JP2005090606A - 油圧緩衝器のフリクション付与構造 - Google Patents

油圧緩衝器のフリクション付与構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2005090606A
JP2005090606A JP2003323672A JP2003323672A JP2005090606A JP 2005090606 A JP2005090606 A JP 2005090606A JP 2003323672 A JP2003323672 A JP 2003323672A JP 2003323672 A JP2003323672 A JP 2003323672A JP 2005090606 A JP2005090606 A JP 2005090606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
friction
oil
piston rod
rod guide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003323672A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroo Teruuchi
宏雄 照内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Corp
Original Assignee
Showa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Corp filed Critical Showa Corp
Priority to JP2003323672A priority Critical patent/JP2005090606A/ja
Publication of JP2005090606A publication Critical patent/JP2005090606A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】 油圧緩衝器のフリクション付与構造において、ピストンロッドに簡易かつ適度にフリクションを付与すること。
【解決手段】 ピストンロッド14にフリクションを付与する摩擦部材20を、ロッドガイド15とオイルシール16の間に配置してなる油圧緩衝器10のフリクション付与構造において、摩擦部材20として、成形時に生じた表面皮膜を剥したOリング21を用い、このOリング21をロッドガイド15の内周に配置したもの。
【選択図】 図2

Description

本発明は、油圧緩衝器のフリクション付与構造に関する。
油圧緩衝器において、ピストン速度が極微低速域にあるときのピストンロッドの微振幅の動きを制振して乗り心地を向上するため、特許文献1では、ピストンロッドに弾接してフリクションを付与する摩擦部材として、ピストンロッドに接触する専用の摩擦リップを備えたものを開示している。
特許文献2では、ピストンロッドに接触する摩擦部材と、摩擦部材の外周に設けられてピストンロッドに対する締め代を該摩擦部材に与える弾性リングを用いて、ピストンロッドにフリクションを付与する油圧緩衝器を開示している。
特許文献3の油圧緩衝器は、専用形状のオイルシールを用いてピストンロッド外周とオイルシール内周の間のオイルリークをコントロールするものである。オイルシールがピストンロッドに摺接しているから、当然にフリクションを生ずる。
特開2001-330074 特開2003-130117 実開平3-72130
特許文献1〜3の従来技術では、ピストンロッドにフリクションを付与する摩擦部材として、専用形状からなる専用品を必要として複雑であり、フリクション特性の変更も容易でない。
本発明の課題は、油圧緩衝器のフリクション付与構造において、ピストンロッドに簡易かつ適度にフリクションを付与することにある。
請求項1の発明は、シリンダに設けた油室に挿入されるピストンロッドを、シリンダの開口部に設けたロッドガイドとオイルシールを介して外部に導出し、ピストンロッドにフリクションを付与する摩擦部材を、ロッドガイドとオイルシールの間に配置してなる油圧緩衝器のフリクション付与構造において、前記摩擦部材として、成形時に生じた表面皮膜を剥したOリングを用い、このOリングをロッドガイドの内周に配置したものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記ロッドガイドの内周にケースを圧入し、このケースに設けたリング溝にOリングを装填したものである。
請求項3の発明は、請求項1の発明において更に、前記ロッドガイドの内周にリング溝を設け、このリング溝にOリングを装填したものである。
請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において更に、前記リング溝に対するOリングの充填率を75〜97%にするようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において更に、前記オイルシールとOリングの間に油溜り室を形成し、シリンダの油室を油溜り室に連通する流入路と、シリンダの油室に付帯的に設けたリザーバに油溜り室を連通する流出路をロッドガイドに設けたものである。
請求項1〜4のいずれかに記載の油圧緩衝器のフリクション付与構造。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において更に、前記Oリングに代わるDリング又はXリングを用いたものである。
(請求項1)
a ロッドガイドの内周に配置したOリングが、ピストンロッドにフリクション(摩擦抵抗力)を付与し、ピストン速度が極微低速域のピストンロッドの動きや、悪路走行時の大きな振動の後にピストンロッドに発生する高周波微振幅の動きを制振し、車両の安定した乗心地と操縦性を確保することができる。
b Oリングの成形時にOリングの表面に生じた皮膜を剥すことにより、汎用(市販)のOリングを用いながらその動フリクション値を上げ、ピストンロッドに簡易かつ適度なフリクションを付与できる。ロッドガイドの内周のリング溝に対するOリングの充填率を適度に調整することによっても、ピストンロッドに適度なフリクションを付与できる。
(請求項2)
c Oリングを装填したケースをロッドガイドの内周に圧入するに際し、リング溝のサイズが異なる複数種類のケースを用意しておけば、油圧緩衝器の仕様によって適宜のケースを選択することにて、Oリングの充填率を変更し、Oリングがピストンロッドに付与するフリクションを簡易に設定替えできる。
(請求項3)
d ロッドガイドの内周に直にOリングを装填するためのリング溝を設けることにより、Oリングをロッドガイドの内周に簡易に配置できる。コの字状リング溝の溝底に挿入するスペーサリングの厚みを変えることでOリングの充填率を変更でき、又は陥凹状リング溝の上部開口に圧入するワッシャの圧入深さを変えることでOリングの充填率を変更できる。
(請求項4)
e Oリングの充填率を好適には70〜98%、より好適には75〜97%に設定することにより、ピストンロッドに適度なフリクションを付与できる。
(請求項5)
f ロッドガイドに油溜り室への流入路と流出路を設けたから、シリンダの油室の油を流入路により油溜り室に導入してオイルシールのリップ部の油膜切れを防止し、その油とともに油溜り室に入ったエアを流出路からリザーバへ流出する油の流れに随伴させてリザーバへと排出できる。従って、油溜り室からのエア抜き性を向上し、油溜り室にエアを残すことがなくなる。
g 油溜り室にエアが残らないから、熱によるエアの膨張に起因する油溜り室の圧力変動を抑制し、Oリングに作用する背圧を一定にし、Oリングがピストンロッドに与えるフリクションの安定を図ることができる。
油溜り室にエアが残らないから、シリンダの油室が加圧されたときに油溜り室の残留エアに影響されることなく、減衰力発生装置の作動の安定を図り、安定した減衰力を発生できる。
従って、極微低速域ではフリクションにより振動を減衰させ、微低速域からは確実に減衰力を発生させることで、油圧緩衝器の緩衝機能の安定確実を図ることができる。
h 油溜り室にエアが残らないから、エアの膨張により油をリザーバへと押し出すことがなく、油溜り室の油量を維持し、オイルでオイルシールのリップ部に油膜切れを引き起こすことがない。
(請求項6)
i Oリングに代わるDリング又はXリングを用いる場合にも、上述a〜hと同様の作用効果を奏する。
図1は油圧緩衝器を示す模式図、図2は実施例1のフリクション付与構造を示す断面図、図3は図2の要部拡大図、図4はOリングの充填率を示す模式図、図5は実施例2のフリクション付与構造を示す断面図、図6は図5の要部拡大図、図7は実施例3のフリクション付与構造を示す断面図、図8は図7の要部拡大図である。
図1は、サスペンションを構成する複筒式油圧緩衝器10であり、アウタチューブ11にシリンダ12を内挿した二重管構造からなる。
油圧緩衝器10は、シリンダ12に設けた油室13に挿入されるピストンロッド14を、シリンダ12の開口部に設けたロッドガイド15とオイルシール16を介して外部へ導出する。
ロッドガイド15は、下端側小外径部をシリンダ12の内径に、上端側大外径部をアウタチューブ11の内径に嵌合し、小外径部の上側段差部をシリンダ12の上端に乗せ、その上面にオイルシール16を載置した状態で、このオイルシール16とワッシャ17とともにアウタチューブ11の上端部に螺着したキャップ18の押え部18Aにより固定される。ロッドガイド15はガイドブッシュ15Aを圧入されて備え、ピストンロッド14をこのガイドブッシュ15Aにて摺動自在に支持する。
オイルシール16は、芯金16Aにゴムを焼付けした成形体からなり、ピストンロッド14に摺接するオイルシールリップ16B、ロッドガイド15に当接するチェックリップ16C、アウタチューブ11に当接する外周リップ16D、ピストンロッド14に摺接するダストシールリップ16Eを備え、オイルシールリップ16Bの外周にそのリップ16Bをピストンロッド14に向けて押し付けるように緊迫するリング状スプリング16Fを備える。
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11の下端部をナックルブラケットにより車輪側に連結し、ピストンロッド14の上端部に固定される取付ブラケットを車体側に連結し、アウタチューブ11の外周に設けたスプリングシートとピストンロッド14の上端側に設けたスプリングシートの間に懸架ばねを介装し、懸架ばねによる衝撃力の吸収に伴うピストンロッド14の伸縮振動をピストンバルブ装置とベースバルブ装置が発生する減衰力により制振する。ピストンバルブ装置は、ピストンロッド14の油室13への挿入端に固定したピストンに設けられ、ピストンロッド14の伸縮振動に伴い、ピストンの一方側のピストンロッド側油室13と他方側のピストン側油室(不図示)の間で移動する油の流れによりたわみ変形せしめられる減衰バルブにより減衰力を発生する。ベースバルブ装置は、シリンダ12の油室13に付帯的となるように、アウタチューブ11とシリンダ12の間の環状空間に設けられるリザーバ19と、油室13との間に設けられ、ピストンロッド14の伸縮振動に伴い、ピストンロッド14がシリンダ12に進入、退出する容積分だけ油室13とリザーバ19の間で移動する油の流れによりたわみ変形せしめられる減衰バルブにより減衰力を発生する。
しかるに、油圧緩衝器10にあっては、ピストンバルブ装置やベースバルブ装置の減衰力が発生しない、ピストン速度が極微低速域のピストンロッド14の動きや、悪路走行時の大きな振動の後にピストンロッド14に発生する高周波微振幅の動きを制振し、車両の安定した乗心地と操縦性を確保するため、ピストンロッド14にフリクション(摩擦抵抗力)を付与する摩擦部材20を、ロッドガイド15のガイドブッシュ15Aとオイルシール16の間のピストンロッドまわりに配置している。
摩擦部材20は、図2、図3に示す如く、ロッドガイド15の内周に配置されたOリング21からなる。Oリング21は、NBR(ニトリルゴム)等からなり、一対の型内に加硫ゴムを充填して成形される。成形されたOリング21の表面には、型離れの促進のために型内面に塗布されていた剥離剤が皮膜として生成する。摩擦部材20として用いるOリング21にあっては、成形時に生じた上述の表面皮膜がサンド等のショット処理によって剥されたものとする。
ロッドガイド15の内周へのOリング21の配置構造は以下の如くである。ロッドガイド15のガイドブッシュ15Aに対する直上の内周には凹部15Bが設けられ、凹部15Bにはケース22が圧入固定される。ケース22はピストンロッド14を僅かな隙間を介して囲むリング状をなし、その内周に設けたリング溝22AにOリング21を装填したものである。Oリング21は、ロッドガイド15の内周にケース22を介して配置され、ピストンロッド14の外周に摺接してピストンロッド14にフリクションを付与するものとなる。
ケース22のリング溝22Aに装填されてピストンロッド14に摺接するOリング21は、ピストンロッド14に適度なフリクションを付与するため、リング溝22Aに対する充填率を好ましくは70〜98%、より好適には75〜97%に設定する。Oリング21の充填率nは、図4に示す如く、Oリング21の線径をW(mm)、リング溝22Aの溝幅をG(mm)、溝深さ(ピストンロッド14の外面とリング溝22Aの溝底の間隔)をH(mm)とするとき、n=100(π/4×W)/(G×H)(%)である。
油圧緩衝器10のピストン速度がVp=0.0001m/s、ピストン(ピストンロッド14)の軸方向振動が振幅±5mmのSin波であるとき、摩擦部材20として採用した上述のOリング21がピストンロッド14に対し3.0kgf以上の動フリクション値を示すことを認めた。
また、油圧緩衝器10にあっては、ピストンロッド14が挿入されたオイルシール16と摩擦部材20の間に油溜り室40を形成し、シリンダ12の油室13をロッドガイド15(ブッシュ15A)のピストンロッド14が摺接する内周部を介して油溜り室40に連通する流入路50と、リザーバ19に油溜り室40を連通する流出路60を設ける。油溜り室40は、ロッドガイド15の凹部15Bに圧入された摩擦部材20のケース22と、ロッドガイド15の上面に設けられたオイルシール16の間で、ロッドガイド15の凹部15Bに連なる上りテーパ状内周面31(尚、本明細書でテーパ、勾配の上下方向は油の流れる方向に見た上下をいう)、垂直状内周面32により、ピストンロッド14を囲むように形成される。
流入路50は、図2、図3に示す如く、ロッドガイド15の凹部15Bの周方向の単一位置又は複数位置において、凹部15Bの底面から垂直面にL字状に連続して刻設され、油溜り室40の下部に連通する溝状流路51、52からなる。流入路50は、シリンダ12の油室13を、ロッドガイド15がピストンロッド14を囲む隙間を介して、溝状流路51、52経由で油溜り室40に連通する。
尚、流入路50は、図2に2点鎖線で示した如く、ケース22の外周に沿う周方向の単一位置又は複数位置において、ケース22の底面から垂直面にL字状に連続して刻設され、油溜り室40の下部に連通する溝状流路51A、52Aからなるものでも良い。流入路50はシリンダ12の油室13を、ロッドガイド15がピストンロッド14を囲む隙間、及びケース22がピストンロッド14を囲む隙間を介して、溝状流路51A、52A経由で油溜り室40に連通する。
流出路60は、ロッドガイド15の内周側上面に刻設されて油溜り室40の最上部空間(オイルシール16のオイルシールリップ16Bより上位に位置する)に連通する環状流路61と、オイルシール16の芯金16Aが載置されるロッドガイド15の上端面に刻設される下り勾配の溝状流路62と、ロッドガイド15のアウタチューブ11に囲まれる外周側上面に形成される環状流路63と、ロッドガイド15のアウタチューブ11に嵌合される外周面に切欠形成されてリザーバ19に開口する切欠状流路64とからなり、油溜り室40を環状流路61、溝状流路62、環状流路63、切欠状流路64経由でリザーバ19に連通する。
油圧緩衝器10は、オイルシール16のチェックリップ16Cを流出路60の逆止手段とする。チェックリップ16Cは、流出路60の環状流路61の全周に当接するように配置され、油溜り室40の油の余剰分が流出路60からリザーバ19へ流出することを許容し、リザーバ19のガス圧が油溜り室40へ及ぶことを阻止する。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
a ロッドガイド15の内周に配置したOリング21が、ピストンロッド14にフリクション(摩擦抵抗力)を付与し、ピストン速度が極微低速域のピストンロッド14の動きや、悪路走行時の大きな振動の後にピストンロッド14に発生する高周波微振幅の動きを制振し、車両の安定した乗心地と操縦性を確保することができる。
b Oリング21の成形時にOリング21の表面に生じた皮膜を剥すことにより、汎用(市販)のOリング21を用いながらその動フリクション値を上げ、ピストンロッド14に簡易かつ適度なフリクションを付与できる。ロッドガイド15の内周のリング溝22Aに対するOリング21の充填率を適度に調整することによっても、ピストンロッド14に適度なフリクションを付与できる。
c Oリング21を装填したケース22をロッドガイド15の内周に圧入するに際し、リング溝22Aのサイズが異なる複数種類のケース22を用意しておけば、油圧緩衝器10の仕様によって適宜のケース22を選択することにて、Oリング21の充填率を変更し、Oリング21がピストンロッド14に付与するフリクションを簡易に設定替えできる。
d Oリング21の充填率を好適には70〜98%、より好適には75〜97%に設定することにより、ピストンロッド14に適度なフリクションを付与できる。
(請求項5)
e ロッドガイド15に油溜り室40への流入路50と流出路60を設けたから、シリンダ12の油室13の油を流入路50により油溜り室40に導入してオイルシール16のオイルシールリップ16Bの油膜切れを防止し、その油とともに油溜り室40に入ったエアを流出路60からリザーバ19へ流出する油の流れに随伴させてリザーバ19へと排出できる。従って、油溜り室40からのエア抜き性を向上し、油溜り室40にエアを残すことがなくなる。
f 油溜り室40にエアが残らないから、熱によるエアの膨張に起因する油溜り室40の圧力変動を抑制し、Oリング21に作用する背圧を一定にし、Oリング21がピストンロッド14に与えるフリクションの安定を図ることができる。
油溜り室40にエアが残らないから、シリンダ12の油室13が加圧されたときに油溜り室40の残留エアに影響されることなく、減衰力発生装置(ピストンバルブ装置、ベースバルブ装置)の作動の安定を図り、安定した減衰力を発生できる。
従って、極微低速域ではフリクションにより振動を減衰させ、微低速域からは確実に減衰力を発生させることで、油圧緩衝器10の緩衝機能の安定確実を図ることができる。
g 油溜り室40にエアが残らないから、エアの膨張により油をリザーバ19へと押し出すことがなく、油溜り室40の油量を維持し、オイルでオイルシール16のオイルシールリップ16Bに油膜切れを引き起こすことがない。
図5、図6の実施例2が図1〜図4の実施例1と異なる点は、ロッドガイド15の内周にコの字状リング溝15Cを設け、摩擦部材20としてのOリング21をこのリング溝15Cに直に装填したことにある。
ロッドガイド15のリング溝15Cに装填されてピストンロッド14に摺接するOリング21は、ピストンロッド14に適度なフリクションを付与するため、リング溝15Cの溝底に沿うように予め挿入されたC字リング状のスペーサリング23にバックアップされる。板厚の異なる複数種類のスペーサリング23を用意しておき、油圧緩衝器10の仕様によって適宜のスペーサリング23を選択することにて、Oリング21の充填率を変更できる。
ロッドガイド15のリング溝15Cの溝下側面、溝底、溝上側面のそれぞれに、図6のオイル流れ方向を示す矢印に直交する断面視で小波状又は鋸歯状等をなす溝状流路53A〜53Cを刻設し、それらを互いに連続して流入路50を形成する。流入路50は、シリンダ12の油室13を、ロッドガイド15がピストンロッド14を囲む隙間を介して、溝状流路53A、53C経由で油溜り室40に連通する。
本実施例によれば、ロッドガイド15の内周に直にOリング21を装填するためのリング溝15Cを設けることにより、Oリング21をロッドガイド15の内周に簡易に配置できる。コの字状リング溝15Cの溝底に挿入するスペーサリング23の厚みを変えることでOリング21の充填率を変更できる。
図7、図8の実施例3が図1〜図4の実施例1と異なる点は、ロッドガイド15の内周に上方が開口した陥凹状リング溝15Dを設け、摩擦部材20としてのOリング21をこのリング溝15Dに直に装填したことにある。
ロッドガイド15のリング溝15Dに装填されてピストンロッド14に摺接するOリング21は、ピストンロッド14に適度なフリクションを付与するため、リング溝15Dの上部開口に圧入されたワッシャ24により上面から加圧される。ワッシャ24の圧入深さを変えることでOリング21の充填率を変更できる。ワッシャ24は縦断面の外周高さを内周厚みより大きくしたL字状をなし、リング溝15Dの垂直面との圧入嵌合長を大きくとり、圧入固定状態の確実を図っている。
ロッドガイド15のリング溝15Dの溝下側面、溝垂直面のそれぞれに、図8のオイル流れ方向を示す矢印に直交する断面視で小波状又は鋸歯状等をなす溝状流路54A、54Bを刻設し、それらを互いに連続して流入路50を形成する。流入路50は、シリンダ12の油室13を、ロッドガイド15がピストンロッド14を囲む隙間を介して、溝状流路54A、54B経由で油溜り室40に連通する。
本実施例によれば、ロッドガイド15の内周に直にOリング21を装填するためのリング溝15Dを設けることにより、Oリング21をロッドガイド15の内周に簡易に配置できる。陥凹状リング溝15Dの上部開口に圧入するワッシャ24の圧入深さを変えることでOリング21の充填率を変更できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明の摩擦部材として、Oリングに代わるDリング又はXリングを用いることもできる。
図1は油圧緩衝器を示す模式図である。 図2は実施例1のフリクション付与構造を示す断面図である。 図3は図2の要部拡大図である。 図4はOリングの充填率を示す模式図である。 図5は実施例2のフリクション付与構造を示す断面図である。 図6は図5の要部拡大図である。 図7は実施例3のフリクション付与構造を示す断面図である。 図8は図7の要部拡大図である。
符号の説明
10 油圧緩衝器
12 シリンダ
13 油室
14 ピストンロッド
15 ロッドガイド
15C、15D リング溝
16 オイルシール
19 リザーバ
20 摩擦部材
21 Oリング
22 ケース
22A リング溝
40 油溜り室
50 流入路
60 流出路

Claims (6)

  1. シリンダに設けた油室に挿入されるピストンロッドを、シリンダの開口部に設けたロッドガイドとオイルシールを介して外部に導出し、
    ピストンロッドにフリクションを付与する摩擦部材を、ロッドガイドとオイルシールの間に配置してなる油圧緩衝器のフリクション付与構造において、
    前記摩擦部材として、成形時に生じた表面皮膜を剥したOリングを用い、このOリングをロッドガイドの内周に配置したことを特徴とする油圧緩衝器のフリクション付与構造。
  2. 前記ロッドガイドの内周にケースを圧入し、このケースに設けたリング溝にOリングを装填した請求項1に記載の油圧緩衝器のフリクション付与構造。
  3. 前記ロッドガイドの内周にリング溝を設け、このリング溝にOリングを装填した請求項1に記載の油圧緩衝器のフリクション付与構造。
  4. 前記リング溝に対するOリングの充填率を75〜97%にする請求項2又は3に記載の油圧緩衝器のフリクション付与構造。
  5. 前記オイルシールとOリングの間に油溜り室を形成し、シリンダの油室を油溜り室に連通する流入路と、シリンダの油室に付帯的に設けたリザーバに油溜り室を連通する流出路をロッドガイドに設けた請求項1〜4のいずれかに記載の油圧緩衝器のフリクション付与構造。
  6. 前記Oリングに代わるDリング又はXリングを用いた請求項1〜5のいずれかに記載の油圧緩衝器のフリクション付与構造。
JP2003323672A 2003-09-16 2003-09-16 油圧緩衝器のフリクション付与構造 Withdrawn JP2005090606A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003323672A JP2005090606A (ja) 2003-09-16 2003-09-16 油圧緩衝器のフリクション付与構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003323672A JP2005090606A (ja) 2003-09-16 2003-09-16 油圧緩衝器のフリクション付与構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005090606A true JP2005090606A (ja) 2005-04-07

Family

ID=34454673

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003323672A Withdrawn JP2005090606A (ja) 2003-09-16 2003-09-16 油圧緩衝器のフリクション付与構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005090606A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010084921A (ja) * 2008-10-02 2010-04-15 Kayaba Ind Co Ltd フロントフォーク
JP2010121340A (ja) * 2008-11-19 2010-06-03 Nok Corp ドアクローザ用シール装置
CN106122349A (zh) * 2016-08-23 2016-11-16 中航飞机起落架有限责任公司 一种缓冲装置的油液阻尼机构
KR20200002977A (ko) * 2017-05-26 2020-01-08 히다치 오토모티브 시스템즈 가부시키가이샤 완충기
CN111220488A (zh) * 2019-12-04 2020-06-02 中国航空综合技术研究所 用于作动筒往复动密封的双加载式磨损试验装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010084921A (ja) * 2008-10-02 2010-04-15 Kayaba Ind Co Ltd フロントフォーク
JP2010121340A (ja) * 2008-11-19 2010-06-03 Nok Corp ドアクローザ用シール装置
CN106122349A (zh) * 2016-08-23 2016-11-16 中航飞机起落架有限责任公司 一种缓冲装置的油液阻尼机构
KR20200002977A (ko) * 2017-05-26 2020-01-08 히다치 오토모티브 시스템즈 가부시키가이샤 완충기
KR102298611B1 (ko) * 2017-05-26 2021-09-03 히다치 아스테모 가부시키가이샤 완충기
US11274724B2 (en) 2017-05-26 2022-03-15 Hitachi Astemo, Ltd. Buffer
CN111220488A (zh) * 2019-12-04 2020-06-02 中国航空综合技术研究所 用于作动筒往复动密封的双加载式磨损试验装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4334549B2 (ja) ショックアブソーバ及び該ショックアブソーバ中における制動力付与方法
CN102261419B (zh) 缓冲器
KR101506428B1 (ko) 밀봉 장치 및 이 밀봉 장치를 구비하는 완충기
JP5977665B2 (ja) フロントフォーク
JP6359689B2 (ja) 多機能ブッシングを有する流体ダンパアッセンブリ
JP6391512B2 (ja) 圧力緩衝装置
JP2005090606A (ja) 油圧緩衝器のフリクション付与構造
JP6817848B2 (ja) 緩衝器
JP4332703B2 (ja) 往復動軸用密封装置
JP2007092926A (ja) ショックアブソーバ
CN116438389A (zh) 液压机的密封装置及缓冲器
JP2016023741A (ja) ピストンおよび緩衝器
JP5785345B1 (ja) 圧力緩衝装置
JP2003130119A (ja) 油圧緩衝器のフリクション付与構造
JP2003156093A (ja) 油圧緩衝器のフリクション付与構造
JP2004251416A (ja) 往復動軸用摩擦力付与装置
JP2006131164A (ja) 懸架装置
US20050023889A1 (en) Brake devices
JP4683601B2 (ja) 油圧緩衝器
JP4704290B2 (ja) リバウンドスプリング
JP2005195046A (ja) シリンダ装置
JP2018096438A (ja) 緩衝器
JP2007177879A (ja) 軸受
JP4697838B2 (ja) 油圧緩衝器
JP2005133774A (ja) 油圧緩衝器

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061205