JP2005097489A - ワックス水性分散体およびその製造方法 - Google Patents

ワックス水性分散体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 沸点300℃以上の水性化助剤を実質的に含有しない、ワックスの水性分散体中での数平均粒子径が0.5μm以下の、分散安定性に優れたワックス水性分散体を提供する。
【解決手段】 ケン化価が5〜250(mgKOH/g)のワックスと沸点300℃以下の塩基性化合物を含有し、沸点が300℃を超える水性化助剤を実質的に含有せず、数平均粒子径が0.5μm以下のワックス水性分散体であって、好ましくは、ワックスが、動・植物ワックスであることを特徴とするワックス水性分散体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ワックスの水性分散体およびその製造方法に関する。
ワックス水性分散体は、フロアーワックス、カーワックス、防錆ワックス、紙製品の撥水剤、熱転写リボン用添加剤、繊維のサイジング助剤等を始めとして、様々な分野で種々の用途に使用されている。従来のワックス水性分散体には、ワックスを水性媒体中に分散安定化して乳化状態とするための水性化助剤が含有されている。これまで水性化助剤はワックスの乳化には必要なものとされてきたが、乳化後は各用途においてワックスの性能、例えば、耐水性、耐ブロッキング性、防汚性などを低下させる傾向がある。しかも水性化助剤の一部は環境ホルモンなど問題が指摘されていることから、水性化助剤を含まないワックス水性分散体およびその製造方法が求められている。
こうした中、乳化剤等の水性化助剤を含有せずにワックスを分散する方法として、特許文献1には高速撹拌機(ホモミキサー)および高圧均質機(ホモジナイザー)を必須装置として用いる方法が記載されている。
特開2003−147088号公報
しかしながら、上記の手法では高速撹拌機(ホモミキサー)および高圧均質機(ホモジナイザー)といった特殊かつ高価な装置を必要とするうえ、ワックスをナノオーダーまで分散するには300Kg/cm2以上の高圧処理をしなければならないため工業的に不利であり、しかも600Kg/cm2もの高圧で分散したワックスの平均粒子径が、0.6μm以上までしか分散されず、粒子径が十分に小さくないために、希釈安定性や他の分散体などとの配合安定性が不十分であるなどの問題もあった。
本発明は前記問題点を解決し、高沸点の水性化助剤を用いず、かつ高圧分散機などの特殊装置を用いることなく、平均粒子径が0.5μm以下まで微分散化されたワックス水性分散体の提供と、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のケン化価を有するワックスと、沸点300℃以下の塩基性化合物、および水を密閉容器中、50〜200℃の温度で加熱、攪拌する工程から得られたワックス水性分散体は、ワックスが均質かつ微細に分散化され、分散安定性に優れていることを見出し、それらに基づいて本発明に到達した。
すなわち本発明の第一は、
ケン化価5〜250(mgKOH/g)のワックスと沸点300℃以下の塩基性化合物を含有し、沸点が300℃を超える水性化助剤を実質的に含有せず、前記ワックスの数平均粒子径が0.5μm以下であることを特徴とするワックス水性分散体であって、前記ワックスは、好ましくは動・植物ワックスであることを特徴とするワックス水性分散体である。また、本発明の第二は、第一の発明のワックス水性分散体の製造方法である。
本発明によれば、ワックス、沸点300℃以下の塩基性化合物および水を密閉容器中、50〜200℃の温度で加熱、攪拌することで、沸点が300℃を超える水性化助剤を実質的に含有しない、ワックスの水性分散体中での数平均粒子径が0.5μm以下の、分散安定性に優れたワックス水性分散体を、経済的、省資源的に製造することができ、防湿性や撥水性を要求される各種用途、すなわち、フィルムの防湿剤、紙製品の撥水剤、防錆ワックス、熱転写リボン用添加剤、繊維のサイジング助剤、フロアーワックス、カーワックス等、様々な基材へのコーティング剤として好適に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のワックス水性分散体は、水性媒体中に特定ケン化価を有するワックスおよび沸点300℃以下の塩基性化合物を含有するものである。
本発明に用いるワックスは、5〜250のケン化価を有することが必要である。ケン化価は、30〜250が好ましく、特に好ましくは50〜250である。ケン化価が5未満では、ワックスを水性分散化するのが困難になる。また、ケン化価が250を超えるワックスは入手が困難であり、この値とするためには特別な操作が必要と考えられることから、経済的ではない。
ケン化価5〜250の範囲のワックスとしては、例えば動・植物ワックスが挙げられ、具体的にはキャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油などの植物系ワックス、みつろう、セラックワックス、ラノリンワックス、鯨ろうワックスなどの動物系ワックスが挙げられる。中でも、植物系ワックスでは、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、動物系ワックスではみつろうが適度なケン化価を有していることから好ましく、中でも、キャンデリラワックスが最も好ましい。本発明に用いるワックスの酸価は特に限定されないが、好ましくは5〜50、より好ましくは8〜40、特に好ましくは9〜30である。なお、本発明において、ケン化価、酸価は、JIS K−0070に従ってKOHによる滴定により求められる値であり、その単位はいずれもmgKOH/gである。
本発明の水性分散体は、上記のワックスが水性媒体中に分散もしくは溶解されている。ここで、水性媒体とは、水を主成分とする液体であり、後述する水溶性の有機溶剤や塩基性化合物を含有していてもよい。
本発明の水性分散体中に分散しているワックス粒子の数平均粒子径は、0.5μm以下である。さらに、安定性の観点から0.3μm以下がより好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。数平均粒子径が0.5μmを超えると水性分散体の保存安定性が低下したり、配合安定性が低下したりする。なお、ワックス粒子の数平均粒子径には下限は特にないが、本発明の製造方法によって得られる水性分散体であれば0.01μm以上である。一方、ワックス粒子の重量平均粒子径に関しては、保存安定性や混合安定性の点から、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がさらに好ましく、0.3μm以下が特に好ましい。
本発明の水性分散体における、ワックス含有率は、目的とする性能や他成分との混合条件等により適宜選択でき、特に限定されるものではないが、コーティング組成物の粘性を適度に保ち、かつ良好な塗膜形成能を発現させる点で、1〜60質量%が好ましく、3〜55質量%がより好ましく、5〜50質量%がさらに好ましく、10〜45質量%が特に好ましい。
本発明の水性分散体は、沸点が300℃を超える水性化助剤を実質的に含有しないことを特徴とする。このため、塗膜特性、特に耐水性、防湿性が優れており、これらの性能は長期的に殆ど変化しない。本発明でいう沸点とは、全て常圧における沸点のことである。また、常圧において沸点を有さない水性化助剤は、本発明でいう沸点が300℃を超える水性化助剤に該当するものとする。
ここで、「水性化助剤」とは、水性分散体の製造において、水性化促進や水性分散体の安定化の目的で添加される薬剤や化合物のことである。また、「沸点が300℃を超える水性化助剤を実質的に含有しない」とは、こうした助剤を製造時(ワックスの水性時)に用いず、得られる分散体が結果的にこの助剤を含有しないことを意味する。したがって、こうした水性化助剤は、含有量がゼロであることが特に好ましいが、本発明の効果を損ねない範囲で、ワックス成分に対して0.1質量%以下程度含まれていても差し支えない。
本発明でいう沸点が300℃を超える水性化助剤としては、特に、後述する界面活性剤、保護コロイド作用を有する化合物、水溶性高分子等が挙げられる。
界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性(非イオン性)界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、反応性界面活性剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、乳化剤類も含まれる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸およびその塩、アルキルベンゼンスルホン酸およびその塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられ、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体等のポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のソルビタン誘導体等が挙げられ、両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。反応性界面活性剤としては、アルキルプロペニルフェノールポリエチレンオキサイド付加物やこれらの硫酸エステル塩、アリルアルキルフェノールポリエチレンオキサイド付加物やこれらの硫酸エステル塩、アリルジアルキルフェノールポリエチレンオキサイド付加物やこれらの硫酸エステル塩等の反応性2重結合を有する化合物が挙げられる。
保護コロイド作用を有する化合物、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の不飽和カルボン酸含有量が20質量%以上のカルボキシル基含有ポリマーおよびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物が挙げられる。
本発明の水性分散体は、沸点が300℃以下の塩基性化合物を含有する。この塩基性化合物によって、ワックスに含まれるカルボキシル基は、その一部または全部が中和され、生成したカルボキシルアニオン間の電気反発力によって微粒子間の凝集が防がれ、水性分散体に安定性が付与される。沸点が300℃を超える塩基性化合物を用いた場合には、水性分散体を基材に塗布し、乾燥する場合に、飛散させることが困難であり、特に室温程度の低温での乾燥時に、塗膜の耐水性や防湿性等が悪化する場合がある。
塩基性化合物としては、沸点が300℃以下であれば特に限定されないが、なかでも沸点が250℃以下のものが好ましく、より好ましくは沸点が30〜200℃、特に好ましくは沸点30〜185℃の塩基性化合物であり、具体例としては、アンモニア、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、イソプロピルアミン、アミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、エチルアミン、ジエチルアミン、イソブチルアミン、ジプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミン、2−メトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、2,2−ジメトキシエチルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ピロール、ピリジン等を挙げることができる。塩基性化合物の添加量はワックスの完全ケン化に必要な量の0.5〜6.5倍当量であることが好ましく、1.5〜6.5倍当量がより好ましく、2.0〜6.5倍当量が特に好ましい。0.5倍当量未満では、塩基性化合物の添加効果が認められず、6.5倍当量を超えて添加しても不経済であるので好ましくない。なお、ワックスの完全ケン化に必要な塩基性化合物の量は下記の式に従って算出した。
塩基性化合物必要量=ワックス量×ケン化価×塩基性化合物分子量/KOH分子量/1000
(ただし、ワックス量の単位は〔g〕、ケン化価の単位は〔mgKOH/g〕である。)
本発明においては、ワックス水性分散体には、他の分散体との配合安定性を促進するために、水性化の際に有機溶剤を添加してもよい。有機溶剤量は、水性媒体中の50質量%以下が好ましく、0〜40質量%であることがより好ましく、0〜20質量%がさらに好ましく、0〜10質量%が特に好ましい。有機溶剤量が50質量%を超える場合には、使用する有機溶剤によっては水性分散体の安定性が低下してしまう場合がある。
有機溶剤としては、良好な水性分散体を得るという点から、20℃における水に対する溶解性が10g/L以上のものが好ましく用いられ、さらに好ましくは20g/L以上、特に好ましくは50g/L以上である。
有機溶剤としては、塗膜から除去し易い点から沸点が300℃以下のものが好ましく、さらに好ましくは沸点30〜250℃であり、より好ましくは沸点30〜200℃、特に好ましくは沸点30〜185℃のものであり、50〜185℃の沸点のものが最も好ましい。沸点が300℃を超える有機溶剤は樹脂塗膜から乾燥によって飛散させることが困難であり、特に低温乾燥時の塗膜の耐水性や基材との接着性等が悪化する場合がある。使用される有機溶剤の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等が挙げられる。これらの有機溶剤は2種以上を混合して使用しても良い。
上記の有機溶剤の中でも、ワックスの水性化を阻害しにくく、かつ配合安定化に効果が高いという点から、エタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランが好ましく、これらの中でもエタノールが特に好ましい。
次に、ワックス水性分散体の製造方法について説明する。
本発明のワックス水性分散体を得るための方法としては、既述の各成分、すなわち、ワックス、塩基性化合物、水性媒体、必要に応じて有機溶剤を、密閉可能な容器中で加熱、攪拌する方法を採用することができ、この方法が最も好ましい。この方法によれば、沸点が300℃以上の水性化助剤を特に添加する必要はない。
容器としては、固/液撹拌装置や乳化機として広く当業者に知られている装置を使用することができ、0.1MPa以上の加圧が可能な装置を使用することが好ましい。撹拌の方法、撹拌の回転速度は特に限定されないが、樹脂が水性媒体中で浮遊状態となる程度の低速の撹拌でよい。したがって、高速撹拌(例えば1,000rpm以上)は必須ではなく、簡便な装置でも水性分散体の製造が可能である。
上記の装置にワックス、水性媒体などの原料を投入し、次いで、槽内の温度を40〜200℃、好ましくは80〜150℃の温度に保ちつつ、好ましくは粗大粒子が無くなるまで(例えば、5〜120分間)攪拌を続けることによりワックスを十分に水性化させ、その後、好ましくは攪拌下で40℃以下に冷却することにより、水性分散体を得ることができる。槽内の温度が60℃未満の場合は、ワックスの水性化が困難になる。槽内の温度が200℃を超える反応は不経済なので好ましくない。
このようにして得られた水性分散体の固形分濃度の調整方法としては、例えば、所望の固形分濃度となるように水性媒体を留去したり、水により希釈したりする方法が挙げられる。
上記の製法を採ることで、本発明の水性分散体は、ワックスが水性媒体中に分散または溶解され、均一な液状に調製されて得られる。
本発明の水性分散体から得られるワックス組成物は、防湿性および撥水性に優れるため、フィルムの防湿剤、紙製品の撥水剤、防錆ワックス、熱転写リボン用添加剤、繊維のサイジング助剤、フロアーワックス、カーワックス等、様々な基材へのコーティング剤として好適である。
特に、本発明の水性分散体は樹脂の水性分散体との混合安定性に優れたものであり、そのような水分散性高分子の水性分散体としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、変性ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の水性分散体を挙げることができ、これらは2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の水性分散体には必要に応じて、顔料、顔料分散剤、湿潤剤、消泡剤、増粘剤、凍結融解安定剤、塗膜形成助剤、防腐剤、防カビ剤、防サビ剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル補足剤、耐候剤、難燃剤、レベリング剤、ワキ防止剤等の各種薬剤を添加することも可能である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにのみ限定されるものではない。なお、各種の物性については以下の方法によって測定又は評価した。
(1)ワックス粒子の粒子径(μm):マイクロトラック粒度分布計UPA150(日機装株式会社製、MODEL No.9340)を用い、数平均粒子径(mn)を求めた。
(2)ポットライフ:調製したワックス水性分散体を室温で90日放置したときの外観を、次の2段階で評価した。
○:固化、凝集が見られなかった
×:固化、凝集が見られた
(3)希釈安定性:調製したワックス水性分散体を、ワックス成分が1質量%になるよう純水で希釈したときの外観を、次の2段階で評価した。
○:固化、凝集が見られなかった
×:固化、凝集が見られた
(4)樹脂水性分散体との配合安定性:調製したワックス水性分散体を、アクリル樹脂水性分散体(NeoRez R−972、楠本化成株式会社製、固形分濃度:42.0質量%)を水で2倍に希釈したものと、固形分が1:1になるよう配合したときの外観を、次の2段階で評価した。
○:固化、凝集が見られなかった
×:固化、凝集が見られた
実施例1
ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、40.0gのキャンデリラワックス(以下「CAW」と略称する。ケン化価:55.4、酸価:15.8)、5.2g(ワックスの完全ケン化に必要な量の1.5倍当量)のモルホリン(ナカライテスク製、沸点129℃)及び154.8gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を400rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、ヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を100℃に保ってさらに10分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度400rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、淡黄色の均一なワックス水性分散体J−1を得た。なお、フィルター上には残存ワックスは殆どなかった。ワックス分散体の各種特性を表1に示した。
実施例2、3
モルホリンの代わりにN,N−ジメチルエタノールアミン(和光純薬社製、沸点134℃、以下「DMEA」と略称する)、トリエチルアミン(ナカライテスク社製、沸点88.8℃、以下「TEA」と略称する)を用いた以外は実施例1と同様にしてワックス水性分散体J−2(実施例2)、J−3(実施例3)を作製し、各種物性の評価を行った。ワックス分散体の各種特性を表1に示した。
実施例4
モルホリンの添加量を13.8g(4.0倍当量)にした以外は実施例1と同様にしてワックス水性分散体J−4を作製し、各種物性の評価を行った。ワックス分散体の各種特性を表1に示した。
実施例5
エタノール(ナカライテスク社製)を40.0g(20.0質量%)添加した以外は実施例1と同様にしてワックス水性分散体J−5を作製し、各種物性の評価を行った。ワックス分散体の各種特性を表1に示した。
実施例6〜9
実施例1において、キャンデリラワックスの代わりにライスワックス(以下「RIW」と略称する。ケン化価:80.2、酸価:11.9)、カルナバワックス(以下「CRW」と略称する。ケン化価:85.1、酸価:9.1)、みつろう(以下「BEW」と略称する。ケン化価:90.6、酸価:15.2)、木ろう(以下「JPW」と略称する。ケン化価:220.5、酸価:27.6)をそれぞれ用いて、塩基性化合物量を各ワックスのケン化価の1.5倍当量、固形分濃度が20質量%となるようにした以外は、実施例1と同様の操作を行ってワックス分散体J−6〜J−9を得た。
実施例1〜9で得られた測定結果等をまとめて表1に示す。
Figure 2005097489
比較例1
塩基性化合物を添加しなかった以外は実施例1と同様にしてワックス水性分散体H−1(比較例1)の作製を試みたが、分散しなかった。
比較例2、3
ワックスとしてパラフィン(ナカライテスク社製、融点:42〜44℃)、パラフィン(キシダ化学株式会社製、融点:68〜70℃)を用いた以外は実施例1と同様にしてワックス水性分散体H−2(比較例2)、H−3(比較例3)の作製を試みたが、分散しなかった。なお、これらのパラフィンのケン化価は0であった。
比較例1〜3で得られた測定結果等を表1に示す。
実施例1〜9では、分散性、希釈安定性、配合安定性に優れたものが得られた。
これに対し、比較例1は、塩基性化合物を配合していないため、分散性に劣っていた。また、比較例2、3は、ワックスが石油ワックスであり、本発明で規定するケン化価の範囲を下方に外れていたため、分散性に劣っていた。

Claims (3)

  1. ケン化価5〜250(mgKOH/g)のワックスと沸点が300℃以下の塩基性化合物を含有し、沸点が300℃を超える水性化助剤を実質的に含有せず、前記ワックスの数平均粒子径が0.5μm以下であることを特徴とするワックス水性分散体。
  2. ワックスが動・植物ワックスであることを特徴とする請求項1記載のワックス水性分散体。
  3. ケン化価5〜250(mgKOH/g)のワックス、塩基性化合物、および水を密閉容器中、50〜200℃の温度で加熱、攪拌する工程からなる請求項1または2に記載のワックス水性分散体の製造方法。

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