JP2005095620A - 歯牙清掃用具 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯牙の清掃において、特に歯面、舌側面、歯頸部などに局在するステインを除去したり、歯牙表面の局部的な汚れを除去するための好適な歯牙清掃具を提供する。
【解決手段】粉体粒子、好ましくはシリカを被覆した材料からなる歯牙清掃用具であって、研磨剤を被覆した繊維状材料を清掃部に用いた歯牙清掃用具に関する。更に界面活性剤を含有する液剤で前記清掃部を含浸し、ステイン除去力を高めた歯牙清掃具に関する。
【選択図】なし
【解決手段】粉体粒子、好ましくはシリカを被覆した材料からなる歯牙清掃用具であって、研磨剤を被覆した繊維状材料を清掃部に用いた歯牙清掃用具に関する。更に界面活性剤を含有する液剤で前記清掃部を含浸し、ステイン除去力を高めた歯牙清掃具に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、特定の粉体粒子を被覆した材料からなる歯牙清掃用具に関する。
さらに詳しくは、研磨剤を被覆した繊維状材料からなる清掃部で歯牙表面を直接に清掃することができる歯牙清掃用具に関する。更に、予めアルキルスルホコハク酸系界面活性剤を含有する液剤で含浸せしめた清掃部、あるいは棒状体の内部に液剤を封入しておき使用時に封を切り液剤を清掃部内部から含浸せしめる清掃部を有する歯牙清掃具に関する。
さらに詳しくは、研磨剤を被覆した繊維状材料からなる清掃部で歯牙表面を直接に清掃することができる歯牙清掃用具に関する。更に、予めアルキルスルホコハク酸系界面活性剤を含有する液剤で含浸せしめた清掃部、あるいは棒状体の内部に液剤を封入しておき使用時に封を切り液剤を清掃部内部から含浸せしめる清掃部を有する歯牙清掃具に関する。
従来、歯牙の清掃は、主に歯磨と歯ブラシを用いて歯垢や食物残渣などを除去するものであった。これは、広く歯面を清掃する目的には非常に有効な手段であるが、歯面、舌側面、歯頸部などに局在するステインの除去、局部的な清掃にはやや不向きなところもあった。そのため局部の清掃には、布地を多重に巻回して円筒体とした清掃具(特開2002−102804号公報)、漂白剤を含有するフィルム状の貼付剤(特開2003−137756号公報)、粉状などの口腔剤を筒状袋体に担持した口腔処理剤(特開2000−70290号公報)、形状に特徴をもたせた口腔内清掃用の綿棒(特開2001−79034号公報)などが開示されている。しかしながら、ペリクル、クロルヘキシジンなどの殺菌剤、茶などに含まれるタンニン系物質、鉄などの金属イオンが原因で起こると考えられているステインを除去するには未だ充分なものではない。
本発明の目的は、局在するステインを効果的に除去するための歯牙清掃用具を提供することである。
本発明者らは、特定の粉体粒子を表面に被覆した材料からなる歯牙清掃用具により、ステインが効果的に除去されることを見出し、更にスルホコハク酸系界面活性剤を含有する液剤と併用するとその効果が増強されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、歯牙表面のステインなど汚れを簡便に、且つ効果的に除去できる歯牙清掃用具を提供することができる。
本発明の歯牙清掃用具は、ステイン除去力が25以上である粉体粒子を被覆した材料を具備するものであればよく、棒状体の少なくとも一端にその材料からなる清掃部を有する形態などが例示できる。その清掃部はパルプ、コットン、麻、シルク、ウール、レーヨン、キュプラ、プロミックス、アセテート、トリアセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリル、ポリウレタンなどの繊維からなり、先端形状は円錐状、針状、板状、卵状などとすることができる。清掃部の繊維量は0.005〜1gであり、その軸方向の長さは5〜25mmである。又、清掃部は乾いた状態(乾式)であっても、湿った状態(湿式)即ち、予め液剤で含浸されていても、又、使用時に液剤を含浸させてもよいが、歯の表面を平滑にする効果からすると湿式が好ましい。
本発明の棒状体は、紙あるいはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンなど合成樹脂の成形物で、中実状でも中空状であってもよい。中空状の棒状体においては、その中空部に液剤を封入しておくと使用時に封を破って液剤を清掃部に含浸させ湿式で使用することができる。
本発明で用いる粉体粒子は、ステイン除去力が25以上であれば特に限定されるものでなく、例えば、炭酸カルシウム、第2リン酸カルシウム・2水和物および無水和物、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、カオリン、ハイドロキシアパタイト、シリカなどが例示でき、中でもシリカが好ましい。さらにd50が5μm以下、d90が15μm以下、かつステイン除去力が30以上である沈降シリカであれば、効果的にステイン除去ができ、また歯の表面を平滑にする効果が高く、更に好ましい。
本発明におけるステイン除去力は、歯磨剤や、歯磨剤に用いる研磨剤のステインを除去する力を評価する値であり、米国Indiana University−Purdue UniversityのDr.Kleberの方法で測定される。d50よびd90は、低出力He/Neレーザーを使用し、フラウンホーファー回折の原理を利用したマルバーン・マスターサイザー(Malvern Mastersizer)を用いて測定される。
本発明に用いる材料に被覆する粉体粒子の量は、繊維1gあたり0.01g〜10gが好ましく、0.1g〜5gがさらに好ましい。粉体粒子の量が0.01g以下ではステイン除去効果が得られず、10gを超えると歯の表面を粗くしてしまう可能性がある。
本発明の歯牙清掃用具の材料への粉体粒子の被覆とは、例えば材料表面への噴霧、直接塗布、また予め当該成分の所望量をワックスや粘結剤に混合したもの、あるいは水や溶剤に分散した処理剤を調製しておき、これを材料に噴霧、直接塗布、含浸など適宜の方法により材料表面に該成分が存在する状態にすればよく、歯牙清掃用具の清掃部に粉体粒子が存在する状態を示す。
本願発明のポリビニルアルコール処理について説明する。先ず、シリカを分散したポリビニルアルコール水溶液を調製する。ポリビニルアルコールの配合量は水溶液全量に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.7〜2重量%である。この量が0.7重量%に満たないと粉体粒子の付着度が著しく弱くなり、2重量%を超えると水溶液の粘度が上昇してしまい、材料への塗布が難しくなる。シリカの配合量は水溶液全量に対して5〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。この量が10重量%に満たないとステインを除去するに足るシリカ量を塗布することが難しく、40重量%を超えると水溶液の粘度が著しく上昇してしまい、材料への塗布が難しくなる。用いるポリビニルアルコールは特に限定されるものではないが、好ましくはケン化度が85%以上、その4重量%水溶液粘度が20〜50mPa・sである。
次に、シリカを分散したポリビニルアルコール水溶液に材料を含浸処理し、乾燥することでシリカを材料に被覆することができる。
更に具体的に説明する。シリカを30重量%含有するポリビニルアルコール水溶液を調製し、この水溶液0.2gを0.2gのコットン繊維に塗布し、室温乾燥後、シリカの付着度を評価した。結果を表1に示す。なお、評価は、シリカを被覆したサンプルを振動させた後のシリカの飛散度を目視にて評価を行い、次の基準を用いた。
次に、シリカを分散したポリビニルアルコール水溶液に材料を含浸処理し、乾燥することでシリカを材料に被覆することができる。
更に具体的に説明する。シリカを30重量%含有するポリビニルアルコール水溶液を調製し、この水溶液0.2gを0.2gのコットン繊維に塗布し、室温乾燥後、シリカの付着度を評価した。結果を表1に示す。なお、評価は、シリカを被覆したサンプルを振動させた後のシリカの飛散度を目視にて評価を行い、次の基準を用いた。
シリカの付着程度が強い(シリカの飛散がほとんど無い)・・・・○
シリカの付着程度が弱い(シリカの飛散が若干ある) ・・・・△
シリカの付着が非常に弱い(シリカの飛散が非常にある)・・・・×
シリカの付着程度が弱い(シリカの飛散が若干ある) ・・・・△
シリカの付着が非常に弱い(シリカの飛散が非常にある)・・・・×
表1の結果からケン化度85以上、且つ4%水溶液の粘度が20〜50Pa・Sのポリビニルアルコールが好適であることが判った。また、ポリビニルアルコールの配合量は0.7〜2重量%が好ましい。
本発明において湿式の清掃部を得るために、歯牙清掃用具全体を予め液剤に含浸させる方法、あるいは使用時、清掃部に液剤を含浸させる方法のいずれも用いることができる。後者であれば、例えば中空の棒状体を利用して、中に封入した液剤を使用時に清掃部に流出せしめる方法があり、使用の簡便性から好ましい。
本発明の液剤は、界面活性剤を含有するものであれば、特に限定されるものでなく、中でもアルキルスルホコハク酸系界面活性剤が好ましい。アルキルスルホコハク酸系界面活性剤において、そのアルキル部は天然由来または合成した炭素数8〜22の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基のいずれであってもよく、例えばラウリル、ココイル、ミリスチル、ステアリル、C12〜C14合成アルキル、イソノニル、イソドデシル、オクテニル、ドデケニルなどが例示できる。アルキル部の炭素数が長いほど苦味や刺激は低減されるが、短いほどステイン形成阻害効果が高くなるので、好ましくはアルキル部の炭素数が10〜16、中でも12〜14が好ましい。特にC12〜C14合成アルキルあるいはラウリルとミリスチルを組合せて用いるのが最も好ましい。
さらに、アルキル部はオキシアルキレン基あるいはアミド基を有していてもよく、オキシアルキレン基としてはオキシエチレン基が好ましく、その平均付加モル数は0〜20が好ましい。平均付加モル数が小さいほどステイン形成阻害効果が高く、且つ苦味も低減されるので平均付加モル数が0〜7の場合が好ましく、0〜5が最も好ましい。ここに、平均付加モル数0とは、オキシアルキレンを付加していないスルホコハク酸モノエステルを意味する。
また、アルキルスルホコハク酸系界面活性剤において、その対イオンは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミンから選ばれる1種であって、それぞれ同一でも、異なっていてもよい。アルカリ金属としてナトリウム、カリウムなどが、アルカリ土類金属としてマグネシウムなどが、アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが例示でき、とりわけナトリウムとマグネシウムが好ましい。
本発明で用いるアルキルスルホコハク酸系界面活性剤を例示すると、ポリオキシエチレン(7モル)ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(1モル)ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(7モル)ミリスチルスルホコハク酸2ナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレン(2モル)アルキル(C12〜C14)2ナトリウム、ポリオキシエチレン(1モル)アルキル(C12〜C14)スルホコハク酸2ナトリウム、スルホコハク酸アルキル(C12〜C14)2ナトリウム、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルスルホコハク酸マグネシウム、ポリオキシエチレン(2モル)アルキル(C12〜C14)スルホコハク酸マグネシウム、ポリオキシエチレン(7モル)ミリスチルスルホコハク酸2トリエタノールアミンなどが挙げられ、オレイルアミドスルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(5モル)ラウロイルスルホコハク酸エタノールアミド2ナトリウム、ポリオキシエチレン(2モル)ココイルイソプロパノールアミドスルホコハク酸2ナトリウムであり、ポリオキシエチレン(2モル)アルキル(C12〜C14)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(1モル)アルキル(C12〜C14)スルホコハク酸2ナトリウム、アルキル(C12〜C14)スルホコハク酸2ナトリウムなどが挙げられる。これらはその1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の歯牙清掃用具に清掃部材料に含浸させるアルキルスルホコハク酸系界面活性剤の量は、清掃部の繊維1gあたり0.1mg〜200mgが好ましく、0.5mg〜100mgがさらに好ましい。0.1mg以下ではステイン形成阻害効果が得られず、また200mgを超えると使用感が損なわれる。
本発明の歯牙清掃用具の清掃部及び/又は液剤には、本発明の効果を損なわない限り、従来、口腔用組成物に用いる公知の成分を適宜配合できる。例えばサッカリンナトリウム、ステビアエキス、ステビオサイド、アセスルファームK、グリチルリチン、スクラロース、ペリラルチン、タウマチン、アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル、キシリトール、パラチノース、パラチニット、エリスリトール、マルチトールなどの甘味剤や、メントール、カルボン、アネトール、バニリン、ベンジルサクシネート、オイゲノール、サリチル酸メチル、スピラントール、リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、メチルアセテート、シトロネリルアセテート、メチルオイゲノール、シオネール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、スターアニス油、フェンネル油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、珪藻油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、バジル油などの香料や、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、重炭酸ナトリウムなどの矯味剤を単独若しくは、組み合わせて用いてもよい。特に、メントール、サッカリン、ステビオサイドを単独、もしくは組み合わせて用いると、使用感がよくなり好ましい。
また、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、n−ラウロイルサルコンシンナトリウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテックエンザイム)などの酵素、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウムなどのアルカリ金属モノフルオロホスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズなどのフッ化物、トラネキサム酸およびイプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイネート、ジヒドロコレステロール、ビタミンE誘導体、グリチルリチン塩類、グリチルレチン酸、グリセロホスフェート、クロロフィル、塩化ナトリウム、カロペプタイド、水溶性無機リン酸化合物などの有効成分を単独、もしくは組み合わせて用いてもよい。
また、ステイン除去力が25に満たない第2リン酸カルシウム・2水和物および無水和物、リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ、ケイ酸アルミニウム、シリカ、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、ベントナイト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂、結晶セルロースなどの粉体粒子の1種もしくは2種以上を、本発明の粉体粒子と組み合わせて被覆してもよい。
ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル基の炭素数が8〜18である高級アルキル硫酸エステル塩、N−長鎖アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホネート塩、高級脂肪酸ナトリウムモノグリセライドモノサルフェート、N−メチル−N−パルミトイルタウライド塩などのアニオン性界面活性剤を、1種もしくは2種以上を用いても良く、特にラウリル硫酸ナトリウムを用いるとステイン除去効果が高くなるので好ましい。
また、アニオン界面活性剤以外にも、通常口腔用組成物に用いられる非イオン界面活性剤両性界面活性剤やカチオン界面活性剤を1種もしくは2種以上を用いても良い。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
評価方法
(ステイン除去効果1)
牛歯下顎1番の頬側のエナメル質試片を3mm平方切り取り、透明ポリエステルレジンにうめ込み、試片表面を研磨紙にて平滑化後、酸化アルミを用いて鏡面研磨した。試片表面を0.2mol/L塩酸に60秒浸漬し、次に飽和炭酸ナトリウム水溶液に30秒浸漬、つづいて1%フィチン酸水溶液に60秒浸漬した後、イオン交換水で洗浄した。別に、1000mLのイオン交換水に約5gの紅茶葉を入れ10分間煮出した液に、約3.4gのインスタントコーヒー、約2.5gの豚胃ムチン、約1.0gの塩化鉄(III)6水和物を溶解したステイン培地を調製した。試片を室温にて1分間ステイン培地に浸漬、続いて1分間空気乾燥のサイクルを10時間繰り返した後、イオン交換水で洗浄を行い、空気乾燥を約2時間おこなった。このステイン付着試片の初期の色について、色彩色差計CR−251(ミノルタ(株)製)にて、L*a*b*測色系にて測定した。ステイン付着試片に、歯牙清掃具を250gの荷重を掛けて接触させ、100往復(1.5回/秒)の前後運動を機械的に行った後、蒸留水で軽く洗浄し、約2時間空気乾燥を行った後、試験後の色について測定した。各群について6試片の試験を行い、各試片の初期と試験後の色差を算出し、ΔL*、ΔEの平均値の比較を行った。
評価方法
(ステイン除去効果1)
牛歯下顎1番の頬側のエナメル質試片を3mm平方切り取り、透明ポリエステルレジンにうめ込み、試片表面を研磨紙にて平滑化後、酸化アルミを用いて鏡面研磨した。試片表面を0.2mol/L塩酸に60秒浸漬し、次に飽和炭酸ナトリウム水溶液に30秒浸漬、つづいて1%フィチン酸水溶液に60秒浸漬した後、イオン交換水で洗浄した。別に、1000mLのイオン交換水に約5gの紅茶葉を入れ10分間煮出した液に、約3.4gのインスタントコーヒー、約2.5gの豚胃ムチン、約1.0gの塩化鉄(III)6水和物を溶解したステイン培地を調製した。試片を室温にて1分間ステイン培地に浸漬、続いて1分間空気乾燥のサイクルを10時間繰り返した後、イオン交換水で洗浄を行い、空気乾燥を約2時間おこなった。このステイン付着試片の初期の色について、色彩色差計CR−251(ミノルタ(株)製)にて、L*a*b*測色系にて測定した。ステイン付着試片に、歯牙清掃具を250gの荷重を掛けて接触させ、100往復(1.5回/秒)の前後運動を機械的に行った後、蒸留水で軽く洗浄し、約2時間空気乾燥を行った後、試験後の色について測定した。各群について6試片の試験を行い、各試片の初期と試験後の色差を算出し、ΔL*、ΔEの平均値の比較を行った。
試験試料
試作品シリカ付着品:約8cm長のポリプロピレン製中空軸の先端に、0.01gのステイン除去力45、d50が3.5μm、d90が9.5μmの沈降シリカを表面に付着させた0.05gのコットン繊維を清掃部として有する試作品。(ケン化度88mol%、4%水溶液粘度が43mpa・sのポリビニルアルコール1%、シリカ30%水懸濁液を用い、シリカを繊維部に塗布した。)
試作品シリカ未付着品:約8cm長のポリプロピレン製中空軸の先端に、0.05gのコットン繊維を清掃部として有する試作品。
試作品シリカ付着品:約8cm長のポリプロピレン製中空軸の先端に、0.01gのステイン除去力45、d50が3.5μm、d90が9.5μmの沈降シリカを表面に付着させた0.05gのコットン繊維を清掃部として有する試作品。(ケン化度88mol%、4%水溶液粘度が43mpa・sのポリビニルアルコール1%、シリカ30%水懸濁液を用い、シリカを繊維部に塗布した。)
試作品シリカ未付着品:約8cm長のポリプロピレン製中空軸の先端に、0.05gのコットン繊維を清掃部として有する試作品。
試液:以下の処方を持つ液剤
成分 配合量(%)
グリセリン 30.0
1−メントール 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
ポリオキシエチレン(2モル)アルキル(C12〜C14)
スルホコハク酸2ナトリウム 0.1
ラウリル硫酸ナトリウム 0.2
水 残分
合計 100.0
市販歯牙美白綿棒:極細繊維使用の綿棒(乾式)
成分 配合量(%)
グリセリン 30.0
1−メントール 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
ポリオキシエチレン(2モル)アルキル(C12〜C14)
スルホコハク酸2ナトリウム 0.1
ラウリル硫酸ナトリウム 0.2
水 残分
合計 100.0
市販歯牙美白綿棒:極細繊維使用の綿棒(乾式)
試験群
A群)試作品シリカ付着品の試液を軸内側から含浸したものを使用。
B群)試作品シリカ付着品の外側から蒸留水を約200μL含浸させたものを使用。
C群)試作品シリカ未付着品の試液を軸内側から含浸したものを使用。
D群)市販歯牙美白用綿棒に蒸留水200μL含浸させたものを使用。
各群の結果を表2に示す。
A群)試作品シリカ付着品の試液を軸内側から含浸したものを使用。
B群)試作品シリカ付着品の外側から蒸留水を約200μL含浸させたものを使用。
C群)試作品シリカ未付着品の試液を軸内側から含浸したものを使用。
D群)市販歯牙美白用綿棒に蒸留水200μL含浸させたものを使用。
各群の結果を表2に示す。
(ステイン除去試験2)
試験試料以外は、ステイン除去試験1と同じ方法で評価した。
E群)試作品シリカ付着品の試液を軸内側から含浸したものを使用。
F群)試作品シリカ付着品に外側から試液を200μL含浸させたものを使用。
G群)試作品シリカ付着品に軸内側から蒸留水を200μL含浸させたものを使用。
H群)試作品シリカ付着品に軸内部から30%グリセリン水溶液を200μL含浸させたものを使用。
各試料の評価結果を表3に示す。
試験試料以外は、ステイン除去試験1と同じ方法で評価した。
E群)試作品シリカ付着品の試液を軸内側から含浸したものを使用。
F群)試作品シリカ付着品に外側から試液を200μL含浸させたものを使用。
G群)試作品シリカ付着品に軸内側から蒸留水を200μL含浸させたものを使用。
H群)試作品シリカ付着品に軸内部から30%グリセリン水溶液を200μL含浸させたものを使用。
各試料の評価結果を表3に示す。
上記の実験結果より、ステイン除去力が30以上かつd50が5μm以下、粒径のd90が15μm以下であることを特徴とする沈降シリカを被覆した清掃部を有する棒状体の歯牙清掃用具は高いステイン除去効果を示した。さらに、清掃部に液剤を含浸させた方が高い効果を、その液剤にアルキルスルホコハク酸系界面活性剤が含有される方がさらに高い効果を示した。また、液剤を清掃部の内側から浸漬させたものの方がより高いステイン除去効果を示した。
シリカA(ステイン除去力35、d50が4.5μm、d90が14μmの沈降シリカ)を繊維1gあたり0.5g被覆したコットンフィラメントからなる清掃部を有した歯牙清掃具。
シリカB(ステイン除去力45、d50が5.0μm、d90が14.5μmの沈降シリカ)を繊維1gあたり1g被覆したコットンフィラメントからなる清掃部を有した歯牙清掃具。
シリカC(ステイン除去力30、d50が15μm、d90が50μmの沈降シリカ)を繊維1gあたり2g被覆したコットンフィラメントからなる清掃部を有した歯牙清掃具。
以上実施例1、2、及び3の歯牙清掃用具においても、高いステイン除去効果を示した。
以上実施例1、2、及び3の歯牙清掃用具においても、高いステイン除去効果を示した。
シリカC(ステイン除去力30、d50が15μm、d90が50μmの沈降シリカ)を繊維1gあたり1gを被覆したコットンフィラメントの清掃部に使用時アルキル(C12〜C14)スルホコハク酸2ナトリウム水溶液を含浸させる歯牙清掃具。
以上実施例1、2、3、4の歯牙清掃用具において、高いステイン除去効果を示し、特に実施例4でのステイン除去効果は優れていた。
以上実施例1、2、3、4の歯牙清掃用具において、高いステイン除去効果を示し、特に実施例4でのステイン除去効果は優れていた。
Claims (10)
- ステイン除去力が25以上であることを特徴とする粉体粒子を被覆した材料を有する歯牙清掃用具。
- 粉体粒子がシリカである請求項1記載の歯牙清掃用具。
- 粉体粒子が、ステイン除去力30以上、且つ粒径の50百分位数(d50)5μm以下、粒径の90百分位数(d90)15μm以下であることを特徴とする沈降シリカである、請求項2記載の歯牙清掃用具。
- 少なくとも一端に粉体粒子を被覆した材料からなる清掃部を有する棒状体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯牙清掃用具。
- ポリビニルアルコール水溶液処理して粉体粒子を被覆したことを特徴とする請求項4に記載の歯牙清掃具。
- ポリビニルアルコールがケン化度85以上、且つ4%水溶液の粘度が20〜50Pa・Sであることを特徴とする請求項5に記載の歯牙清掃具。
- 予め液剤を含浸した清掃部であることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の歯牙清掃用具。
- 内部に液剤を封入した棒状体であることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の歯牙清掃具。
- 液剤がアルキルスルホコハク酸系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項7、請求項8の何れか1項に記載の歯牙清掃用具。
- 清掃部が繊維状材料からなる清掃部であることを特徴とする請求項4〜9の何れか1項に記載の歯牙清掃具。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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-
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- 2004-08-19 JP JP2004268976A patent/JP2005095620A/ja active Pending
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