JP2005095817A - 脱硫剤及びこれを用いた脱硫方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料中の硫黄分を極めて低濃度まで効率よく除去することができ、かつ寿命の長い工業的に有利な脱硫剤、及びこの脱硫剤を用いて脱硫処理された炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料を水蒸気改質、部分酸化改質又はオートサーマル改質処理し、燃料電池用水素を製造する方法を提供すること。
【解決手段】 炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料中の硫黄化合物を除去する脱硫剤であって、ニッケルを含有し、かつ嵩密度が1g/cm3以上であることを特徴とする脱硫剤及び該脱硫剤を用いた燃料電池用水素を製造する方法である。
【選択図】 なし




Description

本発明は、脱硫剤、該脱硫剤の製造方法、該脱硫剤を用いた脱硫方法及び燃料電池用水素の製造方法に関する。詳しくは、炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料中の硫黄分を極めて低濃度まで効率よく除去することができ、かつ寿命の長い脱硫剤、該脱硫剤の製造方法、及びこの脱硫剤を用いて脱硫処理された炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料を改質処理し、燃料電池用水素を製造する方法に関する。
近年、環境問題から新エネルギー技術が脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして燃料電池が注目されている。この燃料電池は、水素と酸素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギーを電気エネルギーに変換するものであって、エネルギーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、産業用あるいは自動車用などとして、実用化研究が積極的になされている。この燃料電池には、使用する電解質の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子型などのタイプが知られている。一方、水素源としては、メタノール、メタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、さらには石油系のナフサや灯油などの炭化水素油の使用が研究されている。
燃料電池を民生用や自動車用などに利用する場合、上記炭化水素油は常温常圧で液状であって、保管及び取扱いが容易である上、特に石油系のものはガソリンスタンドや販売店など、供給システムが整備されていることから、水素源として有利である。しかしながら、このような炭化水素油は、メタノールや天然ガス系のものに比べて、硫黄分の含有量が多いという問題がある。この炭化水素油を用いて水素を製造する場合、一般に、該炭化水素油を、改質触媒の存在下に水蒸気改質又は部分酸化改質処理する方法等が用いられる。このような改質処理においては、上記改質触媒は、炭化水素油中の硫黄分により被毒されるため、触媒寿命の点から、該炭化水素油に脱硫処理を施し、硫黄分含有量を長時間にわたり0.2質量ppm以下に低減させることが必要である。
また、自動車に直接水素を搭載する場合、安全面から水素に付臭物を添加することが検討されており、原料油に存在する硫黄化合物からなる付臭物を極力低濃度にすることも同様に肝要である。
石油系炭化水素の脱硫方法としては、これまで多くの研究がなされており、例えばCo−Mo/アルミナやNi−Mo/アルミナなどの水素化脱硫触媒とZnOなどの硫化水素吸着剤を用い、常圧〜5MPa・Gの圧力下、200〜400℃の温度で水素化脱硫する方法が知られている。この方法は厳しい条件下で水素化脱硫を行い、硫黄分を硫化水素にして除去する方法であり、小規模の分散型燃料電池用としては、安全・環境上の配慮、高圧ガス取締法等の関連法規との関係上好ましくない。すなわち燃料電池用としては、1MPa・G未満の条件で長時間燃料を脱硫することのできる脱硫剤が望まれている。
一方、燃料油中の硫黄分を、温和な条件で吸着除去する脱硫剤として、ニッケル系の吸着剤が提案されており(例えば特許文献1〜12参照)、またこれを改良したニッケル−銅系の吸着剤が提案されている(例えば特許文献11又は13参照)。
しかしながら、これらに開示される技術では脱硫剤の寿命という観点から実用的なレベルにはなく、特に上記ニッケル−銅系の吸着剤においては、嵩密度が低いために脱硫器の大きさを大きくせざるを得ず、実用化が困難であるとともに、通常の大きさの脱硫器では硫黄を効率的に脱硫するには不十分であるという問題点があった。
特公平6−65602号公報 特公平7−115842号公報 特開平1−188405号公報 特公平7−115843号公報 特開平2−275701号公報 特開平2−204301号公報 特開平5−70780号公報 特開平6−80972号公報 特開平6−91173号公報 特開平6−228570号公報 特開2001−279259号公報 特開2001−342465号公報 特開平6−315628号公報
本発明は、このような状況下で、炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料中の硫黄分を極めて低濃度まで効率よく除去することができ、かつ寿命の長い工業的に有利な脱硫剤、及びこの脱硫剤を用いて脱硫処理された炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料を水蒸気改質、部分酸化改質又はオートサーマル改質処理し、燃料電池用水素を製造する方法を提供することを目的とするものである。特に小型でコンパクトな脱硫器を配備した燃料電池システムにおいて、硫黄を低濃度まで、効率よく除去することのできる脱硫剤及び該脱硫剤を用いた脱硫方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく種々の研究を重ねた結果、ニッケルを含有し、かつ嵩密度の高い脱硫剤が上記問題点を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料中の硫黄化合物を除去する脱硫剤であって、ニッケルを含有し、嵩密度が1g/cm3以上であり、かつ表面積が150〜350m2/gの範囲であることを特徴とする脱硫剤、
(2)嵩密度が1.2g/cm3以上2.0g/cm3以下である上記(1)記載の脱硫剤、
(3)さらに担体を含有する上記(1)又は(2)に記載の脱硫剤、
(4)ニッケルの含有量がNiO(酸化ニッケル)の換算量として、50〜90質量%の範囲である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の脱硫剤、
(5)さらに銅を含有し、銅の含有量がCuO(酸化銅)換算量として40質量%以下である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の脱硫剤、
(6)担体がシリカ、アルミナ及びシリカ−アルミナから選ばれる少なくとも1種を含有する上記(3)〜(5)のいずれかに記載の脱硫剤、
(7)炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料が灯油、軽油、液化石油ガス(LPG)、ナフサ、ガソリン、天然ガス及びジメチルエーテルから選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の脱硫剤、
(8)ニッケルを含有する酸性溶液又は酸性水性分散液と、ケイ素及び無機塩基を含有する塩基性溶液とを混合し、瞬時に沈殿を形成させる嵩密度が1g/cm3以上である脱硫剤の製造方法、
(9)酸性溶液又は酸性水性分散液と塩基性溶液との混合及び沈殿の形成を内径3〜100mmの反応管内で行うことを特徴とする上記(8)記載の脱硫剤の製造方法、
(10)酸性溶液又は酸性水性分散液にさらに銅及びアルミニウムを含有する上記(8)又は(9)に記載の脱硫剤の製造方法、
(11)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の脱硫剤を用いて、−40〜300℃の範囲の温度で炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料の脱硫をすることを特徴とする脱硫方法、
(12)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の脱硫剤を用いて炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料の脱硫をした後、改質することを特徴とする燃料電池用水素の製造方法、
(13)改質が水蒸気改質、部分酸化改質、又はオートサーマル改質である上記(12)に記載の燃料電池用水素の製造方法、
(14)改質に用いる触媒がルテニウム系触媒又はニッケル系触媒である上記(12)又は(13)に記載の燃料電池用水素の製造方法、
(15)改質に用いる触媒の担体成分が、酸化マンガン、酸化セリウム、及び酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1種を含む上記(14)に記載の燃料電池用水素の製造方法、
(16)上記(12)〜(15)のいずれかに記載の方法により製造された水素を用いることを特徴とする燃料電池システム、
を提供するものである。
本発明によれば、炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料中の硫黄分を極めて低濃度まで効率よく除去することができ、かつ寿命の長い脱硫剤、該脱硫剤の製造方法、及びこの脱硫剤を用いて脱硫処理された炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料を改質処理し、燃料電池用水素を製造する方法を提供することができ、特に小型でコンパクトな脱硫器を配備した燃料電池システムにおいても、硫黄を低濃度まで、効率よく除去することができる。
本発明の脱硫剤は、炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料中の硫黄化合物を除去する脱硫剤であって、ニッケルを含有し、嵩密度が1g/cm3以上で、かつ表面積が150〜350m2/gの範囲であることを特徴とする。
本発明の脱硫剤の、ニッケル成分としては、通常酸化ニッケル、これを還元して得られる金属ニッケル、その他、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケル等が挙げられ、本発明の脱硫剤においては、このうち、ニッケル成分の60%以上が金属ニッケルであることが好ましい。金属ニッケルが60%以上であると、脱硫剤表面の活性点の数が多く、特に高い脱硫性能が得られる。
ニッケルの含有量としては、脱硫剤全量に基づいて、NiO(酸化ニッケル)換算量として、50〜90質量%の範囲であることが好ましい。ニッケル含有量が50質量%以上であると高い脱硫活性が得られ、90質量%以下であると、後述する担体の含有量が確保されることによって、脱硫剤の表面積が十分となり脱硫性能が低下することがない。こうした観点からニッケル含有量としては、さらに60〜85質量%の範囲であることが好ましく、特に65〜85質量%の範囲であることが好ましい。
また、本発明の脱硫剤はさらに銅を含有することが好ましい。銅成分の含有量は脱硫剤全量に基づき、CuO(酸化銅)換算量として40質量%以下であることが好ましい。銅含有量が40質量%以下であると、上記ニッケルの効果を阻害することがなく、脱硫剤としての機能を十分に発揮し得る。上記観点及び共存するニッケルの還元度を高めるとの観点から、銅の含有量は35質量%以下であることがさらに好ましく、特には30質量%以下であることが好ましい。
さらに、本発明の脱硫剤においては、NiOとCuOの総和量が、脱硫剤全量に基づき、70〜95質量%の範囲であることが好ましい。総和量がこの範囲であると、脱硫に必要な活性点数が十分であり、所望の脱硫性能が得られるとともに、後述する担体の割合が十分あるために脱硫剤の表面積が低下して、脱硫性能が低くなるという不都合がない。
本発明の脱硫剤においては、表面積を高くするために、担体を用いることができ、多孔質担体が好適に用いられる。本発明の脱硫剤はその表面積が100〜350m2/gの範囲であることが好ましい。該脱硫剤の表面積が100m2/g以上であると担持されたニッケル等の金属の分散度が高いので好ましく、さらには150〜330m2/gの範囲であることが好ましい。
上記担体としては、多孔質の無機酸化物が特に好ましく、具体的にはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、酸化亜鉛、白土、粘土及び珪藻土などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、特にシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ及びこれらの混合物が好ましい。本発明において、これらの担体に担持させる金属成分は、上述のニッケル成分を必須とし、また必要に応じて上述の銅成分を含有するものである。また、所望によりコバルト、鉄、マンガン、クロムなどの他の金属成分を少量混在させてもよい。
本発明の脱硫剤は、嵩密度が1g/cm3以上であることを必須とする。ここで、嵩密度とは体積既知の容器に該脱硫剤を一定方法で充填し、粒子間の空隙も含めた体積で、該脱硫剤の質量を除した値をいう。嵩密度が1g/cm3以上であると、脱硫器がコンパクトなものであっても活性金属の含有量が多くなり、十分な脱硫性能を発揮することができる。以上の観点から、嵩密度は1.2g/cm3以上であることが好ましい。一方、嵩密度の上限については、特に制限はないが、通常2.0g/cm3以下である。
脱硫剤の嵩密度を1g/cm3以上にする方法としては、特に限定されず、含浸法、共沈法、混練法などによることができる。これらのうち、共沈法が簡便に嵩密度1g/cm3以上の脱硫剤が製造し得るとの観点から最も好ましい。
以下、共沈法について詳細に説明する。本発明に係る共沈法においては、まず必須成分であるニッケル源、所望に応じてアルミニウム源及び銅源を含む酸性水溶液又は酸性水性分散液と、ケイ素源及び無機塩基を含む塩基性水溶液を調製する。
従来の共沈法では、このようにして調製した酸性の水溶液又は水分散液と塩基性水溶液をそれぞれ50〜90℃程度に加温して、両者を混合し、さらに50〜90℃程度の温度に保持して反応を完結させるが、この手法(以下「正添加法」ということがある)では嵩密度を高くすることはできず、せいぜい0.9g/cm3程度までにしかならない。
これに対して、本発明においては、上記酸性の水溶液又は水分散液と塩基性水溶液の両者を同時に反応管内に供給し、反応管内で沈殿を瞬時に形成する。このような方法(以下「同時添加法」ということがある)を用いることにより、脱硫剤の嵩密度を1g/cm3以上にすることができる。なお、ここで用いる反応管は直管でも曲管でもよく、内径3〜100mmの範囲であることが好ましい。またスタティックミキサーを用いてもよい。
また、上記酸性の水溶液又は水分散液と塩基性水溶液の両者を小さな受器に同時に導入し、瞬時に沈殿を形成する方法も上記方法と同様に有効である。この方法においては、生成した沈殿物や溶液が受器中に残存し、添加した酸性の水溶液又は水分散液と塩基性水溶液がこれらによって希釈されると、瞬時に沈殿を形成することができなくなり、嵩密度の高い脱硫剤を得ることができない。従って、生成した沈殿物や溶液が受器中に残存しないように、これらを連続的に抜き出すか、又は十分小さな受器を用いることが肝要である。
なお、脱硫剤の嵩密度を向上する方法として、圧縮成型法がある。この方法は脱硫剤に荷重をかけることより、嵩密度を向上させるものであるが、脱硫反応に有効な細孔が潰れてしまい、表面積及び細孔容積が低下する。表面積及び細孔容積が低下すると活性点であるニッケル等の金属の分散度が失われ、また硫黄化合物の吸着点が減少し、脱硫機能を損なう場合がある。
以下に本発明の好ましい脱硫剤の1つである、シリカ−アルミナ担体上にニッケル−銅を担持させてなる、嵩密度が1g/cm3以上の脱硫剤を共沈法によって製造する方法を具体例として詳細に説明する。
まずニッケル源、アルミニウム源、及び銅源を含む酸性水溶液又は酸性水性分散液と、ケイ素源及び無機塩基を含む塩基性水溶液を調製する。前者の酸性水溶液又は酸性水分散液に用いられるニッケル源としては、例えば塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケル、炭酸ニッケル及びこれらの水和物などが挙げられる。また銅源としては、例えば塩化銅、硝酸銅、硫酸銅、酢酸銅及びこれらの水和物などが挙げられる。更にアルミニウム源としては、硝酸アルミニウム、擬ベーマイト、ベーマイトアルミナ、バイヤライト、ジブサイトなどのアルミナ水和物や、γ−アルミナなどが挙げられる。
一方、塩基性水溶液に用いられるケイ素源としては、アルカリ水溶液に可溶であって、焼成によりシリカになるものであればよく、特に制限されず、例えばオルトケイ酸、メタケイ酸及びそれらのナトリウム塩やカリウム塩、水ガラスなどが挙げられる。また、無機塩基としては、アルカリ金属の炭酸塩や水酸化物などが挙げられる。
次に、上記酸性水溶液又は酸性水性分散液と塩基性水溶液を用いて、上述の同時添加法で生成した沈殿物を充分に洗浄したのち固液分離するか、あるいは生成した沈殿物を固液分離したのち充分に洗浄し、次いで、この沈殿物を公知の方法により80〜150℃程度の温度で乾燥処理する。このようにして得られた乾燥処理物を、好ましくは200〜400℃の範囲の温度において焼成することにより、シリカ−アルミナ担体上に金属成分が担持された脱硫剤が得られる。
なお、担体として、シリカ−アルミナ以外の担体を用いる場合も、上記の方法に準じて高嵩密度の脱硫剤を得ることができる。
本発明の脱硫剤の成型方法としては、通常使用される成型方法を用いることができるが、押出し成型もしくは乾燥物の粗砕、破砕による成型方法を用いることが好ましい。脱硫剤の嵩密度を向上させることを考慮した場合には、圧縮成型法が有効であるが、上述のように脱硫反応に有効な細孔が潰れてしまい、表面積及び細孔容積が低下する場合がある。
また、本発明の脱硫剤は、0.15mmol/g以上の水素吸着量を有することが好ましい。この水素吸着量が0.15mmol/g以上であると、脱硫に必要な活性点数が十分あり、高い脱硫性能が得られる。
なお、上記方法で得られた脱硫剤を更に還元処理して、金属ニッケルの量及び水素吸着量を制御するには、当業界において通常用いられる方法が適宜用いられる。該還元処理は、燃料電池用水素の製造においては、その脱硫処理工程の直前に行うか、あるいは脱硫剤製造工程終了後に行う。脱硫剤製造後に還元を行う場合には、空気、希釈酸素、二酸化炭素などを用いて脱硫剤の最表面を酸化処理する、いわゆる安定化処理を行うことが好ましい。この安定化処理脱硫剤を用いる場合には、脱硫反応器に充填した後、再度還元処理を行うことが必要である。還元処理を行った後は不活性ガス、脱硫灯油で封入するとよい。
本発明の脱硫剤を用いて脱硫する炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料としては、特に限定されるものではないが、例えば灯油、軽油、液化石油ガス(LPG)、ナフサ、ガソリン、天然ガス、ジメチルエーテル等、もしくはこれらの混合物が挙げられる。これらのうち、本発明の脱硫剤を適用するのに好適な原料としては灯油及び、液化石油ガス(LPG)が好ましく、特に灯油においては、硫黄分含有量が80質量ppm以下のJIS1号灯油が好ましい。このJIS1号灯油は、原油を常圧蒸留して得た粗灯油を脱硫することにより得られるもので、該粗灯油は、通常硫黄分が多く、そのままではJIS1号灯油とはならず、硫黄分を低減させる必要がある。この硫黄分を低減させる方法としては、一般に工業的に実施されている水素化精製法で脱硫処理するのが好ましい。この場合、脱硫触媒として、通常ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステンなどの遷移金属を適当な割合で混合したものを金属、酸化物、硫化物などの形態でアルミナを主成分とする担体に担持させたものが用いられる。反応条件は、例えば反応温度250〜400℃、圧力2〜10MPa・G、水素/油モル比2〜10、液空間速度(LHSV)1〜5hr-1などの条件が用いられる。
本発明の脱硫剤を用いて、炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料を脱硫する条件としては、該原料の性状に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、通常−40〜300℃の範囲で脱硫することができる。該原料として炭化水素、例えばJIS1号灯油を用い、液相で本発明の脱硫剤を充填した脱硫塔中を上向き又は下向きの流れで通過させて脱硫する場合には、温度130〜230℃程度、圧力常圧〜1Mpa・G程度、液空間速度(LHSV)が2hr-1よりも速い速度の条件で脱硫処理することが好ましい。この際、必要により、少量の水素を共存させてもよい。脱硫条件を上記範囲で適当に選択することにより、硫黄分0.2ppm以下の炭化水素を得ることができる。
次に本発明の燃料電池用水素の製造方法は、上記のようにして脱硫処理した炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料を、水蒸気改質、部分酸化改質又はオートサーマル改質を行って、より具体的には水蒸気改質触媒、部分酸化改質触媒又はオートサーマル改質触媒と接触させることにより、燃料電池用水素を製造するものである。
ここで用いられる改質触媒としては特に制限はなく、従来から炭化水素の改質触媒として知られている公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。このような改質触媒としては、例えば適当な担体にニッケルやジルコニウム、あるいはルテニウム、ロジウム、白金などの貴金属を担持したものを挙げることができる。上記担持金属は一種でもよく、二種以上を組み合わせてもよい。これらの触媒の中で、ニッケルを担持させたもの(以下、ニッケル系触媒という)とルテニウムを担持させたもの(以下、ルテニウム系触媒という)が好ましく、これらは、水蒸気改質処理、部分酸化改質処理又はオートサーマル改質処理中の炭素析出を抑制する効果が大きい。
上記改質触媒を担持させる担体には、酸化マンガン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム等が含まれていることが好ましく、特にこれらのうち少なくとも1種を含む担体が特に好ましい。
ニッケル系触媒の場合、ニッケルの担持量は担体基準で3〜60質量%の範囲が好ましい。この担持量が上記範囲内であると、水蒸気改質触媒、部分酸化改質触媒又はオートサーマル改質触媒の活性が十分に発揮されるとともに、経済的にも有利なものとなる。触媒活性及び経済性などを考慮すると、ニッケルのより好ましい担持量は5〜50質量%であり、特に10〜30質量%の範囲が好ましい。
また、ルテニウム系触媒の場合、ルテニウムの担持量は担体基準で0.05〜20質量%の範囲が好ましい。ルテニウムの担持量が上記範囲内であると、水蒸気改質触媒、部分酸化改質触媒又はオートサーマル改質触媒の活性が十分に発揮されるとともに経済的にも有利なものとなる。触媒活性及び経済性などを考慮すると、ルテニウムのより好ましい担持量は0.05〜15質量%であり、特に0.1〜2質量%の範囲が好ましい。
水蒸気改質処理における反応条件としては、水蒸気と原料に由来する炭素との比であるスチーム/カーボン(モル比)は、通常1.5〜10の範囲で選定される。スチーム/カーボン(モル比)が1.5以上であると水素の生成量が十分であり、10以下であると過剰の水蒸気を必要としないため、熱ロスが小さく、水素製造が効率的に行える。上記観点から、スチーム/カーボン(モル比)は1.5〜5の範囲であることが好ましく、さらには2〜4の範囲であることが好ましい。
また、水蒸気改質触媒層の入口温度を630℃以下に保って水蒸気改質を行うのが好ましい。入口温度が630℃以下であると、原料の熱分解が起こらないため、炭素ラジカルを経由した触媒あるいは反応管壁への炭素析出が生じにくい。以上の観点から、さらに水蒸気改質触媒層の入口温度は600℃以下であることが好ましい。なお、触媒層出口温度は特に制限はないが、650〜800℃の範囲が好ましい。650℃以上であると水素の生成量が十分であり、800℃以下であると、反応装置を耐熱材料で構成する必要がなく、経済的に好ましい。
部分酸化改質処理における反応条件としては、通常、圧力は常圧〜5MPa・G、温度は400〜1100℃、酸素(O2)/カーボン(モル比)は0.2〜0.8、液空間速度(LHSV)は0.1〜100hr-1の条件が採用される。
また、オートサーマル改質処理における反応条件としては、通常、圧力は常圧〜5MPa・G、温度は400〜1100℃、スチーム/カーボン(モル比)は0.1〜10、酸素(O2)/カーボン(モル比)は0.1〜1、液空間速度(LHSV)は0.1〜2hr-1、ガス空間速度(GHSV)は1000〜100000hr-1の条件が採用される。
なお、上記水蒸気改質、部分酸化改質又はオートサーマル改質により得られるCOが水素生成に悪影響を及ぼすため、COを反応によりCO2に変換して除くことが好ましい。このように、本発明の方法によれば、燃料電池用水素を効率よく製造することができる。
液体の原料を使用する燃料電池システムは、通常、原料供給装置、脱硫装置、改質装置、燃料電池から構成され、上記本発明の方法によって製造された水素は燃料電池に供給される。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
灯油及び液化石油ガス(LPG)の脱硫試験によって、実施例1〜5及び比較例1〜3で製造される脱硫剤の脱硫性能を評価した。
(1)灯油の脱硫試験
(ア)16時間経過後の硫黄濃度(質量ppm)
各実施例及び比較例で製造される脱硫剤15ccを内径17mmのSUS製反応管に充填した。常圧下、水素気流中120℃に昇温し、30分保持した。その後、さらに1時間かけて300℃まで昇温し、300℃で3時間保持して脱硫剤を活性化した。その後、温度を180℃に降温し、該温度で保持した。ついで、第1表に示す性状を有するJIS−1号灯油を常圧下、液空間速度(SV)20hr-1で反応管に流通させた。16時間経過後の硫黄濃度によって脱硫性能を評価した。
(イ)脱硫剤の寿命
実施例1及び比較例1で製造される脱硫剤について、上記と同様に反応管に充填し、同様の方法で活性化した。その後、第1表に示す性状を有するJIS−1号灯油を常圧下、液空間速度(SV)3hr-1で反応管に流通させた。灯油の脱硫率が0.2質量ppmを越えるまでの時間で脱硫剤の寿命を評価した。
Figure 2005095817
(2)液化石油ガス(LPG)の脱硫試験
実施例1で製造される脱硫剤15ccを内径17mmのSUS製反応管に充填した。常圧下、水素気流中120℃に昇温し、30分保持した。その後、さらに1時間かけて300℃まで昇温し、300℃で3時間保持して脱硫剤を活性化した。その後、温度を180℃に降温し、該温度で保持した。ついで、第2表に示す性状を有するJIS−1種−1号LPGを常圧下、ガス空間速度(SV)4000hr-1で反応管に流通させた。800時間経過後の硫黄濃度を分析し、脱硫率で脱硫性能を評価した。
Figure 2005095817
実施例1
硫酸ニッケル・6水和物(特級、和光純薬株式会社製)360.1gおよび硫酸銅・5水和物(特級、和光純薬株式会社製)85.2gを80℃に加温したイオン交換水4Lに溶解し、これに擬ベーマイト(C−AP、Al23として67質量%、触媒化成工業株式会社製)を7.2g混合し調製液Aを得た。
次に、別に用意した、80℃に加温したイオン交換水4Lに炭酸ナトリウム300.0gを溶解し、水ガラス93.6g(J−1号、Si濃度29質量%、日本化学工業株式会社製)を加えて、調製液Bを得た。
調製液A,Bの温度をそれぞれ80℃に保ちながら、両者を内径8mm、長さ10cmのステンレス製反応管に導入し、沈殿ケーキを得た(同時添加法)。その後、イオン交換水60Lを用いて沈殿ケーキの洗浄・ろ過を行い、120℃送風乾燥機にて生成物を12時間乾燥した。該乾燥物を、めのう乳鉢を用いて粉砕することで平均粒径を0.8mmとし、その後350℃で3時間焼成して脱硫剤aを得た。
該脱硫剤aのニッケル含有量(NiO換算)は64質量%、銅含有量(CuO換算)は16質量%、担体であるシリカ−アルミナ量は20質量%、Si/Al比(原子比)は4.8であった。また脱硫剤aの嵩密度を、該脱硫剤を5cm3のメスシリンダーに充填し、その質量を測定する方法にて行ったところ、1.5g/cm3であった。
該脱硫剤aを上記評価方法によって評価した。結果を第3表及び第4表に示す。
比較例1
実施例1に記載されるのと同様の方法で調製液A及びBを得た。調製液A,Bの温度をそれぞれ80℃に保ちながら、調製液Aに調製液Bを10分間かけて滴下し、沈殿ケーキを得た(正添加法)。その後、イオン交換水60Lを用いて沈殿ケーキの洗浄・ろ過を行い、120℃送風乾燥機にて生成物を12時間乾燥した。該乾燥物を、めのう乳鉢を用いて粉砕することで平均粒径を0.8mmとし、その後350℃で3時間焼成して脱硫剤bを得た。
該脱硫剤bのニッケル含有量(NiO換算)は64質量%、銅含有量(CuO換算)は16質量%、担体であるシリカ−アルミナ量は20質量%、Si/Al比(原子比)は4.8であった。また実施例1に記載するのと同様の方法で嵩密度を測定したところ、0.9g/cm3であった。
該脱硫剤bを上記評価方法によって評価した。結果を第3表及び第4表に示す。
実施例2
硫酸ニッケル・6水和物(特級、和光純薬株式会社製)450.1gを80℃に加温したイオン交換水4Lに溶解し、これに擬ベーマイト(C−AP、Al23として67質量%、触媒化成工業株式会社製)を7.2g混合し調製液Cを得た。また、実施例1に記載されると同様の方法で調製液Bを得た。
調製液C,Bを用いて実施例1に記載されるのと同様の方法(同時添加法)で脱硫剤cを得た。該脱硫剤cのニッケル含有量(NiO換算)は80質量%、担体であるシリカ−アルミナ量は20質量%、Si/Al比(原子比)は4.8であった。また実施例1に記載するのと同様の方法で嵩密度を測定したところ、1.5g/cm3であった。
該脱硫剤cを上記評価方法によって評価した。結果を第3表及び第4表に示す。
実施例3
硫酸ニッケル・6水和物(特級、和光純薬株式会社製)433.2gおよび硫酸銅・5水和物(特級、和光純薬株式会社製)16.0gを80℃に加温したイオン交換水4Lに溶解し、調製液Dを得た。
次に、別に用意した、80℃に加温したイオン交換水4Lに炭酸ナトリウム300.0gを溶解し、水ガラス108.4g(J−1号、Si濃度29質量%、日本化学工業株式会社製)を加えて、調製液Eを得た。
調製液D,Eを用いて実施例1に記載されるのと同様の方法(同時添加法)で脱硫剤dを得た。該脱硫剤dのニッケル含有量(NiO換算)は77質量%、銅含有量(CuO換算)は3質量%、担体であるシリカ含有量は20質量%であった。また実施例1に記載するのと同様の方法で嵩密度を測定したところ、1.5g/cm3であった。
該脱硫剤dを上記評価方法によって評価した。結果を第3表及び第4表に示す。
実施例4
硫酸ニッケル・6水和物(特級、和光純薬株式会社製)405.1gおよび硫酸銅・5水和物(特級、和光純薬株式会社製)42.6gを80℃に加温したイオン交換水4Lに溶解し、調製液Fを得た。また、実施例3に記載されると同様の方法で調製液Eを得た。
調製液F,Eを用いて実施例1に記載されるのと同様の方法(同時添加法)で脱硫剤eを得た。該脱硫剤eのニッケル含有量(NiO換算)は72質量%、銅含有量(CuO換算)は8質量%、担体であるシリカ含有量は20質量%であった。また実施例1に記載するのと同様の方法で嵩密度を測定したところ、1.5g/cm3であった。
該脱硫剤eを上記評価方法によって評価した。結果を第3表及び第4表に示す。
実施例5
硫酸ニッケル・6水和物(特級、和光純薬株式会社製)281.3gおよび硫酸銅・5水和物(特級、和光純薬株式会社製)160.0gを80℃に加温したイオン交換水4Lに溶解し、これに擬ベーマイト(C−AP、Al23として67質量%、触媒化成工業株式会社製)を7.2g混合し調製液Gを得た。また、実施例1に記載されると同様の方法で調製液Bを得た。
調製液G,Bを用いて実施例1に記載されるのと同様の方法(同時添加法)で脱硫剤fを得た。該脱硫剤fのニッケル含有量(NiO換算)は50質量%、銅含有量(CuO換算)は30質量%、担体であるシリカ−アルミナ量は20質量%、Si/Al比(原子比)は4.8であった。また実施例1に記載するのと同様の方法で嵩密度を測定したところ、1.5g/cm3であった。
該脱硫剤fを上記評価方法によって評価した。結果を第3表及び第4表に示す。
比較例2
実施例5で調製された調製液Gと実施例1で調製された調製液Bを用いて、比較例1に記載されるのと同様の方法(正添加法)で脱硫剤gを得た。該脱硫剤gのニッケル含有量(NiO換算)は50質量%、銅含有量(CuO換算)は30質量%、担体であるシリカ−アルミナ量は20質量%、Si/Al比(原子比)は4.8であった。また実施例1に記載するのと同様の方法で嵩密度を測定したところ、0.9g/cm3であった。
該脱硫剤gを上記評価方法によって評価した。結果を第3表及び第4表に示す。
比較例3
実施例3で調製された調製液D及び調製液Eを用いて、比較例1に記載されるのと同様の方法(正添加法)で脱硫剤hを得た。該脱硫剤hのニッケル含有量(NiO換算)は77質量%、銅含有量(CuO換算)は3質量%、担体であるシリカ含有量は20質量%であった。また実施例1に記載するのと同様の方法で嵩密度を測定したところ、0.9g/cm3であった。
該脱硫剤hを上記評価方法によって評価した。結果を第3表及び第4表に示す。
Figure 2005095817
Figure 2005095817
本発明の脱硫剤は、炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料中の硫黄分を極めて低濃度まで効率よく除去することができ、比較的少量の容積で十分な脱硫性能を有するため、原料供給装置、脱硫装置、改質装置、燃料電池から構成される通常の燃料電池システムの脱硫装置に適用した場合に、該脱硫装置をコンパクトにすることができる。また本発明の脱硫剤はその寿命が長いため、長期間にわたって改質装置の触媒を高活性な状態に保つことができ、燃料電池用の水素を効率的に製造することができる。

Claims (16)

  1. 炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料中の硫黄化合物を除去する脱硫剤であって、ニッケルを含有し、嵩密度が1g/cm3以上であり、かつ表面積が150〜350m2/gの範囲であることを特徴とする脱硫剤。
  2. 嵩密度が1.2g/cm3以上2.0g/cm3以下である請求項1記載の脱硫剤。
  3. さらに担体を含有する請求項1又は2に記載の脱硫剤。
  4. ニッケルの含有量がNiO(酸化ニッケル)の換算量として、50〜90質量%の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の脱硫剤。
  5. さらに銅を含有し、銅の含有量がCuO(酸化銅)換算量として40質量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の脱硫剤。
  6. 担体がシリカ、アルミナ及びシリカ−アルミナから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項3〜5のいずれかに記載の脱硫剤。
  7. 炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料が灯油、軽油、液化石油ガス(LPG)、ナフサ、ガソリン、天然ガス及びジメチルエーテルから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載の脱硫剤。
  8. ニッケルを含有する酸性溶液又は酸性水性分散液と、ケイ素及び無機塩基を含有する塩基性溶液とを混合し、瞬時に沈殿を形成させる嵩密度が1g/cm3以上である脱硫剤の製造方法。
  9. 酸性溶液又は酸性水性分散液と塩基性溶液との混合及び沈殿の形成を内径3〜100mmの反応管内で行うことを特徴とする請求項8記載の脱硫剤の製造方法。
  10. 酸性溶液又は酸性水性分散液にさらに銅及びアルミニウムを含有する請求項8又は9に記載の脱硫剤の製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載の脱硫剤を用いて、−40〜300℃の範囲の温度で炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料の脱硫をすることを特徴とする脱硫方法。
  12. 請求項1〜7のいずれかに記載の脱硫剤を用いて炭化水素原料及び/又は酸素含有炭化水素原料の脱硫をした後、改質することを特徴とする燃料電池用水素の製造方法。
  13. 改質が水蒸気改質、部分酸化改質、又はオートサーマル改質である請求項12に記載の燃料電池用水素の製造方法。
  14. 改質に用いる触媒がルテニウム系触媒又はニッケル系触媒である請求項12又は13に記載の燃料電池用水素の製造方法。
  15. 改質に用いる触媒の担体成分が、酸化マンガン、酸化セリウム、及び酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1種を含む請求項14記載の燃料電池用水素の製造方法。
  16. 請求項12〜15のいずれかに記載の方法により製造された水素を用いることを特徴とする燃料電池システム。
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