JP2005089489A - エマルジョン型再剥離性粘着剤組成物 - Google Patents

エマルジョン型再剥離性粘着剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 粘着力、さらに耐水粘着力にも優れ、かつ、高温条件下でも剥離時に糊残りせず、粘着力/再剥離性のバランスに優れた再剥離性水系粘着剤組成物を得る。
【解決手段】 (A)(a)アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99.9重量部、(b)ヒドロキシ基含有単量体0.1〜8.0重量部、(c)その他の重合可能な単量体0〜27重量部[ただし、(a)+(b)+(c)=100重量部]を乳化重合することにより得られる、共重合体のガラス転移点が−20℃〜−75℃の共重合体エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、(B)軟化点が100〜170℃のロジン系粘着付与剤1〜30重量部、(C)リン酸エステル系界面活性剤0.01〜5重量部、ならびに(D)ポリイソシアネート系架橋剤0〜5重量部
を含有するエマルジョン型再剥離性粘着剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、通常の粘着力の他、粗面に対する粘着力、さらに耐水粘着力にも優れ、かつ、高温条件下でも剥離時に糊残りしない、マスキングテープ、粘着テープ、粘着シートに有用な水系エマルジョン型再剥離性粘着剤組成物に関する。
一般に、再剥離型粘着剤は、マスキングテープ、粘着テープ、粘着シート、および粘着ラベルなどの粘着層を形成するために用いられている。このような再剥離型粘着剤には、被着体に対して十分な粘着力を有し、経時あるいは保存環境による変化が小さく、被着体からの剥離性および基材に対する投錨性をバランス良く有し、被着体からの剥離性については、被着体の材質によって影響を受けることなく、粘着剤が被着体に残存しないことが要求される。また、被着対象物が住宅の木、塩ビなどからなる床材などの粗面でも面剥離性がよいことも必要である。
ここで、従来、広く使用されてきた粘着剤として、溶剤型のものには、施工時の火災、蒸発する溶媒による毒性、環境汚染などの問題があった。溶剤型粘着剤に代わる粘着剤としては、天然ゴムラテックスまたはアクリルエマルジョンを用いた水系分散体タイプの粘着剤が知られている。しかしながら、前者の天然ゴムラテックスを用いた再剥離型粘着剤には、粘着力の経時変化が大きく、天然ゴムが、空気、光、温度等の保存環境により劣化して粘着剤としての物性が低下するという問題点がある。また、後者のアクリルエマルジョンを用いた再剥離型粘着剤は、剥離を容易に行うことができないなどの問題点を有している。また、このような水系分散体タイプの粘着剤は、粘着力/再剥離のバランス、耐水性面で溶剤系に及ばない。
SBRラテックス、天然ゴムラテックスまたはアクリルエマルジョンに、可塑剤、粘着付与樹脂、酸化防止剤あるいはシリコーン樹脂を添加配合することによって、粘接着力の経時的上昇を抑制し、再剥離性を容易にしたものが知られている。しかしながら、上記添加剤を配合する手法は、剥離特性がバラツキやすく、また、粘着剤のベースポリマーであるアクリル共重合体と配合剤との相溶性が必ずしも良好でないため、例えば、被着体に粘着シートを貼着して高温高湿下に保存した後剥離すると粘着剤の一部が被着体表面に転移し被着体を汚染してしまうという欠点を有している。
解決しようとする問題点は、これまでの水系分散体タイプの粘着剤では、通常の粘着力の他、粗面に対する粘着力、さらに耐温水粘着力にも優れ、かつ、高温条件下でも剥離時に糊残りせず、通常の面および粗面に対する粘着力/再剥離性のバランスに優れた再剥離性水系粘着剤組成物が得られなかった点である。
本発明は、(A)(a)アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99.9重量部、(b)ヒドロキシル基含有単量体0.1〜8.0重量部、(c)その他の重合可能な単量体0〜27重量部[ただし、(a)+(b)+(c)=100重量部]を乳化重合することにより得られる、共重合体のガラス転移点が−20〜−75℃の共重合体エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、
(B)軟化点が100〜170℃のロジン系粘着付与剤1〜30重量部、
(C)リン酸エステル系界面活性剤0.01〜5重量部、ならびに
(D)ポリイソシアネート系架橋剤0〜5重量部
を含有することを特徴とするエマルジョン型再剥離性粘着剤組成物に関するものである。
ここで、(a)アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてはブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、(b)ヒドロキシル基含有単量体としては、2−ヒドロキシエチルアクリレートが好ましい。
さらに、(C)リン酸エステル系界面活性剤としては、高級アルコールリン酸モノエステル(塩)が好ましい。
また、(D)ポリイソシアネート系架橋剤としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、および水添ジフェニルメタンジイソシアネートよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく、その含有量は共重合体エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、0〜3重量部が好ましい。
本発明によれば、通常の粘着力の他、粗面に対する粘着力もよく、さらに耐温水粘着力にも優れ、かつ、高温条件下でも剥離時に糊残りせず、粘着力/再剥離性のバランスに優れた再剥離性水系粘着剤組成物を提供することができる。
本発明において、(a)アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどの直鎖または分岐脂肪族アルコールのアクリル酸エステルおよび対応するメタクリル酸エステルなどを挙げることができる。これらは、単独であるいは2種類以上併用して用いることができる。なかでも、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
(b)ヒドロキシル基含有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシアミル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記のような単量体と共重合させる、(c)その他の重合可能な単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,4−ジエチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ−3−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、1−ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル単量体;
アクリル酸、メタクリル酸、エチルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル、クロトン酸などのα,β−不飽和カルボン酸単量体;
酢酸ビニルなどのビニル系単量体;
ジビニルベンゼンなどの上記以外の多官能性単量体;
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミドなどの酸アミド化合物;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;
4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどのピペリジン系モノマー;
そのほかジカプロラクトンなどが挙げられる。
また、上記のその他の重合可能な単量体には、官能基を有するラジカル重合性単量体として、例えば、上記以外のα,β−不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物;N−メチロールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルなどの上記以外の水酸基含有ビニル系単量体;2−アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系単量体;1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、1−メチル−1−エチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプロピル)アミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2′−フェニル−2′−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1イミドなどのアミンイミド基含有ビニル系単量体;アリルグリシジルエーテルなどの上記以外のエポキシ基含有ビニル系単量体などを挙げることができる。
これらは、必要に応じて用いられ、単独であるいは二種以上を併用して使用することができる。
本発明に用いられる(A)共重合体エマルジョンは、上記のような(a)アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99.9重量部、(b)ヒドロキシル基含有単量体0.1〜8.0重量部、および(c)その他の重合可能な単量体0〜27重量部[ただし、(a)+(b)+(c)=100重量部]を含む単量体混合物を、通常の乳化重合法により重合させて得ることができる。すなわち、重合開始剤、界面活性剤および水の存在下で、上記の(a)、(b)、必要に応じて(c)成分単量体を乳化重合することにより製造される。
ここにおいて、(a)成分の量が65重量部未満では、粘着力、ボールタックが得られず、一方、99.9重量部を超えると、充分な再剥離性が得られず、また乳化重合安定性が悪くなる。好ましくは70〜98重量部、さらに好ましくは75〜95重量部である。
また、(b)成分の量が0.1重量部未満では、乳化重合安定性が悪く、また充分な再剥離性が得られない。一方、8.0重量部を超えるとエマルジョンの粘度が高すぎたり、湿度の影響が大きくなる。好ましくは0.2〜6重量部、さらに好ましくは0.5〜5.5重量部である。
(c)成分は、必要に応じ共重合されるが、その量が27重量部を超えると、粘着力、ボールタックが低下する。好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは2〜15重量部である。
乳化重合において、乳化剤として用いられる界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、脂肪酸塩などのアニオン系界面活性剤;アルキルアミン塩、アルキル四級アミン塩などのカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ブロック型ポリエーテルなどのノニオン系界面活性剤;カルボン酸型(例えば、アミノ酸型、ベタイン酸型など)、スルホン酸型などの両性界面活性剤、商品名で、ラテムルS−180A〔花王(株)製〕、エレミノールJS−2〔三洋化成(株)製〕、アクアロンKH−10〔第一工業製薬(株)製〕、アデカリアソープSE−10N、アデカリアソープSR−10〔旭電化工業(株)製〕〕、Antox MS−60〔日本乳化剤(株)製〕、サーフマーFP−120〔東邦化学工業(株)製〕などの反応性乳化剤などのいずれでも使用可能である。
以上の乳化剤は、1種単独であるいは2種以上を併用することができる。
乳化剤(界面活性剤)の使用量は、単量体成分100重量部に対し、通常、0.5〜5重量部、好ましくは0.7〜3重量部である。0.5重量部未満では、乳化が充分でなく、また、重合安定性が悪い。一方、5重量部を超えると、エマルジョンの粒子径が小さくなり、粘度が高くなって所定の粘着剤組成物が得られないので好ましくない。
また、ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩や、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、コハク酸パーオキサイド、2,2′−アゾビス〔2−N−ベンジルアミジノ〕プロパン塩酸塩などの水溶性開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシオクトエート、アゾビスイソブチロニトリルなどの油溶性開始剤;酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸などの還元剤を併用したレドックス系開始剤などが使用できる。
重合開始剤の使用量は、単量体成分100重量部に対し、通常、0.1〜4重量部、好ましくは0.3〜2重量部である。0.1重量部未満では、重合安定性が充分でなく、また、凝集物が発生し、さらに未反応分のモノマーが多くなる。一方、4重量部を超えると、粒径が大きくなり、また反応速度が速くなり、性能面では耐水性、耐湿性が悪くなり、好ましくない。
本発明において用いられる、上記の化合物を乳化重合して得られる共重合体のガラス転移点は−20〜−75℃でなければならない。ガラス転移点が−75℃未満では、再剥離性が不充分であり、一方、−20℃を超えると、粘着力が不充分となり、また、ボールタックが低下する。好ましい範囲は、−30〜−73℃、さらに好ましくは−40〜−70℃、特に好ましくは−50〜−65℃である。
本発明に用いられる(B)のロジン系粘着付与樹脂とは、ロジンまたはロジン誘導体を、水添、不均化、重合などの変性手段で安定化し、これをグリセリンやペンタエリスリトールなどの各種ポリアルコールでエステル化して得られる樹脂である。
ここで、(B)ロジン系粘着付与樹脂の軟化温度は、100〜170℃、好ましくは105〜160℃、さらに好ましくは110〜150℃である。軟化温度が100℃未満であると、粘着付与樹脂の軟化点、凝集力が向上せず、高温時の粘着保持力が維持できない。一方、軟化温度が170℃を超えるものは、現在のところ、エステル化反応時に粘度が上昇し、作製できない。(B)ロジン系粘着付与樹脂は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。なお、以上の(B)ロジン系粘着付与樹脂のほかに、必要に応じて、テルペン樹脂系、石油樹脂系、クマロン・インデン樹脂などを配合することもできる。
なお、(B)ロジン系粘着付与樹脂の軟化温度は、JIS K5903に準じた環球法を用いて測定する。すなわち、(B)ロジン系粘着付与樹脂を蒸発皿の中で、なるべく低温で溶解させ、あらかじめ適温に加熱したリングの中に満たし、放冷後、少し加熱した小刀でリングの上端を含む平面から盛り上がった部分を切り取る。次に、上記粘着付与樹脂を詰め込んだリングを、支持器の所定の孔にはめ込み、ガラス容器(径85mm、高さ127mm以上)に入れる。ガラス容器中の熱媒体であるグリセリンの液温は、所定の軟化点より、45℃以上低くならないように15分保つ。次に、リングの中の上記粘着付与樹脂の中央に鋼球を載せ、支持器の上の定位置に置く。リングの上端より、グリセリン液までの距離を50mm以上に保ちながら加熱する。加熱が始まって所定の軟化点よりも45℃前より、1分間につき5.0±0.5℃で昇温させ、粘着付与樹脂が軟化して底板に接触したときの温度を軟化温度とする。
(B)ロジン系粘着付与樹脂の配合量は、(A)共重合体エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、1〜30重量部、好ましくは、3〜25重量部、さらに好ましくは5〜20重量部、特に好ましくは7〜15重量部である。配合量が、1重量部未満では、粘着力が不充分である。一方、30重量部を超えると、ボールタックが低下し、また透明性が低下する。(B)ロジン系粘着付与樹脂をこの範囲で配合することにより、得られる粘着剤は、被着体への粘接着力が向上し、かつ高温、高湿雰囲気下での粘接着保持力が向上する。
本発明の組成物に用いられる(C)リン酸エステル系界面活性剤としては、アルキルフェノール型リン酸エステル、高級アルコールリン酸モノエステル(塩)、高級アルコールリン酸ジエステル(塩)、高級アルコールリン酸トリエステル(塩)などがあげられる。なかでも、高級アルコールリン酸モノエステル(塩)が好ましい。これらの界面活性剤は単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
このような界面活性剤の使用量は、共重合体エマルジョン(固形分換算)100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜4重量部、さらに好ましくは0.03〜3重量部である。ここで、0.01重量部未満では再剥離性が不充分であり、一方、5重量部を超えると経時的に粘着力が低下する。
本発明の組成物に用いられる(D)ポリイソシアネート系架橋剤としては、ジイソシアネート化合物が好ましく、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。これらのうち、特に2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネートなどが好ましい。これらのジイソシアネートは単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
このような架橋剤の配合量は、共重合体エマルジョン100重量部(固形分換算)に対して0〜5重量部である。架橋剤は、粘着力のコントロールのために用いられるものであり、必要に応じて配合される。5重量部を超えると、粘着力が低下する。好ましくは、0〜3重量部である。
なお、本発明のエマルジョン型再剥離性粘着剤組成物は、固形分濃度が、通常、48〜65重量%、好ましくは50〜60重量%、粘度が、通常、5,000〜20,000mPa・s、好ましくは8,000〜15,000mPa・sに調整される。
本発明のエマルジョン型再剥離性粘着剤組成物を調製するには、例えば(A)共重合体エマルジョンに(B)ロジン系粘着付与樹脂、(C)リン酸エステル系界面活性剤、必要により(D)ポリイソシアネート系架橋剤を添加したのち、(A)、(B),(C),(D)成分が充分に混合するように撹拌し、増粘剤を添加し、粘度を約10,000mPa・sとする。
本発明のエマルジョン型再剥離性粘着剤組成物は、特にマスキングテープ、粘着テープ、粘着シートの粘着剤として有用である。
本発明の再剥離性粘着剤組成物を塗工する場合、直接基材上に塗工しても良いし、離型紙に塗工し、通常の乾燥条件で乾燥した後、転写して使用しても良い。基材としては、紙、織布、不織布、プラスチックフィルム、金属箔、発泡シート、または、これらの積層体などを用いることができる。本発明の再剥離性粘着剤組成物には、従来公知のキレ−ト化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などの架橋機能を有する化合物、顔料、可塑剤、(B)以外の粘着付与剤、保護コロイド剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤、湿潤剤、アルカリ性化合物、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、などの添加物を配合することができる。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中に用いた(A)共重合体エマルジョンの重合は以下の方法で行った。
参考例[(A)共重合体エマルジョンの重合]
実施例1〜4、比較例1〜7に用いる共重合体エマルジョンA−1〜A−5を調製した。
すなわち、撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロートを装着した4口フラスコに表1に示す単量体、重合開始剤、乳化剤を入れて、窒素雰囲気中、65〜70℃で7時間、乳化重合を行い、共重合体エマルジョンを得た。重合安定性は問題なく、凝集物の発生はほとんど見られなかった。
Figure 2005089489
*1)アデカリアソープSE−10N(旭電化工業社製、乳化剤)
*2)アデカリアソープSR−10(旭電化工業社製、乳化剤)
実施例1〜4、比較例1〜7
表1に示す共重合体エマルジョンA−1〜A−5を用いて、(B)ロジン系粘着付与樹脂、(C)リン酸エステル、およびその他の添加剤を配合して、表2に示す実施例1〜4、表3に示す比較例1〜7の粘着剤組成物を得た。
Figure 2005089489
*1)荒川化学工業社製、スーパーエステル E−726(軟化点120℃)
*2)荒川化学工業社製、スーパーエステル E−710(軟化点75℃)
*3)竹本油脂社製、JAS−101
*4)旭電化工業社製、アデカスタブ LX163
*5)旭電化社工業製、アデカスタブ LX802
*6)日本ポリウレタン社製、アクアネート110
Figure 2005089489
試料の作製
得られた粘着剤を、アプリケーターを用いてポリオレフィンシートに、乾燥後の塗膜の厚さが40μmになるように塗工し、90℃で2分間乾燥したのち、40℃で3日間養生した。
シートを25mm×125mmに切断して、試験片を作製した。
得られた試験片を用いて、以下のようにして粘着物性を測定または評価した。結果を表4に示す。
<粘着力>
JIS Z0237により、180゜剥離力を測定した。なお、初期粘着力、耐熱性、耐湿性、耐温水性の評価は被着体にSUS304を用い、粗面粘着力の評価は被着体に木質フロア材を用いて行った。
23℃、65%RHの雰囲気下で、試験片を被着体に貼り合わせ、2kgのローラーを1往復させて圧着し、下記条件下で放置したのちに、剥離速度300mm/minで粘着力を測定した。
初期粘着力および粗面粘着力:23℃、65%RH下で20分後に粘着力を測定。
耐熱性:70℃、3日後、室温まで冷却して粘着力を測定。
耐湿性:60℃、80%RH、1日後、室温まで冷却して粘着力を測定。
耐温水性:50℃温水、2日後、室温まで冷却して粘着力を測定。
<保持力>
JIS Z0237に準拠。25mm×25mm面積を貼りつけ、1kgの荷重を試験片の垂直方向に吊り下げ、1日後のズレを測定。
<ボールタック>
JIS Z0237に準拠。傾斜角度30゜、助走距離100mm停止したボールの数字を測定。
<再剥離性>
耐熱性(70℃、3日後)粘着力評価後のSUS板表面の糊残り面積を目視で評価した。
◎:糊残り20%未満
○:糊残り20%以上、50%未満
×:糊残り50%以上
<温水白化>
50℃温水2日間浸漬後、白化面積を目視で評価した。
◎:白化面積20%未満
○:糊残り20%以上、50%未満
×:糊残り50%以上。













Figure 2005089489
表4から明かなように、実施例1〜4は、粘着物性が優れている。
一方、比較例1〜7は、粘着力と再剥離のバランスがとれていない。また、全体的に粘着性能が劣る。
本発明の粘着剤組成物は、通常の粘着力の他、粗面に対する粘着力、さらに耐水粘着力にも優れ、かつ、高温条件下でも剥離時に糊残りしなので、マスキングテープ、粘着テープ、粘着シートに有用である。

Claims (5)

  1. (A)(a)アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99.9重量部、(b)ヒドロキシル基含有単量体0.1〜8.0重量部、(c)その他の重合可能な単量体0〜27重量部[ただし、(a)+(b)+(c)=100重量部]を乳化重合することにより得られる、共重合体のガラス転移点が−20〜−75℃の共重合体エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、
    (B)軟化点が100〜170℃のロジン系粘着付与剤1〜30重量部、
    (C)リン酸エステル系界面活性剤0.01〜5重量部、ならびに
    (D)ポリイソシアネート系架橋剤0〜5重量部
    を含有することを特徴とするエマルジョン型再剥離性粘着剤組成物。
  2. (a)アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルがブチル(メタ)アクリレートおよび/または2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである請求項1記載のエマルジョン型再剥離性粘着剤組成物。
  3. (b)ヒドロキシル基含有単量体が2−ヒドロキシエチルアクリレートである請求項1または2記載のエマルジョン型再剥離性粘着剤組成物。
  4. (C)リン酸エステル系界面活性剤が、高級アルコールリン酸モノエステル(塩)である請求項1〜3のいずれかに記載のエマルジョン型再剥離性粘着剤組成物。
  5. (D)ポリイソシアネート系架橋剤が、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、および1,6−ヘキサンジイソシアネートよりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、その含有量が共重合体エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、0〜3重量部である請求項1〜4のいずれかに記載のエマルジョン型再剥離性粘着剤組成物。
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