JP2005093026A - 光記録媒体 - Google Patents

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嘉隆 林
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Abstract

【課題】 本発明は、表面記録方式や近接場光記録方式においてガラスやアルミなどの基板を用いた場合であっても相変化記録のような熱記録を良好に行うことができ、高密度記録が可能な光記録媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の光記録媒体は、光エネルギーを照射することによる記録層の温度上昇により情報の記録を行うことが可能であり、ガラス、セラミックまたは金属のいずれかを基板1に用い、該基板1の表面に熱伝導制御層2と記録層3が順に設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光により情報の記録または再生、あるいは記録と再生の両方が可能な光記録媒体に関する。
情報を大容量に記録でき、高速での再生及び書き換えが可能な媒体として、光磁気記録媒体や相変化型記録媒体等が知られている。これらの可搬性に優れた大容量記録媒体は、高度情報化社会において今後ますます需要が増し、アプリケーションの高機能化や、扱う映像情報の高性能化等に伴い、さらなる高容量化、高速度化が望まれている。これらの光記録媒体は、レーザー光を局所的に照射することにより生じる記録材料の光学特性の違いを利用して再生を行う。
例えば光磁気記録媒体では、磁化状況の違いにより生じる反射光偏向面の回転角の違いを利用して情報の再生を行っている。一方、相変化型記録媒体は、特定波長の光に対する反射光量が、結晶状態と非晶質状態とで異なることを利用しているものであり、レーザーの出力パワーを変調させることにより記録の消去と上書きの記録を同時に行うことができる。このため、高速で情報信号の書き換えができるという利点がある。
また、光磁気記録も、相変化記録も記録層で光を吸収し、記録層の温度を上昇させることにより記録を行う、いわゆるヒートモード記録方式を用いている。
ところで、高密度化のためには情報が記録されている記録ピットを小さくする必要がある。そして、光のスポット径は波長をλ、レンズの開口率をNAとするとλ/NAに比例するためスポット径を小さくするためには波長を小さくするか開口率を大きくすることが考えられる。更に、光の波長はレーザーダイオードなど光の発生源に依存するので、光のスポット径を小さくする方法としてレンズの開口率NAを大きくすることが考えられている。また、近接場光を用いて小さいピットを記録する試みもされている(例えば特開平7−191046号公報など)。この近接場光を用いると光スポットの収束限界以下のスポットを形成可能であり、小さいスポットを光磁気記録媒体上、相変化記録媒体上に形成できたという報告もある。
ところが、従来の光ディスクシステムでは、記録媒体を構成する基板にポリカーボネートやポリメチルメタクリレート(PMMA)等の樹脂を使用しているため基板が反ったり、たわんだりする。このため、記録や再生を行うための光学系(光ピックアップ)が光の回折限界まで集光できたとしても、NAを大きくするとディスクの傾き、面ぶれなどの影響が大きくなる。また、前記近接場光を用いるためには、光ヘッドと記録媒体との距離を小さくする必要があり、媒体の表面の凹凸により記録特性が劣化したり、ヘッドと媒体が衝突することにより損傷することが生じる。また、高温、多湿や太陽光をあびるなどの過酷な状況における保存特性が悪いという問題もある。
これらを解決するものとして、記録媒体を構成する基板に剛性の高いガラスやアルミの基板を用いたり、基板のそりなどが生じないように基板を作製することが特開2001−209981号公報(特許文献1)に開示され、基板の裏面に反り防止層として表面側と同じ弾性定数を持った層を設けることが特開2001−216685号公報(特許文献2)に開示されている。しかし、これらの手段では、表面と裏面の材料がかなり異なるため、ヤング率などの弾性定数を同等にするのはかなり困難であるといった課題がある。そこで、ガラスやアルミなどの金属を基板に用いれば、ディスクの反りなどが抑えられるため、傾き、面ぶれといった問題が少なくなる。しかし、ガラスやアルミを用いた基板は、ポリカーボネートなどの樹脂の基板より熱伝導率が高いため、前記相変化材料などの熱によって記録マークを形成させる方式(ヒートモード方式)においては、情報の記録に発光強度の高いレーザが必要であったり、記録マークの大きさの制御がうまくいかずばらつきが発生するなどといった課題があり良好な記録再生動作を実現するには至っていない。
特開2001−209981号公報 特開2001−216685号公報
本発明は、かかる問題を解決し、表面記録方式や近接場光記録方式においてガラスやアルミなどの基板を用いた場合においても相変化記録のような熱記録を良好に行うことができ、高密度記録が可能な光記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者等は、ガラス、金属などの比較的固い基板上に熱伝導制御層を設けることにより上記課題を解決することができることを見出し、本発明に到達した。
本発明によれば、以下に示す光記録媒体が提供される。
〔1〕 光エネルギーを照射することによる記録層の温度上昇により情報の記録を行うことが可能な光記録媒体において、ガラス、セラミックまたは金属のいずれかを基板に用い、該基板の表面に熱伝導制御層と記録層が順に設けられていることを特徴とする光記録媒体。
〔2〕 該基板の表面粗さが、3nm以下であることを特徴とする前記〔1〕に記載の光記録媒体。
〔3〕 該熱伝導制御層が、樹脂層であることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の光記録媒体。
〔4〕 該熱伝導制御層が、溝が形成された樹脂層であることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の光記録媒体。
〔5〕 該熱伝導制御層が、基板上に貼りあわされた樹脂基板であることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の光記録媒体。
〔6〕 該熱伝導制御層と記録層との間に、反射層が形成されていることを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の光記録媒体。
〔7〕 該記録層の基板側に第一保護層が、記録層の基板と反対側に第二保護層が設けられていることを特徴とする前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の光記録媒体。
〔8〕 該第一保護層が、ZnSとSiOとからなる混合材料よりも熱伝導率の低い材料からなる透明な層であることを特徴とする前記〔7〕に記載の光記録媒体。
〔9〕 該基板上の記録層が設けられた側の最表面に、硬質保護層が設けられていることを特徴とする前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の光記録媒体。
〔10〕 該基板の反対側の裏面に、少なくとも熱伝導制御層と記録層が順に設けられていることを特徴とする前記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の光記録媒体
本発明の請求項1に係わる発明によれば、光エネルギーを照射することによる記録層の温度上昇により情報の記録を行うことが可能な光記録媒体において、ガラス、セラミックまたは金属のいずれかを基板に用い、熱伝導制御層を基板表面に設けたことにより、反りなどがなく感度よく良好な記録が可能な光記録媒体を実現できる。
本発明の請求項2に係わる発明によれば、表面粗さが3nm以下のな基板を用いたことでヘッドと媒体の距離が小さくなっても問題無く良好な記録が可能な光記録媒体を提供可能となる。
本発明の請求項3に係わる発明によれば、基板上に熱伝導制御層として樹脂層を設けることにより反りやたわみが無く近接場光などでも良好な記録が可能となる光記録媒体を実現できる。
本発明の請求項4に係わる発明によれば、熱伝導制御層として溝が形成された樹脂層を用いることでトラッキングが容易になり良好に記録を行うことができる高密度光記録媒体を実現できる。
本発明の請求項5に係わる発明によれば、該熱伝導制御層として基板上に貼りあわされた樹脂基板を用いることにより、反りやたわみの影響を排除でき高密度記録に適した光記録媒体を実現できる。
本発明の請求項6に係わる発明によれば、熱伝導制御層と記録層との間に反射層を形成することにより良好な記録を可能とする光記録媒体を実現できる。
本発明の請求項7に係わる発明によれば、記録層の基板側に第一保護層を、記録層の基板と反対側に第二保護層を設けることにより、熱伝導率の制御が可能となり良好な記録を可能とする光記録媒体を実現できる。
本発明の請求項8に係わる発明によれば、該第一保護層として、ZnSとSiOとからなる混合材料よりも熱伝導率の低い材料からなる透明な層を設けたことにより記録感度が向上し高密度記録を実現可能な光記録媒体を提供可能となる。
本発明の請求項9に係わる発明によれば、基板上の記録層が設けられた側の最表面に硬質保護層を設けることにより媒体の表面が損傷しにくくなり情報を安全に保存することが可能な光記録媒体を実現できる。
本発明の請求項10に係わる発明によれば、基板の反対側の表面に、少なくとも熱伝導制御層と記録層を順に設けることにより光記録媒体1枚に記録できる情報を容易に2倍にすることができる。
以下、本発明の光記録媒体について説明する。
本発明の光記録媒体は、光エネルギーを照射することによる記録層の温度上昇により情報の記録を行うことが可能である。かかる光記録媒体は従来公知であるが、本発明においては、ガラス、セラミックまたは金属のいずれかを基板に用い、更に該基板の表面に熱伝導制御層が設けられていることを特徴とする。本発明の光記録媒体においては、図1に示すように、基板1の上に熱伝導制御層2と記録層3が順に設けられている。尚、図1は本発明の光記録媒体の層構成の一例を示す断面図である。
本発明における基板1は、ガラス、セラミックまたは金属のいずれから選択される。これらの材料を用いると、数nm以下の表面粗さを有する基板1が実現可能である。また、剛性も高いためそりなども生じにくいので、傾き、面ぶれといった問題が発生しにくくなる。かかる観点から基板1の厚さは、300〜1500μmが好ましく、380〜800μmがより好ましく、500〜650μmが更に好ましい。基板の大きさによっても最適な基板厚さは決まってくる。直径25mm以下の基板では300〜400μm程度、直径48mm程度では基板厚500〜600μm程度が好ましい。
上記ガラスとしては、化学強化ガラス、結晶化ガラスなどが挙げられる。また、セラミックとしては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、その他の酸化物、窒化物などが挙げられる。また、金属としては、アルミ合金などが挙げられる。
これらの材料の中でも、アルミ基板などに比べ耐衝撃性が優れ、平滑性を高めやすく、記録密度を高めることが可能となるなどの点でガラスが好ましく、ガラスの中でも熱膨張などを制御しやすく、より耐衝撃性などを高めることが可能であることから結晶化ガラスがより好ましい。
本発明の光記録媒体においては、情報の高密度化のためには近接場光が好ましく用いられる。近接場光を用いた記録、再生を行う場合、光ヘッドと光記録媒体との距離を波長の長さ程度の距離以下にする必要がある。それ以上の距離になると近接場光が届かないため高密度記録を行うことができない。距離を小さくするとヘッドと媒体の衝突がおきやすくなるため、媒体の表面粗さをかなり小さくする必要がある。その許容される表面粗さは、ヘッド媒体間の距離などにより異なるが、3nm以下が好ましく、1.5nm以下であることがより好ましい。
表面粗さはAFM(Atomic Force Microscopy:原子間力顕微鏡)で測定できる。
本発明においては、基板1の表面に熱伝導制御層2が設けられている。かかる熱伝導制御層2により、記録に必要な温度上昇と冷却勾配が得られるように制御することが可能となり、高密度での記録が可能となる。即ち、ガラス、セラミックまたは金属からなる基板1は、従来光ディスクに用いられているポリカーボネートなどの樹脂基板に比べて熱伝導率が高いため、記録時に必要な温度上昇が得られず記録が十分でないことがある。しかし、基板1上に熱伝導率制御層2が設けられていると、熱伝導を制御することにより、記録に必要な温度上昇と冷却勾配が得られるので、高密度での記録が可能となる。
かかる観点から熱伝導制御層2の厚さは、0.01〜30μmが好ましく、0.1〜20μmがより好ましく、5〜10μmが更に好ましい。樹脂層の場合は特にこの厚さが好ましい。
本発明における熱伝導制御層2としては、樹脂層が好ましい。熱伝導制御層として樹脂層が設けられていると、従来の記録時の現象と同じような状態を実現することができるため良好な記録が可能となる。樹脂層としては、紫外線硬化樹脂などをスピンコートで塗布し紫外線照射により硬化させたり、シートを接着したりすることで形成することができる。
該紫外線硬化樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのアクリレート系樹脂を用いることができる。
これらの材料は単独で用いても混合して用いても良いし、1層だけでなく多層膜にして用いても良い。
該シートとしては、厚さ0.1mm程度の樹脂製のものが用いられ、具体的には、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、非晶質ポリオレフィン、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレートなどのシートが挙げられるが、ポリカーボネートや非晶質ポリオレフィンが好ましい。
また、熱伝導制御層2としては、図8に示すように、溝が形成された樹脂層12であることが好ましい。このように溝が形成されていると、NAを大きくした場合や近接場光を用いる場合にも記録時に記録する場所を特定するためのトラッキングガイドとしての機能を有するので好ましい。従来の光ディスクではスタンパーを用いて樹脂を射出成型しているが、ガラス基板上に溝を形成するためには、フォトポリマーなどを用いてガラス基板上に溝を形成することが好ましい。溝を形成することにより良好な記録が可能となる。また、樹脂からなる溝を形成することで熱伝導率を低下させる効果もある。
本発明で用いるフォトポリマーとしては、上記の紫外線硬化樹脂と同様なものを用いることができる。
また、熱伝導制御層2としては、図7に示すように、基板1上に貼りあわされた樹脂基板13であることが好ましく、樹脂基板13には溝が形成されていることがより好ましい。従来の樹脂基板を用いた光記録媒体は、基板のそりなどが問題となっていたが、それが問題とならないガラス等からなる基板1を貼り合わせることにより基板のそりなどの問題が解決でき、記録特性も問題が無いような光記録媒体が実現できる。樹脂基板13としては、前記樹脂層として用いられるシートが好適に用いられる。
但し、本発明における熱伝導制御層2は前記のものに限定されることがなく、ZnS・SiO、ZrO等を用いることもできる。
本発明における記録層3は、光を照射し記録層3で光を吸収し、光エネルギーが熱に変換されることを利用したヒートモード記録方式の従来公知の記録層であり、熱の制御が記録特性に大きく影響を及ぼす特性を有するものである。具体的には、熱により結晶が相変化を起こす事により情報を記録する相変化記録層や、温度上昇により磁気情報を記録する光磁気方式の記録層がある。また、熱により材料の拡散を起こさせて記録するなどの方式の記録層もある。
記録層3の厚さは、記録方式、記録材料により最適な値が違うが、相変化記録方式の場合、5〜30nmが好ましく、10〜20nmがより好ましく、10〜15nmが更に好ましい。また記録層3としては、図1に示すように、Al層とGe層の積層膜が好ましい。Al層とGe層が熱により相互拡散することにより、優れた記録マークが形成される。この場合の記録層の厚さは、Alは5〜10nmが好ましく、Geは10〜30nmが好ましく、Alは5〜8nmが、Geは10〜15nmが更に好ましい。
本発明の光記録媒体においては、図8、図3に示すように、熱伝導制御層2と記録層3の間に、反射層9が形成されていることが好ましい。反射層9が形成されていると、相変化記録のように熱により記録を行う場合、高温になった記録層3を冷却することができる。反射層9としては、Ag、Al等の金属が用いられる。
熱伝導率の高いガラスまたは金属などからなる基板1の上に反射層9を直接形成すると放熱がよすぎたり、熱容量が大きすぎるため温度が十分に上昇しないため記録がうまくできないということが起こるが、本発明では基板1上に熱伝導制御層2が形成され、その上に反射層9が形成されているので、良好な記録が可能となる。
本発明の光記録媒体においては、記録層3の基板側に第一保護層が、記録層の基板と反対側に第二保護層が設けられていることが好ましく、図8、図3に示すように、反射層9が形成され、該反射層9と記録層3の間に第一保護層101が、記録層3の基板と反対側に第二保護層102が設けられていることがより好ましい。
第一保護層と第二保護層を設けると、記録層に生じる熱を制御することが可能となる。また、相変化材料の場合記録時に記録層が溶融するため、保護層がないと隣接層に拡散するなどの悪影響を及ぼす可能性がある。
更に反射層を設けて光を反射すると、検出される信号が大きくなりより安定、高速に記録、再生が可能となる。また、反射層は放熱の役割もかねており、記録層の昇温、冷却速度を制御することが可能となる。
第一保護層、第二保護層を構成する材料としては、ZnSとSiOの混合材料、SiN、AlNなどが例示される。
第一保護層101の厚さは、記録方式、記録材料により最適値は異なるが、10〜200nmが好ましく、10〜70nmがより好ましく、相変化材料などを用いる場合、10〜30nmが更に好ましい。また第二保護層102の厚さは、記録方式、記録材料により最適値は異なるが、5〜100nmが好ましく、10〜50nmがより好ましく、相変化記録材料を用いる場合は、10〜40nmが更に好ましい。近接場光により記録、再生を行う場合、10〜15nmが特に好ましい。
上記第一保護層は、ZnSとSiOとからなる混合材料よりも熱伝導率の低い材料からなる透明な層であることが好ましい。相変化記録などの熱を利用した記録では、記録層3を高温にし急冷することにより記録マークを形成する。しかし、ガラスまたは金属などからなる基板1上に反射層9を形成すると放熱がよすぎたり、熱容量が大きすぎるため温度が十分に上昇しないため記録がうまくできないということが起こる。第一保護層として、ZnSとSiOとからなる混合材料よりも熱伝導率の低い材料を用いると記録層3の温度が上がりやすくなる。そのことにより良好な記録が可能となる。ZnSとSiOとからなる混合材料よりも熱伝導率の低い材料としては、Zrの酸化物系やSmの酸化物系の材料が挙げられる。第一保護層は、最適な記録材料、記録方式、光記録媒体の層構成に対応して、熱伝導制御層の熱伝導率を考慮して設けることが好ましい。
本発明においては、図6に示すように、基板上の記録層3が設けられた側の最表面に、硬質保護層14が設けられていることが好ましい。近接場光を用いて記録、再生を行う場合、光ヘッドと光記録媒体の距離が小さくなるため衝突により損傷が起こる可能性がある。硬質保護層14が設けられていると、媒体の表面を保護することができ,情報を安全に保存することが可能な光記録媒体を実現できる。
硬質保護層としては、SiNやAlNまたはダイヤモンドライクカーボン(DLC。グラファイト結合とダイヤモンド結合、つまりSP2とSP3結合が混在する非晶質または微結晶性の炭素薄膜。)などの材料を5〜15nm程度堆積して構成することが好ましい。
本発明においては、図8に示すように、基板1の裏面にも、少なくとも熱伝導制御層2と記録層3が順に設けられていることが好ましく、熱伝導制御層2、反射層9、第一保護層101、記録層3、第二保護層102が順に設けられていることがより好ましく、基板1の表面と同様に構成されていることが更に好ましい。基板1の裏面側をこのように構することにより、基板のそりなどの問題を除去できる。また、記録媒体の両面に情報を記録することができるので、1枚の記録媒体に記録できる記録容量を2倍にすることが可能となる。
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。しかし、本発明はなんら実施例に限定されるものではない。
実施例1
基板1として表面粗度1.5nm以下の結晶化ガラスを用い、熱伝導制御層2としてフォトポリマーの樹脂層を10μm、記録層3としてAlを5nmとGe10nmの積層膜を形成し、光記録媒体を作成した。図1に各層の構成を示す。
図8に示したような近接場光を発生する開口を形成したスライダー型の光ヘッドを用いて記録を行った。石英19に遮光膜15を形成し、開口16を形成した。開口16に対物レンズ17で集光した光18を照射し開口16から出てくる近接場光により記録再生を行った。パルス幅20、40、80nsの光を照射し開口から出てくる近接場光により記録を行った。記録層のAlとGeが熱により相互拡散することにより記録マークが形成された。記録されたマークを顕微鏡で観察したところすべての記録条件で記録マークが確認できた。
比較例1
熱伝導制御層を設けないこと以外は実施例1と同様の条件で記録を行った。パルス幅20nsで記録を行ったときのマークを顕微鏡で観察することができなかった。
実施例2
基板1として表面粗度1.5nm以下の結晶化ガラスを用い、熱伝導制御層2としてZnS・SiO層を100nm、反射層9としてAg層を140nm、第一保護層101としてZnS・SiO層を各々20nm、記録層3としてAgInSbTeからなる層を15nm、第二保護層102としてZnS・SiO層を20nm形成し、光記録媒体を作成した。図3に各層の構成を示す。
図8に示したような近接場光を発生する開口を形成したスライダー型の光ヘッドを用いて記録を行った。石英19に遮光膜15を形成し、開口16を形成した。開口16に対物レンズ17で集光した光18を照射し開口16から出てくる近接場光により記録再生を行った。パルス幅20、40、80nsの光を照射し開口から出てくる近接場光により記録を行った。記録されたマークを顕微鏡で観察したところ記録マークが確認できた。
比較例2
熱伝導制御層を設けないこと以外は実施例2と同様に光記録媒体を作製し、実施例2と同様の条件で記録を行った。パルス幅20nsの条件ではマークを記録することができなかった。
実施例3
基板1として平坦なガラス基板上にフォトポリマー11を塗布し光硬化させた深さ40nm、幅140nmの溝をピッチ300nmで形成した。この溝を形成しているフォトポリマーが熱伝導制御層の役割をなしている。その上面に反射層9としてAg層を140nm、第一保護層101としてZnS・SiO層を20nm、記録層3としてAgInSbTeからなる層を15nm、第二保護層102としてZnS・SiO層を20nm形成し、光記録媒体を作成した。図2に各層の構成を示す。
開口数NAが0.85のレンズを用いて光を集光し、パルス状の光を照射し、線速3.5m/sで回転させた光記録媒体に記録を行った。マーク長50nm程度の記録ができていることが確認できた。
比較例3
熱伝導制御層を設けないこと以外は実施例3と同様に光記録媒体を作製し、実施例3と同様の条件で記録を行った。熱伝導制御層が無いので、記録層の温度が十分上がらないため200nm以下のマークの形成は困難であった。
実施例4
基板1として表面粗度1.5nm以下の結晶化ガラスを用い、熱伝導制御層2としてZnS・SiO層を120nm、反射層9としてAg層を140nm、第一保護層101としてZrO層を20nm、記録層3としてAgInSbTeからなる層を15nm、第二保護層102としてZnS・SiO層を20nm形成し、光記録媒体を作成した。図4に各層の構成を示す。
図8に示したような近接場光を発生する開口を形成したスライダー型の光ヘッドを用いて記録を行った。石英19に遮光膜15を形成し、開口16を形成した。開口16に対物レンズ17で集光した光18を照射し開口16から出てくる近接場光により記録再生を行った。パルス幅20、40、80nsの光を照射し開口から出てくる近接場光により記録を行った。記録されたマークを顕微鏡で観察したところ記録マークが確認できた。
比較例4
熱伝導制御層を設けないこと以外は実施例4と同様に光記録媒体を作製し、実施例4と同様の条件で記録を行った。パルス幅20nsの条件ではマークを記録することができなかった。
実施例5
基板1として表面粗度1.5nm以下の結晶化ガラスを用い、熱伝導制御層2としてZnS・SiO層を120nm、反射層9としてAg層を140nm、第一保護層101としてZnS・SiO層を20nm、記録層3としてAgInSbTeからなる層を15nm、第二保護層102としてZnS・SiO層を20nm、硬質保護層14としてSiNを15nm形成し、光記録媒体を作成した。図5に各層の構成を示す。
図8に示したような近接場光を発生する開口を形成したスライダー型の光ヘッドを用いて記録を行った。石英19に遮光膜15を形成し、開口16を形成した。開口16に対物レンズ17で集光した光18を照射し開口16から出てくる近接場光により記録再生を行った。パルス幅20、40、80nsの光を照射し開口から出てくる近接場光により記録を行った。記録されたマークを顕微鏡で観察したところ記録マークが確認できた。
比較例5
熱伝導制御層を設けないこと以外は実施例5と同様に光記録媒体を作製し、実施例5と同様の条件で記録を行った。パルス幅20nsの条件ではマークを記録することができなかった。
実施例6
基板1として平坦なガラス基板上に熱制御層として0.4mm厚のポリカーボネート樹脂製の基板13を貼り合わせたものを光記録媒体として用いた。ポリカーボネート樹脂製の基板13上には反射層9としてAg層を140nm、第一保護層101としてZnS・SiO層を20nm、記録層3としてAgInSbTeからなる層を15nm、第二保護層102としてZnS・SiO層を20nm形成し、光記録媒体を作成した。図6に各層の構成を示す。
開口数NAが0.85のレンズを用いて光を集光し、パルス状の光を照射し、線速3.5m/sで回転させた光記録媒体に記録を行った。マーク長50nm程度の記録ができていることが確認できた。
比較例6
熱伝導制御層を設けないこと以外は実施例6と同様に光記録媒体を作製し、実施例6と同様の条件で記録を行った。記録層の温度が十分上がらないため200nm以下のマークの形成は困難であった。
実施例7
基板1として表面粗度1.5nm以下の結晶化ガラスを用い、熱伝導制御層2として紫外線硬化樹脂を8μm、反射層9としてAg層を140nm、第一保護層101としてZnS・SiO層を20nm、記録層3としてAgInSbTeからなる層を15nm、第二保護層102としてZnS・SiO層を20nm形成した。この層構成を基板1の裏側の面にも形成し、光記録媒体を作成した。図7に各層の構成を示す。
図8に示したような近接場光を発生する開口を形成したスライダー型の光ヘッドを用いて記録を行った。石英19に遮光膜15を形成し、開口16を形成した。開口16に対物レンズ17で集光した光18を照射し開口16から出てくる近接場光により記録再生を行った。パルス幅20、40、80nsの光を照射し開口から出てくる近接場光により記録を行った。記録されたマークを顕微鏡で観察したところ記録マークが確認できた。
比較例7
熱伝導制御層を設けないこと以外は実施例7と同様に光記録媒体を作製し、実施例7と同様の条件で記録を行った。パルス幅20nsの条件ではマークを記録することができなかった。
光記録媒体の層構成の一例を示す説明図である。 光記録媒体の層構成の他の一例を示す説明図である。 光記録媒体の層構成の他の一例を示す説明図である。 光記録媒体の層構成の他の一例を示す説明図である。 光記録媒体の層構成の他の一例を示す説明図である。 光記録媒体の層構成の他の一例を示す説明図である。 光記録媒体の層構成の他の一例を示す説明図である。 近接場光を発生するスライダーヘッドの説明図である。
符号の説明
1 基板
2 熱伝導制御層
3 記録層
9 反射層
101 第一保護層
102 第二保護層
12 溝が形成された樹脂層
13 貼りあわされた樹脂基板
14 硬質保護層
15 遮光膜
16 開口
17 対物レンズ
18 光
19 石英

Claims (10)

  1. 光エネルギーを照射することによる記録層の温度上昇により情報の記録を行うことが可能な光記録媒体において、ガラス、セラミックまたは金属のいずれかを基板に用い、該基板の表面に熱伝導制御層と記録層が順に設けられていることを特徴とする光記録媒体。
  2. 該基板の表面粗さが、3nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 該熱伝導制御層が、樹脂層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体。
  4. 該熱伝導制御層が、溝が形成された樹脂層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体。
  5. 該熱伝導制御層が、基板上に貼りあわされた樹脂基板であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体。
  6. 該熱伝導制御層と記録層との間に、反射層が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光記録媒体。
  7. 該記録層の基板側に第一保護層が、記録層の基板と反対側に第二保護層が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光記録媒体。
  8. 該第一保護層が、ZnSとSiOとからなる混合材料よりも熱伝導率の低い材料からなる透明な層であることを特徴とする請求項7に記載の光記録媒体。
  9. 該基板上の記録層が設けられた側の最表面に、硬質保護層が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光記録媒体。
  10. 該基板の裏面に、少なくとも熱伝導制御層と記録層が順に設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光記録媒体
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