JP2005087580A - ゲーム兼用自動車 - Google Patents

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千晴 田村
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秀明 桜井
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Abstract

【課題】 臨場感が味わえ,設置が容易で開始や終了のために手間がかからない自動車ゲームを実行できるゲーム兼用自動車を提供すること。
【解決手段】 本発明のゲーム兼用自動車10は,ステアリングホイール13や各ペダル等の運転操作部材群を有する自動車に,ゲーム用コンピュータ11と,ゲーム用コンピュータ11からの画像情報に基づいて画像を表示する表示装置18と,運転操作部材群の各操作状態を検出してゲーム用コンピュータへ報知する操作状態センサ群(回転変位センサ23,ストロークセンサ24,25等)とを備え,操作状態センサ群からの各操作状態に基づいてゲーム用コンピュータ11でゲームを実行し,ゲームの実行に基づく画像を表示装置18に表示するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は,自動車の運転を擬似的に行う自動車ゲームの実行が可能なゲーム兼用自動車装置に関する。さらに詳細には,通常の運転が可能な実際の車両を使用して,自動車ゲームをも行えるようにしたゲーム兼用自動車に関するものである。
従来より,自動車の運転を擬似的に行う自動車ゲームには,さまざまなものがある。例えば,ゲームセンタ等で使用される模擬車両に乗り込んで行うゲームもある(例えば,特許文献1参照。)。このような模擬車両は,複数のアクチュエータによって支えられ,ユーザがさまざまなゲーム展開に応じた動きを体感できるように制御される。最近では,ゲーム内容や進行状況に応じて模擬車両の多様な動きを再現して,リアリティの高いゲーム装置となっているものもある。しかし,模擬車両は大きく高価なものであって,個人的に所有することは難しいため,手軽にできるものではなかった。
一方,家庭用ゲーム機やパソコン等にドライブ用コントローラを取り付けて行う自動車ゲームもさまざまなものがある。このようなものは手軽で,設置場所を選ばないものであるが,臨場感に富んでいるとは言い難い。
これらに対し,実際の自動車のフロントガラスの前方(車外)にスクリーンを設置し,車室内等に設けられたプロジェクタによってそのスクリーンにゲーム画像を投射することによるゲーム装置も提案されている(例えば,特許文献2参照。)。この文献に記載されているゲーム装置では,フロントガラスからある程度前方に離れた位置に大きなスクリーンを設置する。ユーザは自動車のシートに座り,車室内からフロントガラスを透してスクリーンを見ながら,擬似的ステアリングや擬似的ペダル等のコントローラを用いてゲームを行う。これにより,大きな画像と車室内の雰囲気によって,臨場感を味わえるようにしている。
特開平10−151273号公報 特開平11−90038号公報
しかしながら,前記した従来のゲーム装置では,車外に大きなスクリーンを設置する必要がある。前記文献では,例えば,大きなスクリーンの左右を2本の支柱でそれぞれ支え,その支柱のベースを自動車の前輪で押さえる等の方法が記載されている。このようにスクリーンを設置するためには自動車の周囲にある程度のスペースが必要であり,また自動車をその前輪が両側のベースに載るように停止させるための運転技術も必要である。従って,どこでも誰でもできるものであるとは言えない。さらに,車室内の適当な位置に擬似的なステアリングや擬似的ペダル等を設置する必要もあり,セッティングが面倒で時間もかかるという問題点があった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,臨場感が味わえ,設置が容易で開始や終了のために手間がかからない自動車ゲームを実行できるゲーム兼用自動車を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされたゲーム兼用自動車は,運転操作部材群を有する自動車に,ゲーム用コンピュータと,ゲーム用コンピュータからの画像情報に基づいて画像を表示する表示装置と,運転操作部材群の各操作状態を検出してゲーム用コンピュータへ報知する操作状態センサ群とを備え,操作状態センサ群からの各操作状態に基づいてゲーム用コンピュータでゲームを実行し,ゲームの実行に基づく画像を表示装置に表示するものである。むろん,原動機や車輪等の,自動車として不可欠な機械的要素も備えている。
本発明のゲーム兼用自動車によれば,運転操作部材群を操作することにより,一般的な自動車として走行できる。さらに,ゲーム用コンピュータと表示装置とを備えるので,表示装置にゲームの実行に基づく画像が表示され,ゲーム用コンピュータでゲームを実行できる。そのとき,操作状態センサ群によって運転操作部材群の各操作状態が検出されて報知されるので,ユーザは運転操作部材群による操作によってゲームを実行できる。従って,臨場感が味わえ,設置が容易で開始や終了のために手間がかからない自動車ゲームを実行できるゲーム兼用自動車となっている。
さらに本発明では,表示装置を運転席から視認できる位置にセットしたゲーム状態と,表示装置をその位置から退けた通常運転状態との切り換えが可能であることが望ましい。
このようにすれば,通常運転状態には十分な視野が確保され,ゲーム状態では運転席でゲーム画面を見ることができる。
あるいは本発明では,表示装置は,フロントウインドウを構成しており,ゲーム用コンピュータからの画像情報に基づく画像を表示するゲーム状態と,車外の景色を運転者に見せる通常運転状態との切り換えが可能であってもよい。
このようにすれば,通常運転状態には十分な視野が確保され,ゲーム状態では運転席でゲーム画面を見ることができる。
あるいは本発明では,表示装置は,ゲーム遊技者の頭部に装着するヘッドアップディスプレイであってもよい。
このようにすれば,ヘッドアップディスプレイを装着しないときを通常運転状態とし,ゲーム状態ではヘッドアップディスプレイを装着することにより運転席でゲーム画面を見ることができる。
さらに本発明では,運転操作部材群に,操舵輪を操作する操舵操作部材が含まれ,操舵操作部材の操作を操舵輪に伝達する通常運転状態と,操舵操作部材の操作を操舵輪に伝達しないゲーム状態とを切り換える切り換え手段と,切り換え手段がゲーム状態であるときに操舵操作部材の操作限界を規定する操舵制限手段と,切り換え手段がゲーム状態であるときに操舵操作部材を直進位置へ向けて付勢する操舵復元手段とを有することが望ましい。
ここで,操舵輪を操作する操舵操作部材とは一般にステアリングホイールとよばれるものである。また,切り換え手段によれば,ステアリングホイールの回転が操舵輪の方向制御として伝達される通常運転状態と,伝達されないゲーム状態とが切り換えられる。すなわち,ゲーム状態では,停止したままステアリングホイールを操作してもタイヤに悪影響を与えることはない。さらに,ゲーム状態であるときには,操舵制限手段によって操作限界が規定され,操舵復元手段によって直進位置へ向けて付勢される。すなわち,ゲーム状態でのステアリングホイールは,左右への回転角度が制限され,手を離せば直進位置に戻る。従って,臨場感に満ちた操作が可能となる。
さらに本発明では,操舵操作部材とともに回転する操舵操作軸と,操舵操作軸と同軸であり,操舵輪につながる操舵伝達軸と操舵伝達軸とともに回転し,操舵操作軸を覆い,スリーブ部とフランジ部とを有する軸継手と,スリーブ部を貫通して操舵操作軸に嵌入する固定キーと,一端がフランジ部に規制され,他端にガイドピンを有し,軸継手とともに回転する伸縮部材とを有し,操舵操作軸の側面には,固定キーが抜き差し可能に嵌入されるキー穴と,ガイドピンが挿入される有限長の螺旋溝とが形成されており,伸縮部材の自然長は,ガイドピンを螺旋溝の中間位置に挿入させる長さであり,固定キーが切り換え手段であり,螺旋溝が操舵制限手段であり,伸縮部材が操舵復元手段であることが望ましい。
このようにすれば,切り換え手段によって通常運転状態とゲーム状態とが切り換えられる。さらに,ゲーム状態であるときには,操舵制限手段によって操作限界が規定され,操舵復元手段によって直進位置へ向けて付勢される。従って,臨場感に満ちたステアリング操作が可能となる。
あるいは本発明では,操舵操作部材とともに回転する操舵操作軸と,操舵輪につながる操舵伝達軸と操舵操作軸と操舵伝達軸との間に設けられ,サンギアとピニオンギアとキャリアとリングギアとを有する遊星歯車装置と,リングギアの回転を規制する回転規制装置と,リングギアの回転とともに移動する移動部材と,移動部材の移動可能範囲を規制するとともに,移動部材をその移動可能範囲の中央へ向けて付勢する伸縮部材とを有し,操舵操作軸が,サンギアとキャリアとの一方に連結されており,操舵伝達軸が,サンギアとキャリアとの他方に連結されており,回転規制装置が切り換え手段であり,伸縮部材が操舵制限手段および操舵復元手段であるものでもよい。
このようなものであっても,切り換え手段によって通常運転状態とゲーム状態とが切り換えられる。さらに,ゲーム状態であるときには,操舵制限手段によって操作限界が規定され,操舵復元手段によって直進位置へ向けて付勢される。従って,臨場感に満ちたステアリング操作が可能となる。
あるいは本発明では,操舵操作部材とともに回転する操舵操作軸と,操舵輪につながる操舵伝達軸と操舵操作軸と操舵伝達軸との間に設けられ,サンギアとピニオンギアとキャリアとリングギアとを有する遊星歯車装置と,リングギアの回転を規制する回転規制装置と,リングギアに対し,回転方向には固定され,軸方向には移動可能なガイドピンと,一端がガイドピンに規制されて,他端が車体に規制された伸縮部材と,操舵伝達軸と同軸であり,車体に固定された円筒部材とを有し,操舵操作軸が,サンギアとキャリアとの一方に連結されており,操舵伝達軸が,サンギアとキャリアとの他方に連結されており,円筒部材には,ガイドピンが挿入される有限長の螺旋溝が形成されており,伸縮部材の自然長は,ガイドピンを螺旋溝の中間位置に挿入させる長さであり,回転規制装置が切り換え手段であり,螺旋溝が操舵制限手段であり,伸縮部材が操舵復元手段であるものでもよい。
このようなものであっても,切り換え手段によって通常運転状態とゲーム状態とが切り換えられる。さらに,ゲーム状態であるときには,操舵制限手段によって操作限界が規定され,操舵復元手段によって直進位置へ向けて付勢される。従って,臨場感に満ちたステアリング操作が可能となる。
さらに本発明では,ゲーム用コンピュータからの音声情報に基づいて音声を発生する音響装置を有し,ゲーム用コンピュータは,ゲーム実行の際,ゲームの実行に基づく音声を音響装置に発生させることが望ましい。
このようにすれば,ゲームの効果音やBGMを車室内で聞くことができ,さらに臨場感が高まる。
本発明のゲーム兼用自動車によれば,臨場感が味わえ,設置が容易で開始や終了のために手間がかからない自動車ゲームを実行できる。
「第1の実施の形態」
以下,本発明を具体化した第1の実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は,ユーザが運転席に乗り込んでゲームを行うことのできるゲーム兼用自動車10である。
本実施の形態のゲーム兼用自動車10は,その概略構成を図1に示すように,通常の自動車としての構成を有する走行用自動車10Aと,ゲーム装置としての構成を有するゲーム用自動車10Bとを兼ね備えるものである。走行用自動車10Aは,一般的な自動車の構成であり,駆動用のエンジン等の走行用構成1とそれを制御するための走行制御装置2を有している。さらに,ユーザがその走行を制御するために操作するステアリングホイール13,アクセルペダル14,ブレーキペダル15,変速シフト16を有している。また,手動変速機を有する自動車の場合では,クラッチペダル27をも備えている。この場合は,変速シフト16の構成も自動変速機を有する自動車とは異なるものとなるが,自動車の一般的な公知の構成であるので説明は省略する。
また,ゲーム用自動車10Bは,ゲーム用コンピュータ11を中心として構成されている。そして,ユーザがゲーム用コンピュータ11に各種の操作入力するための主な装置として,指示入力装置12,ステアリングホイール13,アクセルペダル14,ブレーキペダル15,変速シフト16を有している。指示入力装置12は,ユーザがゲームの開始や終了の指示,プレーするゲームの種類やコース,ゲーム中で使用する仮想自動車の設定等の入力をするためのものである。あるいは,他の入力装置によって指示入力装置12を兼用してもよい。ステアリングホイール13,アクセルペダル14,ブレーキペダル15,変速シフト16は,走行用自動車10Aのものを兼用する。また,手動変速機を有する自動車の場合では,クラッチペダル27も兼用する。
ここで一般に,自動車のステアリングホイール13は,操舵輪の方向を制御する操舵伝達軸22と常時連結されている。そのためここでは,ステアリングホイール13と操舵伝達軸22との間に動力伝達/遮断装置21を設け,これらの間の動力伝達を遮断できるようにしている。これは,ステアリングホイール13の操作が操舵伝達軸22と連結されたままであると,ゲーム実行のために自動車が停止した状態でステアリングホイール13を動かすことは難しく,また無理に動かせばタイヤに悪影響を与えてしまうからである。このステアリングホイール13および動力伝達/遮断装置21についての詳細は後述する。
また,ゲーム用自動車10Bでは,図1に示すように,走行用自動車10Aと兼用される各操作入力装置について,それぞれの変位を検出するためのセンサが取り付けられている。すなわち,ステアリングホイール13には回転変位センサ23が,アクセルペダル14にはストロークセンサ24が,ブレーキペダル15にはストロークセンサ25が,変速シフト16にはポジションセンサ26が,クラッチペダル27にはストロークセンサ28が設けられている。これらは一般的なセンサであり,その検出結果はゲーム用コンピュータ11に入力される。ここで,ステアリングホイール13,アクセルペダル14,ブレーキペダル15,変速シフト16,クラッチペダル27が運転操作部材群に相当する。また,回転変位センサ23,ストロークセンサ24,25,28,ポジションセンサ26が操作状態センサ群に相当する。
また,ゲーム用自動車10Bでは,さらにゲーム用コンピュータ11からユーザに情報伝達するための主な出力装置として,音響装置17,表示装置18を有している。音響装置17は,自動車が有するオーディオ装置によって兼用すればよい。ゲーム実行時には音響装置17は,エンジン音,タイヤのスキール音,他車の音情報等の効果音や,BGM等の音響信号をゲーム用コンピュータ11から受信して,車室内各所に備えられたスピーカから出力させる。オーディオ装置を備えない自動車では,ゲーム用コンピュータ11のための装置として別に備えてもよい。表示装置18は,ゲーム実行時のみ運転席から見やすい位置にセットされる。例えば,ステアリングホイール13の前方や天井等に収納可能な可倒式表示装置とする。あるいは,取り外して収納できるようにしてもよい。
さらに,ゲーム用コンピュータ11は,インターネット等のネットワークを介して,自動車会社等が有する車両DB19等のデータベースにもアクセス可能にされている。車両DB19は,種々の自動車に関する各種の特性情報が蓄えられたデータベースである。車両DB19には,その一例を図2に示すように,例えば,外形(セダン,クーペ,ミニバン等の区別),重量,走行抵抗,エンジントルク特性,燃料消費特性,車体剛性特性,タイヤ特性などの特性情報が,車種や駆動方式等によって整理されて保管されている。本実施の形態のゲーム兼用自動車10では,実際の自動車を模して構成された仮想自動車を利用できるゲームソフトウェアを想定している。このゲームでは,実際の自動車の特性情報を利用して,例えば自分の自動車と同じ特性を有する仮想自動車をゲーム中で利用することができる。あるいは,車両DB19から,他の自動車の特性データをダウンロードして,ゲーム中で模擬走行させることもできる。
本実施の形態のゲーム兼用自動車10の車室内の様子は,図3に示したように,一般的な自動車そのものである。走行のための一般的な構成を全て備えており,ステアリングホイール13,アクセルペダル14,ブレーキペダル15,変速シフト16等の構成は,走行時とゲーム実行時とで兼用される。この図では,自動変速機を有する自動車を示しているので,クラッチペダル27は備えていない。図3に示したのはゲーム用自動車10Bとして使用されている時の様子であり,表示装置18がセットされている。走行用自動車10Aとして使用される時にはこの表示装置18は折り畳むか取り外すかされて,フロントガラス29を透したドライバーの視界は確保される。
また,ステアリングホイール13の図中左方にはナビ20が備えられている。ここでは,このナビ20に自動車ゲーム用ソフトウェアをインストールすることでゲーム用コンピュータ11として機能させる。また,ナビ20の画面に表示される各種ソフトキーを指示入力装置12として機能させる。あるいは,指示入力装置12としては,キーボードやマウス等の一般的な入力装置を備えたり,ナビ20の周辺に設けられたハードスイッチによってもよい。また,ゲーム用コンピュータ11としては,ナビ20と兼用させる代わりにゲーム専用のコンピュータを設けてもよい。
次に,ステアリングホイール13と動力伝達/遮断装置21について詳しく説明する。動力伝達/遮断装置21は,図4の断面図に示すように,ステアリングホイール13の中心部に固定されたステアリング軸32が筒状の接続ケース33に収められている。ここで,ステアリングホイール13が操舵操作部材に,ステアリング軸32が操舵操作軸にそれぞれ相当する。さらに,ステアリング軸32にキー溝34が設けられ,接続ケース33に設けられた貫通孔を貫通してキー溝34に着脱可能なキー35を有している。この着脱によりステアリング軸32と接続ケース33との連動が接続あるいは遮断される。
さらに,ステアリング軸32の周囲に配置された軸受け36と,接続ケース33の底部に固定された軸継手37とによってステアリング軸32の姿勢が保持されている。軸継手37は,操舵伝達軸22と接続ケース33との間を接続あるいは離間するものであり,軸継手37とステアリング軸32とは直接固定されてはいない。ここで接続ケース33は,軸継手37に固定されて,そのスリーブ部に相当する。また,軸継手37はフランジ部に相当する。
また,ステアリング軸32の周囲にはスプリング38が配置され,スプリング38の両端部はガイド39と軸継手37とにそれぞれ固定されている。ガイド39は,リング状の部材でその内径はステアリング軸32の外径よりやや大きい。そして,ガイド39の内面には,中心方向へ突出したガイド突起40が形成されている。ガイド突起40は,ステアリング軸32の外周にらせん状に形成されたガイド溝41にはめ込まれている。ガイド溝41は,所定の長さだけ形成され,その両端部は行き止まりとなっている。また,スプリング38が自由長のとき,ガイド突起40がガイド溝41の中央に位置するように配置される。
次に,このステアリングホイール13の動作を説明する。まず,このゲーム兼用自動車10が走行用自動車10Aとして機能するときの動作を説明する。このとき,キー35はキー溝34に装着される。そして,ステアリング軸32は,接続ケース33及び軸継手37を介して,操舵伝達軸22と連動される。これにより,キー35を差した状態でのステアリングホイール13の回転は,ステアリング軸32の回転と接続ケース33及び軸継手37の回転とを介して,操舵伝達軸22の回転として伝達される。従って,ステアリングホイール13の回転は走行方向制御として伝達されるので通常の運転が可能である。このとき,動力伝達/遮断装置21は動力伝達状態,すなわち通常運転状態として機能している。
次に,このゲーム兼用自動車10がゲーム用自動車10Bとして機能するときのステアリングホイール13の動作を説明する。このとき,キー35はキー溝34から抜き出される。これにより,ステアリング軸32は,接続ケース33及び軸継手37と遮断された状態となる。そして,ステアリングホイール13を回転させても接続ケース33は回転されず,その中でステアリング軸32のみが回転する。従って,ステアリングホイール13の回転は操舵伝達軸22には伝達されない。このとき,動力伝達/遮断装置21は,動力遮断状態,すなわちゲーム状態として機能している。ここで,動力伝達/遮断装置21が,切り換え手段に相当する。
またこの動力遮断状態のとき,ステアリングホイール13を回転させると,ステアリング軸32の回転によってガイド溝41の配置が変更され,ガイド突起40はガイド溝41に沿って上方あるいは下方へ移動する。ガイド突起40の移動によりガイド39が全体として上下し,スプリング38が伸張あるいは短縮される。すなわち,このステアリングホイール13は,左右への回転角が大きくなるに従ってスプリング38による復元力が増大して重くなる。また,ステアリングホイール13に力が加わっていない状態では,スプリング38の復元力によって,ガイド39,ステアリング軸32は中央位置へ戻される。従って,手を離すことで当初の位置に戻り,キー溝34にキー35を差し込むことができるようになる。さらに,ガイド溝41は,所定の長さだけ形成されているので,ガイド突起40がガイド溝41の両端部に達するまでステアリング軸32が回転されると,それ以上の回転は制限される。このため,ステアリングホイール13は中央位置から左右への回転可能な角度に所定の限界がある。
次に,ゲーム兼用自動車10全体としての動作について説明する。この自動車を走行用自動車10Aとして走行させる時には,ユーザは自動車のエンジンをかけ,シートに座って一般的な運転動作を行う。このときナビ20は,一般的なナビゲーション装置として機能する。また,キー35はキー溝34に差し込まれ,ステアリングホイール13の回転は操舵伝達軸22に伝達されるので,ステアリングホイール13は方向制御装置として機能する。各ペダル等は,一般的な走行制御のための各装置として機能する。
一方,ユーザがこのゲーム兼用自動車10をゲーム用自動車10Bとして使用するときには,まず自動車を安全に停止させてエンジンを切り,スイッチをアクセサリモードとすることによりゲームの開始が可能となる。あるいは,外部のバッテリや商用電源等を利用できる場合は,自動車のスイッチを切って実行するようにしてもよい。ユーザは,ナビ20を操作して指示入力装置12からゲームの実行開始を指示し,自動車ゲーム用ソフトウェアを実行させる。また,ステアリングホイール13のキー35を抜く。これにより,ステアリングホイール13が操舵伝達軸22と切り離されるので,ゲーム用のコントローラとして機能できる。各ペダル等は,エンジンが切られているので走行制御のための装置としては機能しない。そのかわり,各センサによってその操作状態が検出されることによって,ゲーム用のコントローラとして機能する。
ところで,ゲームを実行するためには,ゲーム中で使用する仮想自動車の用意が必要となる。この自動車ゲームでは,実在する自動車の走行性能等を組み込んだ仮想自動車を利用することができる。そこで,仮想自動車の性能データを作成するために,ゲーム兼用自動車10自身の特性データを読み込んだり,インターネット等を介して他の自動車の特性データをダウンロードする等の処理を,ユーザの指示に従って行う。既に自動車ゲームを実行したことのあるユーザで,自分用の仮想自動車データを有している場合はそのデータを読み込んでもよい。また,走行モードや走行コースの選択等のゲームに必要な準備を行う。これらのゲーム開始前の準備段階では,ナビ20の表示装置に選択肢等を表示し,選択入力はナビ20の指示入力装置12等から行うようにしてもよい。あるいは,表示装置18とステアリングホイール13や各ペダル14,15等を利用するようにしてもよい。
ここで,自動車は一般に,例えば自動変速機の変速比範囲や変速速度等のように,電子的に設定可能な各種の設定値を有している。この自動車ゲームでは,これらの設定値を変更した仮想自動車を作成することもできる。それには,設定値を変更した場合の自動車の特性データを車両DB19からダウンロードすればよい。これにより,例えば,自分のゲーム兼用自動車10の設定を一部変更してゲームで走行させることができる。このようにすれば,実際に設定変更して試走するよりずっと容易に,設定変更による自動車の挙動の変化を試すことができる。また,同様にして,エアロパーツ等の各種のカスタマイズパーツを購入する前に,そのパーツを取り付けた仮想自動車をゲーム走行し,取り付けによる自動車の挙動の変化を試すことも可能である。
これらの準備が終わったら,ゲーム上での走行が可能となる。ユーザはシートに座り,ステアリングホイール13,アクセルペダル14,ブレーキペダル15,変速シフト16等を利用して,通常の運転動作と同様に仮想自動車の運転を行う。ゲーム用コンピュータ11は,回転変位センサ23,ストロークセンサ24,25,ポジションセンサ26等からの検出信号を受信し,各ペダル等の操作量を判断する。そして,仮想自動車の特性情報,走行中のコース情報,受信した操作量情報等を総合して,仮想自動車の挙動を算出する。これらの算出結果に基づいて,ゲームの進行に沿ったゲーム画像を表示装置18に表示する。このとき,周回,順位,コース,車速等のゲームに必要な各種データも表示装置18の隅に表示する。また,ゲーム用コンピュータ11は,ゲームの効果音やBGM等のデータを自動車の音響装置17に送信し,車内に備えられたスピーカから各種音声を発生させる。これにより,ユーザは臨場感に満ちたゲームができる。
さらに,ステアリングホイール13が図4に示したように構成されているので,左右への回転角が制限されている。スプリング38の自由長でガイド突起40がガイド溝41の中央に位置するので,左右両方向にそれぞれ同じ回転角で制限される。また,スプリング38の復元力により,ステアリングホイール13から手を離せば元の位置(中央)に戻るとともに,回転角が大きくなるに従って回転が重くなる。これらにより,ユーザはさらに臨場感に満ちたゲームができる。
ところで,このステアリングホイール13は,軸継手37によって操舵伝達軸22と切り離されると,軸継手37ごとゲーム兼用自動車10から取り外すことが可能となる。そこで,図5に示したように,車室内から取り外して,キー35によって別体のゲーム機用のケース42に固定することができる。このようにすると,別体のゲーム機用のステアリングコントローラとしても使用できる。ゲーム実行時には,キー35をやや抜き出して,ケース42と接続ケース33とのみが接続された状態にする。ステアリングホイール13の回転変位はセンサ等で検出され,ケース42を介して別体のゲーム機に送信される。このステアリングホイール13を使用すれば,最大回転角が制限され,手を離せば中央位置に戻るとともに,回転角が大きくなるに従って重くなる。従って,臨場感の高いステアリングコントローラとなっている。
以上詳細に説明したように本実施の形態のゲーム兼用自動車10によれば,実際の自動車の車室内で,実際のステアリングホイール13,アクセルペダル14,ブレーキペダル15等を利用してゲーム走行ができる。表示装置18は車室内に収納可能な可倒式のものであるので,スクリーンの設置等の手間がかからない。さらに,ステアリングホイール13は,動力伝達/遮断装置21(キー35等)によって操舵伝達軸22との動力伝達が遮断できるので,通常運転状態とゲーム状態とが切り換えられる。ゲーム状態時には,ガイド突起40とガイド溝41とによって回転角が制限され,スプリング38によって中央位置へと付勢されるので,実際のステアリングホイール13の感触に似た臨場感が得られる。ユーザは,キー35を抜いて表示装置18をセットし,ゲーム用コンピュータ11に自動車ゲーム用ソフトウェアを実行させるのみでよいので,車室内で手軽に実施できる。これにより,臨場感が味わえ,設置が容易で開始や終了のために手間がかからない自動車ゲームが実行できるゲーム兼用自動車10となっている。
「第2の実施の形態」
次に,本発明を具体化した第2の実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は,第1の実施の形態のゲーム兼用自動車10において,表示装置18の構成が異なるのみである。それ以外の構成については,ゲーム兼用自動車10のものと同一の符号を使用し,説明を省略する。
本実施の形態の表示装置18は,フロントガラス29と兼用されるものであり,走行時には透明となり,ゲーム実行時には表示装置18として機能する。この表示装置18は,図6と図7とに示すように,液晶を利用した多層構造のものである。図6に示したのは,自動車の走行時にフロントガラス29として使用される場合の状態であり,透明ガラス状態である。また,図7に示したのは,ゲーム実行時に表示装置18として使用される場合の状態である。
表示装置18は,図6と図7とに示すように,ガラス基盤51,51に挟まれて,液晶セルを保持する液晶層52,液晶層52に電圧を印加するための透明電極53,液晶層52を所定の向きに配向させる配向装置54,ハーフミラー層55の各層が配置されている。ガラス基盤51,51は,光を透過し,液晶層52等を挟持するとともに保護するものである。これらの機能を有していれば,必ずしもガラスでなくてもよい。
また,液晶層52は,例えば高分子分散液晶セルを用いる。高分子液晶は、高い配向性を有し,強度・弾性率・耐熱性に優れた材料が作り出されている。ここでは,リバースモードの高分子分散液晶を用いるとよい。これは,電圧の加わっていない状態では透明であり,高周波の電圧で駆動すると液晶分子が電界と垂直な方向に配向されるものである。透明電極53は,例えば図中において一点鎖線で示したようなユーザの平均的な視線方向と,液晶層52の両側でそれぞれ交わる位置に配置された1対が組とされている。そして,その1対ごとに駆動電圧が制御されて,それらの間にある液晶セルの配向を制御する。
このような構成の表示装置18では,図6に示すように,透明電極53に電圧を印加させていない状態では,液晶層52の液晶セルは視線に平行に配向され,透明なフロントガラス29となる。従って,通常の運転動作が可能である。ゲーム実行時にはゲーム用コンピュータ11によって透明電極53を制御して,図7に示すように,必要箇所の液晶セルに電圧を印加し,電界と垂直な方向に配向させる。このとき,液晶セルとして,液晶中に細長い分子構造を有する色素分子を溶解させたものを用いれば,液晶セルを配向させることにより色素分子も同様に配列させることができる。そこで,3原色のサブドットを組み合わせて1ドットとすることにより,カラー表示を行うことができる。
ここで,液晶分子自体は発光しないので,この表示装置18では,外からの光を背光として利用する。外からの光が不足する場合には,車室内に照明装置56を設け,照明装置56の発生する光をハーフミラー層55によって反射させて背光とする。照明装置56は一般的なルームライトを使用してもよい。このハーフミラー層55があるため,車外からフロントガラス29を見てもゲーム画面を見ることはできない。これによって,落ち着いてゲームをすることができ,また,外の景色や室内の様子がゲーム画面に映り込むことはない。
あるいは,上記の高分子分散液晶パネルに代えて,図8に示すように,投写型液晶ディスプレイによるスクリーンを利用することもできる。この場合は,ガラス基盤51,51に挟まれた液晶層57として,長軸方向と短軸方向とで光の透過と遮断との切換が可能なものを使用する。また,ハーフミラー層55は,車内側のガラス基盤51に密着させる。またこの構成では,さらに投影装置58を備える。
この表示装置18では,走行時には液晶層57を透過状態とする。こうすることで,透明なフロントガラス29となるので,通常の運転動作が可能となる。一方ゲーム実行時には,液晶層57を遮断状態とし,ハーフミラー層55の背面からの光の入射を遮る。これにより,ハーフミラー層55はスクリーンとして機能し,ここに投影装置58によってゲーム画面を投影することができる。フロントガラス29は曲面であるので,画像補正をしてもよい。
あるいは,図9に示すように,有機ELディスプレイを利用してもよい。この表示装置18では,ガラス基盤51に平行に透明電極53と有機ELセル59とが配置されている。有機ELセル59としては電圧をかけないときは透明で,電圧をかけると発光するものを用いるとよい。また,カラー表示する方法としては,RGBの3色に発光する各セルをサブピクセルとする方法や,3色のフィルタを使う方法,蛍光体を使う方法等が考案されている。また,外からの光で表示が見にくい場合は,外側のガラス基盤51の内面にハーフミラー層を加えてもよい。
以上詳細に説明したように,本実施の形態のゲーム兼用自動車10によれば,表示装置18がフロントガラス29と兼用されるので,第1の実施の形態と同様に,臨場感が味わえ,設置が容易で開始や終了のために手間がかからない自動車ゲームが実行できるゲーム兼用自動車10となっている。
「第3の実施の形態」
次に,本発明を具体化した第3の実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は,第1の実施の形態のゲーム兼用自動車10において,表示装置18の構成が異なるのみである。それ以外の構成については,ゲーム兼用自動車10のものと同一の符号を使用し,説明を省略する。
本実施の形態の表示装置18は,自動車とは別に用意されるヘッドアップディスプレイである。これは,ユーザが頭部に装着し,そのレンズを透して外部を見ることにより,外部の風景と表示画像とを重ねて見ることができるものである。あるいは,外部の風景を遮断して,表示画像のみを見えるようにすることもできる。通常の運転時には,表示装置18を頭部から外すのみでよい。この表示装置18では,ゲーム終了時には全ての視界が遮断されるようにしておけば,装着したまま運転するおそれはない。
この表示装置18では,両眼用にそれぞれ液晶モニタあるいは有機ELモニタ等のレンズを有している。ゲーム用コンピュータ11は,それぞれのレンズを透して見えるフロントガラス領域に重ねてゲーム画像を表示する。フロントガラス領域の算出方法は,図10に示すように,車室内の所定の位置に設置した基準位置センサ61によって行う。図10では,略四角形A1A2A3A4でフロントガラス領域を表し,略四角形B1B2B3B4でユーザの視野領域,すなわちレンズの範囲を表している。
この表示装置18のレンズ周辺には少なくとも3個の位置発信機が設けられ,これらの位置発信機は,ゲーム実行中はそれぞれ異なる信号を常時発信している。この位置発信機からの信号を基準位置センサ61によって常時受信する。ゲーム用コンピュータ11では,この受信信号によってそれぞれの位置発信機と基準位置センサ61との距離や方向を算出し,その結果から,レンズ領域を求めることができる。さらに,表示装置18を装着したときのユーザの一般的な視点位置をあらかじめ設定しておき,視点から見たフロントガラス領域をレンズ領域上に投影する。これにより,レンズ領域内でのフロントガラス領域が求められる。そこで,その領域内にゲーム画像を表示するのである。
さらには,同様にして各種計器類の表示領域やバックミラー,サイドミラー等のミラー領域をも算出して,それらの位置にそれぞれ対応する情報を表示してもよい。また,ユーザの視点位置を検出して補正を行ったり,両眼視差を利用して立体画像表示としてもよい。あるいは,フロントガラス領域のみでなく全領域を表示領域とし,計器類や各種デバイスの意匠を変更して表示させることもできる。この意匠は,例えば,インターネットを介して自動車会社のデータベースからダウンロードできるようにしてもよい。このようにすれば,自分の自動車とは異なる雰囲気の中でのゲーム走行を体験できる。
以上詳細に説明したように,本実施の形態のゲーム兼用自動車10によれば,ヘッドアップディスプレイ方式の表示装置18を用いるので,第1の実施の形態と同様に,臨場感が味わえ,設置が容易で開始や終了のために手間がかからない自動車ゲームを実行できるゲーム兼用自動車10となっている。
「第4の実施の形態」
次に,本発明を具体化した第4の実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は,第1の実施の形態のゲーム兼用自動車10において,ステアリングホイール13の構成が異なるのみである。それ以外の構成については,ゲーム兼用自動車10のものと同一の符号を使用し,説明を省略する。
本実施の形態のステアリングホイール13は,図11に示すように,遊星歯車機構を有している。ステアリングホイール13に固定されたステアリング軸72は,遊星歯車機構のサンギア73に固定されている。サンギア73の周囲に配置される複数のピニオンギア74にはキャリア75が取り付けられ,キャリア75は操舵伝達軸22に固定されている。さらに,ピニオンギア74の周囲には遊星歯車機構のリングギア76が配置されている。また,リングギア76の外側には,必要に応じてその回転を停止させるためのブレーキ装置77が設けられている。このブレーキ装置77が,回転規制装置に相当し,切り換え手段として機能する。ブレーキ装置77に代えて,キー機構やラチェット機構を使用してもよい。
さらに,リングギア76には,図11に示すように,ラック&ピニオン機構が取り付けられている。リングギア76の外周面(図中下側)にはかさ歯車が形成されており,別のかさ歯車78とかみ合って,回転方向が変換されている。さらに,かさ歯車78には同軸のピニオン79が固定され,そのピニオン79にはラック80がかみ合っている。これらにより,リングギア76の回転は,かさ歯車78及びピニオン79の回転を介して,ラック80の図中上下動として伝達される。また,ラック80には,その中央部に移動板81が固定されている。従って,ラック80あるいは移動板81が移動部材に相当する。
そして,移動板81の両側には,ラック80の移動方向に平行に設けられた同一のスプリング82,82のそれぞれ一端が固定されている。スプリング82,82の他端は,両方のスプリング82,82がともにほぼ自由長となる距離を置いて,車体の適当な位置に固定されている。なお,図11では,ラック80をステアリング軸72とほぼ平行に表しているが,これらの配置は互いに無関係であり,例えば,ラック80を水平に配置してもよい。
次に,この実施の形態のステアリングホイール13の動作を説明する。まず,ステアリングホイール13の回転はステアリング軸72を介してサンギア73の回転となる。ここで,ブレーキ装置77を作動させてリングギア76の回転を停止させた場合,サンギア73の回転は,サンギア73を中心としたピニオンギア74の回転移動となり,キャリア75の回転となるので,操舵伝達軸22の回転として伝達される。従って,ステアリングホイール13の回転は操舵輪の方向制御機構に伝達されるので,通常の運転動作が可能である。これが通常運転状態となる。
一方,ブレーキ装置77を解除すると,サンギア73の回転はピニオンギア74の回転移動とリングギア76の回転との両方に伝達される。しかしこのとき,ピニオンギア74の回転移動は上記した操舵伝達軸22の方向制御に連結されており,リングギア76に連結されたラック&ピニオン機構に比較してかなり大きい抵抗を有している。そのため,サンギア73の回転のほとんどはリングギア76の回転として伝達される。すなわち,ステアリング軸72の回転は操舵伝達軸22に伝達されない。これがゲーム状態となる。
また,上記したようにリングギア76の回転はラック80の図中上下動となるので,ステアリングホイール13の回転は移動板81の図中上下動として伝達される。移動板81は,スプリング82,82によって中央へ向けて付勢されるとともに,スプリング82,82の他端の固定位置によってその移動範囲が制限されている。従って,このステアリングホイール13は,第1の実施の形態で説明したステアリングホイール13と同様に,最大回転角が制限され,手を離せば中央位置に戻るとともに,回転角が大きくなるに従って重くなるものとなっている。
またあるいは,上記のステアリングホイール13のキャリア75に代えて,図12に示すように,キャリア83とステアリング軸72とを固定した構成としてもよい。この場合は,サンギア73は操舵伝達軸22に接続される。この構成によっても,上記のステアリングホイール13と同様の作用効果が得られる。
またあるいは,上記のステアリングホイール13のラック&ピニオン機構に代えて,図13に示すように,第1の実施の形態で用いたガイド突起&ガイド溝機構を用いてもよい。この機構では,ガイド突起84が設けられたガイド85は,リングギア76とともに回転される。ガイド溝86が形成されたガイド筒87及びスプリング88の一端は,車体の所定の場所に固定される。操舵伝達軸22は,ガイド筒87の内部を貫通して,操舵輪の方向制御機構に連結されている。この構成によっても,ブレーキ装置77によって通常運転状態とゲーム状態とが切り換えられる。また,ガイド突起84とガイド溝86とによって,第1の実施の形態のステアリングホイール13と同様の作用効果が得られる。
以上詳細に説明したように,本実施の形態のゲーム兼用自動車10によれば,第1の実施の形態と同様に,臨場感が味わえ,設置が容易で開始や終了のために手間がかからない自動車ゲームが実行できるゲーム兼用自動車10となっている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,上記の各実施の形態では,第1の実施の形態を基にその表示装置18またはステアリングホイール13の構成を変更したとして記載しているが,表示装置18とステアリングホイール13とはそれぞれ独立した構成部分であるので,各実施の形態を混用することも可能である。
ゲーム兼用自動車の概略構成を示すブロック図である。 車両DBの例を示す説明図である。 ゲーム兼用自動車の内部を示す図である。 ステアリングの概略構成を示す断面図である。 ステアリングを取り外した状態の概略構成を示す断面図である。 高分子分散液晶パネルによる表示装置の概略構成を示す断面図である。 高分子分散液晶パネルによる表示装置の概略構成を示す断面図である。 投写型液晶ディスプレイによる表示装置の概略構成を示す断面図である。 有機ELディスプレイによる表示装置の概略構成を示す断面図である。 ヘッドアップディスプレイによる表示装置の概略構成を示す断面図である。 第4の実施の形態に係るステアリングの概略構成を示す断面図である。 第4の実施の形態に係るステアリングの概略構成を示す断面図である。 第4の実施の形態に係るステアリングの概略構成を示す断面図である。
符号の説明
10 ゲーム兼用自動車
11 ゲーム用コンピュータ
13 ステアリングホイール(運転操作部材群,操舵操作部材)
14 アクセルペダル(運転操作部材群)
15 ブレーキペダル(運転操作部材群)
16 変速シフト(運転操作部材群)
18 表示装置
21 動力伝達/遮断装置(切り換え手段)
22 操舵伝達軸
23 回転変位センサ(操作状態センサ群)
24,25,28 ストロークセンサ(操作状態センサ群)
26 ポジションセンサ(操作状態センサ群)
27 クラッチペダル(運転操作部材群)
29 フロントガラス(フロントウインドウ)
32,72 ステアリング軸(操舵操作軸)
33 接続ケース(スリーブ部)
34 キー溝(キー穴)
35 キー(固定キー)
37 軸継手(フランジ部,軸継ぎ手)
38,82 スプリング(伸縮部材)
40,84 ガイド突起(ガイドピン)
41,86 ガイド溝(操舵制限手段,螺旋溝)
73 サンギア(遊星歯車装置)
74 ピニオンギア(遊星歯車装置)
75,83 キャリア(遊星歯車装置)
76 リングギア(遊星歯車装置)
77 ブレーキ装置(回転規制装置)
80 ラック(移動部材)
87 ガイド筒(円筒部材)

Claims (9)

  1. 運転操作部材群を有する自動車に,
    ゲーム用コンピュータと,
    前記ゲーム用コンピュータからの画像情報に基づいて画像を表示する表示装置と,
    前記運転操作部材群の各操作状態を検出して前記ゲーム用コンピュータへ報知する操作状態センサ群とを備え,
    前記操作状態センサ群からの各操作状態に基づいて前記ゲーム用コンピュータでゲームを実行し,ゲームの実行に基づく画像を前記表示装置に表示することを特徴とするゲーム兼用自動車。
  2. 請求項1に記載するゲーム兼用自動車において,
    前記表示装置を運転席から視認できる位置にセットしたゲーム状態と,前記表示装置をその位置から退けた通常運転状態との切り換えが可能であることを特徴とするゲーム兼用自動車。
  3. 請求項1に記載するゲーム兼用自動車において,前記表示装置は,
    フロントウインドウを構成しており,
    前記ゲーム用コンピュータからの画像情報に基づく画像を表示するゲーム状態と,車外の景色を運転者に見せる通常運転状態との切り換えが可能であることを特徴とするゲーム兼用自動車。
  4. 請求項1に記載するゲーム兼用自動車において,
    前記表示装置は,ゲーム遊技者の頭部に装着するヘッドアップディスプレイであることを特徴とするゲーム兼用自動車。
  5. 請求項1に記載するゲーム兼用自動車において,
    前記運転操作部材群に,操舵輪を操作する操舵操作部材が含まれ,
    前記操舵操作部材の操作を操舵輪に伝達する通常運転状態と,前記操舵操作部材の操作を操舵輪に伝達しないゲーム状態とを切り換える切り換え手段と,
    前記切り換え手段がゲーム状態であるときに前記操舵操作部材の操作限界を規定する操舵制限手段と,
    前記切り換え手段がゲーム状態であるときに前記操舵操作部材を直進位置へ向けて付勢する操舵復元手段とを有することを特徴とするゲーム兼用自動車。
  6. 請求項5に記載するゲーム兼用自動車において,
    前記操舵操作部材とともに回転する操舵操作軸と,
    前記操舵操作軸と同軸であり,操舵輪につながる操舵伝達軸と
    前記操舵伝達軸とともに回転し,前記操舵操作軸を覆い,スリーブ部とフランジ部とを有する軸継手と,
    前記スリーブ部を貫通して前記操舵操作軸に嵌入する固定キーと,
    一端が前記フランジ部に規制され,他端にガイドピンを有し,前記軸継手とともに回転する伸縮部材とを有し,
    前記操舵操作軸の側面には,前記固定キーが抜き差し可能に嵌入されるキー穴と,前記ガイドピンが挿入される有限長の螺旋溝とが形成されており,
    前記伸縮部材の自然長は,前記ガイドピンを前記螺旋溝の中間位置に挿入させる長さであり,
    前記固定キーが前記切り換え手段であり,前記螺旋溝が前記操舵制限手段であり,前記伸縮部材が前記操舵復元手段であることを特徴とするゲーム兼用自動車。
  7. 請求項5に記載するゲーム兼用自動車において,
    前記操舵操作部材とともに回転する操舵操作軸と,
    操舵輪につながる操舵伝達軸と
    前記操舵操作軸と前記操舵伝達軸との間に設けられ,サンギアとピニオンギアとキャリアとリングギアとを有する遊星歯車装置と,
    前記リングギアの回転を規制する回転規制装置と,
    前記リングギアの回転とともに移動する移動部材と,
    前記移動部材の移動可能範囲を規制するとともに,前記移動部材をその移動可能範囲の中央へ向けて付勢する伸縮部材とを有し,
    前記操舵操作軸が,前記サンギアと前記キャリアとの一方に連結されており,
    前記操舵伝達軸が,前記サンギアと前記キャリアとの他方に連結されており,
    前記回転規制装置が前記切り換え手段であり,前記伸縮部材が前記操舵制限手段および前記操舵復元手段であることを特徴とするゲーム兼用自動車。
  8. 請求項5に記載するゲーム兼用自動車において,
    前記操舵操作部材とともに回転する操舵操作軸と,
    操舵輪につながる操舵伝達軸と
    前記操舵操作軸と前記操舵伝達軸との間に設けられ,サンギアとピニオンギアとキャリアとリングギアとを有する遊星歯車装置と,
    前記リングギアの回転を規制する回転規制装置と,
    前記リングギアに対し,回転方向には固定され,軸方向には移動可能なガイドピンと,
    一端が前記ガイドピンに規制されて,他端が車体に規制された伸縮部材と,
    前記操舵伝達軸と同軸であり,車体に固定された円筒部材とを有し,
    前記操舵操作軸が,前記サンギアと前記キャリアとの一方に連結されており,
    前記操舵伝達軸が,前記サンギアと前記キャリアとの他方に連結されており,
    前記円筒部材には,前記ガイドピンが挿入される有限長の螺旋溝が形成されており,
    前記伸縮部材の自然長は,前記ガイドピンを前記螺旋溝の中間位置に挿入させる長さであり,
    前記回転規制装置が前記切り換え手段であり,前記螺旋溝が前記操舵制限手段であり,前記伸縮部材が前記操舵復元手段であることを特徴とするゲーム兼用自動車。
  9. 請求項1に記載するゲーム兼用自動車において,
    前記ゲーム用コンピュータからの音声情報に基づいて音声を発生する音響装置を有し,
    前記ゲーム用コンピュータは,ゲーム実行の際,ゲームの実行に基づく音声を前記音響装置に発生させることを特徴とするゲーム兼用自動車。
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