JP2005090318A - 水車の保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水流の中に木の枝の折れた部分等の硬い塊が一緒に流れてきた場合でも羽根を変形又は破壊して運転不能になってしまうという不都合を解消した水車の保護装置を提供することを課題とする。
【構成】
上流側水路と下流側水路との間に羽根車を具備した水車を配置し、該羽根車に近接して胸壁を設けると共に上流側水路の水を前記羽根車の一部に導入する導水路を設けて動力を得るようにした水車において、前記羽根車の各羽根の先端部を回転方向後ろ向き内側に屈曲可能な弾性部を設けたことを特徴とする。
【選択図】
図1

Description


この発明は、羽根車と胸壁を有する水車の保護装置に関するものである。
従来から使用されている水車には種々のタイプがある。例えば、非特許文献1に記載されているような水平回転軸と水平回転軸の回りに回転する羽根車を有する水車と、非特許文献2に記載されているような垂直回転軸とバケット(例えば、ペルトン水車)又はランナー(例えば、フランシス水車)からなる回転体を有する水車とに大別できる。前者は主として小型水車であり、小さな落差(数m〜20m程度)に使用され、後者は大きな落差(200m〜1800m)又は中程度の落差(40m〜550m)に使用されている。本願発明は前者の小型水車を主に対象としている。従って、前者の背景技術について説明する。
小型水車製作ガイドブック、藤原、細川著、パワー社、1993年5月発行 流体機械、村上、部谷著、森北出版、1987年3月発行
前者の小型水車は、羽根車への水の流入位置、羽根の形状、胸壁の有無によって、上掛け水車、逆掛け水車、胸掛け水車、中掛け水車、前掛け水車、下掛け水車、流し掛け水車に分類されている。これらの水車は、羽根車の直径が大きく、水平軸の回りに低速回転し、羽根車外周の一部分において水の流入と流出が行われるという特徴をもっている。図6は胸掛け水車の例を示す。図6において、胸掛け水車は羽根車61を胸壁62に囲んだもので、胸壁の上部に導水路63を導き、そこにゲート(図示省略)を設けて流入水量の調整を可能にした水車である。胸掛け水車では、水車の羽根(水受け)61aは硬質材料(例えば、鋼製)で構成され、入り口損失ヘッドを小さくするために胸壁62と羽根61aとの間隙66は小さく選定される。又、胸壁62の表面は流れ抵抗を小さくし、かつ羽根車61との間隙を小さくするために金属製又は樹脂製の滑らかな表面で構成されている。
図7は下掛け水車の例を示す。図7において、下掛け水車は上流に底流ゲート73を設けて、羽根車71の下方の外周接線方向に水を導入させ、水のもつ運動エネルギーによって動力を得ようとするものである。胸壁74を設けた部分では水路の底面と両側面が水車を取り囲んでいる。水路底面は図7に示すように、わずかな(短い)胸壁74をもっている。下掛け水車では、運動エネルギーを十分に利用可能にするために、この胸壁74と羽根車71との間の間隙75は狭く設定されている。
又、水車の保護装置としては、特許文献1に記載されている従来技術がある。この従来装置は土砂の衝突による影響を少なくし、ごみの引っ掛かりを少なくした保護装置である。この従来装置は図8(A)に示すように、回転運動をする主軸81と、この主軸81と機械的に連結し、主軸81に回転力を与える複数のランナー82と、該ランナー82を囲む環状水路を形成するケーシング83と、ケーシング83の環状水路を流れる水をランナー82方向に案内する板状ステーベーン85と、板状ステーベーン85の水の流水側の少なくとも一部の先端を覆い、かつ、取り外しできるように固定された保護装置86とから構成されている。この保護装置86は図8(B)に示すように、ステーベーン85の水が流入する側の先端部分に設けられ、その先端部を保護している。
公開特許公報、特開平7−42660号
図6又は図7に示すように、間隙66、75は何れも水のエネルギーを十分に活用可能にするために狭く設定されている。また、羽根車61、71の羽根61a、71aは鋼製で構成されている。更に、間隙66、75を狭く、かつ、間隙を一定に保つために胸壁62、74の表面は鉄製等の硬い材料で形成する必要がある。従って、水流の中に木の枝の折れた部分等の硬い塊が一緒に流れてきた場合は羽根61a、71aを変形又は破壊してしまうか、或いは、上記の硬い塊が間隙66、75の中に挟まって、水車が運転不能になってしまうという課題があった。又、特許文献1に記載された保護装置では上記課題を解決することができない。
本願発明は上記の課題を解決した水車の保護装置を提供するものである。
請求項1に記載の発明は、上流側水路と下流側水路との間に羽根車を具備した水車を配置し、該羽根車に近接して胸壁を設けると共に上流側水路の水を前記羽根車の一部に導入する導水路を設けて動力を得るようにした水車において、前記羽根車の各羽根の先端部を回転方向後ろ向き内側に屈曲可能な弾性部を設けたことを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記水車は、胸掛け水車又は下掛け水車であることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1〜請求項2に記載の発明において、前記弾性部は、前記羽根車の各羽根の本体部に前記先端部を回動自在に設けると共に、該本体部の回転方向前側に補強リブを設けて該先端部が回転方向前向きに屈曲するのを防止し、かつ、該回動部分にコイルバネを設けて該先端部を補強リブ側に付勢したことを特徴としている。
本発明は、羽根の先端部を回転方向後ろ向き内側に屈曲可能な弾性部を設けたので、羽根車と胸壁との間の間隙に硬い塊が流入しても羽根の先端部が回転方向後ろ向き内側に屈曲して、硬い塊を間隙部分から排出するので、羽根を変形又は破壊したり、硬い塊が間隙の中に挟まって、水車が運転不能になってしまうという事故を防止することできるという効果を有する。
図1は本願発明を実施した実施形態の側面図で、図2は本実施形態の正面断面図である。本実施形態は胸掛け水車の例を示している。図1、図2において、水車1の羽根車2は、胸壁21の壁表面22と略一定の隙間を有するように近接して設置される。胸壁21の上部に導水路23が設けられ、また、表面壁22は金属又は樹脂等の材料で滑らかに構成するのが望ましい。水車1の羽根車2は中央に円筒部3を具備し、円筒部3の両端には円形状端板4が固設されている。また、円筒部3の中心には回転軸5がV字形状の支持板6によって固定されている。支持板6の頭端部は端板4に溶接等により固定され、支持板6の中央部が両側から回転軸5を挟むように溶接等により固定されている。回転軸5は言うに左右に軸受け7、7によって回転自在に支持されている。軸受け7は夫々基台11の上に設置されている。
端板4、4の外側面には羽根車2の直径と略等しい直径の円形状の側面板8が溶接或いはリベット等の手段で固設されている。この羽根車2は複数の羽根9を具備し、各羽根9は羽根本体部9aと先端部9bから構成されている。羽根本体部9aは、その下端が円筒部3の外側面に溶接等により固設され、羽根本体部9aの両側縁部は側面版8の内側面に溶接等により固定されている。羽根先端部9bは、その下端が羽根本体部9の先端に回動自在に連結されている。更に羽根9の回転方向裏面に補強リブ10が羽根本体部9aの裏面と円筒部3の表面部に溶接等により固定されている。なお、補強リブ10と先端部9bとは連結されず、後述するように、先端部9bがバネ手段によって補強リブに対して付勢され、押し付けられた状態にある。
図3は羽根本体部9aと先端部9bの連結状態を示す。また、図4(A)、(B)は各部材の詳細を示す。図3に示すように、羽根本体部9aと先端部9bの連結部分は交互に切り込みが設けられ、一方の凹部に他方の凸部が両側に余裕をもって挿入される。又、両者9a、9bの凸部13a、13bには図4に示すようにリング部15a、15bが設けられており、リング部15a、15bにピン16を貫通させることにより、先端部9bが羽根本体部9aに対して回動自在に連結される。なお、ピン16は側面板8にナット等の手段により固定されている。更に、凸部13a、13bとの隙間に、図4(B)に示すようなコイルバネ17が先端部9bを補強リブ10に対して付勢するようにピン16に設けられている。なお、図4(B)はコイルバネ17の側面図及び正面図を示し、2点差線はコイルバネ17に力が作用して曲げられた状態を示す。
本実施形態は以上に説明したように構成されており、以下のように機能する。即ち、正常状態では先端部9bはコイルバネ17によって付勢されているので、羽根9は図1に示すように先端部9bの背面が補強リブ10に密着した状態にある。従って、導水路23から流入した水は羽根9と両側板8、8によって形成される水槽内に溜まり、水の位置エネルギーにより羽根9が下方に押され、羽根車2は図1に示すように反時計方向に回転する。
また、導水路23から流入水に石や木の根っこ等の障害物が混じって流入した場合は羽根車2が回転するにつれて、障害物は羽根9の付け根から離れて、壁面22に接した状態になる(図5(A)参照)。この状態で次の羽根が来ると障害物は羽根9の先端と壁面22に挟まれた状態になる。しかし、本実施形態では羽根9の先端部9bが回転後方内側に屈曲可能に設けられているので、図5(B)に示すように、先端部9bが屈曲しながら羽根車2が回転し、障害物24が羽根車の回転領域から下流に放出される。障害物24放出後は、コイルバネ17によって、先端部9bは元の状態に復帰する。図5はこの変化を説明した図で、図5(A)は障害物24が壁面22に接した状態を示し、図5(B)は障害物24が羽根9の先端部9bと壁面22に挟まれた状態を示す。
従って、本実施形態によれば、導水路23から流入水に混じって石や木の根っこ等の障害物が混じって流入した場合にも羽根9が故障し、羽根車2が回転不能になる事故を回避できるという効果がある。
上記実施形態は胸掛け水車の例を説明したが、本発明はこの場合に限られず、下掛け水車やその他の胸壁を有する水車にも適用できるものである。
本願発明を実施した実施形態の図2のA−Aから見た側面図を示す。 本実施形態の正面図を示す。 羽根本体部9aの先端部9bの連結状態を示す。 図(A)は連結部の構成を示し、図(B)はコイルバネを示す。 図(A)は障害物24が壁面22に接した状態を示し、図(B)は障害物24が羽根9の先端部9bと壁面22に挟まれた状態を示す。 従来の胸掛け水車の例を示す。 従来の下掛け水車の例を示す。 従来の羽根保護装置を具備した水車の例を示す。
符号の説明
1 水車
2 羽根車
3 円筒部
4 円形状端板
5 回転軸
6 支持板
7 軸受け
8 側面板
9 羽根
9a 羽根本体部
9b 先端部
10 補強リブ
13a、13b 羽根本体部及び先端部の凸部
16 連結ピン
17 コイルバネ
21 胸壁
22 壁表面
23 導水路

Claims (3)

  1. 上流側水路と下流側水路との間に羽根車を具備した水車を配置し、該羽根車に近接して胸壁を設けると共に上流側水路の水を前記羽根車の一部に導入する導水路を設けて動力を得るようにした水車において、前記羽根車の各羽根の先端部を回転方向後ろ向き内側に屈曲可能な弾性部を設けたことを特徴とする水車の保護装置。
  2. 前記水車は、胸掛け水車又は下掛け水車であることを特徴とする請求項1に記載の水車の保護装置。
  3. 前記弾性部は、前記羽根車の各羽根の本体部に前記先端部を回動自在に設けると共に、該本体部の回転方向前側に補強リブを設けて該先端部が回転方向前向きに屈曲するのを防止し、かつ、該回動部分にコイルバネを設けて該先端部を補強リブ側に付勢したことを特徴とする請求項1又は請求項2の何れか1に記載の水車の保護装置。
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