生する時間の経過に伴う時間変動ドリフト成分を発生させるドリフト成分発生ステップと、前記時間変動ドリフト成分を前記信号検出部で検出される検出信号から除去するドリフト除去ステップとを有することを特徴としている。
この第6の形態によると、前述した第1の形態と同様の効果が得られる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示すブロック図であり、図中、1はジャイロセンサであって、水晶などの圧電材料からなる振動ジャイロ素子2と、同様に水晶などの圧電材料からなる振動子3とで構成されるセンサ本体を備えている。
振動ジャイロ素子2は、両側に位置する駆動腕4a,4bと中央に位置する検出腕5とを備えている。駆動腕4a,4bがX方向に屈曲振動されている状態で、Y軸を回転軸とする角速度が生じると、駆動腕4a,4bにZ方向のコリオリ力が生じ、これに伴い検出腕5がX方向に動き、検出腕5が角速度を検出できるように構成されている。このような形状と機能を有する振動ジャイロ素子2をダブルT型ジャイロ素子と呼ぶ。
振動ジャイロ素子2の駆動腕4a,4bに形成された駆動電極(図示せず)には第1の駆動部としての第1の駆動回路6が接続されている。また、振動ジャイロ素子2の検出腕5に形成された検出電極(図示せず)には角速度を検出する角速度検出部としての角速度検出回路7が接続されている。
この角速度検出回路7は、検出腕5の両端に個別に接続された電流を電圧に変換するI/V変換アンプ8及び9と、これらI/V変換アンプ8及び9から出力される電圧信号を差動増幅する差動アンプ10と、この差動アンプ10の増幅出力が入力される同期検波回路11と、この同期検波回路11の同期検波出力が入力される感度のゲイン調整を行う調整回路12と、この調整回路12の出力が入力されるローパスフィルタ13とを備えており、ローパスフィルタ13から角速度検出信号が信号補正回路15に出力される。ここで、同期検波回路11は、同期信号として後述する第2の駆動回路22から出力される駆動信号を変換し、入力された信号の正部分のみ又は負部分のみ、或いは正負の何れかを反転した信号が検波される。また、信号補正回路15はジャイロセンサ1の温度変化に基づく特性の変化を補正すると共に、出力される角速度検出信号を供給電圧比として電源電圧変動を吸収するレシオメトリック構成とされている。
一方、振動子3の音叉腕21a,21bに形成された駆動電極(図示せず)には第2の駆動部としての第2の駆動回路22が接続されている。この第2の駆動回路22は、一方の音叉腕21bに接続された増幅アンプ23と、この増幅アンプ23の出力側に接続された起動回路24から起動信号が入力されるAGC回路25と、このAGC回路25の出力側に接続され増幅出力が他方の音叉腕21aに供給される増幅アンプ26とで発振回路が構成され、増幅アンプ23の出力が同期検波回路11に供給されていると共に、ドリフト成分発生部としてのドリフト成分発生回路30に供給されている。
このドリフト成分発生回路30は、図2に示すように、センサバイアスbiを演算するセンサバイアス発生部31と、このセンサバイアス発生部31から出力されるセンサバイアスbiにセンサ白色ノイズwiを加算するセンサ白色ノイズ発生部41とで構成されている。
センサバイアス発生部31は、第2の駆動回路22の増幅アンプ23から出力されるクロック信号が入力されてこれを計数するカウンタ32と、時定数τcを記憶する時定数記憶部33と、カウンタ32のカウント値tと時定数記憶部33に記憶されている時定数τcとが入力されて指数関数exp{(−1/τ)×t}を演算する指数関数発生器34と、センサバイアスの白色ノイズwibiasを記憶する白色ノイズ記憶部35と、時定数記憶部33に記憶されている時定数τcと白色ノイズ記憶部35に記憶されているセンサバイアスの白色ノイズwibiasとを乗算する乗算器36と、指数関数発生器34から出力される指数関数値と乗算器36から出力されるτc×wibiasとを加算する加算器37とを備えている。
センサ白色ノイズ発生部41は、センサ白色ノイズwiを記憶するセンサ白色ノイズ記憶部42と、このセンサ白色ノイズ記憶部42に記憶されているセンサ白色ノイズwiをセンサバイアス発生部31から出力されるセンサバイアスbiに加算する加算器43とを備えている。
そして、ドリフト成分発生回路30で発生されたドリフト成分がドリフト除去部としての差動増幅器50における一方の入力側に供給され、この差動増幅器50の他方の入力側に角速度検出回路7から出力される角速度検出信号を信号補正回路15で温度補正及び電圧変動補正した角速度信号が入力され、差動増幅器50の出力が角速度検出信号として例えばGPS測位演算及び自律測位演算を行う携帯型ナビゲーション装置16に出力される。
ここで、ドリフト成分発生回路30でジャイロセンサ1のドリフト成分を発生することができる原理について以下に説明する。
先ず、ジャイロセンサ1の出力のアラン分散を測定する。このアラン分散は、信号Ω(t)が図3に示すように変化したときに、測定時間に対応する総クロック数をNとし、平均をとる周期Tをクロック間隔t0にN/2より小さい値に設定されるnを乗じた値(T=nt0)に設定したときに、周期T毎の信号Ω(t)の平均値は、下記(1)及び(2)式のように表せる。
Figure 2008216050
このアラン分散によると、信号Ω(t)の時間間隔T当りの平均値のバラツキ及び信号の安定性を見ることが可能となる。
そして、例えばジャイロセンサ1を、温度を一定として入力が零の状態を例えば4時間継続させてアラン分散を測定すると、その測定結果は、図4に示すように、経過時間τと標準偏差σ(t)との関係が、図4に示すように、経過時間τが小さい領域(τ<10)では時間の経過と共に白色ノイズを表す直線L1に沿うように減少し、その後経過時間τが10程度でマルコフノイズを表す山型の曲線L2に沿うように変化する。
この測定結果から、温度及び電圧の変動によるジャイロスケールファクタSFgiを考慮すると、ジャイロセンサ1のセンサ誤差の数値モデルは、ジャイロセンサ1のセンサ出力をgiとしたとき、下記(4)〜(6)式で表すことができる。
Figure 2008216050
ここで、SFgiは時間と電圧の関数であるジャイロスケールファクタ、riは真の角速度、biはセンサバイアス、wiはセンサ白色ノイズ、τはバイアスの時定数、wibiasはセンサバイアスの白色ノイズである。
ここで、ジャイロセンサ1の出力の時間変動ドリフト成分としては前記(4)式から温度及び電圧の変動に応じたスケールファクタSFgiと、センサバイアスbiと、センサ白色ノイズwiとで構成されることになるが、スケールファクタSFgiについては従来から温度変動に対しては温度補償回路を設け、電源電圧の変動にはレシオメトリックを適用することにより補償されていることから、本実施形態でも信号補正回路15で同様の補償を行ない、残りのセンサバイアスbi及びセンサ白色ノイズwiを時間変動ドリフト成分として補償する。
ここで、センサバイアスbiは、前述した(6)式から経過時間tとバイアスの時定数τcとセンサバイアスの白色ノイズwibiasとによって算出される。このうち経過時間tは、前述した第2の駆動回路22から出力されるクロック信号をカウンタ32で計数することにより算出され、時定数τcは、ジャイロセンサ1の入力零の状態での出力を測定し、自己相関関数を計算することにより求め、センサの白色ノイズwibiasはアラン分散のパワースペクトル値Qwibiasに基づいて算出される。
すなわち、時定数τcは、ジャイロセンサ1の入力零の状態での出力を測定し、自己相関関数を計算する。この自己相関関数は、下記(7)及び(8)式で定義され、これらを規格化した(9)式における時間τを“0”とした自己相関計数値×(1/e)を求めすることにより算出する。
Figure 2008216050
つまり、図5に示すように、横軸に時間τ、縦軸に規格化したジャイロ出力の自己相関関数の値E〔b(t)b(t+τ)〕をプロットしたときに、τ=0での自己相関値を1としたときに、図5で直線L3で示す(1/e)の値が時定数τcの値(約1000sec)となり、この時定数τcが時定数記憶部33に記憶される。
また、センサバイアスの白色ノイズwibiasについては、バイアス分散σwibiasで表すことができ、このバイアス分散σWibiasはアラン分散を解析して白色ノイズwibiasのパワースペクトルQWibiasから下記(10)式に基づいて算出し、算出したセンサバイアスの白色ノイズwibiasが白色ノイズ記憶部35に記憶する。
Wibias=2σWibias 2/τc ……(10)
そして、指数関数発生器34でカウンタ32から入力される時間tと時定数記憶部33から入力される時定数τcとに基づいて前述した(6)式の右辺第1項の指数関数exp{(−1/τc)t}を算出し、これにセンサバイアスの白色ノイズ記憶部35に記憶されたセンサバイアスの白色ノイズwibiasと時定数τcとを乗算器36で乗算し、その乗算結果を指数関数発生器34の出力に加算器37で加算することにより前記(6)式のセンサバイアスbiを算出することができる。
一方、センサ白色ノイズwiについては、前述したアラン分散の測定結果を表す図4の特性曲線から時間τが“1”の時の分散σ(1)がセンサ白色ノイズwiのσ値(σWi)となり、このセンサ白色ノイズwiをセンサ白色ノイズ記憶部42に記憶する。
このため、センサバイアス発生部31で算出したセンサバイアスbiに加算器43でセンサ白色ノイズ記憶部42に記憶されたセンサ白色ノイズwiを加算することによりドリフト成分が算出される。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
先ず、ジャイロセンサ1の出力を温度一定とし且つ入力零の状態で所定時間(例えば4時間)出力を測定する。そして、測定結果から自己相関関数を計算し、図5に示すように、時間τを横軸に自己相関関数E〔b(t)b(t+τ)〕をプロットした特性線図から時間τが“0”での自己相関関数を“1”としたとき1/eの値と交差する点の時間τが時定数τc(約1000sec)選定され、これが時定数記憶部33に記憶される。
また、前記測定結果からアラン分散解析を行うと共に、センサバイアスの白色ノイズwibiasのパワースペクトル値QWibiasを求め、このパワースペクトル値QWibiasと時定数τiとを前記(10)式に代入してセンサバイアスの白色ノイズに対応する分散σWibiasを算出し、これをセンサバイアスの白色ノイズwibiasとして白色ノイズ記憶部35に記憶する。
さらに、アラン分散の測定結果を表す図4の特性曲線から経過時間τが“1”の時の偏差σ(1)がセンサ白色ノイズwiのσ値(σWi)となり、このセンサ白色ノイズwiをセンサ白色ノイズ記憶部42に記憶する。
このように各記憶部33、35及び42に夫々時定数τc、センサバイアスの白色ノイズwibias及びセンサ白色ノイズwiを記憶した状態で、ジャイロセンサ1の電源を投入すると、第1の駆動回路6で増幅及び位相調整された駆動信号が振動ジャイロ素子2の駆動腕4a,4bの駆動電極に供給され、駆動腕4a,4bがX方向に屈曲振動を行う。ここで、振動ジャイロ素子2にY軸を回軸とする角速度が加わると、駆動腕4a,4bにコリオリ力が働く。このコリオリ力に連動して、検出腕5がX方向に屈曲する。検出腕5の屈曲状態は中央部を境にして上下の腕が相互に反対方向に働き、検出腕5に形成された上下の検出電極から出力される電流信号に差が生じる。この電流信号はコリオリ力に対応した大きさを持ち、この電流信号がI/V変換アンプ8,9で電圧信号に変換されて差動アンプ10に入力される。
この差動アンプ10では、入力された電圧信号を増幅して同期検波回路11に出力する。同期検波回路11では、同期信号として第2の駆動回路22から出力される駆動信号を変化して、入力された信号の正部分のみ又は負部分のみ、或いは正負の何れかを反転した信号が検波される。同期検波回路11で検波された信号は、調整回路12で感度調整されてローパスフィルタ13に供給され、信号に重畳された高周波成分を除去した角速度検出信号が出力され、この角速度検出信号が信号補正回路15で温度補正及び電源電圧補正されて差動増幅器50の一方の入力側に供給される。
一方、ジャイロセンサ1の電源投入と同時に第2の駆動回路22の増幅アンプ23から出力される駆動信号がクロック信号としてドリフト成分発生回路30に供給され、センサバイアス発生部31のカウンタ32で計数される。
このカウンタ32の計数値t及び時定数記憶部33に記憶された時定数τcが指数関数発生器34に入力され、この指数関数発生器34で、前記(6)式の右辺第1項の指数関数exp{(−1/τc)t}を算出し、これと同時に乗算器36で時定数記憶部33に記憶されている時定数τcと白色ノイズ記憶部35に記憶されているセンサバイアスの白色ノイズwibiasとを乗算して前記(6)式の右辺第2項を算出し、指数関数発生器34の出力信号と乗算器36の出力信号とを加算器37で加算することにより、前記(6)式のセンサバイアスbiが算出される。
そして、算出されたセンサバイアスbiがセンサ白色ノイズ発生部41に供給されて加算器43でセンサバイアスbiにセンサ白色ノイズ記憶部42に記憶されたセンサ白色ノイズwiを加算してドリフト成分を算出して差動増幅器50の他方の入力側に供給する。
このため、角速度検出回路7からは、前述した(4)式で表されるジャイロセンサ出力giが出力される。このうちスケールファクタSFgiについては、温度特性に対しては角速度検出回路7から出力される角速度検出信号を信号補正回路15に供給することにより、ジャイロセンサ1の温度特性の補正を行うと共に、電源電圧の変動に対してはレシオメトリックを適用することによりスケールファクタSFgiの変化を抑制する。
残りのセンサバイアスbi及びセンサ白色ノイズwiについては、上述したようにドリフト成分発生回路30でセンサバイアスbi及びセンサ白色ノイズwiを加算したドリフト成分が出力されることにより、差動増幅器50から出力される角速度検出信号は前述した(4)式の右辺第2項及び第3項の時間変動ドリフト成分が除去された真の角速度riでなる正確な角速度検出信号となる。
この差動増幅器50から出力される角速度検出信号が携帯型ナビゲーション装置16に供給されて自律航法測位演算を行うことにより、正確な現在位置の測位演算を行うことができる。
なお、上記実施形態においては、センサバイアスの白色ノイズwibiasをそのパワースペクトル測定値QWibiasと時定数τcとに基づいて前記(10)式に基づいて分散σWibiasを算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、以下のように分散σWibiasを設定するようにしてもよい。
すなわち、角速度検出回路7から出力される角速度検出信号は、図6に示すように、電源投入時から例えば5時間の長時間の変化を見ると、電源投入時における正の0.05(deg/sec)付近の値から3時間位迄の間徐々に減少して、3時間以降で平均値で−0.02(deg/sec)程度で安定する。このときの偏差σωを0.01(deg/sec)に設定すると、図7に示すように、3時間から5時間までの角速度検出信号を平均値で略“0”とすることができる。しかしながら、電源投入時から3時間に達するまでの間の角速度検出信号の勾配を除くことはできない、このため、ジャイロセンサ1を恒温槽に入れて正確に0℃から60℃の間で所定間隔で温度を15分間安定させながら上昇させて、各温度での角速度検出信号を観察しても短時間での温度効果を観察することはできない。
この原因は、ジャイロセンサ1のパッケージがかなり大きく短時間の内部発熱による温度変化が原因となることが考えられ、この温度補償をジャイロセンサ1のパッケージ内に温度測定部を設け、この温度測定部の測定結果で温度補償しなければならない。
このように、パッケージ内の温度測定部の測定結果で温度補償を行うと、センサバイアスの白色ノイズwibiasに対応する偏差σwibiasを0.05(deg/sec)程度に設定することにより、電源投入時から3時間に達するまでの角速度検出信号の変化を抑制することができる。したがって、センサバイアスの白色ノイズwibiasは固定値を採用するようにしてもよい。このため、センサバイアス発生部31としては、カウンタ32、時定数記憶部33、指数関数発生器34とこの指数関数発生器34の出力に時定数τc及びセンサバイアスの白色ノイズwibiasを固定値として加算してセンサバイアスbiを算出するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、ドリフト調整部として差動増幅器50を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、角速度検出信号から時間変動ドリフト成分を減算する減算器を適用するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、ドリフト成分発生回路30がハードウェア構成である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、マイクロコンピュータ等の演算処理装置及び時定数τc、センサバイアスの白色ノイズwibias、センサ白色ノイズwiを記憶するROM、不揮発性メモリ等のメモリを適用し、ソフトウェア処理によってセンサバイアスbi及びセンサ白色ノイズwiを加算した時間変動ドリフト成分を算出し、算出した時間変動とリフト成分を角速度検出信号から減算するようにしてもよい。
さらにまた、上記実施形態においては、ドリフト成分発生回路30でセンサバイアスbi及びセンサ白色ノイズwiを発生させる場合について説明したが、少なくともセンサバイアスbiのみを発生させるようにしてもよい。
なおさらに、上記実施形態によれば、発振器を有する振動型センサとしてジャイロセンサ1を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、加速度センサ、圧力センサ等の発振器を備えた他の振動型センサにも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態においては、本発明を携帯型ナビゲーション装置16に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、カーナビゲーション装置、移動体の位置姿勢検出装置等の他の電子機器にも適用することができる。
本発明の一実施形態を示すブロック図である。 図1のドリフト成分発生回路の具体的構成を示すブロック図である。 アラン分散の説明に供する説明図である。 アラン分散の測定結果を示す特性線図である。 角速度検出信号の時間と自己相関関数の値との関係を示す特性線図である。 角速度検出信号の波形図である。 角速度信号の安定時の波形図である。
符号の説明
1…ジャイロセンサ、2…振動ジャイロ素子、3…振動子、4a,4b…駆動腕、5…検出腕、6…第1の駆動回路、7…角速度検出回路、8,9…I/V変換アンプ、10…差動アンプ、11…同期検波回路、12…調整回路、13…ローパスフィルタ、15…信号補正回路、16…携帯型ナビゲーション装置、21a,21b…音叉腕、22…第2の駆動回路、23…増幅アンプ、24…起動回路、25…AGC回路、26…増幅アンプ、30…ドリフト成分発生回路、31…センサバイアス発生部、32…カウンタ、33…時定数記憶部、34…指数関数発生器、35…センサバイアスの白色ノイズ記憶部、36…乗算器、37…加算器、41…センサ白色ノイズ発生部、42…センサ白色ノイズ記憶部、43…加算器、50…差動増幅器

Claims (6)

  1. 発振部を含むセンサ本体と、該センサ本体の出力信号を検出する信号検出部とを有する振動型センサと、
    前記発振部の駆動信号が入力され、少なくとも前記振動型センサで発生する時間の経過に伴う時間変動ドリフト成分を発生させるドリフト成分発生部と、
    前記時間変動ドリフト成分を前記信号検出部で検出される検出信号から除去するドリフト除去部と
    を備えたことを特徴とするセンサドリフト補正装置。
  2. 前記時間変動ドリフト成分は、前記駆動信号と、自己相関関数値及びアラン分散の測定によって決定されるパラメータとに基づいて前記振動型センサのセンサ誤差の数値モデルにおけるセンサバイアスを演算するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサドリフト補正装置。
  3. 前記ドリフト成分発生部は、前記検出信号の自己相関関数値を測定して決定された時定数を記憶する時定数記憶部と、
    前記時定数と前記駆動信号とに基づいて、指数関数を演算する関数演算部と
    で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサドリフト補正装置。
  4. 前記ドリフト成分発生部は、前記検出信号の自己相関関数値を測定して決定された時定数を記憶する時定数記憶部と、
    アラン分散によって算出されるセンサバイアスの白色ノイズを記憶する白色ノイズ記憶部と、
    前記時定数と前記発振部の駆動信号とに基づいて、指数関数を演算する関数演算部と、
    前記センサバイアスの白色ノイズと前記時定数とを乗算する乗算部と、
    前記アラン分散によって算出されるセンサ白色ノイズを記憶するセンサ白色ノイズ記憶部と、
    前記指数関数と前記乗算部の演算結果と前記センサ白色ノイズとを加算する加算部と
    で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサドリフト補正装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセンサドリフト補正装置を備えたことを特徴とする電子機器。
  6. 発振部及び前記発振部の出力信号を検出する信号検出部とを有する振動型センサに生じる時間変動ドリフト成分を補正するセンサドリフト補正方法であって、
    前記発振部の駆動信号が入力され、少なくとも前記振動型センサで発生する時間の経過に伴う時間変動ドリフト成分を発生させるドリフト成分発生ステップと、
    前記時間変動ドリフト成分を前記信号検出部で検出される検出信号から除去するドリフト除去ステップと
    を有することを特徴とするセンサドリフト補正方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101200057B1 (ko) 2012-05-08 2012-11-12 삼성탈레스 주식회사 시선 안정화 장비의 자동 편류 보상 장치 및 방법
JP2014510912A (ja) * 2011-02-23 2014-05-01 ネダーランゼ・オルガニサティ・フォーア・トゥーゲパスト−ナトゥールヴェテンシャッペリーク・オンデルゾエク・ティーエヌオー 測定装置および測定方法

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