JP2005091899A - ラビングクロス - Google Patents

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Abstract

【課題】起毛部における傾斜角度や密度の均一製がさほど問題ではなく、しかも極細繊維からなる起毛により、微細な配向をも実現しうる、優れたラビングクロスを提供する。
【解決手段】液晶用ラビング処理に用いられるラビングクロス10であって、少なくとも表面に起毛層11が形成された起毛布12と、その裏側に積層一体化されたクッション材13とを備え、上記起毛層11が単糸繊度1.1デシテックス以下の極細繊維で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶用ラビング処理に用いられるラビングクロスに関するものである。
従来から、液晶表示素子の製造工程において、液晶を配向させるために、その素子表面に形成されたポリイミド等の配向膜をラビングすることが行われている(例えば、特許文献1参照)。上記ラビング処理は、通常、図4に示すように、回転ドラム1の外周面に起毛布からなるラビングクロス2を巻回してなるラビングローラ3を用いて、液晶表示素子4に設けられた配向膜5の表面を一定方向に擦ることによって行われる。より詳しく説明すると、矢印Xの方向に移動する液晶表示素子4に対し、上記ラビングローラ3を、矢印Yに示す方向に回転させながら摺接することにより、ラビングクロス2の起毛部先端で配向膜5の表面を擦り、その擦り方向に沿って、配向膜5の高分子を配向させると同時に液晶分子を配向させるのである。
特開平10−197868号公報
このようなラビング処理では、起毛部の傾斜角度や密度が均一でないと配向膜5の表面に対する起毛部の接触圧力が不揃いになり、配向膜5の配向度合いにばらつきを生じて液晶パネルの表示品質の低下の原因となるため、ラビングクロス2の製造時において、立毛起毛処理を高精度で行うことが要求される。しかしながら、上記要求に応える高品質のものを得るには、コストと手間がかかり、問題となっている。また、製品保管時や輸送時に、起毛部に乱れを生じないよう、慎重な管理、取り扱いが要求されるが、その負担が大きいことも問題となっている。
さらに、液晶表示精度の向上を目的として、より微細な配向を得るために極細繊維で高密度の起毛部を形成することが検討されているが、起毛部の繊度を細くすればするほど、起毛部の反発弾性力が低下し、配向膜5に対する起毛部の接触圧力が低下して配向しにくくなるため、実用上は、起毛部の繊度を1.1デシテックス以下に細くすることができないという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、起毛部における傾斜角度や密度の均一性がさほど問題ではなく、しかも極細繊維からなる起毛により、微細な配向をも実現しうる、優れたラビングクロスの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、液晶用ラビング処理に用いられるラビングクロスであって、少なくとも表面に起毛層が形成された起毛布と、その裏側に積層一体化されたクッション材とを備え、上記起毛層が単糸繊度1.1デシテックス以下の極細繊維で構成されているラビングクロスを第1の要旨とする。
また、本発明は、上記ラビングクロスのなかでも、特に、上記起毛布が、モケット起毛布、トリコット起毛布、電気植毛による植毛布のいずれかであるラビングクロスを第2の要旨とし、上記極細繊維が、単糸繊度0.1〜0.5デシテックスであるラビングクロスを第3の要旨とする。
さらに、本発明は、これらのラビングクロスのなかでも、特に、上記起毛布の少なくとも起毛層に導電性が付与されているラビングクロスを第4の要旨とし、そのなかでも、特に、上記起毛層における極細繊維の少なくとも一部に導電性繊維が含まれているラビングクロスを第5の要旨とする。
そして、本発明は、これらのラビングクロスのなかでも、特に、上記起毛布の少なくとも起毛層に制電性が付与されているラビングクロスを第6の要旨とし、そのなかでも、特に、上記起毛層における極細繊維が、制電剤を練り込んで形成されたものであるラビングクロスを第7の要旨とする。
また、本発明は、これらのラビングクロスのなかでも、特に、上記クッション材が、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレンおよび不織布からなる群から選択された少なくとも一つのクッション材であるラビングクロスを第8の要旨とし、上記クッション材に、導電性が付与されているラビングクロスを第9の要旨とし、上記クッション材に、制電性が付与されているラビングクロスを第10の要旨とする。
そして、本発明は、これらのラビングクロスのなかでも、特に、上記クッション材が発泡ポリウレタンであり、JIS K 6400 A法で測定される反発弾性が30〜60%の弾性特性を備えているラビングクロスを第11の要旨とし、上記起毛布とクッション材とが、フレームラミネート法もしくはボンディング法により貼り合わされているラビングクロスを第12の要旨とする。
すなわち、本発明のラビングクロスは、起毛層が、単糸繊度が1.1デシテックス以下という極細繊維で構成されているにもかかわらず、裏面側にクッション材が設けられているため、上記極細繊維を、均一かつ安定した状態で配向膜に圧接してラビング処理を行うことができるようになっている。したがって、このラビングクロスによれば、従来のように、起毛部の傾斜角度や起毛密度等を厳密に管理する必要がなく、手軽な取り扱いで、液晶を均一かつ細やかに配向させることができる。
特に、本発明のラビングクロスのなかでも、上記起毛布が、モケット起毛布、トリコット起毛布、電気植毛による植毛布のいずれかであるラビングクロスは、起毛の状態が良好で好適であり、また、上記極細繊維が、単糸繊度0.1〜0.5デシテックスであるラビングクロスは、優れた配向効果を奏し、好適である。
さらに、本発明のラビングクロスのなかでも、特に、上記起毛布の少なくとも起毛層に導電性が付与されているラビングクロスおよび上記起毛布の少なくとも起毛層に制電性が付与されているラビングクロスは、ラビング処理時に帯電しにくく、また埃も吸収しにくいため、好適である。
また、本発明のラビングクロスのなかでも、特に、上記クッション材が、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレンおよび不織布からなる群から選択された少なくとも一つのクッション材であるラビングクロスは、クッション性が良好であり、それらのなかでも、特に、クッション材に導電性が付与されているラビングクロス、クッション材に制電性が付与されているラビングクロスは、すでに述べたように、導電性あるいは制電性が付与された起毛層を備えた起毛布と組み合わせて用いることにより、優れた効果を奏する。
そして、これらのラビングクロスのなかでも、特に、上記クッション材が発泡ポリウレタンであり、JIS K 6400 A法で測定される反発弾性が30〜60%の弾性特性を備えているラビングクロスは、液晶に良好な配向効果を与えることができ、好適である。また、上記起毛布とクッション材とが、フレームラミネート法もしくはボンディング法により貼り合わされているラビングクロスは、積層一体化が低コストで行われるため、安価である。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態であるラビングクロス10の拡大断面図を示している。このラビングクロス10は、表面に起毛層11が形成された起毛布12と、その裏側に積層一体化されたクッション材13とで構成されている。
上記起毛布12は、少なくとも起毛層11の部分が、単糸繊度1.1デシテックス以下の極細繊維で構成されたものでなければならない。すなわち、起毛層11の部分が、単糸繊度1.1デシテックスを超える太さのものでは、ラビング処理時に、起毛された一本一本の繊維が液晶表示素子の配向膜に与える影響が大きく、その傾斜角度等が問題となって、本発明の構成では、均一な配向効果を奏することができないからである。
上記起毛布12としては、全体が単糸繊度1.1デシテックス以下の極細繊維で形成された織物、編物、不織布等に対し起毛処理(立毛処理を含む)して得られる起毛布や、起毛しようとする面に上記極細繊維からなる糸が表れるような織り組織もしくは編み組織にした織物、編物であって、その起毛しようとする面に対し起毛処理して得られる起毛布があげられる。また、適宜の基布に、上記極細繊維を電気植毛したものも好適に用いられる。
このような起毛布としては、トリコット起毛布、ベルベット、モケット起毛布、ベロア等があげられる。また、電気植毛による植毛布の場合、その基布としては、ポリアミド、ポリエステル、レーヨン等が好適である。
そして、上記起毛布に用いられる極細繊維としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、アクリル等の合成繊維、レーヨン等の再生繊維等、フィラメントとなるものが好適に用いられる。
上記極細繊維は、通常、単繊維の中に、2種類以上の成分が複数のセグメントを形成しつつ接着された複合繊維を分割フィブリル化することによって得られる。上記分割フィブリル化は、一方の成分を、溶解や分解によって除去したり、膨張剤によって膨潤させたり、逆に収縮剤によって収縮させたり、あるいは加熱によって変形、収縮を生起させたりして行うことができる。また、複数成分を、摩擦や打撃によって物理的に分割することもできる。なかでも、水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液を用いて一方の成分を溶解除去して割繊したものが、ふんわりとた風合いとなり好適である。なお、これらの分割は、通常、上記複合繊維を織成、編成する等して生地にしたのち行われる。
上記極細繊維の一例を図2に示す。この繊維は、図示のように9分割されるナイロン成分14が、互いにアルカリ易溶ポリエステルで接合された状態で紡糸されたのち、上記アルカリ易溶ポリエステルを除去することにより得られるものである(グラセム、カネボウ社製)。ただし、本発明で用いることのできる極細繊維において、その分割形状、分割数は、この例に限らず適宜に設定される。
なお、上記起毛布12の厚みは、後述するクッション材13の厚み、ラビング対象である液晶表示素子のサイズ、要求される品質等にも左右されるが、通常、起毛布全体として、0.3〜5.0mm、起毛層11の厚み(起毛部分を垂直に立てた状態ではなく常態での厚み)が0.1〜1.5mmであることが好適である。
一方、上記起毛布12の裏側に積層一体化されるクッション材13は、ある程度弾力性を備えたものであればよく、例えば、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン、不織布等があげられる。
上記クッション材13としては、発泡ポリウレタンが好適で、しかも、JIS K 6400 A法で測定される反発弾性が30〜60%の弾性特性を備えていることが好適である。すなわち、上記範囲内において、高品質の配向効果を奏することができるからである。そして、上記クッション材13の厚みは、上記起毛布12の厚み、ラビング対象である液晶表示素子のサイズ、要求される品質等にも左右されるが、通常、1〜5mmであることが好適である。
そして、上記クッション材13を起毛布12の裏面に一体化する方法としては、フレームラミネート法、ボンディング法等によって両者を貼り合わせる方法の外、クッション材13の材料とする樹脂組成物を、起毛布12の裏面に所定厚みで塗工し、ついで発泡硬化させて、両者を直接積層一体化するようにしてもよい。また、一定の弾性特性を備えた接着層付の両面テープを用い、その片方の面に起毛布12を貼着するようにしてもよい。
なお、上記起毛布12とクッション材13とを積層一体化してなる、ラビングクロス全体の厚みは、1.3〜10mmであることが好適である。
このようにして得られたラビングクロス10は、図3に示すように、クッション材13を内側にして、回転ドラム1に巻回した状態で貼付してラビング処理に供することができる。ただし、起毛布12の起毛層11を、液晶表示素子4の配向膜5表面に圧接した状態となるよう設定し、従来と同様、矢印で示すようにラビングロールと液晶表示素子4に動作を与える。
上記のようにしてラビング処理された液晶表示素子4は、液晶が均一に配向しており、高品質のものとなる。
なお、上記の例において、起毛布12は、起毛層11が片面に形成されたものであっても、両面に形成されたものであっても差し支えない。
また、起毛布12の少なくとも起毛層11には、ラビング処理時に帯電を生じさせにくくするとともに、埃を吸収させないようにすることを目的として、導電性を付与することが好適である。導電性を付与する方法としては、例えば起毛層11の極細繊維の少なくとも一部に、導電性繊維を混合することが好適に用いられる。
そして、同様の考え方から、起毛布12の少なくとも起毛層11に、制電性を付与することも好適である。制電性を付与する方法としては、例えば起毛層11の極細繊維を紡糸する際に、カーボンブラック、金属の微粉末等の制電剤を練り込んでおく方法が好適である。
また、上記の方法において、クッション材13についても、同様に、導電性および制電性の少なくとも一方を付与するようにすることが好適である。その方法としては、導電剤、制電剤の練り込みが好適である。
つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて説明する。
〔実施例1〕
下記の条件でトリコット編を行った。
<糸使い>
バック1:44.4dtex(デシテックス)/10f(フィラメント) レギュラーナ イロン糸
バック2:22.2dtexのカーボン練り込みポリエステル糸(ベルトロン、カネボウ 合繊社製)と22.2dtex レギュラーポリエステル糸の合糸
フロント:55.5dtex/25f ナイロンとアクリル易溶ポリエステルのコンジュ ゲート糸(グラセム、カネボウ合繊社製、図2参照)
<編密度>
編立て密度:85コース/インチ(=25.4mm、以下同じ)
28ウェール/インチ
仕上げ密度:75コース/インチ
54ウェール/インチ
そして、得られた編地に対し、針布起毛(片面3〜4回程度)を施したのち、編地を、濃度3重量%の水酸化ナトリウム溶液に80℃×8分間浸漬してフロント糸の開繊を行った。つぎに、従来公知の方法で染色加工を行ったのち、エメリー加工の下準備として、樹脂加工(樹脂の種類:グリオキザール系樹脂、樹脂液濃度:3%owf、ベーキング150℃×2分間)を行った。ついで、幅決めのためのセットを行ったのち、エメリー加工(サンドペーパーによる薄起毛処理)を行った。
このようにして得られた起毛布は、起毛布全体の厚みが0.56mm、起毛層の厚みが0.3mmで、起毛部が、単糸繊度0.18dtexの極細繊維で構成されているものであった。なお、起毛部の起毛された繊維の傾斜角度は、特に一方向に傾斜するものではなく、全体として偏りなくランダムな向きに傾斜していた。また、起毛布に対し、任意の10個所において厚み測定を行ったところ、その厚み誤差は±0.03mmであった。
一方、上記起毛布の裏側に用いるクッション材として、厚み2mmのフレームラミネート用発泡ポリウレタンシートを準備した。このものは、下記の表1に示す物性を備えている。
つぎに、上記クッション材と、前記起毛布とを、一般的なフレームラミネート加工法により、接合一体化した。このようにして得られたラビングクロスに対し、任意の10個所において厚み測定を行ったところ、平均厚みが2.56mm、10個所の厚み誤差が、−0.12〜+0.16mmであった。そして、このラビングクロスを、図3に示すようにしてラビングロールに用い、ラビングクロスの起毛布部分を厚み方向に0.2mm(全体厚みの8%)だけ押しつぶすように、液晶表示素子(サイズ:60mm×60mm×厚み0.5mm、配向膜:0.2μmのポリイミドフィルム)の配向膜表面に圧接しながらラビング処理を行ったところ、液晶を良好に配向させることができた。
なお、上記ラビングクロスとラビングロール本体(ステンレス製)の接着は、両面接着テープ(No.500、日東電工社製)によってなされた。そして、ラビング処理後に、ラビングロール本体からラビングクロスを剥がす作業に問題はなかった。
〔実施例2〕
下記の条件でトリコット編を行った。
<糸使い>
バック1:83.3dtex/25f ポリエステルとアルカリ易溶ポリエステルのコン ジュゲート糸(コスモアルファ、カネボウ合繊社製)
ミドル :83.3dtex レギュラーポリエステル糸
フロント:83.3dtex/25f ポリエステルとアルカリ易溶ポリエステルのコン ジュゲート糸(コスモアルファ、カネボウ合繊社製)
<編密度>
編立て密度:76コース/インチ
28ウェール/インチ
仕上げ密度:61コース/インチ
48ウェール/インチ
そして、得られた編地に対し、実施例1と同様にして、起毛処理を行ったが、この例では、両面起毛を施した。開繊処理、染色加工、樹脂加工等の他の処理は、実施例1と同様である。
このようにして得られた起毛布に対し、任意の10個所において厚み測定を行ったところ、平均厚みが0.93mm、10個所の厚み誤差が、±0.02mmであった。そして、起毛層の厚みが0.4mmで、起毛部が、単糸繊度0.3dtexの極細繊維で構成されているものであった。なお、起毛部の起毛された繊維の傾斜角度は、実施例1と同様、特に一方向に傾斜するものではなく、全体として偏りなくランダムな向きに傾斜していた。
一方、上記起毛布の裏側に用いるクッション材として、実施例1と同様のフレームラミネート用発泡ポリウレタンシートを準備し、このクッション材と、前記起毛布とを、一般的なフレームラミネート加工法により、接合一体化した。このようにして得られたラビングクロスに対し、任意の10個所において厚み測定を行ったところ、平均厚みが2.41mm、10個所の厚み誤差が、−0.10〜+0.05mmであった。そして、このラビングクロスを用い、実施例1と同様にしてラビング処理を行ったところ、液晶を良好に配向させることができた。そして、ラビング処理後に、ラビングロール本体からラビングクロスを剥がす作業も、実施例1と同様、問題はなかった。
〔実施例3〕
起毛布として、実施例2と同様のものを準備した。また、クッション材として、厚み2mmの架橋高発泡ポリエチレンシートを準備した。このものは、下記の表2に示す物性を備えている。
つぎに、上記クッション材と、前記起毛布とを、接着剤(エスダイン♯280H、積水化学工業社製)を用いて接合一体化した。このようにして得られたラビングクロスに対し、任意の10個所において厚み測定を行ったところ、平均厚みが2.93mm、10個所の厚み誤差が、−0.08〜+0.09mmであった。そして、このラビングクロスを、実施例1、2と同様にして、ラビング処理に用いたところ、液晶を良好に配向させることができた。
なお、上記ラビングクロスとラビングロール本体(ステンレス製)の接着は、両面接着テープ(No.500、日東電工社製)によってなされた。そして、ラビング処理後に、ラビングロール本体からラビングクロスを剥がす作業に問題はなかった。
〔実施例4〕
つぎのようにして、電気植毛による植毛布を得た。すなわち、まず、55.5dtex/25fのナイロンとアルカリ易溶性ポリエステルのコンジュゲート糸(グラセム、カネボウ合繊社製、図2参照)を1.2mmにカットし、電着処理を行い、パイルとした。また、基材として、75dtexポリエステルフィラメントを使用した目付100g/m2 のタフタ織物に、接着剤(低温硬化型のエポキシ樹脂)を塗布して、上記パイルを植毛加工(アップ方式、30kV、時間30秒)し、乾燥後ブラッシングを行った。これをアルカリ処理(3重量%水酸化ナトリウム溶液に80℃で8分間浸漬)後、中和し、水洗いすることにより、極細繊維からなる植毛布を得た。
このようにして得られた植毛布に対し、任意の10個所において厚み測定を行ったところ、平均厚みが0.75mm、10個所の厚み誤差が、−0.03〜+0.04mmであった。そして、起毛(植毛)層の厚みが0.3mmで、起毛(植毛)部が、単糸繊度0.18dtexの極細繊維で構成されているものであった。なお、起毛部の植毛された繊維の傾斜角度は、特に一方向に傾斜するものではなく、全体として偏りなくランダムな向きに傾斜していた。
一方、上記植毛布の裏側に用いるクッション材として、実施例1と同様のフレームラミネート用発泡ポリウレタンシートを準備し、このクッション材と、前記植毛布とを、一般的なフレームラミネート加工法により、接合一体化した。このようにして得られたラビングクロスに対し、任意の10個所において厚み測定を行ったところ、平均厚みが2.75mm、10個所の厚み誤差が、−0.12〜+0.14mmであった。そして、このラビングクロスを用い、実施例1と同様にしてラビング処理を行ったところ、液晶を良好に配向させることができた。そして、ラビング処理後に、ラビングロール本体からラビングクロスを剥がす作業も、実施例1と同様、問題はなかった。
〔比較例1〕
実施例1の起毛布のみをラビングクロスとして用いた。それ以外は実施例1と同様にして、ラビング処理を行ったところ、液晶の配向にムラが生じ、液晶表示機能に問題が生じた。
〔比較例2〕
実施例1の起毛布において、トリコット編に用いるフロント糸として、55.5dtex/3fのナイロンとアルカリ易溶性ポリエステルのコンジュゲート糸を用いた。この糸は、開繊後、1.5dtexとなるものであった。それ以外は実施例1と同様にして、ラビング処理を行ったところ、比較例1と同様、液晶の配向にムラが生じ、液晶表示機能に問題が生じた。
本発明の一実施例を示す模式的な断面図である。 上記実施例に用いる極細繊維の説明図である。 上記実施例の使用態様の説明図である。 従来のラビング処理工程の説明図である。
符号の説明
10 ラビングクロス
11 起毛層
12 起毛布
13 クッション材

Claims (12)

  1. 液晶用ラビング処理に用いられるラビングクロスであって、少なくとも表面に起毛層が形成された起毛布と、その裏側に積層一体化されたクッション材とを備え、上記起毛層が単糸繊度1.1デシテックス以下の極細繊維で構成されていることを特徴とするラビングクロス。
  2. 上記起毛布が、モケット起毛布、トリコット起毛布、電気植毛による植毛布のいずれかである請求項1記載のラビングクロス。
  3. 上記極細繊維が、単糸繊度0.1〜0.5デシテックスである請求項1または2記載のラビングクロス。
  4. 上記起毛布の少なくとも起毛層に導電性が付与されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のラビングクロス。
  5. 上記起毛層における極細繊維の少なくとも一部に導電性繊維が含まれている請求項4記載のラビングクロス。
  6. 上記起毛布の少なくとも起毛層に制電性が付与されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のラビングクロス。
  7. 上記起毛層における極細繊維が、制電剤を練り込んで形成されたものである請求項6記載のラビングクロス。
  8. 上記クッション材が、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレンおよび不織布からなる群から選択された少なくとも一つのクッション材である請求項1〜7のいずれか一項に記載のラビングクロス。
  9. 上記クッション材に、導電性が付与されている請求項1〜8のいずれか一項に記載のラビングクロス。
  10. 上記クッション材に、制電性が付与されている請求項1〜9のいずれか一項に記載のラビングクロス。
  11. 上記クッション材が発泡ポリウレタンであり、JIS K 6400 A法で測定される反発弾性が30〜60%の弾性特性を備えている請求項1〜10のいずれか一項に記載のラビングクロス。
  12. 上記起毛布とクッション材とが、フレームラミネート法もしくはボンディング法により貼り合わされている請求項1〜11のいずれか一項に記載のラビングクロス。
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