JP2005089780A - 成形性及び溶接性に優れる潤滑表面処理金属基材 - Google Patents

成形性及び溶接性に優れる潤滑表面処理金属基材 Download PDF

Info

Publication number
JP2005089780A
JP2005089780A JP2003321440A JP2003321440A JP2005089780A JP 2005089780 A JP2005089780 A JP 2005089780A JP 2003321440 A JP2003321440 A JP 2003321440A JP 2003321440 A JP2003321440 A JP 2003321440A JP 2005089780 A JP2005089780 A JP 2005089780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
resin
metal substrate
film
lubricating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003321440A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikuro Yamaoka
育郎 山岡
Hiroshi Kanai
洋 金井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2003321440A priority Critical patent/JP2005089780A/ja
Priority to CNB2004100747016A priority patent/CN100457877C/zh
Priority to KR1020040073197A priority patent/KR100653456B1/ko
Publication of JP2005089780A publication Critical patent/JP2005089780A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D7/00Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials
    • B05D7/14Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials to metal, e.g. car bodies
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D3/00Pretreatment of surfaces to which liquids or other fluent materials are to be applied; After-treatment of applied coatings, e.g. intermediate treating of an applied coating preparatory to subsequent applications of liquids or other fluent materials
    • B05D3/002Pretreatement
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D2202/00Metallic substrate
    • B05D2202/10Metallic substrate based on Fe
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D2202/00Metallic substrate
    • B05D2202/20Metallic substrate based on light metals
    • B05D2202/25Metallic substrate based on light metals based on Al
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D2254/00Tubes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D2256/00Wires or fibres
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D2502/00Acrylic polymers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D2503/00Polyurethanes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D2504/00Epoxy polymers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D2507/00Polyolefins

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、成形性と溶接性に優れ、特に厳しい絞り成形に耐え、かつ、潤滑表面処理金属基材を3〜4枚以上重ねて溶接するような厳しい溶接条件下でも溶接可能な潤滑表面処理金属基材を提供する。
【解決手段】 算術平均粗さが0.03〜1.5μmの金属基材表面の少なくとも一部に潤滑樹脂皮膜を形成してなる潤滑表面処理金属基材であって、前記潤滑表面処理部位の全面が前記潤滑樹脂皮膜に被覆されており、かつ、前記潤滑樹脂皮膜の平均皮膜厚が0.1〜0.9μmであるか、あるいは、前記潤滑表面処理部位に、前記潤滑樹脂皮膜に被覆された領域(C領域)と被覆されない領域(UC領域)が共存し、前記C領域の平均皮膜厚が0.2〜1.2μm、かつ、前記UC領域内の任意の位置からUC領域とC領域の最近接境界までの直線距離が60μm以下であることを特徴とする成形性及び溶接性に優れる潤滑表面処理金属基材である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、成形性と溶接性に優れる潤滑表面処理金属基材に関する。
一般に広く用いられている金属基材は、基材から構造部材、製品への成形加工や組立てが問題なく行なえるように、優れた成形性、溶接性が強く求められている。例えば、ステンレス鋼は、耐食性に優れるため、家庭、オフィス、工場等で用いられるボイラー、給湯装置、洗浄装置、洗濯機、キッチン、貯液槽等の各種の水回り設備、化学反応塔、廃液処理設備、輸送管等、中低温〜高温の各種液体を取り扱う工業設備、また、海洋構造物、自動車、鉄道車両、船舶等の耐食性構造部材として広く用いられており、構造部材に加工するために卓越した成形性、溶接性が求められている。また、家電・OA、自動車、建材分野では、ステンレス鋼より安価な亜鉛系耐食めっき鋼やアルミニウム合金系耐食めっき鋼が金属基材として多用されており、この場合も、構造部材に加工するための優れた成形性、溶接性が必須である。さらに、自動車や鉄道車両、船舶等の軽量化のために用いられるアルミニウムやアルミニウム合金等の金属基材にも十分な成形性、溶接性が求められている。
金属基材の金型による成形時に潤滑性が不足すると、割れ、しわ、型かじり等による表面傷等の問題が発生するため、成形前に潤滑油塗布が行われている。この方法では、成形前に潤滑油の塗油工程が必要で、さらに成形後、各種有機溶剤やアルカリ脱脂液等による潤滑油除去・洗浄工程が必要で製造工程が煩雑になるだけでなく、潤滑油除去・洗浄工程で用いる溶剤や脱脂液は、作業者の健康や環境に大きな負荷を与えるため好ましくない。
有機溶剤やアルカリ脱脂液を使用せずに所望の形状に成形できる潤滑表面処理金属基材として、ワックスや固体潤滑剤等の潤滑機能付与剤を含有する潤滑樹脂皮膜を金属基材表面上に形成したものが提案されており(例えば、ステンレス鋼板に対するものとして、特許文献1、亜鉛系めっき鋼板に対するものとして、特許文献2、特許文献3参照。)、同様の技術が種々の金属基材に対して用いられている。このような潤滑表面処理金属基材では、潤滑樹脂皮膜を0.8〜1.2μm程度の狭い膜厚範囲に管理することで、金属基材の成形性と2枚重ね溶接性のバランスを取る試みがなされているが、実際は、良好な成形性と溶接性の両方を得る条件が全く見出せないか、あるいは、良好な成形性と溶接性の両方を得るためのプロセシング・ウィンドウが非常に狭く、良好な成形性と溶接性を安定して得ることが困難であった。なぜなら、溶接性に影響を与える因子は、金属基材表面上に形成した潤滑樹脂皮膜の厚だけでなく、金属基材の種類、組織、材質、表面粗度や、潤滑樹脂の種類、材質、樹脂への添加物、潤滑樹脂皮膜による被覆状況、また、電極の材質、形状、加圧力、溶接電流等の諸条件が溶接部の温度上昇状況を大きく左右するためである。
金属基材表面上に潤滑樹脂皮膜を形成した潤滑表面処理金属基材を構造部材や製品に加工する時、2枚重ね溶接だけでなく、3〜4枚以上の多数枚の重なり部を溶接する場合も多い。このような多数枚重ね溶接では、潤滑樹脂皮膜の厚さを管理することで良好な成形性と溶接性を安定して得ることは、前記の2枚重ね溶接の場合よりさらに困難であった。なぜなら、多数枚重ね溶接では、重なりの両端にあり電極に接する金属基材と重なりの内部にある金属基材との間で、電極から受ける加圧力の分布、電流の分布、電極による冷却の影響等が異なり、2枚重ね溶接の場合より基材を流れる電流や温度の分布が複雑になるためである。
また、無機系の潤滑表面処理を施した金属基材として、金属基材表面に潤滑機能付与剤を含有した無機系皮膜(例えば、ステンレス鋼板に対するものとして、特許文献4参照。)や、潤滑性無機皮膜を被覆したもの(例えば、亜鉛系めっき鋼板に対するものとして、特許文献5や特許文献6、また、アルミニウム板に対するものとして、特許文献7参照。)が提案されており、同様の技術が種々の金属基材に対して用いられている。このような無機系の潤滑表面処理を施した金属基材でも、3〜4枚以上の多数枚重ね溶接では、無機系皮膜厚を管理することで良好な成形性と溶接性を安定して得ることは困難であった。
潤滑表面処理金属基材の成形性を保持しつつ溶接性を改善するため、有機系あるいは無機系潤滑皮膜の金属基材への被覆率を低下させ、皮膜被覆のない部位で通電性を確保する提案が種々なされており(例えば、亜鉛系めっき鋼板に対して、特許文献8、特許文献9、ステンレス鋼板に対して、特許文献10参照。)、同様の技術が種々の金属基材に対して用いられている。ところが、このように金属基材表面を単に不連続に皮膜被覆する方法では溶接時の通電抵抗が均一に低下せず、2枚重ね溶接の場合より金属基材を流れる電流や温度の分布が複雑な3〜4枚以上の重ね溶接では、良好な成形性と溶接性を安定して得ることは困難であった。
以上、有機系あるいは無機系潤滑皮膜を形成した潤滑表面処理金属基材の成形性と2枚重ね溶接性のバランスを取る試みが種々なされているが、3〜4枚以上の多数枚の重なり部を溶接する場合でも良好な成形性と溶接性を安定して得られる技術は、これまでに見出されていなかった。
特開2002-60972号公報 特開平7-96576号公報 特開平8-156174号公報 特開2003-41380号公報 特開平9-256169号公報 特開平5-214558号公報 特開平5-320932号公報 特開平4-56783号公報 特開平5-237451号公報 特開平6-262721号公報
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、成形性と溶接性に優れ、特に厳しい絞り成形に耐え、かつ、潤滑表面処理金属基材を3〜4枚以上重ねて溶接するような厳しい溶接条件下でも溶接可能な潤滑表面処理金属基材を提供することを目的としている。
本発明者らは、前記課題を解決するために種々の検討を行った結果、特定範囲の表面粗さを有する金属基材表面上に、特定の条件を満たす潤滑樹脂皮膜を形成することにより、厳しい絞り成形が可能で、かつ、潤滑表面処理金属基材を3〜4枚以上重ねて溶接するような厳しい溶接条件下でも溶接可能な潤滑表面処理金属基材が得られることを見出した。
本発明は、このような知見をもとにして完成されたものであり、その要旨とするところは、以下の通りである。
(1) 算術平均粗さが0.03〜1.5μmの金属基材表面の少なくとも一部に潤滑樹脂皮膜を形成してなる潤滑表面処理金属基材であって、前記潤滑表面処理部位の全面が前記潤滑樹脂皮膜に被覆されており、かつ、前記潤滑樹脂皮膜の平均皮膜厚が0.1〜0.9μmであることを特徴とする成形性及び溶接性に優れる潤滑表面処理金属基材。
(2) 算術平均粗さが0.03〜1.5μmの金属基材表面の少なくとも一部に潤滑樹脂皮膜を形成してなる潤滑表面処理金属基材であって、前記潤滑表面処理部位に、前記潤滑樹脂皮膜に被覆された領域(C領域)と被覆されない領域(UC領域)が共存し、前記C領域の平均皮膜厚が0.2〜1.2μm、かつ、前記UC領域内の任意の位置からUC領域とC領域の最近接境界までの直線距離が60μm以下であることを特徴とする成形性及び溶接性に優れる潤滑表面処理金属基材。
(3) 前記UC領域の総面積が、前記潤滑表面処理皮膜を形成した金属基材表面全体の45%以下である前記(2)記載の潤滑表面処理金属基材。
(4) 前記金属基材が、普通鋼材、ステンレス鋼材、めっき鋼材、アルミニウム材又はアルミニウム合金材である前記(1)又は(2)に記載の潤滑表面処理金属基材。
(5) 前記金属基材が、板材、帯材、棒材、形材、管材、線材である前記(1)又は(2)に記載の潤滑表面処理金属基材。
(6) 前記金属基材が、冷延鋼板、オーステナイト系ステンレス鋼板、フェライト系ステンレス鋼板、マルテンサイト系ステンレス鋼板、二相系ステンレス鋼板、亜鉛系めっき鋼板のいずれか1種である前記(4)又は(5)に記載の潤滑表面処理金属基材。
(7) 前記潤滑樹脂皮膜が、ウレタン樹脂、変性ウレタン樹脂、アクリル樹脂、変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、オレフィン樹脂、変性オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、変性アミノ樹脂、シリコ−ン樹脂、変性シリコ−ン樹脂、フッ素樹脂、変性フッ素樹脂の1種又は2種以上の樹脂成分と、乾燥皮膜に対し1〜30質量%の潤滑機能付与剤を少なくとも含有してなる前記(1)又は(2)に記載の潤滑表面処理金属基材。
本発明の潤滑表面処理金属基材は、成形性と溶接性の両方に優れていることが特徴で、成形性と溶接性のバランスは、これまでの潤滑表面処理金属基材のそれを凌駕する。本発明の潤滑表面処理金属基材は、金属基材から構造部材、製品への成形加工、組立ての際に厳しい成形や多数枚重ね溶接が必要な場合でも十分に対応できるため、構造部材や製品設計上の自由度が高まり、産業上の利用価値は極めて高いといえる。
以下、本発明を詳述する。
本発明における潤滑表面処理金属基材は、算術平均粗さが0.03〜1.5μmの金属基材表面の少なくとも一部に潤滑樹脂皮膜を形成したもので、もとの金属基材表面上で潤滑樹脂皮膜を形成した部位が「潤滑表面処理」部位である。本発明における潤滑表面処理金属基材としては、潤滑表面処理部位の全面が潤滑樹脂皮膜に被覆されているものと、潤滑表面処理部位に潤滑樹脂皮膜に被覆された領域(以下、C領域とする)と被覆されない領域(以下、UC領域とする)が共存するものがある。前者の場合、潤滑表面処理部位の全面が潤滑樹脂皮膜に完全に覆われており、もとの金属基材表面が全く露出していない。後者の場合、潤滑表面処理部位はC領域とUC領域の2つの領域からなり、C領域は、潤滑樹脂皮膜に完全に覆われており、もとの金属基材表面が全く露出していない領域を指し、また、UC領域は、潤滑樹脂皮膜がなく、もとの金属基材表面が露出した領域を指す。
本発明においては、潤滑樹脂皮膜を形成する金属基材表面の算術平均粗さは0.03〜1.5μm、好ましくは0.05〜0.5μmである。以下にその理由を説明する。
本発明の金属基材に被覆する潤滑樹脂皮膜は、潤滑表面処理金属基材の成形時に無塗油潤滑性を有する皮膜を形成できる溶剤性又は水性樹脂組成物を金属基材表面に塗布し、加熱により反応、乾燥させたものである。金属基材表面に塗布された潤滑樹脂塗料は、金属基材表面の微小起伏の凹部を埋めるため、凹部には凸部より多くの塗料が滞留する。塗料乾燥後に形成される潤滑樹脂皮膜の平均皮膜厚がもとの金属基材表面の粗さレベルと大きく異ならない場合、塗料構成成分、塗料と金属表面の濡れ性、乾燥条件等により程度の差はあるが、もとの金属基材表面の凹部を覆う皮膜部位の方が凸部を覆う皮膜部位より厚膜となる傾向があり、場合によっては、金属基材表面の凸部の一部が皮膜に覆われず露出する。一方、塗料乾燥後に形成される皮膜の平均皮膜厚がもとの金属基材表面の粗さレベルよりかなり大きい場合、もとの金属基材表面の凹凸と強い相関性が見出せない皮膜厚分布となる傾向がある。また、塗料乾燥後に形成される皮膜の平均皮膜厚がもとの金属基材表面の粗さレベルよりかなり小さい場合、金属基材表面の凸部を覆う皮膜厚が特に薄くなったり、金属基材表面の凸部の多くが露出して全体の皮膜被覆率が低くなる傾向がある。
本発明において、潤滑表面処理部位の全面が潤滑樹脂皮膜に被覆されている場合は、後述するように、潤滑樹脂皮膜の平均皮膜厚が0.1〜0.9μmでなければならない。従って、算術平均粗さが0.03μm未満の場合、潤滑樹脂皮膜に被覆された領域の平均皮膜厚が、金属基材表面の粗さレベルよりかなり大きくなり、かつ、もとの金属基材表面の凹凸に無関係に、比較的均一な皮膜厚分布となる傾向がある。そのため、潤滑表面処理部位の中で、皮膜厚が特に薄い領域の存在割合が非常に少なくなり、そのような金属基材の重ね溶接において、重ね部に電極を押し当てても皮膜が破れ難いので通電点を確保し難く、溶接性が悪くなる。一方、算術平均粗さが1.5μmを超える場合、潤滑樹脂皮膜の平均皮膜厚が金属基材表面の粗さレベルよりかなり小さくなるため、潤滑表面処理部位の全面を完全に被覆するのは困難である。算術平均粗さが1.5μmを超えていても、潤滑表面処理部位の全面が潤滑樹脂皮膜に被覆される可能性はあり得るが、そのような場合、金属基材表面の凸部を覆う皮膜厚が特に薄くなり、成形時に金型からの強い圧下摺動やしごきを受けると皮膜が破れ易く、成形性が悪くなる。
また、本発明において、潤滑表面処理部位に潤滑樹脂皮膜に被覆された領域(C領域)と被覆されない領域(UC領域)が共存する場合は、後述するように、前記C領域の平均皮膜厚が0.2〜1.2μmでなければならない。従って、算術平均粗さが0.03μm未満の場合、潤滑樹脂皮膜に被覆された領域の平均皮膜厚が、金属基材表面の粗さレベルよりかなり大きくなり、かつ、もとの金属基材表面の凹凸に無関係に、比較的均一な皮膜厚分布となる傾向がある。そのため、潤滑表面処理部位の中で、導電性に優れるUC領域の存在割合が少なくなり、そのような金属基材の重ね溶接において、重ね部に電極を押し当てても十分な通電点、通電面積を確保し難く、溶接性が悪くなる。一方、算術平均粗さが1.5μmを超える場合、潤滑表面処理部位の中で、C領域の平均皮膜厚が金属基材表面の粗さレベルよりかなり小さくなるため、金属基材表面の凸部の多くが露出してUC領域となり、成形時の金型からの強い圧下摺動やしごきに対し潤滑性を発揮できず、成形性が悪くなる。
ここで、本発明における算術平均粗さとは、JIS B 0601-2001(表面粗さの定義と表示)に定義されている算術平均粗さRaのことである。算術平均粗さRaは、被験表面を触針式ピックアップでトレ−スして表面形状を測定する装置(市販の表面粗さ測定機)を用いて、容易に測定することができる。
本発明で用いる金属基材表面の算術平均粗さの制御には、どのような方法を用いてもよい。例えば、固体金属の圧延により圧延ロ−ル表面の凹凸(算術平均粗さが0.03〜1.5μmの範囲)を金属基材に転写する方法、金属の鋳造時に金型表面の凹凸(算術平均粗さが0.03〜1.5μmの範囲)を鋳造材に転写する方法、金属基材表面を酸、アルカリ液や電解液等により化学的にエッチングする方法、ブラストやウォ−タ−ジェット等で機械的に研削し、算術平均粗さが0.03〜1.5μmの範囲の凹凸を付与する方法等が挙げられる。
本発明において、潤滑樹脂皮膜を形成した潤滑表面処理部位の全面が潤滑樹脂皮膜に被覆されている場合、潤滑樹脂皮膜の平均皮膜厚は、0.1〜0.9μm、好ましくは0.2〜0.7μmである。平均皮膜厚が0.1μm未満の場合、膜厚が薄すぎて潤滑性が不足し、成形時の押圧により金属基材表面に達する損傷を防止できず、成形不良が生じる。平均皮膜厚が0.9μmを超える場合、重ね溶接において重ね部に電極を押し当てても、皮膜が破れにくく十分な通電点、通電面積を確保しにくいため、しばしば溶接不良が生じる。
本発明において、潤滑表面処理部位に潤滑樹脂皮膜に被覆された領域(C領域)と被覆されない領域(UC領域)が共存する場合、「C領域の平均皮膜厚」とは、UC領域の面積を平均皮膜厚の計算対象から除外し、C領域の面積のみを考慮して被覆平均を取った場合の皮膜厚のことである。このような「C領域の平均皮膜厚」は、0.2〜1.2μm、好ましくは0.3〜0.9μmである。C領域の平均皮膜厚が0.2μm未満の場合、膜厚が薄すぎて潤滑性が不足し、成形時の押圧により金属基材表面に達する損傷を防止できず、成形不良が生じる。後述するように、本発明では、個々のUC領域の露出した金属面の最大幅又は最大径はせいぜい120μm程度で、重ね溶接において電極と金属基材表面が接触する大きさ(数mm径以上)に比べ、遥かに小さい。そのため、C領域の平均皮膜厚が1.2μmを超える場合、UC領域の周りにあるC領域の厚い皮膜に妨げられて、電極がUC領域の露出した金属面に十分に接することができず、しばしば溶接不良が生じる。
本発明の金属基材において、C領域の平均皮膜厚の測定には、どのような方法を用いてもよい。例えば、潤滑樹脂皮膜を形成した金属基材表面に垂直な断面を走査型電子顕微鏡で観察し、多くの断面の観察結果から平均皮膜厚を求める方法を用いることができる。より精度の高い測定方法としては、例えば、以下の方法がある。もとの金属基材表面に形成した潤滑樹脂皮膜の構成元素の中で、皮膜中での含有率(質量%単位)が判っているものについて、単位面積当りの付着量(g/m2単位)を求めることにより、C領域とUC領域を合わせた潤滑表面処理部位全体についての皮膜付着量(g/m2単位)を算出する。別途、金属基材表面に形成した潤滑樹脂皮膜の2次元表面分析によりC領域の占有率(=皮膜被覆面積率)を求め、これらの結果と皮膜比重から、C領域の平均皮膜厚(μm単位)を求める。この方法では、皮膜構成元素の付着量は、例えば、その元素の特性(蛍光)X線強度分析により求める。また、C領域の占有率は、例えば、金属基材表面で、皮膜構成元素の特性X線強度の2次元分布をEPMA(Electron Probe MicroAnalyser)で求め、皮膜に被覆された領域の割合を求める。皮膜比重は、例えば、潤滑表面処理金属基材の金属のみを酸等で溶解、除去し、少量の皮膜片を密度勾配管に入れて求めることができる。
本発明において、UC領域の形状には特に制限はなく、楕円状、帯状等の単純形状や、UC領域(又はC領域)内にC領域(又はUC領域)が島状に分散した海-島形状、UC領域とC領域が相互に複雑に入り組んだ形状等、どのような形状も許容される。ただし、UC領域の大きさには制限があり、UC領域内の任意の位置からUC領域とC領域の最近接境界までの直線距離が60μm以下、好ましくは40μm以下でなければならない。UC領域とC領域の最近接境界までの直線距離が60μmを超える部位がUC領域内に存在する場合、成形時に金属基材表面と金型表面とが広範囲に直接接触し易くなり、金属表面にかじり疵が生じ、成形不良となる。前記の直線距離が60μmを超える場合とは、例えば、以下のような場合である。UC領域が単純な楕円状では、楕円の短径が120μmを超える場合。UC領域が単純な帯状では、帯幅の少なくとも一部が120μmを超える場合。UC領域の海にC領域が島状に分散した形状では、少なくとも1つの島状C領域から他のC領域までの最短距離が120μmを超える場合。前記の直線距離は、例えば、前記EPMAを金属基材表面に適用して、皮膜構成元素の特性X線強度の2次元分布を求め、この分布図で皮膜構成元素が存在しない領域(=UC領域)を抽出し、それらを解析することにより求められる。
本発明において、UC領域の総面積は、前記金属基材表面全体の45%以下(即ち、皮膜被覆率が55%以上)が好ましく、30%以下がより好ましい。UC領域が前記金属基材表面全体の45%を超えると、これらのUC領域の形状や分布によっては、成形時に金属基材表面と金型表面とが直接接触し易くなる場合があり、金属基材表面にかじり疵が生じ、成形不良となる可能性がある。UC領域の金属基材表面全体に対する面積比率は、例えば、前記EPMAを金属基材表面に適用して、皮膜構成元素が存在しない領域を抽出することにより、容易に求められる。
本発明の潤滑樹脂皮膜の形成方法としては、前記皮膜を金属基材面に形成できる溶剤型又は水性樹脂塗料をロールコーター塗装法、スプレー法等の従来公知の塗装方法で塗布後、加熱による溶媒の乾燥や、皮膜の焼付け反応等で形成することができる。
樹脂塗料の塗装方法や塗装条件により、潤滑樹脂皮膜を形成した潤滑表面処理部位の全面が潤滑樹脂皮膜に被覆される場合と、潤滑表面処理部位に潤滑樹脂皮膜に被覆された領域(C領域)と被覆されない領域(UC領域)が共存する場合と、を単純に塗り分けることはできない。しかしながら、塗料と金属基材表面との濡れ性が良く、塗料成分と金属基材表面との反応性が高く、塗装直後に速やかに反応する場合は、形成する潤滑樹脂皮膜の平均皮膜厚が金属基材表面の粗さレベルに比べ相当に小さくても、潤滑表面処理部位の全面が、平均皮膜厚が0.1μm以上の潤滑樹脂皮膜に被覆される傾向がある。
本発明の潤滑表面処理金属基材において、潤滑樹脂皮膜を形成する金属基材の種類を特に限定せず、例えば、アルミニウム、チタン、亜鉛、銅、ニッケル及びこれらの金属を含む合金、鋼等の基材が適用可能である。このうち、鋼材を使用する場合は、成分を特に限定せず、普通鋼材であっても、ステンレス鋼材等のクロム含有鋼材であっても、他の添加元素含有鋼材であっても良い。また、鋼材の表面に被覆めっき層があるめっき鋼材でもよい。これらの内、好ましい金属基材としては、普通鋼材、ステンレス鋼材、めっき鋼材、アルミニウム材又はアルミニウム合金材である。
本発明で用いられるステンレス鋼材は、微細組織の種類を限定せず、オーステナイト系ステンレス鋼材、フェライト系ステンレス鋼材、マルテンサイト系ステンレス鋼材、二相系ステンレス鋼材のいずれでもよい。
本発明で用いられるめっき鋼材の被覆めっき層は、その種類を特に限定せず、適用可能なめっき層としては、例えば、亜鉛、アルミニウム、コバルト、鉛、錫、ニッケルのいずれか1種からなるめっき、及び、これらの金属元素やさらに他の金属元素、非金属元素を含む合金めっき、更には、これらのめっき層に少量の異種元素としてコバルト、モリブデン、タングステン、ニッケル、チタン、クロム、アルミニウム、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、アンチモン、錫、銅、カドミウム、ヒ素等の1種又は2種以上を含有したもの、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機物を分散させたものが含まれる。本発明は、前記めっきと他の種類のめっき、例えば、鉄めっき、鉄-リンめっき等と組み合わせた複層めっきにも適用可能である。めっき層の形成方法も特に限定せず、例えば、電気めっき、無電解めっき、溶融めっき、気相めっき等を用いることができる。めっき処理方法は、連続式、バッチ式のいずれでもよく、例えば、溶融めっきでは、連続式は主に薄板材、線材類に用いられ、バッチ式のめっきは、管材、圧延材、加工品、ボルト・ナット類、鋳鍛造品類等の最終基材や部材形状に成形した後に溶融めっき浴に浸漬することによる(いわゆる後めっき)。
また、鋼板へのめっき後の処理として、溶融めっき後の外観均一処理であるゼロスパングル処理、めっき層の改質処理である焼鈍処理、表面状態や材質調整のための調質圧延等があり得るが、本発明においては、特にこれらを限定せず、いずれを適用することも可能である。
本発明では、潤滑樹脂皮膜を形成する金属基材の製造方法を限定せず、例えば、製造の最終工程として冷延、熱延等の圧延、鋳造、鍛造、押出し、引き抜き等の製造方法が挙げられる。金属基材の形状も特に限定せず、目的に応じ種々の形状が使用可能であるが、板材、帯材、棒材、形材、管材、線材が好ましい。
本発明では、潤滑樹脂皮膜を形成する金属基材として、前記に挙げたものの内、冷延鋼板、オーステナイト系ステンレス鋼板、フェライト系ステンレス鋼板、マルテンサイト系ステンレス鋼板、二相系ステンレス鋼板、亜鉛系めっき鋼板が、特に好ましい。
本発明の金属基材に被覆する潤滑樹脂皮膜は、潤滑表面処理金属基材の成形時に無塗油潤滑性を有する皮膜を形成できる溶剤性又は水性樹脂組成物を金属基材表面に塗布し、加熱により反応、乾燥させたものである。このような潤滑樹脂皮膜は、成形性に優れるものであればその種類や組成を特に限定しないが、ウレタン樹脂、変性ウレタン樹脂、アクリル樹脂、変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、オレフィン樹脂、変性オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、変性アミノ樹脂、シリコ−ン樹脂、変性シリコ−ン樹脂、フッ素樹脂、変性フッ素樹脂の1種又は2種以上の樹脂成分と、乾燥皮膜に対し1〜30質量%の潤滑機能付与剤を少なくとも含有することが好ましい。潤滑機能付与剤の添加量が1質量%未満では、要求される潤滑効果が得られないことがある。30質量%を越えると、皮膜強度が低下したり、金属基材を取り扱う際に潤滑機能付与剤が脱離する等の問題が生じ易い。ここで、「変性樹脂」とは、基幹となる樹脂構造の一部を、その樹脂とは異なる構造を有する樹脂や原子(団)で置換したり、基幹となる樹脂に、その樹脂とは異なる構造を有する樹脂や原子(団)を付加して得られる樹脂のことである。
前記潤滑機能付与剤は、皮膜表面の摩擦係数を低減することによりさらに潤滑性を付与し、型かじり等を防止してプレス成形性、しごき加工性等を向上する作用を有しており、(A)長鎖脂肪族炭化水素からなり極性基を持たない固体潤滑剤またはワックス、(B)1分子中に長鎖脂肪族炭化水素基(長鎖アルキル基)と極性基を持つ固体潤滑剤又はワックス、あるいは(C)フッ素含有樹脂からなる固体潤滑剤又はワックスを主成分とする粒子であって、前記樹脂を含む処理液中に安定に均一分散できるものであれば特に限定しないが、好ましくは、(A)としては、炭化水素基の炭素数が125〜700のポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ワックスや炭化水素基の炭素数が32〜72のパラフィン(マイクロワックス)、(B)としては、ステアリン酸系などの固体潤滑剤、(C)としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等が挙げられ、更にこれら(A)、(B)、(C)の固体潤滑剤又はワックスの1種又は2種以上を混合もしくは変性したものが挙げられる。
前記の固体潤滑剤又はワックスの例としては、炭化水素基の炭素数が12〜22の高級脂肪族アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコール等)、炭化水素基の炭素数が13〜17の高級脂肪酸(ステアリン酸、12-水酸化ステアリン酸等)、炭化水素基の炭素数が12〜30の高級脂肪酸と2価金属からなる金属石鹸(ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等)、また、エステル系として、炭化水素基の炭素数が13〜17の高級脂肪酸と他の炭化水素とのエステル、炭化水素基の炭素数が13〜17の高級脂肪族アルコールと脂肪族ジカルボン酸又は脂肪酸とのエステル、多価アルコールと高級脂肪酸とのエステル(グリセリントリステアレート、トリメチロールプロパントリステアレート等)、脂肪酸アミド系として、炭化水素基の炭素数が15〜17の高級脂肪酸のモノアミド又はビスアミド(パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスステアロアミド、メチレンビスステアロアミド等)、ワックス類として、炭化水素基の炭素数が27〜34の高級脂肪酸ワックス、炭化水素基の炭素数が27〜34の高級脂肪酸と脂肪族ジオールとのエステルからなるワックス、炭化水素基の炭素数が125〜700の極性ポリエチレンワックス(例えば、ポリエチレン鎖の末端にカルボキシル基、また鎖の所々に水酸基等の酸基が結合しているもの)等が挙げられる。
前記の潤滑機能付与剤の内、粒子状のものの平均粒子径は、5μm以下が好ましい。本発明では、潤滑樹脂皮膜を形成した潤滑表面処理部位の全面が潤滑樹脂皮膜に被覆されている場合、潤滑樹脂皮膜の平均皮膜厚は0.9μm以下であり、また、潤滑表面処理部位に潤滑樹脂皮膜に被覆された領域(C領域)と被覆されない領域(UC領域)が共存する場合、C領域の平均皮膜厚が1.2μm以下のため、潤滑機能付与剤の平均粒子径が5μmを越えると、皮膜から大きく露出し頭を突き出す潤滑機能付与剤の割合が増え、金属基材の取扱い時や、成形時の金型との摺動抵抗等で、潤滑機能付与剤が皮膜から脱落し易くなり、潤滑性が低下する。潤滑機能付与剤の平均粒子径は0.1〜2.5μmの範囲がより好ましい。なお、ここでいう平均粒子径とは、粒径と累積体積比率の関係曲線をプロットし、累積体積比率が50%のところの粒径を読み取った「d50(50%平均粒径)」のことである。その際の測定方法としては、例えば、レ−ザ−光散乱法を用いる。これは、溶媒に粒子を分散させた状態でレーザー光を照射すると、粒子からの散乱光強度I(θ)(θは散乱光の角度)が粒子径に著しく依存することを利用し、その時に生じる干渉縞を解析することにより、d50や粒径分布を求めるものである。
本発明の潤滑樹脂皮膜を金属基材表面に形成する溶剤型又は水性潤滑樹脂塗料には、必要に応じ、金属基材面との密着性向上剤、皮膜強度向上剤、造膜助剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、分散剤等を添加してもよい。さらにこれら以外に、意匠性を付与するための顔料や、導電性を付与する導電性添加剤、乾燥剤、安定剤、皮張り防止剤、防錆剤、かび防止剤、防腐剤、凍結防止剤等を、目的に応じ、皮膜の物性を低下させない範囲内で添加することができる。
金属基材面と潤滑樹脂皮膜との密着性向上剤、皮膜強度向上剤としては、シリカや種々のカップリング剤、架橋剤等を用いる。これらのうちシリカ粒子は、潤滑樹脂皮膜を金属基材面に形成する潤滑樹脂塗料が溶剤型の場合、粉砕シリカ、気相法シリカ等の溶剤に分散可能ないずれのシリカ粒子であっても良い。潤滑樹脂塗料が水性の場合も、水に分散可能な水性コロイダルシリカ、粉砕シリカ、気相法シリカ等のいずれのシリカ粒子であっても良い。潤滑樹脂皮膜の成形性発現を考慮すると、シリカの1次粒子径は2〜30nmで、2次凝集粒子径は100nm以下が好ましい。シリカの添加量としては、前記潤滑樹脂塗料の非揮発成分に対して1〜30質量%が好ましい。1質量%未満では、金属面との十分な密着性改善効果が得られないことがある。30質量%を越えると、皮膜伸びが減少するため成形性が低下し、かじりが発生し易くなる。
本発明の潤滑樹脂皮膜は、目的に応じて、金属基材の少なくとも一部に形成されていればよく、本項の冒頭に記したように、もとの金属基材表面上で潤滑樹脂皮膜を形成した部位が「潤滑表面処理」部位である。潤滑樹脂皮膜は、基材成形時の金型との摺動性、耐かじり性等の加工潤滑性を要求される部位に形成されていることが重要である。
本発明において、金属基材面と潤滑樹脂皮膜のさらなる密着性や耐食性を得るために、金属基材に皮膜を被覆する前に、金属基材表面にリン酸塩処理やクロメート処理等の下地処理を施してもよい。この場合のクロメート処理としては、電解型クロメート、反応型クロメート及び塗布型クロメートのいずれでもよい。クロメート皮膜は、部分還元したクロム酸にシリカ、リン酸、親水性樹脂の中から1種あるいは2種以上を含有したクロメート液を塗布、乾燥したものが好ましい。
前記のリン酸塩処理においてリン酸塩の付着量としては、リン酸塩として0.5〜3.5g/m2の範囲が好ましい。クロメート処理におけるクロメート付着量としては、金属クロム換算で5〜150mg/m2が好ましく、10〜50mg/m2がより好ましい。5mg/m2未満では優れた耐食効果が得られず、150mg/m2を超えると成形時にクロメート皮膜の凝集破壊が生じ加工性が低下する。さらに、目的に応じ、下地に酸洗処理、アルカリ処理、電解還元処理、コバルトめっき処理、ニッケルめっき処理、シランカップリング剤処理、無機シリケート処理等を施してもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[金属基材]
(1) Crを18質量%含有するフェライト系ステンレス鋼板(板厚0.3mm)
(2) Crを22質量%、Niを12質量%含有するオーステナイト系ステンレス鋼板(板厚0.3mm)
(3) Crを13質量%含有するマルテンサイト系ステンレス鋼板(板厚0.3mm)
(4) Cr、Ni、Moをそれぞれ25質量%、6質量%、3質量%含有する二相系ステンレス鋼板(板厚0.3mm)
(5) 冷延鋼板(板厚0.4mm)
(6) 電気亜鉛めっき鋼板(板厚0.4mm、めっき厚み2.5μm)
(7) Mgを4.5質量%含有するアルミニウム合金板(板厚0.4mm)
[潤滑樹脂皮膜を形成する樹脂塗料]
(1) 塗料1
主成分は、アクリル変性シリコーン樹脂と低密度ポリエチレンワックスで、分散媒は有機溶剤(溶剤型塗料)である。アクリル変性シリコーン樹脂は、反応性フェニルシリコーン樹脂(出発原料のモノマーは3官能)、反応性メチルフェニルシリコーン樹脂(出発原料モノマーは2官能)のシラノール基とメタクリル樹脂(主たる骨格構造単位-CH2-C(CH3)(COOCH3)-)のアルコール性水酸基とをチタン系触媒の存在下で縮合反応させたもので、メタクリル変性率(樹脂全質量に対するメタクリル樹脂部分の質量割合)は約21%である。ポリエチレンワックスは、軟化点110℃、平均粒径1.0μmの粒子状固形で、含有量は、塗料1の非揮発分の10質量%である。
皮膜強度向上剤として、1次粒子径が約5nmの気相法合成シリカ(表面にメチル基を有し疎水性)を塗料1の非揮発分の5質量%添加した。
(2) 塗料2
主成分は、ウレタン樹脂とステアリン酸アミド系ワックスで、分散媒は有機溶剤である。塗料2に含まれるウレタン樹脂は、トリレンジイソシアネート(TDI)とトリメチロールプロパンを主たる出発原料とする熱硬化型ウレタン樹脂である。ステアリン酸アミド系ワックスは融点約100℃、平均粒径0.8μmの粒子状固形で、含有量は、塗料2の非揮発分の10質量%である。塗料1に含まれるものと同じ気相法合成シリカを、塗料2の非揮発分の5質量%添加した。
(3) 塗料3
主成分は、アルキド変性エポキシ樹脂と低密度ポリエチレンワックスで、分散媒は有機溶剤である。塗料3に含まれるアルキド変性エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂をアルキド樹脂で変性したものである。ポリエチレンワックスは、塗料1に含まれるものと同じで、含有量は、塗料3の非揮発分の10質量%である。塗料1に含まれるものと同じ気相法合成シリカを、塗料3の非揮発分の5質量%添加した。
(4) 塗料4
主成分は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と低密度ポリエチレンワックスで、分散媒は有機溶剤である。ポリエチレンワックスは、塗料1に含まれるものと同じで、含有量は、塗料4の非揮発分の10質量%である。塗料1に含まれるものと同じ気相法合成シリカを、塗料4の非揮発分の5質量%添加した。
(5) 塗料5
主成分は、塗料4と同じビスフェノールA型エポキシ樹脂と、軟化点110℃、平均粒径2.5μmの低密度ポリエチレンワックスで、分散媒は有機溶剤である。ポリエチレンワックスの含有量は、塗料5の非揮発分の10質量%である。塗料1に含まれるものと同じ気相法合成シリカを、塗料5の非揮発分の5質量%添加した。
[試験方法]
(1) 金属基材表面への凹凸付与
種々の表面粗度を有する圧延ロ−ルを用いて前記の金属板を調質圧延し、ロ−ル表面の凹凸を金属板表面に転写した。得られた金属板表面の算術平均粗さRa(JIS B 0601-2001に準拠)は、市販の表面粗さ測定機((株)東精エンジニアリング製,サ−フコム750A)を用いて測定した。
(2) 潤滑表面処理金属基材の作製
前記の金属板をアルカリ脱脂して表面を清浄にし、塗料1〜6を金属板の表裏両面にバーコータで塗布後、塗料構成樹脂の種類に応じ金属表面到達温度170〜220℃で反応、乾燥させ、金属板の両面に潤滑樹脂皮膜を形成し、潤滑表面処理金属基材を得た。
皮膜の主構成元素の1つである炭素について、被験基材表面上の特性X線強度の2次元分布をEPMAで求めた結果、得られた潤滑表面処理金属基材の表面は、もとの金属板表面の算術平均粗さ、塗料種類、被覆皮膜厚の組合せにより、潤滑表面処理部位の全面が潤滑樹脂皮膜に被覆されている場合と、潤滑表面処理部位に潤滑樹脂皮膜に被覆された領域(C領域)と被覆されない領域(UC領域)が共存する場合があることを確認した。
(3) 潤滑樹脂皮膜厚の算出
潤滑表面処理部位の全面が潤滑樹脂皮膜に被覆されている場合、基材表面の潤滑樹脂皮膜の平均皮膜厚(μm単位)は、皮膜に含まれるSiの蛍光X線強度分析から皮膜付着量(g/m2単位)を算出し、これを皮膜比重で除して求めた。C領域とUC領域が共存する場合は、以下のようにして求めた。潤滑表面処理金属基材の皮膜に含まれるSiの蛍光X線強度分析から、C領域とUC領域を合わせた潤滑表面処理金属基材の表面全体に対する皮膜付着量(g/m2単位)を算出した。別途、皮膜の主構成元素の1つである炭素について、潤滑表面処理金属基材表面上の特性X線強度の2次元分布をEPMAで求め、画像解析によりC領域とUC領域に2値化し、潤滑表面処理金属基材の表面全体に対するC領域の占有面積率(=皮膜被覆面積率)を算出した。EPMAの被験サンプルは、前記の蛍光X線強度分析サンプルから採取し、解析領域は1.1mm×1.1mmの矩形とし、潤滑表面処理金属基材表面上の異なる3ヵ所、互いに30mm以上離れた場所とした。これら3ヵ所から得たC領域の占有面積率が同程度であることを確認の上、これらの平均値を、潤滑表面処理金属基材の表面全体に対するC領域の平均占有面積率とした。前記の皮膜付着量、C領域の平均占有面積率、及び皮膜比重から、C領域の平均皮膜厚(μm単位)を求めた。潤滑表面処理金属基材の表面は、C領域とUC領域で構成されるため、UC領域の平均占有面積率は、[100-C領域の平均占有面積率](%単位)で求めた。
(4) UC領域の任意の位置からC領域までの最短距離の評価
前記皮膜構成炭素の特性X線強度の2次元分布から、UC領域内に、UC領域とC領域の最近接境界までの直線距離が60μmを超える部位が存在するかどうか調べた。前記と同じ3ヵ所の1.1mm×1.1mm矩形領域について、UC領域の形状を解析し、UC領域内に、UC領域とC領域の境界までの最短距離が60μmを超える部位が全くない場合を合格(○)とし、3ヵ所の矩形領域の内少なくとも1ヵ所に最短距離が60μmを超える部位が存在すれば不合格(×)とした。
(5) 型かじり性評価
円筒ポンチの油圧成形試験機により、下記条件で潤滑表面処理金属基材の成形試験を行い、型かじり性を評価した。
・ポンチ径 70mmφ
・ブランク径 150mmφ
・押付荷重 490kPa
・成形速度 3.3×102m/sec
・工具条件 FCD-500
いずれの場合も最大成形高さの80%まで成形し、以下の評価基準で◎及び○を良好と判断した。
◎:成形可能で、金属基材表面の欠陥なし
○:成形可能で、金属基材表面の欠陥なし,摺動面わずかに変色
△:成形可能で、金属基材表面にわずかにかじり疵発生
×:成形可能で、金属基材表面に線状かじり疵多数発生
また、加工後の樹脂カス発生状況について、以下の評価基準で◎及び○を良好と判断した。
◎:カス発生なし
○:樹脂カス僅少
△:樹脂カス少し発生
×:樹脂カス多量に発生
(6) スポット溶接連続打点性の評価
同一種類の潤滑表面処理金属基材2枚、4枚又は6枚を重ね合せ、先端径4.5mmのCF型Cr-Cu合金電極を用い、加圧力1961N、及び、表1に示す溶接電流、通電時間で、それぞれの潤滑表面処理金属基材のスポット溶接を行なった。
Figure 2005089780
ナゲット径が4t1/2(tは用いた金属1枚の厚さ)を下回るまでの限界連続打点数を調べ、以下の評価基準で◎及び○を良好と判断した。
◎:限界連続打点数が5000回以上
○:限界連続打点数が2500回以上、5000回未満
△:限界連続打点数が1000回以上、2500回未満
×:限界連続打点数が1000回未満
Figure 2005089780
Figure 2005089780
Figure 2005089780
Figure 2005089780
表2〜5の結果から明らかなように、本発明の構成要件を満たす潤滑表面処理金属基材は、本発明の要件を満たさないものに比べ、成形性と溶接性に優れ、特に、厳しい絞り成形に耐えるだけでなく、金属基材の4枚又は6枚重ね溶接という厳しい溶接条件下でも、良好な溶接性を有することがわかる。

Claims (7)

  1. 算術平均粗さが0.03〜1.5μmの金属基材表面の少なくとも一部に潤滑樹脂皮膜を形成してなる潤滑表面処理金属基材であって、前記潤滑表面処理部位の全面が前記潤滑樹脂皮膜に被覆されており、かつ、前記潤滑樹脂皮膜の平均皮膜厚が0.1〜0.9μmであることを特徴とする成形性及び溶接性に優れる潤滑表面処理金属基材。
  2. 算術平均粗さが0.03〜1.5μmの金属基材表面の少なくとも一部に潤滑樹脂皮膜を形成してなる潤滑表面処理金属基材であって、前記潤滑表面処理部位に、前記潤滑樹脂皮膜に被覆された領域(C領域)と被覆されない領域(UC領域)が共存し、前記C領域の平均皮膜厚が0.2〜1.2μm、かつ、前記UC領域内の任意の位置からUC領域とC領域の最近接境界までの直線距離が60μm以下であることを特徴とする成形性及び溶接性に優れる潤滑表面処理金属基材。
  3. 前記UC領域の総面積が、前記潤滑表面処理皮膜を形成した金属基材表面全体の45%以下である請求項2記載の潤滑表面処理金属基材。
  4. 前記金属基材が、普通鋼材、ステンレス鋼材、めっき鋼材、アルミニウム材又はアルミニウム合金材である請求項1又は2に記載の潤滑表面処理金属基材。
  5. 前記金属基材が、板材、帯材、棒材、形材、管材、線材である請求項項1又は2に記載の潤滑表面処理金属基材。
  6. 前記金属基材が、冷延鋼板、オーステナイト系ステンレス鋼板、フェライト系ステンレス鋼板、マルテンサイト系ステンレス鋼板、二相系ステンレス鋼板、亜鉛系めっき鋼板のいずれか1種であることを特徴とする請求項4又は5に記載の潤滑表面処理金属基材。
  7. 前記潤滑樹脂皮膜が、ウレタン樹脂、変性ウレタン樹脂、アクリル樹脂、変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、オレフィン樹脂、変性オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、変性アミノ樹脂、シリコ−ン樹脂、変性シリコ−ン樹脂、フッ素樹脂、変性フッ素樹脂の1種又は2種以上の樹脂成分と、乾燥皮膜に対し1〜30質量%の潤滑機能付与剤を少なくとも含有してなる請求項1又は2に記載の潤滑表面処理金属基材。
JP2003321440A 2003-09-12 2003-09-12 成形性及び溶接性に優れる潤滑表面処理金属基材 Pending JP2005089780A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003321440A JP2005089780A (ja) 2003-09-12 2003-09-12 成形性及び溶接性に優れる潤滑表面処理金属基材
CNB2004100747016A CN100457877C (zh) 2003-09-12 2004-09-13 成形性以及焊接性优异的润滑表面处理金属基材
KR1020040073197A KR100653456B1 (ko) 2003-09-12 2004-09-13 성형성 및 용접성이 우수한 윤활 표면 처리 금속 기재

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003321440A JP2005089780A (ja) 2003-09-12 2003-09-12 成形性及び溶接性に優れる潤滑表面処理金属基材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005089780A true JP2005089780A (ja) 2005-04-07

Family

ID=34453130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003321440A Pending JP2005089780A (ja) 2003-09-12 2003-09-12 成形性及び溶接性に優れる潤滑表面処理金属基材

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2005089780A (ja)
KR (1) KR100653456B1 (ja)
CN (1) CN100457877C (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100682037B1 (ko) 2005-07-22 2007-02-12 포항강판 주식회사 금속 판재용 윤활 피복제 조성물 및 이를 이용한 금속판재의 제조방법
JP2009190209A (ja) * 2008-02-13 2009-08-27 Furukawa-Sky Aluminum Corp 成形加工用樹脂被覆アルミニウム板及びその製造方法
JP2012527065A (ja) * 2009-05-14 2012-11-01 ナムローゼ・フェンノートシャップ・ベーカート・ソシエテ・アノニム 薄くポリマーコーティングされたマルテンサイト系ワイヤ
US8420224B2 (en) 2008-02-15 2013-04-16 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Zinc-based plated steel sheet excellent in surface electrical conductivity having primary rust preventive thin film layer
JP2013159843A (ja) * 2012-02-08 2013-08-19 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd プレコート金属板及びその製造方法
KR20200037892A (ko) * 2018-10-01 2020-04-10 포스코강판 주식회사 수용성 윤활 표면처리 도료 조성물 및 이 조성물이 도포된 스테인리스 윤활강판
WO2020137485A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 ステンレス鋼板カーボン複合材及びその用途等
US10799931B2 (en) 2013-12-17 2020-10-13 Nippon Steel Nisshin Co., Ltd. Formed material manufacturing method and surface treated metal plate used in same
WO2023089995A1 (ja) * 2021-11-19 2023-05-25 Jfeスチール株式会社 冷間圧延鋼板

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5042555B2 (ja) * 2006-08-03 2012-10-03 新日本製鐵株式会社 薄膜一次防錆被覆層を有する表面導電性に優れた亜鉛系めっき鋼板とその製造方法
JP5827789B2 (ja) * 2010-03-26 2015-12-02 東洋鋼鈑株式会社 光輝性に優れた絞りしごき缶用樹脂被覆Al板及び絞りしごき缶の製造方法
US20150129453A1 (en) * 2011-03-25 2015-05-14 Nippon Paint Co., Ltd. Surface treatment agent composition, method for producing surface-treated steel sheet, surface-treated steel-sheet, surface-treated steel sheet with organic coating, can lid, can body, and seamless can
JP5675681B2 (ja) * 2011-03-29 2015-02-25 日新製鋼株式会社 ラミネート式電池の外装材の製造方法
WO2017203668A1 (ja) * 2016-05-26 2017-11-30 Ykk株式会社 めっき皮膜付き樹脂基材及びその製造方法、並びにめっき方法
CN106216206B (zh) * 2016-08-31 2020-01-10 海南红杉科创装饰工程有限公司 一种在金属涂膜表面涂覆水性涂料的方法
JP6852095B2 (ja) * 2017-01-31 2021-03-31 アベル株式会社 発色ステンレス鋼板、発色ステンレス鋼コイル及びその製造方法
KR102082963B1 (ko) * 2019-03-13 2020-02-28 (주)선영에스티 폴레에스테르를 주성분으로 하는 용융아연도금 부분방지제 및 이를 이용한 용융아연도금 방법
CN115679195B (zh) * 2021-07-30 2023-10-17 宝山钢铁股份有限公司 一种汽车驱动轴用无缝钢管及其制造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW520323B (en) * 1996-11-22 2003-02-11 Dongyang Tinplate Co Ltd Method of manufacturing resin film-coated metal plate for welding tube
JP3133719B2 (ja) * 1997-02-03 2001-02-13 古河電気工業株式会社 樹脂被覆アルミニウム合金板材
JP2001140080A (ja) * 1999-11-12 2001-05-22 Nippon Steel Corp 潤滑ステンレス鋼板及び潤滑ステンレス鋼管、並びに潤滑ステンレス鋼管製造方法
JP2002275656A (ja) * 2000-12-21 2002-09-25 Furukawa Electric Co Ltd:The 電気電子機器用の金属板材、それを用いた電気電子機器
JP2003201577A (ja) * 2002-01-09 2003-07-18 Kobe Steel Ltd 熱交換器フィン用アルミニウム又はアルミニウム合金材及び熱交換器用フィン

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100682037B1 (ko) 2005-07-22 2007-02-12 포항강판 주식회사 금속 판재용 윤활 피복제 조성물 및 이를 이용한 금속판재의 제조방법
JP2009190209A (ja) * 2008-02-13 2009-08-27 Furukawa-Sky Aluminum Corp 成形加工用樹脂被覆アルミニウム板及びその製造方法
US8420224B2 (en) 2008-02-15 2013-04-16 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Zinc-based plated steel sheet excellent in surface electrical conductivity having primary rust preventive thin film layer
JP2012527065A (ja) * 2009-05-14 2012-11-01 ナムローゼ・フェンノートシャップ・ベーカート・ソシエテ・アノニム 薄くポリマーコーティングされたマルテンサイト系ワイヤ
JP2013159843A (ja) * 2012-02-08 2013-08-19 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd プレコート金属板及びその製造方法
US10799931B2 (en) 2013-12-17 2020-10-13 Nippon Steel Nisshin Co., Ltd. Formed material manufacturing method and surface treated metal plate used in same
KR20200037892A (ko) * 2018-10-01 2020-04-10 포스코강판 주식회사 수용성 윤활 표면처리 도료 조성물 및 이 조성물이 도포된 스테인리스 윤활강판
KR102115308B1 (ko) * 2018-10-01 2020-05-27 포스코강판 주식회사 수용성 윤활 표면처리 도료 조성물 및 이 조성물이 도포된 스테인리스 윤활강판
WO2020137485A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 ステンレス鋼板カーボン複合材及びその用途等
JPWO2020137485A1 (ja) * 2018-12-26 2021-11-18 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 ステンレス鋼板カーボン複合材及びその用途等
JP7282103B2 (ja) 2018-12-26 2023-05-26 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 ステンレス鋼板カーボン複合材及びその用途等
WO2023089995A1 (ja) * 2021-11-19 2023-05-25 Jfeスチール株式会社 冷間圧延鋼板

Also Published As

Publication number Publication date
KR100653456B1 (ko) 2006-12-04
CN100457877C (zh) 2009-02-04
KR20050027161A (ko) 2005-03-17
CN1613986A (zh) 2005-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005089780A (ja) 成形性及び溶接性に優れる潤滑表面処理金属基材
KR101165792B1 (ko) 염해 내식성 및 용접부 신뢰성이 우수한 자동차용 연료 탱크용 및 자동차 연료 파이프용 표면 처리 스테인레스 강판 및 확관 가공성이 우수한 자동차 급유관용 표면 처리 스테인레스강 용접관
JP2023059206A (ja) 鋼板およびその製造方法
KR100865980B1 (ko) 윤활 조성물 피복 금속판
US6361881B1 (en) Preservative steel plate having high resistance weldability, corrosion resistance and press formability for automobile fuel tanks
JP2007191775A (ja) 塩害環境での耐食性に優れた自動車用燃料タンク用表面処理ステンレス鋼板
JP4923681B2 (ja) 潤滑処理鋼板および潤滑皮膜形成用処理液
JP5720090B2 (ja) 防錆鋼板およびその製造方法
JP4946821B2 (ja) 構造体の構造決定方法
KR20230098277A (ko) 강판 및 그 제조 방법
JP2696461B2 (ja) プレス性および耐摺動摩耗性に優れた硬質潤滑めっき鋼板
JP3990663B2 (ja) 表面処理金属板、及びその製造方法、並びにこの製造方法に用いる潤滑樹脂と潤滑樹脂塗料組成物
JP7380963B1 (ja) 被覆鋼板およびその製造方法
WO2023171173A1 (ja) 有機樹脂被覆鋼板
JP7380964B1 (ja) 被覆鋼板およびその製造方法
WO2023132106A1 (ja) 潤滑皮膜被覆亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法
WO2023182114A1 (ja) 鋼板およびその製造方法
WO2023238612A1 (ja) 被覆鋼板およびその製造方法
JP2022186579A (ja) 鋼板およびその製造方法
JP3993815B2 (ja) 導電性、耐食性、成形性に優れる被覆金属板
JP6066020B2 (ja) 燃料タンク用表面処理鋼板
JP3078473B2 (ja) プレス加工性とスポット溶接性に優れたアルミニウム合金板とその製造方法
JP3129635B2 (ja) プレス加工性とスポット溶接性に優れたアルミニウム合金板
JP2023145267A (ja) 溶接部材
JP2000080481A (ja) 潤滑性、クロム難溶性に優れた樹脂クロメ―ト処理金属板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070424

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070821