JP2005088206A - 液滴吐出ヘッド、その製造方法および前記液滴吐出ヘッドを用いた液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フルライン式液滴吐出ヘッドは、複数のエネルギー発生素子4を有する素子基板3を複数配列したベース基板2と、エネルギー発生素子4に対応した流路溝6および液滴の吐出口7が設けられたノズル板5とを接合することによって形成される。素子基板3にはアライメントマーク11が形成されており、ベース基板2上に素子基板3を配列するとき、ベース基板2上で素子基板3に付されたアライメントマーク11を認識し、画像処理により隣接する素子基板3のアライメントマーク11が所定の位置関係となるように、ずれを補正しながら位置決めして固定する。
【選択図】図1
Description
請求項1に記載の液滴吐出ヘッドは、素子基板にアライメントマークあるいは位置合わせ用切り欠きパターンが形成されていることにより、配列される素子基板の位置補正が容易に行え、かつ素子基板を高精度に配列することができる。
本発明は、複数のエネルギー発生素子を有する素子基板を複数配列したベース基板と、前記複数のエネルギー発生素子に対応した流路を構成するための溝および液滴を吐出するための吐出口が設けられたノズル板とを接合することによって形成される液滴吐出ヘッドにおいて、前記素子基板に該素子基板を配列するためのアライメントマークあるいは位置合わせ用切り欠きパターンが形成されていることを特徴とする。
この場合、アライメントマークあるいは位置合わせ用の切り欠きパターンは素子基板が配列される方向の面に形成し、ベース基板上に配列する素子基板の高精度な微細接合を実現する。
これにより、配列される素子基板の位置補正が容易に行え、かつ素子基板の高精度な配列が実現する。
図1は、本発明の実施例1の液滴吐出ヘッドを示す分解斜視図である。
図1に示す実施例1の液滴吐出ヘッドは、吐出密度600dpiで形成された、A4縦対応のフルライン式液滴吐出ヘッドを示しており、ガラス基板あるいはシリコンからなるベース基板2上に、シリコンで形成された素子基板3が配列接合されており、セラミックスあるいは金属等で形成された下部フレーム1に固定されている。
図2は、ベース基板上に素子基板を配列する工程の概略を示す図で、図2(A)は、ベース基板上に素子基板を配列する際の様子を示す斜視図、図2(B)は、素子基板を拡大して示す上面図である。
ここで、素子基板3にはエネルギー発生素子4の形成と同時に、チップ両端に位置決め用のアライメントマーク11が形成されている。図2(B)に示すように、アライメントマーク11は、隣り合う素子基板3とのX方向の間隔が測定可能なように1μm間隔の目盛パターンであるX方向アライメントマーク11xと、Y方向のずれを補正するための棒状パターンであるY方向アライメントマーク11yが形成されており、隣合う素子基板3,3間での配置を高精度に制御可能としている。
接合機は、ベース基板2が載置されるXYステージ21、搬送アーム23、光学系24を有する画像処理装置25等からなる。
XYステージ21上に支持されたベース基板2の所定位置上に素子基板3を配列する作業は、まず搬送アーム23が素子基板3をピックアップし、XYステージ21上のベース基板2上に搬送する。
次に、光学系24および画像処理装置25によって素子基板3に付されたアライメントマーク11を認識し、認識したアライメントマーク11の画像を処理して、隣接する素子基板3に付された隣接するアライメントマークが所定の位置関係となるように、XYステージ31のXY駆動機構22を動作させて素子基板3の位置決めを行う。
その後、搬送アーム23を下降し、ベース基板2上に素子基板3を配置する。素子基板3は裏面側からの真空吸着(不図示)あるいは、予め塗布された接着剤によって固定される。ここで、ベース基板2には搬送アーム23が下降可能な切り欠き部13が形成されている。
素子基板3の配列位置の位置決めには、隣接した素子基板3の間隔(各両端のエネルギー発生素子4の間隔)が、X方向のアライメントは素子基板3の両端に設けられたX方向アライメントマーク11xによって、前記隔壁幅12μmと同等になるように、また同時にY方向についてはY方向アライメントマーク(棒状パターン)11yが一致するように、XYステージ21が動作することによって、素子基板3の配置位置が決定される。このようにしてベース基板2上に6個の素子基板3が配列される。
図6は、ノズル板とベース基板の接合関係の概略を示す斜視図である。
ノズル板5は、シリコンにより形成された流路プレートと、樹脂によって形成された吐出口プレートを接合することによって形成されている。ノズル板5は、高密度に流路溝6を形成するため、微細加工性に優れたものでなければならない。また、耐インク性、機械強度に優れたものであることが望ましく、シリコン以外にもセラミックス系材料、樹脂、金属等を用いてもよい。上記によって形成されたノズル板5を素子基板3が配列されたベース基板2に接合するのと同時に、ベース基板2に加工されている搬送用切り欠き部13が封止される。ここで、ノズル板5とベース基板2の接合位置は、ノズル板5に形成されたノズル板側アライメントマーク15によって位置決めされる。
その後、セラミックスあるいは金属等で形成された上部フレーム9を接合する。このようにして、210mm幅(A4縦幅)のフルライン式液滴吐出ヘッドが形成される。
図4は、実施例2の液滴吐出ヘッドに用いるベース基板と素子基板を示す図で、図4(A)は、ベース基板の斜視図、図4(B)は、ベース基板に素子基板を配列している状態の斜視図である。
図4に示す実施例2の液滴吐出ヘッドに用いる素子基板3には、アライメント用切り欠き12が形成されている。また、ベース基板2には前記アライメント用切り欠き12と同形状のベース基板側切り欠き14が加工されている。これによって、ベース基板2上への素子基板3の配列を機械加工精度で実現するものである。配列される素子基板3の配置位置の微調整は、実施例1によるX方向、Y方向のアライメントマークを併用しても差し支えない。
上記以外の形成方法は実施例1に準じるため、説明は省略する。
図5は、素子基板にアライメント用切り欠きを形成する方法を説明するための概略図である。
素子基板3に形成されるアライメント用切り欠き12は、シリコンウェハ31上に形成されたエネルギー発生素子チップを素子基板3に分割するダイシング工程で形成される。本実施例では、チップダイシングはレーザ式ダイシング法によって、ダイシングライン32に沿ってダイシングされる。現在広く用いられているダイヤモンド刃を用いたブレード式のダイシング法では、チップ端面のバリが少なくとも10μm程度生じるため、素子基板3の端面精度、あるいは任意の形状を形成することが比較的困難である。また、本発明においては、素子基板3を形成するシリコンウェハ31の厚さは280μm以下が望ましく、これによって前記チップダイシング時にさらに高い機械精度を得ることが可能となり、素子基板3の高密度な配列が実現できる。
図7は、実施例3のフルライン式液滴吐出装置の全体構成を示す断面図である。
フルライン式液滴吐出装置41は自動給紙装置を有し、給紙部42、送紙部(ベルト搬送装置)43、排紙部44、記録ヘッド(画像形成手段)47の構成要素を備えている。
以下、これらを項目に分け(A)給紙部、(B)送紙部、(C)記録ヘッド部、(D)排紙部として順次説明を行う。
給紙部42は、シート材としての記録紙Pを積載する圧板51と、記録紙Pを給紙する給送回転体52がベース50に取り付けられる構成となっている。圧板51は、ベース50に結合された回転軸51aを中心に回転可能で、圧板バネ54により給送回転体52に付勢される。
90は、手差し給紙用の給送回転体である。手差しトレイ91上に設置された記録紙Pをコンピュータの記録命令信号に従って、給送回転体90で給紙し、搬送ローラ62部へ搬送するものである。
送紙部43は、記録紙Pを吸着して搬送する担持面を備えた搬送ベルト61と不図示のPEセンサー(PE:ペ−パ−エッジセンサー(フォトコーダー等))を有している。
搬送ベルト61は、駆動ローラ64によって駆動され、従動ローラである搬送ローラ62及び加圧ローラ65によって巻架されている。
実施例3の液滴吐出装置(記録装置)で用いる記録ヘッド47は、記録紙Pの搬送方向と直交する方向(搬送幅方向)に記録領域の全幅にわたって複数の吐出口であるノズルが配列されたフルライン式の液滴吐出ヘッドが用いられている。
液滴吐出ヘッドはヘッドホルダ47aに取り付けられ、記録紙P搬送方向上流側から47K(黒)、47C(シアン)、47M(マゼンタ)、47Y(イエロー)の順に所定間隔で配置されている。
排紙部44は、排紙ローラ71と拍車72とによって構成され、記録部で画像形成された記録紙Pは、排紙ローラ71と拍車72とに挟まれ、搬送されて排紙トレイ73に排出される。
Claims (8)
- 複数のエネルギー発生素子を有する素子基板を複数配列したベース基板と、前記複数のエネルギー発生素子に対応した流路を構成するための溝および液滴を吐出するための吐出口が設けられたノズル板とを接合することによって形成される液滴吐出ヘッドにおいて、前記素子基板に該素子基板を配列するためのアライメントマークあるいは位置合わせ用切り欠きパターンが形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記アライメントマークあるいは位置合わせ用切り欠きパターンは、前記素子基板が配列される方向の端面に沿った表面に形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 複数のエネルギー発生素子を有した素子基板を複数配列したベース基板と、前記複数のエネルギー発生素子に対応した流路を構成するための溝および液滴を吐出するための吐出口が設けられたノズル板とを接合することによって形成される液滴吐出ヘッドにおいて、前記ベース基板に前記素子基板を配列するためのアライメントマークあるいは位置合わせ用切り欠きパターンが形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 複数のエネルギー発生素子を有した素子基板を複数配列したベース基板と、前記複数のエネルギー発生素子に対応した流路を構成するための溝および液滴を吐出するための吐出口が設けられたノズル板とを接合することによって形成される液滴吐出ヘッドにおいて、前記ベース基板に前記ノズル板を接合するためのアライメントマークあるいは位置合わせ用切り欠きパターンが形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記ベース基板は、シリコンあるいはガラス基板で形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記素子基板は、280μm厚以下のシリコンで形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 複数のエネルギー発生素子を有する素子基板を複数配列したベース基板と、前記複数のエネルギー発生素子に対応した流路を構成するための溝および液滴を吐出するための吐出口が設けられたノズル板とを接合する液滴吐出ヘッドの製造方法において、アライメントマークあるいは位置合わせ用切り欠きパターンを設けた前記素子基板を用い、前記ベース板上に前記素子基板を搬送し、搬送された前記素子基板の前記アライメントマークあるいは位置合わせ用切り欠きパターンを認識し、認識した前記アライメントマークあるいは位置合わせ用切り欠きパターンの画像を画像処理して前記素子基板のずれを補正しながら、前記ベース基板に前記複数の素子基板を固定することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドによって形成されたことを特徴とする液滴吐出装置。
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