JP2005133774A - 油圧緩衝器 - Google Patents
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Abstract
【課題】シールバーストを起すことのないロッドガイドの構造を備えた油圧緩衝器を提供する。
【解決手段】シリンダ1の端部にロッドガイド3を設け、このロッドガイド3はピストンロッド10を案内するブッシュ13を圧入した案内部14を有し、ロッドガイド3の上部にピストンロッド10との隙間をシールするメインシール4を配置し、シリンダ1及びアウターシェル2間に隔成したリザーバ室Rを、ロッドガイド3に形成したドレン孔21と、ロッドガイド3及びメインシール4間に設けた油路Sと、ブッシュ13及びピストンロッド10間の摺動隙間とを介してシリンダ1内の油室に接続した油圧緩衝器において、ブッシュ13と、メインシール4の内周リップ11との間に噴流緩和空間部17を設け、ブッシュ13及びピストンロッド10間の摺動隙間を通過した作動油がこの噴流緩和空間部17を介して前記油路Sに流れるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】シリンダ1の端部にロッドガイド3を設け、このロッドガイド3はピストンロッド10を案内するブッシュ13を圧入した案内部14を有し、ロッドガイド3の上部にピストンロッド10との隙間をシールするメインシール4を配置し、シリンダ1及びアウターシェル2間に隔成したリザーバ室Rを、ロッドガイド3に形成したドレン孔21と、ロッドガイド3及びメインシール4間に設けた油路Sと、ブッシュ13及びピストンロッド10間の摺動隙間とを介してシリンダ1内の油室に接続した油圧緩衝器において、ブッシュ13と、メインシール4の内周リップ11との間に噴流緩和空間部17を設け、ブッシュ13及びピストンロッド10間の摺動隙間を通過した作動油がこの噴流緩和空間部17を介して前記油路Sに流れるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車等の車両に使用される油圧緩衝器に関し、特にシリンダ内の作動油をメインシールから外部に漏らすことなくリザーバ室に戻すことができるロッドガイドの構造に関する。
自動車等の車両のサスペンション装置に用いられる油圧緩衝器としては、特許文献1に示すものを例示することができる。
即ち、図3に示すように、アウターシェル2の上端部内周となるシリンダ1の端部にピストンロッド10を案内するロッドガイド3を設け、このロッドガイド3の上端にメインシール4を載置し、アウターシェル2の上端2aを内側に折り曲げることにより、このアウターシェル2、メインシール4及びロッドガイド3を一体的に加締め固定している。
前記メインシール4は、ピストンロッド10の外周に摺接する大気側に形成のダストリップ6及び油室側に形成のオイルリップ7からなる内周リップ11と、この内周リップ11と一体形成されたインサートメタル5と、インサートメタル5の外周側下面に同じく一体形成された外周リップ8とから構成されている。
尚、オイルリップ7の外周にはこのリップ7のピストンロッド10に対する締め代を調整するためのガータスプリング12が設けられている。
前記ロッドガイド3は、全体が焼結成形により形成されるとともに、内周面でピストンロッドが摺接する筒状のブッシュ13を圧入した円筒状の案内部14と、その外周に設けられた同じく円筒状をなす取付部15と、これらを連結する連結部16とから構成され、前記案内部14、連結部16、取付部15及び前記メインシール4によって油路Sが区画形成されている。
案内部14及び取付部15は、その外周面が夫々シリンダ1内周面及びアウターシェル2内周面と当接しており、ロッドガイド3をシリンダ1及びアウターシェル2の径方向に対して位置決めするようになっている。
又、連結部16の下部は、シリンダ1端部に当接しており、アウターシェル2の上端2aを内側に折り曲げる加締め加工によってロッドガイド3がシリンダ1及びアウターシェル2の軸線方向に対して位置決めされるようになっている。
前記連結部16にはアウターシェル2とシリンダ1とで隔成されたリザーバ室Rに連通するドレン孔21が設けられ、このドレン孔21、前記油路S、ピストンロッド10とブッシュ13との摺動隙間を介してロッド側油室20に接続されている。
上記のように構成された油圧緩衝器は、実際の走行状態において、路面の凹凸等によってピストンロッド10が進退動作を繰り返し、その際、図示しないピストン部又はベースバルブ部で所定の減衰力を発生して乗り心地、操縦安定性を向上させる。
ところが、ロッドガイド3は、その案内部14内に圧入したブッシュ13を介してピストンロッド10を摺動自在に支持しているので、両者は、所謂メタルコンタクトの状態となる。
従って、ピストンロッド10の進退動作が繰り替えされ、例えば、ロッド側室20が高圧の圧縮状態になると、この内圧によってロッド側室20内の作動油がピストンロッド10とブッシュ13との微小隙間からロッドガイド3の上方へ流出する場合がある。
通常、この流出した作動油は、前記油路S及びドレン孔21を通ってリザーバ室Rに戻され、メインシール4から油圧緩衝器の外部に漏れるのを防止している。
特開2002−213516号公報(図4)
ところが、ピストンロッド10の進退動作に伴い流出する作動油は、ピストンロッド10とブッシュ13との微小隙間から流出するので、その微小隙間の形状からすると、当然真上、即ち、内周リップ11のオイルリップ7とピストンロッド10との摺接部分に向かって流出することになる。
このとき、上記作動油は、ロッド側室20の圧縮状態によっては高圧の噴流となることがあり、その場合には高速且つ大流量の噴流が上記摺接部分に衝突(図に矢印Yとして示す)し、場合によってはこの噴流によりオイルリップ7が押し広げられ、前記摺接部分を通過して作動油が外部に漏れる、所謂シールバーストを起す虞がある。
特に、近年、油圧緩衝器は、軽量化、小型化、製造コストの削減等の要求によってロッドガイド3とメインシール4との間隔(図3にXとして示す)をできる限り短く設定する傾向にあり、上記のシールバーストを起す虞が多くなる。
そこで、本発明の目的は、例え、ピストンロッドとブッシュとの微小隙間から高圧の噴流となった作動油がメインシール側に流出しても、シールバーストを起すことのないロッドガイドの構造を備えた油圧緩衝器を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明の手段は、シリンダとアウターシェルとを同芯に配設し、シリンダとアウターシェルとの各端部にロッドガイドを設け、このロッドガイドはその中央にピストンロッドを案内するブッシュを圧入した案内部を有し、ロッドガイドの上方に内周リップでピストンロッドとの隙間をシールするメインシールを配置し、シリンダ及びアウターシェル間に隔成したリザーバ室を、ロッドガイドに形成したドレン孔と、ロッドガイド及びメインシール間に設けた油路と、ブッシュ及びピストンロッド間の摺動隙間とを介してシリンダ内の油室に接続した油圧緩衝器において、上記ブッシュと、上記内周リップとの間に噴流緩和空間部を設け、ブッシュ及びピストンロッド間の摺動隙間を通過した作動油がこの噴流緩和空間部を介して前記油路に流れるようにしたことを特徴とするものである。
この場合、ブッシュ先端から内周リップの油室側に設けたオイルリップまでの距離と、ブッシュ内面からピストンロッド表面までの距離との比が120以上で240以下となるように噴流緩和空間部の大きさが決められるのが好ましい。
本発明によれば、ピストンロッドとブッシュとの微小隙間から高圧の噴流となってメインシール側に流出した作動油は、ブッシュと内周リップとの間に設けた噴流緩和空間部でその流速や流量を著しく減少させた状態で内周リップに衝突するから、ピストンロッドと内周リップとの摺接部分に高速且つ大流量の噴流が衝突することによって起こるシールバーストを確実に防止することができる。
以下に、本発明を車両用の油圧緩衝器に具体化した実施の形態を図に基づいて説明するが、図1は、複筒型の油圧緩衝器のロッドガイド部分を示し、アウターシェル2の上端部内周となるシリンダ1の端部にピストンロッド10を案内するロッドガイド3が設けられ、このロッドガイド3の上端にメインシール4が載置され、アウターシェル2の上端2aを内側に折り曲げることにより、このアウターシェル2、メインシール4及びロッドガイド3を一体的に加締め固定しており、以下、詳細に説明する。
メインシール4は、ピストンロッド10の外周に摺接する大気側に形成のダストリップ6及び油室側に形成のオイルリップ7からなる内周リップ11と、この内周リップ11と一体形成されたインサートメタル5と、インサートメタル5の外周側下面に同じく一体形成された外周リップ8とから構成されている。
尚、オイルリップ7の外周にはこのリップ7のピストンロッド10に対する締め代を調整するためのガータスプリング12が設けられている。
ロッドガイド3は、全体が焼結成形により形成されるとともに、内周面でピストンロッドが摺接する筒状のブッシュ13を圧入した円筒状の案内部14と、その外周に設けられた同じく円筒状をなす取付部15と、これらを連結する連結部16とから構成され、前記案内部14,連結部16,取付部15及び前記メインシール4によって油路Sが区画形成されている。
又、案内部14及び取付部15は、その外周面が夫々シリンダ1内周面及びアウターシェル2内周面と当接しており、ロッドガイド3をシリンダ1及びアウターシェル2の径方向に対して位置決めするようになっている。
案内部14におけるブッシュ13の先端部(図1における上部を言う)と、内周リップ11のオイルリップ7の下端との間には本発明の噴流緩和空間部17が形成されており、ブッシュ13とピストンロッド10との摺動隙間から流出した作動油がこの空間部17を介して油路Sに接続されている。
そして、この噴流緩和空間部17は、案内部14のブッシュ13先端部からオイルリップ7までの距離Dと、ブッシュ13の内周面及びピストンロッド10表面間の距離σとの比が120となるようにこれらの距離D,σが設定されている。
この比は、好ましくは120以上で240以下であり、これは、120以下にすると、図2に示すようにシールバースト発生減衰力比が1.4以下になってシールバーストが発生し易くなると共に、240を超えると、ブッシュ13先端部からオイルリップ7までの距離Dが長くなって油圧緩衝器自体の製造コストが嵩むためである。
従って、ブッシュ13とピストンロッド10との摺動隙間から流出した高圧の作動油は、噴流緩和空間部17で流速及び流量が減少された状態でオイルリップ7部分に衝突し、シールバーストを起さないようになっている。
又、連結部16の下部は、シリンダ1端部に当接しており、アウターシェル2の上端2aを内側に折り曲げる加締め加工によってロッドガイド3がシリンダ1及びアウターシェル2の軸線方向に対して位置決めされるようになっている。
連結部16にはアウターシェル2とシリンダ1とで隔成されたリザーバ室Rに連通するドレン孔21が設けられ、このドレン孔21、前記油路S、噴流緩和空間部17、ピストンロッド10とブッシュ13との摺動隙間を介してロッド側油室20に接続されている。
次に、上記のように構成された油圧緩衝器では、ピストンロッド10の進退動作のうち、特にピストンロッド10の伸長工程においてそのロッド側室20の圧縮状態によってはロッド側室20内の作動油が高圧の噴流となってピストンロッド10とブッシュ13との摺動隙間を通過し、前記油路Sに向って流出しようとする。
このとき、従来であれば、噴出する作動油は、ピストンロッド10とブッシュ13との微小隙間からとなるので、当然、真上、即ちピストンロッド10と内周リップ11のオイルリップ7との摺接部分に直接噴出されることになる。
ところが、本実施の形態では、上記摺接部分と微小隙間の間に噴流緩和空間部17が形成されているので、噴出された作動油は噴流緩和空間部17でその流速及び流量が緩和された状態でオイルリップ7に衝突し、その後、油路Sを介してリザーバ室Rに流れる。
従って、オイルリップ7部分に衝突する噴流はこの噴流緩和空間部17でその流量や流速を著しく減少されるので、従来のように、高速且つ大流量の噴流でオイルリップ7が押し広げられ、オイルリップ7とピストンロッド10との摺接部分を作動油が通過して外部に漏れる、所謂シールバーストの虞を確実に防止することができる。
尚、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、次のように変更して具体化することもできる。
1)前記実施の形態ではドレン孔21が常にロッド側室20と連通しているが、メインシール4にロッド側室20からリザーバ室Rへの流れのみを許容するチェック弁を設けたものに具体化しても良い。
2)前記実施の形態ではロッドガイド3を燒結成形で形成したが、プレス等の他の成形方法を用いてロッドガイド3を形成しても良い。
3)前記実施の形態では内周リップ11としてオイルリップ7以外にダストリップ6を備えたものを示したが、ダストリップ6を持たないものに具体化しても良い。
1 シリンダ
2 アウターシェル
3 ロッドガイド
4 メインシール
10 ピストンロッド
13 ブッシュ
14 案内部
17 噴流緩和空間部
21 ドレン孔
R リザーバ室
S 油路
D ブッシュ先端部からオイルリップまでの距離
σ ブッシュの内周面からピストンロッド表面までの距離
2 アウターシェル
3 ロッドガイド
4 メインシール
10 ピストンロッド
13 ブッシュ
14 案内部
17 噴流緩和空間部
21 ドレン孔
R リザーバ室
S 油路
D ブッシュ先端部からオイルリップまでの距離
σ ブッシュの内周面からピストンロッド表面までの距離
Claims (2)
- シリンダとアウターシェルとを同芯に配設し、シリンダとアウターシェルとの各端部にロッドガイドを設け、このロッドガイドはその中央にピストンロッドを案内するブッシュを圧入した案内部を有し、ロッドガイドの上方に内周リップでピストンロッドとの隙間をシールするメインシールを配置し、シリンダ及びアウターシェル間に隔成したリザーバ室を、ロッドガイドに形成したドレン孔と、ロッドガイド及びメインシール間に設けた油路と、ブッシュ及びピストンロッド間の摺動隙間とを介してシリンダ内の油室に接続した油圧緩衝器において、上記ブッシュと、上記内周リップとの間に噴流緩和空間部を設け、ブッシュ及びピストンロッド間の摺動隙間を通過した作動油がこの噴流緩和空間部を介して前記油路に流れるようにしたことを特徴とする油圧緩衝器。
- ブッシュ先端から内周リップの油室側に設けたオイルリップまでの距離と、ブッシュ内面からピストンロッド表面までの距離との比が120以上で240以下となるように噴流緩和空間部の大きさが決められている請求項1記載の油圧緩衝器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003368766A JP2005133774A (ja) | 2003-10-29 | 2003-10-29 | 油圧緩衝器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003368766A JP2005133774A (ja) | 2003-10-29 | 2003-10-29 | 油圧緩衝器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005133774A true JP2005133774A (ja) | 2005-05-26 |
Family
ID=34646329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003368766A Pending JP2005133774A (ja) | 2003-10-29 | 2003-10-29 | 油圧緩衝器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005133774A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102650329A (zh) * | 2011-02-28 | 2012-08-29 | 日立汽车系统株式会社 | 缸体装置及其制造方法 |
KR101217271B1 (ko) * | 2007-12-22 | 2012-12-31 | 주식회사 만도 | 쇽업소버의 로드 가이드 |
EP3812269A1 (en) * | 2019-10-24 | 2021-04-28 | Microtecnica S.r.l. | Damper assembly |
-
2003
- 2003-10-29 JP JP2003368766A patent/JP2005133774A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102650329A (zh) * | 2011-02-28 | 2012-08-29 | 日立汽车系统株式会社 | 缸体装置及其制造方法 |
EP3812269A1 (en) * | 2019-10-24 | 2021-04-28 | Microtecnica S.r.l. | Damper assembly |
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