JP2005089062A - 板状材積層束、板状材積層束の反転識別方法及びその装置 - Google Patents
板状材積層束、板状材積層束の反転識別方法及びその装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】積層束を反転させる際に、積層束を解体することなく、反転の有無の確認を装置面でも視覚による認識面でも容易とさせ、その結果として、歩留りや生産性を向上させ、一貫加工も可能な板状材積層束の反転識別方法及びその装置を提供する。
【解決手段】複数の板状材が積層された積層束16を反転手段により反転させ、その反転の有無を識別する方法。搬送手段で積層束16を所定の反転位置まで搬送し、搬送された積層束16を反転手段の挟持部材で積層方向に挟持しながら、この挟持された積層束16を反転手段の反転部材で反転させる。反転後に、積層束16の一部に設けられたマーカーを検出手段で検出し、これにより反転の有無を判別する。
【選択図】 図8
【解決手段】複数の板状材が積層された積層束16を反転手段により反転させ、その反転の有無を識別する方法。搬送手段で積層束16を所定の反転位置まで搬送し、搬送された積層束16を反転手段の挟持部材で積層方向に挟持しながら、この挟持された積層束16を反転手段の反転部材で反転させる。反転後に、積層束16の一部に設けられたマーカーを検出手段で検出し、これにより反転の有無を判別する。
【選択図】 図8
Description
本発明は、板状材積層束、板状材積層束の反転識別方法及びその装置に係り、特に、PS版等の平版印刷版が積層されて構成された積層束を反転させるのに好適な板状材積層束の反転識別方法及びその装置に関する。
近年の製版法(電子写真製版法を含む)では、製版工程の自動化を容易にすべく、感光性印刷版や感熱性印刷版等の平版印刷版が広く用いられている。平版印刷版は、一般にシート状又はコイル状のアルミニウム板等の支持体に、たとえば、砂目立て、陽極酸化、シリケート処理、その他化成処理等の表面処理を単独又は適宜組み合わせて行い、次いで、感光層又は感熱層(以下、これらをまとめて「塗布膜」といい、塗布膜が塗布された面を「画像形成面」、塗布膜が形成されていない面を「非画像形成面」という)の塗布、乾燥処理を行った後に所望のサイズに切断されることにより製造される。
この平版印刷版は、露光、現像処理、ガム引き等の製版処理が行われ、印刷機にセットされる。そして、印刷機にセットされた平版印刷版に、インクが塗布され、これが転写されることにより、紙面に文字、画像等が印刷される。
この平版印刷版製造時には、所定サイズの長方形状に裁断された複数の平版印刷版が厚さ方向に積層されて、積層束が構成されることがある。この積層束を包装することにより、複数枚の平版印刷版を一括して荷扱い(輸送や保管など)することができ、荷扱いの効率化を図ることができる。
ところで、平版印刷版のなかには、支持体の片面のみに塗布膜が形成された、いわゆる片面品がある。この片面品をセッタなどの処理機などに装填する場合に、輸送状態の平版印刷版の向き(上下方向)と、装填時の向きとが一致していない場合には、平版印刷版のユーザーがいちいち平版印刷版を反転させて装填する必要があり、ユーザーの作業負担が大きい。
したがって、平版印刷版の積層束をあらかじめ反転した状態で包装すれば、ユーザーが反転する必要がなくなり、ユーザーの作業負担が軽減されることとなる。このような事情を考慮して、本出願人により平版印刷版の包装に関する提案がなされている(特許文献1参照)。
ところが、一般に平版印刷版の積層束は15〜30kg程度の重量であることが多いため、人手により反転させると、作業者にかかる負荷が大きい。しかも、不用意に反転させると、積層束を構成する平版印刷版がずれてしまうことがある。
これに対し、反転フォークリフトなどで積層束を積層方向に挟んで反転させる方法もあるが、積層束の高さ(厚さ)が一定値以上又は一定値以下の場合には反転フォークリフトで挟持できない場合がある。積層束の高さが低い場合には、複数の積層束を更に積み重ねることにより、反転フォークリフトで挟むことが可能となるが、反転前に積層束を更に積み重ね、反転後には再度積層束を分離しなければならず、作業工程が増加する。
しかも、いずれの方法であっても、平版印刷版の加工ライン(カットや包装を行う自動ライン)の外で行う作業であるため、生産性を高めることが難しく、カット〜包装の一貫加工もできない。
このような問題点を解決すべく、本出願人により積層束の反転技術に関する提案がなされている(特許文献2参照。)。この技術は、積層束を搬送部材により搬送し、搬送された積層束を挟持部材により積層方向に挟持し、反転部材により積層束が挟持された状態で搬送部材と挟持部材とを反転させる積層束反転装置と、この積層束反転装置を使用して積層束を反転させる積層束反転方法である。
更に、本出願人により、上記の積層束反転装置が適用できるPS版の加工ラインに関する開示がなされている(特許文献3参照。)。
特開2002−29173号公報
特開2002−370818号公報
特開2001−1656号公報
しかしながら、上記従来の積層束の反転技術によっても、積層束を反転させる際、及び積層束のその後の取扱いに不具合が生じる懸念が指摘されている。すなわち、積層束の反転を装置により自動で行った場合、この自動設備では反転の有無の判別が困難なこともあり、自動シーケンスの作動を信頼して、監視装置を設けないことが一般的であるが、装置の誤動作等(たとえば、シーケンス異常で反転せずに搬送されたり、装置異常で装置が停止したりする場合等)により反転の有無を誤認する場合も生じる。
このように、反転の有無を誤認した場合、後工程で反転の有無を判別することは困難である。すなわち、積層束の外観上からの上下面の判別は困難であり、反転の有無の誤認によるトラブルの懸念が払拭され難い。また、積層束の上下面を判別すべく積層束を解体するとすれば、その作業は多大なロスとなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、積層束を反転させる際に、積層束を解体することなく、反転の有無の確認を装置面でも視覚による認識面でも容易とさせ、その結果として、歩留りや生産性を向上させ、一貫加工も可能な板状材積層束の反転識別方法及びその装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、複数の板状材が積層された積層束を反転手段により反転させ、前記積層束の上下面を識別する板状材積層束の反転識別方法であって、搬送手段で前記積層束を所定の反転位置まで搬送する工程と、搬送された前記積層束を前記反転手段の挟持部材で積層方向に挟持する工程と、挟持された前記積層束を前記反転手段の反転部材で反転させる工程と、前記積層束の一部に設けられたマーカーを検出手段で検出し、これにより反転の有無を判別する工程と、を有することを特徴とする板状材積層束の反転識別方法及びその装置を提供する。
本発明によれば、積層束を反転させる際に、この積層束の一部に設けられたマーカーを検出手段で検出し、これにより反転の有無を判別する。したがって、反転の有無が確実に判別でき、その結果、歩留りや生産性を向上させ、一貫加工も可能となる。
ここで、本明細書において「マーカー」とは、その存在が何らかの検知手段により検知できる目印、標識等を指し、後述する「マーク」や「彩色」のみならず、磁気検知手段により検知可能な磁性膜、静電容量検知手段により検知可能な膜状体等をも広く含むものである。
本発明において、前記マーカーが前記積層束の片面に設けられたマークであることが好ましい。このようなマークであれば検知が容易となり、本発明の目的が好適に達成できるからである。なお、「マーク」とは、文字、図形、記号等であって人間の視覚により検知できるか、又はフォトセンサー等の検出手段で検出できるものを指す。
また、本発明において、前記マーカーが前記積層束の片面に施された前記積層束の反対面と異なる色彩の彩色であることが好ましい。このような彩色であっても検知が容易となり、本発明の目的が好適に達成できるからである。
また、本発明において、前記積層束の最上層と最下層には保護シートが配されることが好ましい。このように、積層束の最上層と最下層に保護シート(一般に「当てボール」と称される)が配されることにより、積層束の保護がなされるからである。
また、本発明において、前記反転手段は、前記搬送手段で搬送され所定の反転位置で停止された前記積層束を積層方向に挟持する挟持部材と、前記挟持部材を反転させる反転部材と、を有することが好ましい。このような構成の反転手段であれば、本発明の効果が一層発揮できるからである。
以上説明したように、本発明によれば、積層束を反転させる際に、この積層束の一部に設けられたマーカーを検出手段で検出し、これにより反転の有無を判別する。したがって、反転の有無が確実に判別でき、その結果、歩留りや生産性を向上させ、一貫加工も可能となる。
以下、添付図面に従って、本発明に係る板状材積層束の反転識別方法及びその装置の好ましい実施態様について説明する。図1には、本発明に適用される積層束反転装置10を備えた、PS版の加工ライン100が示されている。図2は、図1の要部拡大図である。
この加工ライン100の上流側(図1右上側)には、あらかじめロール状に巻かれたウエブを順次巻き出す送出機102が配設されている。送出機102から送り出された長尺状のウエブ104がレベラ106でカール矯正され、送りローラ108に至ると、合紙110が貼り合わされ、帯電により密着されて、ノッチャー112に至る。
ノッチャー112は、ウエブ104に打ち抜き部を設け、裁断部114を構成する裁断ローラ122の上刃及び図示しない下刃が、打ち抜き位置でウエブ104の幅方向へ移動できるようにする。これにより、ウエブ104と合紙110とをまとめて連続裁断しながら、ウエブ104のトリミング幅を変更することが可能となる。
このようにして、所定のトリミング幅とされたウエブ104は、測長装置124で送り長が検出され、指示されたタイミングで走間カッタ126により切断される。これにより、設定されたサイズのPS版128が製造される。
なお、図1に示されるように、加工ライン100に、ウエブ104等の切屑を搬送するコンベア127と、このコンベア127によって搬送された切屑を回収する回収箱129を設けてもよい。また、巻取装置(図示省略)を設けて、切屑を順次ロール状に巻き取ってもよい。
次に、PS版128は、コンベア130によって集積部132に送られ、所定枚数積み重ねられて、集積束16が構成される。なお、集積部132では、この集積束16の上下又は片側に、厚紙等からなる保護シート(一般に「当てボール」と称される)を配置することも可能である。
集積部132は、集積部132A及び集積部132Bのように上下2箇所に設けられる。そして、集積束16が交互に集積されることにより、集積束16が搬送される間においても、ウエブ104が連続的に切断できるようになっている。
なお、集積部132が、このように上下2箇所に設けられる構成ではなく、前後に2以上の集積部を設ける構成も可能であり、同様の効果が得られる。
図2に示されるように、集積部132の下流には2系統の搬送・印刷部151が設けられる。この搬送・印刷部151において、集積部132Aに対応してリフター・コンベア137A及びコンベア139Aが設けられ、集積部132Bに対応してリフター・コンベア137B及びコンベア139Bが設けられる。そして集積部132から送られた集積束16を、合流用のリフター・コンベア141まで搬送できるようになっている。
コンベア139A及びコンベア139Bの上方には、それぞれ印刷機17A、17Bが設けられており、コンベア139A及びコンベア139B上の集積束16の表面(上面)にマーカーを印刷できるようになっている。印刷機17A、17Bの詳細については、後述する。
コンベア139A及びコンベア139Bより搬送され、合流用のリフター・コンベア141で合流した集積束16はコンベア143により搬送され、下流の積層束反転装置10に搬送され、ここで反転される。積層束反転装置10における詳細な動作については、後述する。
そして、図1に示されるように、集積束16は、搬送部135を経てパレット133に積み重ねられる。但し、集積束16をパレット133に積み重ねずに、1束ずつ包装工程に送ることもある。
その後、ラック倉庫等の保管庫又は包装工程に送られ、包装材料(テープ、内装剤、外装材等)によって包装される。また、自動製版機用のスキッド(平台スキッド、縦型スキッド等)に積み重ねることも可能である。なお、これらのスキッドに積み重ねて包装する場合には、加工ライン100に、集積束16をスキッドに集積するための集積装置を設け、加工ライン100内において直接スキッドに集積するようにしてもよい。このようにして、PS版128は包装されて出荷されるが、包装形態によっては、合紙110や、その他の包装材料を省略してもよい。
次に、本発明に係る板状材積層束の反転識別方法及びその装置について説明する。図3〜図6には、本発明に適用される積層束反転装置10が示されている。すなわち、図3は、積層束反転装置10の側面図であり、図4は、積層束反転装置10の一部を破断して示す平面図であり、図5は、積層束反転装置10の正面図であり、図6は、図4の6−6線断面図である。
この積層束反転装置10は、平版印刷版の加工ラインを構成する2つの搬送コンベア12、14の間に配置され、加工ラインに組み込まれている。この加工ラインでは、合紙と呼ばれる保護用の紙が必要に応じて貼着された状態で、所定サイズの平版印刷版が裁断され、更にこの平版印刷版が厚さ方向に複数枚積層されて、積層束16(図3参照)が構成される。
積層束反転装置10は、矢印A方向に搬送されてきた積層束16を、加工ラインの流れを停止させたり、減速させたりすることなく、反転させることができる。以下、単に「搬送方向」というときは、積層束16の搬送方向をいい、「幅方向」というときは、積層束16の幅方向(搬送方向と直交する方向)をいうものとする。また、各図において、搬送方向を矢印Aで、幅方向を矢印Bで適宜示す。
図3〜図5に示されるように、積層束反転装置10は、設置面Gに固定される一対のフレーム18、18を有している。フレーム18、18の間には、図4及び図5に示されるように、軸受20、20を介して積層束反転装置10の装置本体22が支持されており、軸受20を中心として回転可能とされている。なお、回転中心を中心線Cで示す。
装置本体22は、中心線Cを通る水平面に対して対称な四角形状の枠体24を有している。枠体24内には、一対の支持板26、26が上下対称に配置されている。支持板26、26は、それぞれニップ用シリンダー28、28を介して互いに平行となるように枠体24に取り付けられており、ニップ用シリンダー28、28の駆動によって、平行状態を維持したまま上下方向に移動するようになっている。ニップ用シリンダー28の駆動は、制御装置(図示略、以下同様)によって制御され、所定のタイミングで駆動される。また、ニップ用シリンダー28、28は同期して駆動され、支持板26、26も同期して互いに接近(図9又は図10参照)又は離間(図3又は図6参照)する。
それぞれの支持板26からは、互いの相手側の支持板26に向かう方向へ向かって複数のアーム30、30…が延出されている。アーム30の先端には、略長尺状のガイド板32が取り付けられている。それぞれのガイド板32は、図4及び図5から解るように、その長手方向が搬送方向(矢印A方向)と一致し、幅方向(矢印B方向)には一定の間隔をあけて平行に並ぶように配置されている。ガイド板32、32の、互いに上下に対向する面(中心線C側の面)は挟持面とされており、後述するように、この挟持面によって積層束16を積層方向に挟持する。
枠体24には、幅方向(矢印B方向)に沿って上下に1本ずつ、合計2本のシャフト34、34が掛け渡されている。それぞれのシャフト34には、アーム30の間に位置するように、複数の駆動プーリ36、36…が取り付けられており、この駆動プーリ36には、枠体24の外側に取り付けられたコンベア駆動モータ38の回転駆動力が、駆動ベルト40を介して伝わるようになっている。
更に、ガイド板32、32の幅方向(矢印B方向)の間には、枠体24に対し取付部材(図示省略)を介して、それぞれの駆動プーリ36に対応する補助板42及び従動プーリ44が取り付けられている。1つの駆動プーリ36及び補助板42とこれらに対応する複数(本実施形態では4つ)の従動プーリ44に、無端状の搬送ベルト46が掛け渡されている。
したがって、搬送方向(矢印A方向)に所定の長さを有する複数のガイド板32と搬送ベルト46とが、幅方向に交互に並べられて搬送挟持ユニット48が構成され、更にこの搬送挟持ユニット48が中心線Cの上下に配置されていることになる。そして、コンベア駆動モータ38の回転駆動力を受けて駆動プーリ36が回転すると、搬送ベルト46もこれに対応して、積層束16を搬送可能な方向(矢印D方向)へと循環する。
上下の補助板42、42の対向面(中心線C側の面)は、搬送方向(矢印A方向)に沿って互いに平行とされている。搬送ベルト46が補助板42に接触している部分は搬送部とされており、補助板42によって内側から支持されているため、平面性が維持されている。たとえば、搬送ベルト46が積層束16を支持しつつ搬送している状態でも、積層束16の重量で不用意に撓むことはない。また、搬送ベルト46の搬送部の位置は、支持板26の接近位置(図9又は図10参照)と離間位置(図3又は図6参照)との間になるように設定されている。
枠体24には、図示しない位置センサーが取り付けられており、積層束16が所定の反転位置(図9に示される位置、図4においても反転位置の積層束16を二点鎖線で示している)まで搬送されてくると、その情報を制御装置に送る。
図4及び図5に示されるように、一方のフレーム18の外側には、制御装置によって駆動制御される反転用モータ50が取り付けられている。反転用モータ50の回転駆動力は、駆動ベルト等の駆動力伝達部材52を介して枠体24に伝わるようになっており、枠体24が回転することにより、搬送挟持ユニット48は反転されて上下が入れ替わる。
他方のフレーム18の外側には、枠体24の回転角度を検出する角度センサー54が取り付けられ、制御装置に接続されている。この角度センサー54からの情報を基に制御装置が反転用モータ50を駆動する。なお、反転用モータ50は、正逆2方向に回転可能とされており、枠体24も、中心線C回りに、正逆2方向に回転する。
次に、積層束16を構成する平版印刷版、合紙110等について説明する。なお、図1で説明したPS版128は、平版印刷版の一種である。平版印刷版は、長方形の板状に形成された薄いアルミニウム製の支持体上に、塗布膜(感光性印刷版の場合には感光層、感熱性印刷版の場合には感熱層、更に必要に応じて、オーバーコート層やマット層等)を塗布して形成されている。この塗布膜に、露光、現像、ガム引き等の製版処理が行われ、印刷機にセットされ、インクが塗布されることにより、紙面に文字、画像等が印刷される。なお、本実施形態の平版印刷版は、印刷に必要な処理(露光や現像等)が施される前段階のものであり、場合によっては平版印刷版原版又は平版印刷版材と称されることもある。
以上のような構成とされていれば、平版印刷版の具体的構成については特に限定されないが、たとえば、ヒートモード方式及びフォトン方式のレーザ刷版用の平版印刷版とすることによって、デジタルデータから直接製版可能な平版印刷版とすることができる。
また、平版印刷版は、感光層又は感熱層中の成分を種々選択することによって、種々の製版方法に対応したものとすることができる。本発明に適用される平版印刷版の具体的態様の例としては、下記の(1)〜(11)の態様が挙げられる。
(1)感光層が赤外線吸収剤及び熱によって酸を発生する化合物、及び酸によって架橋する化合物を含有する態様。
(2)感光層が赤外線吸収剤及び熱によってアルカリ溶解性となる化合物を含有する態様。
(3)感光層が、レーザ光照射によってラジカルを発生する化合物、アルカリに可溶のバインダー、及び多官能性のモノマー又はプレポリマーを含有する層と、酸素遮断層との2層を含む態様。
(4)感光層が、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層との2層からなる態様。
(5)感光層が、多官能性モノマー及び多官能性バインダーとを含有する重合層と、ハロゲン化銀と還元剤を含有する層と、酸素遮断層との3層を含む態様。
(6)感光層が、ノボラック樹脂及びナフトキノンジアジドを含有する層と、ハロゲン化銀を含有する層との2層を含む態様。
(7)感光層が、有機光導電体を含む態様。
(8)感光層が、レーザー光照射によって除去されるレーザー光吸収層と、親油性層及び/又は親水性層とからなる2〜3層を含む態様。
(9)感光層が、エネルギーを吸収して酸を発生する化合物、酸によってスルホン酸又はカルボン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子化合物、及び可視光を吸収することにより酸発生剤にエネルギーを与える化合物を含有する態様。
(10)感光層が、キノンジアジド化合物と、ノボラック樹脂とを含有する態様。
(11)感光層が、光又は紫外線により分解して自己又は層内の他の分子との架橋構造を形成する化合物とアルカリに可溶のバインダーとを含有する態様。
(1)感光層が赤外線吸収剤及び熱によって酸を発生する化合物、及び酸によって架橋する化合物を含有する態様。
(2)感光層が赤外線吸収剤及び熱によってアルカリ溶解性となる化合物を含有する態様。
(3)感光層が、レーザ光照射によってラジカルを発生する化合物、アルカリに可溶のバインダー、及び多官能性のモノマー又はプレポリマーを含有する層と、酸素遮断層との2層を含む態様。
(4)感光層が、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層との2層からなる態様。
(5)感光層が、多官能性モノマー及び多官能性バインダーとを含有する重合層と、ハロゲン化銀と還元剤を含有する層と、酸素遮断層との3層を含む態様。
(6)感光層が、ノボラック樹脂及びナフトキノンジアジドを含有する層と、ハロゲン化銀を含有する層との2層を含む態様。
(7)感光層が、有機光導電体を含む態様。
(8)感光層が、レーザー光照射によって除去されるレーザー光吸収層と、親油性層及び/又は親水性層とからなる2〜3層を含む態様。
(9)感光層が、エネルギーを吸収して酸を発生する化合物、酸によってスルホン酸又はカルボン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子化合物、及び可視光を吸収することにより酸発生剤にエネルギーを与える化合物を含有する態様。
(10)感光層が、キノンジアジド化合物と、ノボラック樹脂とを含有する態様。
(11)感光層が、光又は紫外線により分解して自己又は層内の他の分子との架橋構造を形成する化合物とアルカリに可溶のバインダーとを含有する態様。
特に、近年では、レーザーで露光する高感度感光タイプの塗布膜を塗布した平版印刷版や、感熱タイプの平版印刷版が使用されることもあるが(たとえば上記した(1)〜(3)の態様等)、このような高感度タイプの平版印刷版の場合には、本発明に適用される積層束反転装置を使用することが好ましい。
なお、ここでいうレーザー光の波長は、特に限定されず、たとえば、下記の(A)〜(E)等が挙げられる。
(A)波長域350〜450nmのレーザー。具体例としては、波長405±5nmのレーザーダイオード。
(B)波長域480〜540nmのレーザー。具体例としては、波長488nmのアルゴンレーザー、波長532nmの(FD)YAGレーザー、波長532nmの固体レーザー、波長532nmの(グリーン)He−Neレーザー。
(C)波長域630〜680nmのレーザー。具体例としては、波長630〜670nmのHe−Neレーザー、波長630〜670nmの赤色半導体レーザー。
(D)波長域800〜830nmのレーザー。具体例としては、波長830nmの赤外線(半導体)レーザー。
(E)波長1064〜1080nmのレーザー。具体例としては、波長1064nmのYAGレーザー。
(A)波長域350〜450nmのレーザー。具体例としては、波長405±5nmのレーザーダイオード。
(B)波長域480〜540nmのレーザー。具体例としては、波長488nmのアルゴンレーザー、波長532nmの(FD)YAGレーザー、波長532nmの固体レーザー、波長532nmの(グリーン)He−Neレーザー。
(C)波長域630〜680nmのレーザー。具体例としては、波長630〜670nmのHe−Neレーザー、波長630〜670nmの赤色半導体レーザー。
(D)波長域800〜830nmのレーザー。具体例としては、波長830nmの赤外線(半導体)レーザー。
(E)波長1064〜1080nmのレーザー。具体例としては、波長1064nmのYAGレーザー。
これらのうち、たとえば、(B)及び(C)の波長域のレーザー光は、いずれも上記した(3)又は(4)の態様の感光層又は感熱層を有する平版印刷版の双方に適用可能である。また、(D)及び(E)の波長域のレーザー光は、いずれも上記した(1)又は(2)の態様の感光層又は感熱層を有する平版印刷版の双方に適用可能である。但し、レーザー光の波長域と感光層又は感熱層との関係はこれらに限定されるものではない。
本実施形態の平版印刷版(上記した(1)〜(11)の全ての態様の平版印刷版)は、積層束16を構成した状態で自動給版機能を持った自動製版機や、いわゆるプレートセッター等にセットされ、製版工程への供給(給版)されることがある平版印刷版とされている。但し、実際の使用状況において、平版印刷版の使用者が平版印刷版を自動給版機構によって給版するか、手動で給版するか等の使い方に左右されることなく(換言すれば、給版方法以前の問題として)、本実施形態の積層束反転装置10を使用して積層束16を反転可能である。また、(1)〜(11)以外の態様の平版印刷版であっても、自動給版機能を持った自動製版機やいわゆるプレートセッター等にセットされ、製版工程への供給(給版)される可能性がある平版印刷版は、全て本実施形態に係る平版印刷版に含まれるものである。
更に、平版印刷版のなかには、使用される印刷機によって、紙面の都合上、インクを塗布しない位置(すなわち印刷されない領域)にセットされて使用される、いわゆる「捨て版」又は「空版」と称されるものもある。このような捨て版又は空版も、本実施形態に適用される平版印刷版に含まれる。
平版印刷版の形状等は特に限定されず、たとえば、厚さ0.1〜0.5mm、長辺(幅)300〜2050mm、短辺(長さ)200〜1500mmのアルミニウム板の片面又は両面に塗布膜(感光層又は感熱層等)が塗布されたもの等とすることができる。
そして、塗布膜を保護する合紙と、平版印刷版とを交互に厚さ方向に重ね合わせて、積層束16が構成される。なお、重ね合わせ方向の両端面、又は平版印刷版の所定枚数ごとに、保護シート(一般に「当てボール」と称される保護用厚紙)を配置して、平版印刷版の変形や損傷を防止できるようにしてもよい。
1つの積層束16を構成する平版印刷版の枚数は特に限定されないが、運搬や保管の効率化の観点等から、たとえば10〜200枚とすることができる。平版印刷版を10枚以上とすることにより、荷扱いの効率化を図ることができる。また、平版印刷版を200枚以下とすることにより、積層束16自体の重量が制限されることになるので、荷扱いにおける作業負荷が軽減される。
また、更に多くの平版印刷版によって積層束16を構成し、より効率的に(少ない荷扱いの回数で)運搬や保管をできるようにすることも可能である。たとえば、平版印刷版の枚数を最大で3000枚程度としてもよい。平版印刷版の種類によっては、合紙及び保護用厚紙のいずれか一方又は双方を省略して、平版印刷版の積層束16を構成してもよい。
合紙110としては、平版印刷版の塗布膜(画像形成面)を保護できれば、具体的構成は特に限定されないが、たとえば、木材パルプを100%使用した紙、木材パルプを100%使用せず合成パルプを使用した紙、及びこれらの紙の表面に低密度ポリエチレン層を設けた紙等を使用できる。特に、合成パルプを使用しない紙では、材料コストが低くなるので、低コストで合紙110を製造することができる。より具体的には、漂白クラフトパルプから抄造した坪量30〜60g/m2 、密度0.7〜0.85g/cm3 、水分4〜8%、PH4〜6の合紙110が挙げられる。但し、合紙110の具体的構成はこれに限定されるものではない。
次に、積層束16の端辺の上下に接着テープを掛け渡して、該箇所を固定する方法について説明する。図7は、この方法を説明する概念図である。同図(a)は、積層束16の斜視図であり、同図(b)は、(a)の側面図である。図7において、積層束16の端辺の上下に接着テープ15を掛け渡して該箇所が固定されている。接着テープ15による固定箇所は、積層束16の長辺のそれぞれ2箇所である。
この際、必要な長さに切断した接着テープ15を準備し、先ず、積層束16の片面(たとえば、裏面16B)に接着テープ15を接着させ、次いで、未接着部分の接着テープ15を引張りながら積層束16の端面16Cに接着させ、次いで、未接着部分の接着テープ15を引張りながら積層束16の他の面(たとえば、表面16A)に接着させる方法が好ましい。このような方法を採用することにより、接着部分の積層束16に局所的な圧縮力が印加されるとともに、接着テープ15が積層束16の端面16Cに接着され、両者の効果が相俟って、反転の際に束ずれを生じることがなくなる。
ここで使用される接着テープ15の材質、サイズ等に特に制限はなく、積層束16のサイズ、重量、平版印刷版の積層枚数等に応じて適宜の材質、サイズ等が選択できる。好ましい接着テープ15としては、たとえば、菊水社製のクラフトテープ、商品名:111−PSが使用できる。
接着テープ15による固定は、装置を使用した自動化による方法であっても、作業員の手作業であってもよい。
接着テープ15による固定済みの積層束16は、既述の積層束反転装置10により積層方向に挟持され、図7(a)の矢印Pで示される圧力が印加されながら、矢印Eで示される方向に反転される。
次に、本発明の特徴部分であるマーカー検出手段に適用される(マーカー検出手段により検出される)、マーカーの積層束16へ形成方法について説明する。既述のように、図2において、コンベア139A及びコンベア139Bの上方には、それぞれ印刷機17A、17Bが設けられており、コンベア139A及びコンベア139B上の集積束16の表面(上面)にマーカーを印刷できるようになっている。
印刷機17A、17Bの種類、仕様については、マーカーの形状、マーカーに使用されるインク等の被印刷材の材質、被印刷材の厚さ(印刷厚)等に応じて各種のものが適用できる。これに使用できる印刷機としては、たとえば、フレキソ印刷機、パット印刷機、スクリーン印刷機等が挙げられる。また、これに類似するマーキング手段として、レーザーマーカー、インクジェットプリンター等も使用できる。
また、印刷機17A、17Bを設けずに、既述のように、マーカーが積層束16の片面に施された積層束16の反対面と異なる色彩の彩色である方法を採用することもできる。この場合には、保護シートを積層される工程、又は合紙110が貼り合わされ工程等で彩色を異ならせる態様が採用できる。
本発明の特徴部分であるマーカー検出手段としては、集積束16の表面に形成されたマーカーの形状、マーカーに使用されるインク等の被印刷材の材質、被印刷材の厚さ等に応じて各種のものが適用できる。たとえば、各種イメージセンサー、テレビカメラ(撮像管)、デジタルカメラが適用できる。
次に、積層束16を反転する前に積層束の一部にマーカーを施し、積層束16を反転した後に、このマーカーを検出手段で検出し、これにより反転の有無を判別する方法について説明する。図8は、この方法を説明する概念図である。工程は、同図(a)より同図(d)の順に、すなわち矢印F方向に進行する。なお、説明の便宜のため、積層束反転装置10の図示は省略してある。
図8(a)において、積層束16の上方に位置する印刷機17が下降して積層束16の上面(表面16A)にマーカーが施される(印刷される)。ここで使用される印刷機17としては、フレキソ印刷機が使用される。また、マーカーとしては、所定サイズの「F」文字が印刷される。同図(b)において、既述の積層束反転装置10により積層方向に挟持され、挟持圧力が印加されながら、矢印Eで示される方向に反転される。同図(c)は、積層束16が90度回転して直立した状態を示し、同図(d)は、180度回転して反転し、表面16Aが下に、裏面16Bが上になった状態を示している。同図(d)において、マーカー検出手段19によりマーカーの有無が検出されている。このマーカーの有無の検出結果より、図示しない判別手段により反転の有無が判別される。
このマーカー検出手段19の設置位置は、積層束16が反転された以降、かつ、積層束16がパレット133に積み重ねられる以前であれば特に制限はない。たとえば、積層束反転装置10の機上(たとえば、枠体24)に設けられたり、搬送部135のいずれかの位置に設けられたりできる。
次に、積層束反転装置10によって積層束16を反転する方法について説明する。積層束反転装置10において、通常の状態では、図5及び図6に示されるように、ガイド板32は互いに離間した位置にあり、搬送ベルト46の搬送部よりも離れた位置にある。
先ず、図6に示される状態において、加工ラインの上流側の搬送コンベア12が駆動されて積層束16が搬送される。これに伴い、コンベア駆動モータ38(図3参照)が駆動され、搬送ベルト46が同期して駆動される。これにより、積層束16は、下側の搬送ベルト46によって、積層束反転装置10の反転位置まで搬送される。この際、積層束反転装置10の搬送速度が低下したり、積層束反転装置10の搬送が停止したりすることはない。
積層束16が下側の搬送ベルト46によって反転位置まで搬送されると、位置センサー(図示略)が積層束16を検知し、この情報を制御装置に送る。この情報を受けて、制御装置はコンベア駆動モータ38の駆動を停止させる。これにより、積層束16は、積層束反転装置10の反転位置で停止する。
次いで、ニップ用シリンダー28、28が駆動され、支持板26、26が互いに接近する。これにより、図9に示されるように、積層束16は下側の支持板26に持上げられて搬送ベルト46から浮き上がり、上下のガイド板32、32によって、積層方向に挟持される。積層束16が挟持された状態で、ニップ用シリンダー28、28の駆動が停止されるので、積層束16が厚さ方向に過度に挟持される不具合は生じず、平版印刷版の品質に問題が生じることはない。
次いで、反転用モータ50が駆動(正転)され、枠体24が中心線C回りに回転する。そして、枠体24の回転角度が180度に達すると、これを角度センサー54が検知し、これを受けて反転用モータ50の駆動が停止される。この状態が、図10に示される。すなわち、搬送挟持ユニット48は反転されて上下面が入れ替わる。ガイド板32に挟持された積層束16も反転される。
次いで、ニップ用シリンダー28、28が駆動され、支持板26、26が互いに離間される。これにより、積層束16の挟持は解除され、積層束16は下側になった搬送ベルト46上に支持される。この状態で、コンベア駆動モータ38が駆動され、搬送ベルト46が循環する。これにより、反転された積層束16は、加工ラインの下流側の搬送コンベア14に搬送される。以上で、積層束16の反転が終了する。
なお、次の積層束16を反転させるときは、枠体24を回転させる必要がない。すなわち、枠体24を回転させ初期状態に戻すことなく、上下の搬送挟持ユニット48、48の間に積層束16を受け入れ、反転させればよい。
以上、本発明に係る積層束反転方法の実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、図8に示される態様では、マーカーは「F」の文字であったが、図2に示される印刷機17A、17B毎にマーカーを変えてもよい。たとえば、上側の印刷機17Aによるマーカーを「F2」の文字とし、下側の印刷機17Bによるマーカーを「F1」の文字とする。印刷後の積層束16は、図2に示されるリフター・コンベア141で合流することになるが、マーカーを識別することにより、集積部132A及び集積部132Bのうちどちらの集積部132で集積されたかが判別できる。これにより、後工程の検査によって品質不良が発見された場合、いずれの集積部132側に起因するかが容易に解り、これに容易に対処可能となる。
また、マーカーを1種類又は2種類施すことに代えて、処理順に連番として印刷する態様も採用できる。この場合であっても、連番が奇数か偶数かで、印刷機17A、17Bのいずれによるかの判別は容易である。
また、実施形態の積層束反転装置10において、搬送ベルト46に代えて、コンベアロールが用いられる構成の装置とすることもできる。
また、実施形態の積層束反転装置10において、積層束16を1束ずつ反転する態様が採用されているが、積層束16を複数束並列に並べ、これを同時に反転する態様とすることもできる。
更に、積層束16の包装としては、特開2001−21997に示されたような平版包装機でアルミクラフト紙などで内装を施した後積層束16を段ボール等で包装した外装用の容器に収納し、この容器の表面にマーカーを施す態様も採用できる。図11は、積層束16を外装用の容器160に収納する工程を示す説明図であり、図12は、外装用の容器160に施したマーカー162、164を示す説明図である。
図11において、同図(a)に示されるように、図示しないコンベアによって、矢印方向に、展開した段ボール製の容器160と積層束16が搬送される。次いで、同図(b)に示されるように、段ボール製の容器160が矢印方向に折り畳まれて、積層束16が内部に収納される。同図(c)は、積層束16が収納された容器160の断面図であり、容器160の両側部の内側が接着剤160Aにより固定されている。
図12において、段ボール製の容器160の上面には品種ラベル162が貼着されており、段ボール製の容器160の側面には印字164が施されている。この印字164は、品種、ロット番号、製品サイズ等の区分け印字であり、インクジェットプリンタ等によってなされる。更に、包装形態としては、上記の包装形態に限ったものではなく、シュリンク包装やスキッド台を用いた一括包装などを平版印刷版の包装形態全般に応用可能である。
以上説明したように、本発明によれば、積層束を反転させる際に、この積層束の一部に設けられたマーカーを検出手段で検出し、これにより反転の有無を判別する。したがって、反転の有無が確実に判別でき、その結果、歩留りや生産性を向上させ、一貫加工も可能となる。
[実施例1]
既述の積層束反転装置10を使用して積層束16の反転及びマーカー検出による反転の有無の判別試験を行った。平版印刷版として厚さ0.24mm、サイズ1030×800mmのPS版(富士フイルム社製、品種名:LH−P1)を使用した。積層束16の構成としては、この平版印刷版の印刷面が上面になるように、合紙110を介して30枚積層した。そして、積層体の上下面に保護シートとして、平版印刷版と同一サイズで厚さが0.8mmの厚紙を配した。この積層束16を複数準備した。
既述の積層束反転装置10を使用して積層束16の反転及びマーカー検出による反転の有無の判別試験を行った。平版印刷版として厚さ0.24mm、サイズ1030×800mmのPS版(富士フイルム社製、品種名:LH−P1)を使用した。積層束16の構成としては、この平版印刷版の印刷面が上面になるように、合紙110を介して30枚積層した。そして、積層体の上下面に保護シートとして、平版印刷版と同一サイズで厚さが0.8mmの厚紙を配した。この積層束16を複数準備した。
接着テープ15として、菊水社製のクラフトテープ、商品名:111−PSを使用した。接着テープ15のサイズを幅25mm、長さ100mmに切断して積層束16を固定した。接着テープ15を固定する態様は、図7(a)に示される状態であり、積層束16の長辺(1030mmの辺)の端部より100mmの位置とした。
積層束反転装置10に搬送する前に、積層束16の下面の保護シートの略中央部にフレキソ印刷機によりIDマークを印字した。積層束反転装置10による反転後にはこのIDマークは積層束16の上面に来る。したがって、作業者による目視の監視作業においても、IDマークの有無の判別は容易であり、また、マーカー検出手段19によるIDマークの有無の検出、判別手段による反転の有無の判別にも問題はなかった。
図1に示されるPS版の加工ライン100を稼働させて、上記仕様の積層束16の反転及びマーカー検出による反転の有無の判別試験を7時間に亘って行った。その結果、誤動作は生じず、本発明の効果が確認できた。
[実施例2]
既述の積層束反転装置10を使用して積層束16の反転及びマーカー検出による反転の有無の判別試験を行った。平版印刷版として厚さ0.24mm、サイズ1030×800mmのPS版(富士フイルム社製、型番:LH−P1)を使用した。積層束16の構成としては、この平版印刷版の印刷面が上面になるように、合紙110を介して30枚積層した。
既述の積層束反転装置10を使用して積層束16の反転及びマーカー検出による反転の有無の判別試験を行った。平版印刷版として厚さ0.24mm、サイズ1030×800mmのPS版(富士フイルム社製、型番:LH−P1)を使用した。積層束16の構成としては、この平版印刷版の印刷面が上面になるように、合紙110を介して30枚積層した。
そして、積層体の上下面に保護シートとして、平版印刷版と同一サイズで8層の故紙を配した。なお、反転前の下面の保護シートが上面の保護シートと異なる彩色となるように、反転前の下面の保護シートには鉱物性白色染料を含むカラーを塗布した。積層束反転装置10による反転後にはこのカラーは積層束16の上面に来る。
接着テープ15による固定は実施例1と同様とした。そして、この積層束16を複数準備した。
カラー検出による反転の有無の判別試験を行ったところ、作業者による目視の監視作業においても、カラーの判別は容易であり、また、マーカー検出手段19としてキーエンス社の光学センサー(型番:CZ−V1)を使用したところ、カラーの検出、判別手段による反転の有無の判別にも問題はなかった。
10…積層束反転装置、12、14…搬送コンベア、15…接着テープ、16…積層束、17…印刷機、19…マーカー検出手段、22…装置本体、48…搬送挟持ユニット、100…加工ライン、104…ウエブ、110…合紙、128…PS版
Claims (7)
- 複数の板状材が積層された積層束を反転手段により反転させ、前記積層束の上下面を識別する板状材積層束の反転識別方法であって、
搬送手段で前記積層束を所定の反転位置まで搬送する工程と、
搬送された前記積層束を前記反転手段の挟持部材で積層方向に挟持する工程と、
挟持された前記積層束を前記反転手段の反転部材で反転させる工程と、
前記積層束の一部に設けられたマーカーを検出手段で検出し、これにより反転の有無を判別する工程と、
を有することを特徴とする板状材積層束の反転識別方法。 - 前記マーカーが前記積層束の片面に設けられたマークであることを特徴とする請求項1に記載の板状材積層束の反転識別方法。
- 前記マーカーが前記積層束の片面に施された前記積層束の反対面と異なる色彩の彩色であることを特徴とする請求項1に記載の板状材積層束の反転識別方法。
- 前記積層束の最上層と最下層には保護シートが配されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の板状材積層束の反転識別方法。
- 前記反転手段は、
前記搬送手段で搬送され所定の反転位置で停止された前記積層束を積層方向に挟持する挟持部材と、
前記挟持部材を反転させる反転部材と、
を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の板状材積層束の反転識別方法。 - 複数の板状材が厚さ方向に積層されて構成された積層束を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段で搬送され所定の反転位置で停止された前記積層束を積層方向に挟持する挟持手段と、
前記挟持手段によって前記積層束が挟持された状態で、前記挟持手段を反転させる反転手段と、
前記積層束の一部に設けられたマーカーを検出手段で検出し、これにより反転の有無を判別する判別手段と、
を有することを特徴とする板状材積層束の反転装置。 - 複数のPS版が厚さ方向に積層されて構成された板状材積層束であって、
前記積層束の片面にマーカーが設けられ、該マーカーが前記積層束の反対面と異なる色彩の彩色であることを特徴とする板状材積層束。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106829822A (zh) * | 2017-04-25 | 2017-06-13 | 上海振华重工(集团)股份有限公司 | 一种板材件翻转设备 |
US9701503B2 (en) | 2014-11-10 | 2017-07-11 | Jsoffset Corporation | Non-printed paper supply apparatus used for single-side printer |
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2003
- 2003-09-16 JP JP2003323353A patent/JP2005089062A/ja active Pending
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