JP2005093098A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置および照明装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 陰極と陽極との間に有機層を少なくとも1層有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記有機層の少なくとも1層に、コア化合物が発光性化合物であり下記一般式(1)で表される繰り返し単位を少なくとも第2世代以上で有する多重分岐構造化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化1】
〔式中、Ar1は置換基を有していてもよいアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。L1は下記連結基群1から選ばれるいずれかの連結基を表す。〕
【化2】
〔R1〜R6は、各々独立に、アルキル基又はアリール基を表し、R3とR4、R5とR6は互いに連結して環を形成してもよい。〕
【選択図】 なし
Description
(請求項1)
陰極と陽極との間に有機層を少なくとも1層有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記有機層の少なくとも1層に、コア化合物が発光性化合物であり下記一般式(1)で表される繰り返し単位を少なくとも第2世代以上で有する多重分岐構造化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項2)
前記多重分岐構造化合物が正孔輸送性を有する部分構造を有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項3)
前記正孔輸送性を有する部分構造が下記一般式(3)又は一般式(4)で表される部分構造であることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項4)
前記多重分岐構造化合物が電子輸送性を有する部分構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項5)
前記発光性化合物が蛍光性化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項6)
前記発光性化合物がリン光性化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項7)
前記リン光性化合物が有機金属錯体であることを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項8)
前記有機金属錯体が下記一般式(5)〜(8)のいずれかで表される部分構造を有することを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項9)
前記一般式(1)のAr1は環数が4以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項10)
前記一般式(1)で表される繰り返し単位を第2世代〜第5世代で有する多重分岐構造化合物であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項11)
白色に発光することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項12)
請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする表示装置。
(請求項13)
請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。
(請求項14)
請求項13に記載の照明装置と、表示手段として液晶素子と、を備えたことを特徴とする表示装置。
1,3,5−トリブロモベンゼン7.87g(25mmol)と無水テトラヒドロフラン(THF)100mlを加え、反応容器内を窒素置換した。反応容器を−25℃に冷却し、n−ブチルリチウム・ヘキサン溶液34ml(1.6M;55mmol)をゆっくりと滴下した。−25℃で30分撹拌した後、無水THF25mlに溶かしたジフェニルスルフィド12.0g(55mmol)をゆっくりと滴下した。約2時間撹拌した後、ゆっくりと室温まで戻し、蒸留水50mlを加え反応を停止した。有機層を分離した後、水層をTHFで抽出し、有機層と併せて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/ジエチルエーテル=9/1)により精製を行い、3,5−ビス(フェニルチオ)ブロモベンゼンを収率61%(5.7g)で得た。次に、3,5−ビス(フェニルチオ)ブロモベンゼン8.1g(15mmol)を無水THF100mlに溶解し、反応容器内を窒素置換した。反応容器を−25℃に冷却し、n−ブチルリチウム・ヘキサン溶液10ml(1.6M;16.5mmol)をゆっくりと滴下した。−25℃で30分撹拌した後、無水THF25mlに溶かしたビス3−(2−ピリジル)フェニルジスルフィド6.1g(16.5mmol)をゆっくりと滴下した。約2時間撹拌した後、ゆっくりと室温まで戻し、蒸留水50mlを加え反応を停止した。有機層を分離した後、水層をTHFで抽出し、有機層と併せて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/トルエン=1/1)により精製を行い、前駆体1を収率75%(5.4g)で得た。
スルフィド結合により連結した多世代の多重分岐化合物は、テトラへドロン・レター(Bierbeek Alain Van,Gingras Marc,39巻、6283−6286頁)に報告された方法を参考にしても良い。
(3)HB−9の合成法
クロロジフェニルボラン6.0g(30mmol)を無水THF200mlに溶解し、反応容器内を窒素置換し、0℃まで冷却した。別途常法に従って、無水THF(25ml)中で1,3−ジブロモ−5−メチルチオベンゼン4.5g(16mmol)とn−ブチルリチウム・n−ヘキサン溶液10ml(1.6M,16mmol)より調整した1,3−ジリチオ−5−メチルチオベンゼン・THF溶液をゆっくりと滴下した。1時間撹拌した後、ゆっくりと反応溶液を室温まで戻し、蒸留水50mlを加え反応を停止した。有機層を分離した後、水層をTHFで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、反応混合物をSephadex−G25(アルドリッチ社製)を充填したカラム(溶離液:トルエン)を用いて分離・精製を行った。最初の留分から1−メチルチオ−3,5−ビスフェニルチオベンゼンを収率71%(4.8g)で得た。さらに1−メチルチオ−3,5−ビスフェニルチオベンゼン4.5g(10mmol)とソジウムtert−ブチルチオレート0.2g(20mmol)を100mlの無水ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し反応容器内を窒素置換した。150℃、5時間加熱還流を行った後、ゆっくりと室温まで戻し、1Lの水とトルエン300mlを加え抽出を行い、分離した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過により脱水剤を取り除き、濾液をSephadex−G25(アルドリッチ社製)を充填したカラム(溶離液:トルエン)を用いて分離・精製を行った。最初の留分から、3,5−ビスフェニルチオベンゼンチオールを収率92%(4.0g)で得た。次に、3,5−ビスフェニルチオベンゼンチオール1.1g(2.5mmol)と3−(2−ピリジル)フェニルボロン酸0.5g(2.5mmol)、酢酸銅(II)0.5g(2.6mmol)、および0.5gの0.4nmのモレキュラーシーブスを50mlのジメチルホルムアミド中に加え、さらに撹拌しながら、トリエチルアミン5.0g(50mol)を加えた。6h過熱還流を行った後、2N−塩酸15mlを加え、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用いて抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、Sephadex−G25(アルドリッチ社製)を充填したカラム(溶離液:HFIP)を用いて分離・精製を行った。最初の留分から前駆体1を収率62%(0.9g)で得た。
無水THF100mlに4−ブロモフェニルカルバゾール4.8g(15mmol)を溶解し、系内を窒素置換した。−25℃に冷却し、n−ブチルリチウム・ヘキサン溶液10ml(1.6M;16.5mmol)をゆっくりと滴下した。−25℃で30分撹拌した後、硫黄粉末0.5g(15mmol)を無水THF20mlに溶解し、これをゆっくりと滴下した。さらに1時間撹拌した後、ゆっくりと室温まで戻し、2N−HCl50mlを加え反応を停止した。有機層を分離した後、水層をTHFで抽出し、有機層と併せて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/ジエチルエーテル=7/3)により精製を行い、4−カルバゾリルベンゼンチオールを収率66%(2.7g)で得た。次に、4−カルバゾリルベンゼンチオール2.5g(9.0mmol)と1,3−ジブロモ−5−メチルチオベンゼン1.3g(4.5mmol)、キノリン3.2g(25mmol)を無水ピリジン100mlに溶解し、反応容器内を窒素置換した。酸化銅(I)80mgを加えた後、150℃で2日間加熱撹拌を行った。反応終了後、1Lの水とトルエン300mlを加え抽出を行い、分離した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過により脱水剤を取り除き、濾液をSephadex−G25(アルドリッチ社製)を充填したカラム(溶離液:トルエン)を用いて分離・精製を行った。最初の留分から目的の前駆体1を収率70%(2.1g)で得た。さらにこの前駆体1を1.7g(2.5mmol)とソジウムtert−ブチルチオレート0.05g(5.0mmol)を20mlの無水ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し反応容器内を窒素置換した。150℃、5時間加熱還流を行った後、ゆっくりと室温まで戻し、300mlの水とトルエン70mlを加え抽出を行い、分離した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過により脱水剤を取り除き、濾液をSephadex−G25(アルドリッチ社製)を充填したカラム(溶離液:トルエン)を用いて分離・精製を行った。最初の留分から前駆体2を収率95%(1.6g)で得た。この前駆体2を1.3g(2.0mmol)と3−(2−ピリジル)フェニルボロン酸0.4g(2.0mmol)、酢酸銅(II)0.4g(2.2mmol)、および0.5gの0.4nmのモレキュラーシーブスを40mlのジメチルホルムアミド中に加え、さらに撹拌しながら、トリエチルアミン3.0g(30mmol)を加えた。6h過熱還流を行った後、2N−塩酸10mlを加え、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用いて抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、Sephadex−G25(アルドリッチ社製)を充填したカラム(溶離液:HFIP)を用いて分離・精製を行った。最初の留分から前駆体3を収率71%(1.1g)で得た。
(5)HB−22の合成法
4’−メトキシビフェニル−4−チオール6.1g(28mmol)と1,3−ジブロモ−5−メチルチオベンゼン3.9g(14mmol)、キノリン4.6g(36mmol)を無水ピリジン150mlに溶解し、反応容器内を窒素置換した。酸化銅(I)100mgを加えた後、150℃2日間加熱撹拌を行った。反応終了後、1Lの水とトルエン300mlを加え抽出を行い、分離した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/トルエン=7/3)により精製を行い3,5−ビス(4”−メトキシビフェニル−4’−チオ)メチルチオベンゼンを収率58%(4.5g)で得た。次にこの3,5−ビス(4”−メトキシビフェニル−4’−チオ)メチルチオベンゼンを4.4g(8.0mmol)とソジウムブチルチオレート0.09g(8.0mmol)を50mlの無水ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し反応容器内を窒素置換した。150℃、3.5時間加熱還流を行った後、ゆっくりと室温まで戻し、500mlの水とトルエン100mlを加え抽出を行い、分離した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/トルエン=1/9)により精製を行い、チオール体を収率98%(4.2g)で得た。続いて、このチオール体3.8g(7.0mmol)と3−(2−ピリジル)フェニルボロン酸0.9g(7.0mmol)、酢酸銅(II)1.4g(7.7mmol)、および1.5gの0.4nmのモレキュラーシーブスを100mlのジメチルホルムアミド中に加え、さらに撹拌しながら、トリエチルアミン10.0g(0.1mol)を加えた。6h過熱還流を行った後、2N−塩酸100mlを加え、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用いて抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、Sephadex−G25(アルドリッチ社製)を充填したカラム(溶離液:HFIP)を用いて分離・精製を行った。最初の留分からスルフィドを収率73%(3.5g)で得た。得られたスルフィド2.1g(3.0mmol)を無水ジクロロベンゼン10mlに溶解し、系内を窒素置換した。ここにBBr1.7g(6.6mmol)を加え、2時間撹拌した後、1N−水酸化ナトリウム水溶液100mlを加え、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用いて抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、ジオール体を収率99%(2.0g)で得た。
(1)記載の手法で合成した3,5−ビス(フェニルチオ)ブロモベンゼン1.1g(3.0mmol)を無水THF100mlに溶解し、反応容器内を窒素置換した。反応容器を−25℃に冷却し、n−ブチルリチウム・ヘキサン溶液2.0ml(1.6M;3.2mmol)をゆっくりと滴下した。−25℃で30分撹拌し、硫黄粉末0.1g(3.1mmol)を加え、さらに1時間撹拌した後、ゆっくりと室温まで戻した。ここに同様にしてジブロモ−N,N’−ジメチルキナクリドン0.8g(1.6mmol)より別途調整したジリチオ−N,N’−ジメチルキナクリドン・THF溶液を滴下した。滴下終了後、24時間加熱還流を行った。室温に戻した後、蒸留水50mlを加え反応を停止し、有機層を分離した。水層はトルエンで抽出し、先の有機層と併せて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去したのち、再少量のHFIPに溶解し、これをSephadex−G25(アルドリッチ社製)を充填したカラム(溶離液:HFIP)を用いて分離・精製を行った。最初の留分から目的のHB−1を収率38%(0.6g)で得た。
本発明の有機EL素子の構成層について説明する。
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/発光層/陰極バッファー層/陰極
(3)陽極/陽極バッファー層/発光層/陰極バッファー層/陰極
(4)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(5)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(6)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(7)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/電子輸送層/陰極
(8)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(9)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性および酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1000nm、好ましくは50nm〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が、透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
バッファー層は、必要に応じて設け、陰極バッファー層、陽極バッファー層があり、上記のごとく陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層であり、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層等から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層、電子輸送層は単層もしくは複数層設けることができる。
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層もしくは複数層設けることができる。
本発明の有機EL素子に係る基体としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また、透明のものであれば特に制限はないが、好ましく用いられる基板としては例えばガラス、石英、光透過性樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい基体は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
<有機EL素子1−1〜1−6の作製>
(1)有機EL素子1−1の作製
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm製膜した基板(NHテクノグラス社製NA45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにNPDを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにCBPを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにIr−1を100mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにバソキュプロイン(BCP)を200mg入れ、真空蒸着装置に取り付けた。
なお、蒸着時の基板温度は室温であった。
得られた有機EL素子1−1〜1−6について下記に示す評価を行った。
作製した有機EL素子について、23℃、乾燥窒素ガス雰囲気下で2.5mA/cm2定電流を印加した時の外部取り出し量子効率(%)を測定した。なお測定には同様に分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ製)を用いた。
23℃、乾燥窒素ガス雰囲気下で2.5mA/cm2の一定電流で駆動したときに、輝度が発光開始直後の輝度(初期輝度)の半分に低下するのに要した時間を測定し、これを半減寿命時間(τ0.5)として寿命の指標とした。なお測定には分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ製)を用いた。
<有機EL素子2−1〜2−14の作製>
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm成膜した基板(NHテクノグラス社製NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行なった。この透明支持基板上にポリビニルカルバゾール(PVK)30mgとIr−1を1.8mgとをジクロロベンゼン1mlに溶解させ、1000rpm、5secの条件下、スピンコートし(膜厚約100nm)、60度で1時間真空乾燥し、発光層とした。
得られた有機EL素子2−1〜2−14について実施例1と同じ評価を行った。有機EL素子2−1、2−3〜2−11の外部取り出し量子効率、発光寿命の測定結果は、有機EL素子2−1を100とした時の相対値で表5に示した。有機EL素子2−2、2−12〜2−14の外部取り出し量子効率、発光寿命の測定結果は、有機EL素子2−2を100とした時の相対値で表6に示した。
〈フルカラー表示装置〉
(青色発光有機EL素子)
実施例2で作製した有機EL素子2−10において、発光層に用いたHB−18をHB−24に変更した以外は有機EL素子2−10と同様の方法で作製した有機EL素子2−10Bを用いた。
実施例2で作製した有機EL素子2−10を用いた。
実施例2で作製した有機EL素子2−10において、発光層に用いたHB−18をHB−25に変更した以外は有機EL素子2−10と同様の方法で作製した有機EL素子2−10Rを用いた。
実施例2で作製した有機EL素子2−10において、発光層に用いたHB−18を、HB−18、HB−24、HB−25の混合物に変更した以外は有機EL素子2−10と同様の方法で作製した有機EL素子2−10Wを用いた。有機EL素子2−10Wの非発光面をガラスケースで覆い、照明装置とした。照明装置は、発光効率が高く発光寿命の長い白色光を発する薄型の照明装置として使用することができた。図5は照明装置の概略図で、図6は照明装置の断面図である。
3 画素
5 走査線
6 データ線
7 電源ライン
10 有機EL素子
11 スイッチングトランジスタ
12 駆動トランジスタ
13 コンデンサ
A 表示部
B 制御部
Claims (14)
- 前記多重分岐構造化合物が正孔輸送性を有する部分構造を有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記正孔輸送性を有する部分構造が下記一般式(3)又は一般式(4)で表される部分構造であることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
一般式(4)において、R22〜R30は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はシクロアルキル基を表し、R31〜R34は、各々独立に、水素原子、結合手、アルキル基、又はシクロアルキル基を表し、R31〜R34のいずれか1つが結合手を表す。また、R22〜R34の隣接する基同士で結合して環を形成していてもよい。〕 - 前記多重分岐構造化合物が電子輸送性を有する部分構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記発光性化合物が蛍光性化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記発光性化合物がリン光性化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記リン光性化合物が有機金属錯体であることを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記有機金属錯体が下記一般式(5)〜(8)のいずれかで表される部分構造を有することを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
一般式(6)において、Z1、Z2は、各々独立に、炭素原子、窒素原子とともに芳香環を形成するのに必要な原子群を表す。M2は、金属原子を表す。
一般式(7)において、R43〜R48は、各々独立に、水素原子、結合手、又は置換基を表し、R43〜R48の隣接する基同士で結合して環を形成していてもよい。M3は、金属原子を表す。
一般式(8)において、Yは2価の連結基を表し、R49〜R56は、各々独立に、水素原子、結合手、又は置換基を表し、R49〜R56の隣接する基同士で結合して環を形成していてもよい。M4は、金属原子を表す。〕 - 前記一般式(1)のAr1は環数が4以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式(1)で表される繰り返し単位を第2世代〜第5世代で有する多重分岐構造化合物であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 白色に発光することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする表示装置。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。
- 請求項13に記載の照明装置と、表示手段として液晶素子と、を備えたことを特徴とする表示装置。
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