JP2005091986A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 現像器内に補給後、短時間での帯電立ち上がりが可能であり、同時に色域が拡大し、色再現に優れるフルカラー画像の得られる画像形成方法を提供する。
【解決手段】 転写材上に、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒の4色の静電荷像現像用トナーを重ね合わせてフルカラートナー画像を形成する画像形成方法において、
該4色の静電荷像現像用トナーの少なくとも1色のトナーAのゆるみ見掛け密度が0.360g/cm3以上0.425g/cm3未満であり、少なくとも1色のトナーBのゆるみ見掛け密度が0.325g/cm3以上0.360g/cm3未満であることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒の4色のトナーを用いてフルカラーのトナー画像形成を行う画像形成方法に関する。
電子写真方式による画像形成技術では、デジタル方式のものが最近注目されており、例えば、1200dpi(dpiとは1インチあたりのドット数を示す。1インチは2.54cm)レベルの小さなドット画像を数μmオーダーの小径のトナーを用いて、きれいに再現出来るようになっている。
また、この様な微細なドット画像をイエロー、マゼンタ、シアンからなるカラートナーで再現することにより、オフセット印刷にも勝るとも劣らない、美しいフルカラーのトナー画像を作成することが可能になった。
ところで、フルカラーの画像形成では、モノクロの画像形成に比べて画素率が高くなるためトナーの消費量が増大する。その為、現像器に補給されたばかりのトナーが十分な帯電性を付与されないうちに、現像に使用されがちである。とりわけ、消費量の多いトナーではその傾向が顕著に見られた。その為、トナー飛散等を招来する問題がある。
また、画像形成装置の小型化のニーズは高く、必然的に現像器のサイズも小型化する対応が求められている。
この様な状況から、フルカラー用のトナーとして、高画質なフルカラー画像形成し、信頼性の高い現像剤を提供、クリーニング性に優れ、トナー飛散がなく、小粒径であっても高い画像濃度が得られる画像形成方法として、カラープリンタに使用される複数のトナー現像剤として、ワーデル実用球形度ψが0.8以上、体積平均粒径Dvが4μm〜8μm、変動係数(標準偏差/Dv)σが35%以下であるカラートナーと、そのカラートナーのいずれよりもワーデル実用球形度が小さく、且つ、体積平均粒径が大きい黒トナーとから構成される現像剤を用いた多色画像形成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、一方、画像の色再現、色域の拡大の観点からも以下のような問題点がある。例えば、フルカラーの画像形成を行う時には、主に2色以上のカラートナーが用いられて画像再現が行われるが、潜像に対して忠実に現像・転写されなければ、高い色再現性は望めない。とりわけ、転写時のドットのチリの生じ方に差が生じると致命的である。更にソリッド画像においても複数色のトナーが均質に溶融・浸透しなければ色むらが生じ、色域も狭くなりやすい。
以上のように、フルカラーの電子写真法による出力画像の色域を拡大し、二次色の色再現性を向上させるカラートナーが求められている。
上記の二次色の再現性の向上については、例えば、少なくともY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の3色のトナーを現像することによって画像を形成するフルカラー電子写真による画像形成方法において、3色のトナー像が転写され定着される画像支持体として、450nmの分光反射率をR1%としたとき95≦R1となる分光反射特性をもつ画像支持体を用い、前記画像支持体上にYのベタ画像を形成したときのY画像の450nmでの分光反射率Ry%がRy≦5になるようにトナー像を形成することを特徴とする画像形成方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上記の技術を適用しても、特にトナー飛散や二次色画像の色再現性の低下の問題の解決は実用上の観点から十分ではなく、それらの解決が要望されている。
特開平9−258474号公報 特開平11−249377号公報
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、現像器内に補給後、短時間での帯電立ち上がりが可能であり、同時に色域が拡大し、色再現に優れるフルカラー画像の得られる画像形成方法を提供することである。
本発明者等は、フルカラーの画像形成方法が、像担持体上に4色のカラートナーを順次重ね合わせて画像形成を行うことに着目し、像担持体表面に直接接触して画像形成を行う時の各色の溶融・浸透の度合いが、本発明の最大の課題である、二次色の再現性向上に大きく寄与していることを見いだした。
また、像担持体上に形成されたフルカラートナーが記録媒体(転写紙ともいう)上に転写されるときに、前記ゆるみ見掛け密度が請求項1に規定された範囲のゆるみ見掛け密度を示すように調整されることにより、記録媒体上で各色トナー粒子が最密充填され、定着時に各色トナー粒子同士が溶融・浸透しあうので、二次色の再現性が向上すると同時に、トナー飛散や像担持体上へのフィルミングなども併せて減少することがわかった。
即ち、本発明の上記目的は下記の構成1〜7により達成された。
(請求項1)
転写材上に、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒の4色の静電荷像現像用トナーを重ね合わせてフルカラートナー画像を形成する画像形成方法において、
該4色の静電荷像現像用トナーの少なくとも1色のトナーAのゆるみ見掛け密度が0.360g/cm3以上0.425g/cm3未満であり、少なくとも1色のトナーBのゆるみ見掛け密度が0.325g/cm3以上0.360g/cm3未満であることを特徴とする画像形成方法。
(請求項2)
転写材上に、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒の4色の静電荷像現像用トナーを重ね合わせてフルカラートナー画像を形成する画像形成方法において、
該4色の静電荷像現像用トナーの少なくとも1色のトナーAのゆるみ見掛け密度が0.360g/cm3以上0.405g/cm3未満であり、少なくとも1色のトナーBのゆるみ見掛け密度が0.335g/cm3以上0.355g/cm3未満であることを特徴とする画像形成方法。
(請求項3)
前記トナーBがマゼンタトナーまたはシアントナーであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
(請求項4)
前記トナーAが黒トナーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(請求項5)
前記トナーAがイエロートナーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(請求項6)
前記4色の静電荷像現像用トナーが各々磁性体を含まないトナーであり、且つ、該トナーの円形度の平均値が0.94〜0.99の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(請求項7)
Al、Na、Mg及びCaからなる元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を10ppm〜5000ppmの範囲で含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
本発明によれば、現像器に補給したトナーは帯電立ち上がりを短時間で行うことが可能になり、帯電不良に起因するトナー飛散や感光体へのフィルミングの問題を解消することを可能にした。また、転写材上でのカラートナーの分散を密にすることにより、色域を拡大して二次色の再現性に優れたフルカラーの画像形成の実施を可能にした。
本発明の画像形成方法においては、請求項1で規定される構成とすることにより、定着後の画像の二次色の再現性に優れ、且つ、フィルミングが少ない画像形成方法を提供することが可能になる。また、請求項2〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法を用いることにより、フルカラー画像の二次色の再現性、フィルミングの低減等、本発明に記載の効果を更に高めることが出来る。
本発明で解決すべき課題の中でも、特に重要な問題点である、二次色の再現性の低下という問題点について、本発明者等は、下記のように考えている。
従来のフルカラートナー画像形成方法における、二次色の再現性の低下は、Y(イエロー)トナー、M(マゼンタ)トナー、C(シアン)トナーを色重ねし、定着すべきトナー層の厚みが増したときに特に顕著であった。
本発明者等は二次色再現性低下の原因を種々検討した結果、本来異なる色のトナーが互いに溶融浸透し二次色を発色する際、従来公知の各色トナーでは、転写紙上の各色トナー粒子間に必要以上の空隙が生じていたことを確認した。即ち、従来公知の各色トナーでは、画像形成時のトナー粒子が最密充填されない為、最終的にフルカラー画像形成が行われる記録媒体上で各色トナー粒子の溶融浸透が十分に進行することが困難になりやすく、その結果としてフルカラートナー画像の生命線ともいえる、二次色の再現性低下が招来されると推測した。
また、画像形成時に像担持体上でのトナー粒子が最密充填されることにより、像担持体(感光体や中間転写体等)上のフィルミング特性が改善されることを本発明者等は併せて見いだし、本発明を完成するに至った。
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について、順次説明する。
《トナーのゆるみ見掛け密度(g/cm3)》
本発明に係るトナーのゆるみ見掛け密度について説明する。
本発明に係るトナーの『ゆるみ見掛け密度』とは、トナーの粉体としての流動性を表す指標のことで、具体的には、トナーに振動を付与することにより、トナー粒子間での凝集が解除されて、トナーに流動性が付与された状態における嵩密度のことをいう。
尚、ゆるみ見掛け密度の測定方法については後述する。
本発明に係る、トナーのゆるみ見掛け密度としては、請求項1に記載のように、前記4色の静電荷像現像用トナーの少なくとも1色のトナーAのゆるみ見掛け密度が0.360g/cm3以上0.425g/cm3未満であり、少なくとも1色のトナーBのゆるみ見掛け密度が0.325g/cm3以上0.360g/cm3未満であることが必須要件であるが、好ましくは、請求項2に記載のように、前記トナーAのゆるみ見掛け密度が0.360g/cm3以上0.405g/cm3未満であり、前記トナーBのゆるみ見掛け密度が0.335g/cm3以上0.355g/cm3未満に調整されることである。
本発明では、請求項3に記載のように、前記トナーBがマゼンタトナーまたはシアントナーであることが好ましい。また、請求項4または請求項5に記載のように、前記トナーAは、イエロートナーまたは黒トナーであることが好ましい。
《トナーのゆるみ見掛け密度の定義及び測定法》
本発明に係るトナーのゆるみ見掛け密度は、川北式静嵩密度測定器IH−2000型((株)セイシン企業製)を用い、48メッシュ上に各色のトナー組成物を供給し振動、20cm3の容器に投入させ、その質量(g)を測定し、前記質量と容器容量20cm3の商として算出されるものである(単位系はg/cm3)。
《トナーのゆるみ見掛け密度の制御方法(調整手段)》
本発明に係るトナーのゆるみ見掛け密度の制御方法としては、トナー粒子のワックス露出度、外部添加剤(外添剤ともいう)量、トナー帯電量を制御することで、調整可能であるが、本発明では、一次粒子径10nm〜18nmの疎水性シリカの量を調整することが好ましい。前記疎水性シリカのゆるみ見掛け密度は、0.028〜0.033の範囲のものを使うことが好ましい。尚、疎水性シリカのゆるみ見掛け密度も測定方法は、トナーのゆるみ見掛け密度と同様に実施することができる。
《トナー中の金属元素(金属イオンともいう)量の測定》
本発明に記載の効果の中で、像担持体上へのフィルミングを低減させる観点から、本発明に係る各色トナーは、Al、Na、Mg及びCaからなる元素群から選択される少なくとも1種の元素を10ppm〜5000ppmの範囲で含有することが好ましい。
ここで、本発明に係る各色トナー中の金属元素(金属イオンでもよい)量の測定は、蛍光X線分析装置「システム3270型」〔理学電気工業(株)製〕を用いて、金属塩の金属種(例えば、塩化カルシウムに由来するカルシウム等)から発する蛍光X線強度を測定することによって求めることができる。具体的な測定法としては、金属塩の含有割合が既知のトナーを複数用意し、各トナー5gをペレット化し、金属塩の含有割合(質量ppm)と、当該金属塩の金属種からの蛍光X線強度(ピーク強度)との関係(検量線)を測定する。次いで、金属塩の含有割合を測定すべきトナー(試料)を同様にペレット化し、金属塩の金属種からの蛍光X線強度を測定し、含有割合すなわち「トナー中の金属イオン残存量」が求められる。
本発明に記載の効果を得る観点から、本発明のトナー中の上記の金属元素量としては、100ppm〜4000ppmの範囲に調整することが更に好ましく、最も好ましくは、100ppm〜3000ppmの範囲である。
トナー中の金属元素の存在形態としては、金属塩の形態として通常存在していることが一般的であるが、特に限定されない。ここで、金属塩としては、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の金属塩等が含まれることが好ましい。
これら金属塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウム等が挙げられる。これらは目的に応じて適宜選択され、トナーの作製過程において使用される。また、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等も適宜用いることができる。
トナー中の金属元素量は、金属塩の添加量及び/またはトナー作製時の洗浄方法によって調整されるものである。例えば、後述する本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法の濾過・洗浄工程において、トナー粒子の分散系からトナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去する洗浄処理等が具体的なトナー中の金属元素量の調整手段の一例としてあげられる。
《静電荷像現像用トナーの製造方法》
本発明に係る静電荷像現像用トナーの製造方法について説明する。
本発明に係るトナーは、着色剤の不存在下において複合樹脂粒子を形成し、当該複合樹脂粒子の分散液に着色剤粒子の分散液を加え、当該複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させることにより調製されるものが好ましい。
このように、複合樹脂粒子の調製を着色剤の存在しない系で行うことにより、複合樹脂粒子を得るための重合反応が阻害されることない。このため、本発明に係るトナートナーによれば、優れた耐オフセット性が損なわれることはなく、トナーの蓄積による定着装置の汚染や画像汚れの発生を効果的に防止することが可能となる。
また、複合樹脂粒子を得るための重合反応が確実に行われる結果、得られるトナー粒子中に単量体やオリゴマーが残留するようなことはなく、当該トナーを使用する画像形成方法の熱定着工程において、異臭の発生を防止または低減させることが出来る。
さらに、得られるトナー粒子の表面特性は均質であり、帯電量分布もシャープとなるため、鮮鋭性に優れた画像を長期にわたり形成することができる。
本発明に係るトナートナーを構成する「複合樹脂粒子」とは、樹脂からなる核粒子の表面を覆うように、当該核粒子を形成する樹脂とは分子量及び/または組成の異なる樹脂からなる1または2以上の被覆層が形成されている多層構造の樹脂粒子をいうものとする。
複合樹脂粒子の「中心部(核)」とは、複合樹脂粒子を構成する「核粒子」を示す。
また、複合樹脂粒子の「外層(殻)」とは、複合樹脂粒子を構成する「1または2以上の被覆層」のうち最外層をいう。
また、複合樹脂粒子の「中間層」とは、中心部(核)と外層(殻)の間に形成される被覆層をいうものとする。
本発明において、複合樹脂粒子を得るために「多段重合法」を用いることが、分子量分布制御の観点から、すなわち定着強度、耐オフセット性を確保する観点から好ましい。本発明において、複合樹脂粒子を得るための「多段重合法」とは、単量体(n)を重合処理(第n段)して得られた樹脂粒子(n)の存在下に、単量体(n+1)を重合処理(第n+1段)して、当該樹脂粒子(n)の表面に、単量体(n+1)の重合体(樹脂粒子(n)の構成樹脂とは分散および/または組成の異なる樹脂)からなる被覆層(n+1)を形成する方法を示す。
樹脂粒子(n)が核粒子である場合(n=1)には、「二段重合法」となり、樹脂粒子(n)が複合樹脂粒子である場合(n≧2)には、三段以上の多段重合法となる。
多段重合法によって得られる複合樹脂粒子中には、組成および/または分子量が異なる複数の樹脂が存在することになる。従って、当該複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させることにより得られるトナーは、トナー粒子間において、組成・分子量・表面特性のバラツキがきわめて小さいという特徴を示す。
このようなトナー粒子間における組成・分子量・表面特性が均質であるトナーによれば、接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法において、画像支持体に対する良好な接着性(高い定着強度)を維持しながら、耐オフセット性および巻き付き防止特性の向上を図ることができ、適度の光沢を有する画像を得ることができる。
本発明に係る静電荷像現像用トナーの製造方法の一例を具体的に示すと、
(1)離型剤及び/又は結晶性ポリエステルが、最外層以外の領域(中心部または中間層)に含有されるように調製された複合樹脂粒子を得るための多段重合工程(I)、
(2)複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させてトナー粒子を得る塩析、凝集、融着する工程(II)、
(3)トナー粒子の分散系からトナー粒子を濾別し、トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程、
(4)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程、
(5)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程から構成される。
以下、各工程について説明する。
《多段重合工程(I)》
多段重合工程(I)は、樹脂粒子(n)の表面に、単量体(n+1)の重合体からなる被覆層(n+1)を形成する多段重合法により、複合樹脂粒子を製造する工程である。ここで、製造の安定性、および得られるトナーの破砕強度の観点から三段重合以上の多段重合法を採用することが好ましい。
以下に、多段重合法の代表例である二段重合法および三段重合法について説明する。
《二段重合法の説明》
二段重合法は、離型剤を含有する高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、低分子量樹脂から形成される外層(殻)とにより構成される複合樹脂粒子を製造する方法である。すなわち、二段重合法で得られる複合樹脂粒子は核と一層の被覆層から構成される。
この方法を具体的に説明すると、先ず、離型剤を単量体(H)に溶解させて得られた単量体溶液を水系媒体(界面活性剤の水溶液)中に油滴分散させた後、この系を重合処理(第1段重合)することにより、離型剤を含有する高分子量の樹脂粒子(H)の分散液を調製する。
次いで、この樹脂粒子(H)の分散液に、重合開始剤と、低分子量樹脂を得るための単量体(L)とを添加し、当該樹脂粒子(H)の存在下に単量体(L)を重合処理(第二段重合)することにより、当該樹脂粒子(H)の表面に、低分子量の樹脂(単量体(L)の重合体)からなる被覆層(L)を形成する。
《三段重合法の説明》
三段重合法は、高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、離型剤を含有する中間層と、低分子量樹脂から形成される外層(殻)とにより構成される複合樹脂粒子を製造する方法である。すなわち、三段重合法で得られる複合樹脂粒子は核と2層の被覆層から構成される。
この方法を具体的に説明すると、先ず、常法に従った重合処理(第1段重合)により得られた樹脂粒子(H)の分散液を、水系媒体(界面活性剤の水溶液)に添加するとともに、当該水系媒体中に、離型剤を単量体(M)に溶解させてなる単量体溶液を油滴分散させた後、この系を重合処理(第二段重合)することにより、当該樹脂粒子(H)(核粒子)の表面に、離型剤を含有する樹脂(単量体(M)の重合体)からなる被覆層(M)(中間層)を形成してなる複合樹脂粒子〔高分子量樹脂(H)−中間分子量樹脂(M)〕の分散液を調製する。
次いで、得られた複合樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と、低分子量樹脂を得るための単量体(L)とを添加し、当該複合樹脂粒子の存在下に単量体(L)を重合処理(第三段重合)することにより、当該複合樹脂粒子の表面に、低分子量の樹脂(単量体(L)の重合体)からなる被覆層(L)を形成する。
この三段重合法において、樹脂粒子(H)の表面に被覆層(M)を形成する際に、当該樹脂粒子(H)の分散液を水系媒体(界面活性剤の水溶液)に添加するとともに、当該水系媒体中に、離型剤を単量体(M)に溶解させてなる単量体溶液を油滴分散させた後、この系を重合処理(第二段重合)する方法を採用することにより、離型剤を微細かつ均一に分散させることができる。
尚、樹脂粒子(H)の分散液の添加処理および、単量体溶液の油滴分散処理については、下記に記載のように何れを先行して実施してもよいし、同時に行ってもよい。
(a)複合樹脂粒子を構成する中間層を形成する際に、複合樹脂粒子の中心部(核)となる樹脂粒子を界面活性剤の水溶液中に添加した後、当該水溶液中に、離型剤/結晶性ポリエステルを含有する単量体組成物を分散させ、この系を重合処理する態様、
(b)複合樹脂粒子を構成する中間層を形成する際に、離型剤/結晶性ポリエステルを含有する単量体組成物を界面活性剤の水溶液中に分散させた後、当該水溶液中に、複合樹脂粒子の中心部(核)となる樹脂粒子を添加し、この系を重合処理する態様、
(c)複合樹脂粒子を構成する中間層を形成する際に、複合樹脂粒子の中心部(核)となる樹脂粒子を界面活性剤の水溶液中に添加すると同時に、当該水溶液中に、離型剤/結晶性ポリエステルを含有する単量体組成物を分散させ、この系を重合処理する態様が含まれる。
離型剤を含有する樹脂粒子(核粒子)または被覆層(中間層)を形成する方法としては、離型剤を単量体に溶解させ、得られる単量体溶液を水系媒体中に油滴分散させ、この系を重合処理することにより、ラテックス粒子として得る方法を採用することができる。
ここで、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
離型剤を含有する樹脂粒子または被覆層を形成するために好適な重合法としては、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、離型剤を単量体に溶解してなる単量体溶液を、機械的エネルギーを利用して油滴分散させて分散液を調製し、得られた分散液に水溶性重合開始剤を添加して、油滴内でラジカル重合させる方法(以下、「ミニエマルジョン法」という)を挙げることができる。なお、水溶性重合開始剤を添加することに代えて、または、当該水溶性重合開始剤を添加するとともに、油溶性の重合開始剤を前記単量体溶液中に添加してもよい。
機械的に油滴を形成するミニエマルジョン法によれば、通常の乳化重合法とは異なり、油相に溶解させた離型剤が脱離することがなく、形成される樹脂粒子または被覆層内に十分な量の離型剤を導入することができる。
ここに、機械的エネルギーによる油滴分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙げることができる。また、分散粒子径としては、10nm〜1000nmとされ、好ましくは50nm〜1000nm、更に好ましくは30nm〜300nmとされる。
尚、離型剤を含有する樹脂粒子または被覆層を形成するための重合法として、乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法などの公知の方法を採用することもできる。また、これらの重合法は、複合樹脂粒子を構成する樹脂粒子(核粒子)または被覆層であって、離型剤及び結晶性ポリエステルを含有しないものを得るためにも採用することができる。
この重合工程(I)で得られる複合樹脂粒子の粒子径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定される重量平均粒径で10nm〜1000nmの範囲にあることが好ましい。
また、複合樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は48℃〜74℃の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは52℃〜64℃である。複合樹脂粒子の軟化点は95℃〜140℃の範囲にあることが好ましい。
《塩析、凝集、融着する工程(II)》
この塩析、凝集、融着する工程(II)は、多段重合工程(I)によって得られた複合樹脂粒子と、着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させる(塩析と融着とを同時に起こさせる)ことによって、不定形(非球形)のトナー粒子を得る工程である。
この塩析、凝集、融着する工程(II)においては、複合樹脂粒子および着色剤粒子とともに、荷電制御剤などの内添剤粒子(数平均一次粒子径が10nm〜1000nm程度の微粒子)を塩析、凝集、融着させてもよい。
着色剤粒子は、表面改質されていてもよい。ここに、表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができる。
着色剤粒子は、水性媒体中に分散された状態で塩析、凝集、融着処理に供される。着色剤粒子が分散される水性媒体は、臨界ミセル濃度(CMC)以上の濃度で界面活性剤が溶解されている水溶液を挙げることができる。
ここに界面活性剤としては、多段重合工程(I)で使用した界面活性剤と同一のものを使用することができる。
着色剤粒子の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、ゲッツマンミル、ダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させるためには、複合樹脂粒子および着色剤粒子が分散している分散液中に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を添加するとともに、この分散液を、複合樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上に加熱することが好ましい。
更に好ましくは、凝集剤により複合樹脂粒子が所望の粒径に達した段階で凝集停止剤が用いられる。その凝集停止剤としては、1価の金属塩、中でも塩化ナトリウムが好ましく用いられる。
塩析、凝集、融着させるために好適な温度範囲としては、(Tg+10℃)〜(Tg+50℃)とされ、特に好ましくは(Tg+15℃)〜(Tg+40℃)とされる。また、融着を効果的に行なわせるために、水に無限溶解する有機溶媒を添加してもよい。
ここに、塩析、凝集、融着の際に使用する「凝集剤」としては、前述のようなアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。
本発明で用いられる塩析、凝集について説明する。
本発明において、「塩析、凝集、融着」とは、塩析(粒子の凝集)と融着(粒子間の界面消失)とが同時に起こること、または、塩析と融着とを同時に起こさせる行為をいう。
塩析と融着とを同時に行わせるためには、複合樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度条件下において粒子(複合樹脂粒子、着色剤粒子)を凝集させることが好ましい。
本発明に係るトナー静電荷像現像用トナーは、着色剤の不存在下において複合樹脂粒子を形成し、当該複合樹脂粒子の分散液に着色剤粒子の分散液を加え、当該複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させることにより調製されることが好ましい。
このように、複合樹脂粒子の調製を着色剤の存在しない系で行うことにより、複合樹脂粒子を得るための重合反応が阻害されることない。このため、本発明に係るトナートナーによれば、優れた耐オフセット性が損なわれることはなく、トナーの蓄積による定着装置の汚染や画像汚れを発生させることはない。
また、複合樹脂粒子を得るための重合反応が確実に行われる結果、得られるトナー粒子中に単量体やオリゴマーが残留するようなことはなく、当該トナーを使用する画像形成方法の熱定着工程において、異臭を発生させることはない。
さらに、得られるトナー粒子の表面特性は均質であり、帯電量分布もシャープとなるため、鮮鋭性に優れた画像を長期にわたり形成することができる。このようなトナー粒子間における組成・分子量・表面特性が均質であるトナーによれば、接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法において、画像支持体に対する良好な接着性(高い定着強度)を維持しながら、耐オフセット性および巻き付き防止特性の向上を図ることができ、適度の光沢を有する画像を得ることができる。
本発明に係るトナートナーに用いられる離型剤について説明する。
本発明に係るトナー静電荷像現像用トナーを構成する離型剤の含有割合としては、通常1質量%〜30質量%とされ、好ましくは2質量%〜20質量%、更に好ましくは3質量%〜15質量%の範囲である。
離型剤は低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を添加してもよく、好ましい離型剤は下記一般式で表されるエステル系化合物が好ましい。
一般式
1−(OCO−R2n
式中、nは1〜4の整数を表し、好ましくは2〜4、更に好ましくは3〜4であり、特に好ましくは4である。
1、R2は置換基を有しても良い炭化水素基を示す。
1:炭素数=1〜40、好ましくは1〜20、更に好ましくは2〜5
2:炭素数=1〜40、好ましくは16〜30、更に好ましくは18〜26
以下に、上記一般式で表されるエステル化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2005091986
Figure 2005091986
上記記載の離型剤、一般式で表される定着改良剤の添加量としては、静電荷像現像用トナー全体に1質量%〜30質量%、好ましくは2質量%〜20質量%、さらに好ましくは3質量%〜15質量%である。
本発明に係る静電荷像現像用トナーを構成する樹脂成分の好ましい分子量、分子量範囲、ピーク分子量等について説明する。
本発明に係るトナーは、ピークまたはショルダーが100,000〜1,000,000、および1,000〜50,000に存在することが好ましい。
トナーの樹脂の分子量は、100,000〜1,000,000の領域にピークもしくは肩(ショルダー)を有する高分子量成分と、1,000〜50,000未満の領域にピークもしくは肩(ショルダー)を有する低分子量成分の両成分を少なくとも含有する樹脂が好ましい。
上記の分子量の測定は、THF(テトラヒドロフラン)をカラム溶媒として用いるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて分子量測定を行う。
具体的には、測定試料を1mgに対してTHFを1ml加え、室温下にてマグネチックスターラーを用いて撹拌を行い、充分に溶解させる。ついで、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルターで処理した後に、GPCへ注入する。GPCの測定条件は、40℃にてカラムを安定化させ、THFを毎分1mlの流速で流し、1mg/mlの濃度の試料を約100μl注入して測定する。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807の組合せや、東ソー社製のTSKgelG1000H、G2000H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、TSK guard columnの組合せなどをあげることができる。
検出器としては、屈折率検出器(IR検出器)、あるいはUV検出器が好ましく用いられる。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成した検量線を用いて算出する。検量線作成用のポリスチレンとしては10点程度用いることが好ましい。
静電荷像現像用トナーの製造に係る、濾過・洗浄工程について説明する。
この濾過・洗浄工程では、上記の工程で得られたトナー粒子の分散系からトナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。
ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
《乾燥工程》
この工程は、洗浄処理されたトナー粒子を乾燥処理する工程である。
この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
乾燥処理されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。
尚、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
本発明に係る重合性単量体について説明する。
(1)疎水性単量体
単量体成分を構成する疎水性単量体としては、特に限定されるものではなく従来公知の単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
具体的には、モノビニル芳香族系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。
ビニル芳香族系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
アクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
(2)架橋性単量体
樹脂粒子の特性を改良するために架橋性単量体を添加しても良い。架橋性単量体としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
(3)酸性極性基を有する単量体
酸性極性基を有する単量体としては、(a)カルボキシル基(−COOH)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物及び(b)スルホン基(−SO3H)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物を挙げることができる。
(a)の−COO基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、およびこれらのNa、Zn等の金属塩類等を挙げることができる。
(b)スルホ基(−SO3H基)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としてはスルホン化スチレン、そのNa塩、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル、そのNa塩等を挙げることができる。
本発明に係る重合性単量体の重合に用いられる開始剤(重合開始剤ともいう)について説明する。
本発明に用いられる重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド等のパーオキサイド化合物等が挙げられる。
更に上記重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とする事が可能である。レドックス系開始剤を用いる事で、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが、例えば50℃から80℃の範囲が用いられる。又、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いる事で室温またはそれに近い温度で重合する事も可能である。
本発明に用いられる連鎖移動剤について説明する。
本発明においては、重合性単量体が重合して生成する樹脂粒子の分子量を調整することを目的として、従来公知の一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。
連鎖移動剤としては、特に限定されないが、特に、メルカプト基を有する化合物は分子量分布がシャープであるトナーが得られ、保存性、定着強度、耐オフセット性に優れるために好ましく用いられる。例えば、オクタンチオール、ドデカンチオール、tert−ドデカンチオール等のメルカプト基を有する化合物が用いられる。
また、好ましいものとしては、例えば、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸t−ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸デシル、チオグリコール酸ドデシル、エチレングリコールのチオグリコール酸エステル、ネオペンチルグリコールのチオグリコール酸エステル、ペンタエリスリトールのチオグリコール酸エステル等を挙げることが出来る。
中でも、トナー加熱定着時の臭気を抑制する観点から、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルが好ましく用いられる。
《着色剤》
本発明に係る着色剤について説明する。
本発明に係る、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒の4色の各々の静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう)に係る着色剤は、トナーの帯電の均一性向上の観点から、トナー製造時、上記記載の複合樹脂粒子の塩析、凝集、融着時に樹脂粒子と共に塩析、凝集、融着され、トナー粒子中に含有されることが好ましい。
本発明に係るトナーを構成する着色剤(複合樹脂粒子との塩析、凝集、融着に供される着色剤粒子)としては、各種の無機顔料、有機顔料、染料等が挙げられる。無機顔料としては、従来公知の黒色顔料や磁性粉等が挙げられる。
黒トナーの調製に用いられる、黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが挙げられ、磁性粉としては、マグネタイト、フェライト等が挙げられる。
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用が可能である。また、無機顔料のトナー中の含有量は2質量%〜20質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは3質量%〜15質量%の範囲である。
磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点から、トナー中の含有量は、20質量%〜120質量%であることが好ましい。
有機顔料及び染料としても従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料及び染料を以下に例示する。
マゼンタトナーの調製に用いられる、マゼンタまたはレッド用の有機顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
イエロートナーの調製に用いられる、オレンジまたはイエロー用の有機顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156等が挙げられる。
シアントナーの調製に用いられる、グリーンまたはシアン用の有機顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等が挙げられる。これらの染料は単独で用いてもよく、また、複数の染料の混合物として用いてもよい。
更に、これらの有機顔料及び染料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また、上記の有機顔料または染料のトナー中の含有量は、各々、2質量%〜20質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは3質量%〜15質量%の範囲である。
本発明に係る着色剤(着色剤粒子)は、表面改質されていてもよい。表面改質剤としては、従来公知のものが使用でき、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等を好ましく用いることができる。
シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のアルコキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
チタンカップリング剤としては、例えば、味の素社製の「プレンアクト」と称する商品名で市販されているTTS、9S、38S、41B、46B、55、138S、238S等、日本曹達社製の市販品A−1、B−1、TOT、TST、TAA、TAT、TLA、TOG、TBSTA、A−10、TBT、B−2、B−4、B−7、B−10、TBSTA−400、TTS、TOA−30、TSDMA、TTAB、TTOP等が挙げられる。
アルミニウムカップリング剤としては、例えば、味の素社製の「プレンアクトAL−M」等が挙げられる。
これらの表面改質剤の添加量は、着色剤に対して0.01質量%〜20質量%の範囲であることが好ましく、更に好ましくは0.1質量%〜5質量%である。
着色剤粒子の表面改質法としては、着色剤粒子の分散液中に表面改質剤を添加し、この系を加熱して反応させる方法を挙げることができる。
表面改質された着色剤粒子は、濾過により採取され、同一の溶媒による洗浄処理と濾過処理が繰り返された後、乾燥処理される。
《内添剤》
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子には、荷電制御剤など、離型剤以外の内添剤が含有されていてもよい。
トナー粒子中に含有される荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩またはその金属錯体等が挙げられる。
(トナーの粒径)
本発明に係るトナー静電荷像現像用トナーの粒径について説明する。
本発明に係るトナーの粒径は、個数平均粒径で3μm〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは3μm〜8μmとされる。この粒径は、後に詳述するトナーの製造方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
個数平均粒径が3μm〜10μmであることにより、定着工程において、飛翔して加熱部材に付着しオフセットを発生させる付着力の大きいトナー微粒子が少なくなり、また、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
トナーの個数平均粒径は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザ(共に、コールターベックマン社製)、SD2000(シスメック社製)等を用いて測定することができる。
本発明においては、コールターマルチサイザを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピュータを接続して使用した。前記コールターマルチサイザにおけるアパーチャとしては100μmのものを用いて、2μm以上(例えば、2μm〜40μm)のトナーの個数分布を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。
(トナー粒子の円形度の平均値)
本発明のトナーの形状は、粒径1μm以上のトナー粒子2000個以上を測定したとき、下記式で示される円形度(形状係数)の平均値が、0.94〜0.99、より好ましくは0.963〜0.981である。
円形度=(相当円の周囲長)/(トナー粒子投影像の周囲長)
=2π×(粒子の投影面積/π)1/2/(トナー粒子投影像の周囲長)
ここで、相当円とは、トナー粒子投影像と同じ面積を有する円のことであり、円相当径とは、該相当円の直径のことである。
なお、上記円形度の測定方法としては、FPIA−2000(シスメック社製)により測定することができる。この時、円相当径は下式で定義される。
円相当径=2×(粒子の投影面積/π)1/2
(トナー粒子の形状係数)
本発明に係るトナー粒子の形状係数について説明する。
本発明に係るトナーの形状係数は、下記式により示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積
ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒子の平面上への投影像の面積をいう。
本発明では、この形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。この際、100個のトナー粒子を使用して形状係数を上記算出式にて測定したものである。
静電荷像現像用トナーを構成するトナー粒子においては、この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上とすることが好ましく、より好ましくは、70個数%以上である。さらに好ましくは、この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上とすることであり、より好ましくは、70個数%以上である。
この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であることにより、現像剤搬送部材などでの摩擦帯電性がより均一となり、過度に帯電したトナーの蓄積が無く、現像剤搬送部材表面よりトナーがより交換しやすくなるために、現像ゴースト等の問題も発生しにくくなる。さらに、トナー粒子が破砕しにくくなって帯電付与部材の汚染が減少し、トナーの帯電性が安定する等の副次的な効果が更に発現される。
この形状係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えばトナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法等により、形状係数を1.0〜1.6、または1.2〜1.6にしたトナーを調製し、これを通常のトナー中へ本発明の範囲内になるように添加して調整する方法がある。また、いわゆる重合法トナーを調整する段階で全体の形状を制御し、形状係数を1.0〜1.6、または1.2〜1.6に調整したトナーを同様に通常のトナーへ添加して調整する方法がある。
(トナー粒子の形状係数の変動係数)
本発明に係るトナー粒子の形状係数の変動係数は下記式から算出される。
変動係数(%)=(S1/K)×100
式中、S1は100個のトナー粒子の形状係数の標準偏差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子において、この形状係数の変動係数は16%以下であることが好ましいが、更に好ましくは14%以下である。形状係数の変動係数が16%以下であることにより、帯電量分布が更にシャープとなり、画質が向上する等の効果が得られる。
このトナーの形状係数および形状係数の変動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御するために、本発明に係るトナーを構成する樹脂粒子(重合体粒子)を調製(重合)、当該樹脂粒子を融着、形状制御させる工程において、形成されつつあるトナー粒子(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程終了時期を決めてもよい。モニタリングするとは、インラインに測定装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制御をするという意味である。すなわち、形状などの測定をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しながら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反応を停止する。モニタリング方法としては、特に限定されないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子社製)を使用することができる。
本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適である。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形状などになった時点で反応を停止するものである。
(トナーの個数変動係数)
本発明に係るトナーの個数粒度分布および個数変動係数はコールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザ(コールターベックマン社製)で測定される。
本発明においてはコールターマルチサイザを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピュータを接続して使用した。前記コールターマルチサイザにおいて使用するアパーチャとしては100μmのものを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径とは、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものである。トナーの「個数粒度分布における個数変動係数」は下記式から算出される。
個数変動係数(%)=(S2/Dn)×100
式中、S2は個数粒度分布における標準偏差、Dnは個数平均粒径(μm)を示す。
本発明に係る静電荷像現像用トナーを構成するトナー粒子の個数変動係数は27%以下であることが好ましく、更に好ましくは25%以下である。
個数変動係数が27%以下に調整する理由も前記トナー粒子の形状係数の変動係数と同様に、帯電量分布がシャープとなり、転写効率が高くし画質を向上させるためである。
本発明に係るトナーにおける個数変動係数を制御する方法は特に限定されないが、例えば、トナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
特に懸濁重合法によりトナーを製造する場合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下とするためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すなわち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサやホモジナイザなどによる機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすることとなるが、このような機械的な剪断による方法では、得られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとなる。このために分級操作が必須となる。
(トナー粒子の粒度分布)
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子としては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーであることが好ましい。
相対度数(m1)と相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制することができる。
本発明において、前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々のトナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュータにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成されたものである。
(1)アパーチャ:100μm
(2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−11(コールターサイエンティフ
《測定条件》
ィックジャパン社製)〕50ml〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて攪拌し、これに測定試料10mg〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。
(トナー粒子の粒径分布)
本発明に係るトナー粒子の粒径分布について説明する。
まず、本発明に用いられるトナーは、粒径分布としては単分散、あるいはそれに近いことが好ましく、50%体積粒径(Dv50)と50%個数粒径(Dp50)の比(Dv50/Dp50)が1.0〜1.15であることが好ましく、より好ましくは1.0〜1.13がよい。
また、小粒径成分の存在比率を低減して、弱帯電成分の増加や逆極性のトナーの発生、あるいは過帯電成分の発生等を防止し、その結果、トナーの転写性、クリーニング性を向上させ、画像鮮鋭性の良好な画像を得るためには、トナー粒子の大きい方からの累積75%体積粒径(Dv75)と累積75%個数粒径(Dp75)の比(Dv75/Dp75)が1.0〜1.20であることが好ましい。
さらに、小粒径成分の存在比率を下げ、前述と同様に、画像鮮鋭性の良好な画像を得る観点から、0.7×(Dp50)以下の粒径のトナー粒子が10個数%以下であることが好ましい。
即ち、本発明では、感光体の表面に上記粒度分布特性を有するトナーを含有する現像剤で、感光体に形成された潜像を現像し、顕像化したトナー像を中間転写体に転写し、更に中間転写体から記録材に転写し、その後のトナー像の定着により得られた画像には、中抜けや、文字チリ等の画像欠陥が改善され、更に感光体や中間転写体のクリーニング性を向上させることができる。
なお、上記50%体積粒径(Dv50)としては2μm〜8μmが好ましく、より好ましくは3μm〜7μmである。この範囲とすることにより、更に解像度を高くすることができ、また、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期に亘ってクリーニング性やトナーの転写率が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成し続けることが可能となる。
本発明において、大きい方からの累積75%体積粒径(Dv75)或いは累積75%個数粒径(Dp75)とは、粒径の大きな方からの頻度を累積し、全体積の和或いは個数の和に対して、それぞれが75%を示す粒径分布部位の体積粒径或いは個数粒径で表す。
本発明において、50%体積粒径(Dv50)、50%個数粒径(Dp50)、累積75%体積粒径(Dv75)、累積75%個数粒径(Dp75)等は、コールターカウンターTAII型或いはコールターマルチサイザ(コールターベックマン社製)で測定することが出来る。
さらに、本発明に係るトナーとしては、0.7×(Dp50)以下の粒径のトナー粒子が10個数%であるが、この微粉トナー量は大塚電子社製〜電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて測定することができる。
《角のないトナー粒子》
本発明に係るトナーの粒子形状につていは、下記に示すような角のないトナー粒子が好ましく用いられる。
ここで、『角のないトナー粒子』について図1を用いて説明する。
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子中、角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であることが好ましく、更に好ましくは、70個数%以上である。
角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であることにより、転写されたトナー層(粉体層)の空隙が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。また、摩耗、破断しやすいトナー粒子および電荷の集中する部分を有するトナー粒子が減少することとなり、帯電量分布がシャープとなって、帯電性も安定し、良好な画質を長期にわたって形成できる。
ここに、「角がないトナー粒子」とは、電荷の集中するような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、具体的には以下のトナー粒子を角がないトナー粒子という。すなわち、図1(a)に示すように、トナー粒子Tの長径をLとするときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合に、当該円CがトナーTの外側に実質的にはみださない場合を「角がないトナー粒子」という。「実質的にはみ出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下である場合をいう。また、「トナー粒子の長径」とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。なお、図1(b)および(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
角がないトナー粒子の割合の測定は次のようにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無を測定する。この測定を100個のトナー粒子について行った。
角がないトナーを得る方法は特に限定されるものではない。例えば、形状係数を制御する方法として前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与することによって得ることができる。
《外添剤》
本発明に係る静電荷像現像用トナーに用いられる外添剤について説明する。
本発明の画像形成方法では、上記の感光体(静電潜像担持体ともいう)上に形成された静電潜像を乾式現像で顕像化する時に、上記記載の4色のトナーが用いられる。
本発明に係るトナーは、少なくとも着色剤と樹脂よりなる着色粒子(トナー粒子の原型)に、外添剤等を加えたものをトナーとして用いている。しかし、特に問題がない限り着色粒子とトナーとをあまり区別せず、記載しているのが一般的である。本発明におけるその粒径および粒径分布においても、着色粒子とトナー粒子の何れを測定してもその測定値に実質的な変化はない。ここで、実質的に変化がないとは、着色粒子(トナー粒子の原型である着色剤と樹脂よりなる粒子)と外添剤処理(前記着色粒子に外添剤を加えること)を経て得られるトナー粒子を従来公知の種々の測定機器により測定しても粒径、粒径分布等の変化が認められないという意味である。
また、外添剤等の径粒はnmオーダーであり(数平均1次粒子径)、光散乱電気泳動粒径測定装置「ELS−800」(大塚電子工業株式会社製)で測定することが出来る。
外添剤として使用できる無機微粒子としては、従来公知のものを挙げることができる。具体的には、シリカ微粒子、チタン微粒子、アルミナ微粒子等を好ましく用いることができる。これら無機微粒子は疎水性であることが好ましい。
シリカ微粒子の具体例としては、日本アエロジル(株)製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト(株)製のHVK−2150、H−200、キャボット(株)製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタン微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル(株)製の市販品T−805、T−604、テイカ(株)製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン(株)製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産(株)製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル(株)製の市販品RFY−C、C−604、石原産業(株)製の市販品TTO−55等が挙げられる。
外添剤として使用できる有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10nm〜2000nm程度の球形の微粒子を挙げることができる。かかる有機微粒子の構成材料としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などのを挙げることができる。
上記の外添剤は上述の滑材と同様な添加工程を適用できる。外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシエルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を挙げることができる。
《現像剤》
本発明に用いられる現像剤について説明する。
本発明に係るトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1μm〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15μm〜100μm、より好ましくは25μm〜80μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
《感光体》
次に、本発明に用いられる感光体について説明する。
本発明に用いられる感光体とは電子写真画像形成に用いられる電子写真感光体であり、中でも有機電子写真感光体(有機感光体)を用いた場合に本発明の効果が顕著に表れる。有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
以下に本発明に用いられる有機感光体の構成について記載する。
《導電性支持体》
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
《中間層》
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、感光層のとの接着性改良及び電気的バリヤー機能を備えた中間層を設けることもできる。
が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚は0.1μm〜5μmの範囲が好ましい。
《感光層》
感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
《電荷発生層》
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。
例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
《電荷輸送層》
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMとのイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下である。
CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
感光体上での誘電率の差を少なくしてトナーの現像性や転写性を安定化し、且つ、本発明に記載の効果を好ましく得る観点から、前記電荷輸送層の膜厚は平均で5μm〜15μmに調整することが好ましく、更に好ましくは、6μm〜13μmである。ここで、電荷輸送層の膜厚は、渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて測定することができる。電荷輸送層膜厚としては、感光層膜厚をランダムに10ケ所測定し、それから求めた平均値を膜厚の値として採用する。また、感光体の膜厚の変動幅としては最大膜厚と最小膜厚の差が2μm以下であることが好ましい。
《保護層》
感光体の保護層として、各種樹脂層を設けることができる。特に架橋系の樹脂層を設けることにより、機械的強度の強い有機感光体を得ることができる。
《画像形成方法》
本発明の画像形成方法について説明する。
本発明に係る、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒の4色のトナーを用いた画像形成は、導電性支持体上に感光層を有する感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を前記4色のトナーを有する現像剤で現像し、トナー像を形成し、該トナー像を転写材(紙)へ転写した後、熱ローラ定着器で転写材(紙)上にカラートナーを定着する方法を搭載した画像形成装置を用いて行うことが好ましい。
図2は本発明に係る、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒の各トナーを用いフルカラー画像を形成する画像形成方法の一態様を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
図2において100は像形成体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム(導電性支持体)上に塗布し、その上に樹脂層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。120はスコロトロンの帯電器で、感光体ドラム100周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。このスコロトロン帯電器120による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた露光部110による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
感光体への一様帯電の後、像露光器130により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器130は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズ等を経て反射ミラー132により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
その静電潜像は次いで現像器140で現像される。感光体ドラム100周縁にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)等の扁平トナーとキャリアを有する現像剤を各々内蔵した現像器140が設けられていて、先ず1色目の現像がマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によって行われる。現像剤は図示していない層厚形成手段によって現像スリーブ141上に100μm〜600μmの層厚に規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。
この時、通常は感光体ドラム100と現像スリーブ141の間に直流及び/又は交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。
フルカラー画像形成方法は、1色目の顕像化が終った後2色目の画像形成行程にはいり、再びスコロトロン帯電器120による一様帯電が行われ、2色目の潜像が像露光器130によって形成される。3色目、4色目についても2色目と同様の画像形成行程が行われ、感光体ドラム100周面上には4色の顕像が形成される。
転写材(紙)Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラ170の回転作動により転写域へと給紙される。転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム100の周面に転写ローラ(転写器)18が圧接され、給紙された転写材(紙)Pを挟着して多色像が一括して転写される。
次いで転写材(紙)Pは転写ローラとほぼ同時に圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)19によって除電がなされ、感光体ドラム100の周面により分離して定着装置200に搬送され、熱ローラ201と圧着ローラ202の加熱、加圧によってカラートナーを溶着したのち排紙ローラ210を介して装置外部に排出される。尚前記の転写ローラ18及び分離ブラシ19は転写材(紙)Pの通過後感光体ドラム100の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
一方転写材(紙)Pを分離した後の感光体ドラム100は、クリーニング器220のブレード221の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び露光部110による除電と帯電器120による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。尚感光体上にカラー画像を重ね合わせて形成する場合には、前記のブレード221は感光体面のクリーニング後直ちに移動して感光体ドラム100の周面より退避する。
尚、30は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器を一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
電子写真画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレール等の案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
本発明では、図2に示した画像形成装置とは別に、像形成体上にトナー像を形成し、順次転写体上(紙や中間転写体)にトナー像を転写して重ね合わせてカラートナー像を形成する画像形成装置も用いることが出来る。そのような画像形成装置の一態様を図2を用いて説明する。
図3は、中間転写体(転写ベルト)を用いた、本発明の画像形成装置の一例を示す断面図である。図3に示す画像形成装置は、タンデム型フルカラー画像形成装置ともいう。
なお、タンデム式のカラー複写機とは、各現像色ごとに独立して設けられた作像系(感光体ドラム、現像器、転写装置など)を通紙経路に沿って並列に配置したものである。かかる複写機では、各作像系により、同時進行的に各現像色のトナー像を形成し、これらのトナー像を一連の通紙動作の間に次々にシート上に重ね転写することができる。このため、1つの感光体上に各現像色のトナー像を順次形成する方式のカラー複写機に比べて、作像プロセスの高速化を図ることができる。
図3に示す画像形成装置は、大きく分けて原稿画像を読み取るイメージリーダ部IRと、読み取った画像を記録紙上にプリントして再現するプリント部PRとから構成されている。イメージリーダ部IRは、原稿画像を赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に色分解して得られた光情報をCCDセンサで読み取り、その画像データに対して演算処理を行うものである。またプリンタ部PRは、記録紙を搬送する搬送部2と、記録紙に再現色であるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)(以下、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各再現色に関連する部分の番号に色符号「C、M、Y、K」を適宜付加する。)の4色の画像をそれぞれ形成するための4つの画像形成ユニット3C、3M、3Y、3Kとを備えてなるものである。
搬送部2は、駆動ローラ24、従動ローラ25及びテンションローラ26を介して張られた無端状の搬送ベルト27を中心にして構成されており、搬送ベルト27上の記録紙を一定速度で搬送するようになっている。搬送ベルト27の上流側(給紙側)には、所定サイズの記録紙を積載収容する給紙カセット21と、給紙カセット21から記録紙を1枚ずつ繰り出す給紙ローラ22と、繰り出された記録紙を搬送ベルト27上に所定のタイミングで送り出すタイミングローラ23とが配設されている。一方、搬送ベルト27の下流側には、記録紙に転写されたトナーを定着させるための定着ローラ28と、複写完了後の記録紙を積載収納する排紙トレイ29とが配設されている。また、搬送ベルト27の上流側と下流側にそれぞれセンサが配設され、紙送りのタイミングや紙詰まり等を検出するようになっている。
画像形成ユニット3C、3M、3Y、3Kは、静電複写方式で画像を形成するものであり、搬送ベルト27上方に記録紙の搬送方向に沿って並列に配設された感光体ドラム4C、4M、4Y、4Kを中心にして構成されている。そして、感光体ドラム4C、4M、4Y、4Kの周囲には、感光体ドラム4C、4M、4Y、4K上に形成された静電潜像を現像する現像器5C、5M、5Y、5K、感光体ドラム4C、4M、4Y、4Kの表面を一様に帯電させる帯電チャージャ6C、6M、6Y、6K、現像後に感光体ドラム4C、4M、4Y、4K上に残留した現像剤を除去するクリーナ7C、7M、7Y、7K、等が配置されている。また、各感光体ドラム4C、4M、4Y、4Kの直下に搬送ベルト27を介して、感光体ドラム4C、4M、4Y、4K上に顕像化されたトナー像を記録紙上に転写する転写チャージャ8C、8M、8Y、8Kが配置されている。
続いて、上記のように構成された複写機1の動作について説明する。まず、イメージリーダ部IRで得られた赤(R)、緑(G)、青(B)の各色成分ごとの画像の光情報の強度レベルを基にして、複写機1の制御部において、シェーディング補正や濃度変換、エッジ強調等の画像演算処理を行う。そして、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各再現色の書き込み画像データに変換し、これらのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の画像データを前記制御部に一旦格納する。
その後、前記制御部に格納された画像データに基づいて、露光走査部9C、9M、9Y、9Kにおいて、それぞれの再現色に対応するレーザ光が変調発光される。一方、感光体ドラム4C、4M、4Y、4Kは、図1中の矢印方向に回転しており、帯電チャージャ6C、6M、6Y、6Kにより表面を一様に帯電された後、前記レーザ光により露光走査される。かかる露光により、各感光体ドラム4C、4M、4Y、4K上に形成された各再現色に対応する静電潜像は、各再現色の現像剤を内蔵する現像器5C、5M、5Y、5Kによりそれぞれ現像されて各色のトナー像とされる。そしてこれらのトナー像は、感光体ドラム4C、4M、4Y、4Kと搬送ベルト27との各対向部において、転写チャージャ8C、8M、8Y、8Kにより、給紙カセット21から給紙された記録紙上に順次重ね転写される。その後、4色のトナー像が重ね転写された記録紙は、定着ローラ28へと搬送される。そして、定着ローラ28により加熱されて各色のトナー像が溶融してフルカラー画像にされるとともに、記録紙上に定着される。画像定着後、記録紙は排紙トレイ29に排出される。以上の動作により、1枚分の複写が行われる。
次に、図4を用いて、図3の画像形成装置の現像器5Cについて説明する。
図4は、中間転写体(転写ベルト)を用いる、本発明の画像形成装置で使用される現像器の一例を示す構成図であり、ここでは、現像器のひとつである現像器5Cについてより詳細に説明する。なお、他の現像器5M、5Y及び5Kについては、現像器5Cと同じ構成であるため図示及び説明を省略する。
現像器5Cは図4では明確に図示していないが、現像剤を収容する現像剤収容槽10内に攪拌スクリュー12と供給スクリュー14と回収スクリュー16との3本のスクリューを互いに平行に備えたものである。これらはいずれも、回転可能な軸に多数のスクリュー羽根を斜めに備えてなるものであり、各軸は現像剤収容槽10の外部でギヤにより連結され、モータ等の駆動装置により回転駆動されるようになっている。このスクリューの回転により、搬送力が発生して現像剤が搬送されるのである。
そして、これら3本のスクリューは図4に示すように、縦方向に配置されている。すなわち、攪拌スクリュー12が上段に、回収スクリュー16が下段に、供給スクリュー14が中段に、それぞれ位置している。また、供給スクリュー14と回収スクリュー16との間の高さ位置に、現像ローラ18が、その一部を現像剤収容槽10から突出させた状態で設けられている。このように現像ローラ18を配置することにより、現像器5Cの軸方向と垂直な方向の幅寸法をコンパクト化している。なお現像ローラ18は、画像形成ユニット3Cの感光体ドラム4Cに近接して位置し、感光体ドラム4C上に形成された静電潜像にトナーを付与してこれを現像するものである。
この現像ローラ18の外周面上部には、取込部11と規制ブレード13とが設けられている。取込部11は、供給スクリュー14から供給される現像剤を現像ローラ18上に取り込むためのものであり、規制ブレード13とは反対側の端部11aが現像ローラ18の直上位置より回転方向上流側に位置するように配置されている。また規制ブレード13は、現像ローラ18上に形成される現像剤薄層の厚さを均一にするために現像剤の穂切り規制を行うものであり、現像ローラ18の直上位置より回転方向下流側に配置されている。
取込部11と規制ブレード13とをこのように配置することにより、現像ローラ18上方に空間が作り出されているため、上段の攪拌スクリュー12として、従来のものよりも大径のものを用いることが可能となっている。
すなわち現像器5Cは、軸方向と垂直な方向の幅寸法を増加させることなく大容量化されているのである。なお、図4では取込部11は現像剤収容槽10と一体的に構成されているが、もちろん別々に構成することも可能である。
続いて、この現像器5Cの動作について説明する。複写機1からの制御によりモータ等の駆動装置を回転させると、各スクリューが回転する。そうすると、現像剤収容槽10内の現像剤に対する搬送力が生じる。
そして、攪拌スクリュー12により搬送されて左側の端部に至った現像剤は、落下して下方の供給スクリュー14及び回収スクリュー16に移る。一方、供給スクリュー14および回収スクリュー16により搬送されて右側の端部に至った現像剤は、上方に溢れ出して攪拌スクリュー12に移る。かくして現像剤は、現像剤収容槽10内で反時計回りに循環する。
この現像剤の循環に伴い、供給スクリュー14の現像剤の一部が取込部11の端部11aに現像剤が搬送され、そして取込部11により現像剤が現像ローラ18上に取り込まれる。ここで取込部11の端部11aは、現像ローラ18の直上位置より回転方向上流側、すなわち供給スクリュー14の近傍に位置している。これにより、供給スクリュー14から搬送されてくる現像剤が圧力変動を伴っていても、取込部11により圧力変動が緩和されるから、現像ローラ18には一定量の現像剤が安定して供給される。その後、現像剤は規制ブレード13により穂切り規制を受けて、現像ローラ18上に薄層状にならされる。この穂切り規制の際、規制ブレード13に対しては、ほぼ一定の圧力で一定量の現像剤が供給されることとなり、現像剤に過度の圧力がかかることはない。そして、現像ローラ18上に形成された現像剤薄層により、感光体ドラム上の静電潜像に対してトナーが付与されて現像が行われる。また、現像ローラ18上の余剰の現像剤は、回収スクリュー16に回収される。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
《ラテックスの調製》
(ラテックス1HMLの調製)
(1)ラテックス(1H)の調製(核粒子の形成:第1段重合)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、下記式(101)で表されるアニオン系界面活性剤
式(101):C1021(OCH2CH22OSO3Na
4gをイオン交換水3040gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10gをイオン交換水400gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン528g、n−ブチルアクリレート204g、メタクリル酸68g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル24.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックスを調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。
(2)ラテックス(1HM)の調製(中間層の形成:第二段重合)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン95g、n−ブチルアクリレート36g、メタクリル酸9g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル0.59gからなる単量体混合液に、結晶性物質として、上記式(19)で表される化合物(以下、「例示化合物(19)」という。)77gを添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(上記式(101))1gをイオン交換水1560mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液であるラテックス(1H)を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、前記例示化合物(19)の単量体溶液を8時間混合分散させ、分散粒子径(284nm)を有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)5gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックスを得た。これを「ラテックス(1HM)」とする。
(3)ラテックス(1HML)の調製(外層の形成:第三段重合)
上記の様にして得られたラテックス(1HM)に、重合開始剤(KPS)6.8gをイオン交換水265mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン249g、n−ブチルアクリレート88.2g、メタクリル酸2g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル7.45gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックスを得た。このラテックスを「ラテックス(1HML)」とする。
このラテックス(1HML)を構成する複合樹脂粒子の重量平均粒径は122nmであった。
(ラテックス2L(シェル剤)の調製)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内に、重合開始剤(KPS)14.8gをイオン交換水400mlに溶解させた開始剤溶液を仕込み、80℃の温度条件下に、スチレン600g、n−ブチルアクリレート190g、メタクリル酸10.0g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル20.8gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合を行った後、27℃まで冷却しラテックス(低分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(2L)」とする。
このラテックス(2L)を構成する樹脂粒子は11,000にピーク分子量を有するものであり、また、この樹脂粒子の重量平均粒径は128nmであった。
《着色粒子の作製例》
下記のようにして、着色粒子Bk1(ブラック)、Y1(イエロー)、M1(マゼンタ)、C1(シアン)の4色の着色粒子を作製した。
《着色粒子Bk1の作製》:ブラック
(1)着色剤の分散液1の調製
前記式(101)で表される、アニオン性界面活性剤90gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、カーボンブラック(リーガル330R:キャボット社製)400.0gを徐々に添加し、次いで、攪拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理して、着色剤粒子の分散液(以下、「着色剤分散液1」という。)を調製した。
この着色剤分散液1における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(2)(凝集・融着)会合粒子の調製
ラテックス1HML420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと「着色剤分散液1」200gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温した。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、個数平均粒径が4μm〜7μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に、熟成処理として液温度98℃にて6時間にわたり加熱攪拌することにより融着を継続させた。
(3)シェリング操作
更に、ラテックス2L(樹脂粒子の分散液)96gを添加し、3時間にわたり加熱攪拌を継続し、ラテックス(1HML)の凝集粒子表面にラテックス2Lを融着させた。ここで、塩化ナトリウム40.2gを加え、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止した。生成した塩析、凝集、融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、着色粒子Bk1を得た。
尚、着色粒子作製において、前記、凝集工程のpH、ラテックス2Lの添加タイミング、撹拌強度を制御することにより、着色剤分散状態を制御し、更に、液中分級により、粒径および粒度分布の変動係数等を任意に調整出来る。
《着色粒子Y1の作製》:イエロー
着色粒子Bk1の作製において、カーボンブラック(リーガル330R:キャボット社製)の代わりに、C.I.Pigment Yellow74を各々用いて調製した以外は同様にして、着色粒子Y1、Y5を各々作製した。
《着色粒子M1の作製》:マゼンタ
着色粒子Bk1の作製において、カーボンブラック(リーガル330R:キャボット社製)の代わりに、C.I.Pigment Red122を各々用いて調製した以外は同様にして、着色粒子M1、M4を各々作製した。
《着色粒子C1の作製》:シアン
着色粒子Bk1の作製において、カーボンブラック(リーガル330R:キャボット社製)の代わりに、C.I.Pigment Blue15:3を各々用いて調製した以外は同様にして、着色粒子C1、C4を各々作製した。
《トナー粒子の作製(トナーの作製ともいう)》
(黒色トナー粒子Bk1の作製)←ヘンシェル解砕有り。
疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68、ゆるみ見掛け密度0.051g/cm3に調整されたものを使用)を1質量%を加え、ヘンシェルミキサーにより、周速40m/秒で10分間解砕し、ゆるみ見掛け密度0.029g/cm3に調整した。
その後、100質量部の着色粒子Bk1を添加し、ヘンシェルミキサーの周速を25m/秒に変更し、20分間混合し、黒色トナー粒子Bk1を作製した。
黒色トナー粒子Bk1のゆるみ見掛け密度は、0.385g/cm3であった。
(黒色トナー粒子Bk2〜Bk7の作製)
黒色トナー粒子Bk1の作製において、表1に記載のゆるみ見掛け密度になるように疎水性シリカの添加量を0.7質量%〜1.1質量%の範囲で用いて調整した以外は同様にして、黒色トナー粒子Bk2〜Bk7を各々作製した。
(イエロートナー粒子Y1の作製)←ヘンシェル解砕有り
疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68、ゆるみ見掛け密度0.051g/cm3に調整されたものを使用)を1質量%加え、上記のヘンシェルミキサーにより解砕処理を施し、疎水性シリカのゆるみ見掛け密度を0.030g/cm3に調整した。
その後、100質量部のイエロー着色粒子Y1を添加し、ヘンシェルミキサーの周速を25m/秒に変更し、20分間混合して、イエロートナー粒子Y1を作製した。
イエロートナー粒子Y1のゆるみ見掛け密度は、0.378g/cm3であった。
(イエロートナー粒子Y2、Y3の作製)
イエロートナー粒子Y1の作製において、表1に記載のゆるみ見掛け密度になるように疎水性シリカの添加量を0.7質量%〜1.1質量%の範囲で用いて調整した以外は同様にして、イエロートナーY2、Y3を各々作製した。
(マゼンタトナー粒子M1の作製)←シリカのヘンシェル解砕工程なし
上記で得られた着色粒子M1に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68、ゆるみ見掛け密度0.051g/cm3に調整されたものを使用)を1質量%添加、ヘンシェルミキサーを用いて混合して、マゼンタトナー粒子M1を作製した。
マゼンタトナー粒子M1の見掛け密度は、0.345g/cm3であった。
(マゼンタトナー粒子M2、M3の作製)
マゼンタトナー粒子M1の作製において、表1に記載のゆるみ見掛け密度になるように表1に記載のゆるみ見掛け密度になるように疎水性シリカの添加量を0.7質量%〜1.1質量%の範囲で用いて調整した以外は同様にして、マゼンタトナーM2、M3を各々作製した。
(シアントナー粒子C1の作製)
シアン着色粒子C1に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68、ゆるみ見掛け密度0.051g/cm3に調整されたものを使用)を1質量%添加、ヘンシェルミキサーにより混合して、マゼンタトナー粒子C1を作製した。
(シアントナー粒子C2、C3の作製)
シアントナー粒子C1の作製において、表1に記載のゆるみ見掛け密度になるように疎水性シリカの添加量を0.7質量%〜1.1質量%の範囲で用いて調整した以外は同様にして、シアントナーC2、C3を各々作製した。
得られた各トナーのゆるみ見掛け密度、トナー粒子の円形度の平均値、トナー中の金属元素の種類(Al、Na、Mg及びCaからなる群に属する元素の検出)、前記金属元素量(ppm単位:但し、金属元素は酸化物、複合酸化物等、種々の形態をとっていてよい)を表1に示す。
Figure 2005091986
表1に示された各トナー中のトナー粒子は上記の外添剤添加処理により、調製されるが、外添剤処理前の各着色粒子の粒径、円形度等の物性データと処理後の各トナー粒子の粒径、円形度等の物性データが同一であることは別途確認済みである。
(トナーセット1〜7の作製)
得られたトナー粒子の各々を、表2に記載のように組み合わせて、トナーセット1〜7を作製した。
Figure 2005091986
《現像剤の作製》
表2に記載のトナーセットに示されている、各々のトナー粒子に対してシリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の現像剤(黒色用現像剤Bk1〜Bk7、イエロー用現像剤Y1〜Y3、マゼンタ用現像剤M1〜M3、シアン用現像剤C1〜C3)を各々調製し、表2に記載のトナーセット1〜7に対応して、フルカラー用現像剤セット1〜7を作製した。
《実写評価》:フルカラー評価
上記で得られたフルカラー用現像剤セット1〜7の各々を、図2に記載の構成を有する画像形成装置を用いてフルカラー画像形成を行い、定着後の画像について、二次色の再現性、フィルミング性(感光体のフィルミング)、トナー飛散について評価した。
《二次色の再現性》
1枚目の形成画像および100000枚目の形成画像各々における二次色(レッド、ブルー、グリーン)のソリッド画像部の色を「Macbeth Color−Eye7000」により測定し、CMC(2:1)色差式を用いて色差を算出し、下記のようにランク評価した。尚、CMC(2:1)色差式で求められた色差が5以下であれば、形成された画像の色味の変化が許容できる程度といえる。
◎:R、G、B共に色差2未満
○:R、G、Bのいずれかの色差が、色差2以上3.5未満
△:R、G、Bのいずれかの色差が、色差3.5以上5未満
×:R、G、Bのいずれかの色差が5以上
《感光体のフィルミング》
目視観察でフィルミング(感光体上への汚れ付着)の有無を判定した。
◎:感光体に曇りがなく、全くフィルミング確認されない
○:感光体に僅かな曇りがあるが、明確なフィルミング確認されない
△:感光体に僅かにフィルミングが観察される
×:感光体にフィルミングが確認できる
本発明では、○以上が実用可である。
《トナー飛散》
画素率50%のフルカラー画像を1000枚連続でプリントし、画像形成装置の排気部から漏出するトナー粒子の数を市販のパーティクルカウンタで計測し、下記のようにランク評価を行った。
◎:10分間当たりの粒子数0〜10個未満
○:10分間当たりの粒子数10〜50個未満
△:10分間当たりの粒子数50〜100個未満
×:10分間当たりの粒子数100個以上
得られた結果を表3に示す。
Figure 2005091986
表3から、比較の試料に比べて、本発明の試料は、定着後の画像の二次色の再現性、且つ、フィルミングが少ないことが判る。
実施例2:タンデム型(中間転写体有り)
実施例1において、実写評価の画像形成装置を図3に記載のような構成に変更した以外は同様にして、定着後の画像の二次色の再現性、フィルミング性(感光体のフィルミング)、トナー飛散について評価したところ、実施例1と同様、良好な結果が得られた。
(a)は、角のないトナー粒子の投影像を示す説明図であり、(b)および(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示す説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す断面図である。 中間転写体(転写ベルト)を用いる、本発明に係る画像形成装置の一例を示す断面図である。 中間転写体(転写ベルト)を用いる、本発明の画像形成装置で使用される現像器の一例を示す構成図である。
符号の説明
1 複写機
4C、4M、4Y、4K 感光体ドラム
5C、5M、5Y、5K 現像器
10 現像剤収容槽
11 取込部
11a 端部
12 攪拌スクリュー
13 規制ブレード
14 供給スクリュー
16 回収スクリュー
18 現像ローラ
40 トナー補給口

Claims (7)

  1. 転写材上に、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒の4色の静電荷像現像用トナーを重ね合わせてフルカラートナー画像を形成する画像形成方法において、
    該4色の静電荷像現像用トナーの少なくとも1色のトナーAのゆるみ見掛け密度が0.360g/cm3以上0.425g/cm3未満であり、少なくとも1色のトナーBのゆるみ見掛け密度が0.325g/cm3以上0.360g/cm3未満であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 転写材上に、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒の4色の静電荷像現像用トナーを重ね合わせてフルカラートナー画像を形成する画像形成方法において、
    該4色の静電荷像現像用トナーの少なくとも1色のトナーAのゆるみ見掛け密度が0.360g/cm3以上0.405g/cm3未満であり、少なくとも1色のトナーBのゆるみ見掛け密度が0.335g/cm3以上0.355g/cm3未満であることを特徴とする画像形成方法。
  3. 前記トナーBがマゼンタトナーまたはシアントナーであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記トナーAが黒トナーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記トナーAがイエロートナーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 前記4色の静電荷像現像用トナーが各々磁性体を含まないトナーであり、且つ、該トナーの円形度の平均値が0.94〜0.99の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. Al、Na、Mg及びCaからなる元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を10ppm〜5000ppmの範囲で含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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