JP2005096181A - 熱転写記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 染料同士の相互作用に基づく悪影響が抑制される熱転写記録方法を提供すること。
【解決手段】 イエロー、マゼンタ、シアンの各熱転写シートの色材層から被転写体受容層へ熱転写することによってカラー画像を形成する熱転写記録方法において、3色材層の中、シアン色材層を最後に被転写体受容層へ熱転写し、該シアン色材層を熱転写する前に、少なくとも先に染料が熱転写された領域部分を加熱することを特徴とする、熱転写記録方法。
【選択図】なし


Description

本発明は熱転写記録方法、詳しくは昇華型熱転写記録方法に関する。
熱転写を利用した画像の形成方法として、例えば図3に示したように記録材としての昇華型染料を紙やプラスチックフィルム等の基材シート上に担持させた熱転写シート32と、紙やプラスチックフィルム上に該染料の受容層を設けた熱転写受像シート又はカードなどの被転写体37とを互いに重ね合わせてサーマルヘッド34で熱転写シートを加熱しフルカラー画像36を形成するダイレクト印画方式等が知られている。
昇華型熱転写記録では、一般的には3原色(イエロー(以下「Y」と略す)、マゼンタ(以下「M」と略す)、シアン(以下「C」と略す)の3色、必要に応じて黒を加えてもよい)をサーマルヘッドで順次重ねて階調印画することによってフルカラーの画像を形成している。このようにして形成された画像は、使用する色材が染料であることから、非常に鮮明であり、かつ透明性に優れているために、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様な画質を備え、かつフルカラー写真画像に匹敵する高品質の画像が形成可能である。
しかしながら、従来の方法で形成された画像は、経時保存安定性や耐光性が十分とは言えず、画質および画像が劣化してしまうことがある。特に2次色(レッド、グリーン、ブルー)および3次色(ブラック)については、構成している染料の相互作用によってそれぞれの単色の耐光性よりも悪くなってしまう、染料の触媒褪色という現象が起こることが知られており、その中でも特にグリーンを構成するイエローとシアンの相互作用が顕著である。
本発明は上記事情に鑑みたものであって、染料同士の相互作用に基づく悪影響が抑制される熱転写記録方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明はイエロー、マゼンタ、シアンの各熱転写シートの色材層から被転写体受容層へ熱転写することによってカラー画像を形成する熱転写記録方法において、3色材層の中、シアン色材層を最後に被転写体受容層へ熱転写し、該シアン色材層を熱転写する前に、少なくとも先に染料が熱転写された領域部分を加熱することを特徴とする、熱転写記録方法に関する。
本発明の熱転写記録方法は、イエロー、マゼンタ、シアンの各色材層から被転写体受容層へ熱転写するに際して、3色材層の内、シアン色材層を最後に被転写体受容層へ熱転写する。従って、イエロー色材層およびマゼンタ色材層の熱転写の順序は、イエロー色材層→マゼンタ色材層の順序、またマゼンタ色材層→イエロー色材層のいずれでもよいが、本発明においては、シアン色材層を最後に被転写体受容層へ熱転写するようにする。イエロー色材層→マゼンタ色材層→シアン色材層の順で熱転写が行われている場合が通常である。
本発明においては、該シアン色材層を熱転写する前に、先に染料が熱転写された領域部分を加熱する。加熱の段階は、イエロー染料およびマゼンタ染料(この順序はどちらでもよい)を熱転写した後、シアン色材層を熱転写する直前であってもよいし、イエロー色材層あるいはマゼンタ色材層のどちらか一色を転写した後でもよい。後者の場合、加熱の後にマゼンタ色材層→シアン色材層の順で、またはイエロー色材層→シアン色材層の順に熱転写が行われることになる。好ましくはシアン色材層を熱転写する直前に、先に熱転写された領域を加熱することである。
加熱は、被転写体受容層に0.1〜0.5 mJ/dot、好ましくは0.2〜0.3 mJ/dot程度の熱量が付与されるように加熱する。加熱は、少なくとも、先に被転写体受容層に染料が転写された染料領域部分を加熱するようにする。染料転写領域部分以外を含め目的とする受容層被転写領域の全部或いは一部を行ってもよい。加熱手段は、特に限定されるものではなく、染料熱転写の際に使用するサーマルヘッドを利用してもよいし、ヒートローラを利用してもよい。或いは、染料熱転写の際に使用されるサーマルヘッドとは別に加熱専用のサーマルヘッドを設けてもよい。
図2に本発明の熱転写記録方法が適用可能な熱転写シートの一例の模式的断面図を示した。いうまでもなく本発明に適用可能な熱転写シートは、図2に例示のものに限定されるものではなく、他の公知の熱転写シートを同様に適用できる。
図2において熱転写シート21は、基材シート22の一方の面に、熱昇華性色材層Y、熱昇華性色材層M、熱昇華性色材層C、熱昇華性色材層Bおよび熱転写性保護層26が順次形成され、M色材層とC色材層との間に、色材層が存在しない領域(本発明においては「加熱域」という)を形成している。この加熱域を通して、先に染料が熱転写された領域部分を加熱することができる。基材シート22の他方面に背面層27が形成されている。熱転写性保護層26は、例えば剥離層23及び熱接着性樹脂層25からなっている。必要に応じて耐可塑剤層24を設けてもよい。被転写体への最表面に転写型保護層を転写することにより、さらなる耐光性等の向上を図れる。
図2における加熱層は、Y色材層とM色材層との間、M色材層とC色材層との間およびC色材層の右側の2箇所、Y色材層とM色材層との間およびM色材層とC色材層との間の2箇所、Y色材層とM色材層との間およびM色材層とC色材層との間に加えさらにC色材層の右側の3箇所に形成してもよい。またY、M、Cの各色材層のみを設けた熱転写シートを予め作成し、該熱転写シートとは別に加熱専用のシートを設けてもよい。
熱転写シート21を構成する基材シート22としては、従来の熱転写シートに使用される基材シートを用いることができる。好ましい基材シートの具体例としては、コンデンサー紙、グラシン紙、パラフィン紙などの薄紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエチレンナフタレートなどの耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマーなどの各種プラスチックの延伸あるいは未延伸フィルムまたはシートが使用でき、またこれらの材料の複合化・積層体が挙げられる。これらの材料の表面に接着処理を施しても良い。基材の厚さは、強度及び耐熱性が適正になるように材料によって適宜選択することができるが、1〜100μm、好ましくは1.5〜50μmのものが好ましく用いられる。
熱転写シートに形成される熱転写性色材層は、少なくとも昇華性染料とバインダー樹脂からなる。昇華型の熱転写性色材層に用いられる染料としては、従来、公知の熱転写シートに使用されている染料が、いずれも本発明に使用可能であり、特に限定されない。これらの染料としてはジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン系、アセトフェノンアゾメチン,ピラゾロアゾメチン,イミダゾルアゾメチン,ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン,トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、そしてピリドンアゾ,チオフェンアゾ,イソチアゾールアゾ,ピロールアゾ,ピラゾールアゾ,イミダゾールアゾ,チアジアゾールアゾ,トリアゾールアゾ,ジスアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等があげられる。
色材層中の染料を担持するためのバインダー樹脂としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース,酢酸セルロース、酢酸・酪酸セルロース等のセルロース樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等があげられるが、これらの中ではセルロース系、ポリウレタン系、ビニル系、アクリル系およびポリエステル系の樹脂が耐熱性、染料移行性などの点で好ましく用いられる。
色材層は染料及びバインダー樹脂、必要に応じて添加剤(例えば、離型剤など)やフィラー等を加えて、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、DMF等の適当な有機溶剤に溶解したり、あるいは有機溶剤や水等に分散させて、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング印刷法等の手段により塗工および乾燥して塗膜を形成することができる。このようにして形成する色材層は、乾燥状態で0.2〜5.0g/m2、好ましくは0.3〜2.0g/m2程度の厚さであり、また色材層中の昇華性染料は、色材層の重量の5〜90重量%好ましくは10〜70重量%の量で存在するのがよい。適当なイエロー、マゼンタ、およびシアン(必要に応じて、ブラックも追加する)を選んで形成する。
上記の色材層と基材シートとの間にプライマー層を設けて、色材層の基材シートへの接着性を向上させることができる。そのプライマー層を構成するバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレンアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等のビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール樹脂等が挙げられる。このバインダー樹脂に必要に応じて、添加剤を加えたものを、水、または溶剤に溶解、あるいは分散させた塗工液により、従来から公知の塗工方式で、0.01〜3.0g/m2程度の乾燥時の塗工量で、形成することができる。
被転写体へ重ね印画した染料が同一の層(受容層)で混ざり合うと、Y、M、C単色の耐光性よりも、混色の耐光性が悪くなるキャタリティックフェイディング(触媒性光褪色)が生じる。これは、各染料間の相互作用によるものと考えられている。このようなキャタリティックフェイディングが生じると画質の劣化、画像保存性に問題が生じる。キャタリティックフェイディングを生じる染料は、染料の組み合わせにもよるが、既存の主流染料においては特にY染料とC染料の相互作用によりC染料の消色が起こることが多い。そのようなキャタリティックフェイディングが生じる組み合わせの染料の一方の染料を熱転写し、その転写領域を加熱し、その後に他方の染料を熱転写するようにすると、キャタリティックフェイディングを抑制できる。例えば、Y染料とC染料が、キャタリティックフェイディングする場合、Y染料を先に熱転写し、その転写領域を加熱し、その後にC染料を熱転写するようにする。望ましくは、Y,M,C染料のうち、C染料を最後に熱転写するようにする。
キャタリティックフェイディングを生じる染料であるか否かは、熱転写記録に採用される熱転写シートと被転写体受容層との組み合わせにおいて、例えばY染料とC染料を被転写体受容層上の同一箇所に転写し、Y画像、C画像(単色)の光照射前後による褪色度を残存率によって規定し、同様にGreen画像(混色)中のY成分、C成分の残存率を評価した際に、混色中のY成分もしくはC成分が単色の際の残存率と比較して著しく低い場合、キャタリティックフェイディングが生じる組み合わせであると判断できる。同様にY染料とM染料、M染料とC染料についても同様にキャタリティックフェイディングが生じるかどうか判断できる。特にキャタリティックフェイディングが顕著に生じる具体的染料の組み合わせはY染料とC染料であり、例えばY染料がC.I.Disperse Yellow 201、C染料がC.I.Disperse Blue 354が挙げられる。
本発明による加熱による作用は定かでないが、現象論的に推察すると、受容層へ熱転写された染料の染料層領域を加熱することにより、染料が染料層表面からさらに内部へ移動しているものと考えられる。そのため、受容層内における染料と染料の混ざり合う部分を少なくすることができ、染料同士の混合による悪影響、例えばキャタリティックフェイディングが抑制されるものと考えられる。
背面層27としては、サーマルヘッドの熱によるステッキングや印字シワなどの悪影響を防止するため、耐熱滑性層を設けることが好ましい。耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂からなる耐熱滑性層に添加あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、リン酸エステル、金属石鹸、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及びリン酸エステル系化合物からなる層であり、さらに充填剤を添加することがより好ましい。
耐熱滑性層は、基材シートの上に、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、耐熱滑性層塗工液を調整し、これを、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗工し、乾燥して形成することができる。耐熱滑性層の塗工量は、乾燥時で0.1g/m2〜3.0g/m2が好ましい。
上記の耐熱滑性層と基材シートとの間に上記した同様のプライマー層を設けてもよい。
熱転写性保護層26を形成する剥離層23は、バインダー樹脂により構成される。バインダー樹脂としては、この分野で使用されている公知の熱可塑性樹脂及び熱硬化型樹脂を広く使用できる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸、ポリメタクリルアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂;エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。
熱硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、アミノアルキッド樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂の中でも、アクリル系樹脂が好ましい。これらのバインダー樹脂は、1種単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
剥離層23は、バインダー樹脂と共にワックスを含んでいてもよい。ワックスが含まれると、剥離層の耐擦過性及び箔切れ性が向上する。
ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリエステルワックス、ポリスチレン系パウダー、オレフィン系パウダー、マイクロクリスタリンワックス、カルナパワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等を挙げることができる。
ワックスは、剥離層中に、通常0.1〜30重量%程度、好ましくは0.1〜10重量%程度含有されているのがよい。
剥離層23中に紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤を配合することにより、転写された後に保護層により覆われる被転写体の画像等の耐光性、耐候性を向上させることができる。
紫外線吸収剤としては、従来から公知の有機系紫外線吸収剤であるサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等を広く使用できる。また、これらの紫外線吸収剤に例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいはアルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等の官能基を導入した紫外線吸収性樹脂を剥離層中に含有させてもよい。
更に、上記剥離層中に、酸化防止剤、蛍光増白剤等の各種添加剤を含有させてもよい。加え、水、有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散せしめてなるインキを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の通常のコーティング方法に従い塗布し、乾燥することにより形成される。
剥離層の厚みは、通常0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μm程度である。
剥離層23と基材シート22との間に、さらに離型層が設けられていてもよい。離型層は、基材シートと保護層との剥離性が適当でない場合、基材シートと保護層との接着性を調整し、保護層の剥離を良好に行うために設けられる。
離型層は、例えば、シリコーンワックス等の各種ワックス類、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、水溶性樹脂、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリルビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂等の各種樹脂等やこれらの混合物から構成される。
離型層は、上記ワックス類及び上記樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する塗布液を、従来公知の塗布方法に従って基材シート上に塗布し、乾燥することで形成することができる。離型層の厚みは、通常0.5〜5.0μm程度である。
離型層を備える場合、熱転写性保護層は転写により剥離層から剥離され、離型層自体は基材シート側に残るように形成してなるものが望ましい。
耐可塑剤層24は、基材シート上に形成された剥離層上に、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を主成分として溶媒に溶解又は分散せしめてなるインキを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の通常のコーティング方法に従い塗布し、乾燥することにより形成される。
耐可塑剤層の厚みは、通常0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μm程度である。
熱接着性樹脂25は、被転写体である印画物への転写性、接着性を良好にする。
熱接着性樹脂層25を構成する樹脂としては、従来より公知である粘着剤、感熱接着剤等に配合されている樹脂をいずれも使用できるが、ガラス転移温度(Tg)が50〜80℃の熱可塑性樹脂であるのが好ましい。このような熱可塑性樹脂の具体例として、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、プチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等を挙げることができる。
熱接着性樹脂層は、剥離層上(耐可塑剤層が設けてある場合には耐可塑剤層上)に、上記樹脂その他添加剤を水、有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散せしめてなるインキを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の通常のコーティング方法に従い塗布し、乾燥することにより形成される。熱接着性樹脂の厚みは、通常0.5〜5μm程度、好ましくは1〜2μm程度である。
本発明を適用できる、被転写体受容層は、ダイレクト印画方式に使用される熱転写受像シートが有する受容層、または中間転写媒体方式に使用される中間転写媒体が有する受容層であってよい。
熱転写受像シートは、少なくとも紙やプラスチックフィルム等の基材上に染料の受容層が形成されてなる。
基材の具体例としては、コンデンサー紙、グラシン紙、パラフィン紙などの薄紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエチレンナフタレートなどの耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマーなどの各種プラスチックの延伸あるいは未延伸フィルムまたはシートが使用でき、またこれらの材料の複合化・積層体が挙げられる。これらの材料の表面に接着処理を施しても良い。基材の厚さは、強度及び耐熱性が適正になるように材料によって適宜選択することができるが、1〜100μm、好ましくは1.5〜50μmのものが好ましく用いられる。
受容層は、染料によって染め易い樹脂を主成分とするワニスに、必要に応じて離型剤等の各種添加剤を加えて構成されている。染料によって染め易い樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、およびその共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、アイオノマー、セルロール誘導体の単体、または混合物を用いることができる。
染料受容層には、画像形成時に熱転写シートとの熱融着を防ぐために離型剤を配合することもできる。離型剤は、シリコーンオイル、リン酸エステル系可塑剤、フッ素系化合物等を用いることができるが、特にはシリコーンオイルが好ましく用いられる。シリコーンオイルとしては、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、フッ素変性、フェニル変性、エポキシ・ポリエーテル変性等の変性シリコーンが好ましく用いられる。
染料受容層はロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的なコート方法により形成される。染料受容層5の塗布量は0.5〜10g/m2程度である。
熱転写記録方法としては、熱転写受像シートへ熱転写する通常のダイレクト印画方式の他に、中間転写媒体を用いた方式などがある。
中間転写媒体方式の熱転写記録方法は、昇華再転写方法とも呼ばれ、図1に示したように、インクリボン1から供給される熱転写シート2と中間転写媒体供給ローラー5から供給される中間転写媒体3とを重ね合わせ、サーマルヘッドの加熱により、熱転写シートから染料を中間転写媒体の受容層へ印画することにより、一旦、中間転写媒体に印画画像6が形成される。印画画像6が形成された中間転写媒体は、被転写体7と重ね合わされ、中間転写媒体の基材側からヒートロラー8により加熱され、中間転写体に形成された印画画像6が、被転写体7、例えばカードに転写される。
本発明は、このような中間転写媒体方式の熱転写記録方法に使用される中間転写媒体へも適用可能である。
中間転写媒体は、基材上に、少なくとも受容層、必要により離型層、剥離層、プライマー層、および受容層が設けられた基材表面とは反対側の面に耐熱滑性層等が設けられてなる従来の各種中間転写シートを使用できる。各層は、上記熱転写シート、熱転写受像シートで説明した同様のもので構成される。
熱転写受像シートとして、オリンパス社製CAMEDIA P-400用A4サイズスタンダードペーパーP-A4Nを、熱転写シートとしてオリンパス社製 CAMEDIA P-400用インクリボンパックP-RBNのY、M、Cの各色材層を用い、1ライン周期中に、1ライン周期を256等分割したパルス長を持つ分割パルスの数を0から255まで可変できるマルチパルス方式の評価プリンターにて、17.0V、パルスデューティー70%、印画速度5msec/lineの条件で、イエロー、マゼンタ、シアン染料層を用いた諧調パターンを印画した。加熱手段としては上記プリンターのサーマルヘッドを用い、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET、厚み6μm、東レ社製)の背面に耐熱滑性層を塗工した熱転写シートによって染料各色で印画したパターン全体を加熱した。
(熱転写受像シートの加熱条件)
サーマルヘッド:KGT-217-12MPL20(京セラ社製)
発熱体平均抵抗値:3149(Ω)
主走査方向印字密度:300(dpi)
副走査方向印字密度:300(dpi)
印加電力:0.265(W/dot)
印画および加熱は下記表1に記載の順序により行なった。
Figure 2005096181
得られた階調画像印画物について、グレタグマクベス社製反射濃度計RD-918にて緑色中のイエロー濃度およびシアン濃度を測定し、キセノンフェードオメータにて400kJ照射した後の各色の濃度を測定してキセノン照射前後での濃度残存率を算出し、比較例1の濃度残存率を100として規格化した。結果を下記表2にまとめた。
(耐光性試験の条件)
照射試験機:アトラス社製Ci35
光源:キセノンランプ
フィルター:内側=IRフィルター、外側=ソーダライムガラス
ブラックパネル温度:45(℃)
照射強度:1.2(W/m2)・・・420nmでの測定値
照射総量:400(kJ/m2)・・・420nmでの積算値
Figure 2005096181
以上の結果より、シアン染料層を被転写体へ印画する前に、熱転写された領域の一部または全面をサーマルヘッドまたはヒートローラによって加熱することにより、耐光性が向上することを見出した。
中間転写媒体方式の熱転写記録方法を説明するための模式的構成図。 熱転写シートの一実施形態の模式的断面図。 ダイレクト印画方式の熱転写記録方法を説明するための模式的構成図。
符号の説明
1 インクリボン
2 熱転写シート
3 中間転写媒体
4 サーマルヘッド
5 中間転写媒体供給ローラー
6 印画画像
7 被転写体
8 ヒートローラー
21 保護層熱転写シート
22 基材シート
23 剥離層
24 耐可塑剤層
25 熱接着性樹脂層
26 熱転写性保護層
27 背面層
32 熱転写シート
34 サーマルヘッド
36 画像
37 被転写体

Claims (3)

  1. イエロー、マゼンタ、シアンの各熱転写シートの色材層から被転写体受容層へ熱転写することによってカラー画像を形成する熱転写記録方法において、3色材層の中、シアン色材層を最後に被転写体受容層へ熱転写し、該シアン色材層を熱転写する前に、少なくとも先に染料が熱転写された領域部分を加熱することを特徴とする、熱転写記録方法。
  2. シアン色材層が熱転写された後にさらに、少なくとも先に染料が熱転写された領域部分を加熱することを特徴とする、請求項1記載の熱転写記録方法。
  3. カラー画像形成後に、被転写体への最表面に転写型保護層を転写することを特徴とする、熱転写記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101665032B (zh) * 2008-09-02 2012-10-31 索尼株式会社 成像设备及成像方法

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