JP2005088807A - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】故障時等に、フェールセーフバルブへの電源供給を確実に遮断することで、パワーシリンダ室の差圧を解消し、運転者のノンアシスト操舵を達成可能なパワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】 油圧パワーシリンダの両圧力室に対し第1及び第2通路を介して油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、前記可逆式ポンプを正・逆回転させる電動機と、必要操舵補助力に基づき、前記電動機に所望の油圧を発生させるために前記電動機に対して駆動信号を出力する電動機制御手段と、前記第1及び第2通路を連通するように設けられた連通路と、前記連通路に設けられ、通電時には該連通路を遮断し、電源の遮断時には連通路を連通するように設けられた電磁弁と、前記電磁弁の通電回路上であって、前記電磁弁と電源との間に設けられた第1リレーと、前記電磁弁と接地との間に設けられた第2リレーと、を有することとした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電動モータでポンプを駆動することで操舵アシストするパワーステアリング装置に関する。
従来、パワーステアリング装置にあっては、操舵トルクを検出するトルクセンサの出力に基づき電動モータを駆動してオイルポンプを駆動し、ピストンで区切られたパワーシリンダの2室の一方の室の油圧を高めることで操舵アシストする技術が知られている。ここで、運転者の操舵によって左右のシリンダ室に差圧が生じているときに、ポンプの異常等によりポンプが停止すると、シリンダ室の圧力差が大きいときは、ステアリングがロックしてしまう。そこで、2室のパワーシリンダ室を連通するバイパス回路と、このバイパス回路の連通・非連通状態を切換可能なフェールセーフ用の電磁弁を設けた技術が特許文献1に開示されている。
この技術では、パワーステアリング装置に何らかの異常が発生したときは、電磁弁を連通状態とし、左右のパワーシリンダ室の差圧を解消することで、運転者の操舵によるノンアシスト操舵(以下、マニュアルステアと記載する)を可能としている。
特開2002−145087号公報(図1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の電動油圧パワーステアリング装置にあっては、下記に示す問題があった。すなわち、電磁弁は、電源供給が不能に陥った場合に、確実に運転者の操舵によるマニュアルステアを実現することを目的としている。よって、ノーマルオープン弁を使用しており、電磁弁への電源供給が遮断されて始めて左右のパワーシリンダ室の差圧を解消(すなわちノンパワーアシスト)することができる。
電磁弁に電源を供給している電源供給回路上には、ON・OFFを切換可能なリレーが設けられており、異常が発生したときは、リレーをOFFとすることで電磁弁を開いた状態とすることができる。このとき、電磁弁の通電回路が電源に天絡するような場合、電磁弁への電源供給を遮断することができなくなり、運転者のマニュアルステアを達成できない虞があった。
本発明は、上述の問題点に着目してなされたもので、故障時等に、フェールセーフ用の電磁弁への電源供給を確実に遮断することで、パワーシリンダ室の差圧を解消し、運転者のマニュアルステアを達成可能なパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため本願発明では、電磁弁への通電回路上であって、電磁弁と電源との間に第1リレーを設け、電磁弁と接地との間に第2リレーを設けた。これにより、電磁弁が天絡した場合であっても、第2リレーにより確実にOFF状態を確保することが可能となり、故障時等にパワーシリンダ室の差圧を確実に解消し、運転者のマニュアルステアを確保することができる。
以下、本発明のパワーステアリング装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例1におけるパワーステアリング装置の全体構成を表すシステム図である。まず、構成について説明する。パワーステアリング装置は、ステアリングホイール1、ステアリングシャフト2、ラックアンドピニオン式ギア機構3、運転者の操舵力をアシストするパワーステアリング機構5、電動モータ6aにより駆動する外接ギア型のオイルポンプ6、操舵輪7、運転者にステアリング系に故障が発生したことを報知する警告灯8、ステアリングコントロールユニット10(以下、SBWCUと記載する)から構成されている。
パワーステアリング機構5の油圧源であるオイルポンプ6は、パワーシリンダ5aの第1シリンダ室51及び第2シリンダ室52を連通する油圧管61に設けられている。運転者がステアリングホイール1を操作すると、操作方向に応じて電動モータ6aの回転方向が切り換えられ、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52との間の油を給排することで運転者の操舵力をアシストする。具体的には、図中ステアリング1を右に操舵すると、第2シリンダ室52から第1シリンダ室51に油圧が供給される方向に電動モータ6aが駆動することでアシストする。
油圧管61には、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52とを、オイルポンプ6を介すことなく連通するバイパス回路62が設けられている。このバイパス回路62上には、コントロールユニット10からの指令信号に基づいて作動する電子制御式の電磁弁4が設けられている。
この電磁弁4は、コントロールユニット10からの指令信号により電圧が供給されると閉じた状態となり、電圧の供給がない状態では開いた状態となるノーマルオープン弁を用いている。これにより、ステアリング系に何らかの異常が発生し、電源の供給をシャットダウンした場合であっても、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52を連通状態とすることが可能となり、アシストトルク無しの通常の操舵(マニュアルステア)を確保することができる。
また、ステアリングシャフト2には、運転者の操舵トルクを検出するトルクセンサ12が設けられている。
コントロールユニット10には、トルクセンサ12からの操舵トルク信号、イグニッションスイッチ13からのIGN信号、エンジン回転数センサ14からのエンジン回転数信号、車速センサ15からの車速信号が入力される。これら入力された信号に基づいて、オイルポンプ6の電動モータ6a、電磁弁4及び警告灯8へ指令信号を出力する。
図2はコントロールユニット10内の構成を表すブロック図である。電源回路101は、バッテリ11からの電圧信号、及びイグニッションスイッチ13からのIGN信号が入力され、メインマイコン107と信号を送受信する。
エンジン回転数処理回路102は、エンジン回転数センサ14からのエンジン回転数信号をメインマイコン107へ出力する。トルクセンサ処理回路103は、トルクセンサ12からのトルク信号をメインマイコン107に出力すると共に、サブマイコン108へ出力する。車速信号処理回路104は、車速センサ15からの車速信号をメインマイコン107へ出力する。診断回路105は、コネクタ16を介して入力される診断信号をメインマイコンに出力する。CAN通信回路106は、車両系CANによって送信される信号をメインマイコン107に出力する。
サブマイコン108は、メインマイコン107を監視する。メインマイコン107にフェールが発生したときは、フェールセーフリレー109,第1リレー116及びウォーニングランプ駆動回路117へ制御信号を出力可能に構成されている。
フェールセーフリレー109は、何らかのフェールが発生したときは、モータ駆動用の電源供給を遮断する。EEPROM110は、制御に必要な各種データを格納すると共に、データを更新可能な構成となっている。フェールセーフリレー診断入力回路111は、フェールセーフリレー109の作動診断信号をメインマイコン107へ出力する。モータ駆動回路112は、メインマイコン107からの指令信号に基づいて電動モータ6aへ電圧を供給する。電流モニタ回路113は、電動モータ6aの電流値を検出し、メインマイコン107へ出力する。モータ端子電圧回路114は、電動モータ6aの端子電圧をメインマイコン107へ出力する。モータ回転信号処理回路115は、電動モータ6aの回転数をメインマイコン107へ出力する。
第1リレー116は半導体リレーから構成され、メインマイコン107もしくはサブマイコン108からの指令信号に基づいて、電磁弁4に対し駆動信号を出力する。ウォーニングランプ駆動回路117は、メインマイコン107もしくはサブマイコン108からの指令信号に基づいて、警告灯8に対し指令信号を出力する。
このように、第1リレー116として、スイッチング速度の速い半導体リレーを用いることとした。よって、電磁弁4を、フェールセーフ用以外にも利用することができる。例えば、運転者の素早いステアリング切り返し動作時に、電磁弁4をPWM制御等によって所望の連通量を確保し、第1シリンダ室51及び第2シリンダ室52の差圧を素早く解消するといった制御にも適用できる。
第2リレー118は、リレー駆動回路118aとメカニカルリレー118bから構成され、メインマイコン107もしくはサブマイコン108からの指令信号に基づいて、電磁弁4の接地状態を切り換える。メカニカルリレー118bがONのときは、電源供給によって電磁弁4が駆動し、メカニカルリレー118bがOFFのときは、電源供給状態に係わらず電磁弁4は駆動しない。すなわち、電磁弁4への電源供給回路上に電源ラインが天絡したとしても、確実に電磁弁への電源供給を遮断する。
このように、第2リレー118として、メカニカルリレーを用いることとした。すなわち、第1リレー116(半導体リレー)とは異なる構成のメカニカルリレーを設けることで、同じ原因による故障を防止することが可能となり、どちらか一方のリレーの作動を確保することができる。特に、メカニカルリレーは耐久性に優れているため、より故障を防止することができる。尚、第2リレー118として半導体リレーを設け、この半導体リレーを第1リレー116とは異なる容量を持つリレーとすることで、同じ原因による故障を防止してもよい。
ここで、電磁弁4の上流側と下流側の両方にリレーを設けた理由について説明する。図2は回路基板の構成を表す概略図である。図2に示すように、回路基板上には電源系回路(フェールセーフリレー109やモータ駆動回路112に接続される回路)と、フェールセーフバルブ制御系回路(第1リレー116等)とが共存しているため、異物(金属くずの混入や半田付け不良等)が両者を橋絡し、天絡してしまう虞がある。特に、基板上の回路は金属面が露出しているため、この点についての対策を十分に施す必要がある。
また、基本的にパワーステアリングユニットは、車両搭載時に電源系と電磁弁制御系のハーネス同士が一緒に束ねられる。このとき、近年、車両のコンパクト化が進み、非常にスペース的に厳しい箇所にパワーステアリングユニットを搭載することになる。両者のハーネスはビニルコーティングされているため、両者の間でショートサーキットが発生するという可能性は低いものの、その点も考慮してリレーを2つ設けている。
(フェールセーフ制御)
次に、パワーステアリング装置のフェールセーフ制御について説明する。図3はフェールセーフ制御を表すフローチャートである。
ステップ201では、システムに異常が発生したかどうかを判断し、異常発生時はステップ207へ進み、それ以外はステップ202へ進む。
ステップ202では、フェールセーフバルブ4の上流駆動回路である第1リレー116を駆動する。
ステップ203では、電磁弁4の下流駆動回路である第2リレー118を駆動する。
ステップ204では、電磁弁4を閉じる。
ステップ205では、警告灯8が点灯しているときは消灯指令を出力し、消灯しているときはその状態を維持する。
ステップ206では、トルクセンサ値に基づいて電動モータ6aへ回転指令を出力する。
ステップ207では、電磁弁4の上流駆動回路である第1リレー116を遮断する。
ステップ208では、電磁弁4の下流駆動回路である第2リレー118を遮断する。
ステップ209では、フェールセーフバルブ4を開く。
ステップ210では、警告灯8に点灯指令を出力する。
ステップ211では、電動モータ6aへの電源を遮断する。
以上説明したように、実施例1のパワーステアリング装置にあっては、電磁弁への電源供給線上であって、電磁弁と電源との間に第1リレー116を設け、電磁弁と接地との間に第2リレー118を設けたこととした。これにより、第1リレー116と電磁弁4の間で電源が天絡し、第1リレー116の遮断によっても電磁弁4への電源供給を遮断できない状況が発生したとしても、第2リレー118によって接地を遮断することができる。よって、電磁弁4への電源供給を確実に遮断することが可能となり、フェール発生時に運転者のマニュアルステアを確保することができる。
更に、上記実施例から把握しうる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1リレーと前記第2リレーを、異なる容量、もしくは異なる形式のリレーとしたことを特徴とするパワーステアリング装置。
よって、同じ原因による故障によって同時に作動不良に陥るといったことがなく、確実に電磁弁への電源供給を遮断することができる。
(ロ)請求項1または上記(イ)に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1リレーを半導体リレーとし、前記第2リレーをメカニカルリレーとしたことを特徴とするパワーステアリング装置。
第1リレーを半導体リレーとすることで、電磁弁をPWM制御等によりフェールセーフ以外の目的で使用することができる。また、第2リレーをメカニカルリレーとすることで、耐久性が向上するため、確実に電磁弁への電源供給を遮断することができる。
(ハ)請求項1または上記(イ)または上記(ロ)に記載のパワーステアリング装置において、
1つの回路基板上に、前記電動機制御手段及び前記第1,第2リレーを設け、
前記電動機制御手段及び前記第1,第2リレーを、前記回路基板の同一側面に配置しつつ、電源供給ラインを前記同一側面から配索することを特徴とするパワーステアリング装置。
回路基板の同一側面に駆動指令を出力する駆動回路等を配置し、電源供給ラインを同一側面から配策することで、回路基板の構成をコンパクトにしつつ、電源供給ラインを束ね易くすることが可能となり、車両搭載性の向上を図ることができる。また、このように電動機への電源供給ラインと、電磁弁への電源供給ラインが近接し、天絡したとしても、第1リレー及び第2リレーによって、確実に電磁弁への電源供給を遮断することができる。
本発明の実施の形態におけるパワーステアリング装置の全体構成を表す概略図である。 実施の形態における制御回路を表すブロック図である。 実施の形態におけるフェールセーフ制御を表すフローチャートである。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ギア機構
4 電磁弁
5 パワーステアリング機構
51,52 パワーシリンダ室
6 オイルポンプ
6a 電動モータ
7 操舵輪
8 ウォーニングランプ
10 コントロールユニット(SBWCU)
11 バッテリ
12 操舵トルクセンサ
13 IGNスイッチ
14 エンジン回転数センサ
15 車速センサ
107 メインマイコン
108 サブマイコン
116 第1リレー
118 第2リレー

Claims (1)

  1. 操舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    前記油圧パワーシリンダの両圧力室に対し第1及び第2通路を介して油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、
    前記可逆式ポンプを正・逆回転させる電動機と、
    前記操舵輪に与えるべき必要操舵補助力を検出する必要操舵補助力検出手段と、
    前記必要操舵補助力検出手段によって検出された必要操舵補助力に基づき、前記電動機に所望の油圧を発生させるために前記電動機に対して駆動信号を出力する電動機制御手段と、
    前記第1及び第2通路を連通するように設けられた連通路と、
    前記連通路に設けられ、通電時には該連通路を遮断し、電源の遮断時には連通路を連通するように設けられた電磁弁と、
    前記電磁弁の通電回路上であって、前記電磁弁と電源との間に設けられた第1リレーと、前記電磁弁と接地との間に設けられた第2リレーと、
    を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
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JP2014234101A (ja) * 2013-06-04 2014-12-15 株式会社ジェイテクト アクチュエータ制御装置

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