JP2005094653A - 小型アンテナの周波数調整方法およびこれによって得られた小型アンテナ - Google Patents

小型アンテナの周波数調整方法およびこれによって得られた小型アンテナ Download PDF

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Abstract

【課題】誘電体または磁性体からなる基体に、導電性材料からなる放射電極を形成してなる小型アンテナの周波数の調整方法を提供する。
【解決手段】誘電体または磁性体からなる基体2に、導電性材料からなる放射電極3を形成してなる小型アンテナ1の周波数調整方法であって、上記放射電極3が導体層と、該導体層を被覆するメッキ層からなり、メッキ層の被覆厚みを調整することによって目標周波数を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は携帯移動体端末用やLAN(ローカルエリアネットワーク)用等に用いられる小型アンテナおよびその周波数調整方法に関するものである。
移動体通信の発展ならびにサービスの多様化により、携帯端末の普及が進み、持ち運びを考慮した筐体の小型化が進んだことにより、内蔵品の小型化、軽量化、低背化が進んできた。また、デザインを考慮し、筐体から突出している伸縮式のロッドアンテナから、筐体内部にアンテナを内蔵した携帯端末も用いられている。このため、筐体内部にアンテナを内蔵する場合、他の内蔵品と同様にアンテナも小型化、軽量化、低背化が望まれている。また、移動体通信のサービスの向上と共に、携帯端末の普及も拡大し、アンテナも部品として安価で安定した品質のものが要求されている。
このような状況から、基体に誘電体材料や磁性体材料を使用したミアンダ型やヘリカル型の放射電極のパターンを有した小型アンテナが開発されている。
以下に小型アンテナについて説明する。図5(a)はミアンダ型配線パターンを有する小型アンテナ、図5(b)はヘリカル型配線パターンを有する小型アンテナである。図5(a)、(b)共にアンテナの構成は同一であり小型アンテナ10は、誘電体セラミックスからなる基体2に、導電性材料によって放射電極11を形成して構成されている。
この放射電極11は、図6に示すように導体層12を形成した後その周りに下地メッキ層13、表面メッキ層14からなるメッキ層15を形成して成る。
導体層12は、基体2の表面に銀ペースト等を用いた厚膜印刷により形成した後、所定の温度で焼き付けて得る。また、下地メッキ層13は、Niメッキが使用され、表面メッキ層14はAuメッキ、Snメッキ、半田メッキ等が使用される(特許文献1参照)。これは、通常、小型アンテナ10は接着強度や電気的接続を確保するために、携帯端末に使用される樹脂製の基板に半田付けで固定されるが、導体層12の銀が上記半田中のSnと反応し腐食する(一般に半田食われと呼ばれる)のを防止するために下地メッキ層13は半田と反応しにくいNiメッキが使用され、また、表面メッキ層14は、半田付けで固定する際樹脂製の基板との接着強度や電気的接続を確保するため半田濡れ性の良いAuメッキ、Snメッキ、半田メッキ等が使用されることが知られている。また、上記メッキ層15の厚みは銀の耐腐食性、半田濡れ性が確保できる厚みとしておけば良いとされている。
このように形成される放射電極11の共振周波数(以下周波数と記載)の調整方法は、基体2の寸法、誘電率が一定の場合、放射電極11の全体長さと巾d2により決定されるが、これは周波数は放射電極11を流れる電流の距離、即ち電気長と相関があるためであり、放射電極11の全体長さが変化すれば電気長も変化し、また、巾d2が変化すれば電流は最短距離を流れようとするため電気長も変化するためである。
特開平7−297006号公報
しかしながら、放射電極11の全体長さと巾d2は、厚膜印刷により形成される導体層12とメッキ層15により決定するが、厚膜印刷により形成される導体層12の寸法精度は±100μm程度であるのに対し、メッキ層15の寸法精度は±3μm程度である。従って、厚膜印刷で形成される導体層12の全体長さ、巾d2を目標の周波数に合わせるために寸法を決定しても寸法精度が悪いため寸法のずれが発生し、周波数の中心値のずれが発生してしまうため周波数不良が発生するという第1の課題があった。
特に、図2(a)に示すミアンダ型配線パターンを有する小型アンテナの場合は、放射電極11がほぼ直角に複数回折れ曲がる配線パターンとなっているため巾d2の変化に対する電気長の変化が顕著となり、周波数の変化が顕著となる傾向にあるため周波数不良が発生しやすい。
また、メッキ層15が薄いと下地メッキ層13に発生するボイドやピンホールから導体層12へ半田や空気中の硫黄や水分が侵入し、経時変化により銀の変色や密着強度が劣化する場合があるという第2の課題があった。また、メッキ層15が厚いとメッキ時間が長くなり経済的に不利になるという第3の課題があった。
そこで、上記の課題を解決するため、本発明は、誘電体または磁性体からなる基体に、導電性材料からなる放射電極を形成してなる小型アンテナの周波数調整方法であって、上記放射電極が導体層と、該導体層を被覆するメッキ層からなり、メッキ層の被覆厚みを調整することを特徴とする。
また、本発明は、上記メッキ層の厚みを決定するため、上記基体に導体層を厚膜印刷によって形成するとともに周波数を測定して第1の周波数とし、該第1の周波数と目標周波数との差を算出する第1工程と、上記導体層を被覆するメッキ層を厚みを種々変更して形成するとともに各厚みにおける周波数を測定し、それぞれ第1の周波数との差を算出して周波数の変化量を求める第2の工程と、X軸を周波数の変化量、Y軸をメッキ層の厚みとして周波数変化関数を求める第3の工程と、この周波数変化関数により上記第1の周波数と目標周波数との差を代入することで適正なメッキ層の厚みを算出する第4の工程とからなることを特徴とする。
さらに、本発明は、上記第2の工程における各メッキ層の厚みの差の最大値が、2μm以上であることを特徴とする。
またさらに、本発明は、上記第2の工程におけるメッキ層の厚みを3種類以上形成することを特徴とする。
さらにまた、本発明は、上記メッキ層が複数のメッキ層からなり、最下層の下地メッキ層としてNiメッキ、最上層の表面メッキ層としてAuメッキ、Snメッキ、または半田メッキとし、上記下地メッキ層の厚みを変更して周波数の変位量を調整することを特徴とする。
さらに、本発明は、上記放射電極がミアンダ型であることを特徴とする。
また、本発明は、これら周波数の調整方法によって得られた小型アンテナであることを特徴とする。
さらに、本発明は、これら周波数の調整方法によって得られた小型アンテナのメッキ層の厚みが、1〜20μmであることを特徴とする。
以上のように本発明の小型アンテナの周波数調整方法は、上記放射電極が導体層と、該導体層を被覆するメッキ層からなり、厚膜印刷により形成した導体層に比べ寸法精度の良いメッキ層の被覆厚みを調整して周波数を調整することにより、周波数平均値が目標周波数とのずれが小さくなり周波数不良を大きく削減することができる。
特に、上記メッキ層の厚みを決定するため、上記基体に導体層を厚膜印刷によって形成するとともに周波数を測定して第1の周波数とし、該第1の周波数と目標周波数との差を算出する第1工程と、上記導体層を被覆するメッキ層を厚みを種々変更して形成するとともに各厚みにおける周波数を測定し、それぞれ第1の周波数との差を算出して周波数の変化量を求める第2の工程と、X軸を周波数の変化量、Y軸をメッキ層の厚みとして周波数変化関数を求める第3の工程と、この周波数変化関数により上記第1の周波数と目標周波数との差を代入することで適正なメッキ層の厚みを算出する第4の工程を経て小型アンテナを作成することにより、適正なメッキ層の厚みを周波数変化関数を用いて計算により正確に算出することができるようになるため、より正確に目標の周波数に合わせることが可能となる。
またさらに、上記第2の工程におけるメッキ層の厚みを3種類以上形成することにより、より実体に近い近似式となり、正確な周波数変化関数を得ることができる。
さらにまた、本発明は、上記メッキ層が複数のメッキ層からなり、最下層の下地メッキ層としてNiメッキ、最上層の表面メッキ層としてAuメッキ、Snメッキ、または半田メッキとし、上記下地メッキ層の厚みを変更して周波数の変位量を調整することにより、表面メッキ層の厚みは常に一定とすることができるため、常に半田濡れ性に最適値とすることがるできる。
また、本発明は、これら周波数の調整方法によって得られた小型アンテナであることから、目標周波数とのずれが小さくなり周波数不良を大きく削減することができる。
さらに、本発明は、上記メッキ層の厚みが、1〜20μmであることにより、変色の発生を防止でき、且つ安価に製造することができる。
以下、本発明の実施形態を図によって説明する。
図1は、本発明の周波数調整方法によって得られる小型アンテナの一実施形態を示す斜視図であって、誘電体または磁性体からなる基体2に導電性材料によって所定パターンの放射電極3を形成してなるもである。
上記基体2は、誘電体から成る場合は、比誘電率(εr)が3より低いと、大気中の比誘電率(εr=1)に近づいてアンテナの小型化という市場の要求に応えることが困難となる傾向がある。また、比誘電率(εr)が30を超えると、小型化は可能なものの、アンテナの利得および帯域幅はアンテナサイズに比例するため、アンテナの利得および帯域幅が小さくなり過ぎ、アンテナとしての特性を果たさなくなる傾向がある。従って、基体2を誘電体材料で作製する場合は、その比誘電率(εr)が3以上30以下の誘電体材料を用いることが望ましい。
このような誘電体材料としては、例えばアルミナセラミックス,ジルコニアセラミックス等をはじめとするセラミック材料や、テトラフルオロエチレン,ガラスエポキシ等をはじめとする樹脂材料等がある。
また、磁性体から成る場合は、インピーダンスが大きくなるためアンテナのQを低くして帯域幅を広くすることができる。また、比透磁率(μr)が8を超えると、アンテナの帯域幅は広くなるものの、アンテナの利得および帯域幅はアンテナサイズに比例するため、アンテナの利得および帯域幅が小さくなり過ぎ、アンテナとしての特性を果たさなくなる傾向がある。従って、基体2を磁性体材料で作製する場合は、その比透磁率(μr)が1以上8以下の磁性体材料を用いることが望ましい。このような磁性体材料としては、例えば磁性体材料ではYIG(イットリア・アイアン・ガーネット)、Ni−Zr系化合物、Ni−Co−Fe系化合物等がある。
これらの材料を用い、セラミック材料の場合は金型を使用して粉末プレス成形等によって成形し、これを焼成することにより得られるものである。
また、基体2の表面に形成された放射電極3は、図2に示すように厚膜印刷により導体層4を形成した後、その周りに下地メッキ層5、表面メッキ層6からなるメッキ層7を形成してなる。
上記導体層4は、基体2の表面にスクリーン印刷により銀ペースト等の導電性ペーストを印刷した後、所定の温度、雰囲気で焼き付けを行って形成し、その後、Niメッキ等の耐半田食われ性に強い導電性材料を使用した下地メッキ層5を形成する。これは、小型アンテナ1が半田付けにより基板上に固定された時に導体層4を成す銀が半田に腐食されるのを防止するためである。さらに、この下地メッキ層5を覆うように表面メッキ層6が形成され、半田との濡れ性を確保するために半田濡れ性の良いAuメッキ、Snメッキ、半田メッキ等を使用することが好ましい。
なお、図1の実施形態ではメッキ層7は、下地メッキ層5と、表面メッキ層6の2層で構成されているが、下地メッキ層5と表面メッキ層6の間に中間層を複数層設けてもよい。
これは、基体2とメッキ層7の熱膨張率が異なるため、熱膨張率差によりメッキ層7の密着強度が低下する場合がある。このため、熱膨張率差の小さい材料を組み合わせてメッキ層7を複数層とすることにより熱膨張率差を緩和し密着強度の低下を防止することができるためである。
ここで、メッキ層7の厚みは、下地メッキ層5の厚みt1、表面メッキ層6の厚みt2を加えたものであるが、表面メッキ層6の厚みt2は、特にAuメッキの場合、非常に高価であるため半田濡れ性を確保できる最小厚みとしておけば良く、0.1μm程度が好ましい。
このように形成される放射電極3の周波数は、メッキ層7の基体2の寸法、誘電率が一定の場合、放射電極3の全体長さと巾d2により決定されるが、これは周波数は放射電極3を流れる電流の距離、即ち電気長と相関があるためであり、放射電極3の全体長さが変化すれば電気長も変化し、また、巾d2が変化すれば電流は最短距離を流れようとするため電気長も変化するためである。そのため、寸法精度の良いメッキ層7の厚みを調整することにより巾d2を正確に最適値に調整することができるため、電気長を最適値に調整することができる。
ここで、本発明の小型アンテナ1の周波数調整方法を詳細に説明する。
第1の工程として、基体2に導体層4を厚膜印刷によって形成するとともに周波数を測定して第1の周波数とし、該第1の周波数と目標周波数との差を算出する。
上記周波数は、図3に示すように小型アンテナ1を同軸ケーブル9でネットワークアナライザー(不図示)に接続した評価用基板8に設置して測定する。
なお、評価用基板8を使用して測定する小型アンテナ1の寸法や小型アンテナ1が使用される筐体等に合わせて作成すればよい。
また、この第1の工程における導体層4の厚みは、10〜40μmとすることが好ましい。これは、一般に高周波で使用する場合導体の厚みは10μm以上必要とされており、また、厚膜印刷により40μm以上形成すると導体層4の表面にマイクロクラックが発生しやすくなり、導体層4の密着強度劣化となる場合があるためである。
なお、導体層4のみで形成した放射電極3の寸法は、メッキ層7を形成した場合に変化する周波数の変化量を考慮して決定しておく必要がある。例えば、メッキ層7を形成した後、形成前に比べ周波数が高くなる場合は、メッキ層7形成前の周波数は目標の周波数より低くしておかなければならない。また、メッキ層7の厚みは1〜20μmの範囲内で形成する必要があるため、メッキ層7形成前後の周波数の変化量はメッキ層7の厚み1〜20μm相当分としておく必要がある。
第2の工程として、導体層4を被覆するメッキ層7の厚みt0を種々変更して形成するとともに各厚みにおける周波数を測定して第2、第3、第4・・・の周波数とし、それぞれ第1の周波数との差を算出して周波数の変化量を求める。
各周波数測定は上記第1の工程と同様の方法で測定すればよい。また、メッキ層7の厚みt0は蛍光X線による検量線を用いた方法により算出するか、または断面写真を撮影し色調差によりメッキ層7と導体層4を区別して測定すればよい。
なお、第1の周波数、第2、・・・の周波数はいずれも複数回測定、例えば5回測定した値の平均値を算出し、これを第1の周波数、第2、・・・の周波数とする。
また、メッキ層7の厚みt0は3種類以上とすることが好ましい。これは、例えばメッキ層7の厚みが1種類ではデータが少なく、後に算出する周波数変化関数が求められないため、最適なメッキ層7の厚みを得られない。また、2種類では2種類の間が粗になり実体と異なる周波数変化関数となる場合があるためである。
さらに、メッキ層7の厚みt0をいくつか変更して形成するが、それぞれの厚みt0の差の最大値、即ち最大厚みと最小厚みの差は2μm以上とすることが好ましい。厚みの差の最大値が2μm未満となると、周波数変化量が小さくなるため誤差の大きい周波数変化関数となり、メッキ層7の最適な厚みt0を得ることができなくなる。
なお、メッキ層7の厚みは、メッキ時間とメッキ厚みには相関関係があるため、メッキ時間とメッキ厚みの相関式を求めておけば、メッキ時間を管理することによりメッキ厚みを管理することができる。
また、メッキ層7は、下地メッキ層5と表面メッキ層6からなり、表面メッキ層6の厚みを固定し、下地メッキ層5の厚みをメッキ時間で調整することで行うことが好ましい。
これは、表面メッキ層6の厚みを固定し、下地メッキ層5の厚みを変更した場合は、表面メッキ層6のメッキ時間は一定時間で、下地メッキ層5のメッキ時間のみ変更すればよいが、下地メッキ層5と表面メッキ層6の2つのメッキ層の厚みを調整した場合、2つのメッキ層のメッキ時間の変更が必要となり製造工程が複雑になってしまうためである。また、表面メッキ層6がAuメッキの場合、非常に高価であるため半田濡れ性を確保できる最小厚みで一定としておいたほうが経済的に有利となるためである。
第3の工程として、X軸を周波数の変化量(第1の周波数と第2、第3、・・・の周波数との差)、Y軸をメッキ層7の厚みt0として周波数変化関数を求める。
例えば、図4に示すようにX軸に周波数の変化量、Y軸をメッキ層7の厚みt0とし、第2の工程で設定した各メッキ層7の厚みと、周波数の変化量をプロットしグラフを作成する。
第4の工程として、第3の工程で求めた周波数変化関数により上記第1の周波数と目標周波数との差を代入することで適正なメッキ層7の厚みt0を算出することができる。
例えば、図4より所望の周波数変化量をX軸から読みとり、この時のY軸の値がメッキ層7の厚みt0の最適値となる。なお、周波数変化関数は最小二乗法によって算出させれば容易に求めることができる。
このように、メッキ層7の厚みを調整することで、厚膜印刷により形成した導体層4に比べ寸法精度の良いメッキ層7の厚みを調整して周波数を調整することになり、周波数平均値が目標周波数とのずれが小さくなり周波数不良を大きく削減することができる。〜〜
特に、図1に示すようなミアンダ型の小型アンテナ1の場合は、放射電極3が複数回直角に折れ曲がり、電気長が変化しやすいため、巾d1のばらつきによる影響が大きいため、より顕著に周波数不良を削減することができる。
また、メッキ層7の厚みt0は、1〜20μmとすることが好ましい。これは、導体層4を形成する銀が半田に腐食されず、メッキ時間も長くならないため経済的に有利となる。メッキ層7の厚みが1μm未満の場合、下地メッキ層5に発生するボイドやピンホールから導体層4へ半田や空気中の硫黄や水分が侵入し、経時変化により導体層4を形成する銀の変色や密着強度が劣化する場合があり、一方、20μmを超えると、メッキ時間が長くなり経済的に不利になるためである。
なお、メッキ層7の厚みt0を1〜20μmとするには、メッキ時間とメッキ厚みには相関関係があるため、メッキ時間とメッキ厚みの相関式を求めておけば、メッキ時間を管理することによりメッキ厚みを管理することができる。
本発明の実施例として図1に示す小型アンテナ1を作製した。
基体2として、アルミナセラミックス(比誘電率(εr)約9)で形成された10mm×3mm×厚み0.5mmとし、テープ成形後大気中約1600℃で焼成して得た。
得られた基体2の表面に放射電極3を形成するため、先ず導体層4として銀ペーストを用いてスクリーン印刷した後、大気中約850℃で焼き付けたものを40個形成した。なお、導体層4の寸法は、図1、2に示すように厚みt1を12μm、巾d1を0.2mmとしメッキ層7を形成する前の小型アンテナ1の周波数が目標の周波数2.3GHzより30MHz低い2.27GHzとなるように全体長さを調整した。
ここで、目標の周波数より30MHz低く設定したが、これは同一の小型アンテナ1を作製した際にメッキ層7の厚み1μmあたりの周波数が10MHz高くなることが判明したため、メッキ層7の厚みt0の最適範囲1〜20μm以内になるようにしたためである。
このように、メッキ層7を形成すると周波数がどのような挙動を示すかは基体2の寸法や誘電率、放射電極3のパターン、厚み等によって異なるため、以下の工程で確認してメッキ層7の最適な厚みt0を調整した。
まず、第1の工程として、導体層4のみを形成した際の周波数を測定した。ここで、周波数は図3に示すように小型アンテナ1を同軸ケーブル9でネットワークアナライザー(不図示)に接続した25mm×70mm×厚み1mmの樹脂製の評価用基板8に設置して測定し、第1の周波数の平均値を求めた。そして、目標の周波数である2.3GHzと、第1の周波数の平均値2.272GHzの差を算出し、0.028GHzとなった。
第2の工程として、下地メッキ層5として無電解Niメッキを用いてメッキ時間を種々変更し、厚みt1が2μm、3μm、4μm、5μmの4種類作製した。さらに、表面メッキ層6として電界Auメッキを用いて厚みt2を0.1μmとして形成した。したがって、メッキ層7の厚みt0は2.1μm、3.1μm、4.1μm、5.1μmと種々変更し、そして、第1の工程と同様に各メッキ層7の厚みt0における周波数を10個測定し、その平均値をメッキ層7の厚み毎に第2、第3、第4、第5の周波数の平均値とし、それぞれ第1の周波数の平均値と第2、第3、第4、第5の周波数の平均値との差、即ち周波数の変化量を算出した。
なお、メッキ層7の厚みは蛍光X線による検量線を用いた方法により各々5個測定し、その平均値を厚みt0とした。
第3の工程として、X軸を周波数の変化量、Y軸をメッキ層7の厚みとして周波数変化関数を求めた。周波数変化関数は最小二乗法によって算出して周波数変化関数を得た。そのグラフを図4に示す。
第4の工程として、第1の工程で求めた第1の周波数の平均値と目標周波数との差(0.028GHz)を周波数変化関数の周波数の変化量に代入することにより適正なメッキ層7の厚みを算出したところ、メッキ層7の厚みt0の最適値は2.5μmとなった。
上記の第1から第4の工程の手順に従って、同様にメッキ層7の最適な厚みt0を算出したものを2種類、合計3種類を算出し、各種の適正厚みにて各々1000個づつの小型アンテナ試料を作製した。
また、比較例として、上記第1から第4の工程の手順を使用せず、下地メッキ層5の厚みt1を2μm、表面メッキ層6の厚みt2を0.1μmとしたメッキ層7の厚みt0が一定で、導体層4の巾d1を調整して目標の周波数2.3GHzとなるようにしたものを各々1000個ずつ3種類用意した。
それぞれ3種類、計6種類の試料において周波数不良率の比較を行った。各種類1000個ずつの周波数を測定し、その平均値を算出した。また、周波数が2.3GHz±15MHzから外れるものを周波数不良として周波数不良率を算出した。
結果は表1に示す通りである。
Figure 2005094653
表1より明らかなように、第1の工程から第4の工程を経てメッキ層7の厚みの最適値を算出して周波数を調整した試料(No.1〜3)は、周波数平均値が目標の周波数とのずれが小さくなり、周波数不良を2.7%以下と大きく削減することができた。
これに対し、導体層4の巾d1によって周波数を調整した試料(No.4〜6)は、周波数平均値が目標の周波数とのずれが大きくなり、周波数不良も7.2〜8.6%と大きくなることが判った。
次いで、メッキ層の厚みを種々変更した際の小型アンテナにおける放射電極の変色発生の有無を確認した。
本発明の実施例として図1に示す小型アンテナ1を作成した。
基体2はアルミナセラミックス(比誘電率約9)で形成された10mm×3mm×厚み0.5mmとし、テープ成形後大気中約1600℃で焼成して得た。
次に、導体層4を銀ペーストを用いてスクリーン印刷を行った後、大気中約850℃で焼き付けて得た。なお、導体層4の寸法は厚みt1を12μm、巾d1を0.2mmとしメッキ層7を形成する前の小型アンテナ1の周波数が2.3GHzとなるように全体長さを調整した。
次に、下地メッキ層5は無電解Niメッキを行い、メッキ時間を種々変更して厚みt1を表2に示す如く変更した。
次に、表面メッキ層6は電界Auメッキを行い厚みt2を0.1μmとした。
ここで、下地メッキ層5と表面メッキ層6の厚みの測定は蛍光X線による検量線を用いた方法で各5個測定し、その平均値を各厚みとした。
このようにして得られた各々10個の試料を用いて高温高湿試験(湿度85%、温度85℃)を100時間行い放射電極2の表面の変色を目視によって確認した。
結果は表2に示す通りである。
Figure 2005094653
表2より明らかなように、メッキ層7の厚みt0を1μm以上とした試料(No.2〜8)は、変色の発生を防止することができる。また、4μm以上とすれば変色の発生を0%とすることができる。
また、20μmより厚くした試料(No.8)は、変色防止の効果は同様に得られるが、メッキ時間が長くなり経済的に不利になるため、20μm以下とするほうが好ましい。したがって、メッキ層7の厚みt0は1〜20μmとしておけば変色の発生を防止でき、且つ安価に製造することができる。
本発明の小型アンテナの一実施形態を示す斜視図である。 本発明の小型アンテナの放射電極部分の拡大断面図である。 本発明の小型アンテナの周波数測定方法を示す斜視図である。 周波数変化量とメッキ厚みの関係を示したグラフである。 (a)は従来のミアンダ型の小型アンテナを示す斜視図であり、(b)は従来のヘリカル型の小型アンテナを示す斜視図である。 従来の小型アンテナの導体部分の拡大断面図である。
符号の説明
1:小型アンテナ
2:基体
3:放射電極
4:導体層
5:下地メッキ層
6:表面メッキ層
7:メッキ層
8:評価用基板
9:同軸ケーブル
10:小型アンテナ
11:放射電極
12:導体層
13:下地メッキ層
14:表面メッキ層
15:メッキ層
t0:厚み
t1:厚み
t2:厚み
d1:巾
d2:巾

Claims (8)

  1. 誘電体または磁性体からなる基体に、導電性材料からなる放射電極を形成してなる小型アンテナの周波数調整方法であって、上記放射電極が導体層と、該導体層を被覆するメッキ層からなり、該メッキ層の被覆厚みを調整することを特徴とする小型アンテナの周波数調整方法。
  2. 上記メッキ層の厚みを決定するため、上記基体に導体層を厚膜印刷によって形成するとともに周波数を測定して第1の周波数とし、該第1の周波数と目標周波数との差を算出する第1の工程と、上記導体層を被覆するメッキ層を厚みを種々変更して形成するとともに各厚みにおける周波数を測定し、それぞれ第1の周波数との差を算出して周波数の変化量を求める第2の工程と、X軸を周波数の変化量、Y軸をメッキ層の厚みとして周波数変化関数を求める第3の工程と、この周波数変化関数により上記第1の周波数と目標周波数との差を代入することで適正なメッキ層の厚みを算出する第4の工程とからなることを特徴とする請求項1に記載の小型アンテナの周波数調整方法。
  3. 上記第2の工程におけるメッキ層の厚みを3種類以上形成することを特徴とする請求項2に記載の小型アンテナの周波数調整方法。
  4. 上記第2の工程における各メッキ層の厚みの差の最大値が、2μm以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の小型アンテナの周波数調整方法。
  5. 上記メッキ層が複数のメッキ層からなり、最下層の下地メッキ層としてNiメッキ、最上層の表面メッキ層としてAuメッキ、Snメッキ、または半田メッキとし、上記下地メッキ層の厚みを変更して周波数の変化量を調整することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の小型アンテナの周波数調整方法。
  6. 上記放射電極が、ミアンダ型であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の小型アンテナの周波数調整方法。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の周波数調整方法によって得られたことを特徴とする小型アンテナ。
  8. 上記メッキ層の厚みが、1〜20μmであることを特徴とする請求項7に記載の小型アンテナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009009591A (ja) * 2008-08-07 2009-01-15 Tateyama Kagaku Kogyo Kk 無線icタグの製造方法
JP4674710B2 (ja) * 2007-05-14 2011-04-20 立山科学工業株式会社 無線icタグの製造方法
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