JP2005097356A - 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、耐熱性、機械的強度及び柔軟性に優れており、外観性に優れた所望
形状の成形品を得ることができる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を提供する。
【解決手段】 本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、ポリプロピレン系樹脂40
〜80重量%及びポリエチレン系樹脂20〜60重量%からなるポリオレフィン系樹脂1
00重量部と、両端のブロック部がビニル芳香族化合物の重合体ブロックで且つ中央のブ
ロック部が共役ジエン系化合物の重合体ブロックであるブロック共重合体の水素添加物1
〜10重量部とからなる樹脂組成物を架橋発泡させてなるので、優れた耐熱性、機械的強
度及び柔軟性を有している。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱性、機械的強度及び柔軟性に優れた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に
関する。
従来から、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、優れた柔軟性及び耐熱性を有している
ことから、各種断熱材や雑貨として広く用いられており、最近では車両用内装材としても
用いられている。
そして、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を車両用内装材として用いるにあたっては、
真空成形やスタンピング成形などの汎用の成形方法を用いて成形されるが、近年、車両の
内装が複雑化してきている。
従って、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を汎用の成形方法を用いて所望形状に成形す
るにあたり、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、大きく延伸或いは圧縮され、その結果
、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に破れや皺が発生するといった問題点が発生していた
そこで、特許文献1には、(A)結晶化度が60〜80%の範囲内にあるエチレン又は
ブテンが共重合されたポリプロピレン樹脂、(B)炭素原子数が4以上のα−オレフィン
が共重合されたポリエチレン樹脂、(C)結晶純度が95%以上のホモポリプロピレン樹
脂を前記((A)+(B))に対して1〜7重量%よりなることを特徴とするポリオレフ
ィン樹脂組成物を加熱発泡させてなる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が提案されている
しかしながら、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、高結晶性樹脂の添加量が増加する
と、発泡体の伸びや柔軟性、特に常温域での機械的強度や柔軟性が著しく低下するため、
高結晶性樹脂の添加量に制限があり、機械的強度や柔軟性について満足し得るものではな
かった。
特開平10−45975号公報
本発明は、耐熱性、機械的強度及び柔軟性に優れており、外観性に優れた所望形状の成
形体を得ることができる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を提供する。
本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、ポリプロピレン系樹脂40〜80重量%
及びポリエチレン系樹脂20〜60重量%からなるポリオレフィン系樹脂100重量部と
、両端のブロック部がビニル芳香族化合物の重合体ブロックで且つ中央のブロック部が共
役ジエン系化合物の重合体ブロックであるブロック共重合体の水素添加物1〜10重量部
とからなる樹脂組成物を架橋発泡させてなることを特徴とする。
上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を構成するポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピ
レン系樹脂とポリエチレン系樹脂とからなるが、上記ポリプロピレン系樹脂としては、従
来から発泡体に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ホモポリプロピ
レン、プロピレンを50重量%以上含有する、プロピレンとこれと共重合可能なモノマー
との共重合体などが挙げられ、単独で用いられても二種類以上が併用されてもよい。なお
、プロピレンとこれと共重合可能なモノマーとの共重合体は、ブロック共重合体又はラン
ダム共重合体の何れであってもよいが、ランダム共重合体が好ましい。
又、プロピレンと共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンな
どのα−オレフィンが挙げられ、エチレンが好ましい。プロピレンと共重合可能なモノマ
ーは、単独で用いられても二種類以上が併用されてもよい。
そして、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を構成するポリエチレン系樹脂としては
、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられ、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレンが好ましい。なお、ポリエチレン系樹脂は、単独で用いられても二種類以上が併
用されてもよい。
又、ポリオレフィン系樹脂中におけるポリプロピレン系樹脂の含有量は、少ないと、架
橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性及び機械的強度が低下する一方、多いと、架橋ポ
リオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下するので、40〜80重量%に限定され、50
〜70重量%が好ましい。同様に、ポリオレフィン系樹脂中におけるポリエチレン系樹脂
の含有量は、20〜60重量%に限定され、30〜50重量%が好ましい。
更に、上記ポリオレフィン系樹脂には、両端のブロック部がビニル芳香族化合物の重合
体ブロックで且つ中央のブロック部が共役ジエン系化合物の重合体ブロックであるブロッ
ク共重合体の水素添加物(以下、「ブロック共重合体水素添加物」という)が添加され、
上記ブロック共重合体の水素添加物としては、両端のブロック部がスチレン重合体で且つ
中央のブロック部がエチレン−ブチレン共重合体ブロックであるのが好ましい。なお、上
記ブロック共重合体は、A−B−A型の所謂、サンドイッチ型ブロック共重合体である(
Aはビニル芳香族化合物の重合体ブロックであり、Bは共役ジエン系化合物の重合体ブロ
ックである)。
上記ブロック共重合体水素添加物中における両端のブロック部を構成するビニル芳香族
化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベ
ンゼン、ビニルピリジンなどが挙げられ、スチレンが好ましい。
そして、上記ブロック共重合体水素添加物中におけるビニル芳香族化合物の重合体ブロ
ックとしては、一種類のビニル芳香族化合物の単独重合体ブロック、又は、二種類以上の
ビニル芳香族化合物同士の共重合体ブロックが挙げられるが、一種類のビニル芳香族化合
物の単独重合体ブロックが好ましい。
更に、上記ブロック共重合体水素添加物中におけるビニル芳香族化合物の含有量は、少
ないと、ポリエチレン系樹脂との相溶性が低下することがある一方、多いと、ポリプロピ
レン系樹脂との相溶性が低下することがあるので、3〜50重量%が好ましく、5〜30
重量%がより好ましい。
又、上記ブロック共重合体水素添加物中における中央のブロック部を構成する共役ジエ
ン系化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−
ブタジエン)、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどが挙
げられ、ブロック共重合体水素添加物がポリプロピレン系樹脂に対する相溶性に優れてい
ることから、1,3−ブタジエンとイソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好
ましい。
そして、上記ブロック共重合体水素添加物中における共役ジエン系化合物の重合体ブロ
ックとしては、一種類の共役ジエン系化合物の単独重合体ブロック、又は、二種類以上の
共役ジエン系化合物同士の共重合体ブロックが挙げられるが、一種類の共役ジエン系化合
物の単独重合体ブロックが好ましい。
例えば、共役ジエン系化合物が1,3−ブタジエンであって且つ中央のブロック部が1
,3−ブタジエンの単独重合体ブロックである場合には、ブロック共重合体水素添加物は
、両端のブロック部がビニル芳香族化合物の重合体ブロックで且つ中央のブロック部がエ
チレン−ブチレン共重合体ブロックであるブロック共重合体となり、又、共役ジエン系化
合物がイソプレンであって且つ中央のブロック部がイソプレンの単独重合体ブロックであ
る場合には、ブロック共重合体水素添加物は、両端のブロック部がビニル芳香族化合物の
重合体ブロックで且つ中央のブロック部がエチレン−プロピレン共重合体ブロックである
ブロック共重合体となる。
なお、両端のブロック部がビニル芳香族化合物の重合体ブロックで且つ中央のブロック
部が共役ジエン系化合物の重合体ブロックであるブロック共重合体の水素添加物としては
、JSR社から商品名「ダイナロン8601」で、クレイトンポリマー社から「クレイト
ンG1657」「クレイトンG1726」「クレイトンG1730」で市販されている。
そして、両端のブロック部がビニル芳香族化合物の重合体ブロックで且つ中央のブロッ
ク部が共役ジエン系化合物の重合体ブロックであるブロック共重合体の水素添加物の添加
量は、少ないと、ブロック共重合体水素添加物を添加した効果が発現せず、又、多いと、
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の引張強さ及び耐熱性が却って低下するので、ポリオレ
フィン系樹脂100重量部に対して1〜10重量部に限定され、3〜8重量部が好ましい
このように、本発明では、上記のような特定の分子構造を有するブロック共重合体水素
添加物を添加することによって、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性、機
械的強度及び柔軟性を向上させている。この架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性、
機械的強度及び柔軟性の向上の原因は明確には解明されていないものの以下のことが考え
られる。
即ち、上述したブロック共重合体水素添加物は、両端のブロック部がビニル芳香族化合
物の重合体ブロックから形成されている一方、中央のブロック部が共役ジエン系化合物の
重合体ブロックの水素添加物から形成されており、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン
系樹脂との間における互いの分散性を向上させることができ、ポリプロピレン系樹脂及び
ポリエチレン系樹脂の相構造を微細化することができる。
その結果、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、ポリプロピレン系樹脂に起因した優れ
た耐熱性及び機械的強度と、ポリエチレン系樹脂に起因した優れた柔軟性を安定的に且つ
効果的に発揮しており、よって、耐熱性、機械的強度及び柔軟性の全てにおいて優れたも
のとなっており、汎用の成形方法により成形した場合にあっても、破れたり皺を生じたり
することはなく、複雑にして美麗な成形体を確実に得ることができるものである。
更に、上述のように、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とは上記ブロック共
重合体水素添加物を介して均一に混合されていることから、架橋ポリオレフィン系樹脂発
泡体は、その製造時における発泡工程において全体的に略均一に発泡してなり、その気泡
形態が全体に亘って均一なものとなっており、均質なものとなっている。
又、本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
の物性を損なわない範囲内において、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化マグネシウ
ムなどの気泡形成剤;2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどのフェノール系、リ
ン系、アミン系、ジラウリルチオプロピオネートなどのイオウ系などの酸化防止剤;メチ
ルベンゾトリアゾールなどの金属害防止剤;ヘキサブロモビフェニルエーテル、デカブロ
モジフェニルエーテルなどのハロゲン化難燃剤、ポリリン酸アンモニウム、トリメチルフ
ォスフェートなどのリン系難燃剤などの難燃剤の他、充填剤、帯電防止剤、安定剤、顔料
などが添加されてもよい。
そして、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体におけるJIS K7222に準拠して
測定された見掛け密度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の強度が低下して発
泡体の成形時或いは発泡体を成形して得られた成形体の使用時に破損することがある一方
、高いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下することがあるので、33〜
55kg/m3 が好ましく、40〜55kg/m3 がより好ましい。
又、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における23℃にて一軸引張試験を行なった
際の破断点伸度は、小さいと、スタンピング成形などの成形時に発泡体に破れが生じるこ
とがある一方、後述する23℃での引張強さが低下して、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡
体を成形して得られる成形体に厚みの薄い部分が発生することがあるので、200〜40
0%が好ましく、250〜350%がより好ましい。
更に、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における23℃にて一軸引張試験を行なっ
た際の引張強さは、小さいと、スタンピング成形などの成形時に発泡体に破れが生じるこ
とがある一方、大きいと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の成形性が低下することがあ
るので、2.0〜2.8MPaが好ましく、2.1〜2.6MPaがより好ましい。
そして、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における175℃にて一軸引張試験を行
なった際の破断点伸度は、小さいと、スタンピング成形などの成形時に発泡体に破れが生
じることがある一方、後述する175℃での引張強さが低下して、架橋ポリオレフィン系
樹脂発泡体の成形時に破れが発生したり或いは架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を成形し
て得られる成形体に厚みの薄い部分が発生することがあるので、200〜400%が好ま
しい。
更に、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における175℃にて一軸引張試験を行な
った際の引張強さは、小さいと、スタンピング成形などの成形時に発泡体に破れが生じる
ことがある一方、大きいと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の成形性が低下することが
あるので、0.1〜0.2MPaが好ましい。
なお、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の破断点伸度は、設定温度を変更した以外は、
JIS K6767(A法)に準拠して測定された伸びをいい、具体的には、架橋ポリオ
レフィン系樹脂発泡体を所定温度に調整されたオーブン内に放置し、架橋ポリオレフィン
系樹脂発泡体の表面温度をサーモラベルにより測定して、23℃での破断点伸度を測定す
る場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面温度が23℃となった時に、175
℃での破断点伸度を測定する場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面温度が1
75℃となった時に測定する。
又、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の引張強さは、設定温度を変更した以外はJIS
K6767(A法)に準拠して測定された引張強さをいい、具体的には、架橋ポリオレ
フィン系樹脂発泡体を所定温度に調整されたオーブン内に放置し、架橋ポリオレフィン系
樹脂発泡体の表面温度をサーモラベルにより測定して、23℃での引張強さを測定する場
合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面温度が23℃となった時に、175℃で
の引張強さを測定する場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面温度が175℃
となった時に測定する。
次に、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法について説明する。先ず、上記
ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂、ブロック
共重合体水素添加物及び熱分解型発泡剤、必要に応じて架橋助剤及びその他の添加剤を添
加してなる発泡性樹脂組成物を汎用の混練装置に供給して熱分解型発泡剤の分解温度未満
の温度にて溶融、混練して所望形状の発泡性樹脂成形品に成形する。
なお、上記混練装置としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機などの押出機、バンバ
リーミキサー、ロールなどの汎用混練装置などが挙げられ、押出機が好ましい。
ここで、上記熱分解型発泡剤としては、従来から発泡体の製造に用いられているもので
あれば、特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オ
キシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられ、これらは単独で用いられて
も二種類以上が併用されてもよい。
そして、上記熱分解型発泡剤の添加量は、少ないと、発泡性樹脂成形品が発泡しないこ
とがある一方、多いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の気泡が破裂することがあるの
で、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、4〜25重
量部がより好ましい。
更に、上記架橋助剤としては、従来から発泡体の製造に用いられているものであれば、
特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレ
ート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、エチルビニル
ベンゼン、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボ
ン酸トリアリルエステル、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ラウリルメタク
リレート、ステアリルメタクリレート、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソ
フタル酸ジアリルなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種類以上が併用されて
もよい。
そして、上記架橋助剤の添加量は、少ないと、発泡性樹脂組成物が発泡時に必要な架橋
度、即ち、剪断粘度を得ることができないことがある一方、多いと、発泡性樹脂組成物に
付与する架橋度の制御が困難となることがあるので、ポリオレフィン系樹脂100重量部
に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜8重量部がより好ましく、0.3〜6
重量部が特に好ましく、0.5〜5重量部が最も好ましい。
次に、上記発泡性樹脂成形品に電離性放射線を照射して架橋構造を付与する。この際、
上述した架橋助剤を発泡性樹脂組成物に添加することによって、発泡性樹脂成形品に照射
する電離性放射線量を低減して、電離性放射線の照射に伴うポリオレフィン系樹脂分子の
切断、劣化を防止することができる。
なお、上記電離性放射線としては、特に限定されず、例えば、α線、β線、γ線、電子
線などを挙げることができ、電子線が好ましい。又、発泡性樹脂成形品に対する電離性放
射線の照射量は、少ないと、発泡性樹脂成形品の発泡に必要な剪断粘度を付与することが
できないことがある一方、多いと、発泡性樹脂成形品の剪断粘度が高くなりすぎて発泡性
が低下し、発泡倍率の高い架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができなくなると
共に架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の外観性も低下することがあるので、0.1〜10
Mradが好ましく、0.2〜5Mradがより好ましく、0.5〜3Mradが特に好
ましい。
そして、上記のようにして架橋された発泡性樹脂成形品を熱分解型発泡剤の分解温度以
上に加熱し発泡させて架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。
本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、ポリプロピレン系樹脂40〜80重量%
及びポリエチレン系樹脂20〜60重量%からなるポリオレフィン系樹脂100重量部と
、両端のブロック部がビニル芳香族化合物の重合体ブロックで且つ中央のブロック部が共
役ジエン系化合物の重合体ブロックであるブロック共重合体の水素添加物1〜10重量部
とからなる樹脂組成物を架橋発泡させてなることを特徴とするので、ポリプロピレン系樹
脂とポリエチレン系樹脂とを特定分子構造を有するブロック共重合体の水素添加物の作用
によって均一に相溶させ、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂の双方の優れた作
用を効果的に発揮させることによって、優れた耐熱性、機械的強度及び柔軟性を有してお
り、汎用の成形方法によって複雑にして美麗な成形体を確実に得ることができる。
(実施例1〜3、比較例1〜4)
表1に示した所定量のエチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレン成分:2重量
%、メルトインデックス:0.5g/10分、密度:0.91g/cm3 )、直鎖状低密
度ポリエチレン(メルトインデックス:2.1g/10分、密度:0.92g/cm3
、高密度ポリエチレン(メルトインデックス:3.0g/10分、密度0.96g/cm
3 )、両端のブロック部がスチレン重合体ブロックで且つ中央のブロック部がエチレン−
ブチレン共重合体ブロックであるブロック共重合体水素添加物(JSR社製 商品名「ダ
イナロン8601」、スチレン含有量:15重量%)、ジビニルベンゼン3重量部、アゾ
ジカルボンアミド13重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部、
ジラウリルチオプロピオネート0.3重量部及びメチルベンゾトリアゾール0.5重量部
を単軸押出機に供給して樹脂温度185℃にて溶融混練して厚さ1mmの発泡性ポリオレ
フィン系樹脂シートを得た。
得られた発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に加速電圧700kVで電子線を1
.5Mrad照射して発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを架橋させた後、この発泡性ポ
リオレフィン系樹脂シートを250℃に加熱して発泡させて架橋ポリオレフィン系樹脂発
泡シートを得た。
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのゲル分率、見掛け密度、23℃におけ
る破断点伸度及び引張強さ、175℃における破断点伸度及び引張強さ、並びに、スタン
ピング成形性を下記に示した要領で測定し、その結果を表2に示した。
(ゲル分率)
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートをAg秤量し、これを120℃のキシレン中に2
4時間浸漬して不溶解分を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を真空乾燥して
乾燥残渣の重量を測定し(Bg)、下記式により算出した。
ゲル分率(重量%)=(B/A)×100
(スタンピング成形性)
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの上面にポリエステル系接着剤を介して厚さが0
.50mmの軟質ポリ塩化ビニルシートを全面的に貼着一体化した。
そして、軟質ポリ塩化ビニルシートが上面に貼着一体化された架橋ポリオレフィン系樹
脂発泡シートから縦15cm×横15cm×厚さ3.5mmの平面正方形状の板状体を切
り出した。
次に、型開き状態の雌雄型間に上記板状体をその軟質ポリ塩化ビニルシートが雄型側と
なるように配設すると共に、雌型内に200℃のポリプロピレン系樹脂(230℃でのM
I:20g/10分)20gを供給した後、雌雄型を直ちに圧力4.9MPaで5秒間、
型閉めし、続いて、雌雄型を圧力0.98MPaで50秒間型閉めした。
しかる後、雌雄型内に通水して架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを冷却した上で雌
雄型を型開きして、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの一面にポリプロピレン系樹脂
層が、他面に軟質ポリ塩化ビニルシートが積層一体化されてなる成形体を得た。なお、成
形体は、直径8cmで且つ厚み3.5mmの平面円形状の底面部の外周縁から厚み2mm
の円筒状周壁部が垂直上方に向かって延設されてなる有底円筒状に形成されていた。上記
の如くして得られた成形体の表面を目視観察して下記基準により評価した。
〔底面部〕
○‥‥底面部の軟質ポリ塩化ビニルシート部分に凸凹、皺は見られず、優れた外観で
あった。
×‥‥底面部の軟質ポリ塩化ビニルシート部分に凸凹、皺が発生し、外観は不良であ
った。
〔コーナー部〕
○‥‥底面部と周壁部との連設部分における軟質ポリ塩化ビニルシート部分に破れは
なく優れた外観であった。
×‥‥底面部と周壁部との連設部分における軟質ポリ塩化ビニルシート部分に破れが
発生し、外観は不良であった。
Figure 2005097356
Figure 2005097356

Claims (3)

  1. ポリプロピレン系樹脂40〜80重量%及びポリエチレン系樹脂20〜60重量%からな
    るポリオレフィン系樹脂100重量部と、両端のブロック部がビニル芳香族化合物の重合
    体ブロックで且つ中央のブロック部が共役ジエン系化合物の重合体ブロックであるブロッ
    ク共重合体の水素添加物1〜10重量部とからなる樹脂組成物を架橋発泡させてなること
    を特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
  2. ブロック共重合体の水素添加物は、両端のブロック部がスチレン重合体ブロックで且つ中
    央のブロック部がエチレン−ブチレン共重合体ブロックであるブロック共重合体であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
  3. JIS K7222に準拠して測定された見掛け密度が33〜55kg/m3 であると共
    に、23℃にて一軸引張試験を行なった際における破断点伸度が200〜400%であり
    且つ引張強さが2.0〜2.8MPaであり、更に、175℃にて一軸引張試験を行なっ
    た際における破断点伸度が200〜400%であり且つ引張強さが0.1〜0.2MPa
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
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