以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
本発明によれば、コンテンツの配信方法が提供される。このコンテンツの配信方法は、1以上の情報処理装置からなる、コンテンツのデータを配信するサーバシステム(例えば、図1のEMDサーバ3、または、図28のショップサーバ301−1乃至課金サーバ301−7からなるEMDサーバシステム301)と、前記サーバシステムから配信された前記コンテンツのデータを取得するクライアント(例えば、図1または図28のEMDクライアント1)とからなるコンテンツ配信システムのコンテンツ配信方法である。詳細には、前記クライアントは、1以上の前記コンテンツのそれぞれを特定するコンテンツ情報(例えば、コンテンツの名称、ID、または、コンテンツのデータが存在するURLアドレス等)を含むリスト(例えば、図13に示されるようなHTML文章221(楽曲紹介ページのHTML文章221)として構成されるリストであって、表示装置に表示された場合(表示は必須ではない)、図5に示されるようなリストである)を前記サーバシステムに要求し(例えば、図24のステップS42の処理を実行し)、前記サーバシステムは、前記クライアントから要求された前記リストを前記クライアントに送信し(例えば、図24のステップS205の処理を実行し)、前記クライアントは、受信した前記リストに含まれる1以上の前記コンテンツ情報のうちの第1のコンテンツ情報により特定される前記コンテンツ(例えば、図6の図中一番上の楽曲情報ページ91において、カーソル92が配置された楽曲)を注目コンテンツ(例えば、後述する注目楽曲、またはフォーカスが設定された楽曲)に設定し、ユーザより前記注目コンテンツの変更の指示がなされた場合(例えば、図6に示されるように、図2の下方ボタン45が押下された場合)、前記リストに含まれる1以上の前記コンテンツ情報のうちの第2のコンテンツ情報により特定される前記コンテンツ(例えば、図6の図中上から2番目の楽曲情報ページ91において、カーソル92が配置された楽曲)を前記注目コンテンツに再設定し、設定または再設定された前記注目コンテンツの試用データを前記ユーザの操作を介在することなく前記サーバシステムに要求し(例えば、図24のステップS83の処理を実行し)、前記サーバシステムは、前記クライアントから要求された前記注目コンテンツの前記試用データを前記クライアントに送信し(例えば、図24のステップS207の処理を実行し)、前記クライアントは、受信した前記試用データに対応する前記注目コンテンツを前記ユーザの操作を介在することなく再生し、前記試用データに対応する前記注目コンテンツを再生している間に、前記ユーザから前記注目コンテンツの取得の指示がなされた場合(例えば、図7に示されるように、図7の図中一番上の楽曲情報ページ91において、カーソル92が配置された楽曲が図2のスピーカ21から再生されている最中に、図2のENTERキー43が2回押下された場合)、前記注目コンテンツの正式データを前記サーバシステムに要求し(例えば、図25のステップS102の処理を実行し)、前記サーバシステムは、前記クライアントから要求された前記注目コンテンツの前記正式データを前記クライアントに送信する(例えば、図25のステップS244の処理を実行する)ことができる。
本発明によれば、コンテンツ取得装置が提供される。このコンテンツ提供装置(例えば、図2と図3のEMDクライアント1)は、1以上の情報処理装置からなるサーバシステム(例えば、図1のEMDサーバ3、または、図28のショップサーバ301−1乃至課金サーバ301−7からなるEMDサーバシステム301)から配信された前記コンテンツのデータを取得するコンテンツ取得装置であって、前記サーバシステムとの間で情報を送受信する通信手段(例えば、図2と図3の通信部19)と、1以上の前記コンテンツのそれぞれを特定するコンテンツ情報を含むリストを要求する第1の要求情報(例えば、図13に示される楽曲紹介ページ221の情報のリクエスト)を、前記通信手段から前記サーバシステムに送信させ、その後、前記サーバシステムから前記第1の要求情報の応答として送信されてきた前記リストを前記通信手段に受信させる制御を実行する第1の通信制御手段(例えば、図3のリスト取得部71)と、前記第1の通信制御手段の制御により前記通信手段に前記リストが受信された場合、前記リストに含まれる1以上の前記コンテンツ情報のうちの第1のコンテンツ情報により特定される前記コンテンツを注目コンテンツに設定し、ユーザより前記注目コンテンツの変更の指示がなされたとき、前記リストに含まれる1以上の前記コンテンツ情報のうちの第2のコンテンツ情報により特定される前記コンテンツを前記注目コンテンツに再設定する設定手段(例えば、図3のフォーカス設定部72)と、前記設定手段により設定または再設定された前記注目コンテンツの試用データを要求する第2の要求情報(例えば、図13のHTML文章221の9行目のSAMPLEDATAタグ(<SAMPLEDATA>と</SAMPLEDATE>)に挟まれたURLアドレスにアクセスするときに送信するアクセス要求等)を、前記通信手段から前記サーバシステムに送信させる制御を前記ユーザの操作を介在することなく実行し、その後、前記サーバシステムから前記第2の要求情報の応答として送信されてきた前記注目コンテンツの前記試用データを、前記通信手段に受信させる制御を実行する第2の通信制御手段(例えば、図3のコンテンツ試用データ取得部74)と、前記第2の通信制御手段の制御により前記通信手段に受信された前記試用データに対応する前記注目コンテンツを前記ユーザの操作を介在することなく再生する再生手段(例えば、図3の再生部75)と、前記再生手段により前記試用データに対応する前記注目コンテンツが再生されている間、前記ユーザから前記注目コンテンツの取得の指示がなされた場合、前記注目コンテンツの正式データを要求する第3の要求情報(例えば、図13のHTML文章221の12行目のCONTENTDATAタグ(<CONTENTDATA>と</CONTENTDATA>)に挟まれたURLアドレスにアクセスするときに送信するアクセス要求等)を、前記通信手段から前記サーバシステムに送信させ、その後、前記サーバシステムから前記第3の要求情報の応答として送信されてきた前記注目コンテンツの前記正式データを、前記通信手段に受信させる制御を実行する第3の通信制御手段(例えば、図3のコンテンツ正式データ取得部76)とを含む。
このコンテンツ取得装置においてはさらに、前記ユーザにより操作され、前記注目コンテンツの変更の前記指示を前記設定手段に入力させる第1の入力手段(例えば、図2の上方キー44と下方キー45)と、前記注目コンテンツの取得の前記指示を前記第3の通信制御手段に入力させる第2の入力手段(例えば、図2のENTERキー43)とを有する操作手段(例えば、図2の入力部17)を設けることができる。
このコンテンツ取得装置が利用する前記リストには、1以上の前記コンテンツのそれぞれに対して予め設定された前記試用データの繰り返し再生の許可回数(例えば、図13のHTML文章221の8行目のREPEATタグ(<REPEAT>と</REPEAT>)に挟まれた数字)がさらに含まれており、このコンテンツ取得装置の前記第2の通信制御手段は、前記第2の要求情報を前記通信手段から前記サーバシステムに送信させる制御を、前記リストに含まれる前記許可回数以下の回数だけ繰り返し実行する(例えば、図15のステップS89の処理で規定回数(=許可回数)再生したと判定するまで、ステップS83乃至S89の処理を繰り返す)ことができる。
このコンテンツ取得装置の前記第2の通信制御手段は、前記設定手段により前記注目コンテンツが設定または再設定された時点から所定の時間が経過しても(例えば、図2のタイマ51が所定の時間を計時しても)、前記注目コンテンツが変更されていない場合、前記第2の要求情報を前記通信手段から前記サーバシステムに送信させる制御を実行する(例えば、図14のステップS64の処理でNOであると判定し、ステップS65の処理でNOであると判定した場合、ステップS67の処理、即ち、現時点の注目楽曲に対する図15の「1楽曲分試聴処理」を開始させる)ことができる。
このコンテンツ取得装置にはさらに、前記リストに含まれる1以上の前記コンテンツ情報のうちの、前記注目コンテンツに対応するコンテンツ情報の少なくとも一部を、所定の表示装置(例えば、図2の表示部23)に表示させる(例えば、図5の楽曲紹介ページ91を表示させる)表示制御手段(例えば、図3の表示制御部73)をさらに設けることができる。
本発明によれば、コンテンツ取得方法が提供される。このコンテンツ取得方法は、1以上の情報処理装置からなるサーバシステムから配信された前記コンテンツのデータを取得するコンテンツ取得方法であって、1以上の前記コンテンツのそれぞれを特定するコンテンツ情報を含むリストを前記サーバシステムに要求し、その要求の結果、前記サーバシステムから提供された前記リストを取得する第1の取得ステップ(例えば、図9のステップS7の「楽曲紹介ページ取得処理(詳細は図12)」)と、前記第1の取得ステップの処理により前記リストが取得された場合、前記リストに含まれる1以上の前記コンテンツ情報のうちの第1のコンテンツ情報により特定される前記コンテンツを注目コンテンツに設定し、ユーザより前記注目コンテンツの変更の指示がなされたとき、前記リストに含まれる1以上の前記コンテンツ情報のうちの第2のコンテンツ情報により特定される前記コンテンツを前記注目コンテンツに再設定する設定ステップ(例えば、図14のステップS61乃至S63の処理)と、前記設定ステップの処理により設定または再設定された前記注目コンテンツの試用データを、前記ユーザの操作を介在することなく前記サーバシステムに要求し、その要求の結果、前記サーバシステムから配信された前記注目コンテンツの前記試用データを取得する第2の取得ステップ(例えば、図14のステップS61またはS67の処理で開始される図15の「1楽曲分試聴処理」のうちの、特に、ステップS83とS84の処理)と、前記第2の取得ステップの処理により取得された前記試用データに対応する前記注目コンテンツを前記ユーザの操作を介在することなく再生する再生ステップ(例えば、図14のステップS61またはS67の処理で開始される図15の「1楽曲分試聴処理」のうちの、特に、ステップS87の処理)と、前記再生ステップの処理により前記試用データに対応する前記注目コンテンツが再生されている間に、前記ユーザから前記注目コンテンツの取得の指示がなされた場合、前記注目コンテンツの正式データを前記サーバシステムに要求し、その要求の結果、前記サーバシステムから配信された前記注目コンテンツの前記正式データを取得する第3の取得ステップ(例えば、図9のステップS12の「コンテンツデータ取得処理(詳細は、図16)」とを含む。
また、本発明によれば、プログラムが提供される。このプログラムは、1以上の情報処理装置からなるサーバシステムから配信された前記コンテンツのデータを取得する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、1以上の前記コンテンツのそれぞれを特定するコンテンツ情報を含むリストの提供を前記サーバシステムに要求し、その要求の結果、前記サーバシステムから提供された前記リストを取得する第1の取得ステップ(例えば、図9のステップS7の「楽曲紹介ページ取得処理(詳細は図12)」)と、前記第1の取得ステップの処理により前記リストが取得された場合、前記リストに含まれる1以上の前記コンテンツ情報のうちの第1のコンテンツ情報により特定される前記コンテンツを注目コンテンツに設定し、ユーザより前記注目コンテンツの変更の指示がなされたとき、前記リストに含まれる1以上の前記コンテンツ情報のうちの第2のコンテンツ情報により特定される前記コンテンツを前記注目コンテンツに再設定する設定ステップ(例えば、図14のステップS61乃至S63の処理)と、前記設定ステップの処理により設定または再設定された前記注目コンテンツの試用データを、前記ユーザの操作を介在することなく前記サーバシステムに要求し、その要求の結果、前記サーバシステムから配信された前記注目コンテンツの前記試用データを取得する第2の取得ステップ(例えば、図14のステップS61またはS67の処理で開始される図15の「1楽曲分試聴処理」のうちの、特に、ステップS83とS84の処理)と、前記第2の取得ステップの処理により取得された前記試用データに対応する前記注目コンテンツを前記ユーザの操作を介在することなく再生する再生ステップ(例えば、図14のステップS61またはS67の処理で開始される図15の「1楽曲分試聴処理」のうちの、特に、ステップS87の処理)と、前記再生ステップの処理により前記試用データに対応する前記注目コンテンツが再生されている間に、前記ユーザから前記注目コンテンツの取得の指示がなされた場合、前記注目コンテンツの正式データの配信を前記サーバシステムに要求し、その要求の結果、前記サーバシステムから配信された前記注目コンテンツの前記正式データを取得する第3の取得ステップ(例えば、図9のステップS12の「コンテンツデータ取得処理(詳細は、図16)」とを含む。
なお、このプログラムは記録媒体に記録することができる。
以下、図面を参照して、本発明のコンテンツ配信システム、および、コンテンツ取得装置について説明する。
図1は、本発明のコンテンツ配信システムとしての、EMDシステムの構成例を表している。
図1に示されるように、本実施の形態のEMDシステムは、任意の台数のEMDクライアント(図1の例では、1台のEMDクライアント1)と、任意の台数のEMDサーバ(図1の例では、1台のEMDサーバ3)とからなる。これらのEMDクライアント1とEMDサーバ3とはネットワーク2を介して相互に接続されている。
EMDクライアント1は、例えば、ネットワーク2に接続可能なオーディオ機器等で構成される。なお、EMDクライアント1の詳細については、図2と図3を参照して後述する。
ネットワーク2は、その形態については特に限定されないが、ここでは、インターネットとされる。
EMDサーバ3は、次の第1乃至第7の機能を有するWebサーバである。なお、Webサーバとは、W.W.W(World Wide Web)を利用するサーバ(インターネット2を介して様々なコンテンツ(ホームページ含)を提供するサーバ)を指す。
即ち、第1の機能とは、EMDサービスで販売されている楽曲のリスト(正確には、楽曲を特定するための楽曲情報が含まれるリスト)のデータを保存し、EMDクライアント1から要求があると、その楽曲のリストのデータをEMDクライアント1に送信する機能である。なお、楽曲のリストのデータの詳細については、図13等を参照して後述する。
第2の機能とは、楽曲のリストに含まれる各楽曲のそれぞれの試聴データを保存し、EMDクライアント1から要求があると、要求された楽曲の試聴データをEMDクライアント1に送信する機能である。なお、楽曲の試聴データとは、ユーザにその楽曲を購入するか否かを判断させるための音声に対応するデータをいう。具体的には、例えば、ここでは、楽曲の視聴データとして、楽曲の一部分に対応するデータが利用されるとする。
第3の機能とは、楽曲のリストに含まれる各楽曲のそれぞれの1曲全体(フルコーラス)のデータ(以下、このようなデータを、試聴データと区別するために、正式データと称する)を保存し、EMDクライアント1から要求があると、要求された楽曲の正式データをEMDクライアント1に送信する機能である。なお、EMDサービスでは、楽曲がコンテンツとされるので、この楽曲の正式データがいわゆるコンテンツデータである。
第4の機能とは、各楽曲のそれぞれの著作権等を保護する機能である。即ち、第4の機能を実現するための技術は、デジタルコンテンツの著作権等を管理し配信することが可能な技術(このような技術を、以下、DRM(Digital Rights Managements)と称する)であれば特に限定されず、何れのDRMでも構わない。ただし、ここでは、本願出願人により国際出願され、国際開示されたWO02/080446パンフレット等に記述された「OpenMG X」と称されるDRMが適用されるとする。この「OpenMG X」は、「配信側で再生期間や回数などの著作権管理情報をコンテンツに付与して暗号化するモジュール」、「各コンテンツの著作権管理情報をユーザへ配信するサーバーモジュール」、および、「「OpenMG X」対応アプリケーションソフトウエアを開発するためのクライアントモジュール」から構成される。第4の機能は、これらの3つのモジュールのうちの前半の2つに対応する機能とされる。また、「OpenMG X」によれば、配信されたコンテンツ(EMDサービスでは楽曲)のそれぞれを利用するためには、対応するライセンスが必要とされる。そこで、第4の機能の中には、各楽曲のそれぞれに対応するライセンスを管理する機能も含まれる。
第5の機能とは、EMDサービスを受けるユーザや、そのユーザが利用するEMDクライアント1の正当性を認証する機能である。
第6の機能とは、EMDサービスが会員制とされる場合、或いは、過去の利用履歴などを管理する必要がある場合、ユーザやEMDクライアント1に関する情報を保持する機能である。
第7の機能とは、ユーザがEMDサービスで楽曲を購入したとき、ユーザにより指定された金融機関等からその楽曲の代金を徴収する(課金処理を行う)機能である。従って、EMDクライアント1は、第7の機能を実現するために、例えば、図示はしないが、クレジットカード会社や銀行等の金融機関のネットワークとも接続している。
なお、EMDサーバ3にとって、上述した第1の機能乃至第7の機能のうちの、第1の機能乃至第4の機能は必要であるが、利用するEMDサービスによっては、第5乃至第7の機能は不要となる。例えば、楽曲が購入される度に課金する必要がない場合、第7の機能は不要となる。また、認証やユーザの管理を行う必要がない場合、第5の機能と第6の機能は不要となる。
また、図1の例では、EMDサーバ3が第1の機能乃至第7の機能の全てを有する形態とされているが、この形態に限定されず、後述する図28に示されるように、第1の機能乃至第7の機能のそれぞれを複数のサーバに分散させる形態としてもよい。
次に、図2と図3を参照して、本発明のコンテンツ取得装置としての、EMDクライアント1の詳細な構成について説明する。
図2は、EMDクライアント1の内部のハードウエアの構成を示すブロック図である。
図2のEMDクライアント1において、CPU(Central Processing Unit)11は、ROM(Read Only Memory)12に記録されているプログラム、または、必要に応じてデータ記憶部15からRAM(Random Access Memory)13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13にはまた、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。即ち、RAM13は、CPU11がEMDクライアント1内の各種デバイスと送受信するデータ、EMDサーバ3(図1)と通信部19との間でネットワーク2を介して送受信されるデータ、および、各種処理を実行するためのデータ等を一時的に格納する作業領域である。
なお、CPU11は、タイマ51を内部に有しており、このタイマ51を利用して計時動作を行うこともできる。
CPU11、ROM12、およびRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、ファイル処理部16、入力処理部18、および、通信部19が接続されている。
ファイル処理部16にはまた、データ記憶部15が接続されている。データ記憶部15は、ハードディスク等で構成され、ネットワーク2を介してダウンロードされた楽曲の正式データ(コンテンツデータ)等をファイルとして記憶する。即ち、ファイル処理部16は、CPU11の制御に基づいて、データ記憶部15にデータを書き込んだり、データ記憶部15からデータを読み出す。
入力処理部18にはまた、入力部17が接続されている。入力部17には、ハードウエアとしての各種キーが設けられており、ユーザは、これらのキーを押下することで、所定の指令(信号)をEMDクライアント1に入力させることができる。なお、図2の例では、入力部17には、PLAYと印字されたキー41(以下、PLAYキー41と称する)、STOPと印字されたキー42(以下、STOPキー42と称する)、ENTERと印字されたキー43(以下、ENTERキー43と称する)、図中上方向の矢印が印字されたキー44(以下、上方キー44と称する)、図中下方向の矢印が印字されたキー45(以下、下方キー45と称する)、図中右方向の矢印が印字されたキー46(以下、右方キー46と称する)、および、図中左方向の矢印が印字されたキー(以下、左方キー47と称する)が設けられている。即ち、入力管理部18は、入力部17のPLAYキー41乃至左方キー47のうちの所定の1つが押下されると、何れのキーが押下されたのかを検出し、その検出結果をCPU11に通知する。
通信部19は、CPU11の制御に基づいて、ネットワーク2を介する他のネットワーク機器(例えば、図1のEMDサーバ3)との通信を行う。例えば、ここでは、ネットワーク2はインターネットとされるので、通信部19は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)やHTTP(HyperText Transfer Protocl)などのプロトコルスタックにより制御されるデバイス(通信ボード等)で構成される。
バス14にはまた、オーディオ処理部20、表示処理部22、および、DRM制御部24が接続されている。
オーディオ処理部20は、圧縮された音声(楽曲等)のデータが供給されてきた場合、その圧縮された音声のデータを復元し、復元したそのデータ(デジタル信号)を、所定のレベル(音量に対応するレベルであり、適宜調整する)のアナログ信号に変換して、スピーカ21に供給する。スピーカ21は、オーディオ処理部20より供給されたアナログ信号に対応する音声を出力する。
表示処理部22は、ユーザに通知すべき情報やEMDクライアント1の動作状態などを示す画像の画像データを、表示部23のフォーマットの信号に変換して、表示部23に供給する。表示部23は、供給された信号に対応する画像(ユーザに通知すべき情報やEMDクライアント1の動作状態などを示す画像)をその画面に表示する。ここで注目すべき点は、表示部23は、ユーザに通知すべき情報やEMDクライアント1の動作状態などを表示するために設けられており、このため、その画面のサイズはPCのように大きなサイズではない(数インチ程度である)という点である。即ち、図2のEMDクライアント1は、上述したような、CGIを利用する従来のEMDサービスのクライアントとしては不適であり、このため、後述する本実施の形態のEMDサービス(CGIに頼らないEMDサービス)を利用するのである。
DRM制御部24は、上述したDRMを利用した処理を実行する。即ち、通信部19が、ネットワーク(インターネット)2を介して著作権等が保護されたデータを受信する場合、著作権等が保護されたコンテンツ(楽曲)のデータを利用(再生)するために必要な処理を行う。例えば、ここでは、上述したように、DRMとして「OpenMG X」が適用されているので、著作権等が保護されたコンテンツは暗号化されたコンテンツデータとして配信されてくる。そこで、DRM制御部24は、対応する暗号化鍵(=復号鍵)をEMDサーバ3と安全にやり取りし、その鍵を用いてコンテンツデータを復号する。その他、DRM制御部24は、コンテンツの利用条件の評価等も行う。
図3は、図2のEMDクライアント1が有する機能のうちの、楽曲の正式データ(コンテンツデータ)をEMDサーバ3から購入する(ダウンロードする)までの機能を実現する機能的構成例を表している。
図3において、リスト取得部71乃至コンテンツ正式データ取得部76は、例えば、ソフトウエアで構成されている。即ち、リスト取得部71乃至コンテンツ正式データ取得部76は、例えば、図2のROM12に予め記録されており、CPU11により適宜読み出されて実行される。
なお、リスト取得部71乃至コンテンツ正式データ取得部76は、上述した図2に示される各種ハードウエアとの間で情報(データ)をやり取りするが、図3においては、これらのハードウエアのうちの、情報の提供源(即ち、入力部17に設けられた、ENTERキー43、上方キー44、および、下方キー45)と、情報の最終的な提供先(即ち、データ記憶部15、スピーカ21、および、表示部23)のみが図示されており、その途中のハードウエア(即ち、ファイル処理部16、入力処理部18、オーディオ処理部20、表示処理部22、および、バス14等)は省略されている。また、リスト取得部71乃至コンテンツ正式データ取得部76のそれぞれの間、即ち、ソフトウエア間における情報のやり取りは、例えば、RAM13上で行われる。
リスト取得部71は、1以上の楽曲のそれぞれを特定するコンテンツ情報を含むリストを要求する第1の要求情報を、通信部19からネットワーク2を介してEMDサーバ3(図1)に送信させる。その後、EMDサーバ3から第1の要求情報の応答としてリスト(データ)がネットワーク2を介して送信されてきた場合、リスト取得部71は、このリスト(データ)を、通信部19を介して受信し、表示制御部73とフォーカス設定部72とに供給する。
詳細には、EMDサーバ3は、例えば、複数のリスト(データ)を有しており、EMDクライアント1から最初のアクセスが行われると、保有しているリストをユーザに提示するための情報を、ネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信する。
そこで、リスト取得部71は、この情報を通信部19を介して取得し、フォーカス設定部72と表示制御部73に供給する。すると、表示制御部73は、例えば、図4に示されるような画像81を表示部23に表示させる。
なお、以下、EMDクライアント1がEMDサーバ3にアクセスしたときに最初に表示されるべき画像を、トップページと称する。また、トップページを表示させるためのデータを、トップページの情報と称する。なお、ここでは、上述したように、EMDサーバ3はWebサーバであることから、トップページの情報は、例えば、HTMLフォーマットで記述されたホームページのデータファイル(以下、HTML文章と称する)とされる。
このトップページの情報には、操作ガイドの他、EMDサーバ3が有するリストを特定するための情報として、EMDクライアント1の画面に表示すべきリストのタイトルや、そのリストのデータの存在場所(例えば、URL(Uniform Resource Locator)アドレス)等が含まれている。
即ち、いまの場合、このようなトップページ81の情報(HTML文章)が表示制御部73に供給されてくるので、表示制御部73は、このHTML文章を解釈して図4に示されるようなトップページ81を表示部23に表示させる。
ユーザは、表示部23に表示されたトップページ81を見ることで、「店長おすすめ」、「ショップランキング」、および、「ジャズ入門」というタイトルのそれぞれを有する3つのリストのデータがEMDサーバ3に保有されている、と認識することができる(なお、後述する図11に示されるように、実際には6つのリストが保有されている)。そこで、ユーザは、これら3つのリストの中から所望のリストを取り寄せる(EMDクライアント1にそのデータを取得させる)ことになる。
具体的には、例えば、後述するように、フォーカス設定部72が、これら3つのリストの中からユーザにより指定されたリストに対してフォーカスを設定する(ただし、初期設定の場合、フォーカス設定部72自信が選択したリストに対してフォーカスを設定する)。リスト取得部71は、ユーザよりENTERキー43が押下されたとき、その時点でフォーカスが設定されているリストをEMDサーバ3に対して要求する。或いは、フォーカス設定部72が、これら3つのリストのうちの所定の1つを、処理の対象として注目すべきリスト(以下、注目リストと称する)として設定するので、リスト取得部71は、ユーザよりENTERキー43が押下されたとき、その時点における注目リストをEMDサーバ3に対して要求するともいえる。
このとき、表示制御部73は、トップページ81のうちのフォーカスが設定されたリスト(注目リスト)のタイトルを、他とは異なる表示形態で表示部23に表示させる。例えば、例えば、「店長おすすめ」というタイトルのリストにフォーカスが設定されている場合(そのリストが注目リストとして設定されている場合)、表示制御部73は、図4に示されるように、「店長おすすめ」を反転表示82(以下、カーソル82と称する)で表示部23に表示させる。
例えば、表示部23に表示されるトップページ81が図4に示される状態で、ユーザがENTERキー43を押下すると、リスト取得部71は、「店長おすすめ」というリストを要求する第1の要求情報を、通信部19からネットワーク2を介してEMDサーバ3(図1)に送信させる。その後、EMDクライアント1の正当性が認証された場合、EMDサーバ3から第1の要求情報の応答として、「店長おすすめ」というリストのデータがネットワーク2を介して送信されてくる。そこで、リスト取得部71は、そのリストのデータを通信部19を介して取得し、表示制御部73とフォーカス設定部72とに供給する。
すると、表示制御部73は、例えば、図5に示されるような画像91を表示部23に表示させる。なお、ここでは、リストのデータは、トップページの情報と同様にHTML文章とされる。即ち、いまの場合、例えば、後述する図13のHTML文章221が表示制御部73に供給されてくるので、表示制御部73は、このHTML文章221を解釈して図5に示されるような画像91を表示させる。
画像91において、各楽曲のそれぞれに対応する楽曲情報として、楽曲のタイトル(図中、音符の記号の右方に示されている)と、その楽曲の演奏者または歌手等(アーティスト)の名称(図中、人の上半身の記号の右方に示されている)とが、各楽曲毎に羅列されている(上から順に並べられている)。例えば、カーソル92の位置には、楽曲情報として、「49 DANCE」というタイトルと、「DC U・・・」というアーティストとが示されている。即ち、カーソル92は、「DC U・・・」というアーティストの楽曲のうちの「49 DANCE」というタイトルの楽曲を指し示しているともいえる。
なお、図5の画像91のような、楽曲情報がリスト化された画像は、EMDサーバ3が販売可能な(配信可能な)楽曲を紹介する画像ともいえるので、以下、楽曲紹介ページと称する。
ところで、上述したように、フォーカス設定部72にも楽曲紹介ページ91の情報(即ち、後述する図13のHTML文章221)が供給されているので、フォーカス設定部72は、トップページ82のときと同様に、楽曲紹介ページ91の情報に含まれる1以上の楽曲情報のうちの所定の1つ(図5の例では、「49 DANCE」と「DC U・・・」という楽曲情報)により特定される楽曲にフォーカスを設定する。或いは、フォーカス設定部72は、楽曲紹介ページ91の情報に含まれる1以上の楽曲情報のうちの所定の1つを、処理の対象として注目すべき楽曲(以下、注目楽曲と称する)に設定する。
このように、ここでは、フォーカスが設定された楽曲(コンテンツ)と、注目楽曲(注目コンテンツ)とは同義語であるといえるので、以下、注目楽曲で統一する。
また、表示制御部73も、トップページ82のときと同様に、楽曲紹介ページ91のうちの注目楽曲に対応する楽曲情報を、他とは異なる表示形態(ここでは、カーソル92をその楽曲情報の上に配置させる表示形態)で表示部23に表示させる。例えば、「DC U・・・」というアーティストの楽曲のうちの「49 DANCE」というタイトルの楽曲が、注目楽曲として設定されている場合、表示制御部73は、図5に示されるように、「49 DANCE」と「DC U・・・」との上にカーソル92を配置させた楽曲紹介ページ91を表示部23に表示させる。
このようにして、フォーカス設定部72は、所定の楽曲を注目楽曲に設定すると、そのことをコンテンツ試用データ取得部74にも通知する。すると、コンテンツ試用データ取得部74は、通知された注目コンテンツの試聴データを要求する第2の要求情報を、通信部19からネットワーク2を介してEMDサーバ3(図1)に自動的に送信させる。その後、EMDサーバ3から第2の要求情報の応答として注目楽曲の試聴データがネットワーク2を介して送信されてくる。そこで、コンテンツ試用データ取得部74は、この試聴データを通信部19を介して受信し、再生部75に提供する。
再生部75は、供給された試聴データに対応する注目楽曲(その一部分)をスピーカ21から自動的に再生させる。いまの場合、図5に示されるように、注目楽曲は、「DC U・・・」というアーティストの楽曲のうちの「49 DANCE」というタイトルの楽曲とされているので、図6の図中一番上に示されるように、この楽曲(その一部分)がスピーカ21より再生される。
なお、自動的な処理とは、所定の装置(または、その装置の構成要素)により行われる処理のうちの、ユーザの手動操作が介在することなく装置(またはその構成要素)自身の判断で実行される処理を指す。
また、注目楽曲の試聴データを要求する第2の要求情報の形態は特に限定されない。ただし、ここでは、例えば、楽曲紹介ページの情報には、後述するように、楽曲情報の1つとして、各楽曲のそれぞれの試聴データの存在場所(例えば、図13のHTML文章221の9行目のSAMPLEDATAタグ(<SAMPLEDATA>と</SAMPLEDATE>)で挟まれたURLアドレス)が含まれており、EMDクライアント1がそのURLアドレスで指定された場所に対してアクセス要求を行うと、そこから試聴データがダウンロードされるようにパスが設定されている。従って、ここでは、第2の要求情報は、EMDクライアント1が対応する試聴データの存在場所にアクセスするときに利用するアクセス要求とされる。
ところで、ユーザは、図6に示されるように、上方キー44または下方キー45を押下することにより、注目楽曲を変更することができる。即ち、上方キー44または下方キー45が押下されると、フォーカス設定部72は、楽曲紹介ページ91の情報に含まれる各楽曲情報のそれぞれで特定される楽曲の中から所定の1つを選択し、新たに選択した楽曲を注目楽曲に設定する。即ち、上方キー44または下方キー45が押下されると、フォーカス設定部72は注目楽曲を更新する。
具体的には、例えば、図6の一番上の楽曲紹介ページ91が表示部23に表示されている状態で、下方キー45が押下されると、フォーカス設定部72は、楽曲紹介ページ91の情報に含まれる各楽曲情報のうちの、これまでの注目楽曲に対応する楽曲情報(「49 DANCE」と「DC U・・・」)の1つ後(リストの順番)の楽曲情報(「BIG CHOP」と「ZAKU」)で特定される楽曲を、注目楽曲として設定し、そのこと(注目楽曲が更新されたこと)をコンテンツ試用データ取得部74と表示制御部73とに供給する。
すると、表示制御部73、コンテンツ試用データ取得部74、および、再生部75のそれぞれは、上述した一連の処理を自動的に繰り返す。即ち、表示部23には、図6中上から2番目の楽曲紹介ページ91(カーソル92が、「BIG CHOP」と「ZAKU」とに配置された楽曲紹介ページ91)が自動的に表示され、スピーカ21からは、「ZAKU」というアーティストの楽曲のうちの「BIG CHOP」というタイトルの楽曲(その一部分)が自動的に再生される。
同様に、例えば、図6の図中上から2番目の楽曲紹介ページ91が表示部23に表示されている状態で、下方キー45が押下されると、フォーカス設定部72は、楽曲紹介ページ91の情報に含まれる各楽曲情報のうちの、これまでの注目楽曲に対応する楽曲情報(「BIG CHOP」と「ZAKU」)の1つ後(リストの順番)の楽曲情報(「DOWN TUNE」と「みかん」)で特定される楽曲を、注目楽曲として設定し、そのこと(注目楽曲が更新されたこと)をコンテンツ試用データ取得部74と表示制御部73とに供給する。
すると、表示制御部73、コンテンツ試用データ取得部74、および、再生部75のそれぞれは、上述した一連の処理を自動的に繰り返す。即ち、表示部23には、図6中一番下の楽曲紹介ページ91(カーソル92が、「DOWN TUNE」と「みかん」とに配置された楽曲紹介ページ91)が自動的に表示され、スピーカ21からは、「みかん」というアーティストの楽曲のうちの「DOWN TUNE」というタイトルの楽曲(その一部分)が自動的に再生される。
なお、図6に示されるように、この例の表示部23においては、その画面サイズの関係上、3つの楽曲に対応する楽曲情報のみ(即ち、3行分のみ)が表示可能とされている。そこで、図6中一番下の楽曲紹介ページ91においては、「DOWN TUNE」と「みかん」という楽曲情報の位置が、図6中2番目の楽曲紹介ページ91における位置に対して1行繰り上げられ、その結果、その楽曲情報の1つ後(リストの順番)の楽曲情報(「GREEN SLEEVS」)が新たに含まれることになる。即ち、ユーザは、下方キー45の押下操作を繰り返すことで、注目楽曲を更新させながら、楽曲情報ページ91の表示も下方にスクロールさせることができる。
一方、例えば、図6の図中一番下の楽曲紹介ページ91が表示部23に表示されている状態で、上方キー44が押下されると、フォーカス設定部72は、楽曲紹介ページ91の情報に含まれる各楽曲情報のうちの、これまでの注目楽曲に対応する楽曲情報(「DOWN TUNE」と「みかん」)の1つ前(リストの順番)の楽曲情報(「BIG CHOP」と「ZAKU」)で特定される楽曲を、注目楽曲として設定し、そのこと(注目楽曲が更新されたこと)をコンテンツ試用データ取得部74と表示制御部73とに供給する。
すると、表示制御部73、コンテンツ試用データ取得部74、および、再生部75のそれぞれは、上述した一連の処理を自動的に繰り返す。即ち、表示部23には、図6中上から2番目の楽曲紹介ページ91(カーソル92が、「BIG CHOP」と「ZAKU」とに配置された楽曲紹介ページ91)が自動的に再度表示され、スピーカ21からは、「ZAKU」というアーティストの楽曲のうちの「BIG CHOP」というタイトルの楽曲(その一部分)が自動的に再度再生される。
なお、このとき、図6中上から2番目の楽曲紹介ページ91においては、「DOWN TUNE」と「みかん」という楽曲情報の位置が、図6中一番下の楽曲紹介ページ91における位置に対して1行繰り下げられ、その結果、その楽曲情報の1つ後(リストの順番)の楽曲情報(「GREEN SLEEVS」)が消去されることになる。即ち、ユーザは、上方キー44の押下操作を繰り返すことで、注目楽曲を更新させながら、楽曲情報ページ91の表示も上方にスクロールさせることができる。
このように、EMDクライアント1は、リスト取得部71、フォーカス設定部72、および、コンテンツ試用データ取得部74を有しているので、EMDサーバ3に対して、注目楽曲の試聴データのダウンロード要求をユーザの操作(従来のようなポインティングデバイスを利用してソフトウエアボタンを押下する操作等)なく自動的に行なうことができ、その結果、試聴再生(試聴データの再生)を自動的に開始することが可能になる。
即ち、上述したように、従来、ユーザは、EMDサービスを利用して楽曲を購入する場合、何れの楽曲を購入するかを判断するために、EMDクライアントの画面に表示された楽曲(その楽曲情報)の一覧の中から所望の1つを選んだ後、試聴を開始するための操作(ポインティングデバイスを利用してソフトウエアボタンを押下する操作等)が必要であった。
これに対して、ユーザは、本実施の形態のEMDサービス(即ち、上述したEMDクライアント1を利用して、上述したEMDクライアント3から楽曲を購入するサービス)を利用して楽曲を購入すれば(購入の操作等は後述する)、試聴を開始するための手動操作(従来の操作)を行わなくてよい。即ち、ユーザは、EMDクライアント1が自動的に再生する楽曲を試聴し、その楽曲が気に入った場合、その楽曲を購入する(ダウンロードさせる)処理(この処理については後述する)を行い、その楽曲が気に入らない場合、他の楽曲を選択する操作(即ち、上述した、上方キー44または下方キー45の押下操作)を単に行えばよい。
ここで注目すべき点は、以上においては、説明を容易なものとするためにEMDクライアント1の表示部23に表示される画像を参照しながら説明を行ってきたが、実際の操作においては、ユーザは表示部23の画面を注視する必要がないという点である。このため、EMDクライアント1に表示部23がたとえ設けられていなくても、ユーザは、そのEMDクライアント1を利用してEMDサービス(本実施の形態のEMDサービス)を受けることが可能になる。
換言すると、従来のEMDサービスにおいては、EMDクライアントの構成要素として、GUIを快適に行うことが可能な大画面を有する表示部と、画面の任意の位置を指し示すためのポインティングデバイス(マウス等)とが必須とされていた。これに対して、本実施の形態のEMDサービスにおいては、EMDクライアント1の構成要素として、このような大画面を有する表示部と、ポインティングデバイスとは全く不要である。
即ち、従来のEMDサービスにおいては、大きな表示部と、ポインティングデバイスとを有するPC等がサービスを受ける対象(EMDクライアント)とされていた。これに対して、本実施のEMDサービスにおいては、このようなPCは勿論のこと、さらに、小さな表示部を有し(或いは表示部が無く)、かつ、ポインティングデバイスが無いEMDクライアント1(例えば、オーディオ機器等)までサービスの対象を広げることが可能になる。
このように、ユーザは、本実施の形態のEMDサービスを利用することで、即ち、上述した本実施の形態のEMDクライアント1を利用することで、EMDサービスを受けるための操作を行う場合、従来のEMDサービスのように画面表示に頼る必要はなくなるので(即ち、単に音を頼りにすればよいので)、音楽を集中して聴くことができるという効果を奏することも可能になる。
ところで、ユーザは、上述したように、上方キー44または下方キー45を押下ながら、様々な楽曲を試聴をしたところ、所定の楽曲が気に入った場合、その楽曲を購入する(ダウンロードさせる)操作を行う必要がある。この操作の概略が図7に示されているので、図7を参照してこの操作の概略について説明する。
即ち、例えば、いま、図7の図中一番上の楽曲紹介ページ91に示されるように、カーソル92が配置された「POWER DRIVE」で特定される(そのタイトルを有する)楽曲が注目楽曲に設定され、その注目楽曲の試聴再生(試聴データに対応する部分の再生)が行われているとする。
この場合、ユーザは、その注目楽曲を購入したいと判断しとき、図7に示されるように、ENTERキー43を押下すると、楽曲紹介ページ91の図中下方に示されるような、ユーザに対して購入の確認を促す画像93(以下、購入確認画像93と称する)を表示部23に表示させることができる。
さらに、この状態(購入確認画像93が表示されている状態)で、ユーザは、図7に示されるように、ENTERキー43を再度押下すると、その注目楽曲を購入する(EMDクライアント1にダウンロードさせる)ことができる。なお、このとき、購入確認画像93の図中下方に示されるような、注目楽曲がダウンロード中であることを示す画像95(以下、ダウンロード中画像95と称する)が表示部23に表示される。
即ち、図3のコンテンツ正式データ取得部76は、ENTERキー43が2回押下されたことを検出すると、ユーザから注目楽曲(いまの場合、「POER DRIVE」というタイトルの楽曲)の取得が指示されたと判断し、その注目楽曲の正式データを要求する第3の要求情報を、通信部19からEMDサーバ3(図1)にネットワーク2を介して送信させる。その後、EMDサーバ3から第3の要求情報の応答として注目楽曲の正式データが送信されてくる。そこで、コンテンツ正式データ取得部76は、この注目楽曲の正式データを通信部19を介して取得し、データ記憶部15に記憶させる。
なお、注目楽曲の正式データを要求する第3の要求情報の形態は、特に限定されない。ただし、ここでは、例えば、楽曲紹介ページの情報には、後述するように、楽曲情報の1つとして、各楽曲のそれぞれの正式データの存在場所(例えば、図13のHTML文章221の12行目のCONTENTDATAタグ(<CONTENTDATA>と</CONTENTDATA>)で挟まれたURLアドレス)が含まれており、EMDクライアント1がそのURLアドレスで指定された場所に対してアクセス要求を行うと、そこから正式データがダウンロードされるようにパスが設定されている。従って、ここでは、第3の要求情報は、EMDクライアント1が対応する正式データの存在場所にアクセスするときに利用するアクセス要求とされる。
また、このとき、上述した図7に示されるように、表示制御部73は、ENTERキー43が1回押下されると、購入確認画像93を表示部23に表示させ、ENTERキー43がさらに1回押下されると、ダウンロード中画像95を表示部23に表示させる。その後、注目コンテンツの正式データのダウンロードが完了すると(実際には、後述するように、さらに注目コンテンツに対応するライセンス取得の処理等が全て完了した後)、表示制御部73は、図7中一番下に示されるような、ダウンロードが完了したことを示す画像96(以下、ダウンロード完了画像96と称する)を表示部23に表示させる。
ここで、注目すべき点は、注目楽曲の試聴再生の操作(試聴データを自動的に取得させ再生させる操作)と同様に、ユーザは、単に、ENTERキー43を押下することで、注目楽曲を購入する(ダウンロードさせる)ことができるという点である。即ち、以上においては、説明を容易なものとするためにEMDクライアント1の表示部23に表示される画像を参照しながら説明を行ってきたが、実際のダウンロード操作においては、ユーザは表示部23の画面を注視する必要がないという点である。従って、EMDクライアント1に表示部23たとえが設けられていなくても、ユーザは、単に、ENTERキー43、上方キー44、または、下方キー45の押下操作をするだけで、そのEMDクライアント1を利用してEMDサービス(本実施の形態のEMDサービス)を受けることが可能になる。
なお、ダウンロード完了後、ENTERキー43が押下されると、図7に示されるように、楽曲紹介ページ91が再度表示されるとともに、そのとき、注目楽曲に設定されている楽曲(図7の例では、カーソル92が配置された「POER DRIVE」というタイトルの楽曲)の試聴再生が自動的に再度行われる。即ち、その後、ユーザは、上述した一連の操作を繰り返すことで、他の楽曲も購入する(ダウンロードさせる)ことができる。
また、たとえ、購入確認画像93が表示されている状態であっても、注目コンテンツを購入する意思がないときには、ユーザは、下方キー45を押下することでカーソル94を「戻る」という文字列に配置させ(移動させ)、ENTERキー43をさらに押下することで元の状態に戻す(即ち、楽曲紹介ページ91を再度表示させ、そのとき、注目楽曲に設定されている楽曲(図7の例では、カーソル92が配置された「POER DRIVE」というタイトルの楽曲)の試聴再生を自動的に再度行わせる)ことができる。
さらに、購入確認画像93において、カーソル94が「戻る」という文字列に配置されている状態であっても、注目コンテンツを購入する意思があるときには、ユーザは、上方キー44を押下すことでカーソル94を「購入(300円)」という文字列に配置させ(移動させ)、ENTERキー43をさらに押下することで注目楽曲の購入(ダウンロード)の操作を再開することができる。
ところで、本実施の形態においては、GUI操作に頼らないダウンロード操作の実現を目的としていることから、注目楽曲の正式データがダウンロード中である場合、そのことをユーザに通知する音声(音楽やメッセージ)をスピーカ21から出力させておくとよい。同様に、そのダウンロードが終了したときも、そのことをユーザに通知する音声(音楽やメッセージ)をスピーカ21から出力させておくとよい。これにより、ユーザは、表示部23を注視しなくとも、ダウンロード中であることやダウンロードが完了したことを容易かつ確実に認識することが可能になる。
以上、図2乃至図7を参照して、図1のEMDシステムのうちのEMDクライアント1の構成の詳細と処理(動作)の概略とについて説明した。なお、EMDクライアント1の処理の詳細については、図9以降のフローチャートを参照して後述する。
次に、図8を参照して、図1のEMDシステムのうちのEMDサーバ3の構成について説明する。即ち、図8は、EMDサーバ3の構成例を表している。
図8において、CPU101は、ROM102に記憶されているプログラム、または記憶部109からRAM103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM103にはまた、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶され
る。
DRM制御部104は、上述したDRMを利用した処理を実行する。例えば、ここでは、上述したように、DRMとして「OpenMG X」が適用されているので、著作権等が保護されたコンテンツのデータを暗号化する必要があるので、そのコンテンツのデータを暗号化する。また、DRM制御部104は、必要に応じて暗号化されたコンテンツのデータを復号したり、必要に応じてATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)3方式などでコンテンツのデータをエンコードする。
CPU101、ROM102、RAM103、および、DRM制御部104は、バス105を介して相互に接続されている。このバス105にはまた、入出力インタフェース106も接続されている。
入出力インタフェース106には、キーボードやマウスなどよりなる入力部107、ディスプレイやスピーカなどよりなる出力部108、ハードディスクなどより構成される記憶部109、モデムやターミナルアダプタなどより構成される通信部110が接続されている。通信部110は、ネットワーク(インターネット)2を介しての通信処理を行う。通信部110はまた、他のクライアント等(例えば、図1のEMDクライアント1)との間で、アナログ信号またはデジタル信号の通信処理を行う。
入出力インタフェース106にはまた、必要に応じてドライブ111が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどからなるリムーバブル記録媒体112が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部109にインストールされる。
次に、図9および図18のフローチャート、並びに、図24および図25のアローチャートを参照して、本実施形態の図1のコンテンツ配信システム(EMDシステム)における、EMDサービスの処理について説明する。図9のフローチャートは、EMDクライアント1側の処理例を表している。図18は、EMDサーバ3側の処理例を表している。図24と図25は、EMDクライアント1とEMDサーバ3との処理の関係を表している。
以下、図9と図18を参照して、EMDクライアント1とEMDサーバ3のそれぞれの処理について、その順番に個別に説明するが、これら装置の相互の処理の関係は、図24または図25の対応するステップを参照することで、容易に理解することが可能である。
はじめに、図9のステップS1において、EMDクライアント1は、EMDサーバ3にアクセスし、上述した図4のトップページ81の情報を取得する。そして、EMDクライアント1は、ステップS2において、取得した情報に基づいてトップページ81を内蔵する表示部23に表示させる。
このように、ステップS1の処理は、トップページ81の表示を行うための前処理ともいえるので、以下、ステップS1の処理を「トップページ表示準備処理」と称する。この「トップページ表示準備処理」の詳細が図10のフローチャートに示されている。そこで、以下、図10のフローチャートを参照して、「トップページ表示準備処理」の詳細について説明する。
なお、ここでは、「トップページ表示準備処理」は、図3のリスト取得部71により実行される(リスト取得部71が有する機能のうちの1つである)とする。
例えば、EMDクライアント1に電源(図示せず)が投入されると、CPU11は、リスト取得部71乃至コンテンツ正式データ取得部76のそれぞれを起動させる。
すると、ステップS21において、リスト取得部71は、通信部19とネットワーク2を介してEMDサーバ3にアクセスする。即ち、リスト取得部71は、EMDサーバ3と接続するように通信部19に指示する。
なお、ここでは、EMDサービスが会員制であるとする。この場合、EMDサーバ3は、ユーザの正当性を確認する必要があるので、EMDクライアント1に対して認証の要求を行う(後述する図19と図24のステップS221)。
すると、ステップS22において、リスト取得部71は、EMDサーバ3からの認証要求に対して応答する。即ち、リスト取得部71は、ユーザIDとパスワードとを、通信部19とネットワーク2を介してEMDサーバ3に送信する。
EMDサーバ3は、ユーザIDとパスワードとを受信すると、EMDクライアント1の認証を行う(後述する図19のステップS222とS223)。
EMDサーバは、EMDクライアント1を利用するユーザが正当なユーザではない、或いは、EMDクライアント1が正当なクライアントではないと判定した場合、所定のエラー情報をネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信する(後述する図19のステップS224(NO),S225)。
リスト取得部71は、このエラー情報を通信部19を介して受信すると、ステップS23において、認証チケットが送信されていないと判定し、処理をステップS21に戻し、それ以降の処理を繰り返す。即ち、ユーザIDとパスワードが再度EMDサーバ3に送信される。
これに対して、EMDサーバ3は、EMDクライアント1を利用するユーザが正当なユーザであり、EMDクライアント1が正当なクライアントであると判定した場合、認証済みであることを証明する認証チケットを発行し、ネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信する(後述する図19のステップS224(YES)と、図19と図24のステップS226)。
すると、リスト取得部71は、ステップS23において、認証チケットが送信されてきたと判定し、この認証チケットを通信部19を介して受信し、RAM13に記憶させる。これにより、EMDクライアント1とEMDサーバ3との間の接続が確立されたことになる。
なお、EMDサービスが会員制で無い場合、上述したステップS22乃至S24の処理は省略される。
このようにして接続が確立されると、EMDサーバ3は、トップページ81の情報をネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信してくる(後述する図19と図24のステップS227)。
すると、ステップS25において、リスト取得部71は、トップページ81の情報を通信部19を介して受信し、RAM13に記憶させる(表示制御部73とフォーカス設定部72に供給する)。
図9に戻り、ステップS2において、表示制御部73は、トップページ81の情報を解釈し、図4に示されるようなトップ画像81を表示部23に表示させる。
ステップS3において、表示制御部73は、処理の終了が指示されたか否かを判定する。
例えば、EMDクライアント1の電源が遮断された場合、ステップS3において、処理の終了が指示されたと判定され、EMDクライアント1の処理は終了される。
再びステップS2の処理に着目すると、詳細には、ステップS2の処理の直前に、フォーカス設定部72が、トップページ81の情報に含まれる楽曲紹介ページのタイトルのうちの所定の1つ(図4の例では、「店長おすすめ」)にフォーカスを設定し(初期設定し)、そのことを表示制御部73に通知してくる。そこで、表示制御部73は、ステップS2において、そのタイトル(「店長のおすすめ」)の位置にカーソル82を配置させたトップページ81(図4)を表示部23に表示させる。
即ち、上述したように、カーソル82が配置されたタイトルのリスト(楽曲紹介ページ)にフォーカスが設定されており、ユーザは、ENTERキー43を押下することで、カーソル82が配置されたタイトルのリスト(楽曲紹介ページ)を表示部23に表示させることができる。
また、図11に示されるように、ユーザは、トップページ81のカーソル82も、下方キー45または上方キー44の押下操作により遷移させることが可能である。即ち、下方キー45または上方キー44が1回押下される毎に、フォーカス設定部72は、トップページ81の情報に含まれる楽曲紹介ページのタイトルに対するフォーカスの設定を更新する。
このような処理がステップS4乃至S6で行われる。
即ち、ステップS3において、処理の終了がまだ指示されていないと判定された場合、フォーカス設定部72は、ステップS4において、上方キー44または下方キー45が押下されたか否かを判定する。
上方キー44または下方キー45が押下された場合(ステップS4において、上方キー44または下方キー45が押下されたと判定した場合)、ステップS5において、フォーカス設定部72は、フォーカスの設定を更新する。即ち、表示制御部73は、カーソル82の位置を更新させたトップページページ81(必要に応じて、図11に示されるように、楽曲紹介ページのタイトルの配置位置も更新させたトップページページ81)を表示させる。その後、処理はステップS6に進められる。
これに対して、上方キー44と下方キー45のいずれもが押下されない場合(ステップS4において、上方キー44または下方キー45が押下されていないと判定された場合)、ステップS5の処理は実行されずに(即ち、フォーカスもカーソル82も更新されずに)、処理はステップS6に進められる。
ステップS6において、リスト取得部71は、ENTERキー43が押下されたか否かを判定する。
ENTERキー43が押下されない場合(ステップS6において、ENTERキー43が押下されていないと判定された場合)、処理はステップS4に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、ENTERキー43が押下されない限り、ステップS4乃至S6の処理が繰り返され、表示部23には、図11に示されるトップページ81(カーソル82の配置位置が異なるトップページ81)のうちの何れかが表示される。
これに対して、ENTERキー43が押下された場合(ステップS6において、ENTERキー43が押下されたと判定した場合)、リスト取得部71は、ステップS7において、その時点でフォーカスが設定されているタイトル(カーソル82が配置されているタイトル)の楽曲紹介ページの情報を取得する処理を実行する。なお、以下、このようなステップS7の処理を「楽曲紹介ページ取得処理」と称する。この「楽曲紹介ページ取得処理」の詳細が図12のフローチャートに示されている。そこで、以下、図12のフローチャートを参照して、「楽曲紹介ページ取得処理」の詳細について説明する。
なお、ここでは、「楽曲紹介ページ取得処理」は、図3のリスト取得部71により実行される(リスト取得部71が有する機能のうちの1つである)とする。
上述したように、トップぺージ81の情報には、各楽曲紹介ページのそれぞれのURLアドレスが含まれているので、はじめに、ステップS41において、リスト取得部71は、フォーカスが設定されたタイトル(図4の例では、「店長おすすめ」)の楽曲紹介ページのURLアドレスを認識する。
いまの場合、URLアドレスは、EMDサーバ3上に指定されることになるので(なお、後述する図28の例では、ショップサーバ301−1上に指定されることになる)、ステップS42において、リスト取得部71は、認識したURLアドレスで指定されているEMDサーバ3に(通信部19とネットワーク2を介して)アクセスし、そのURLアドレスに存在するデータ(楽曲紹介ページの情報)の取得を要求する。
EMDサーバ3は、要求された楽曲紹介ページの情報をEMDクライアント1にネットワーク2を介して送信する(後述する図18と図24のステップS205)。
すると、ステップS43において、リスト取得部71は、楽曲紹介ページの情報を通信部19を介して受信し、RAM13に記憶させる(表示制御部73とフォーカス設定部72に供給する)。
このとき、リスト取得部71は、楽曲紹介ページ(楽曲のリスト)の情報として、例えば、図13に示されるようなHTML文章221を取得する。
そこで、以下、図13を参照して、楽曲紹介ページの情報(HTML文章)221について説明する。
なお、図13のHTML文章221において、図中一番左側に行番号が付されているが、この行番号は、説明を容易なものとするために付されたもので、実際には付されていないことが多い。
HTML文章221において、”<”と”>”で挟まれた部分はタグと称され、そのタグが利用されてマークアップが行われる。
MUSICタグ(<MUSIC>及び</MUSIC>)で挟まれた部分(3行目乃至17行目の部分と、19行目乃至33行目の部分)には、1つの楽曲に関連する様々な情報(その楽曲を特定するための楽曲情報の他、後述するような、その楽曲のライセンス料金や試聴再生の繰り返し許可回数等)が含まれる。
即ち、楽曲紹介ページの情報221においては、MUSICタグにより各楽曲のそれぞれがリスト化されている。
TITLEタグ(<TITLE>及び</TITLE>)で挟まれた文字列は、その楽曲のタイトルを表している。例えば、4行目のTITLEタグで挟まれた文字列は、「49 DANCE」であるので、その楽曲のタイトルは、「49 DANCE」であることがわかる。またARTISTタグ(<ARTIST>及び</ARTIST>)で挟まれた文字列は、その楽曲の演奏者または歌手等であるアーティストの名称を表している。例えば、5行目のARTISTタグで挟まれた文字列は、「DC UNIT」であるので、アーティストの名称は、「DC UNIT」であることがわかる。なお、図5の楽曲紹介ページ91に示されるように、このTITLEタグで挟まれた文字列(タイトル)と、ARTISTタグで挟まれた文字列(アーティストの名称)とが、楽曲情報として表示部23に表示される。
PRICEタグ(<PRICE>及び</PRICE>)で挟まれた数字列は、その楽曲のライセンス料金[円]を表している。例えば、6行目のPRICEタグで挟まれた文字列は、「100」であるので、その楽曲のライセンス料金は、「100円」であることがわかる。
SAMPLEタグ(<SAMPLE>及び</SAMPLE>)で挟まれた部分には、その楽曲の試聴データに関する情報が含まれる。即ち、REPEATタグ(<REPEAT>及び</REPEAT>)で挟まれた数字列は、その楽曲の試聴再生の繰り返しを何回まで許可するかを示す数字(このような数字を、以下、試聴再生の繰り返し許可回数と称する)を表している。なお、試聴再生の繰り返し許可回数については後述する。SAMPLEDATAタグ(<SAMPLEDATA>及び</SAMPLEDATA>)で挟まれた文字列は、その試聴データが存在するURLアドレス(HTTPプロトコルにおけるURLアドレス)を示している。
一方、CONTENTタグ(<CONTENT>及び</CONTENT>)で挟まれた部分には、その楽曲の正式データ(コンテンツデータ)に関する情報が含まれる。即ち、CONTENTDATAタグ(<CONTENTDATA>及び</CONTENTDATA>)で挟まれた文字列は、その正式データが存在するURLアドレス(HTTPプロトコルにおけるURLアドレス)を示している。
また、LICENCEタグ(<LICENCE>及び</LICENCE>)で挟まれた部分には、その楽曲に対応するライセンスに関する情報が含まれる。即ち、LICENCEDATAタグ(<LICENCEDATA>及び</LICENCEDATA>)で挟まれた文字列は、そのライセンスのデータを取得するときにアクセスすべきURLアドレス(HTTPプロトコルにおけるURLアドレス)を示している。
なお、図13の例では、所定の楽曲に対する、試聴データ、正式データ、および、ライセンスのデータのそれぞれに対して、異なるサーバのURLアドレス(http://sample.foober.com/,http://content/foober.com/,http://licence.foober.com/のうちの何れか)が指定されている。これは、後述する図28の例に対応させたためである。即ち、いまの場合、図示はしないが、所定の楽曲に対する、試聴データ、正式データ、および、ライセンスのデータのいずれに対しても、EMDサーバ31のURLアドレス(例えば、http://(EMDサーバ3のドメイン名).com/等)が指定されることになる。
図9に戻り、このような「楽曲ページ取得処理(ステップS7の処理)」が実行されて、楽曲紹介ページの情報(HTML文章)221が、表示制御部73とフォーカス設定部72とに提供されると、ステップS8において、表示制御部73は、楽曲紹介ページの情報(HTML文章)221を解釈し、図5に示されるような楽曲紹介ページ91を表示部23に表示させる。詳細には、ステップS8の直前に、フォーカス設定部72は、楽曲紹介ページの情報(HTML文章)221に含まれる楽曲(MUSICタグで特定される楽曲)のうちの所定の1つ(図5の例では、図13の第3行目乃至第17行目のMUSICタグで特定される楽曲)を注目楽曲に設定し、そのことを表示制御部73に通知する。そこで、表示制御部73は、ステップS8の処理において、通知された注目楽曲の楽曲情報(図5の例では、「DANCE」と「DC U(NIT)」)の位置にカーソル92を配置させた楽曲紹介ページ91を表示部23に表示させる。
すると、ステップS9において、EMDクライアント1は、上述したように、その注目楽曲の試聴データをEMDサーバ3からネットワーク2を介して自動的に取得し、スピーカ21から自動的に再生させる。
なお、以下、このようなステップS9の処理を「試聴データ取得再生処理」と称する。この「試聴データ取得再生処理」の詳細が図14のフローチャートに示されている。そこで、以下、図14のフローチャートを参照して、「取得データ試聴再生処理」の詳細について説明する。
なお、ここでは、「取得データ取得再生処理」の主要部分は、図3のコンテンツ試用データ取得部74により実行される(コンテンツ試用データ取得部74が有する機能のうちの1つである)とする。ただし、「取得データ取得再生処理」の幾つかの処理は、フォーカス設定部72や表示制御部73により実行されるとする。
はじめに、ステップS61において、コンテンツ試用データ取得部74は、注目楽曲として初期設定された楽曲に対して「1楽曲分試聴処理」を開始させる。なお、「1楽曲分試聴処理」とは、所定の1つの楽曲の試聴データを自動的に取得し、試聴データに対応するその楽曲(一部分)を自動的に再生させる処理(具体的な視聴再生処理)をいう。この「1楽曲分試聴処理」の詳細な説明については、図15のフローチャートを参照して後述する。
ところで、本実施の形態においては、複数の楽曲の試聴再生が同時に行われることはないので、複数の楽曲のそれぞれに対する「1楽曲分試聴処理」の同時実行は行われない。ただし、上述した図6に示されるように、上方キー44または下方キー45の押下操作により試聴楽曲(即ち、注目楽曲)は変化するので、その変化に応じて、「1楽曲分試聴処理」が対象とする楽曲(注目楽曲)も変化させる必要がある。しかしながら、上方キー44または下方キー45の押下操作のタイミングと、「1楽曲分試聴処理」が対象とする楽曲(注目楽曲)の更新タイミングとを単純に一致させてしまうと、次のような課題が発生してしまう。即ち、例えば、ユーザが上方キー44または下方キー45を短い時間間隔で連打した場合、EMDクライアント1は、EMDサーバ3に対して試聴データの要求を無駄に送信してしまうことになり、ネットワーク2の回線を無駄にするだけでなく、EMDサーバに負荷をかけてしまうといった課題が発生してしまう。
そこで、この課題を解決するために、上方キー44または下方キー45が押下されてから規定時間(例えば、500msec等)以内に上方キー44または下方キー45が再度押下された場合には、本実施の形態のEMDクライアント1は、注目楽曲を更新するが(楽曲紹介ページ91におけるカーソル92の位置は図6に示されるように更新するが)、その注目楽曲に対する「1楽曲分試聴処理」は行わない(即ち、注目楽曲の試聴データの要求をEMDサーバ3に送信せず、現時点で試聴再生している楽曲に対する「1楽曲分試聴処理」を引き続き実行する)。
換言すると、この課題を解決するために、本実施の形態のEMDクライアント1は、ユーザの操作に応じて「1楽曲分試聴処理」の対象(試聴対象)となる楽曲を管理する処理を行っている。即ち、この処理が、いま説明を行っている図14の「試聴データ取得再生処理」である。換言すると、「試聴データ取得再生処理」は、「1楽曲分試聴処理」の開始および終了のタイミングを管理する。従って、「試聴データ取得再生処理」と、所定の楽曲に対する「1楽曲分試聴処理」のそれぞれは独立して(並行して)実行されることになる。
再びステップS61に着目して、ステップS61の処理で、注目楽曲(初期設定)に対する「1楽曲分試聴処理」が開始されると、ステップS62において、フォーカス設定部72は、上方キー44または下方キー45が押下されたか否かを判定する。
上方キー44または下方キー45が押下された場合(ステップS62において、上方キー44または下方キー45が押下されたと判定した場合)、ステップS63において、フォーカス設定部72は、注目楽曲(フォーカスの設定)を更新する。即ち、表示制御部73は、図6に示されるように、カーソル92の位置を更新させた楽曲紹介ページ91(図6の図中下の2つの楽曲紹介ページ91の相互関係からもわかるように、楽曲情報の位置も必要に応じて更新させた楽曲紹介ページ91)を表示させる。その後、処理はステップS64に進められる。
これに対して、上方キー44と下方キー45のいずれもが押下されない場合(ステップS62において、上方キー44または下方キー45が押下されていないと判定された場合)、ステップS63の処理は実行されずに(即ち、フォーカスもカーソル92も更新されずに)、処理はステップS64に進められる。
ステップS64において、コンテンツ試用データ取得部74は、タイマ51が計時中であるか否かを判定する。
即ち、ここでは、タイマ51が上述した規定時間(例えば、500msec)を計時するとされており、後述するように、上方キー44または下方キー45が押下されて所定の楽曲に対する「1楽曲分試聴処理」が開始されると、タイマ51は計時動作を開始し(後述する図15のステップS81)、この規定時間を計時すると計時動作を終了する。
従って、タイマ51が計時動作を行っている場合(ステップS64において、タイマ51が計時動作を行っていると判定された場合)、直前の操作(上方キー44または下方キー45の押下操作)の時点から規定時間がまだ経過していないと判断され、現在試聴再生されている楽曲に対する「1楽曲分試聴処理」がそのまま続行される。即ち、後述するステップS65乃至S67の処理は実行されず(その結果、現在試聴再生されている楽曲が引き続き試聴再生されたまま)、処理はステップS68に進められる。
これに対して、タイマ51が計時動作を行っていない場合(ステップS64において、タイマ51が計時動作を行っていないと判定した場合)、コンテンツ試用データ取得部74は、直前の操作(上方キー44または下方キー45の押下操作)の時点から規定時間が少なくとも経過したと判断し、ステップS65において、現在試聴再生している楽曲は、現時点の注目楽曲であるか否かを判定する。
現在試聴再生している楽曲が注目楽曲である場合(ステップS65において、現在試聴再生している楽曲は、現時点の注目楽曲であると判定された場合)、注目楽曲(現在試聴再生されている楽曲)に対する「1楽曲分試聴処理」はそのまま続行される。即ち、後述するステップS66とS67の処理は実行されず(その結果、これまで視聴再生されていた注目楽曲が引き続き試聴再生されたまま)、処理はステップS68に進められる。
これに対して、現在試聴再生している楽曲が注目楽曲とは異なる場合(ステップS65において、現在試聴再生している楽曲は、現時点の注目楽曲ではないと判定した場合)、コンテンツ試聴データ取得部74は、ステップS66において、現在試聴再生している楽曲に対する「1楽曲分試聴処理」を強制終了させ、ステップS67において、現時点の注目楽曲に対する「1楽曲分試聴処理」を開始させ、処理をステップS68に進める。即ち、現時点の注目楽曲の試聴データが自動的に取得され、その試聴データに対応する注目楽曲(一部分)の試聴再生が自動的に行われることになる。
ステップS68において、表示制御部73は、ENTERキー43または左方キー47(戻るキー)が押下されたか否かを判定する。
即ち、上述した図7に示されるように、ENTERキー43が押下されると、表示部23の表示内容は、楽曲紹介ページ91から購入確認画像93に更新される。
一方、左方キー47(戻るキー)が押下されると、トップページ81の再表示が指示されたと判断され、表示部23の表示内容は、図5の楽曲紹介ページ91から図4のトップページ81に更新される。
従って、ENTERキー43と左方キー47(戻るキー)のいずれもが押下されない場合(ステップS68において、ENTERキー43または左方キー47(戻るキー)が押下されていないと判定された場合)、処理はステップS62に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、ENTERキー43または左方キー47(戻るキー)が押下されるまで、ステップS62乃至S68の処理が繰り返される(ユーザの上方キー44または下方キー45の押下操作に応じて、図6に示される処理が行われる)。
これに対して、ENTERキー43または左方キー47(戻るキー)が押下された場合(ステップS68において、ENTERキー43または左方キー47(戻るキー)が押下されたと判定された場合)、「試聴データ取得再生処理」は終了となり、図9のステップS10の処理が実行される。
即ち、表示制御部73は、ステップS10において、トップページ81の表示が指示されたか否かを判定する。
例えば、左方キー47(戻るキー)が押下された場合、表示制御部73は、ステップS10において、トップページ81の表示が指示されたと判定し、処理をステップS2に戻し、図4のトップぺージ81を表示部23に表示させる。
これに対して、例えば、ENTERキー43が押下された場合、表示制御部73は、ステップS10において、トップページ81の表示が指示されていないと判定して、図7に示される購入確認画像93を表示部23に表示させる。そして、表示制御部73は、ステップS11において、注目楽曲の正式データ(コンテンツデータ)の取得が指示されたか否かを判定する。
即ち、図7に示されるように、この状態(購入確認画像93が表示された状態)で、ENTERキー43が再度押下された場合、ステップS11において、注目楽曲の正式データ(コンテンツデータ)の取得が指示されたと判定され、ステップS12において、注目楽曲の正式データのダウンロードが行われる。なお、以下、このようなステップS12の処理を「コンテンツデータ取得処理」と称する。「コンテンツデータ取得処理」の詳細については、図16を参照して後述する。
これに対して、この状態(購入確認画像93が表示された状態)で、上方キー44が押下され、さらに、ENTERキー43が押下されると、ステップS11において、注目楽曲の正式データ(コンテンツデータ)の取得が指示されていないと判定され、処理はステップS9に戻され、「試聴データ取得再生処理」が再度実行される。即ち、図7に示されるように、表示部23の表示内容は、購入確認画像93から楽曲紹介ページ91に戻され、所定の楽曲の試聴再生が再度自動的に行われる。
ここで、図15のフローチャートを参照して、「1楽曲分試聴処理」の詳細について説明する。
なお、ここでは、「1楽曲分試聴処理」は、図3のコンテンツ試用データ取得部74と再生部75とにより実行される(コンテンツ試用データ取得部74と再生部75とのそれぞれが有する機能のうちの1つである)とする。
はじめに、上述した規定時間をタイマ51に計時させるために、ステップS81において、コンテンツ試用データ取得部74は、タイマ51を起動させる(計時動作を開始させる)。
ステップS82において、コンテンツ試用データ取得部74は、注目楽曲の試聴データのURLアドレスを認識する。上述したように、ここでは、注目楽曲の試聴データのURLアドレスは、図13の楽曲紹介ページの情報(HTML文章)221に含まれている。即ち、SAMPLEDATAタグ(9行目と25行目参照)に挟まれた文字列が、注目楽曲の試聴データのURLアドレスとされている。
いまの場合、上述したように、URLアドレスはEMDサーバ3上に指定されることになるので(なお、後述する図28の例では、試聴データサーバ301−3上に指定されることになる)、ステップS83において、コンテンツ試用データ取得部74は、認識したURLアドレスで指定されているEMDサーバ3に(通信部19とネットワーク2を介して)アクセスし、そのURLアドレスに存在するデータ(試聴データ)のダウンロード(取得)を要求する。
EMDサーバ3は、要求された試聴データをEMDクライアント1にネットワーク2を介して送信する(後述する図18と図24のステップS207)。
すると、ステップS84において、コンテンツ試用データ取得部74は、EMDサーバ3から送信された試聴データを通信部19を介して受信し、一定量ずつRAM13に書き込む(再生部75に提供する)。
ステップS85において、再生部75は、試聴データが暗号化されているか否かを判定する。
試聴データが暗号化されている場合(ステップS85において、試聴データが暗号化されていると判定した場合)、再生部75は、ステップS86において、暗号化された試聴データをRAM13から読み出して復号し(正確には、DRM制御部24に復号させて)、RAM13に書き戻し、ステップS87において、RAM13に書き込まれた試聴データに対応する注目楽曲(その一部分)をスピーカ21から再生させる。
なお、試聴データが暗号化されていない場合(ステップS85において、試聴データが暗号化されていないと判定された場合)、ステップS86の処理(復号の処理)は実行されずに、ステップS87において、RAM13に書き込まれた試聴データに対応する注目楽曲(その一部分)が再生される。
ステップS88において、再生部75は、試聴データの全てを取得(ダウンロード)したか否かを判定する。
試聴データの全てが取得(ダウンロード)されていない場合(ステップS88において、試聴データの全てを取得(ダウンロード)していないと判定された場合)、処理はステップS84に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、残りの試聴データが順次取得され、注目楽曲の残りの部分(試聴データに対応する部分)が順次再生されていく。
ところで、1つの楽曲に対する試聴再生の繰り返し回数は特に限定されない。ただし、試聴データはRAM13に一時的に書き込まれるため、EMDクライアント1は、試聴再生の繰り返し回数分だけ試聴データの要求をEMDサーバ3に行う必要がある。従って、必要以上にこの試聴データの要求を行うと、ネットワーク2の接続回線容量を無駄に消費してしまうといった課題が発生してしまう。
そこで、この課題を解決するために、上述したように、本実施の形態においては、EMDサーバ1とEMDクライアント3との間のプロトコルとして試聴再生の繰り返し許可回数が規定されており、各楽曲のそれぞれに対する試聴再生の繰り返し許可回数が、図13の楽曲紹介ページの情報(HTML文章)221に含まれている。即ち、REPEATタグ(8行目と24行目参照)に挟まれた数字が、注目楽曲の試聴データに対する試聴再生の繰り返し許可回数とされている。
従って、再生部75は、ステップS89において、規定回数(即ち、試聴再生の繰り返し許可回数)試聴再生したか否かを判定し、規定回数試聴再生していない場合(規定回数再生していないと判定した場合)、処理をステップS83に戻し、それ以降の処理を繰り返す。そして、再生部75は、ステップS83乃至S89の処理を規定回数分繰り返して実行し、注目楽曲の試聴再生を規定回数だけ行うと、ステップS89において、規定回数試聴再生したと判定し、その注目楽曲に対する「1楽曲分試聴処理」を終了させる。
なお、上述したように、所定の楽曲に対する「1楽曲分試聴処理」は、ステップS81乃至S89のうちのいずれの処理が行われていても、「視聴データ取得再生処理」のステップS66(図14)の処理が実行された場合、強制的に終了される。
次に、図16のフローチャートを参照して、「コンテンツデータ取得処理」の詳細について説明する。
なお、ここでは、「コンテンツデータ取得処理」は、図3のコンテンツ正式データ取得部76により実行される(コンテンツ正式データ取得部76が有する機能のうちの1つである)とする。
上述した図7に示されるように、所定の楽曲(注目楽曲)が試聴再生されている状態で、ENTERキー43が2回押下されると、ステップS11(図9)において、その注目楽曲の正式データ(コンテンツデータ)の取得が指示されたと判定され、ステップS12の処理、即ち、図16の「コンテンツデータ取得処理」が実行される。
詳細には、ステップS101において、コンテンツ正式データ取得部76は、注目楽曲の正式データのURLアドレスを認識する。上述したように、ここでは、注目楽曲の正式データのURLアドレスは、図13の楽曲紹介ページの情報(HTML文章)221に含まれている。即ち、CONTENTDATAタグ(12行目と28行目参照)に挟まれた文字列が、注目楽曲の正式データのURLアドレスとされている。
いまの場合、上述したように、URLアドレスはEMDサーバ3上に指定されることになるので(なお、後述する図28の例では、コンテンツデータサーバ301−4上に指定されることになる)、ステップS102において、コンテンツ正式データ取得部76は、認識したURLアドレスで指定されているEMDサーバ3に(通信部19とネットワーク2を介して)アクセスし、そのURLアドレスに存在するデータ(注目楽曲の正式データ)のダウンロード(取得)を要求する。
EMDサーバ3は、要求された注目楽曲の正式データをEMDクライアント1にネットワーク2を介して送信する(後述する図18と図25のステップS209。詳細は、図20参照)。
すると、ステップS103において、コンテンツ正式データ取得部76は、EMDサーバ3から送信された注目楽曲の正式データを通信部19を介して受信し、データ記憶部15に記憶させる。これにより、「コンテンツデータ取得処理」は終了となる。
ところで、このような「コンテンツデータ取得処理」が終了された後、EMDサービスの内容や、EMDクライアント1とEMDサーバ3とのそれぞれが利用するDRMに応じて、注目楽曲の正式データに対する課金処理等が実行される。「コンテンツデータ取得処理」の後に実行されるこの処理は、特に限定されないが、本実施の形態においては次の通りとされる。
即ち、本実施の形態においては、上述したように、DRMとして「OpenMG X」が適用され、また、EMDクライアント1の認証時に認証チケットがEMDサーバ3から発行され、EMDクライアント1に保持されている(上述した図10のステップS24)ので、ステップS12の「コンテンツデータ取得処理」の後、図9に示されるステップS13とS14の処理が実行される。
このステップS13とS14は、次の2点を前提とした処理とされている。即ち、1点目は、上述したように、コンテンツデータ(楽曲の正式データ)を利用(再生)するためには、ライセンス(そのデータ)の取得が必須であり、このライセンスのデータの取得時に課金処理を行うという点である。2点目は、ユーザの利便性を考慮し、課金処理のとき、EMDクライアント1の認証処理を省略するため、EMDクライアント1は、ライセンスのデータを要求するときに認証チケットをEMDサーバ3に送付する。EMDサーバ3は、認証チケットを受け取ると、認証チケットの有効性を確認し、有効であればEMDクライアント1にライセンスのデータを送付するという点である。
詳細には、ステップS13において、コンテンツ正式データ取得部76は、ライセンスのデータを既に取得しているか否かを判定する。
ライセンスのデータが既に取得されている場合(ステップS13において、ライセンスのデータを既に取得していると判定された場合)、上述した1点目の前提より、課金処理は既に行われていると判断され、処理はステップS9に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、図7に示されるように、ダウンロード完了画像96が表示部23に表示され、ENTERキー43が押下されたことが確認されてから、楽曲紹介ページ91が表示部23に再度表示され、所定の楽曲の試聴再生がスピーカ21から自動的に再度行われる。
これに対して、ライセンスのデータがまだ取得されていない場合(ステップS13において、ライセンスのデータを既に取得していないと判定された場合)、ステップS14において、上述した2点目の前提に基づいてライセンスのデータを取得する処理が実行される。なお、以下、このようなステップS14の処理を「ライセンス取得処理」と称する。この「ライセンス取得処理」の詳細が図17のフローチャートに示されている。そこで、以下、図17のフローチャートを参照して、「ライセンス取得処理」の詳細について説明する。
なお、ここでは、「ライセンス取得処理」は、図3のコンテンツ正式データ取得部76により実行される(コンテンツ正式データ取得部76が有する機能のうちの1つである)とする。
はじめに、ステップS121において、コンテンツ正式データ取得部76は、ライセンスのデータを取得するためにアクセスべきURLアドレスを認識する。上述したように、ここでは、このURLアドレスは、図13の楽曲紹介ページの情報(HTML文章)221の対応する楽曲のLICENCEDATAタグ(15行目と31行目参照)に含まれている(挟まれている)。また、上述したように、本実施の形態においては、「OpenMG X」が適用されているので、楽曲の正式データのヘッダ(後述する図21等参照)にも、このURLアドレスが含まれている。従って、コンテンツ正式データ取得部76は、ライセンスのデータを取得するためにアクセスすべきURLアドレスを認識する場合、楽曲紹介ページの情報(HTML文章)221を参照してもよいし、楽曲の正式データのヘッダを参照してもよい。
いずれにしても、いまの場合、上述したように、このURLアドレスはEMDサーバ3上に指定されることになるので(なお、後述する図28の例では、ライセンスサーバ301−5上に指定されることになる)、ステップS122において、コンテンツ正式データ取得部76は、認識したURLアドレスで指定されているEMDサーバ3に(通信部19とネットワーク2を介して)アクセスし、ステップS123において、認証チケットと、注目楽曲のライセンスを指定する情報(以下、ライセンス指定情報と称する)をEMDサーバ3に送信する。
EMDサーバ3は、ネットワーク2を介して、認証チケットとライセンス指定情報とを受信すると、認証チケットを利用して、所定の課金処理を実行する(後述する図22と図25のステップS261とS262)
そして、EMDサーバ3は、課金処理に失敗した場合、所定のエラー情報を、ネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信してくる(後述する図22のステップS263(NO)とS264)。
コンテンツ正式データ取得部76は、このエラー情報を通信部19を介して受信すると、ステップS124において、ライセンスが得られていない(ライセンスのデータを受信していない)と判定し、ステップS126において、所定のエラー処理を実行する。これにより、「ライセンス取得処理」は終了となる。
これに対して、EMDサーバ3は、課金処理に成功した場合、ライセンス(後述する図23参照)のデータを、ネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信してくる(後述する図22のステップS263(YES),S265乃至S267。このうちのステップS266のみが図25に記載されている)。
コンテンツ正式データ取得部76は、このライセンスのデータを、通信部19を介して受信すると、ステップS124において、ライセンスが得られた(ライセンスのデータを受信した)と判定し、ステップS125において、そのライセンスのデータをデータ記憶部15に記憶させる。これにより、「ライセンス取得処理」は終了となる。
以上のようにして、EMDクライアント1は、コンテンツデータ(注目楽曲の正式データ)のライセンスを取得すると、そのコンテンツ(注目楽曲)を使用することが可能となる。
なお、コンテンツデータを使用するための処理自体は、本発明と直接関係がなく、また、上述したWO02/080446パンフレット等を参照することで当業者は容易にその詳細について理解することが可能であるため、ここではその処理の詳細な説明については省略する。
図9に戻り、ステップS13の処理でライセンスのデータを既に取得していると判定された場合、または、ステップS14の処理が終了された場合、処理はステップS9に戻され、「試聴データ取得再生処理」が再度実行される。即ち、図7に示されるように、表示部23の表示内容は、購入確認画像93から楽曲紹介ページ91に戻され、所定の楽曲の試聴再生が自動的に再度行われる。
以上、図9等を参照して、図1のEMDシステムのうちのEMDクライアント1側の処理について説明した。
次に、図18等を参照して、図1のEMDシステムのうちのEMDサーバ3側の処理について説明する。
図18のステップS201において、EMDサーバ3のCPU101(図8)は、EMDクライアント1よりアクセスを受けたか否かを判定する。
EMDクライアント1よりアクセスを受けていない場合(ステップS201において、EMDクライアント1よりアクセスを受けていないと判定した場合)、EMDサーバ3は、ステップS212において、処理の終了が指示されたか否かを判定する。ステップS212において、処理の終了が指示されたと判定された場合、その処理は終了される。これに対して、ステップS212において、処理の終了が指示されていないと判定された場合、処理はステップS201に戻され、EMDクライアント1よりアクセスを受けたか否かが再度判定される。即ち、EMDサーバ3は、EMDクライアント1からアクセスされることを常時監視している(処理の終了が指示されない限り)。
そして、EMDクライアント1よりアクセスされると(ステップS201において、EMDクライアント1よりアクセスを受けたと判定した場合)、CPU101は、そのアクセスの内容(要求の内容)に対応する処理(後述するステップS203,S205,S207,S209,S211のうちのいずれかの処理)を実行する。その後、処理はステップS212に進み、それ以降の処理が実行される。即ち、EMDサーバ3は、EMDクライアント1からのアクセスに対する応答の処理を実行すると、EMDクライアント1からアクセスされることを再度監視する(ただし、処理の終了が指示されない場合)。
詳細には、例えば、EMDクライアント1が、上述した図9のステップS1の「トップページ表示準備処理(詳細は、図10)」の処理を実行した場合、即ち、トップページ81の情報を要求してきた場合、CPU101は、ステップS202において、トップページ81の情報の要求であると判定し、ステップS203において、トップページ81を記憶部109より読み出し、通信部110とネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信する。なお、以下、このようなステップS203の処理を「トップページ情報提供処理」と称する。この「トップページ情報提供処理」の詳細については、図19のフローチャートを参照して後述する。
例えば、EMDクライアント1が、上述した図9のステップS7の「楽曲紹介ページ取得処理(詳細は、図12)」の処理を実行した場合、即ち、楽曲紹介ページ91の情報を要求してきた場合、CPU101は、ステップS202において、トップページ81の情報の要求ではないと判定した後、ステップS204において、楽曲紹介ページ91の情報の要求であると判定し、ステップS205において、要求された楽曲紹介ページの情報(図13のHTML文章221)を記憶部109より読み出し、通信部110とネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信する。
例えば、EMDクライアント1が、上述した図9のステップS9の「試聴データ取得再生処理(詳細は、図14)」の処理を実行した場合(正確には、図15の「1楽曲分試聴処理」を実行した場合)、即ち、注目楽曲の試聴データを要求してきた場合、CPU101は、ステップS202,S204のそれぞれにおいて、その処理に対応する要求ではないと判定した後、ステップS206において、試聴データの要求であると判定し、ステップS207において、要求された試聴データを記憶部109より読み出し、通信部110とネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信する。
例えば、EMDクライアント1が、上述した図9のステップS12の「コンテンツデータ取得処理(詳細は、図16)」の処理を実行した場合、即ち、注目楽曲の正式データを要求してきた場合、CPU101は、ステップS202,S204,S206のそれぞれにおいて、その処理に対応する要求ではないと判定した後、ステップS208において、コンテンツデータの要求であると判定し、ステップS209において、要求されたコンテンツデータ(注目楽曲の正式データ)を記憶部109より読み出し、通信部110とネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信する。なお、以下、このようなステップS209の処理を「コンテンツデータ配信処理」と称する。この「コンテンツデータ配信処理」の詳細については、図20のフローチャートを参照して後述する。
また、例えば、EMDクライアント1が、上述した図9のステップS14の「ライセンス取得処理(詳細は、図17)」の処理を実行した場合、即ち、注目楽曲(ダウンロードした楽曲の正式データ)に対応するライセンスのデータを要求してきた場合、CPU101は、ステップS202,S204,S206,S208のそれぞれにおいて、その処理に対応する要求ではないと判定した後、ステップS210において、ライセンスの要求であると判定し、ステップS211において、要求されたライセンスのデータを生成し、通信部110とネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信する。なお、以下、このようなステップS211の処理を「ライセンス提供処理」と称する。この「ライセンス提供処理」の詳細については、図22のフローチャートを参照して後述する。
次に、「トップページ情報提供処理(ステップS203の処理)」、「コンテンツデータ配信処理(ステップS209の処理)」、および、「ライセンス提供処理(ステップS211の処理)」のそれぞれの詳細についてその順番で説明していく。
はじめに、図19のフローチャートを参照して、「トップページ情報提供処理(図18のステップS203の処理)」の詳細について説明する。
上述したように、図10のステップS21において、EMDクライアント1が、EMDサーバ3にアクセスしてくると、CPU101は、図18のステップS202において、トップページ81の情報の要求であると判定し、ステップS203において、「トップページ情報提供開始」を実行する。
即ち、ここでは、上述したように、EMDサービスが会員制であり、EMDサーバ3は、ユーザの正当性を確認する必要があるので、図19のステップS221において、EMDクライアント1に対して認証要求を行う。
上述したように、図10のステップS22において、EMDクライアント1は、EMDサーバ3からの認証要求に対して応答する。即ち、EMDクライアント1は、ユーザIDとパスワードをネットワーク2を介してEMDサーバ3に送信してくる。
すると、ステップS222において、CPU101は、ユーザIDとパスワードとを通信部110を介して受信し、ステップS223において、EMDクライアント1の認証を行い、ステップS224において、その認証に成功したか否かを判定する。
認証に成功した場合(ステップS224において、認証に成功したと判定した場合)、CPU101は、ステップS226において、認証チケットを生成し、通信部110およびネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信する。そしてCPU101は、ステップS227において、トップページ81の情報を記憶部109より読み出し、通信部110およびネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信する。これにより、「トップページ情報提供処理」が終了となる。
これに対して、認証に失敗した場合(ステップS224において、認証に成功していないと判定した場合)、CPU101は、ステップS225において、所定のエラー情報を、通信部110およびネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信する。これにより、「トップページ情報提供処理」が終了となる。
なお、EMDサービスが会員制でない場合、上述したステップS227の処理のみが行われる。
次に、図20のフローチャートを参照して、「コンテンツデータ配信処理(図18のステップS209の処理)」の詳細について説明する。
上述したように、図16のステップS102の処理で、EMDクライアント1より注目楽曲の正式データのダウンロード(取得)が要求されると、EMDサーバ3のCPU101は、図18のステップS201において、EMDクライアント1よりアクセスを受けたと判定し、ステップS202,S204,S206の処理のそれぞれで、その処理に対応する要求ではないと判定した後、ステップS208において、コンテンツデータの要求であると判定し、ステップS209の「コンテンツデータ配信処理」を実行する。
即ち、図20のステップS241において、EMDサーバ3のCPU101は、記憶部109に記憶されているコンテンツデータ(各楽曲のそれぞれの正式データ)の中から、要求されたコンテンツデータ(URLアドレスで指定された場所に記憶されている注目楽曲の正式データ)を読み出す。
ステップS242において、CPU21は、このコンテンツデータを、DRM制御部104に供給し、所定の暗号化鍵(以下、コンテンツキーKcと称する)を用いて暗号化させる。
なお、記憶部109に記憶されているコンテンツデータ(注目楽曲の正式データ)が、ATRAC3方式によりエンコードされていない場合、DRM制御部104は、そのコンテンツデータをATRAC3方式によりエンコードさせてから暗号化を行う。また、記憶部109に予め暗号化した状態でコンテンツデータを記憶させることもできる。この場合には、ステップS242の処理は省略することが可能である。
次に、ステップS243において、CPU101は、暗号化したコンテンツデータを伝送するフォーマットを構成するヘッダに、暗号化されているコンテンツを復号するのに必要なキー情報(後述する図21のEKBとKEKBC(Kc))と、コンテンツ(注目楽曲)を利用するのに必要なライセンスを識別するためのライセンスIDを付加する。
そして、ステップS244において、CPU101は、ステップS242の処理で暗号化したコンテンツデータと、ステップS243の処理でキー情報とライセンスIDとを付加したヘッダとをフォーマット化したデータを、通信部110とネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信する。
上述したように、図16のステップS103において、EMDクライアント1は、このデータ(暗号化されたコンテンツデータと、キー情報とライセンスIDが付加されたヘッダとがフォーマット化されたデータ)を、注目楽曲の正式データとしてデータ記憶部15に記憶させる。
図21は、このようにして、EMDサーバ3からEMDクライアント1にコンテンツデータ(注目楽曲の正式データ)が供給される場合のフォーマットの構成を表している。
図21に示されるように、このフォーマットは、ヘッダ(Header)とデータ(Data)とにより構成される。
ヘッダには、コンテンツ情報(Content information)、デジタル権利管理情報(DRM(Digital Right Management) information )、ライセンスID(License ID)、イネーブリングキーブロック(有効化キーブロック)(EKB(Enabling Key Block))および、EKBから生成されたキーKEKBCを用いて暗号化されたコンテンツキーKcとしてのデータKEKBC(Kc)が配置されている。
コンテンツ情報には、データとしてフォーマット化されているコンテンツデータを識別するための識別情報としてのコンテンツID(CID)、そのコンテンツのコーデックの方式などの情報が含まれている。
デジタル権利管理情報には、コンテンツを使用する規則および状態(Usage rules/status)と、URLアドレスが配置されている。使用規則および状態には、例えば、コンテンツの再生回数、コピー回数などが記述される。
URLは、ライセンスIDで規定されるライセンスを取得するときアクセスするアドレス情報であり、図1の例では、ライセンスを受けるために必要なEMDサーバ3のアドレス(後述する図28の例では、ライセンスサーバ301−5のアドレス)である。ライセンスIDは、データとして記録されているコンテンツを利用するとき必要とされるライセンスを識別するものである。
EKBは、EMDクライアント1が、上述したコンテンツキーKc(対応する暗号化コンテンツデータを復号するための鍵)を得るために必要な情報であって、ライセンスに含まれるデバイスノードキー(DNK)(後述する図23参照)とともに利用される。なお、EKB自身は、本発明と直接関係がなく、また、上述したWO02/080446パンフレット等を参照することで当業者は容易にその詳細について理解することが可能であるため、ここではEKBの詳細な説明については省略する。
データは、任意の数の暗号化ブロック(Encryption Blook)により構成される。各暗号化ブロックは、イニシャルベクトル(IV(Initial Vector))、シード(Seed)、およびコンテンツデータをキーK'cで暗号化したデータEK'c(data)により構成されている。
キーK'cは、次式により示されるように、コンテンツキーKcと、乱数で設定される値Seedをハッシュ関数に適用して演算された値により構成される。
K'c=Hash(Kc,Seed)
イニシャルベクトルIVとシードSeedは、各暗号化ブロック毎に異なる値に設定される。
この暗号化は、コンテンツのデータを8バイト単位で区分して、8バイト毎に行われる。後段の8バイトの暗号化は、前段の8バイトの暗号化の結果を利用して行われるCBC(Cypher Block Chaning)モードで行われる。
CBCモードの場合、最初の8バイトのコンテンツデータを暗号化するとき、その前段の8バイトの暗号化結果が存在しないため、最初の8バイトのコンテンツデータを暗号化するときは、イニシャルベクトルIVを初期値として暗号化が行われる。
このCBCモードによる暗号化を行うことで、1つの暗号化ブロックが解読されたとしても、その影響が、他の暗号化ブロックにおよぶことが抑制される。
なお、この暗号化自身も、本発明と直接関係がなく、また、上述したWO02/080446パンフレット等を参照することで当業者は容易にその詳細について理解することが可能であるため、ここでは暗号化の詳細な説明については省略する。
以上のようにして、EMDクライアント1は、EMDサーバ3から楽曲の正式データ(コンテンツデータ)を無料で、自由に取得することができる。従って、楽曲(コンテンツ)そのものは、大量に配布することが可能となる。
しかしながら、上述したように、EMDクライアント1は、取得したコンテンツを利用するとき(楽曲を再生するとき)、ライセンス(データ)を保持している必要がある。このため、EMDクライアント1は、上述した図17の「ライセンス取得処理」を実行して、ライセンスのデータを取得する。この「ライセンス取得処理」に対応するEMDサーバ3側の処理が、上述したように、「ライセンス提供処理(図18のステップS211の処理)」であり、その詳細が図22のフローチャートに示されている。そこで、以下、図22を参照して、「ライセンス提供処理」の詳細について説明する。
上述したように、図17のステップS122とS123の処理で、EMDクライアント1よりアクセスされ、認証チケットとライセンス指定情報がネットワーク2を介して送信されてくると、EMDサーバ3のCPU101は、図18のステップS201において、EMDクライアント1よりアクセスを受けたと判定し、ステップS202,S204,S206,S208の処理のそれぞれで、その処理に対応する要求ではないと判定した後、ステップS210において、ライセンスの要求であると判定し、ステップS211の「ライセンス提供処理」を実行する。
即ち、図22のステップS262において、CPU101は、EMDクライアント1より送信された、認証チケットとライセンス指定情報とを通信部110を介して受信する。
そして、CPU101は、ステップS262において、認証チケットを利用して、所定の課金処理を実行する。
具体的には、例えば、CPU101は、認証チケット(ユーザIDとパスワード)で特定されるユーザの過去の支払い履歴などを調査し、そのユーザが、過去にライセンスの対価の不払いの実績があるか否かなどを調べ、そのような実績がない場合には、ライセンスの付与を許容する与信結果を生成し、ユーザが予め指定している金融機関に対して、そのライセンス料の請求を行う処理を実行する。この処理を行った場合、CPU101は、課金処理が成功したと判断する。
これに対して、例えば、CPU101は、不払いの実績などがある等と調査した場合には、ライセンス付与の不許可の与信結果を生成する。この処理を行った場合、CPU101は、課金処理が失敗したと判断する。
CPU101は、ステップS263において、先に生成した与信結果に基づいて課金処理は成功したか否かを判定する。
課金処理に失敗した場合(ステップS263において、課金処理は成功していないと判定した場合)、ステップS264において、CPU101は、所定のエラー情報を、通信部110とネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信する。これにより、「ライセンス提供処理」は終了となる。
これに対して、課金処理に成功した場合(ステップS263において、課金処理は成功したと判定した場合)、ステップS265において、CPU101は、図23に示されるようなライセンスのデータを生成する。
ここで、図23を参照して、EMDクライアント1に提供されるライセンスについて説明する。
図23に示されるように、ライセンスには、例えば、使用条件、リーフIDおよびデバイスノードキー(Device Naode Key(DNK))が含まれている。
使用条件は、そのライセンスに基づいて、コンテンツ(楽曲)を使用することが可能な使用期限、そのライセンスに基づいて、コンテンツをダウンロードすることが可能なダウンロード期限、そのライセンスに基づいて、コンテンツをコピーすることが可能な回数(許されるコピー回数)、チェックアウト回数、最大チェックアウト回数、そのライセンスに基づいて、コンテンツをCD(Compact Disk)-Rに記録することができる権利、PD(Portable Device)にコピーすることが可能な回数、ライセンスを所有権(買い取り状態)に移行できる権利、使用ログをとる義務等が含まれる。
なお、使用条件自体は、本発明と直接関係がなく、また、上述したWO02/080446パンフレット等を参照することで当業者は容易にその詳細について理解することが可能であるため、ここでは使用条件のさらに詳細な説明については省略する。
リーフIDとDNKとは、次のような情報を指す。
即ち、上述したWO02/080446パンフレット等によると(「OpenMG X」によると)、ブロードキャストインクリプション(Broadcast Encryption)方式の原理に基づいて、デバイス(EMDクライアント1等)とライセンスのキーが管理される。キーは、階層ツリー構造とされ、最下段のリーフ(leaf)が個々のデバイスまたはライセンスのキーに対応する。
即ち、本実施の形態においては、ブロードキャストインクリプション方式の原理に基づいて構成されるMG-Rエンティティというキーシステムで、デバイスのキーとライセンスのキーの管理が行われる。例えば、図示はしないが、上から8段24段32段のノードがツリー構造とされ、ルートノードから下位の8段までの各ノードにカテゴリが対応されるとする。ここにおけるカテゴリとは、例えばメモリスティック(商標)などの半導体メモリを使用する機器のカテゴリ、デジタル放送を受信する機器のカテゴリといったカテゴリを意味する。そして、このカテゴリノードのうちの1つのノードに、ライセンスを管理するシステムとしてのTシステムが対応される。
即ち、このTシステムのノードよりさらに下の階層の24段のノードに対応するキーにより、ライセンスが対応される。この例の場合、これにより、約16メガ(=224=約160万)のライセンスを規定することができる。さらに、最も下側の32段の階層により、約4ギガ(=232=約40億)のユーザを規定することができる。最下段の32段のノードに対応するキーが、DNKを構成し、そのDNKに対応するIDがリーフIDとされる。
換言すると、リーフIDは、Tシステムにより規定されるそのライセンスに割り当てられた識別情報を表す。また、DNKは、そのライセンスに対応するEKB(有効化キーブロック)に含まれる暗号化されているコンテンツキーKcを復号するのに必要なデバイスノードキーである。
なお、リーフIDおよびDNK、並びに、これらに関連するTシステム等の技術も、本発明と直接関係がなく、また、上述したWO02/080446パンフレット等を参照することで当業者は容易にその詳細について理解することが可能であるため、ここではこれらの詳細な説明については省略する。
図22に戻り、CPU101は、S265において、上述したようなライセンスのデータを生成すると、S266において、そのライセンスのデータを、通信部110およびネットワーク2を介してEMDクライアント1に送信する。そして、CPU101は、ステップS267において、そのライセンスのデータを、ユーザIDとパスワードと対応付けて記憶部109に保存する。これにより、「ライセンス提供処理」は終了となる。
以上、図1のEMDシステムの処理について、EMDクライアント1側の処理と、EMDサーバ3側の処理といった2つの側面からそれぞれ個別に説明した。
このような一連の処理をEMDクライアント1とEMDサーバ3とのそれぞれが実行することで、ユーザが試聴開始の操作を特に実行しなくとも、EMDクライアント1により自動的に所定の楽曲の試聴再生が開始される。従って、ユーザは、EMDクライアント1の表示部23を注意深く見なくとも、自動的に試聴再生されている楽曲を聴き、その楽曲が気に入ったら、購入の操作(この購入の操作も、表示部23を注意深く見る必要はない)を行えばよい。一方、ユーザは、その楽曲が気に入らない場合、上方キー44または下方キー45を押下するといった操作(GUIに頼らない簡単な操作)を行うだけで、他の楽曲も試聴することができる。
ところで、上述した図7に示されるように、ユーザは、試聴中の楽曲を気に入った場合、ENTERキー43を2回押下することで、その楽曲を購入(ダウンロード)することができる。
しかしながら、ユーザが、購入の意欲も無いのに誤操作でENTERキー43を連打してしまった(2回以上押下してしまった)場合、或いは、ENTERキー43が実際には連打されていないにも拘らず、EMDクライアント1の入力処理部18(図2)が、連打されたと誤検出してしまった場合、その楽曲の購入が確定してしまう(ダウンロードが行われてしまう)といった課題が発生してしまう。
そこで、EPGクライアント1のCPU11(図2)は、「購入確認画像93を表示部23に表示させてから(即ち、1回目のENTERキー43の押下操作の時点から)、一定期間(例えば、1秒等)ENTERキー43の押下操作を無視する」といった処理を実行することで、この課題を解決することができる。なお、このような処理は、図9のステップS11の代わりに実行されることになる。そこで、このような処理を、以下、「コンテンツデータ取得準備処理」と称する。
この「コンテンツデータ取得準備処理」の詳細が図26のフローチャートに示されている。そこで、以下、図26を参照して、「コンテンツデータ取得準備処理」の詳細について説明する。
上述したように、ステップS9の「試聴データ取得再生処理」が実行されて、所定の注目楽曲の試聴再生が行われている最中に、ENTERキー43が1回押下されると、図14のステップS68の処理でENTERキー43または左方キー47が押下されたと判定され、ステップS9の「試聴データ取得再生処理」が終了される。そして、図9のステップS10の処理でトップページの表示が指示されていないと判定されることになる。
このとき、図9のステップS11の代わりに、この「コンテンツデータ取得準備処理」が実行される。
即ち、図26のステップS281において、CPU11は、購入確認画像93(図7)を表示部23に表示させ、ステップS282において、タイマ51を起動させる(計時動作を開始させる)。なお、このとき、タイマ51は、上述した図14の「試聴データ取得再生処理」のときとは異なるモード(タイムアウトの時間が異なるモード)で計時動作を開始する。
ステップS283において、CPU11は、キー入力がなされたか否かを判定する。
ステップS283において、キー入力がなされていないと判定した場合、CPU11は、ステップS284において、その他のイベント処理を必要に応じて実行した後、図9のステップS9等に処理を移行する(ステップS283に戻す場合もある)。
これに対して、ステップS283において、キー入力がなされたと判定した場合、CPU11は、ステップS285において、そのキー入力はENTERキー43によるものか否かを判定する。
ENTERキー43以外のキー入力であった場合(ステップS285において、ENTERキー43ではないと判定した場合)、CPU11は、ステップS286において、その他のキー入力処理を必要に応じて実行した後、図9のステップS9等に処理を移行する(ステップS283に戻す場合もある)。
これに対して、ENTERキー43からの入力であった場合(ステップS285において、ENTERキー43であると判定した場合)、CPU11は、ステップS287において、タイマ51が計時動作中であるか否かを判定する。
タイマ51が起動動作中の場合(ステップS287において、タイマ51が計時動作中であると判定した場合)、CPU11は、そのENTERキー43の入力を無視する。即ち、処理はステップS283に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
これに対して、タイマ51が計時動作を既に終了している場合(ステップS287において、タイマ51が計時動作中ではないと判定した場合)、CPU11は、そのENTERキー43の入力が有効であるとして、上述した図16の「コンテンツデータ取得処理(図9のステップS12の処理)」を実行する。
なお、楽曲の誤購入防止策(上述した課題の解決策)として、ユーザが試聴中の楽曲を気に入ったときに押下するキーとして、図27に示されるように、ENTERキー43の代わりに、購入のための専用キー(購入キー)251を適用してもよい。即ち、図2の入力部17等に、この購入キー251が付加されればよい。
なお、図27は、購入キー251を利用する場合の楽曲の購入操作の例を説明する図である。上述した図7とこの図27とを比較するに、これらの2つの図は、購入キー251を除いては全く同様の図であることがわかる。即ち、購入キー251を利用する場合の楽曲の購入操作は、購入キー251の押下操作を除いては、図7を参照して上述した楽曲の購入操作と基本的に同様の購入操作となる。従って、図27の説明については省略する。
以上、本発明が適用される実施の形態として、図1のEMDシステムについて説明した。即ち、EMDサーバ3が1台の装置で構成される実施の形態として説明した。しかしながら、上述したように、EMDサーバ3が有する第1の機能乃至第7の機能を、複数の装置に分散させることも可能である。即ち、本発明が適用されるEMDシステムは、EMDクライアント1と、複数の装置からなるEMDサーバシステムとから構成してもよい。具体的には、例えば、本発明が適用されるEMDシステムは、図28に示されるように構成してもよい。即ち、図28は、本発明が適用されるEMDシステム(コンテンツ配信システム)の他の実施の形態の構成例を表している。
図28において、ネットワーク2には、ショップサーバ301−1乃至課金サーバ301−7が接続されている。即ち、EMDクライアント1と、ショップサーバ301−1乃至課金サーバ301−7のそれぞれとは、ネットワーク2を介して相互に接続されている。
ショップサーバ301−1は、上述したトップページ81や楽曲紹介ページ91等の情報を保存し、EMDクライアント1から要求があると、要求された情報をEMDクライアント1に送信する。即ち、ショップサーバ301−1は、上述したEMDサーバ3が有する第1の機能乃至第7の機能のうちの、第1の機能を有している。
認証サーバ301−2は、EMDサービスを受けるユーザやEMDクライアント1の正当性を認証する。即ち、認証サーバ301−2は、上述したEMDサーバ3が有する第1の機能乃至第7の機能のうちの、第5の機能を有している。
試聴データサーバ301−3は、各楽曲のそれぞれの試聴データを保存し、EMDクライアント1から要求があると、要求された楽曲の試聴データをEMDクライアント1に送信する。即ち、試聴データサーバ301−3は、上述したEMDサーバ3が有する第1の機能乃至第7の機能のうちの、第2の機能を有している。
コンテンツデータサーバ301−4は、各楽曲のそれぞれの正式データ(コンテンツデータ)を保存し、EMDクライアント1から要求があると、要求された楽曲の正式データをEMDクライアント1に送信する。即ち、コンテンツデータサーバ301−4は、上述したEMDサーバ3が有する第1の機能乃至第7の機能のうちの、第3の機能(および、第4の機能の一部分)を有している。
ライセンスサーバ301−5は、各楽曲のそれぞれに対応するライセンスを管理する。即ち、ライセンスサーバ301−5は、上述したEMDサーバ3が有する第1の機能乃至第7の機能のうちの、第4の機能の一部分を有している。
ユーザ情報サーバ301−6は、EMDサービスが会員制であったり、或いは、過去の利用履歴などを管理する必要がある場合、ユーザやEMDクライアント1に関する情報を保持する。即ち、ユーザ情報サーバ301−6は、上述したEMDサーバ3が有する第1の機能乃至第7の機能のうちの、第6の機能を有している。
課金サーバ301−7は、ユーザがEMDサービスで楽曲を購入したときにその代金を徴収する(課金処理を行う)。即ち、課金サーバ301−7はは、上述したEMDサーバ3が有する第1の機能乃至第7の機能のうちの、第7の機能を有している。従って、図示はしないが、課金サーバ301−7は、例えば、クレジットカード会社や銀行等の金融機関のネットワークとも接続している。
以上のショップサーバ301−1乃至課金サーバ301−7を1つのシステムとみなせば(以下、このようなシステムを、EMDサーバシステム301と称する)、図1のEMDサーバ3と、EMDサーバシステム301とは、全く同様の機能を有していることになる。即ち、図28のEMDシステムは、図1のEMDシステムと機能的に等価であるといえるので、上述した様々な効果を全く同様に奏することが可能となる。
なお、ショップサーバ301−1乃至課金サーバ301−7のそれぞれは、対応する機能を実現可能な構成を有すれば特に限定されず、例えば、図8に示されるEMDサーバ3の構成と全く同様の構成を有することもできる。
また、EMDサーバシステム301においても、上述した第1の機能乃至第7の機能のうちの、第1の機能乃至第4の機能は必要とされるが、利用するEMDサービスによっては、第5乃至第7の機能は不要となる。例えば、課金を購入の度にする必要がない場合(第7の機能が不要の場合)、課金サーバ301−7は不要となる。また、認証やユーザの管理を行う必要がない場合(第5の機能と第6の機能とが不要な場合)、認証サーバ301−2とユーザ情報サーバ301−6は不要となる。
さらに、図28の例では、全てのサーバ(ショップサーバ301−1乃至課金サーバ301−7)は、1つのネットワーク2にバス型で接続されているが、各サーバの接続形態は、この図28の例に特に限定されない。例えば、EMDクライアント1や他のネットワーク機器から直接アクセスされることが望ましくないサーバに関しては、所定のサーバ(例えば、ショップサーバ301−1)を介してEMDクライアント1と通信するようにしてもよい。また、各ネットワーク機器のネットワーク・トポロジーについても特に限定されない。
図29は、このようなEMDシステム(図28)の処理の流れの例を表している。そこで、以下、図29を参照して、図28のEMDシステムの処理の流れについて説明する。
図29において、ステップS301において、EMDクライアント1が、ショップサーバ301−1に接続要求(トップページ81の情報の要求)を行うと、ステップS302において、ショップサーバ301−1は、認証サーバ301-2に対して、ユーザ(EMDクライアント1)の認証要求を行う。
すると、ステップS303において、認証サーバ301−2が、EMDクライアント1に対して認証要求を行うので、ステップS304において、EMDクライアント1は、その認証応答を行う。即ち、EMDクライアント1は、ユーザIDとパスワードとを認証サーバ301−2に送信する。
ステップS305において、認証サーバ301−2は、ユーザ情報サーバ301−6に記録されたユーザ情報を用いるために、ユーザ情報サーバ301−6に対してそのユーザ情報の要求を行う。ステップS306において、ユーザ情報サーバ301−6は、その要求に応答する。即ち、ユーザ情報サーバ301−6は、ユーザ情報を認証サーバ301−2に送信する。ステップS307において、認証サーバ301−2は、このユーザ情報利用して認証を行い、ユーザとEMDクライアント1が正当であると判断したとき、その認証の結果と認証チケットとをショップサーバ301−1に送信する。
ステップS308において、ショップサーバ301−1は、認証チケットとトップページ81の情報とをEMDクライアント1に送信する。これにより、EMDクライアント1とショップサーバ301−1との間の接続が確立される。
次に、ステップS309において、EMDクライアント1が、上述したような楽曲紹介ページ91の情報を要求すると(接続要求を行うと)、ステップS310において、ショップサーバ301−1は、楽曲紹介ページの情報(図13のHTML文章221)をEMDクライアント1に送信する。
その後、ステップS311において、EMDクライアント1が、上述したような所定の楽曲(注目楽曲)の試聴データの要求を試聴データサーバ301−3に自動的に行うことになるので(接続要求を自動的に行うことになるので)、ステップS312において、試聴データサーバ301−3は、その注目楽曲の試聴データをEMDクライアント1に送信する。
ユーザは、上方キー44または下方キー45を押下することで、EMDクライアント1と試聴データサーバ301−3とに、上述したステップS311とS312の処理を繰り返し自動的に実行させて、他の楽曲の試聴を行うことができる。
また、ユーザは、試聴している楽曲(注目楽曲)が気に入り、購入する(ダウンロードする)と判断した場合、上述したように、ENTERキー43を2回押下する(或いは、ENTERキー43を押下した後、図27の購入キー251を押下する)ことになる。
すると、ステップS313において、EMDクライアント1が、上述したような注目楽曲の正式データ(コンテンツデータ)をコンテンツデータサーバ301−4に要求することになり(接続要求を行うことになり)、ステップS314において、コンテンツデータサーバ301−4は、その注目楽曲の正式データをEMDクライアント1に送信する。
そして、ステップS315において、EMDクライアント1が、ライセンス要求をライセンスサーバ301−5に対して行うと(認証チケットを送信すると)、ステップS316において、ライセンスサーバ301−5は、認証チケットの有効性を認証サーバ301−2に確認させる(認証要求を行う)。ステップS317において、認証サーバ301−2は、その認証応答を行い、その応答が、認証チケットは有効であるという結果であった場合、ステップS318において、ライセンスサーバ301−5は、課金サーバ301−7に対して課金要求を行う。ステップS319において、課金サーバ301−7が、所定の課金処理を行い成功すると、その結果(課金応答)をライセンスサーバ301−5に送信する。ライセンスサーバ301−5は、この結果を受け取ると、ステップS320において、EMDクライアント1に対してライセンスデータを送信する(ライセンス応答を行う)。
ところで、上述した一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
具体的には、例えば、EMDクライアント1においては、図3のリスト取得部71乃至コンテンツ正式データ取得部76のそれぞれをモジュールとするアプリケーションソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
このようなプログラムを含む記録媒体は、例えば、図2または図8に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体(パッケージメディア)61(図2)またはリムーバブル記録媒体112(図8)により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM12(図2)またはROM102(図8)や、データ記憶部15(図2)または記憶部109に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、図3のリスト取得部71乃至コンテンツ正式データ取得部76のそれぞれは、上述したように、その機能を果たすものであれば、その形態は特に限定されない。
即ち、例えば、図3のリスト取得部71乃至コンテンツ正式データ取得部76ののそれぞれは、ハードウエアで構成されてもよい。その場合、製造者等は、例えば、図3のリスト取得部71乃至コンテンツ正式データ取得部76に対応するハードウエアをそれぞれ製作し、これらを図3に示されるようにそれぞれ接続することで、容易に、図2とは異なる構成のEMDクライアントの実現が可能になる。
また、例えば、図3のリスト取得部71乃至コンテンツ正式データ取得部76が、ソフトウエアで構成されている場合でも、その構成は、図3の例には限定されず、例えば、図3のリスト取得部71乃至コンテンツ正式データ取得部76のうちの一部分若しくは全部が組み合わされたモジュールからなるモジュール構成、または、図3のリスト取得部71乃至コンテンツ正式データ取得部76のうちのいずれかの機能が分割されたモジュールからなるモジュール構成とされてもよい。或いは、単に1つのアルゴリズムを有するプログラムでもよい。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置や処理部により構成される装置全体を表すものである。
さらにまた、配信されるコンテンツは、上述した例では楽曲とされたが、楽曲に限定されず、単に音声を含むコンテンツであればよい。即ち、例えば、ムービー(動画像とそれに対応する音声)をコンテンツとしてもよい。この場合、ムービーの音声部分、或いは、ムービーを紹介するナレーション等の音声のデータを試聴データとし、また、携帯電話機等の小さな画面を有する機器に、上述したEMDクライアント1と同様の機能を持たせることができる。これにより、ユーザは、携帯電話機等の小さな画面を注視することなく、上述した操作(所定のキーの押下操作)と全く同様の操作を行うだけで、ムービーのデータ等のコンテンツデータを簡単かつ確実に購入する(ダウンロードさせる)ことが可能となる。
1 EMDクライアント, 2 ネッワーク, 3 EMDサーバ, 11 CPU, 12 ROM, 13 RAM, 15 データ記憶部, 17 入力部, 19 通信部, 21 スピーカ, 24 DRAM制御部, 43 ENTERキー, 44 上方キー, 45 下方キー, 61 リムーバブル記録媒体, 71 リスト取得部, 72 フォーカス設定部, 73 表示制御部, 74 コンテンツ試用データ取得部, 75 再生部, 76 コンテンツ正式データ取得部, 81 トップページ, 82 カーソル, 91 楽曲紹介ページ(楽曲情報のリスト), 92 カーソル, 221 楽曲紹介ページの情報, 251 購入キー, 301 EMSサーバシステム, 301−1 ショップサーバ, 301−2 認証サーバ, 301−3 試聴データサーバ, 301−4 コンテンツデータサーバ, 301−5 ライセンスサーバ, 301−6 ユーザ情報サーバ, 301−7 課金サーバ