JP2005004950A - 光情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Kenichi Osada
憲一 長田
Hideo Kusada
英夫 草田
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Abstract

【課題】 記録消去可能な相変化型光ディスク、特に4.7GBのDVD−RAMに関するもので、従来構成に比べて成膜タクトが短く、かつ、ジッタ、クロス消去特性、サイクル特性の良好な記録媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】 案内溝を有する基板1の上に、少なくとも反射層3、記録層7、光入射側保護層9、第1の樹脂層10、光入射側基板11をこの順に備える。記録層7と第1の樹脂層10とは、1nm以上で且つ50nm以下の間隔を有して形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ光を用いて大容量の情報を記録及び再生する光情報記録媒体と、その製造方法に関する。
レーザ光を用いて信号を記録及び再生することのできる光情報記録媒体の実用例として、相変化材料を記録層に用いたDVD−RAMメディアが知られている。このDVD−RAMメディアの基板の直径は120mmであり、片面のユーザ記録容量が4.7GBであり、両面のユーザ記録容量が9.4GBのDVD−RAMメディア(以下、4.7GBのDVD−RAMと称する)である。4.7GBのDVD−RAMは、波長が660nmのレーザ光を用いて信号の記録・再生が行われ、標準のデータ転送レートは22Mbpsとされている。
4.7GBのDVD−RAMで用いられている主な技術を以下に記す。
(1)例えば、下記非特許文献1には、大記録容量を実現するためのL&G(Land and Groove)記録方式が記載されている。L&G記録方式とは、光ディスク基板表面に形成された溝部及び溝間すなわちランド部の双方に信号を記録する技術である。相変化型光ディスクにおいてL&G記録を実現するためには、記録層が非晶質状態にあるときに記録媒体から反射される反射光と、記録層が結晶状態にあるときに記録媒体から反射される反射光との位相差を十分に小さくする必要がある。
(2)オーバライト消去率の向上、すなわちオーバライト後の再生ジッタの低減を図るために、非晶質状態における記録層の光吸収率Aaと結晶状態における記録層の光吸収率Acの関係を、Ac>Aaとするいわゆる"熱バランス構成(thermally balanced structure)"の技術が知られている。この”熱バランス構成”の技術は、例えば、下記非特許文献2に開示されている。
(3)例えば、下記非特許文献3には、高速結晶性の記録層材料が開示されている。
(4)例えば、下記非特許文献4には、記録層に接して設ける界面層の技術に関し、良好なサイクル特性を確保するための技術が開示されている。
我々が開発した4.7GBのDVD−RAMの構成の一例は、案内溝が形成されたポリカーボネート製の光入射側基板の上に、光入射側保護層、光入射側窒化物界面層、記録層、反射層側窒化物界面層、反射層側保護層、吸収層、反射層をこの順に積層成膜したものである。前記光入射側基板の厚さは0.6mmであり、その直径は120mmである。またトラックピッチは0.615μmとなっている。前記光入射側保護層は、ZnS−SiO2を主成分とし、厚さが約150nmに形成されるものである。前記光入射側窒化物界面層は、厚さ数nmに形成されるものである。前記記録層は、Ge−Sb−Teを主成分とし、厚さ約9nmに形成されるものである。前記反射層側窒化物界面層は、厚さ数nmに形成されるものである。前記反射層側保護層は、ZnS−SiO2を主成分とし、厚さ約40nmに形成されるものである。前記吸収層は、GeまたはSiを主成分とし、厚さ約40nmに形成されるものである。前記反射層は、AgまたはAlを主成分とし、厚さ約100nmに形成されるものである。
各層の成膜プロセスでは、量産性を考慮して枚葉スパッタリング装置を用いることが一般的である。
4.7GBのDVD−RAMの成膜プロセスに関し、例えば下記特許文献1には、成膜タクトタイムを短縮できる新しいディスク構成の提案がなされている。成膜タクトタイムを短縮するには、他の層に比べて膜厚の厚い光入射側保護層を薄膜化することが肝要であり、同公報には、情報再生のために照射されるレーザ光の波長における光入射側保護層の屈折率を、同波長における光入射側基板の屈折率と同等以下にすることによって、光入射側保護層の膜厚を薄くしても従来と同等の光学特性を実現できることが開示されている。そして、同公報によれば、例えばZnS−SiO2の場合で約150nmの膜厚である従来の光入射側保護層を大幅に薄膜化(50nm以下)しても従来のディスク構成と同等の光学特性が実現でき、しかも、従来のディスク構成と同じく、4.7GBのDVD−RAMの規格を満足する光情報記録媒体が得られると記載されている。
特開2002−312979号公報 Jpn. J. Appl. Phys. 32(1993) 5324頁 Int. Conf. Advanced Materials (1993) 2/B, Information Storage Materials, Tokyo (1994) P.1035 J. Appl. Phys. 69 (1991) 2849 Jpn. J. Appl. Phys., 37, 2104 (1998)
前記公報に開示されている発明によると、光入射側保護層の膜厚を従来に比べて大幅に薄くできるので、成膜タクトタイムを短縮できる。しかし、このものでは、情報の記録・消去の繰り返し特性が、従来のディスク構成に比べて大幅に劣化するという課題が生じる。そもそも、光入射側保護層は、情報を記録する際にレーザ光が入射されることで記録層が融点以上に加熱されても、案内溝が形成されている光入射側基板が熱ダメージを受けて変形することがないよう、熱障壁層としての役割を担っているものである。それ故、成膜タクトタイムを短縮するために光入射側保護層の膜厚を大幅に薄くする構成を採用すると、本質的に光入射側基板が熱変形を生じやすくなるのは避けられず、それ故に情報の記録・消去の繰り返し特性が従来構成に比べて大幅に劣化するという課題を生ずる。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記課題を解決した光情報記録媒体を提供することにあり、良好な記録・消去の繰り返し特性を実現することを目的としている。
前記の目的を達成するため、本発明は、レーザ光を用いて情報の記録及び再生が可能な光情報記録媒体を前提として、案内溝を有する基板の上に、少なくとも反射層、記録層、光入射側保護層、第1の樹脂層、光入射側基板をこの順に備え、前記記録層と前記第1の樹脂層とは、1nm以上で且つ50nm以下の間隔を有して形成されている。
この構成において、前記記録層と前記第1の樹脂層とは、20nm以上で且つ50nm以下の間隔に形成されているのがより好ましい。
前記第1の樹脂層の軟化温度は、前記光入射側基板の軟化温度よりも高いのが好ましく、前記第1の樹脂層の硬度は、前記光入射側基板の硬度よりも高いのが好ましい。また、前記第1の樹脂層の厚みは、1μm以上で且つ20μm以下であるのが好ましい。
情報再生のために照射される前記レーザ光の波長における前記光入射側保護層の屈折率をn1とし、同波長における前記第1の樹脂層の屈折率をn2とし、同波長における前記光入射側基板の屈折率をn3としたときに、これらn1,n2,n3が以下の両関係式
n1≦n2+0.1
n1≦n3+0.1
を満足しているのが好ましく、前記n1,n2,n3は、以下の両関係式
n1≦n2
n1≦n3
を満足しているのがより好ましい。
前記反射層と前記記録層の間に、前記反射層側から吸収層、反射層側保護層及び反射層側界面層をこの順に有し、前記記録層と前記光入射側保護層との間に光入射側界面層を有する構成としてもよい。
この構成においては、前記反射層は、AgまたはAlを主成分とし、前記吸収層は、Ge、CrまたはSiを主成分とし、前記反射層側保護層は、ZnS、Zr酸化物またはCr酸化物を主成分とし、前記反射層側界面層は、Ge、Cr、Zr、Si、Al、Teから選択される少なくとも1つの窒化物、窒酸化物若しくは酸化物、又はCを主成分とし、前記記録層は、GeとTeを主成分とし、前記光入射側界面層は、Ge、Cr、Zr、Si、Al、Teから選択される少なくとも1つの窒化物、窒酸化物若しくは酸化物、又はCを主成分とし、前記光入射側保護層は、Al酸化物、Si酸化物、Mg酸化物またはフッ化物を主成分とするのが好ましい。
そして、前記反射層の膜厚は、50nm以上で且つ150nm以下であり、前記吸収層の膜厚は、20nm以上で且つ60nm以下であり、前記反射層側保護層の膜厚は、20nm以上で且つ60nm以下であり、前記反射層側界面層の膜厚は、1nm以上で且つ20nm以下であり、前記記録層の膜厚は、7nm以上で且つ10nm以下であり、前記光入射側界面層の膜厚は、1nm以上で且つ20nm以下であり、前記光入射側保護層の膜厚は、1nm以上で且つ50nm以下であるのが好ましい。
また、前記反射層と前記記録層の間に、前記反射層側から吸収層及び反射層側保護層をこの順に有し、前記記録層と前記光入射側保護層との間に光入射側界面層を有する構成としてもよい。
この構成において、前記反射層は、AgまたはAlを主成分とし、前記吸収層は、Ge、CrまたはSiを主成分とし、前記反射層側保護層は、ZnS、Zr酸化物またはCr酸化物を主成分とし、前記記録層は、GeとTeを主成分とし、前記光入射側界面層は、Ge、Cr、Zr、Si、Al、Teから選択される少なくとも1つの窒化物、窒酸化物若しくは酸化物、又はCを主成分とし、前記光入射側保護層は、Al酸化物、Si酸化物、Mg酸化物またはフッ化物を主成分とするのが好ましい。
そして、前記反射層の膜厚は、50nm以上で且つ150nm以下であり、前記吸収層の膜厚は、20nm以上で且つ60nm以下であり、前記反射層側保護層の膜厚は、20nm以上で且つ60nm以下であり、前記記録層の膜厚は、7nm以上で且つ10nm以下であり、前記光入射側界面層の膜厚は、1nm以上で且つ20nm以下であり、前記光入射側保護層の膜厚は、1nm以上で且つ50nm以下であるのが好ましい。
また、本発明は、レーザ光を用いて情報の記録及び再生が可能な光情報記録媒体を製造する方法を前提として、案内溝を有する基板の上に、少なくとも反射層、記録層、光入射側保護層をこの順に成膜した後、前記光入射側保護層に第1の樹脂層を介して光入射側基板を貼り合わせ、前記記録層と前記第1の樹脂層とが1nm以上で且つ50nm以下の間隔を有して形成されている方法とすることができる。
この製造方法において、前記記録層と前記第1の樹脂層とが20nm以上で且つ50nm以下の間隔に形成されているのがより好ましい。
また、本発明は、レーザ光を用いて情報の記録及び再生が可能な光情報記録媒体を製造する方法を前提として、案内溝を有する基板の上に、少なくとも反射層、記録層、光入射側保護層をこの順に成膜した後、前記光入射側保護層の上に第1の樹脂層を形成し、この第1樹脂層に第2の樹脂層を介して光入射側基板を貼り合わせ、前記記録層と前記第1の樹脂層とが1nm以上で且つ50nm以下の間隔を有して形成されている方法とすることができる。
この製造方法において、前記記録層と前記第1の樹脂層とが20nm以上で且つ50nm以下の間隔に形成されているのがより好ましい。
前記第1の樹脂層の厚みは、1μm以上で且つ20μm以下であるのが好ましい。
情報再生のために照射される前記レーザ光の波長における前記光入射側保護層の屈折率をn1とし、同波長における前記第1の樹脂層の屈折率をn2とし、同波長における前記光入射側基板の屈折率をn3としたときに、これらn1,n2,n3が以下の両関係式
n1≦n2+0.1
n1≦n3+0.1
を満足しているのが好ましく、また、前記n1,n2,n3は、以下の両関係式
n1≦n2
n1≦n3
を満足しているのがより好ましい。
本発明によれば、情報の記録・消去についての繰り返し特性を確保しつつ、光入射側保護層の膜厚が薄く、記録層と第1の樹脂層の間隔が狭い光情報記録媒体を得ることができる。この結果、成膜タクトが短縮され、かつ、ジッタ、クロス消去特性、サイクル特性の良好な記録媒体を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は本発明の実施形態に係る光情報記録媒体(光ディスク)の積層構成の概略を示す半径方向の断面図である。この光情報記録媒体は、基板1と反射層3と吸収層4と反射層側保護層5と反射層側界面層6と記録層7と光入射側界面層8と光入射側保護層9と第1の樹脂層10と第2の樹脂層12と光入射側基板11とが、この順に積層されて構成されている。これら各層は金属薄膜からなる。図1において、情報の記録及び再生を行うためのレーザ光は光入射側基板11の側から入射される。
前記基板1は、ポリカーボネート等の樹脂板からなる。基板1の表面2はスパイラル状の連続溝(案内溝、トラック)で覆われている。
前記反射層3は、吸収層4で発熱した熱を逃がすために設けられるものである。反射層3は、Au、Ag、Al、Cu、Cr等の金属を主成分としている。特に好ましい材料は、熱伝導率が高くて化学的に安定で、且つ比較的低コストのAg及びAlである。主成分とは、主として含まれる成分を表しており、原子量比で最も含有量の多い成分である。
好ましい反射層の厚さは50nm以上であるが、150nmより厚くしてもディスク特性は変化しないので、より好ましい厚さは50nm以上で且つ150nm以下である。
前記吸収層4は、情報記録のために照射されるレーザ光を吸収するものであり、この吸収層4は、Ge、Cr、Si等を主成分としている。吸収層4は、記録層7における光吸収補正を容易に実現するために設けられるものであり、吸収層4が設けられることで、記録層7が非晶質状態にあるときと結晶状態にあるときとの両状態における光情報記録媒体からの反射光の位相差を調整することができる。特に、波長が660nm前後のレーザ光に対しては、吸収層4を設けることなく熱バランス構成をとりながら反射光の位相差を十分に小さくすることは困難である。したがって、吸収層4を構成する材料に求められる好ましい光学特性は、屈折率nが2以上で且つ5以下、消衰係数kが1.5以上で且つ4.5以下である。
さらに、前記吸収層4を設けることにより隣接トラック記録によるクロス消去を実用範囲内に抑制することができる。クロス消去とは、信号記録時に隣接トラックを消去する割合を差している。クロス消去が抑制されるのは、記録動作のため高パワーでレーザ光が照射されているときは、吸収層4においても発熱が生じて記録層7の昇温を助けることで高感度記録が可能になる一方、記録のためのレーザ照射が終了した直後から、吸収層4の熱が高熱伝導率材料からなる反射層3側に逃げることにより、記録層7への熱拡散を最小限に押さえることができるからである。そして、吸収層4の厚さが薄すぎると十分な発熱の効果が得られず、また厚すぎると冷却時に反射層3側に十分熱を逃がすことができない。したがって、好ましい吸収層4の厚さは20nm以上で且つ60nm以下である。
前記反射層側保護層5を構成する材料は、光入射側基板11の屈折率よりも大きい屈折率を有するのが望ましい。さらに本材料は、物理的・化学的に安定であること、すなわち記録層7に適用する材料よりも融点及び軟化温度が高いことが望ましく、かつ記録層7の材料と相固溶しないことが望ましい。例えば、ZnS、Zr酸化物、Cr酸化物、Ta酸化物、イットリウム酸化物等の誘電体或はこれらの何れかを主成分とする材料が好ましい。特に好ましい材料は、ZnSとSiO2の混合材料である。
前記反射層側保護層5の材料の光学特性は、波長660nm近傍において、屈折率が2.0以上で且つ2.4以下であることが好ましい。また、反射層側保護層5の好ましい膜厚は20nm以上で且つ60nm以下である。つまり、反射層側保護層5の膜厚が薄くなるほど記録層7における光吸収率が低下し、膜厚が20nmよりも薄いと記録感度の悪化が顕著となる。一方、反射層側保護層5の膜厚が厚くなるほど記録層7が結晶状態のときの光情報記録媒体の光反射率が低下し、膜厚が60nmよりも厚いと反射率の不足が顕著となる。
前記反射層側界面層6及び前記光入射側界面層8の主材料は、一般式「X」−N若しくは「X」−O−Nで表される窒化物、窒酸化物、酸化物、C(炭素)若しくは一般式「Y」−Cで表される炭化物、又はこれらの混合物からなる。ここで「X」はGe、Cr、Zr、Si、Al、Teのうち少なくとも1つの元素を含む材料が好ましく、「Y」はSiが好ましい。この界面層6を設けることにより、記録層7を構成する元素と、誘電体層である反射層側保護層5及び光入射側保護層9を構成する元素との相互拡散が抑制され、記録消去の繰り返し特性(サイクル特性)を向上することができる。窒化物等からなる界面層6,8の効果に関しては、例えば特開平4−52188号公報等に詳細な記載がなされている。
前記界面層6,8は、情報記録のために照射されるレーザ光に対して吸収係数が十分に小さく(好ましくは0.2以下)、かつその膜厚も十分に薄くすることが好ましい。その膜厚とは、1nm以上で且つ20nm以下であるのが好ましく、より好ましくは2nm以上で且つ10nm以下であるのが好ましい。界面層6,8によるサイクル特性向上の効果は、特に記録層7が薄い場合(10nm以下)に顕著である。尚、記録・消去の繰り返し特性をある程度犠牲にしてもよい場合には、反射層側界面層6と光入射側界面層8は必ずしも必要ではなく、またこれらの層を同一の材料で形成しなくてもかまわない。
前記記録層7を構成する材料は、結晶状態と非晶質状態との間で構造変化をおこす物質であることが必要であり、好ましい材料は、Te、Sb、Geを主成分とするものである。これら主成分の組成比は、GexSbyTezとして原子量比で表すと、0.10≦x<0.50、0≦y≦0.25、0.45≦z≦0.65、x+y+z=1で表される組成が優れている。さらに、記録層7を構成する材料は、原子量百分率で10%以下のSnまたはBiが含まれるTe、Sb、Ge、Sn、またはTe、Sb、Ge、Bi、またはTe、Sb、Ge、Sn、Biであるのが好ましい。
前記記録層7は、薄いと十分な反射率を得ることができず、また厚すぎると良好な記録消去の繰り返し特性が得られない。したがって、好ましい記録層7の膜厚は、7nm以上で且つ10nm以下である。
前記光入射側保護層9を構成する材料は、光入射側基板11の屈折率よりも小さい屈折率を有するのが望ましい。さらに、本材料は、物理的・化学的に安定であること、すなわち記録層7に適用する材料よりも融点及び軟化温度が高いことが望ましく、かつ記録層7の材料と相固溶しないことが望ましい。例えば、Al酸化物(例えばAl23),Si酸化物(例えばSiO2)、Mg酸化物、フッ化物等の誘電体或はこれらの何れかを主成分とする材料が好ましい。
前記光入射側保護層9を構成する材料の光学特性は、光入射側基板11の屈折率と同等以下であることが好ましい。従って、光入射側基板11の材料としてポリカーボネートを用いる場合、光入射側保護層9は、照射されるレーザ光の波長(660nm)近傍において、屈折率が1.4以上で且つ1.6以下であることが好ましい。仮に光入射側保護層9の屈折率が光入射側基板11の屈折率よりも大きい材料を使うとしても、屈折率の差が0.1を越えない範囲の材料を選ぶ必要がある。この理由についての詳細は後述する。
反射層3、吸収層4、反射層側保護層5、反射層側界面層6、記録層7、光入射側界面層8、及び光入射側保護層9の各層の形成方法としては、通常、スパッタリング法で形成するが、電子ビーム蒸着、イオンプレーティング法、CVD法等を適用してもよい。
前記光入射側基板11は、ポリカーボネート等の透明樹脂からなる。
前記光入射側基板11は、紫外線硬化樹脂等からなる第1の樹脂層10を用いて光入射側保護層9の上に貼り合わせてもよい。また、光入射側基板11は、光入射側保護層9の上に第1の樹脂層10を設けてから、紫外線硬化樹脂等からなる第2の樹脂層12を用いて基板11を貼り合わせてもよい。この後者の場合、第1の樹脂層10を形成するにはスピンコート法がもっとも好ましい。
次に各層の適正膜厚について説明する。例えば4.7GBのDVD−RAMディスク構成を設計する上で考慮すべき光学特性は、基本的に以下の1)〜5)の5つの条件を全て満たすことが必要となる。
1)記録層7が結晶状態にあるときの反射率と、非晶質状態にあるときの反射率との差ができるだけ大きいこと。これは、振幅を高めるために必要な条件である。
2)記録層7が非晶質状態にあるときの光吸収率Aaと、結晶状態にあるときの光吸収率Acとの関係が、Aa<Ac、より好ましくは、Ac/Aa>1.2であること。
3)記録層7が非晶質状態にあるときの光情報記録媒体からの反射光と、結晶状態にあるときの反射光との位相差が十分に小さいこと。これは、L&G記録の実現のために必要な条件である。経験的には、絶対値で0.05π以下であることが好ましい。
4)記録層7が非晶質状態にあるときの光吸収率Aaと、結晶状態にあるときの光吸収率Acとの平均値ができるだけ大きいこと。これは、高感度化のために必要な条件である。
5)良好な記録消去の繰り返し特性が得られること。
我々が以前に行った実験によると、光入射側保護層9を2.0以上で且つ2.4以下の屈折率を有する材料で約150nmの膜厚に形成し、記録層7上下の界面層6,8の膜厚を1nm以上で且つ10nm以下とし、記録層7の膜厚を約9nmとし、反射層側保護層5を2.0以上で且つ2.4以下の屈折率を有する材料で約40nmの膜厚に形成し、吸収層4の膜厚を約40nmとし、反射層3の膜厚を約100nmとした場合に、4.7GBのDVD−RAMの規格値を、各層の膜厚のトレランスをもって満足することができた。尚、界面層を設けない場合においては、サイクル特性が大幅に劣化するも、他特性を満足することができた。
ところで、前記実験において、光入射側保護層9を光入射側基板11の屈折と同等以下とした場合にも、従来構成と全く同じ光学特性(反射率,記録層及び吸収層における光吸収率等)が得られ、後述する記録消去の繰り返し特性を除いて、従来と同等の記録・再生特性が得られた。
そして、この場合において、例えば光入射側保護層9をSiの酸化物(SiO2)や、Alの酸化物(Al23)のように、光入射側基板11よりも小さい屈折率の材料によって成形した場合には、従来構成に比べて光入射側保護層9の膜厚を大幅に薄くする(例えば10分の1)ことが可能であるため、同じ構成の成膜装置を用いた場合、高速に成膜することが可能となる。
しかしながら、従来のDVD−RAMディスクの場合には、光入射側保護層の膜厚が薄くなり、記録層と光入射側保護層の間隔が狭くなると、光入射側基板は、情報記録のためのレーザ照射により記録層の温度上昇の影響を受けて膜面側が熱変形しやすくなる。これは以下の理由によるものと推測される。つまり、従来のDVD−RAMディスクの場合、光入射側基板の表面に案内溝が設けられており、この案内溝を有する光入射側基板の上に、光入射側保護層、光入射側界面層、記録層、反射層側界面層、反射層側保護層、吸収層、反射層の順に成膜していき(以下、正順成膜と称する)、最後に保護基板を貼り合わせるようにしている。このため、光入射側保護層を極端に薄くした場合、例えば、実験的に確認したところでは約50nm以下の厚さの場合、より顕著には40nm以下の厚さの場合には、記録のためのレーザ照射により、光入射側基板上の案内溝が変形し、これによって、記録消去の繰り返し特性が大幅に劣化することが分かった。
これに対して、上述してきた本発明のように、表面2に案内溝のある基板1の上に、従来とは逆の成膜順序、すなわち、反射層3、吸収層4、反射層側保護層5、反射層側界面層6、記録層7、光入射側界面層8、光入射側保護層9の順に成膜し(以下、逆順成膜と称する)、この光入射側保護層9の上に第1の樹脂層10を介して光入射側基板11を貼り合わせる逆順成膜では、各層の膜厚が従来と同じであっても、従来の正順成膜の場合と比べて、記録消去の繰り返し特性に関して大幅な向上が見られた。
これは、逆順成膜によって光情報記録媒体を構成する場合、基板1上に案内溝を設けることから、この案内溝と記録層7との距離が長くなることがまずその理由として考えられる。そして、記録層7と基板1上の案内溝との間に熱伝導率の大きい金属を主成分とする反射層3が介在しているので、記録層7からの熱がこの反射層3内を伝わり易く案内溝の方へ熱が伝わり難いことから案内溝が変形し難くなるものと考えられる。それ故、本発明は、光入射側保護層9の膜厚が薄い場合等の記録層7と光入射側基板11との間隔が50nm以下の場合に有効である。尚、光入射側保護層9の膜厚が厚いほど記録消去の繰り返し特性が良好なので、この層を省略することは基本的にできない。一方、光入射側保護層9が厚くなりすぎると、成膜効率を高めることが困難になる。
また、逆順成膜による構成の場合、光入射側保護層9の屈折率をn1とし、光入射側基板11の屈折率をn3としたときに、これらn1,n3に要求される大小関係は、以下の関係式(1)、
n1≦n3+0.1 ・・・(1)
を満足していることが好ましく、より好ましくは、以下の関係式(2)、
n1≦n3 ・・・(2)
を満足していることが好ましい。さらに、屈折率の大小関係は、光入射側保護層9の屈折率と第1の樹脂層10の屈折率との関係にも同様に適応される。即ち、光入射側保護層9の屈折率をn1とし、第1の樹脂層10の屈折率をn2としたときに、n1,n2は、以下の関係式(3)、
n1≦n2+0.1 ・・・(3)
を満足していることが好ましく、より好ましくは、以下の関係式(4)、
n1≦n2 ・・・(4)
を満足していることが好ましい。また、これらの屈折率の大小関係は、光入射側保護層9の屈折率n1と第2の樹脂層12の屈折率との関係にも同様に適用される。
光入射側保護層9の屈折率n1、第1の樹脂層10の屈折率n2、光入射側基板11の屈折率n3が前記関係を有するのが好ましいのは、以下の理由による。すなわち、光入射側保護層9の屈折率n1が光入射側基板11の屈折率n3よりも大きくなると、前記DVD−RAM構成を設計する上で考慮すべき5つの光学特性を満足するのが困難となり、4.7GBのDVD−RAMの規格値を満足する構成にすることが困難となる。そして、我々の行った検討結果では、光入射側保護層9の屈折率n1が光入射側基板11の屈折率n3よりも0.1を超えて大きくなると、規格を満足できる構成を得ることができなかった。逆に、光入射側保護層9の屈折率n1が光入射側基板11の屈折率n3よりも小さくなると、光入射側保護層9、記録層7、反射層側保護層5等の膜厚許容値を十分に広く取ることができる。この屈折率n1と屈折率n3との関係は、屈折率n1と屈折率n2との関係にも当てはまる。
さらに、記録消去の繰り返し特性を向上させるためには、逆順成膜の構成に加え、第1の樹脂層10を光入射側基板11よりも耐熱性のある材料で構成するのが好ましい。つまり、第1の樹脂層10を光入射側基板11よりも軟化温度の高い材料で構成したり、第1の樹脂層10を光入射側基板11よりも硬度の高い材料で構成するのが好ましい。そして、この第1の樹脂層10で屈折率の小さい光入射側保護層9を覆い、その上に光入射側基板11を設ければよい。こうすることで、記録消去の繰り返し特性を向上できることを我々は実験的に確認した。
本実施形態では、第1の樹脂層10及び第2の樹脂層12を介して光入射側基板11を貼り合せる構成としているが、これに代え、第1の樹脂層10に光入射側基板11を貼り合わせる構成としてもよい。ただし、この場合、第1の樹脂層10に、接着剤としての役割と、記録時の昇温から光入射側基板11の熱変形を回避する熱バリア層としての役割とを担わせることになるために、第1の樹脂層10の材料選択の範囲が狭まってしまう。一方、本実施形態の如く、第1の樹脂層10を記録時の熱バリア層としての役割に特化させ、第1の樹脂層10の上に第2の樹脂層12を介して光入射側基板11を貼り合わせる構成、すなわち第2の樹脂層12を接着剤としての役割に特化させる構成の方が、それぞれの材料の選択範囲が広がるというメリットが生じる。いずれの貼り合わせ構成であっても、第1の樹脂層10は少なくとも1μm以上の厚みが必要である。第1の樹脂層10が薄すぎると記録消去の繰り返し特性の改善効果が得られないからである。一方、第1の樹脂層10が厚すぎると、この層を均一に形成することが困難となる。我々の技術では20μmを越えて均一な厚さの第1の樹脂層10を形成することは困難であった。
なお、第1の樹脂層10、第2の樹脂層12及び光入射側基板11の厚みの総和は、DVD−RAMディスクの場合、約0.60mmに設定する必要がある。
以上説明したように、本発明は、特にDVD−RAMディスク構成において、成膜タクトを短縮でき、しかも良好な記録消去の繰り返し特性が得られるディスク構成についての発明である。ただし、本発明は、DVD−RAMディスクに適用が限られるものではなく、例えばDVD−RW、DVD+RWディスクにも同様に適応できる。
以下、本発明者らが実施した具体例について詳しく説明する。
実施例1として、表1に示すように逆順成膜法による光ディスクを作成した。つまり、この実施例1では、表面が案内溝で覆われた基板1の上に反射層3、吸収層4、反射層側保護層5、反射層側界面層6、記録層7、光入射側界面層8、光入射側保護層9をこの順に成膜し、この光入射側保護層9に第1の樹脂層10を介して光入射側基板11を貼り合せた。この実施例1において、光入射側保護層9の厚みは、1nm、20nm、47nmの3水準とした。
前記基板は、半径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート製の基板であり、前記案内溝は、ピッチ1.2μm、溝深さ70nmの凹凸に形成される4.7GBのDVD−RAMフォーマットに形成されるものである。
比較例1として、表1に示すように正順成膜法による光ディスクを作成した。つまり、この比較例1では、表面が案内溝で覆われた光入射側基板11の上に光入射側保護層9、光入射側界面層8、記録層7、反射層側界面層6、反射層側保護層5、吸収層4、反射層3をこの順に成膜し、この反射層3に樹脂層を介して基板1を貼り合せた。比較例1の各層の厚みは実施例1における層の厚みと同じである。そして、比較例1において、光入射側保護層9の厚みは、実施例1と同様に1nm、20nm、47nmの3水準とした。
前記光入射側基板11は、半径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート製の基板であり、前記案内溝は、ピッチ1.2μm、溝深さ70nmの凹凸に形成される4.7GBのDVD−RAMフォーマットに形成されるものである。
Figure 2005004950
これら光ディスクの記録層7をレーザ初期化装置を用いて結晶化させた後、図2に示す記録再生機20を用いて、案内溝上(グルーブ)、及び案内溝間(ランド)に信号を記録し、かつ再生した。この記録再生機20は、レーザ光源としての半導体レーザ21と、ハーフミラー22と、対物レンズ23と、フォトディテクタ24とを備える公知のものである。光ディスク26はスピンドルモータ27によって回転する。半導体レーザ21から出射されたレーザ光は、ハーフミラー22を通過した後、対物レンズ23を介して光ディスク26に集光される。そして、その反射光は、対物レンズ23を通過した後、ハーフミラー22によって反射されてフォトディテクタ24で検出される。なお、この記録再生機20には、図示省略しているがトラッキングサーボ機構とフォーカスサーボ機構とが設けられている。
記録及び再生に用いたレーザ光は波長660nmのレーザ光であり、対物レンズのNAは、0.6である。記録情報は、4.7GBのDVD−RAMの規格に従い、記録線速度を8.2m/sとして、変調方式8/16、RLL(2、10)、最短マーク長0.42μmの信号を記録した。記録パワーは、再生信号のジッタ値が最小となるパワーを選択した実施例1及び比較例1のいずれのサンプルにおいても、4.7GBのDVD−RAMの規格を満足する記録特性を得ることができた。
この記録パワーにおいて、記録・消去の繰り返し特性(サイクル特性)の評価を実施した。このサイクル特性は、グルーブとランドのそれぞれにおいて、1回記録時の再生信号ジッタが3%劣化するサイクル回数により評価した。その実験結果を表2に示す。
Figure 2005004950
表2からわかるように、逆順成膜した実施例1は、光入射側保護層9のいずれの厚みにおいても、正順成膜した比較例1に対してサイクル特性が改善されている。特に、光入射側保護層9の厚みが20nm、47nmのときには、実施例1と比較例1との差は顕著である。なお、光入射側保護層9の厚みが1nmのときのサイクル特性は、比較例1における厚み20nm、47nmのときのサイクル特性よりも劣るが、成膜タクトタイムを短縮できるという効果がある。
さらに、第1の樹脂層10を構成する材料についての検討を行ったところ、本材料の軟化温度及び硬度と、記録・消去の繰り返し特性とは強い相関をもつことがわかった。すなわち、本材料の軟化温度が高いほど、また硬度が高いほど、良好なサイクル特性が得られた。
実施例2は、表3に示すように、反射層側界面層6が設けられていない点で実施例1と異なるものである。具体的に説明すると、この実施例2では、表面が案内溝で覆われた基板1の上に反射層3、吸収層4、反射層側保護層5、記録層7、光入射側界面層8、光入射側保護層9をこの順に成膜し(逆順成膜)、この光入射側保護層9に第1の樹脂層10によって光入射側基板11を貼り合せた。前記実施例1では、反射層側保護層5は、ZnSにSiO2をモル百分率で20%含有させて40nmの厚みに形成するとともに、反射層側界面層6は、Ge7030により5nmの厚みに形成したのに対し、この実施例2では、反射層側保護層5は、Ge7030により45nmの厚みに形成し、反射層側界面層6を設けていない。この実施例2において、光入射側保護層9の厚みは、1nm、20nm、47nmの3水準とした。
前記基板は、半径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート製の基板であり、前記案内溝は、ピッチ1.2μm、溝深さ70nmの凹凸に形成される4.7GB DVD−RAMフォーマットに形成されるものである。
比較例2は、表3に示すように正順成膜によって作成したものである。つまり、表面が案内溝で覆われた光入射側基板11の上に光入射側保護層9、光入射側界面層8、記録層7、反射層側保護層5、吸収層4、反射層3をこの順に成膜し、この反射層3に樹脂層を介して基板1を貼り合せた。この比較例2は、実施例2と同様に、反射層側保護層5は、Ge7030により45nmの厚みに形成し、反射層側界面層を設けていない。この比較例2において、光入射側保護層9の厚みは、1nm、20nm、47nmの3水準とした。
前記光入射側基板11は、半径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート製の基板であり、前記案内溝は、ピッチ1.2μm、溝深さ70nmの凹凸に形成される4.7GB DVD−RAMフォーマットに形成されるものである。
Figure 2005004950
実施例1と同様に、これら光ディスクの記録層7をレーザ初期化装置を用いて結晶化させた後、図2に示す記録再生機20を用いて、案内溝上(グルーブ)、及び案内溝間(ランド)に信号を記録し、かつ再生した。実施例2及び比較例2のいずれのサンプルにおいても、4.7GBのDVD−RAMの規格を満足する記録特性を得ることができた。
次に、前記実施例1と同様に記録・消去の繰り返し特性(サイクル特性)の評価を実施した。その実験結果を表4に示す。
Figure 2005004950
表4からわかるように、逆順成膜した実施例2は、光入射側保護層9のいずれの厚みにおいても、正順成膜した比較例2に対してサイクル特性が改善されている。特に、光入射側保護層9の厚みが20nm、47nmのときには、実施例2と比較例2との差は顕著である。なお、光入射側保護層9の厚みが1nmのときのサイクル特性は、比較例2における厚み20nm、47nmのときのサイクル特性よりも劣るが、成膜タクトタイムを短縮できるという効果がある。
さらに、第1の樹脂層を構成する材料についての検討を行ったところ、本材料の軟化温度及び硬度と、記録・消去の繰り返し特性とは強い相関をもつことがわかった。すなわち、本材料の軟化温度が高いほど、また硬度が高いほど、良好なサイクル特性が得られた。
本発明の実施形態に係る光情報記録媒体の構造を示す断面図である。 光情報記録媒体の記録・再生を行う記録再生装置を概略的に示す図である。
符号の説明
1 基板
2 表面
3 反射層
4 吸収層
5 反射層側保護層
6 反射層側界面層
7 記録層
8 光入射側界面層
9 光入射側保護層
10 第1の樹脂層
11 光入射側基板
12 第2の樹脂層

Claims (20)

  1. レーザ光を用いて情報の記録及び再生が可能な光情報記録媒体であって、
    案内溝を有する基板の上に、少なくとも反射層、記録層、光入射側保護層、第1の樹脂層、光入射側基板をこの順に備え、
    前記記録層と前記第1の樹脂層とは、1nm以上で且つ50nm以下の間隔を有して形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 前記記録層と前記第1の樹脂層とは、20nm以上で且つ50nm以下の間隔に形成されていることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  3. 前記第1の樹脂層の軟化温度は、前記光入射側基板の軟化温度よりも高いことを特徴とする請求項1または2記載の光情報記録媒体。
  4. 前記第1の樹脂層の硬度は、前記光入射側基板の硬度よりも高いことを特徴とする請求項1または2記載の光情報記録媒体。
  5. 前記第1の樹脂層の厚みは、1μm以上で且つ20μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の光情報記録媒体。
  6. 情報再生のために照射される前記レーザ光の波長における前記光入射側保護層の屈折率をn1とし、同波長における前記第1の樹脂層の屈折率をn2とし、同波長における前記光入射側基板の屈折率をn3としたときに、これらn1,n2,n3が以下の両関係式
    n1≦n2+0.1
    n1≦n3+0.1
    を満足していることを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の光情報記録媒体。
  7. 前記n1,n2,n3は、以下の両関係式
    n1≦n2
    n1≦n3
    を満足していることを特徴とする請求項6記載の光情報記録媒体。
  8. 前記反射層と前記記録層の間に、前記反射層側から吸収層、反射層側保護層及び反射層側界面層をこの順に有し、
    前記記録層と前記光入射側保護層との間に光入射側界面層を有することを特徴とする請求項1から7の何れか1項記載の光情報記録媒体。
  9. 前記反射層は、AgまたはAlを主成分とし、
    前記吸収層は、Ge、CrまたはSiを主成分とし、
    前記反射層側保護層は、ZnS、Zr酸化物またはCr酸化物を主成分とし、
    前記反射層側界面層は、Ge、Cr、Zr、Si、Al、Teから選択される少なくとも1つの窒化物、窒酸化物若しくは酸化物、又はCを主成分とし、
    前記記録層は、GeとTeを主成分とし、
    前記光入射側界面層は、Ge、Cr、Zr、Si、Al、Teから選択される少なくとも1つの窒化物、窒酸化物若しくは酸化物、又はCを主成分とし、
    前記光入射側保護層は、Al酸化物、Si酸化物、Mg酸化物またはフッ化物を主成分とすることを特徴とする請求項8記載の光情報記録媒体。
  10. 前記反射層の膜厚は、50nm以上で且つ150nm以下であり、
    前記吸収層の膜厚は、20nm以上で且つ60nm以下であり、
    前記反射層側保護層の膜厚は、20nm以上で且つ60nm以下であり、
    前記反射層側界面層の膜厚は、1nm以上で且つ20nm以下であり、
    前記記録層の膜厚は、7nm以上で且つ10nm以下であり、
    前記光入射側界面層の膜厚は、1nm以上で且つ20nm以下であり、
    前記光入射側保護層の膜厚は、1nm以上で且つ50nm以下であることを特徴とする請求項8または9記載の光情報記録媒体。
  11. 前記反射層と前記記録層の間に、前記反射層側から吸収層及び反射層側保護層をこの順に有し、
    前記記録層と前記光入射側保護層との間に光入射側界面層を有することを特徴とする請求項1から7の何れか1項記載の光情報記録媒体。
  12. 前記反射層は、AgまたはAlを主成分とし、
    前記吸収層は、Ge、CrまたはSiを主成分とし、
    前記反射層側保護層は、ZnS、Zr酸化物またはCr酸化物を主成分とし、
    前記記録層は、GeとTeを主成分とし、
    前記光入射側界面層は、Ge、Cr、Zr、Si、Al、Teから選択される少なくとも1つの窒化物、窒酸化物若しくは酸化物、又はCを主成分とし、
    前記光入射側保護層は、Al酸化物、Si酸化物、Mg酸化物またはフッ化物を主成分とすることを特徴とする請求項11記載の光情報記録媒体。
  13. 前記反射層の膜厚は、50nm以上で且つ150nm以下であり、
    前記吸収層の膜厚は、20nm以上で且つ60nm以下であり、
    前記反射層側保護層の膜厚は、20nm以上で且つ60nm以下であり、
    前記記録層の膜厚は、7nm以上で且つ10nm以下であり、
    前記光入射側界面層の膜厚は、1nm以上で且つ20nm以下であり、
    前記光入射側保護層の膜厚は、1nm以上で且つ50nm以下であることを特徴とする請求項11または12記載の光情報記録媒体。
  14. レーザ光を用いて情報の記録及び再生が可能な光情報記録媒体を製造する方法であって、
    案内溝を有する基板の上に、少なくとも反射層、記録層、光入射側保護層をこの順に成膜した後、前記光入射側保護層に第1の樹脂層を介して光入射側基板を貼り合わせ、
    前記記録層と前記第1の樹脂層とが1nm以上で且つ50nm以下の間隔を有して形成されていることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  15. 前記記録層と前記第1の樹脂層とが20nm以上で且つ50nm以下の間隔に形成されていることを特徴とする請求項14記載の光情報記録媒体の製造方法。
  16. レーザ光を用いて情報の記録及び再生が可能な光情報記録媒体を製造する方法であって、
    案内溝を有する基板の上に、少なくとも反射層、記録層、光入射側保護層をこの順に成膜した後、前記光入射側保護層の上に第1の樹脂層を形成し、この第1樹脂層に第2の樹脂層を介して光入射側基板を貼り合わせ、
    前記記録層と前記第1の樹脂層とが1nm以上で且つ50nm以下の間隔を有して形成されていることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  17. 前記記録層と前記第1の樹脂層とが20nm以上で且つ50nm以下の間隔に形成されていることを特徴とする請求項16記載の光情報記録媒体の製造方法。
  18. 前記第1の樹脂層の厚みは、1μm以上で且つ20μm以下であることを特徴とする請求項14から17の何れか1項記載の光情報記録媒体の製造方法。
  19. 情報再生のために照射される前記レーザ光の波長における前記光入射側保護層の屈折率をn1とし、同波長における前記第1の樹脂層の屈折率をn2とし、同波長における前記光入射側基板の屈折率をn3としたときに、これらn1,n2,n3が以下の両関係式
    n1≦n2+0.1
    n1≦n3+0.1
    を満足していることを特徴とする請求項14から18の何れか1項記載の光情報記録媒体の製造方法。
  20. 前記n1,n2,n3は、以下の両関係式
    n1≦n2
    n1≦n3
    を満足していることを特徴とする請求項19記載の光情報記録媒体の製造方法。
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