JP2005089638A - 住居用洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被洗物の汚れを拭き取る操作のみで洗浄できると共に、洗剤を使いたくない場所にも使用でき、べたつきがなく従来にないサラッとした仕上がりを有し、拭き跡も残らず、乾きが適度に速くて汚れの巻き込み、シミの発生を防ぐと共、フローリング床の白化も防ぎ、油性の汚れ、水系の汚れ、こびりついたソースの汚れ、黒ずみの汚れ落ちにも優れる住居用洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】 界面活性剤を含有せず、エタノールを洗浄剤組成物全量に対して、12〜35質量%含有する洗浄剤組成物であって、被洗物の汚れを拭き取る操作のみで洗浄できることを特徴とする住居用洗浄剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、床、壁、ガラス面、電気製品、家具等の住居全般に広く使用でき、被洗物の汚れを拭き取る操作のみで洗浄できる住居用洗浄剤組成物に関する。
従来より、住居用の洗浄剤は、住居、家具、ガラス、油汚れ、トイレ、浴室などの用途別に広範囲に使用されている。特に、住居、家具、ガラス、油汚れの用途に関しては、弱アルカリ性またはアルカリ性の合成洗浄剤が主流であった。
これらのアルカリ領域の洗浄剤としては、例えば、アルカノールアミン等のアルカリ性物質と双性洗剤界面活性剤、アニオン界面活性剤アンモニウム塩からなる洗浄剤(例えば、特許文献1及び2参照)が知られている。
また、住居、家具、ガラス、油汚れ、トイレや洗面台の外側など水をかけて流せない場所での使用に際しては、水に希釈して、雑巾、モップ等を用いて被洗物に付着した汚れを拭き取る希釈タイプと直接被洗物にスプレーして使用するか、または、雑巾等に付けて被洗物に付着した汚れを拭き取る2通りの洗浄剤が広く市販されている。
このように界面活性剤を含む「拭き取るタイプの洗浄剤」を住居用の洗浄剤として用いた場合、その洗浄力は優れていたが、界面活性剤による泡立ちがいつまでも残ったり、凹凸面に用いた時に拭いているうちに泡立ってきたりして拭き取りが面倒であり、使い勝手の面で不満があった。また、拭き取った後に洗剤の成分等が残ることで拭き跡残りを生じて見た目が悪くなったり、触った際にべたつくなど仕上がりの点でも満足できなかったものである。
そのため、拭き取り動作を何度も繰り返したり、水を使った拭き取りを必要とするなど不十分であった。さらに、これら住居用の界面活性剤を含む洗浄剤は、拭き取り時の乾燥が遅く、乾くまでの間にホコリや汚れを巻き込んだり、濡れ広がってシミになってしまうなどの問題があった。
このように界面活性剤が対象物面に残ることによる不具合点の余分な泡立ち、対象物への残存や、拭き取り時の乾燥の遅さを解消するものとして、界面活性剤を含有せずに同等の洗浄力を有して、乾燥の速い住居用洗浄剤組成物が切望されている。
界面活性剤を用いない洗浄剤として、例えば、脱臭用洗浄液(例えば、特許文献3参照)が知られている。この文献によれば、香料を含み、エタノールを3%以上12%未満含有する水溶液であり、一般家庭の厨房器具や魚屋、肉屋などの各種設備についた臭い、さらにはフィッシングにおいてつり人の手やつり具に付いた魚の臭いなどを取り除くことが開示されている。しかしながら、これらの組成物はエタノール濃度が少なすぎて住居用の洗浄剤として洗浄力が不十分であり、拭き取り時の乾燥も遅いため乾くまでの間にホコリや汚れを巻き込んだり、濡れ広がってシミになってしまうなどの課題がある。
また、界面活性剤を使わずにアルコール濃度の高い組成物のものとして、工業用分野の特殊用途であって住居用ではないが、電気部品などの洗浄に用いられるもの(例えば、特許文献4参照)が知られている。この文献によれば、水溶性アルコール60容量%以下で防錆剤を含む水系洗浄液での電気・電子・構造部品の洗浄方法が開示されている。これらの用途では残存物による回路等の絶縁破壊などのために界面活性剤を使わないため、住居用としても一見適しているように見える。
しかしながら、この組成物は、基板上の落ちにくい油脂類の限られた汚れに対するものであり、家庭の住居用のごはん粒やソースなどのこびりつき、油汚れ、冷蔵庫扉面等の黒ずみなど様々な汚れに対しては対応できなかった。また、工業用であるために、メタノールやイソプロパノール、n−ヘキシルアルコールなど人体に対する安全性や、住居用の様々な被洗物に対する影響の無さ、臭いの点などで問題のあるものが使われており、このような場面での使用に適するものではなかった。また、エタノールのみを用いているものもあるが、40〜60容量%と高濃度であり、これらのものではごはん粒やソースなどのこびりつき、冷蔵庫扉面などの黒ずみに対する洗浄力に不満があり、洗浄剤としては不適であった。更に、このような高濃度ではフローリング床に対してもワックス成分を溶解して瞬間的に白化させるなど悪影響を与えるため、このような場面での使用に向くものではなかった。
更に、洗浄剤ではないが、界面活性剤を含まないエタノールによる組成物として除菌剤(例えば、特許文献5参照)が知られている。この組成物は、その除菌性能のために40%以上の極端に高いアルコール濃度を有している。しかしながら、この組成物では、上述のように、ごはん粒やソースなどのこびりつき、冷蔵庫扉面などの黒ずみに対する洗浄力、被洗物への影響などから、住居用洗浄剤として使用に向くものではなかった。
更にまた、アルコール除菌液の中には、アルコール40v/v%以下のもの(例えば、特許文献6参照)が知られているが、これは気化装置をもつスチーマとの併用により用いるものであり、スチーマという大掛かりな装置を用いており、住居用洗浄剤として使用に向くものではなかった。
特開平3−41200号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平5−503547号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開昭61−136600号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平9−71884号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平11−189792号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平10−33899号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、界面活性剤を使用しなくとも、被洗物の汚れを拭き取る操作のみでべたつきがなくサラッとした仕上がりを提供すると共に、拭き跡も残らず、乾きが適度に速く、フローリング床の白化も防ぎ、油性の汚れ、水系の汚れ、こびりついたソースの汚れ及び黒ずみの汚れ落ちにも優れ、食卓や住宅の設備から家具、家電に好適な住居用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、界面活性剤を含むことなく、エタノールを特定の範囲で含有することで、被洗物の汚れを拭き取る操作のみで洗浄できると共に、洗剤を使いたくない場所にも使用でき、べたつきがなく従来のものにないサラッとした仕上がりを有し、拭き跡も残らず、乾きが適度に速くて汚れの巻き込み、シミの発生を防ぐと共に、フローリング床の白化も防ぎ、油性の汚れ、水系の汚れ、こびりついたソースの汚れ、黒ずみの汚れ落ちにも優れる上記目的の住居用洗浄剤組成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
更に、本発明は、有機酸を更に特定の範囲で含有することによって、フローリング床の白化を更に防止できる効果を有することと、拭き跡残りのなさを更に維持できることを見い出したのである。また、水溶性溶剤を更に特定の範囲で含有することによって、ソースが乾燥してこびりついた汚れに対する洗浄力効果を更に向上させると共に、拭き跡残りのなさを更に維持できることを見い出したのである。更にまた、アルカリ剤及び/又は弱酸強塩基性物質を更に含有することによって、黒ずみ汚れに対する洗浄力効果を更に向上することを見出した。これらの各向上効果を組み合わせることにより、各種性能を向上した住居用洗浄剤組成物が更に得られることを見い出して、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)に存する。
(1)界面活性剤を含有せず、エタノールを洗浄剤組成物全量に対して、12〜35質量%含有する洗浄剤組成物であって、被洗物の汚れを拭き取る操作のみで洗浄できることを特徴とする住居用洗浄剤組成物。
(2)有機酸を0.01〜2.0質量%の範囲で含有する上記(1)記載の住居用洗浄剤組成物。
(3)水溶性溶剤を0.01〜3.0質量%の範囲で含有する上記(1)又は(2)記載の住居用洗浄剤組成物。
(4)アルカリ剤及び/又は弱酸強塩基性物質を0.001〜3.0質量%の範囲で含有する上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の住居用洗浄剤組成物。
本発明によれば、界面活性剤を使用しなくとも、被洗物の汚れを拭き取る操作のみでべたつきがなくサラッとした仕上がりを提供すると共に、拭き跡も残らず、乾きが適度に速く、フローリング床の白化も防ぎ、油性の汚れ、水系の汚れ、こびりついたソースの汚れ、黒ずみの汚れ落ちにも優れると共に、食卓や住宅の設備から家具、家電に好適な住居用洗浄剤組成物が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の住居用洗浄剤組成物(以下、単に「洗浄剤組成物」という)は、界面活性剤を含有せず、エタノールを洗浄剤組成物全量に対して、12〜35質量%含有する洗浄剤組成物であって、被洗物の汚れを拭き取る操作のみで洗浄できることを特徴とするものである。
本発明の洗浄剤組成物には、まず、従来より住居用洗浄剤として用いられているアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤等の界面活性剤を含有しないことが必要である。
本発明では、界面活性剤を含まないことで、界面活性剤による泡立ちがいつまでも残ったり、凹凸面への使用時に拭いているうちに泡立ってきたり、拭き取った後に洗剤の成分等が残ることで拭き跡残りを生じて見た目が悪かったり、触った際にべたつくなどの仕上がりの点での不満足な点を解決し、何度も繰り返す拭き取り動作や、水を使った拭き取りをなくして、被洗物の汚れを拭き取る操作のみで簡単に食卓や住宅の設備から家具、家電製品などの汚れを洗浄するものであり、更に、適度な乾きの速さで汚れを巻き込まないようにしたものである。
本発明の洗浄剤組成物には、洗浄剤組成物全量に対して、12〜35質量%のエタノールを含有することが必要である。
本発明で用いるエタノールは、上記含有量の範囲で、洗浄成分として界面活性剤の代わりとして働くと同時に、泡立ちもなく、凹凸のある対象面においても使用中に泡立つことがないものである。また、拭き取った後、蒸発してしまうため拭き跡残りやべたつきを残さず、拭き取り動作を繰り返す必要がないものであり、更に、拭き取り時にわずかに残った液も瞬時に乾き、素早く仕上がり、乾くまでの間にホコリや汚れを巻き込んだり、濡れ広がってシミになってしまうということがないものである。
用いることができるエタノールとしては、例えば、工業用アルコール、99.5v/v%の試薬、95v/v%の試薬、日本薬局方、化粧品原料基準のものが挙げられる。
また、製造法的にも発酵法、合成法で得られたものがあるが特に限定されるものではない。また、飲用に適さないように変性剤を含む変性エタノールも用いることができる。変性エタノールとしては、例えば、メタノール変性、ベンゾール変性、トリオール変性、メチルエチルケトン変性、安息香酸デナトニウム変性、香料変性等の一般変性アルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、クロロホルム、炭酸ジエチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、ヘキサン、工業用エチルエーテル、ゲラニオール、8アセチル化ショ糖、フェニルエチルエーテル、ジエチルフタレート、ブルシン、リナリールアセテート、フレーバーH−No.4、フレーバーH−No.6、フレーバーH−No.9、フレーバーH−No.11、フレーバーH−No.1、フレーバーH−No.3、フレーバーH−No.10、フレーバーH−No.12、フレーバーH−No.13、フレーバーT−No.100、フレーバーT−No.101、フレーバーT−No.102、フレーバーT−No.103、フレーバーT−No.107、フレーバーS−No.201、ヘキサン、リナロール、アルキルベンゼンスルホン酸塩水溶液、酢酸ビニル単量体、ヘプタン、イソプロピルアルコール、ブタノール変性等の選択変性アルコール、アクリル酸エチル、ベンジルアセテート、メタノール/10%安息香酸デナトニウムアルコール溶液、フレーバーH−No.14、種酢及び水(酸量10%以上、アルコール分15%以下)、高酸度醸造酢(酸量10%以上)、フレーバーT−No.3、フレーバーT−No.4、フレーバーH−No.2、フレーバーT−No.104、フレーバーT−No.105、フレーバーT−No.106、メタノール/ホルマリン/ローダミンB、メチルエチルケトン/8アセチル化ショ糖/イソプロピルアルコール、パラオキシ安息香酸ブチル、白ラックまたは精製セラックまたはセラック等の特別変性アルコールが挙げられる。
これらは、単独で又は2種以上を(以下、単に「少なくとも1種」という)混合して用いることができる。
本発明に用いるエタノールは、上述の如く、洗浄剤組成物全量に対して、12〜35質量%、好ましくは、13〜30質量%、より好ましくは、15〜25質量%で使用することが望ましい。
このエタノールの含有量が12質量%未満では、油汚れにおいて十分な洗浄力が得られず、拭き取りきれずに残った液がいつまでも乾かずに汚れを巻き込むこととなる。一方、35質量%を超えると、拭き取り時の乾燥が速すぎて使用性に問題があり、ごはん粒のような水系の汚れに対する洗浄力が低下し、更に、フローリング床において表面処理したワックス成分を瞬間的に溶解し白化現象を起こすようになり、好ましくない。
本発明では、エタノールの含有量を35質量%以下に抑えることで、フローリング床に対してもワックス成分を溶解して瞬間的な白化を抑制でき、更に、塗布後すぐに拭き取れば問題なく洗浄剤組成物としての上記の効果を発揮するものであるが、特に、フローリング床に塗布して放置した場合には徐々に溶解して白化が起きることがある。この若干の問題を解決するために、更に検討を行った結果、上記特定の範囲内でエタノールを含有する組成に対し、更に、クエン酸などの有機酸を加えた組成において白化が起きるまでの時間を更に延長し、特に好ましいものでは白化を起こさないことを見い出したのである。
本発明に用いることができる有機酸の成分としては、特に限定するものではないが、具体的には、クエン酸、サリチル酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、酒石酸、酢酸、乳酸、グルタミン酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、シス−ヘキサヒドロフタル酸やこれらの塩などの少なくとも1種を挙げることができる。
この有機酸の含有量は、洗浄剤組成物全量に対して、好ましくは、0.01〜2.0質量%であり、更に好ましくは、0.03〜1.0質量%、特に好ましくは0.05〜0.5質量%とすることが望ましい。
この有機酸の含有量が0.01質量%未満では、白化が起きるまでの時間を更に延長、もしくは白化を起こさない効果が低くなり、一方、2.0質量%超過になると、拭き取った後に有機酸としての結晶物が発生するなど拭き跡残りが見られ洗浄剤組成物として好ましくない。
本発明では、上述の如く、洗浄剤組成物に対して、12〜35質量%のエタノールの含有によって、油溶性の汚れと水溶性の汚れの両極端な汚れに対する洗浄力を達成したが、食卓などに見られるソースやカレーなどをこぼしてこびりついた汚れについては浸透する力が若干弱く、強くこすったり、時間を置いてから拭く等の一工夫が更に必要であることがある。この若干の問題を解決するために更に検討を行った結果、上記特定の範囲内でエタノールを含有する組成に対し、更に、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリンなどの水溶性溶剤を加えた組成においては浸透力が更に強まり、時間を置かずに拭き取ってもこびりついた汚れを更に拭き取れることを見い出したのである。
本発明に用いることができる水溶性溶剤の成分としては、特に限定するものではないが、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量200〜3000)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(平均分子量250〜4000)、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ブチレングリコ−ル、エトキシエタノ−ル、トリアルキレングリコールモノブチルエーテルなどの少なくとも1種を挙げることができる。
この水溶性溶剤の含有量は、洗浄剤組成物全量に対して、好ましくは、0.01〜3.0質量%、更に好ましくは、0.05〜2.0質量%、特に好ましくは0.1〜1.5質量%とすることが望ましい。
この水溶性溶剤の含有量が0.01質量%未満では、こびりついた汚れに対する更なる効果がなく、3.0質量%超過になると、拭き取った後に水溶性溶剤としての残存物が拭き跡残りとして見られ、洗浄剤組成物として好ましくない。
更に、本発明では、上記特定の範囲内でエタノールを含有する組成によって、油溶性の汚れと水溶性汚れの両方の汚れに対する洗浄力を達成したが、キッチンに長期間置かれて油煙を浴びながら空気中のチリを巻き込んだ冷蔵庫の扉や炊飯器などに見られる黒ずみ汚れについては洗浄力が若干弱く、強くこする、時間を置いてから拭く等の一工夫が必要となることがあった。この若干の問題を解決するために更に検討を行った結果、上記特定の範囲内でエタノールを含有する組成に対し、更に、モノエタノールアミンや水酸化ナトリウムなどのアルカリ剤及び/又は弱酸強塩基性物質を加えた組成においては洗浄力が更に強まり、上記の特徴を損なうことなく、時間を置かずに拭き取っても黒ずみ汚れを拭き取れることを見い出したのである。
本発明に用いることができるアルカリ剤の成分としては、特に限定するものではないが、具体的には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、2−アミノ−1−プロパノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの少なくとも1種を挙げることができ、また、弱酸強塩基性物質としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸1ナトリウム、リン酸2ナトリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸1カリウム、リン酸2カリウム、リン酸3カリウムなどの少なくとも1種を挙げることができる。特に、リン酸1ナトリウム、リン酸2ナトリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸1カリウム、リン酸2カリウム、リン酸3カリウムなどは、拭き跡を残さない効果が高い点で、更に好ましい。
このアルカリ剤及び/又は弱酸強塩基性物質の含有量は、洗浄剤組成物全量に対して、好ましくは、0.001〜3.0質量%、更に好ましくは、0.005〜2.0質量%、特に好ましくは、0.01〜1.5質量%とすることが望ましい。
この含有量が0.001質量%未満では、更にアルカリ剤及び/又は弱酸強塩基性物質を含有せしめる効果がなく、一方、3.0質量%超過になると、拭き取った後にアルカリ剤および/もしくは弱酸強塩基性物質としての残存物が拭き跡残りとして見られ、洗浄剤組成物として好ましくない。
更に、本発明の洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として、ハイドロトロープ剤、紫外線吸収剤、着色剤、増粘剤、防腐剤、除菌剤、天然物等のエキス、香料等を含有することができる。なお、本発明の洗浄剤組成物の残部は、水(精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水、海洋深層水等)で調製される。また、上記の任意成分に用いられる化合物は、通常洗浄剤に使用されるものであればどの様なものでも良く、特に限定されるものではない。
本発明に用いることができる防腐剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル等の安息香酸系防腐剤類、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム等のソルビン酸系防腐剤類、デヒドロ酢酸類、プロピオン酸類、ジフェニル、オルトフェニルフェノール及びナトリウム等のジフェニル類、チアベンゾール、イマザリル等の少なくとも1種が挙げられる。その含有量は、洗浄剤組成物全量に対して、0〜0.5質量%含有することができる。
また、本発明に用いられる天然物等のエキスとしては、特に限定されるものではないが、例えば、イヌエンジュ、ウワウルシ、エッキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シュクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ハマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウなどの植物や、コラーゲンなどの少なくとも1種が挙げられる。
更に、香料として使用される香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals 」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)及び「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」, Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)及び「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)及び「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等で見られ、これらに開示されているものを使用することができる。
本発明の洗浄剤組成物は、使用に際しては、例えば、トリガー式スプレー容器、ディスペンサー式スプレー容器などの噴霧容器等に充填され、床、壁、ガラス面、電気製品、家具等の被洗物の汚れた箇所に、上記容器を用いて洗浄剤組成物を噴霧等し、布部材、紙部材、不織布等の拭き取り部材による拭き取る操作のみで洗浄できるもの、または、拭き取り部材に洗浄剤組成物を噴霧等し、この洗浄剤組成物含浸拭き取り部材を上記汚れた箇所にあてて拭き取る操作のみで洗浄できるものである。
このように構成される本発明の洗浄剤組成物は、界面活性剤を含むことなく、エタノールを特定の範囲で含有することで、被洗物の汚れを拭き取る操作のみで洗浄できると共に、洗剤を使いたくない場所にも使用でき、べたつきがなく従来のものにないサラッとした仕上がりを有し、拭き跡も残らず、乾きが適度に速くて汚れの巻き込み、シミの発生を防ぐと共、フローリング床の白化も防ぎ、油性の汚れ、水系の汚れ、こびりついたソースの汚れ・黒ずみの汚れ落ちにも優れるものである。
次に、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜30及び比較例1〜7〕
下記表1〜表4に示す配合組成により洗浄剤組成物を調製した。
なお、使用した香料組成物は、下記表5に示すa〜cの組成を用いた。また、各表1〜4の各組成物の配合単位は、質量%であり、全量は100質量%である。
得られた各洗浄剤組成物について、下記各評価法により、(1)拭き取り後の乾きやすさ、(2)ベタつき残りのなさ、(3)油洗浄力、(4)ごはん粒洗浄力、(5)拭き跡残りのなさ、(6)フローリングの白化、(7)ソース汚れ洗浄力、(8)黒ずみ汚れ洗浄力の評価を行った。
上記(1)〜(6)及び(8)の評価方法における洗浄剤組成物を充填、噴霧した噴霧容器は、スプレーヤーとして三谷バルブ社製T−305−10(ノズル口径0.45mm)をライオン社製エフインナチュラルウォーター(220mL)のボトルに取り付けて用いた。
これらの具体的な試験法は次の通りであり、これらの評価結果を下記表1〜表4に示す。
(1)拭き取り後の乾きやすさの評価方法
25℃、65%RH(相対湿度)の環境において、10cm四方の木製テーブル面上に各洗浄剤組成物0.5gを均一に噴霧後、1分放置して4つ折りにした1gのティッシュペーパーで1回拭き取り動作を行った時、水分がなくなるまでの秒数を、以下の評価基準により評価した。
なお、1分放置は、広い面積などで噴霧した時の拭き取り始めるまでの時間を想定したものであり、この時間内に乾いてしまったものは一瞬ぬれて乾いただけであり、洗浄行為は行えないと判断して評価を×(蒸発)とした。
評価基準:
○:2秒以内
△:2〜10秒以内
×:10秒以上
×(蒸発):1分の放置中に乾燥の場合
(2)ベタつき残りのなさの評価方法
25℃、65%RH(相対湿度)の環境において、30cm四方の木製テーブル面上に各洗浄剤組成物2gを均一に噴霧後、10cm四方の綿のタオルを4つ折りにしたもので拭き取った後、30秒後に指で触った時の感触を、以下の評価基準により評価した。
評価基準:
○:未処理の木製テーブル面と同等の感触と評価した人が10人中9人以上
△:未処理の木製テーブル面と同等の感触と評価した人が10人中6人〜8人
×:未処理の木製テーブル面と同等の感触と評価した人が10人中5人以下
(3)油洗浄力の評価方法
25℃、65%RH(相対湿度)の環境において、赤色に着色したトリオレイン30mgを一様に塗布した10cm四方の木製テーブル面上に対し、各洗浄剤組成物0.9gを均一に噴霧し、1分後4つ折りにした1gのティッシュペーパーで2回拭き取り動作を行った後、見た目の汚れの残り具合を以下の評価基準により評価した。
評価基準:
○:きれいに汚れが落ちている
△:わずかに汚れが残っている
×:ほとんど汚れが取れない
(4)米飯洗浄力の評価方法
25℃、65%RH(相対湿度)の環境において、ごはん粒をつぶしたもの200mgを一様に塗布して1日放置した10cm四方の木製テーブル面上に対し、各洗浄剤組成物0.9gを均一に噴霧し、1分後4つ折りにした1gのティッシュペーパーで2回拭き取り動作を行った後、見た目の汚れの残り具合を以下の評価基準により評価した。
評価基準:
○:全く汚れが残っていない
△:ごはん粒が塊でついていた部分に一部汚れが残っており、それ以外は残っていない
×:ごはん粒が塊でついていた部分にも汚れが残っており、それ以外にも多く残っている
(5)拭き跡残りのなさの評価方法
25℃、65%RH(相対湿度)の環境において、30cm四方の木製テーブル面上に各洗浄剤組成物2gを均一に噴霧後、10cm四方の綿のタオルを4つ折りにしたもので拭き取った後、20秒後の目視による拭き跡を、以下の評価基準により評価した。
評価基準:
○:拭き跡がまったく見られない
△:わずかに拭き跡が見られる
×:拭き跡がはっきり見られる
(6)フローリングの白化の評価方法
フローリング材に、リンレイ社のツヤぴか透明ワックスを10ml/m2になるように塗布し、1日乾燥したものを用いた。各洗浄剤組成物を10cm四方に1gを均一に噴霧し、白化するまでの時間を測定し、以下の評価基準により評価した。なお、評価の基準に用いた時間は、5分が拭き取るまでの時間、30分が拭き忘れた場合の時間を想定して設定した。
評価基準:
◎:30分以上
○:5分以上30分以下
△:3分以上5分以下
×:3分以下
(7)ソース汚れ洗浄力の評価方法
25℃、65%RH(相対湿度)の環境において、市販の中濃ソースを0.3gピペットにより滴下した木製のテーブル面を2日間乾燥し、表面が固くなったものを用いた。各洗浄剤組成物0.3gをピペットにより、こびりついたソースに滴下し、3分放置後、10cm四方の綿のタオル生地を四つ折りにしたものでこびりついたソースの塊がはがれるまでのこすり回数を以下の評価基準により評価した。
評価基準:
○:30回以下
△:30回以上100回未満
×:100回以上
(8)黒ずみ汚れ洗浄力の評価方法
25℃、65%RH(相対湿度)の環境において、5年間家庭で使われた冷蔵庫の表面の黒ずみに対して洗浄剤組成物0.1gを4cm2に噴霧し、3分間放置後、綿のタオルで拭き取った時の汚れの取れ具合を目視で以下の評価基準により評価した。
評価基準:
◎:汚れが完全に落ちた
○:汚れがほとんど落ちた
△:汚れが一部残っている
×:汚れがほとんど残っている
Figure 2005089638
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上記表1〜表5の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例1〜30は、本発明の範囲外となる比較例1〜7に較べ、拭き取り後も乾きやすく、ベタつき残りもなく油汚れ、ごはん粒の洗浄力に優れると共に、拭き跡残りもなく、フローリングの白化もなく、ソース汚れの洗浄力及び黒ずみ汚れの洗浄力にも優れていることが判明した。
比較例を個別的に見ると、比較例1及び2は、エタノールの含有量が本発明の範囲内に含まれないものであり、比較例3及び4は、エタノールの含有量が本発明の範囲内であっても、界面活性剤(AES:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、AX:ドデシルジメチルアミンオキシド)を含有する場合であり、比較例5〜7は、水溶性溶剤、アルカリ剤単独の場合であり、これらの洗浄剤組成物の場合は、本発明の効果を発揮できないことが判明した。

Claims (4)

  1. 界面活性剤を含有せず、エタノールを洗浄剤組成物全量に対して、12〜35質量%含有する洗浄剤組成物であって、被洗物の汚れを拭き取る操作のみで洗浄できることを特徴とする住居用洗浄剤組成物。
  2. 有機酸を0.01〜2.0質量%の範囲で含有する請求項1記載の住居用洗浄剤組成物。
  3. 水溶性溶剤を0.01〜3.0質量%の範囲で含有する請求項1又は2記載の住居用洗浄剤組成物。
  4. アルカリ剤及び/又は弱酸強塩基性物質を0.001〜3.0質量%の範囲で含有する請求項1〜3の何れか一つに記載の住居用洗浄剤組成物。
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