JP2005092987A - 光学ピックアップ収差補正ミラー、収差補正方法、および光学ピックアップ - Google Patents

光学ピックアップ収差補正ミラー、収差補正方法、および光学ピックアップ Download PDF

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Abstract

【課題】小型、省電力、低電圧、安価で、精度の優れた収差補正ミラーを提供する。特に球面収差を補正する実用的なミラーを提供する。
【解決手段】基板16と、圧電体3と、前記圧電体3をはさむ一対の電極膜と、弾性体4と、光学反射膜29から構成され、前記基板16は光軸に関して概略対称形のキャビティ部33をもち、前記一対の電極膜がそれぞれ第一電極5,8および第二電極6,9の少なくとも二つに分割され、第一電極5,8は光軸に関して概略対称形であり、第二電極6,9は第一電極5,8を囲むように配置し、圧電体3における第一電極と第二電極の部分では、分極の方向が互いに反対になるように分極処理する。
【選択図】図4

Description

本発明は、光学装置や光ディスク装置の光学ピックアップ、特にその波面収差補正ミラーに関する。
光ディスクを用いた情報記録媒体として、コンパクトディスク(CD)やデジタルビデオディスク(DVD)などがある。近年、光ディスク装置においては複数の記録媒体を同じ光ディスク装置で読み書きする構成が一般的となっており、従来よりもさらに光ディスク装置を小型につくる技術が必要となっている。特に、ノート型PC用の光ディスク装置は小型・薄型の必要性が高まっている。また、マルチメディア技術の発展に合わせて、年々光ディスクへの記憶もしくは記録容量への要求は増大する傾向にあり、(1)従来よりも波長の短い青色レーザーを用いる、(2)対物レンズの開口数(NA)を大きくする、などの手段による記録密度の向上が図られ、しかも、(3)メディアにおける記録層を複数にすることによる記録面積の増加が図られ、大容量化を達成している。
光ディスク装置には、レーザー光源、光学ピックアップ、受光素子等が設けられる。レーザー光源から出射されたレーザービームは光学ピックアップを通して、光ディスクのデータ面へ集光し、反射された後、受光素子によって受光され、光ディスクに記録された情報が読み取られ、或いは光ディスクに情報が書き込まれる。この際にビームの波面はさまざまな光学部品や光ディスクによって収差を受けるので、情報を正しく読み書きするためには収差補正が不可欠である。特に、光ディスクの回転中や、異なる層を読み替える際などに生じるダイナミックな収差に関しては、光学ピックアップを構成するレンズや回折光学素子による固定的な補正手段は不適当であり、アクチュエータによる動的補正が不可欠である。
以下に従来提案された収差補正手段について、先行文献を用いて概説する。
(特許文献1)記載の方法においては、補正レンズをアクチュエータにより動かすことによって球面収差が補正される。しかしながら、この方法はアクチュエータ部が大きく、余分なレンズが必要で、PC用途など小型化の要求の大きな光学ピックアップには不向きであった。
(特許文献2)記載の方法においては、コリメータレンズの一方をアクチュエータによって動かすことにより球面収差を補正する方法が開示されているが、同様に、アクチュエータ部が大きく、余分なレンズが必要で、PC用途など小型化の要求の大きな光学ピックアップには不向きであるという問題点を有していた。
(特許文献3)記載の収差補正ミラーは、初期形状が球面をしているミラーに柔らかい材質を用いたフランジを接着し、さらに、そのフランジの背面に圧電素子を貼りつける構成であり、圧電素子の変形によりミラーの曲率を変化させるものである。しかしながら、この方法においては、小さなミラーを精度よく安価に作成することが困難であること、フランジや圧電素子を接着する際にミラーが変形してしまうこと、などの問題点を有していた。また、仮に、接着が精度よく行われたとしても、ここで提案されるベタ電極による電極と、周囲を完全に固定された圧電素子の構成と、実用的な電圧の大きさの範囲では、圧電素子の変形量は著しく小さく、収差補正に必要な変形量が得られないといった問題点もあった。さらに、仮に変形したとしても、任意の球面形状に変形させることが難しいとい
う問題点があった。ここで、実用的な電圧の大きさというのは、絶縁性や分極効率などからくる電圧の上限値よりも小さい電圧を指す。加えて、バルクの圧電素子を用いているために、駆動電圧が50V程度と比較的高い電圧を必要とするという問題点があった。
(特許文献4)記載の方法では、長方形の圧電素子において、対向する一対の辺を固定し、他の一対の辺を自由にした構成で電圧を印加することにより、圧電素子を変形させて、コマ収差を減ずる方法が開示されている。しかしながらこの方法においては圧電素子の形状が基本的に梁形状となるので、いかに複数の電極を組み合わせても、球面収差を補正することができないという問題があった。
(特許文献5)記載の方法においては、コマ収差に対応した形状の電極を圧電素子上に形成し、電圧を印加することにより圧電素子を変形させ、コマ収差を軽減する例が示されている。しかしながら、この方法においても、圧電素子の周囲を固定してしまうと、実用的な電圧の大きさの範囲では、実際には変位が非常に小さく、収差補正に足りる程度の変位が得られず、特に高いNAを持つ対物レンズを用いた光学ピックアップドライブには適さないという問題があった。
以上述べたように、先行例においてはレンズの位置を機械的に動かす(特許文献1、2)、或いはミラーを機械的に変形させる(特許文献3、4、5)といった方法によってビームの波面収差を補正することが提案された。前者の例においては、レンズの位置を変化させるための駆動装置が大きく、小型化の要求を満たさないという問題点があった。一方、後者の例においては、圧電素子を用いるため、小型化の要求は満たすが、変形量が小さいという問題点があった。ここで、この問題点を説明するために、圧電素子の基本的な作用について図18を用いて説明する。圧電体は電気機械エネルギー変換素子であり、電界が与えられると機械的応力を発生し、弾性変形を生ずる。圧電体に弾性体を接合すると、このような圧電体の作用により、各々の材質の材料物正(弾性)に応じて全体が変形する。図18に電圧を印加する前と印加した後の圧電体の変形の様子を斜視図で示す。電界を印加する前の圧電体1は直方体で、直交座標系に対して図18に示されるように配置されるものとする。また圧電体1はあらかじめ+z方向に分極処理されているものとする。このとき、圧電体1の圧電歪定数は、例として、いわゆるd形式で表わした(数1)のマトリックスで表されるものとする。
Figure 2005092987
このとき電界Eによる歪Sは、成分表示で
i = dijj
で表される。ここでインデックスはi=1,2,3,4,5,6であり、かつj=1,2,3をとる。図18のように、電界が+z方向であるときは、E3のみが非ゼロであるので、(数1)よりS1、S2、S3のみが非ゼロであり、しかも、S1のみが負で、S2、S3が正である。圧電素子に関する標記法の慣例にしたがえば、S1=Sxx、S2=Syy、S3=Szzであり、Sxxのみが負符号であるのでx方向に縮み、yおよびz方向に伸びることが分かる。図18における圧電体2は、電界が与えられた後のこの伸縮による変形形状を
概略示している。
図19は圧電体3と弾性体4を合わせて接合したユニモルフ型圧電素子の断面図を示している。圧電体3は上述と同様、+z方向に分極されているとする。圧電体3の下には弾性体4が接合する。図面左側端面の変位を完全に拘束し、他端を自由にする。図19(a)と(b)はそれぞれ、電界印加前と電界印加後の状態を示す。+z方向に電界を印加すると、上述の議論と同様に圧電体3はx方向に縮もうとするが、左端を固定されているので、弾性体4は曲げモーメントを受けて下に凸となり、結果的に+z方向に反り上がる。全体の変位は、前記圧電歪定数の他、圧電体と弾性体の弾性定数、および膜厚によって決定される。逆に−z方向に電界を印加すると、圧電体3はx方向に伸びようとするので、弾性体4は逆極性の曲げモーメントを受け、上に凸となり、−z方向に反る(図示しない)。
次に、圧電素子の両端において変位が拘束されている場合について説明する。図20は圧電体3と弾性体4を合わせて接合したユニモルフ型圧電素子の断面図を示している。一端のみを固定する場合とは異なり、両端とも完全固定する場合、図20のように曲げモーメントが発生しにくく、変位が著しく小さくなる。圧電体に印加する電界強度には絶縁破壊などの制限からくる実用的な上限が存在するので、そのような電界強度の範囲ではほとんど変形が現れないといってもよい。仮に、非常に小さな変位が得られたとしても、高いNA数をもつ対物レンズを用いた光学系や、波長が短い光学系の場合には、補正すべき収差の量は従来よりも大きく、補正に要求されるミラー形状の変位量は用いる光の波長の数倍から数十倍となるので、図20のような構成において、そのような大きな変位を得ることは不可能である。球面収差を補正するためには、まず第一にミラー形状が円であり、第二にそのミラーが球面に変形する必要がある。球面に変形するためにはミラー形状の光軸まわりの対称性が非常に重要である。従って、円形ミラーを軸対称に力学的に保持するためにはミラー円周を完全に固定する必要がある。然るに、上記の説明から、円周を完全固定された圧電素子ミラーは明らかに変位が著しく小さい。従って、従来の技術における方法では圧電素子によって収差補正を達成することは困難であった。
特開平10−241201号公報 特開平10−134400号公報 特開平10−039122号公報 特開2001−34993号公報 特開2002−279677号公報
本発明が解決しようとする課題は、小型、省電力、低電圧、安価で、精度の優れた収差補正ミラーを提供することである。特に球面収差を補正する実用的なミラーを提供することを目的とする。
そのため、本発明は、基板と、圧電体と、前記圧電体をはさむ一対の電極膜と、弾性体と、光学反射膜から構成され、前記基板は光軸に関して概略対称形のキャビティ部をもち、前記一対の電極膜がそれぞれ第一電極および第二電極の少なくとも二つに分割され、第一電極は光軸に関して概略対称形であり、第二電極は第一電極を囲むように配置し、圧電体における第一電極と第二電極の部分では、分極の方向が互いに反対になるように分極処理されることを特徴とする。この収差補正ミラーでは電極が円形であるので、変形した場合のミラー形状が球面となり、球面収差を補正するのに最適である。また、電極分割位置において変曲点が生成されるので、低い電圧で数ミクロン程度の大きな変位が得られるという効果がある。さらに、ミラー形状を楕円形にすることにより、ミラーに入射する光束
の角度が垂直の場合(この場合ミラー形状は円形)を含めて、すべての入射角において球面収差を補正することができるという効果を有する。
本発明の別の形態は、前記キャビティ部が円形であることを特徴とする。この構成により、特に光束がミラーに垂直入射する際の球面収差が効果的に補正されるという効果を有する。
本発明の別の形態は、前記第一電極形状が円形であることを特徴とする。この構成により、特に光束がミラーに垂直入射する際の球面収差が効果的に補正されるという効果を有する。
本発明の別の形態は、前記キャビティ部と第一電極形状が同心であることを特徴とする。この構成により、球面収差補正の精度が特に高くなるという効果を有する。
本発明の別の形態は、前記第一電極外径rと、前記第二電極外径Rの比r/Rが0.7以上1未満であることを特徴とする。比r/Rを略0.75に設定することにより、素子の外径にかかわらず、ある大きさの電圧を与えた場合に、最大の変位量が得られるという効果を有する。また、比r/Rが1に近づくにつれ、必要なあるミラー径に対して、素子全体のサイズが小さくなるので取り数が増加し、コストが安くなるという効果を有する。
本発明の別の形態は、ミラーの初期形状が概略平面であることを特徴とする。これにより、初期にミラー形状を形成する必要がなく、製作が容易であるという効果を有する。
本発明の別の形態は、前記第一電極からの引出し線が第一電極の軸に関して対称であることを特徴とする。この構成により、引出し線がミラー形状の対称性を破ることがないので、効果的な球面収差補正を行うことができる。
本発明の別の形態は、前記圧電体が薄膜であることを特徴とする。これにより、適性な大きさの圧電歪を得るのに、バルクに比べて小さな電圧ですむという効果を有する。特に数ボルトから10数ボルトで必要な変形量が得られるという効果を有する。
本発明の別の形態は、変形した圧電素子の第一電極だけをミラーとして用いることにより、球面形状の部分だけを選択的に使用することができ、最適な球面収差補正を行うことができる。
上記構成によって、反射面を精度良く変形させることができるので、収差特に球面収差を低減させることができ、光ピックアップとして用いた場合には、記録再生特性を向上させることができる。
請求項1記載の発明は、キャビティ部を有する基板と、前記キャビティ部に対向して設けられた圧電体と、前記圧電体をはさむ一対の電極膜と、前記キャビティ部に対向して設けられた弾性体と、前記キャビティ部に対向して設けられた光学反射膜とを備え、前記一対の電極膜がそれぞれ第一電極および第二電極の少なくとも二つに分割され、前記第二電極は前記第一電極を囲むように配置し、前記圧電体においては、前記第一電極間と前記第二電極間で、互いに異なる方向の分極処理がされることを特徴とする光ピックアップ収差補正ミラーであり、光学反射膜を精度良く変形させることができるので、特に球面収差を小さくすることができる。
請求項2記載の発明は、前記キャビティ部が円形であることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラーであり、一般的に入射される光束は断面円形状なので、光束のほぼ全体に渡って収差を補正できる。
請求項3記載の発明は、前記第一電極が円形であることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラーであり、一般的に入射される光束は断面円形状なので、光束のほぼ全体に渡って収差を補正できる。
請求項4記載の発明は、前記キャビティ部および前記第一電極が互いに同心であることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラーであり、収差を確実に補正できる。
請求項5記載の発明は、前記第一電極外径rと、前記第二電極外径Rの比r/Rが0.7以上1未満であることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラーであり、効率的に反射膜を変形させることができ、製造の際の素子の取れ量も多くなるので、コスト面でも有利である。
請求項6記載の発明は、ミラーの初期形状が概略平面であることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラーであり、反射膜の初期状態を特定できるので、精度良い動作を実現できる。
請求項7記載の発明は、前記第一電極からの引出し線が第一電極の軸に関して対称であることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラーであり、精度良く反射膜を変形させることができる。
請求項8記載の発明は、前記圧電体が薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラーであり、比較的低電圧でも駆動可能となるので、省電力を実現できる。
請求項9記載の発明は、前記反射膜において、前記第一電極に対応する部分、もしくはその内側をミラーとして利用することを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラーにより、確実に収差を低減させることができる。
請求項10記載の発明は、キャビティ部は光軸に関して概略対称形としたことを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ収差補正ミラーであり、確実に収差を低減させることができる。
請求項11記載の発明は、第一の電極は光軸に関して概略対称形としたことを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ収差補正ミラーであり、確実に収差を低減させることができる。
請求項12記載の発明は、光源と、前記光源から出射された光を媒体に導く光学系と、媒体からの反射光もしくは、光源から出射された光の少なくとも一方の光が導かれ、光信号を電気信号に変換する受光手段とを備え、前記光学系に請求項1〜11いずれか1記載の光学ピックアップ収差補正ミラーを設け、前記受光手段からの出力に基づいて前記光学ピックアップ収差補正ミラーを駆動し、収差を低減させることを特徴とする光学ピックアップ収差補正方法であり、タイムリーに収差を低減させる動作を実現できるので、光学特性を向上させることができる。
請求項13記載の発明は、前記第一電極の外径rと前記第二電極の外径Rの比r/Rが
0.7以上1未満であることを特徴とする請求項12に記載の光学ピックアップ収差補正方法であり、効率的に反射膜を変形させることができ、製造の際の素子の取れ量も多くなるので、コスト面でも有利である。
請求項14記載の発明は、光源と、前記光源から出射された光を媒体に導く光学系と、媒体からの反射光もしくは、光源から出射された光の少なくとも一方の光が導かれ、光信号を電気信号に変換する受光手段とを備え、前記光学系に請求項1〜11いずれか1記載の光学ピックアップ収差補正ミラーを設けたことを特徴とする光学ピックアップであり、タイムリーに収差を低減させる動作を実現できるので、光学特性を向上させることができる。
請求項15記載の発明は、キャビティ部を有する基板と、前記キャビティ部に対向して設けられた圧電体と、前記圧電体をはさむ一対の電極膜と、前記キャビティ部に対向して設けられた弾性体と、前記キャビティ部に対向して設けられた光学反射膜とを備え、前記一対の電極膜がそれぞれ第一電極および第二電極の少なくとも二つに分割され、前記第二電極は前記第一電極を囲むように配置し、前記第一電極間と前記第二電極間には、前記圧電体における電界の方向が互いに反対になるような電位が与えられることを特徴とする光学装置用の収差補正ミラーであり、光学反射膜を精度良く変形させることができるので、特に球面収差を小さくすることができる。
(実施例1)
以下、本発明の一実施の形態について、図1、図2、図3を用いて基本的構成を説明する。図1は圧電体3と弾性体4を合わせて接合した梁形状におけるユニモルフ型圧電素子の模式的な断面図を示している。圧電体3は+z方向に分極している。従来の技術に対して、本発明においては、分極方向は一方向でなく、図中左側の領域で+z方向、右側の領域で−z方向に分極処理する。このとき、図面左側の領域では、下に凸となり、図面右側の領域においては上に凸となることが前述の説明より理解される。したがって、両領域の境界付近に変曲点が発生する。このことを利用して、図2のように交互に反転した分極分布を与えると、中央部で上に凸、両端部で下に凸の形状となるように曲げモーメントが発生して変曲点が2箇所できるため、両端が拘束されている場合においても大きな変位を得ることができる。同様の方法を用いて、いくらでも変曲点をつくることができるので、実用的な変位量をもち、さまざまな収差に対応できる形状のミラーをつくることが可能である。図3は同様の効果を円形状で実現するためのひとつの形態を示す模式図であり、平面図、および中心を通る断面図を示す。圧電体3の上部には上部電極が、下部には下部電極が形成される。上部電極は絶縁部7により上部第一電極5および上部第二電極6に分割される。同様に下部電極も絶縁部7により下部第一電極8および下部第二電極9に分割される。この構成により、上部電極及び下部電極におけるそれぞれの第一電極と第二電極の領域において、互いに極性の異なる電界を印加することにより、互いに異なる方向に分極処理することが可能であり、前述のように大きな変位を得ることができるという効果を有する。また、本実施の形態では、絶縁部7は空間的なギャップを設けて構成したが、このギャップ内に二酸化シリコンやアルミナなどの絶縁材料を埋設して絶縁部7を構成しても良い。なお、以下で説明する第一電極及び第二電極と表現する場合には、第一電極は上部第一電極5と下部第一電極8の少なくとも一方を示し、第二電極は上部第二電極6と下部第二電極9の少なくとも一方を示す。
次に光学ピックアップの基本的な構成例を図16に示す。光源47から発せられた光束はビームスプリッター49を透過し、立ち上げミラーを兼用する収差補正ミラー48で反射され、対物レンズ41を通って、光ディスク42に結像する。そこで反射した光は収差補正ミラーで反射して、ビームスプリッター49を反射して受光素子40において電気信号に変換される。この構成においては、光束は収差補正ミラー48に45度入射する。収
差補正ミラー48はドライバ50から制御電圧を供給される。ドライバ50は球面収差量を検知するモニター用受光素子(図示しない)や受光素子40等の受光手段の内で少なくとも一つからの信号をもとに、制御電圧の値を定め、収差補正ミラーの曲率を変化させることができる。特に、光源47から出射される光が青から青紫の短波長の光の場合上記構成は特に有用である。
別の形態における光学ピックアップの構成を図17に示す。光源47から発せられた光束は偏光ビームスプリッター44を透過し、立ち上げミラー45を反射し、1/4波長板43および対物レンズ41を経て光ディスク42上で集光する。その後、光ディスク42を反射した光は偏光状態を90度変え、立ち上げミラー45を経て、偏光ビームスプリッター44で反射され、もう一枚の1/4波長板43を透過し収差補正ミラー48で反射され、再び1/4波長板を透過して偏光状態を90度変えた後、偏光ビームスプリッター44を透過して、受光素子40において電気信号に変換される。収差補正ミラー48はドライバ50から制御電圧を供給される。ドライバ50は球面収差量を検知するモニター用受光素子(図示しない)や受光素子40等の受光手段の内で少なくとも一つからの信号をもとに、制御電圧の値を定め、収差補正ミラーの曲率を変化させることができる。特に、光源47から出射される光が青から青紫の短波長の光の場合上記構成は特に有用である。
次に、本発明の一実施の形態における収差補正ミラーの具体構成について、図4、図5、図6を用いて説明する。図4は収差補正ミラーの層構成を示す断面図である。図4において、基板16にはキャビティ部33が形成される。層構成は下から順にキャビティ部33内に設けられた反射膜29、キャビティ部33を覆うように設けられ反射膜29及び基板16に接合した弾性体4、弾性体4の上の略同一平面で設けられた下部第一電極8及び下部第二電極9、下部第一電極8及び下部第二電極9を覆うように弾性体4の上に設けられた圧電体3、圧電体3の上の略同一平面に設けられた上部第一電極5及び上部第二電極6、上部第一電極5及び上部第二電極6を覆うように圧電他3条に設けられた弾性体4が配置され、キャビティ部33の直径内の範囲では膜が自由に変形することができる。キャビティ部33の円周は膜の変位を拘束する固定境界の役割をもち、このキャビティ部33は基板16の一部を取り除き、凹部を形成することで、基板16の他の部分よりも薄くして設けられる。図5は下部電極平面図を示す。下部電極は、絶縁部7によって、円形の下部第一電極8および、下部第一電極と同心で環状の下部第二電極9の二つの電極に分割される。下部第一電極8からは電極パッド20へ、下部第二電極9からは電極パッド21へ結線される。図6は上部電極平面図を示す。上部電極も下部電極と同様の形状に分割され、上部第一電極5、上部第二電極6、および絶縁部7から構成される。上部第一電極5と上部第二電極6からはそれぞれ電極パッド25、26へ配線が引き回される。上部電極および下部電極のいずれにおいても第二電極には一部に電極を非配置とした部分が設けられ、この電極の非配置の部分を通って、第一電極から引き出された配線が設けられており、第二電極は環状であり、しかも略C字型となっている。
次に上記構成を作製する例について説明する。まず、平板状の基板16の一面に弾性体4,下部第一電極8及び下部第二電極9を形成し、その上に圧電体3を形成し、圧電体3の上に上部第一電極5及び上部第二電極6を形成し、その上に弾性体4を設ける。その後に、前記積層膜を形成した基板16の面と反対側の面にフォトリソグラフ技術などを用いてパターニングし、ドライエッチングやウエットエッチングを行って、基板16側の弾性体4がむき出しになるまで、加工する。その後に弾性体4にエッチングを行った側から反射膜29を形成する。
また、他の方法としては、上記工程において、弾性体4がむき出しになるまでエッチングせず、エッチング部分に基板16の一部を残す。この基板16の一部は非常に薄く形成されるので、容易に変位可能とすることができる。上述と同様に基板16の薄くなった部
分に反射膜29を形成する。
更に他の方法として、上記積層膜を別基板上に形成し、しかも基板16にキャビティ部33となる貫通孔もしくは凹部を形成し、その後に別基板を基板16に押し当て上記積層膜を基板16のキャビティ部33を覆うように転写する方法でも良い。
なお、本実施の形態では、キャビティ部33は上記積層膜が設けられている側と反対側が断面積が大きく、上記積層膜側は断面積が小さくなるように構成することで、光を効率よく反射膜29に導くことができるが、仕様などによっては、キャビティ部33は同一断面積で構成しても良いし、上記積層膜側の断面積を大きく、反対側の断面積を小さくしても良い。本実施の形態では、キャビティ部33の断面形状を円形としたので、上記積層膜側の断面の直径が小さく、その反対側の断面の直径が大きくなるように構成されている。
また上記構成において、上部第一電極5と下部第二電極9を接地し、上部第二電極6と下部第一電極8に電圧Vを与えた場合の、反射膜の変位の等高線(a)および変位図(b)を図7に示す。図中C、C'およびD、D'はそれぞれ絶縁部、およびキャビティ部円周の位置に対応する。D,D'の位置がキャビティ円周であり、ここで変位が拘束されているので変位がゼロである。変位はC−D、C'−D'に対応する環状部において下に凸で、C、C'の境界を境にC−C'の径に対応する部分において上に凸となる。このように電極の分割位置を境に曲率の符号が逆転する理由は先に説明した通りである。球面収差の補正には一般に球面形状が必要であるが、C−C'における曲面形状は球面形状となっている。したがって、本発明においては、C−C’における曲面部分、すなわち、第一電極の形状に対応する反射膜の部分、もしくはその内側を用いる。これにより、非常に精度の高い収差補正を実現することが可能となる。
図8は収差ミラーに光ビームが斜め入射する場合において好ましく適用される収差補正ミラーにおける上部電極とキャビティ部33の形状の一例を示す(引出し電極および引回し電極は図示しない)。上部電極(図8(a))、およびキャビティ部33(図8(b))は同心の楕円形を形成する。この構成により、斜め入射光に対しても効果的に球面収差を補正することができる。下部電極は上部電極と同形である(以後、上部電極のみを用いて電極形状について説明する。)。なお、第一電極とキャビティ部の形状は光軸に関する対称性があればかならずしも(楕)円形である必要はない。例えば、図9に示すように、正六角形であってもよい。図9(a)、(b)はそれぞれ上部電極およびキャビティ部を示す(引出し電極および引回し電極は図示しない)。図10に図9の構成における変位の等高線およびE−E’断面における変位量のグラフを示す。中心軸を通る各断面において変位は2次と高次の偶数項で表される形状となる。C、C'は第一電極と第二電極を絶縁する分割位置に対応する場所である。また、D、D'はキャビティ部33の周に対応する場所である。全体の変位の等高線はキャビティ部の周辺部で正六角形の形を反映するが、中心に向かうとともに、円に収束していく様子がわかる。本発明によれば、第一電極の内部をミラー部として使用するので、電極形状が六角形であっても、良好に球面収差を補正することが可能である。
このように、第一電極とキャビティ形状はいかなる正多角形であってもよい。また、第一電極とキャビティ形状は中心軸に対する何らかの対称性を有していれば必ずしも同形でなくともよい。たとえば、第一電極が円形で、キャビティ形状が正六角形であっても、本発明によれば同様の効果が得られる。
キャビティ部の円周によって変位が拘束されるので、第二電極の形状は本質的に重要な役割を果たさない。従って、少なくとも、キャビティ部と同形か、もしくはキャビティ部を完全に包含するような形状であればいかなる形状であっても本発明の効果を減じない。
なお、第一電極から電極パッドまでの配線部は中心軸から放射状に何本配設してもよい。図11では中心軸に関して4回対称になるように4本出している(引回し線は図示しない)。8回対称で8本引き出すことも可能である。できるだけ少ない本数で対称性を高くするように引出し線を配設することが好ましい。また、引回し線はキャビティ部分よりも外側に配置するので、いかなる幾何形状も本発明による効果を減じない。
以下に、汎用解析ソフトANSYSを用いて計算した計算例を示す。キャビティを半径2mmの円とし、キャビティ部上の厚み10.7μmの円柱を解析領域とした。層構造は下から、SiO2(弾性体):1μm、Ti(下部電極):0.2μm、PZT(圧電体):3μm、Cr(上部電極):0.5μm、SiO2(弾性体):1μm、Ni(弾性体):5μmの構成とした。上部電極、下部電極とも20μmの環状絶縁部によって第一電極と第二電極に分割した。第一電極はキャビティ部と同心の半径1.49の円(柱)であり、第二電極は内半径1.51mm、外半径2.0mmの環状(柱)とした。上部第一電極5に0V、下部第一電極8に10V、上部第二電極6に10V、下部第二電極9に0Vを与えて圧電解析を行い、図12のような変位を得た。図12はキャビティ部33全体において、中心軸を通るある断面における変位量を表す。第一電極の内部、つまり、−1.49から+1.49の範囲において、球面形状が得られていることが分かる。図13は同様の構成で4、5、6Vの電位差を与えた場合の変位データを最大変位部(中心)を原点として変位の絶対値をプロットしたグラフを示し、ミラー部(反射膜29)だけの変位形状と変位量を示している。このように、電位差の大きさを変化させることにより、異なる形状係数をもつ球面形状が得られる。
さらに、同じ構成において、上部電極のキャビティ部33の半径方向における分割位置をキャビティ半径に対して1/8、2/8、3/8、4/8、5/8、6/8、7/8と変えた場合のキャビティ部33全体の径方向における変位図を図14に示す。位置はキャビティ半径で規格化してある。■は電極分割位置を示す。このように、電極の分割位置を変化させることによっても変位量および変形形状を変化させることができる。図15は、電極の分割位置に対するキャビティ部とミラー部それぞれにおける最大変位量の関係を示す。これにより、ミラー部(反射膜29)変位量が分割比r/R=0.75近傍で極大であることを発見した。ここでrおよびRはそれぞれミラー半径とキャビティ半径である。すなわち、電極分割比r/Rが0.7〜0.8の範囲で特に効率よく大きな変形量を得ることを見出した。一方で、ミラー部(反射膜29)を半導体プロセスにより作成し、ウェハーから切り出す場合を考えると、ミラー径を確定した場合、ミラーの取り数は分割比r/Rが1に近いほど大きくなり、コストが安価になる。従って、ミラーの変形効率とコストを最適化させるためには、電極分割比r/Rがおよそ0.7以上1未満であることが好ましいということが導かれる。また、キャビティ径1.5mm、1mmでも同様の解析を行い図15と同様の結果を得た。さらに、図9に示すような六角形のキャビティと電極形状においても、六角形の外接円について分割比r/Rを定義すると、同様に0.7〜0.8の範囲でミラー部変位量の最大値を得た。以上からミラー径とキャビティ径の比を0.7以上1未満にとることで、およそ任意の形状と任意のサイズにおいて最も効率的で安価な収差補正ミラーを提供することができる。
なお、上記の例は、好適な例を示したにすぎない。本発明を用いる限り、実用的ないかなる圧電体3、弾性体4を用いてもダイナミックな球面収差を効果的に補正することができる。たとえば、圧電体3としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)をはじめ、水晶、LiLiNbO3、LiTaO3、KNbO3、ZnO、AlN、Pb(Zr,Ti)O3、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等を用いることができる。また、弾性体4としてはNi、Ti、Cu、Cr、Au、Pt、金属、また、第一電極とキャビティ部33に関しては、中心軸に関して、ある程度の対称性がありさえすればいかなる形状でも球面収差を効
果的に補正することが可能である。第二電極はキャビティ部33と同形か、もしくはキャビティ部33を包含する形状であれば、配線ができる範囲で、まったく任意である。また、上部電極を共通電極とし、下部電極を分割しても、まったく同じ効果が得られることは明らかである。さらに、上部電極、下部電極の両方を分割してもよい。
なお、本実施の形態では、光ピックアップについて説明したが、その他の光学装置などにも当然応用が可能である。
以上述べたように、本発明によれば、非常に小型で、省電力で、応答性にすぐれた、精度の高い球面収差補正を行うことができるので、CD/DVDドライブレコーダ、デコーダ、CD/DVDドライブなどに用いられる光学ピックアップ、特に、青色レーザーを用いた光学ピックアップや収差の補正が必要な光学装置に利用可能である。
本発明による収差補正ミラーの動作原理を示す図 本発明による収差補正ミラーの動作原理を示す図 本発明による収差補正ミラーの模式的に示す図 本発明による収差補正ミラーの断面図 本発明による収差補正ミラーにおける下部電極の平面図 本発明による収差補正ミラーにおける上部電極の平面図 本発明による収差補正ミラーの変位等高線図と変位を示す図 本発明の別の形態における上部電極とキャビティ部の平面図 本発明の別の形態における上部電極とキャビティ部の平面図 本発明における収差補正ミラーの変位図 本発明の別の形態における上部電極の平面図 本発明の実施例における変位を示す図 本発明による実施例におけるミラー部の変位を示す図 本発明による実施例における変位図 本発明による収差補正ミラーの最大変位量を示す図 本発明による光学ピックアップの光路を示す図 本発明による別の形態における光学ピックアップの光路を示す図 圧電素子の動作を示す斜視図 圧電素子の動作を示す断面図 従来の収差補正ミラーの動作を示す圧電素子の断面図
符号の説明
1 電圧印加(変形)前の圧電素子
2 電圧印加(変形)後の圧電素子
3 圧電体
4 弾性体
5 上部第一電極
6 上部第二電極
7 絶縁部
8 下部第一電極
9 下部第二電極
16 基板
20 下部第一電極パッド
21 下部第二電極パッド
25 上部第一電極パッド
26 上部第一電極パッド
29 反射膜
33 キャビティ部
40 受光素子
41 対物レンズ
42 光ディスク
43 1/4波長板
44 偏光ビームスプリッター
45 立ち上げミラー
47 光源
48 収差補正ミラー
49 ビームスプリッター
50 ドライバ

Claims (15)

  1. キャビティ部を有する基板と、前記キャビティ部に対向して設けられた圧電体と、前記圧電体をはさむ一対の電極膜と、前記キャビティ部に対向して設けられた弾性体と、前記キャビティ部に対向して設けられた光学反射膜とを備え、前記一対の電極膜がそれぞれ第一電極および第二電極の少なくとも二つに分割され、前記第二電極は前記第一電極を囲むように配置し、前記第一電極間と前記第二電極間では、前記圧電体における分極の方向が互いに反対になるように分極処理されていることを特徴とする光ピックアップ収差補正ミラー。
  2. 前記キャビティ部が円形であることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラー。
  3. 前記第一電極が円形であることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラー。
  4. 前記キャビティ部および前記第一電極が互いに同心であることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラー。
  5. 前記第一電極外径rと、前記第二電極外径Rの比r/Rが0.7以上1未満であることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラー。
  6. ミラーの初期形状が概略平面であることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラー。
  7. 前記第一電極からの引出し線が第一電極の軸に関して対称であることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラー。
  8. 前記圧電体が薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラー。
  9. 前記反射膜において、前記第一電極に対応する部分、もしくはその内側をミラーとして利用することを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ収差補正ミラー。
  10. キャビティ部は光軸に関して概略対称形としたことを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ収差補正ミラー。
  11. 第一の電極は光軸に関して概略対称形としたことを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ収差補正ミラー。
  12. 光源と、前記光源から出射された光を媒体に導く光学系と、媒体からの反射光もしくは、光源から出射された光の少なくとも一方の光が導かれ、光信号を電気信号に変換する受光手段とを備え、前記光学系に請求項1〜11いずれか1記載の光学ピックアップ収差補正ミラーを設け、前記受光手段からの出力に基づいて前記光学ピックアップ収差補正ミラーを駆動し、収差を低減させることを特徴とする光学ピックアップ収差補正方法。
  13. 前記第一電極の外径rと前記第二電極の外径Rの比r/Rが0.7以上1未満であることを特徴とする請求項12に記載の光学ピックアップ収差補正方法。
  14. 光源と、前記光源から出射された光を媒体に導く光学系と、媒体からの反射光もしくは、
    光源から出射された光の少なくとも一方の光が導かれ、光信号を電気信号に変換する受光手段とを備え、前記光学系に請求項1〜11いずれか1記載の光学ピックアップ収差補正ミラーを設けたことを特徴とする光学ピックアップ。
  15. キャビティ部を有する基板と、前記キャビティ部に対向して設けられた圧電体と、前記圧電体をはさむ一対の電極膜と、前記キャビティ部に対向して設けられた弾性体と、前記キャビティ部に対向して設けられた光学反射膜とを備え、前記一対の電極膜がそれぞれ第一電極および第二電極の少なくとも二つに分割され、前記第二電極は前記第一電極を囲むように配置し、前記第一電極間と前記第二電極間では、前記圧電体における分極の方向が互いに反対になるように分極処理され、前記第一電極間と前記第二電極では前記圧電体における電界が同一方向であるように電位が与えられて駆動されることを特徴とする光学装置用の収差補正ミラー。
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